JP6176108B2 - 2−シアノピリジンの製造方法 - Google Patents

2−シアノピリジンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6176108B2
JP6176108B2 JP2013273184A JP2013273184A JP6176108B2 JP 6176108 B2 JP6176108 B2 JP 6176108B2 JP 2013273184 A JP2013273184 A JP 2013273184A JP 2013273184 A JP2013273184 A JP 2013273184A JP 6176108 B2 JP6176108 B2 JP 6176108B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
cyanopyridine
sio
picolinamide
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013273184A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016216360A (ja
Inventor
憲治 中尾
憲治 中尾
鈴木 公仁
公仁 鈴木
藤本 健一郎
健一郎 藤本
冨重 圭一
圭一 冨重
善直 中川
善直 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2013273184A priority Critical patent/JP6176108B2/ja
Priority to PCT/JP2014/084331 priority patent/WO2015099053A1/ja
Priority to TW103145480A priority patent/TW201531460A/zh
Priority to TW105102088A priority patent/TWI593676B/zh
Publication of JP2016216360A publication Critical patent/JP2016216360A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6176108B2 publication Critical patent/JP6176108B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

本発明は、2−ピコリンアミドの脱水反応を用いる2−シアノピリジンの製造方法に関する。
ニトリルは、溶媒、合成樹脂、染料、医薬中間体等の多くの用途に利用されている。中でも、2−シアノピリジンは医薬品や農薬の原料となる物質で、2位のピリジン、ピペリジン誘導体を合成する際の出発原料として使用される物質である。
一般的に、ニトリルの合成方法の一つとして、無機シアン化物による求核置換反応が利用されているが、有毒なシアン化物の使用やハロゲン塩が副生するという問題がある(非特許文献1)。
また、アンモ酸化法(SOHIO法)という方法で、Mo−Bi系やFe−Sn系の酸化物触媒を用いて、アンモニア存在下で空気を酸化剤とした気相反応が工業化されているが、400℃以上の高い反応温度が必要であり、さらに、アクリロニトリルやベンゾニトリルに限定される(非特許文献2)。
一方、アミドの脱水反応によるニトリルの合成もあり、2−ピコリンアミドの脱水反応では2件報告例があるが、いずれも均一系触媒を使用することから合成後の精製、触媒の分離等の後工程が煩雑になること、強力な試薬(強酸あるいは強塩基)を使用し、また多量の副生物も発生することから環境負荷が大きいことが課題となっている(非特許文献3、4)。
また、不均一系触媒を用いたアミドの脱水反応として、特許文献1には、第1級アミドの脱水反応用触媒とそれを用いたニトリルの製造方法に関する記載がある。触媒はバナジウムをハイドロタルサイトに担持した固体触媒で、第1級アミドとしてベンズアミドのような芳香族アミド、ヘテロ環を有するアミド、脂肪族アミドでも活性を有するとされており、3−ピコリンアミド、4−ピコリンアミドに関する記載はあるが、2−ピコリンアミドに関する記載は全くない。これは、一般的にニトリルよりもアミドの方が安定な物質であり、アミドの脱水反応は反応速度が遅いこと、さらに、ピコリンアミド分子内でアミド基の水素原子と窒素ヘテロ原子間で分子内水素結合を起こすが、2−ピコリンアミドは特に分子内水素結合が大きく、安定な物質となり、脱水反応が進行しにくいからだと考えられる。
特開2009−213975号公報
M.B.Smith, J.March, Adv. Org. Chem.: Reactions, Mechanism, and Structure 5th ed., John Wiley & Sons, New York, (2001) 御園生誠、斉藤泰和、触媒化学、丸善 (1999) C.W.Kuo, et al., Chem. Commun., (2007) 301 S. Enthaler, Chem. Eur. J., 17 (2011) 9316
