JP6176108B2 - 2−シアノピリジンの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)SiO2、CeO2、ZrO2のいずれか1種又は2種以上から成る担体上に、アルカリ金属酸化物を1種又は2種以上担持した触媒の存在下、且つ、メシチレンの存在下で、2−ピコリンアミドを加熱して脱水反応させることにより、2−シアノピリジンを製造する2−シアノピリジンの製造方法であって、前記触媒は、0.15mm以下に整粒し、水分を除去するために焼成した前記担体に、前記アルカリ金属化合物を担持したものであることを特徴とする2−シアノピリジンの製造方法。
(2)前記担体が、SiO2であることを特徴とする(1)に記載の2−シアノピリジンの製造方法。
(3)前記アルカリ金属酸化物が、K、Na、Rb、Csのいずれかを使用することを特徴とする(1)又は(2)に記載の2−シアノピリジンの製造方法。
(4)前記触媒が、Na2O−K2O/SiO2またはCs2O/CeO2−ZrO2であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の2−シアノピリジンの製造方法。
(5)SiO2、CeO2、ZrO2のいずれか1種又は2種以上から成り、0.15mm以下に整粒し、水分を除去するために焼成した担体上に、アルカリ金属酸化物を1種又は2種以上担持した触媒の存在下、且つ、メシチレンの存在下で、2−ピコリンアミドを160〜200℃で加熱して脱水反応させることにより、2−シアノピリジンを液相で製造し、且つ、気化した副生水及び未反応の2−ピコリンアミドを冷却し、冷却後の副生水は脱水剤で除去し、冷却後の2−ピコリンアミドは再び脱水反応に使用することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の2−シアノピリジンの製造方法。
(実施例1)
担体となるSiO2(富士シリシア製、CARiACT、G−6、表面積:535m2/g)を100mesh以下に整粒し、700℃で約1時間、予備焼成した。その後、アルカリ金属としてNaを担持するために、最終的にNa金属担持量が0.5mmol/gとなるようにNa2CO3(関東化学製、特級)を用いて水溶液を調整し、SiO2に含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、Na2O/SiO2触媒を得た。
(実施例2)
実施例1と同様であるが、触媒調製において、最終的にK金属担持量が0.5mmol/gとなるようにK2CO3(関東化学製、特級)を用いて水溶液を調整し、SiO2に含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、K2O/SiO2触媒を得た。K2O/SiO2触媒を用いること以外は実施例1と同様にして2−PAから2−CPを製造した。その結果、表1に示すように、2−CPは0.42mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は42%、選択率は100%となった。
(実施例3)
実施例1と同様であるが、触媒調製において、最終的にRb金属担持量が0.5mmol/gとなるようにRb2CO3(関東化学製)を用いて水溶液を調整し、SiO2に含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、Rb2O/SiO2触媒を得た。Rb2O/SiO2触媒を用いること以外は実施例1と同様にして2−PAから2−CPを製造した。その結果、表1に示すように、2−CPは0.43mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は43%、選択率は100%となった。
(実施例4)
実施例1と同様であるが、触媒調製において、最終的にCs金属担持量が0.5mmol/gとなるようにCs2CO3(関東化学製、4N)を用いて水溶液を調整し、SiO2に含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、Cs2O/SiO2触媒を得た。Cs2O/SiO2触媒を用いること以外は実施例1と同様にして2−PAから2−CPを製造した。その結果、表1に示すように、2−CPは0.45mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は45%、選択率は100%となった。
実施例1と同様であるが、触媒調製において、最終的にNa金属担持量とK金属担持量の総量が0.5mmol/gとなるようにNa2CO3(関東化学製、特級)とK2CO3(関東化学製、特級)を用いて、モル比を変化させて水溶液を調整し、SiO2に含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、Na2O-K2O/SiO2触媒を得た。Na2O-K2O/SiO2触媒を用いること以外は実施例1と同様にして2−PAから2−CPを製造した。その結果、表2に示すように、いずれのモル比でも、2−CPは生成し、副生物は水しかなく、収率は41〜43%、選択率は100%となった。以上の結果から、市場の価格に応じて、アルカリ金属の使用量を変化させることが可能であることがわかった。
触媒として、100mesh以下に整粒し、700℃で約1時間、予備焼成したSiO2(富士シリシア製、CARiACT、G−6、表面積:535m2/g)のみを用いること以外は、実施例1と同様にした。その結果、表3に示すように、2−CPは0.03mmolしか生成せず、非常に活性が低かった。
(比較例2)
触媒として、Na2CO3(関東化学製、特級)のみを1mmol用いること以外は、実施例1と同様にした。その結果、表3に示すように、2−CPは全く生成しなかった。
(比較例3)
触媒として、K2CO3(関東化学製、特級)のみを1mmol用いること以外は、実施例1と同様にした。その結果、表3に示すように、2−CPは全く生成しなかった。
(比較例4)
触媒として、Rb2CO3(関東化学製)のみを1mmol用いること以外は、実施例1と同様にした。その結果、表3に示すように、2−CPはほとんど生成しなかった。
(比較例5)
