JP6435727B2 - ベンゾニトリルの製造方法 - Google Patents

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本発明は、ベンズアミドの脱水反応を用いるベンゾニトリルの製造方法に関する。
ニトリルは、溶媒、合成樹脂、染料、医薬中間体等の多くの用途に利用されている。中でも、ベンゾニトリルは有用な溶媒であり、多くの誘導体の前駆体として知られ、その錯体化合物は合成中間体として広く用いられている。
一般的に、ニトリルの合成方法の一つとして、無機シアン化物による求核置換反応が利用されているが、猛毒なシアン化物の使用やハロゲン塩が副生するという問題がある(非特許文献1)。
また、アンモ酸化法(ソハイオ法)という方法で、Mo−Bi系やFe−Sn系の酸化物触媒を用いて、アンモニア存在下で空気を酸化剤とした気相反応が工業化されているが、400℃以上の高い反応温度が必要であり、猛毒なシアン化水素を副生するという問題がある(非特許文献2)。
一方、アミドの脱水反応によるニトリルの合成もあり、ベンズアミドの脱水反応では2件報告例があるが、いずれも均一系触媒を使用することから合成後の精製、触媒の分離等の後工程が煩雑になること、強力な試薬(強酸あるいは強塩基)を使用し、また多量の副生物も発生することから環境負荷が大きいことが課題となっている(非特許文献3、4)。
また、脱水剤を用いたアミドの脱水反応として、特許文献1及び2には、アミドを水と分液可能な脂肪族ニトリル又は脂環式ニトリルからなる溶媒中、ホスゲン、オキシ塩化リン、塩化チオニル、チオニルクロリド、五塩化リン等を用いたニトリルの製造方法に関する記載があるが、猛毒なシアン化物やハロゲン化物の使用が必要という問題がある。
さらに、不均一系触媒を用いたアミドの脱水反応として、特許文献3や非特許文献5、6には、第1級アミドの脱水反応用触媒とそれを用いたニトリルの製造方法に関する記載がある。その中で、触媒としてバナジウムをハイドロタルサイトに担持した化合物やレニウム酸化物が開示されているが、高い反応温度が必要という問題がある。これは、一般的にニトリルよりもアミドの方が安定な物質であり、アミドの脱水反応は反応速度が遅いこと、さらに、アミド分子内でアミド基の水素原子と窒素ヘテロ原子間で分子内水素結合を起こすが、アミドは特に分子内水素結合が大きく、安定な物質となり、脱水反応が進行しにくいためと考えられる。
特開2005−194224号公報 特開平11−35564号公報 特開2009−213975号公報
M. B. Smith, J. March, Adv. Org. Chem.: Reactions, Mechanism, and Structure 5th ed., John Wiley & Sons, New York, (2001) 御園生誠、斉藤泰和、触媒化学、丸善 (1999) C. W. Kuo, et al., Chem. Commun., (2007) 301 S. Enthaler, Chem. Eur. J., 17 (2011) 9316 K. Ishihara, et al., Angew. Chem. Int. Ed., 41 (2002) 2983 S. Sueoka, et al., Chem. Commun., 46 (2010) 8243
したがって、本発明の目的は、ベンズアミドの脱水反応によるベンゾニトリルの製造において、強力な試薬を使用せず、温和な反応条件下で、副生物の発生も抑えた環境負荷の少ない方法を提供することにある。
従来、ベンズアミドの脱水反応は、金属酸化物粒子のみ(非特許文献5)、若しくは、ハイドロタルサイトと呼ぶ二次元の層状無機化合物担体へ金属酸化物粒子を担持したもの(非特許文献6)などの不均一系触媒で行われていたが、とくにその化合物中の金属−酸素間の二重結合がアミドの脱水反応の活性種として働いていると推定し、同様の二重結合をもつ金属酸化物に焦点を絞って検討した。
さらに発明者等は、担体として、その表面構造やイオン性、電子状態を鑑み、金属酸化物が最適な存在状態に担持されるという観点から検討した。
その結果、特定の触媒担体に対し、金属−酸素間の二重結合を有する特定の金属を担持させた触媒を用いると、比較的温和な条件下でも高活性となることを見出し、発明を為すに至った。
