JP2014105195A - 二環式アミン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は二環式アミン化合物の製造方法に関する。
二環式アミン化合物は、例えば、医農薬中間体、有機合成用触媒、化学吸着剤、抗菌剤等に有用な化合物として知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
そして、特許文献2には、固体触媒の存在下、気相中にて分子内脱水させることにより、二環式アミン化合物を製造する方法が記載されている。
特許文献2に記載の方法は、多段階の反応が不要であり、発火の危険性が高い還元剤を用いることなく、簡便且つ安全に二環式アミン化合物を製造することができるという優れた方法ではあるが、液相でのバッチ式反応であり、工業的に連続生産する上では非効率であった。
また、特許文献3には、連続式反応による製造方法が示されているが、目的物の選択率には未だ改善の余地があった。
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は二環式アミン化合物を高選択率で得ることのできる製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すとおりの二環式アミン化合物の製造方法である。
[1]下記式(1)
で示される化合物を、固体触媒の存在下、気相中、減圧下で分子内脱水させることを特徴とする下記式(2)
[2]反応圧力が、20mmHg以上600mmHg以下の範囲であることを特徴とする上記[1]に記載の二環式アミン化合物の製造方法。
[3]反応圧力が、20mmHg以上400mmHg以下の範囲であることを特徴とする上記[1]に記載の二環式アミン化合物の製造方法。
[4]上記式(1)において、Xが窒素原子であることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の二環式アミン化合物の製造方法。
[5]上記式(1)において、Yがヒドロキシメチル基であることを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の二環式アミン化合物の製造方法。
[6]上記式(1)において、R1〜R8が全て水素原子であることを特徴とする上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の二環式アミン化合物の製造方法。
[7]固体触媒が、酸成分、塩基成分又はそれらの両方を担持させた触媒であることを特徴とする上記[1]乃至[6]にいずれかに記載の二環式アミン化合物の製造方法。
[8]酸成分として無機酸を用いることを特徴とする上記[7]に記載の二環式アミン化合物の製造方法。
[9]塩基成分として、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を用いることを特徴とする上記[7]に記載の二環式アミン化合物の製造方法。
本発明の製造方法によれば、二環式アミン化合物を高選択率で得ることが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、上記式(1)で示される化合物を、固体触媒の存在下、気相中、減圧下で分子内脱水させ、上記式(2)で示される二環式アミン化合物を製造することをその特徴とする。
上記式(1)で示される化合物の分子間による副反応を抑制するためは、反応圧力は、20mmHg以上600mmHg以下の範囲であることが好ましく、20mmHg以上400mmHg以下の範囲であることがさらに好ましい。600mmHgよりも高い減圧下でも選択率の改善効果が見られることはいうまでもないが、より効果が大きいのは上記した好ましい範囲である。
上記式(1)及び(2)において、Xは炭素原子又は窒素原子を表し、R1〜R8及びYは各々独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、水酸基を表す。R1〜R8として好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基であり、Yとして好ましくは、ヒドロキシメチル基、又はヒドロキシエチル基である。
上記式(1)で示される化合物のうち、Xが炭素原子である化合物としては、例えば、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明において、固体触媒の担体としては、特に限定するものではないが、例えば、無機酸化物が好適なものとして挙げられる。無機酸化物としては、特に限定するものでは無いが、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、アルミノシリケート、ゼオライト、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらの中では、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、ハイシリカゼオライトが好ましい。酸化ケイ素としては、非晶質の乾式シリカ又は多孔質シリカが特に好ましい。