したがって、本発明の目的は、2-ピコリンアミドの脱水反応による2-シアノピリジンの製造において、強力な試薬を使用せず、且つ、副生物の発生も抑えた環境負荷の少ない方法を提供することにある。
従来、2−ピコリンアミドの脱水反応は均一系触媒でしか行われていなかったが、副生物を抑え、分離を容易にできる不均一系触媒を検討した。
そこで、先ずは、ベンズアミドの製造では有効と考えられるバナジウムを使用した不均一系触媒で、2−ピコリンアミドの脱水反応を行ってみたところ、上述の予想通り、2-シアノピリジンは殆ど生成されないことが判った。
そこで発明者等は、2−ピコリンアミド内にあるピリジン環は弱い塩基性を示すため、酸性の触媒を用いると、触媒の活性点にピリジン環が吸着、被毒し、活性低下を起こす可能性があると考え、塩基性となる金属を活性種とする触媒を検討した。
その結果、触媒担体に塩基性の性質を持つアルカリ金属を担持させた触媒を用いると、高活性となることを見出し、発明を為すに至った。
本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)SiO2、CeO2、ZrO2のいずれか1種又は2種以上から成る担体上に、アルカリ金属酸化物を1種又は2種以上担持した触媒の存在下、且つ、メシチレンの存在下で、2−ピコリンアミドを加熱して脱水反応させることにより、2−シアノピリジンを製造する2−シアノピリジンの製造方法であって、前記触媒は、0.15mm以下に整粒し、水分を除去するために焼成した前記担体に、前記アルカリ金属化合物を担持したものであることを特徴とする2−シアノピリジンの製造方法。
(2)前記担体が、SiO2であることを特徴とする(1)に記載の2−シアノピリジンの製造方法。
(3)前記アルカリ金属酸化物が、K、Na、Rb、Csのいずれかを使用することを特徴とする(1)又は(2)に記載の2−シアノピリジンの製造方法。
(4)前記触媒が、Na2O−K2O/SiO2またはCs2O/CeO2−ZrO2であることを特徴とする(1)〜()のいずれか1つに記載の2−シアノピリジンの製造方法。
(5)SiO2、CeO2、ZrO2のいずれか1種又は2種以上から成り、0.15mm以下に整粒し、水分を除去するために焼成した担体上に、アルカリ金属酸化物を1種又は2種以上担持した触媒の存在下、且つ、メシチレンの存在下で、2−ピコリンアミドを160〜200℃で加熱して脱水反応させることにより、2−シアノピリジンを液相で製造し、且つ、気化した副生水及び未反応の2−ピコリンアミドを冷却し、冷却後の副生水は脱水剤で除去し、冷却後の2−ピコリンアミドは再び脱水反応に使用することを特徴とする(1)〜()のいずれか1つに記載の2−シアノピリジンの製造方法。
本発明の2−ピコリンアミドの脱水反応による2−シアノピリジンの製造方法では、これまで、反応後の分離の煩雑さ、強力な試薬の使用や副生成物の発生で問題となっていた2−ピコリンアミドの脱水反応で、反応後の分離が容易で、副生物は水のみとなり、環境負荷の小さいプロセスが実現可能となる。
以下、具体例を示して、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の2−ピコリンアミドの脱水反応による2−シアノピリジンの製造方法は、塩基性金属酸化物を担持した触媒と有機溶媒の存在下で、2−ピコリンアミドを脱水反応させて、2−シアノピリジンを生成するものである。
Figure 0006176108
ここで本発明で用いる触媒は、塩基性となるアルカリ金属(K、Li、Na、Rb、Cs)の酸化物を用い、担体は一般的に触媒担体となる物質を用いることができるが、様々な担体を検討した結果、SiO、CeO、ZrO、およびこれらの2種以上に担持した触媒を用いた場合に、特に高い性能を示すことが判明した。
これは、2−ピコリンアミド内にあるピリジン環が弱い塩基性を示すため、酸性の触媒を用いると、触媒の活性点にピリジン環が吸着、被毒し、活性低下を起こす可能性があるためで、塩基性の性質を持つ金属の酸化物が好ましい。また、本発明者が鋭意検討した結果、SiOにアルカリ金属酸化物を高分散に担持させた触媒を用いることが、特に好ましく、アルカリ金属酸化物は、1種あるいは2種以上担持してもよい。
本発明の触媒の製造法について、下記に例を挙げると、担体がSiOの場合、市販の粉末または球状のSiOを使用でき、活性金属を均一に担持できるよう、100mesh(0.15mm)以下に整粒し、水分を除去するために、予備焼成を空気中700℃で1時間行うことが好ましい。また、SiOにも様々な性状のものがあるが、表面積が大きいものほど、活性金属を高分散にでき、2−シアノピリジンの生成量が向上することから好ましい。具体的には、300m/g以上の表面積が好ましい。ただし、調製後の触媒の表面積は、SiOと活性金属との相互作用等により、SiOのみの表面積よりも低下することがある。その場合、製造後の触媒の表面積が、150m/g以上となることが好ましい。活性種となる金属酸化物の担持は、インシピエントウェットネス(Incipient wetness)法や蒸発乾固法等の含浸法によって、担持することができる。