本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)SiO、TiO、CeO、ZrO、Al、Cのいずれか1種又は2種以上から成る担体を、水分を除去するために焼成した後の担体上に、モリブデン、タングステン、レニウム、チタン、ニオブのいずれか1種又は2種以上の金属種の金属酸化物が担持された触媒の存在下、且つ、有機溶媒の存在下で、ベンズアミドを加熱して脱水反応させることにより、ベンゾニトリルを製造することを特徴とするベンゾニトリルの製造方法である。また、
(2)前記SiO 、TiO 、CeO 、ZrO 、Al 、Cのいずれか1種又は2種以上から成る担体を、0.15mm以下に整粒した後、水分を除去するために焼成することを特徴とする(1)に記載のベンゾニトリルの製造方法である。また、
(3)前記担体が、SiO であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のベンゾニトリルの製造方法である。また、
(4)前記ベンズアミドを加熱して、液相状態で脱水反応させることにより、ベンゾニトリルを製造することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載のベンゾニトリルの製造方法である。また、
)前記触媒が、SiOの担体上にモリブデンを担持したものであることを特徴とする(1)〜()のいずれか1つに記載のベンゾニトリルの製造方法である。また、
(6)SiO 、TiO 、CeO 、ZrO 、Al 、Cのいずれか1種又は2種以上から成る担体上に、チタン、ニオブのいずれか1種又は2種の金属種の金属酸化物が担持された触媒の存在下、且つ、有機溶媒の存在下で、ベンズアミドを加熱して脱水反応させることにより、ベンゾニトリルを製造することを特徴とするベンゾニトリルの製造方法である。また、
)前記有機溶媒がクロロベンゼン、キシレン、メシチレンのいずれか1種又は2種以上からなることを特徴とする(1)〜()のいずれか1つに記載のベンゾニトリルの製造方法である。また、
)前記脱水反応の際に、脱水剤を使用することを特徴とする(1)〜()のいずれか1つに記載のベンゾニトリルの製造方法である。
本発明のベンズアミドの脱水反応によるベンゾニトリルの製造方法では、これまで、高い反応温度や反応後の分離の煩雑さ、強力な試薬の使用や副生成物の発生で問題となっていたベンズアミドの脱水反応で、比較的温和な反応条件下、反応後の分離が容易で、副生物は水のみとなり、環境負荷の小さいプロセスが実現可能となる。
以下、具体例を示して、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のベンズアミドの脱水反応によるベンゾニトリルの製造方法は、塩基性金属酸化物を担持した触媒と有機溶媒の存在下で、ベンズアミドを脱水反応させて、ベンゾニトリルを生成するものである。
Figure 0006435727
ここで本発明で用いる触媒は、塩基性となる金属(Mo、W、Re、Ti、Nb)の酸化物を用い、担体は一般的に触媒担体となる物質を用いることができるが、様々な担体を検討した結果、SiO、TiO、CeO、ZrO、Al、Cおよびこれらの2種以上の触媒担体に、活性金属種を担持した触媒を用いた場合に、特に高い性能を示すことが判明した。
これは、酸性の触媒を用いると、触媒の活性点にベンゼン環が吸着、被毒し、活性低下を起こす可能性があるためで、塩基性の性質を持つ金属の酸化物が好ましい。また、本発明者が鋭意検討した結果、SiO、TiO、CeO、ZrO、Al、Cの中でも、SiOに上記金属酸化物を高分散に担持させた触媒を用いることが特に好ましく、金属酸化物は、1種あるいは2種以上担持してもよい。金属酸化物の製造方法について以下に説明する。
SiOの場合の一般的な製造方法としては、乾式法と湿式法に大別される。乾式法としては燃焼法、アーク法等、湿式法としては沈降法、ゲル法等があり、いずれの製造方法でも触媒担体を製造することは可能であるが、ゲル法を除く上記方法では球状に成形することが技術的、経済的に困難である為、シリカゾルを気体媒体中又は液体媒体中で噴霧させて容易に球状に成形することが可能であるゲル法が好ましい。
また、CeOの場合は、セリウムアセチルアセトナート水和物や水酸化セリウム、硫酸セリウム、酢酸セリウム、硝酸セリウム、硝酸アンモニウムセリウム、炭酸セリウム、蓚酸セリウム、過塩素酸セリウム、燐酸セリウム、ステアリン酸セリウムなどの各種セリウム化合物を空気雰囲気下で焼成することにより調製できる。また試薬の酸化セリウムを用いる場合は、そのまま若しくは空気雰囲気下で乾燥または焼成することでも使用できる。さらに、セリウムを溶解させた溶液から沈殿させ、濾過、乾燥、焼成することでも使用できる。
