JP2011183258A - 排ガス浄化触媒及び排ガス浄化方法 - Google Patents

排ガス浄化触媒及び排ガス浄化方法 Download PDF

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敏明 長山
Masahito Kanae
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Abstract

【課題】本発明の目的は、排ガス中のCOによりNOxを還元する排ガス浄化触媒において,少なくともイリジウムとシリカ担体からなる触媒のNOx浄化性能高めることである。
【解決手段】COとNOxを含有し、化学量論よりも酸素過剰の排ガスを排出する熱機関の排ガス流路に配置される触媒であって、該触媒は触媒活性成分としてイリジウムと、活性成分の担体として多孔質シリカとを含み,前記多孔質シリカのカルシウム、ナトリウム及びマグネシウムの含有量が、酸化物換算で250ppm以下であることを特徴とする排ガス浄化触媒及びそれを用いた排ガス浄化方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、熱機関の排ガスを浄化する排ガス浄化触媒及び排ガス浄化方法に係り、特に、窒素酸化物(以下、NOxと表記する)を浄化する排ガス浄化触媒と浄化方法に関する。
環境改善を目的に、ボイラや内燃機関などの熱機関の排ガス中の有害物質である一酸化炭素(CO),NOx,炭化水素(以下HC)の低減が求められている。さらに、地球温暖化防止のため温室ガスである二酸化炭素(CO2)の削減が求められている。
本発明では、ボイラ、内燃機関を熱機関と言う。熱機関の排ガス中のNOxを連続的に浄化するには、アンモニア(以下NH)による選択還元触媒を使う方法,熱分解によりNHを生成する尿素を使う方法,炭化水素(以下HC)による選択還元触媒を使う方法などがある。また、内燃機関の場合、リーンNOx触媒を用いる方法もある。このような従来の方法では、還元剤であるNH,尿素,HC,軽油(成分はHC)を供給するシステムが必要になるため、装置導入費用が高くなると同時に、還元剤の費用が運転コストに上乗せされる。
安価にNOxを還元浄化するには、排ガス中に存在するCOを還元材に用いる方法が考えられる。ところが、熱機関の排ガスには、酸素が数%存在するため、COが排ガス中のOと反応してCOになって消費され、NOxの還元が進行にしくいという問題が生じていた。特許文献1には,COを還元剤に用いてNOxを還元する触媒としてイリジウムまたはロジウム金属を周期律表第Ia、IIa、IIb族金属の少なくとも1種を含むシリカ担体に担持した触媒が記載されている。しかしながら,触媒製造においては,高NOx浄化率と簡便な組成の両立が望まれる。特許文献2には,直径2〜50nmの細孔と100〜1400m/gの比表面積とを有しネットワーク状に広がったメソポーラスシリカにイリジウム粒子を担持した触媒が記載されている。シリカを主成分とするメソポーラスシリカは、イリジウムを担持することによりCOによるNO還元活性は発現するものの,シリカ粉末と比較して高価なため,より安価な担体を用いて高NOx浄化性能を発揮する触媒が望まれる。
特開2004−73921号公報 特開2006−81957号公報 特開2004−33990号公報 特開2007−175654号公報 特開2004−33989号公報
特許文献1では、イリジウム又はロジウム金属とSiO担体に加えて周期律表第Ia、IIa、IIb族金属の少なくとも1種を含み、担体がシリカであるリーンバーン用脱硝触媒が開示されている。特許文献2では,イリジウムと他の金属との合金を、平均径2〜50nmの細孔と100〜1400m/gの比表面積を有するメソポーラスシリカなどに担持したリーンバーン用脱硝触媒が開示されている。