前駆体となる金属塩は、水溶性であればよく、アルカリ金属であれば例えば、炭酸塩、炭酸水素塩、塩化物塩、硝酸塩、ケイ酸塩などの各種化合物を用いることができる。塩基性金属の前駆体水溶液を担体に含浸した後、乾燥、焼成することで触媒として用いることができ、焼成温度は、使用する前駆体にもよるが、400〜600℃が好ましい。
また、触媒の担持量は適宜設定すれば良いが、例えば全触媒重量を基準にアルカリ金属酸化物の金属換算担持量を、0.1〜1.5mmol/g程度、特に0.1〜1mmol/g程度で設定することが好ましい。担持量がこれより多くなると活性が低下するおそれがある。また、反応時の触媒使用量についても、適宜設定すればよい。
さらに、本発明における触媒は、SiO、CeO、ZrOのいずれか1種又は2種以上から成る担体上に、アルカリ金属酸化物を1種あるいは2種以上のみを担持した触媒からなるが、上記の元素以外に触媒製造工程等で混入する不可避的不純物を含んでも構わない。しかし、できるだけ不純物が混入しないようにするのが望ましい。
ここで本発明の活性種となる金属酸化物を担体上に担持した触媒は、粉体、または成型体のいずれの形態であってもよく、成型体の場合には球状、ペレット状、シリンダー状、リング状、ホイール状、顆粒状などいずれでもよい。
次に、本発明の触媒を用いた2-シアノピリジン製造方法は、反応形式としては特に制限されず、回分式反応器、半回分式反応器、連続槽型反応器や管型反応器のような流通式反応器のいずれを用いてもよい。また、触媒は、固定床、スラリー床等のいずれも適用することができる。
本発明の製造方法では、脱水反応により生成する副生水を除去しながら行うことが望ましく、例えば、還流や蒸留、ゼオライト等の脱水剤を系内に設置して、副生水を除去しながら反応を行うことが望ましい。本発明者が鋭意検討した結果、ソックスレー抽出管及び冷却器を用いて、脱水剤としてゼオライト(モレキュラーシーブ)や水素化カルシウムを抽出管内に設置して、反応管に触媒、2−ピコリンアミド、有機溶媒を入れて、還流させて反応することで、2−シアノピリジンの生成量を向上させることが可能である。有機溶媒には沸点が130℃以上の物質が好ましく、例えば、クロロベンゼン、(o−,m−,p−)キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
また、脱水剤として使用するモレキュラーシーブの種類・形状には特に制限されるものはないが、例えば、3A、4A、5A等一般的に吸水性の高いもので、球状やペレット状のものを使用できる。また、事前に乾燥させておくことが好ましく、300〜500℃で1時間程乾燥することが好ましい。
Figure 0006176108
2−ピコリンアミドの脱水反応では、上記のような、2−ピコリンアミドの分解によってピコリン酸やピリジンが副生することが考えられるが、本発明の触媒を用いた脱水反応後は、反応物で微量残った2−ピコリンアミド、生成物である2−シアノピリジン、副生物の水、有機溶媒だけであり、上記のような副生物はほとんど生成しない。
ソックスレー抽出管及び冷却器を用いた還流の場合、反応管周辺を160〜200℃に加熱する。各物質の融点は、110℃(2-ピコリンアミド)、24℃(2−シアノピリジン)、−45℃(有機溶媒、例えばメシチレン)であり、また、沸点は143℃(2−ピコリンアミド)、212℃(2−シアノピリジン)、100℃(水)、165℃(有機溶媒、例えばメシチレン)であることから、反応相は、触媒が固体以外はすべて液体となっており、一部気化した、2−ピコリンアミド、副生水、有機溶媒が冷却器で冷却され、副生水が脱水剤で吸着され、2−ピコリンアミド及び有機溶媒は反応管に戻り、再び反応に寄与する。
反応後の系内に存在する各物質の沸点が、上述のようにそれぞれ異なることから、蒸留することで容易に分離することが可能である。また、触媒は固体であることから、反応後は必要に応じて分離・回収することができ、通常のろ過などの固液分離方法により容易に回収することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
(実施例1)
担体となるSiO(富士シリシア製、CARiACT、G−6、表面積:535m/g)を100mesh以下に整粒し、700℃で約1時間、予備焼成した。その後、アルカリ金属としてNaを担持するために、最終的にNa金属担持量が0.5mmol/gとなるようにNaCO(関東化学製、特級)を用いて水溶液を調整し、SiOに含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、NaO/SiO触媒を得た。
そこで、試験管に磁気撹拌子、上記触媒(0.1g)、2−ピコリンアミド(2−PA、1mmol)、メシチレン(20ml)を導入し、モレキュラーシーブ4A(300℃で1時間事前乾燥)を充填したソックスレー抽出器、リービッヒ冷却器を接続し、冷却器の温度は10℃に、磁気撹拌装置は約200℃、600rpmに設定した。Arガスで冷却器、ソックスレー抽出管、試験管内をパージした後、溶液が蒸発し始めた時間を反応開始時間とし、24時間反応させた。