ZrOの場合は、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムブトキシド、炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、燐酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム、酸化二硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウムなどの各種ジルコニウム化合物を空気雰囲気下で焼成することにより調製できる。また試薬の酸化ジルコニウムを用いる場合は、そのまま若しくは空気雰囲気下で乾燥または焼成することでも使用できる。さらに、ジルコニウムを溶解させた溶液から沈殿させ、濾過、乾燥、焼成することでも使用できる。
また、TiOやAlの場合も、一般的な方法で製造することができる。Cは炭素を主体とするものであって、本反応期間中変質しないものであればどんな形態でもよく、例えば活性炭などが望ましいが、これに限定するものではない。
2種類以上の金属種を含む化合物の場合は、2種以上の金属塩を含んだ溶液に塩基を添加して共沈により水酸化物を形成後、濾過、水洗したものを空気雰囲気下で乾燥、焼成することにより調製できる。また、2種以上の酸化物の粉末同士を物理混合して焼成することでも調製できるが、最終調製品の比表面積が高くならないため、反応がより進み易い共沈法が好ましい。
SiO、TiO、CeO、ZrO、Al、Cのいずれか1種又は2種以上から選ばれる担体は、表面積が大きいものほど、活性金属種を高分散に担持でき、ベンゾニトリルの生成量が向上することから好ましい。具体的には、表面積は担体の種類によるが、表面積がBET法で測定して、10m/g以上であることが好ましい。高分散しているかどうかは、電子顕微鏡(SEM等)の画像等で確認することができる。
本発明の触媒の製造は公知の方法で担体に活性種となる金属酸化物を担持すればよい。たとえば、インシピエントウェットネス(Incipient wetness)法や蒸発乾固法等の含浸法によって、担持することができる。
下記に例を挙げると、担体がSiOの場合、市販の粉末または球状のSiOを使用でき、活性金属を均一に担持できるよう、100mesh(0.15mm)以下に整粒し、水分を除去するために、予備焼成を空気中700℃で1時間行うことが好ましい。また、SiOにも様々な性状のものがあるが、表面積が大きいものほど、活性金属を高分散に担持でき、ベンゾニトリルの生成量が向上することから好ましい。具体的には、300m/g以上(BET法)の表面積がより好ましい。ただし、調製後の触媒の表面積は、SiOと活性金属との相互作用等により、SiOのみの表面積よりも低下することがある。その場合、製造後の触媒の表面積が、150m/g以上(BET法)となることがより好ましい。
活性種となる金属酸化物の前駆体となる金属塩は、水溶性であればよく、例えば、炭酸塩、炭酸水素塩、塩化物塩、硝酸塩、ケイ酸塩などの各種化合物を用いることができる。塩基性金属の前駆体水溶液を担体に含浸した後、乾燥、焼成することで触媒として用いることができ、焼成温度は、使用する前駆体にもよるが、400〜600℃が好ましい。
また、金属酸化物の担持量は適宜設定すれば良いが、例えば全触媒重量を基準に金属酸化物の金属換算担持量を、0.1〜1.5mmol/g程度、特に0.1〜1mmol/g程度、さらには0.2〜0.8mmol/g程度で設定することが好ましい。担持量がより多くなると金属酸化物の粗大化により活性が低下するおそれがある。また、反応時の触媒使用量についても、適宜設定すればよい。
さらに、本発明における触媒は、SiO、TiO、CeO、ZrO、Al、Cのいずれか1種又は2種以上から成る担体上に、金属酸化物を1種あるいは2種以上のみを担持した触媒からなるが、上記の元素以外に触媒製造工程等で混入する不可避的不純物を含んでも構わない。しかし、できるだけ不純物が混入しないようにするのが望ましい。通常の場合、不純物は触媒全体の1質量%未満であることが好ましい。
ここで本発明の活性種となる金属酸化物を担体上に担持した触媒は、粉体、または成型体のいずれの形態であってもよく、成型体の場合には球状、ペレット状、シリンダー状、リング状、ホイール状、顆粒状などいずれでもよい。