特許文献3においては、シリカ等の担体にイリジウムを担持させたリーンバーン用排ガス処理用触媒が開示されている。また、特許文献4においては、イリジウムと他の金属を酸化タングステンとシリカからなる担体に担持させたリーンバーン用脱硝触媒が開示されている。特許文献5にはIrとPt,Pd,Ru等の他の金属との合金を担体上に担持した排ガス処理用触媒が開示されている。担体は、Al,TiO,SiO、BaSOなどである。
本発明の目的は、酸素過剰雰囲気において排ガス中のCOでNOxを還元浄化するために、イリジウムを触媒活性成分とし、入手容易で、安価な多孔質シリカを担体として用いて高いNOx浄化性能を得られる脱硝触媒を提供することである。また、本発明は、上記触媒脱硝触媒を用いた排ガス浄化方法を提供することを目的とする。
本発明者は、担体である多孔質シリカの性状について研究をしていたが、多孔質担体シリカの不純物であるカルシウム、ナトリウム、マグネシウム等の含有量が、ある量以下になると、NOx浄化率が顕著に向上することを見出した。また、多孔質シリカの細孔が非貫通型であり、その細孔直径がある値以下であると、NOx浄化率が向上することも見出した。
従って本発明は、少なくともイリジウムを触媒活性成分として、多孔質シリカ担体に担持した触媒において,この多孔質シリカのカルシウム、ナトリウム及びマグネシウムの含有量が、酸化物換算で250ppm以下であるリーンバーン用脱硝触媒を提供するものである。また、本発明は、常時化学量論よりも酸素過剰の条件で運転される熱機関の排ガス流路に、多孔質シリカを担体とし、該担体に担持したイリジウムを含む触媒の存在下で、排ガス中に含まれるCOとNOxを反応させて無害化する熱機関の排ガス浄化方法であって、前記多孔質シリカはカルシウム、ナトリウム及びマグネシウムを酸化物換算で、合計量で250ppm以下含有することを特徴とする熱機関の排ガス浄化方法を提供するものである。
本発明により、酸素過剰雰囲気において排ガス中のCOでNOxを還元浄化する触媒が,触媒活性成分として少なくともイリジウムを、容易に入手可能で安価な多孔質シリカ担体に担持させたものであり、これにより高いNOx浄化性能を得られるため,低コストで高性能な触媒及び排ガス浄化方法が提供可能になる。
NOx浄化性能評価試験方法を示す模式図。 多孔質シリカ担体の平均細孔直径と最大NOx浄化率の関係を示すグラフ。 多孔質シリカ担体の不純物量と最大NOx浄化率の関係を示すグラフ。 多孔質シリカ担体の酸洗浄による最大NOx浄化率に対する効果を示すグラフ。 異なった多孔質シリカ担体の酸洗浄による最大NOx浄化率に対する効果を示すグラフ。 多孔質シリカ担体の比表面積と最大NOx浄化率との関係を示すグラフ。 多孔質シリカ担体の平均細孔直径と最大NOx浄化率との関係を示すグラフ。
前記多孔質シリカはメソポーラスシリカの特徴である貫通型の細孔構造を持たないこと、即ち非貫通型細孔を持つものであることが好ましいい。従って,上記シリカは,粒子表面の凹凸や粒子間の空隙から形成される細孔を持っており,その細孔直径が6nm以下,特に3nm以下が好ましい。
細孔直径が6nm以下,特に3nm以下のシリカを用いた場合でも,カルシウム、ナトリウム、マグネシウムの含有量が多いと、NOx浄化性能は低下することが見出された。特に性能への影響が大きいカルシウムとナトリウムの酸化物換算値の合計量が210ppm以下、特に好ましくは25ppm以下であることが望ましい。
イリジウムは金属(0価)として触媒中に存在すると考えられ、被処理ガス中にSOxが存在すると、イリジウムとシリカを主成分とする触媒は,SOxの共存によりNOx浄化性能が高まる。そこで,使用環境の面から排ガスの中に実質的にSOxを含むことが好ましい。