反応後、試験管(溶液)を室温まで冷却し、反応溶液にエタノール20ml、内部標準物質としてアントラセン(0.1g)を加えて、サンプルを採取し、GC−MS(ガスクロマトグラフ−質量分析計)で定性分析、FID−GCで定量分析した。その結果、表1に示すように、2−シアノピリジン(2−CP)は0.42mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は42%、選択率は100%となった。
(実施例2)
実施例1と同様であるが、触媒調製において、最終的にK金属担持量が0.5mmol/gとなるようにKCO(関東化学製、特級)を用いて水溶液を調整し、SiOに含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、KO/SiO触媒を得た。KO/SiO触媒を用いること以外は実施例1と同様にして2−PAから2−CPを製造した。その結果、表1に示すように、2−CPは0.42mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は42%、選択率は100%となった。
(実施例3)
実施例1と同様であるが、触媒調製において、最終的にRb金属担持量が0.5mmol/gとなるようにRbCO(関東化学製)を用いて水溶液を調整し、SiOに含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、RbO/SiO触媒を得た。RbO/SiO触媒を用いること以外は実施例1と同様にして2−PAから2−CPを製造した。その結果、表1に示すように、2−CPは0.43mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は43%、選択率は100%となった。
(実施例4)
実施例1と同様であるが、触媒調製において、最終的にCs金属担持量が0.5mmol/gとなるようにCsCO(関東化学製、4N)を用いて水溶液を調整し、SiOに含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、CsO/SiO触媒を得た。CsO/SiO触媒を用いること以外は実施例1と同様にして2−PAから2−CPを製造した。その結果、表1に示すように、2−CPは0.45mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は45%、選択率は100%となった。
Figure 0006176108
(実施例5)
実施例1と同様であるが、触媒調製において、最終的にNa金属担持量とK金属担持量の総量が0.5mmol/gとなるようにNaCO(関東化学製、特級)とKCO(関東化学製、特級)を用いて、モル比を変化させて水溶液を調整し、SiOに含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、NaO-KO/SiO触媒を得た。NaO-KO/SiO触媒を用いること以外は実施例1と同様にして2−PAから2−CPを製造した。その結果、表2に示すように、いずれのモル比でも、2−CPは生成し、副生物は水しかなく、収率は41〜43%、選択率は100%となった。以上の結果から、市場の価格に応じて、アルカリ金属の使用量を変化させることが可能であることがわかった。
Figure 0006176108
(比較例1)
触媒として、100mesh以下に整粒し、700℃で約1時間、予備焼成したSiO(富士シリシア製、CARiACT、G−6、表面積:535m/g)のみを用いること以外は、実施例1と同様にした。その結果、表3に示すように、2−CPは0.03mmolしか生成せず、非常に活性が低かった。
(比較例2)
触媒として、NaCO(関東化学製、特級)のみを1mmol用いること以外は、実施例1と同様にした。その結果、表3に示すように、2−CPは全く生成しなかった。
(比較例3)
触媒として、KCO(関東化学製、特級)のみを1mmol用いること以外は、実施例1と同様にした。その結果、表3に示すように、2−CPは全く生成しなかった。
(比較例4)
触媒として、RbCO(関東化学製)のみを1mmol用いること以外は、実施例1と同様にした。その結果、表3に示すように、2−CPはほとんど生成しなかった。
(比較例5)
触媒として、CsCO(関東化学製、4N)のみを1mmol用いること以外は、実施例1と同様にした。その結果、表3に示すように、2−CPは0.01mmolしか生成せず、非常に活性が低かった。
以上の結果より、SiO担体にアルカリ金属酸化物を担持した触媒が効果的であることがわかった。
Figure 0006176108
(実施例6)
触媒調製において、最終的なNa金属担持量を表4に示すようにし、2−ピコリンアミド(PA)を5mmol導入し、反応時間を4時間とする以外は、実施例1と同様にした。その結果を表4に示す。