触媒として、Cs2CO3(関東化学製、4N)のみを1mmol用いること以外は、実施例1と同様にした。その結果、表3に示すように、2−CPは0.01mmolしか生成せず、非常に活性が低かった。
触媒調製において、最終的なNa金属担持量を表4に示すようにし、2−ピコリンアミド(PA)を5mmol導入し、反応時間を4時間とする以外は、実施例1と同様にした。その結果を表4に示す。
(実施例7)
触媒調製において、担体にCeO2(第一稀元素製、HS、表面積:74m2/g)を100mesh以下に整粒し、500℃で約3時間、予備焼成したものを用いる以外は、実施例4と同様にした。その結果、表5に示すように、2−CPは0.11mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は11%、選択率は100%となった。
(参考例8)
触媒調製において、担体にZrO2(第一稀元素製、表面積:88m2/g)を100mesh以下に整粒し、予備焼成せずに用いる以外は、実施例4と同様にした。その結果、表5に示すように、2−CPは0.10mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は10%、選択率は100%となった。
(実施例9)
触媒調製において、担体としてCeO2−ZrO2固溶体を用いるため、Ce(NO3)3(関東化学製)とZr(NO3)4(関東化学製)をCeが20原子量%となるように溶解させた溶液にNaOH水溶液を導入して沈殿物を生成させた後、この沈殿物を濾過、水洗し、1000℃で空気雰囲気下、3時間焼成後、粉末状の固溶体(表面積:65m2/g)を得た。本固溶体を100mesh以下に整粒し、500℃で約3時間、予備焼成したものを用いる以外は、実施例4と同様にした。その結果、表5に示すように、2−CPは0.11mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は11%、選択率は100%となった。
(比較例6)
触媒調製において、担体にα−Al2O3(住友化学製、KHO−24、表面積:10m2/g)を100mesh以下に整粒し、1150℃で約3時間、予備焼成したものを用いる以外は、実施例4と同様にした。その結果、表5に示すように、2−CPは0.03mmolしか生成せず、非常に活性が低かった。
(比較例7)
触媒調製において、担体にMgO(宇部興産製、500A、表面積:30m2/g)を100mesh以下に整粒し、予備焼成せずに用いる以外は、実施例4と同様にした。その結果、表5に示すように、2−CPは0.004mmolしか生成せず、ほとんど反応しなかった。
反応物の2−ピコリンアミド(2−PA)を5mmol導入し、反応時間を表6に示すようにする以外は、実施例1と同様にした。その結果を表6に示す。
(比較例8)
触媒調製において、最終的にCa金属担持量が0.5mmol/gとなるようにCaCO3(関東化学製、特級)を用いて水溶液を調整し、SiO2に含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、CaO/SiO2触媒を得た。CaO/SiO2触媒を用いること以外は参考例8と同様にした。その結果、表7に示すように、2−CPは0.06mmolしか生成せず、非常に活性が低かった。
(比較例9)
触媒調製において、最終的にBa金属担持量が0.5mmol/gとなるようにBaCO3(関東化学製、特級)を用いて水溶液を調整し、SiO2に含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、BaO/SiO2触媒を得た。BaO/SiO2触媒を用いること以外は参考例8と同様にした。その結果、表7に示すように、2−CPは0.07mmolしか生成せず、非常に活性が低かった。
(比較例10)
触媒調製において、最終的にV金属担持量が0.5mmol/gとなるようにNH4VO3(Sigma-Aldrich製)を用いて水溶液を調整し、SiO2に含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、V2O5/SiO2触媒を得た。V2O5/SiO2触媒を用いること以外は実施例1と同様にした。その結果、表7に示すように、2−CPは0.06mmolしか生成せず、比較例1のSiO2のみの場合と同レベルで非常に活性が低かった。
Claims (5)
- SiO2、CeO2、ZrO2のいずれか1種又は2種以上から成る担体上に、アルカリ金属酸化物を1種又は2種以上担持した触媒の存在下、且つ、メシチレンの存在下で、2−ピコリンアミドを加熱して脱水反応させることにより、2−シアノピリジンを製造する2−シアノピリジンの製造方法であって、
前記触媒は、0.15mm以下に整粒し、水分を除去するために焼成した前記担体に、前記アルカリ金属化合物を担持したものであることを特徴とする2−シアノピリジンの製造方法。 - 前記担体が、SiO2であることを特徴とする請求項1に記載の2−シアノピリジンの製造方法。
- 前記アルカリ金属酸化物が、K、Na、Rb、Csのいずれかを使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の2−シアノピリジンの製造方法。
- 前記触媒が、Na2O−K2O/SiO2またはCs2O/CeO2−ZrO2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の2−シアノピリジンの製造方法。
- SiO2、CeO2、ZrO2のいずれか1種又は2種以上から成り、0.15mm以下に整粒し、水分を除去するために焼成した担体上に、アルカリ金属酸化物を1種又は2種以上担持した触媒の存在下、且つ、メシチレンの存在下で、2−ピコリンアミドを160〜200℃で加熱して脱水反応させることにより、2−シアノピリジンを液相で製造し、且つ、気化した副生水及び未反応の2−ピコリンアミドを冷却し、冷却後の副生水は脱水剤で除去し、冷却後の2−ピコリンアミドは再び脱水反応に使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の2−シアノピリジンの製造方法。
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