また別の担体として、例えば、金属リン酸塩も使用できる。金属リン酸塩としては、従来公知のものでよく、特に制限は無いが、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸などの金属塩が挙げられる。リン酸と塩を形成する金属としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、パラジウム、銀、スズ、鉛などが挙げられる。より好ましくは、リン酸アルミニウム塩である。
これらの担体に、酸成分、塩基成分、又はそれらの両方を担持させることにより、固体触媒を調製することが好ましい。より好ましくは、塩基成分を単独で用いるか、又は酸成分と塩基成分を併用する。
酸成分としては、好ましくは無機酸が使用される。無機酸としては、特に限定するものではないが、例えば、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ホスフィンオキサイド、各種リン酸塩、スルホン酸等が挙げられる。
塩基成分としては、好ましくはアルカリ金属又はアルカリ土類金属が使用される。アルカリ金属又はアルカリ土類金属としては、特に限定されるものではないが、例えば、Na,K,Rb,Cs,Ca,Sr,Ba等が挙げられる。目的物を高収率で得るためには、CsもしくはRbを用いることが特に好ましい。
これらの塩基成分の原料としては、特に限定するものではないが、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等が挙げられる。これらの中では硝酸塩、炭酸塩が好ましい。
本発明において、固体触媒における強酸点、強塩基点は、基質の分解を促進するため、酸点は3<H0<7、塩基点は7<H−<10の強度であることが好ましい。
本発明において、固体触媒における比表面積は10m2/g以上であることが好ましい。
本発明において、固体触媒の調製法は、一般的に行われる調製法を採用すればよく、特に限定されない。例えば、上記した固体触媒の原料(例えば、触媒担体、アルカリ金属元素成分又はアルカリ土類金属元素成分の原料、リン成分の原料等)を水中に溶解又は懸濁させて、攪拌、加熱、濃縮、乾燥後、成型し、更に焼成を経て固体触媒とする方法等が挙げられる。
固体触媒の焼成温度としては、例えば、300〜1100℃の範囲を取ることができるが、好ましくは400〜700℃の範囲である。この範囲とすることで酸塩基強度、比表面積等の物性を向上させ、触媒活性、選択率をより高めることができる。
本発明において、固体触媒を焼成する場合は、特に限定するものではないが、空気又は窒素雰囲気下で行えばよい。
本発明においては、反応は気相、固定床流通式で行われる。
本発明においては、希釈ガスとして、窒素、アルゴン、水素、アンモニア、水蒸気又は炭化水素ガスを用いることができる。
これらの希釈ガスは任意の量で使用でき、特に限定するものではないが、反応基質/希釈ガスのモル比は0.01〜1の範囲とすることが好ましい。
本発明においては、反応温度は通常200〜500℃、好ましくは320〜420℃の範囲である。320℃以上とすることで、上記式(1)で示される化合物の転化率が向上し、上記式(2)で示される二環式アミン化合物の選択率を向上させることが出来る。
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
調製例1 N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの合成.
200mlの三口フラスコに、ピペラジン86.1g(1.0モル)、溶媒としてメタノール100mlを仕込み、窒素雰囲気下でグリシドール22.2g(0.3モル)を4時間かけて滴下した。三口フラスコをオイルバス中に保持することで、反応液の温度を60℃に保った。グリシドールの滴下終了後、単蒸留により反応液中の溶媒であるメタノール、未反応のピペラジンを留去した。生成物を真空乾燥することで、白色粘調固体45.2gが得られた。この物質は、上記した例示化合物番号12で示されるN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)プロピルピペラジン(以下、DHPPと略す)であることが、ガスクロマトグラフィー質量分析及び核磁気共鳴分析によって確認された。
200mlの三口フラスコに、ピペラジン86.1g(1.0モル)、溶媒としてメタノール100mlを仕込み、窒素雰囲気下でグリシドール22.2g(0.3モル)を4時間かけて滴下した。三口フラスコをオイルバス中に保持することで、反応液の温度を60℃に保った。グリシドールの滴下終了後、単蒸留により反応液中の溶媒であるメタノール、未反応のピペラジンを留去した。生成物を真空乾燥することで、白色粘調固体45.2gが得られた。この物質は、上記した例示化合物番号12で示されるN−(2,3−ジヒドロキシプロピル)プロピルピペラジン(以下、DHPPと略す)であることが、ガスクロマトグラフィー質量分析及び核磁気共鳴分析によって確認された。
調製例2 気相反応用触媒の調製.