Figure 0006176108
以上の結果から、Na担持量は0.1〜1mmol/gでは高い活性を示し、特に0.5mmol/g程度が好適な担持量であることがわかった。
(実施例7)
触媒調製において、担体にCeO(第一稀元素製、HS、表面積:74m/g)を100mesh以下に整粒し、500℃で約3時間、予備焼成したものを用いる以外は、実施例4と同様にした。その結果、表5に示すように、2−CPは0.11mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は11%、選択率は100%となった。
参考例8)
触媒調製において、担体にZrO(第一稀元素製、表面積:88m/g)を100mesh以下に整粒し、予備焼成せずに用いる以外は、実施例4と同様にした。その結果、表5に示すように、2−CPは0.10mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は10%、選択率は100%となった。
(実施例9)
触媒調製において、担体としてCeO−ZrO固溶体を用いるため、Ce(NO(関東化学製)とZr(NO(関東化学製)をCeが20原子量%となるように溶解させた溶液にNaOH水溶液を導入して沈殿物を生成させた後、この沈殿物を濾過、水洗し、1000℃で空気雰囲気下、3時間焼成後、粉末状の固溶体(表面積:65m/g)を得た。本固溶体を100mesh以下に整粒し、500℃で約3時間、予備焼成したものを用いる以外は、実施例4と同様にした。その結果、表5に示すように、2−CPは0.11mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は11%、選択率は100%となった。
(比較例6)
触媒調製において、担体にα−Al(住友化学製、KHO−24、表面積:10m/g)を100mesh以下に整粒し、1150℃で約3時間、予備焼成したものを用いる以外は、実施例4と同様にした。その結果、表5に示すように、2−CPは0.03mmolしか生成せず、非常に活性が低かった。
(比較例7)
触媒調製において、担体にMgO(宇部興産製、500A、表面積:30m/g)を100mesh以下に整粒し、予備焼成せずに用いる以外は、実施例4と同様にした。その結果、表5に示すように、2−CPは0.004mmolしか生成せず、ほとんど反応しなかった。
Figure 0006176108
(実施例10)
反応物の2−ピコリンアミド(2−PA)を5mmol導入し、反応時間を表6に示すようにする以外は、実施例1と同様にした。その結果を表6に示す。
Figure 0006176108
以上の結果から、長時間反応するほど、2−シアノピリジンの生成量が増加し、500時間反応させた場合、収率は90%、選択率は99%となることを確認した。
(比較例8)
触媒調製において、最終的にCa金属担持量が0.5mmol/gとなるようにCaCO(関東化学製、特級)を用いて水溶液を調整し、SiOに含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、CaO/SiO触媒を得た。CaO/SiO触媒を用いること以外は参考例8と同様にした。その結果、表7に示すように、2−CPは0.06mmolしか生成せず、非常に活性が低かった。
(比較例9)
触媒調製において、最終的にBa金属担持量が0.5mmol/gとなるようにBaCO(関東化学製、特級)を用いて水溶液を調整し、SiOに含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、BaO/SiO触媒を得た。BaO/SiO触媒を用いること以外は参考例8と同様にした。その結果、表7に示すように、2−CPは0.07mmolしか生成せず、非常に活性が低かった。
以上の結果から、アルカリ金属酸化物と同様に塩基性となるアルカリ土類金属酸化物を担持した触媒では、活性が低いことが確認でき、SiOにアルカリ金属酸化物を担持した触媒が、有効であることがわかった。
(比較例10)
触媒調製において、最終的にV金属担持量が0.5mmol/gとなるようにNHVO(Sigma-Aldrich製)を用いて水溶液を調整し、SiOに含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、V/SiO触媒を得た。V/SiO触媒を用いること以外は実施例1と同様にした。その結果、表7に示すように、2−CPは0.06mmolしか生成せず、比較例1のSiOのみの場合と同レベルで非常に活性が低かった。
Figure 0006176108
以上の結果から、ベンズアミドの脱水反応では活性の高いV系の触媒を、2−ピコリンアミドの脱水反応に使用しても、ほとんど反応が進行しないことがわかった。
上記実施例では、2−シアノピリジンと水が副生しただけで、他の副生物は生成しなかったことから、蒸留により、目的生成物である2−シアノピリジン、副生物である水、未反応の2−ピコリンアミドを単独で回収でき、未反応の2−ピコリンアミドは再び反応物として使用できる。