次に、本発明の触媒を用いたベンゾニトリルの製造方法は、反応形式としては特に制限されず、回分式反応器、半回分式反応器、連続槽型反応器や管型反応器のような流通式反応器のいずれを用いてもよい。また、触媒は、固定床、スラリー床等のいずれも適用することができる。
有機溶媒には、沸点が130℃以上の物質が好ましく、例えば、クロロベンゼン、(o−,m−,p−)キシレン、メシチレン、フルフラール、ヘプタデカンなどが挙げられるが、クロロベンゼン、(o−,m−,p−)キシレン、メシチレンが好ましい。
反応条件は、脱水反応速度と溶媒の沸点、並びに、反応の際に発生するCO排出量や経済性の観点で選択するのが望ましい。
本発明のベンゾニトリルの製造方法における通常の反応条件としては、反応温度は160〜200℃、圧力は常圧、時間は数時間〜24時間程度で行うことができるが、特にこれらに制限されるものではない。
本発明の製造方法では、長時間反応させるためには、脱水反応により生成する副生水を除去しながら行うことが望ましく、例えば、ゼオライト等の脱水剤を系内に設置して、副生水を除去しながら反応を行うことが望ましい。本発明者が鋭意検討した結果、ソックスレー抽出管及び冷却器を用いて、脱水剤としてゼオライト(モレキュラーシーブ)や水素化カルシウムを抽出管内に設置して、反応管に触媒、ベンズアミド、有機溶媒を入れて、還流させて反応することで、ベンゾニトリルの生成量を向上させることが可能である。
また、脱水剤として使用するモレキュラーシーブの種類・形状には特に制限されるものはないが、例えば、3A、4A、5A等一般的に吸水性の高いもので、球状やペレット状のものを使用できる。また、事前に乾燥させておくことが好ましく、300〜500℃で1時間程乾燥することが好ましい。
Figure 0006435727
ベンズアミドの脱水反応では、上記のような、ベンズアミドの分解によって安息香酸が副生することが考えられるが、本発明の触媒を用いた脱水反応後は、反応物で微量残ったベンズアミド、生成物であるベンゾニトリル、副生物の水、有機溶媒だけであり、上記のような副生物はほとんど生成しない。また、生成したとしても極少量であり、蒸留操作で分離して、医薬用途として用いることができる。
ソックスレー抽出管及び冷却器を用いた還流の場合、反応温度は、ベンズアミドの脱水反応が液相で行われる条件であることが好ましい。反応効率を考慮すると液相条件下でより高温であることが好ましく、常圧下で反応させる場合、反応管周辺を160〜200℃に加熱することが好ましい。典型例の反応系における各物質の融点は、127℃(ベンズアミド)、−13℃(ベンゾニトリル)、−45℃(有機溶媒、例えばメシチレン)であり、また、沸点は288℃(ベンズアミド)、188℃(ベンゾニトリル)、100℃(水)、165℃(有機溶媒、例えばメシチレン)であることから、上記の温度であれば、反応相は、触媒が固体以外は殆どが液体となっており、一部気化した、ベンズアミド、副生水、有機溶媒が冷却器で冷却され、副生水が脱水剤で吸着され、ベンズアミド及び有機溶媒は反応管に戻り、再び反応に寄与する。
反応後の系内に存在する各物質の沸点が、上述のようにそれぞれ異なることから、蒸留することで容易に分離することが可能である。また、触媒は固体であることから、反応後は必要に応じて分離・回収することができ、通常のろ過などの固液分離方法により容易に回収することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
(実施例1)
担体となるSiO(富士シリシア製、CARiACT、G−6、表面積:535m/g)を100mesh以下に整粒し、700℃で約1時間、予備焼成した。その後、金属としてMoを担持するために、最終的にMo担持量が0.5mmol/gとなるように(NHMo24(関東化学製、特級)を用いて水溶液を調製し、SiOに含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、MoO/SiO触媒を得た。
そこで、試験管に磁気撹拌子、上記触媒(0.1g)、ベンズアミド(以下、BAと記す。20mmol)、メシチレン(20ml)を導入し、モレキュラーシーブ4A(300℃で1時間事前乾燥)を充填したソックスレー抽出器、リービッヒ冷却器を接続し、冷却器の温度は10℃に、磁気撹拌装置は約200℃、600rpmに設定した。Arガスで冷却器、ソックスレー抽出管、試験管内をパージした後、溶液が蒸発し始めた時間を反応開始時間とし、24時間反応させた。