触媒担体として非晶質の乾式シリカ(ox−50、日本アエロジル社製)20gを水100mlと混合しスラリー溶液とし、硝酸セシウム6.5g、リン酸水素二アンモニウム4.4gを混合し分散させた後、エバポレーター用いて蒸発乾固させ白色固体を得た。この固体を圧縮成型し、窒素雰囲気の下、マッフル炉で600℃、4時間焼成し、2.5〜3.5メッシュに分砕して気相反応用触媒を得た。
触媒担体として非晶質の乾式シリカ(ox−50、日本アエロジル社製)20gを水100mlと混合しスラリー溶液とし、硝酸セシウム6.5g、リン酸水素二アンモニウム4.4gを混合し分散させた後、エバポレーター用いて蒸発乾固させ白色固体を得た。この固体を圧縮成型し、窒素雰囲気の下、マッフル炉で600℃、4時間焼成し、2.5〜3.5メッシュに分砕して気相反応用触媒を得た。
実施例1〜実施例6.
原料として、4−ピペリジンエタノール水溶液を調製した。石英反応管に、触媒保持剤としてセラミックス製ラッシリングを充填し、調整した触媒を20cc充填した後、原料水溶液を0.6cc/minの速度で供給し、触媒層温度を380℃とし、表1に示す濃度及び圧力条件にて反応を行った。減圧操作はアスピレーター(600、400mmHg)又は水流ポンプ(20mmHg)にて行い、圧力制御はニードルバルブを反応器出口にて用いて行った。反応液をガスクロマトグラフィー(GC−2025、島津製作所社製)で分析し、表1に示す結果を得た。
原料として、4−ピペリジンエタノール水溶液を調製した。石英反応管に、触媒保持剤としてセラミックス製ラッシリングを充填し、調整した触媒を20cc充填した後、原料水溶液を0.6cc/minの速度で供給し、触媒層温度を380℃とし、表1に示す濃度及び圧力条件にて反応を行った。減圧操作はアスピレーター(600、400mmHg)又は水流ポンプ(20mmHg)にて行い、圧力制御はニードルバルブを反応器出口にて用いて行った。反応液をガスクロマトグラフィー(GC−2025、島津製作所社製)で分析し、表1に示す結果を得た。
実施例13〜実施例18.
原料として、合成したDHPP水溶液を用いる以外は、実施例1〜実施例6と同様に実験を行い、表1に示す結果を得た。
原料として、合成したDHPP水溶液を用いる以外は、実施例1〜実施例6と同様に実験を行い、表1に示す結果を得た。
比較例1〜比較例6.
表1に記載の各原料及び各濃度の水溶液について、常圧下にて実験を行い、表1に示す結果を得た。
表1に記載の各原料及び各濃度の水溶液について、常圧下にて実験を行い、表1に示す結果を得た。
以上の結果から、減圧下で反応を行うことで、ヒドロキシメチルトリエチレンジアミン等の二環式アミン化合物を高選択率で得られることが理解される。
Claims (9)
- 反応圧力が、20mmHg以上600mmHg以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の二環式アミン化合物の製造方法。
- 反応圧力が、20mmHg以上400mmHg以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の二環式アミン化合物の製造方法。
- 式(1)において、Xが窒素原子であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の二環式アミン化合物の製造方法。
- 式(1)において、Yがヒドロキシメチル基であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の二環式アミン化合物の製造方法。
- 式(1)において、R1〜R8が全て水素原子であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の二環式アミン化合物の製造方法。
- 固体触媒が、酸成分、塩基成分又はそれらの両方を担持させた触媒であることを特徴とする請求項1乃至請求項6にいずれかに記載の二環式アミン化合物の製造方法。
- 酸成分として無機酸を用いることを特徴とする請求項7に記載の二環式アミン化合物の製造方法。
- 塩基成分として、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を用いることを特徴とする請求項7に記載の二環式アミン化合物の製造方法。
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