前記多孔質シリカを用い,細孔直径を規定した理由について述べる。イリジウムとシリカを主成分とする触媒でのNOx還元反応は,シリカ担体上のイリジウムが活性点となって進行する。細孔直径が小さくなると実質的に比表面積が高くなる効果もあいまって,排ガス中のNO分子やCO分子がイリジウムと接触しやすくなり,NOx浄化活性が高まると考えられる。そのため,シリカの細孔直径が6nm以下となると触媒活性が高まることが見出された。
本発明で用いる非貫通型細孔を有する多孔質シリカとメソポーラスシリカとの違いは,ガス拡散のし易さにあると考えられる。メソポーラスシリカは細孔が貫通孔と言う特徴を持っており,細孔直径と細孔長さの比(アスペクト比)が100〜1000と高い。そのため,細孔内にNO分子やCO分子が吸着して,反応後のN分子,CO分子が脱離するために要する滞留時間が、非貫通型の多孔質シリカより長くなると推測される。その結果,NOx浄化活性は,メソポーラスシリカ担体よりも、細孔が非貫通型の多孔質シリカ担体の場合には高くなると考えられる。前記シリカの細孔直径が3nm以下と小径化することにより,さらに高NOx浄化率を安定して維持できることが見出された。
次に多孔質シリカのカルシウム、ナトリウム及びマグネシウム量を規定した理由を述べる。イリジウムとシリカを主成分とする触媒では,大気中で調製・焼成を行うとイリジウムは酸化イリジウムの状態になっている。これを還元処理することにより,NOx浄化活性は大幅に高まる。この時,イリジウムは金属イリジウムの状態になっている。つまり,金属イリジウムがNOx浄化活性を示す状態である。実際は,イリジウムが酸性ガスを吸着することから金属メタル(0価のIr)というより,カチオンの状態(極わずかにプラスチャージ:Irδ)と推測される。とりわけNa,Ca、Mgはアルカリ金属,アルカリ土類金属であるから,マイナスイオンを与えやすい。そのため,カチオンの状態を解消する方向に働く。このようにCaとNaは,イリジウムの活性を下げる作用をもつ。そこで,カルシウムとナトリウムの量を低減するとIrの活性を下げずに済み,高いNOx浄化活性が得られる。
上記カルシウム、ナトリウム、マグネシウムなどはシリカ中に不純物として存在し、その形態は酸化物であると考えられる。上記のような不純物を含むシリカ担体を硝酸、燐酸、塩酸などの無機酸や酢酸などの有機酸で処理(あるいは洗浄)すると、カルシウム、ナトリウム、マグネシウムなどの不純物は溶解除去される。本発明において、カルシウム、ナトリウム、マグネシウムなどの不純物は、必須成分ではなく、含有量が少ないほど好ましい。本明細書において、これらの不純物が触媒中に全て含まれると解釈すべきではない。
多孔質シリカを洗浄する酸としては、経済性、比較的な安全性及び取り扱い易さの点から、実用上、硝酸がもっとも好ましい。
多孔質シリカ中のカルシウムとナトリウム量を25ppm以下に低減することにより,さらにNOx浄化率を高めることができる。
本発明をさらに詳細に説明する。触媒活性成分としてのイリジウムと単体としてのシリカを主成分とする触媒は,イリジウムが触媒重量の0.001〜0.1wt%,残量が多孔質担体シリカという組成が最も簡便な組成である。イリジウム量はコストと性能のバランスから選定される。
シリカ以外にも触媒特性を改良するため,触媒成分として第二成分及び第三成分などを添加することができる。その際も,物性が本発明で規定するシリカを用いることが必要で,それ以外のシリカを用いた場合に比べNOx浄化性能を高めることができる。但し、シリカは担体重量の80重量%以上、特に90重量%以上が好ましく、100%でも良い。
また、触媒活性成分として,イリジウムに加えて,ロジウム,金,白金などの白金属元素、銀、鉄、銅、モリブデン、タングステンなど、従来NOx浄化触媒に使用されてきた元素を添加してもよい。しかしイリジウムは触媒活性成分の主成分であるべきで、イリジウムは触媒活性成分の60重量%以上、特に80重量%以上が好ましい。