反応後、試験管(溶液)を室温まで冷却し、反応溶液にエタノール20ml、内部標準物質としてアントラセン(0.1g)を加えて、サンプルを採取し、GC−MS(ガスクロマトグラフ−質量分析計)で定性分析、FID−GCで定量分析した。その結果、表1に示すように、ベンゾニトリル(以下、BNと記す)は5mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は25%、選択率は100%となった。
(実施例2)
実施例1と同様であるが、触媒調製において、最終的にW担持量が0.5mmol/gとなるように(NH1241(関東化学製、鹿一級)を用いて水溶液を調製し、SiOに含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、WO/SiO触媒を得た。WO/SiO触媒を用いること以外は実施例1と同様にしてBAからBNを製造した。その結果、表1に示すように、BNは3mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は15%、選択率は100%となった。
(実施例3)
実施例1と同様であるが、触媒調製において、最終的にRe担持量が0.5mmol/gとなるようにNHReO(三津和化学薬品製)を用いて水溶液を調整し、SiOに含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、RbO/SiO触媒を得た。Re/SiO触媒を用いること以外は実施例1と同様にしてベンズアミド(BA)からベンゾニトリル(BN)を製造した。その結果、表1に示すように、BNは1mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は5%、選択率は100%となった。
(実施例4)
実施例1と同様であるが、触媒調製において、最終的にTi担持量が0.5mmol/gとなるようにTiCl(関東化学製、鹿一級)を用いて水溶液を調整し、SiOに含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、TiO/SiO触媒を得た。TiO/SiO触媒を用いること以外は実施例1と同様にしてBAからBNを製造した。その結果、表1に示すように、BNは1mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は5%、選択率は100%となった。
(実施例5)
実施例1と同様であるが、触媒調製において、最終的にNb担持量が0.5mmol/gとなるように(NH(NbO(C)(シグマ−アルドリッチ製、4N)を用いて水溶液を調整し、SiOに含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、Nb/SiO触媒を得た。Nb/SiO触媒を用いること以外は実施例1と同様にしてBAからBNを製造した。その結果、表1に示すように、BNは1mmol生成した。副生物は水しかなく、収率は5%、選択率は100%となった。
Figure 0006435727
(実施例6)
担体となるSiO(富士シリシア製、CARiACT、G−3、表面積:700m/g)を100mesh以下に整粒し、700℃で約1時間、予備焼成した。その後、触媒調製において、最終的にMo担持量を表2となるように(NHMo24(関東化学製、特級)を用いて、SiOに含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、MoO/SiO触媒を得た。MoO/SiO触媒の担持量を変えること以外は実施例1と同様にしてBAからBNを製造した。その結果、表2に示すように、いずれのモル比でも、BNは生成し、副生物は水しかなく、Mo担持量が多くに従い生成量は多くなるが、一定以上では飽和する傾向が見られた。
Figure 0006435727
(実施例7)
担体をTiO(日本アエロジル製、P25、表面積:50m/g)、ZrO(第一稀元素製、表面積:88m/g)、CeO(第一稀元素製、表面積:74m/g)、Al(住友化学製、KHO、表面積:10m/g)、カーボンブラック(キャボット製、Vulcan、XC−72、表面積:254m/g)を用い、Mo担持量が0.19mmol/gとなるように(NHMo24(関東化学製、特級)を用いて、各担体に含浸した。このようにして調製した触媒を用い、実施例1と同様にしてBAからBNを製造した。その結果、表3に示すように、いずれの担体でも、BNは一定量生成した。