Claims (5)

  1. SiO2、CeO2、ZrO2のいずれか1種又は2種以上から成る担体上に、アルカリ金属酸化物を1種又は2種以上担持した触媒の存在下、且つ、メシチレンの存在下で、2−ピコリンアミドを加熱して脱水反応させることにより、2−シアノピリジンを製造する2−シアノピリジンの製造方法であって、
    前記触媒は、0.15mm以下に整粒し、水分を除去するために焼成した前記担体に、前記アルカリ金属化合物を担持したものであることを特徴とする2−シアノピリジンの製造方法。
  2. 前記担体が、SiO2であることを特徴とする請求項1に記載の2−シアノピリジンの製造方法。
  3. 前記アルカリ金属酸化物が、K、Na、Rb、Csのいずれかを使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の2−シアノピリジンの製造方法。
  4. 前記触媒が、Na2O−K2O/SiO2またはCs2O/CeO2−ZrO2であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の2−シアノピリジンの製造方法。
  5. SiO2、CeO2、ZrO2のいずれか1種又は2種以上から成り、0.15mm以下に整粒し、水分を除去するために焼成した担体上に、アルカリ金属酸化物を1種又は2種以上担持した触媒の存在下、且つ、メシチレンの存在下で、2−ピコリンアミドを160〜200℃で加熱して脱水反応させることにより、2−シアノピリジンを液相で製造し、且つ、気化した副生水及び未反応の2−ピコリンアミドを冷却し、冷却後の副生水は脱水剤で除去し、冷却後の2−ピコリンアミドは再び脱水反応に使用することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の2−シアノピリジンの製造方法。
JP2013273184A 2013-12-27 2013-12-27 2−シアノピリジンの製造方法 Active JP6176108B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013273184A JP6176108B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 2−シアノピリジンの製造方法
PCT/JP2014/084331 WO2015099053A1 (ja) 2013-12-27 2014-12-25 シアノピリジンの製造方法、ベンゾニトリルの製造方法、炭酸エステルの製造方法、及び炭酸エステルの製造装置
TW103145480A TW201531460A (zh) 2013-12-27 2014-12-25 氰吡啶之製造方法、苯甲腈之製造方法、碳酸酯之製造方法及碳酸酯之製造裝置
TW105102088A TWI593676B (zh) 2013-12-27 2014-12-25 Process for producing benzonitrile, process for producing carbonate ester, and apparatus for producing carbonate ester

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013273184A JP6176108B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 2−シアノピリジンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016216360A JP2016216360A (ja) 2016-12-22
JP6176108B2 true JP6176108B2 (ja) 2017-08-09

Family

ID=57578092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013273184A Active JP6176108B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 2−シアノピリジンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6176108B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3560912B1 (en) * 2016-12-21 2024-04-03 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Method for producing aromatic nitrile compound and method for producing carbonic acid ester
SG11202001689XA (en) * 2017-09-29 2020-04-29 Mitsubishi Gas Chemical Co Method for regenerating catalyst and method for producing carbonate ester
EP3689451A1 (en) * 2019-01-29 2020-08-05 Evonik Operations GmbH Catalyst for the synthesis of alkyl mercaptan and process for its preparation
CN113149903B (zh) * 2021-04-30 2023-02-10 安徽国星生物化学有限公司 一种氰基吡啶的合成方法及装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3961910B2 (ja) * 2002-07-12 2007-08-22 丸善石油化学株式会社 オレフィン重合用触媒及びそれを用いたオレフィンの重合方法
JP2011183258A (ja) * 2010-03-05 2011-09-22 Babcock Hitachi Kk 排ガス浄化触媒及び排ガス浄化方法
JP5827925B2 (ja) * 2011-06-06 2015-12-02 株式会社ダイセル エリスリトールの水素化分解物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016216360A (ja) 2016-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2015099053A1 (ja) シアノピリジンの製造方法、ベンゾニトリルの製造方法、炭酸エステルの製造方法、及び炭酸エステルの製造装置
JP6176108B2 (ja) 2−シアノピリジンの製造方法
US8658817B2 (en) Method of making mixed metal oxide catalysts for ammoxidation and/or oxidation of lower alkane hydrocarbons
JP6629394B2 (ja) 改良された選択的アンモ酸化触媒
TWI630955B (zh) 用於混合金屬氧化物氨氧化催化劑之預鍛燒添加物
CN1210103C (zh) 乙烷氧化生成乙酸和乙烯用的催化剂及其制造和使用方法
KR20170095990A (ko) 개선된 혼합 금속 산화물 가암모니아 산화 촉매
KR20170015900A (ko) 개선된 선택적인 암모산화 촉매
JP6435727B2 (ja) ベンゾニトリルの製造方法
JP6349787B2 (ja) 炭酸エステルの製造方法
WO2015031724A1 (en) Heterogeneous catalysts for the transesterification of aromatic alcohols; and methods of making and use thereof
US7576233B2 (en) Method for the preparation of halogenated benzonitriles
JP2019512388A (ja) N−置換マレイミド製造用の脱水反応触媒、その製造方法、及びn−置換マレイミドの製造方法
CN1832923A (zh) 氰基吡啶的制造方法和适合用于它的催化剂
JP2014034023A (ja) グリセリンからアクリル酸を製造するための触媒とその製造方法
JP6862852B2 (ja) 二環式アミン化合物の製造方法
CN117776971A (zh) 一种连续制备腈类化合物的方法及其使用的催化剂
JP2007197414A (ja) キヌクリジン類の製造方法
JP4543173B2 (ja) アルキル化反応用触媒およびアルキル置換芳香族化合物の製造方法
KR20210028557A (ko) 사이클로헥사논 이량체의 제조 방법
CN117776970A (zh) 一种由水杨酰胺为原料连续制备水杨腈的方法
JP2014105195A (ja) 二環式アミン化合物の製造方法
JP2018070528A (ja) 二環式アミンの製造方法
JPH11290684A (ja) 酢酸及びエチレンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161116

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20161116

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20161207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161220

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170314

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170512

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170613

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170626

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6176108

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350