Figure 0006435727
(実施例8)
溶媒をo−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、クロロベンゼンを用いる以外は、すべて実施例1と同じ条件で反応を行い、BAからBNを製造した。その結果、表4に示すように、いずれの担体でも、BNは一定量生成した。
Figure 0006435727
(実施例9)
脱水剤を用いない以外は、実施例1と全く同様にして評価した。その結果、24時間反応後では、収率は10%、選択率はほぼ100%となった。
(比較例1)
触媒として、Mn、Ce、ZrをMn(NO、Ce(NH(NO、ZrO(NOの各水溶液を用いて0.5mmol担持すること以外は、実施例1と同様にした。その結果、いずれの場合もBNは検出されず、活性を示さなかった。
(比較例2)
触媒として、VをNHVO(Sigma-Aldrich製)を用いて水溶液を調整し、SiOに含浸した。その後、110℃で約6時間乾燥、500℃で約3時間焼成して、V/SiO触媒を得た。V/SiO触媒を用いること以外は実施例1と同様にした。その結果、BNは0.01mmolしか生成せず、非常に活性が低かった。本結果から、非特許文献5に記載のあるようなV系の触媒であっても、本反応条件のような温和な条件下では、ベンズアミドの脱水反応がほとんど進行しないことがわかった。
(比較例3)
触媒として、100mesh以下に整粒し、700℃で約1時間、予備焼成したMgO(宇部興産製、500A、表面積:28m/g)のみを用いること以外は、実施例7と同様にした。その結果、BNは全く生成しなかった。
上記実施例では、ベンゾニトリルと水が副生しただけで、他の副生物は生成しなかったことから、蒸留により、目的生成物であるベンゾニトリル、副生物である水、未反応のベンズアミドを単独で回収でき、未反応のベンズアミドは再び反応物として使用できる。

Claims (8)

  1. SiO、TiO、CeO、ZrO、Al、Cのいずれか1種又は2種以上から成る担体を、水分を除去するために焼成した後の担体上に、モリブデン、タングステン、レニウム、チタン、ニオブのいずれか1種又は2種以上の金属種の金属酸化物が担持された触媒の存在下、且つ、有機溶媒の存在下で、ベンズアミドを加熱して脱水反応させることにより、ベンゾニトリルを製造することを特徴とするベンゾニトリルの製造方法。
  2. 前記SiO 、TiO 、CeO 、ZrO 、Al 、Cのいずれか1種又は2種以上から成る担体を、0.15mm以下に整粒した後、水分を除去するために焼成することを特徴とする請求項1に記載のベンゾニトリルの製造方法。
  3. 前記担体が、SiOであることを特徴とする請求項1又は2に記載のベンゾニトリルの製造方法。
  4. 前記ベンズアミドを加熱して、液相状態で脱水反応させることにより、ベンゾニトリルを製造することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のベンゾニトリルの製造方法。
  5. 前記触媒が、SiOの担体上にモリブデンを担持したものであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のベンゾニトリルの製造方法。
  6. SiO 、TiO 、CeO 、ZrO 、Al 、Cのいずれか1種又は2種以上から成る担体上に、チタン、ニオブのいずれか1種又は2種の金属種の金属酸化物が担持された触媒の存在下、且つ、有機溶媒の存在下で、ベンズアミドを加熱して脱水反応させることにより、ベンゾニトリルを製造することを特徴とするベンゾニトリルの製造方法。
  7. 前記有機溶媒がクロロベンゼン、キシレン、メシチレンのいずれか1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のベンゾニトリルの製造方法。
  8. 前記脱水反応の際に、脱水剤を使用することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のベンゾニトリルの製造方法。
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