シリカの物性を規定したことによるNOx浄化性能向上効果は,少なくともイリジウムを使用していれば期待できる。しかし,アルカリ金属とアルカリ土類金属は不純物としてのアルカリ金属又はアルカリ土類金属と同様に、イリジウムの活性を下げる作用がある恐れがあるので避けたほうが良い。好ましくは、これらは添加しないほうが良い。
排ガス組成中に,COとNOxのほかに炭化水素,SOxなどが含まれても本発明の触媒は機能する。特にSOxが含まれることでNOx浄化性能は向上することが期待される。
触媒の使用形態に特に制限はない。排ガスと効率的に接触できることが望ましいため、接触面積が高くなるように基材に触媒粉末をコートして使用する方法,粒状に成形して反応塔に充填する方法,などが考えられる。基材としては、コージェライト、Si−Al−Oなどのセラミックスや、ステンレススチール板などの耐熱性材料が用いられる。触媒の形状は、ハニカム、粒状、板状など任意である。
触媒の配置については、排ガス流路内で他の装置や触媒によりCOが消費されないことが望ましい。ボイラでは、複数の装置や触媒が排ガス流路に設置される場合、本発明触媒の上流でCOが消費されることは好ましくない。そのため、ボイラ排ガスのダストを落下させた後、もしくは電気集塵機の下流など、酸化反応を伴わない機器の下流に本発明の脱硝触媒を設置することが望ましい。ディーゼルエンジンでは、排ガス流路内に酸化触媒やディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPFと称する。)、そしてNOx選択還元触媒が設置してあるが、酸化触媒に代えて本発明のイリジウムとシリカを主成分とする触媒を配置することが望ましい。
(実験例)
本発明において、NOx浄化率の向上に寄与する要因が複数あるので、それらの要因の効果を確認するため、要因ごとに実験を重ねて、本発明の脱硝触媒としてあるべき構成を検討した。そこで、以下ではこの実験内容を説明して、本発明の触媒及びNOx浄化方法の説明とする。
(実験例1)
表1には本発明の実験例及び比較例で使用した種々のシリカ(酸処理前)の物性値を示す。
Figure 2011183258
以下に、本発明の実験例を示す。実験例1は、平均細孔直径5.4nmのシリカにイリジウム(以下、Irと表記する。)を担持した例である。
多孔質シリカとして、破砕粒(富士シリシア化学製,CARiACT G−6、平均粒径3μm)を使用した。Irは硝酸イリジウム(フルヤ金属製,5wt%)を使用した。水量をシリカ粉末の吸水量に合わせたIr水溶液をSiO粉末に含浸し,150℃に加熱したホットプレート上でテフロン(登録商標)製の薬さじで撹拌しながら蒸発乾固した。その後,大気中で600℃,1時間焼成し,Ir/SiO粉末を得た。Ir担持量は0.5wt%とした。
合成した粉末は性能評価のため粒状に成形した。合成した粉末約5gを金型に入れ、圧力500kg/cmで1分間保持し成形した。その後、目開きが0.85mmと1.7mmのふるいを用い、ふるい上で成形体を粉砕して粒径0.85〜1.7mmに分級し粒状触媒を得た。
(実験例2)
実験例2は、平均細孔直径2.2nmのシリカにIrを担持した例である。シリカ粉末は破砕粒(富士シリシア化学製,商品名:CARiACT G−3、平均粒径3μm)を使用した。実験例1と同一の方法でIrをシリカに担持させ触媒粉末を作製後,成形・分級し粒状触媒を得た。
(実験例3)
実験例3は、平均細孔直径2.2nmのシリカにIrとAuを担持した例である。シリカ粉末は破砕粒(富士シリシア化学製,商品名:CARiACT G−3),Irは硝酸イリジウム(フルヤ金属製,溶液濃度;5wt%),そして,Auは塩化金酸(田中貴金属製,溶液濃度;30wt%)を使用した。実験例1と同様の方法でAuとIrを担持し触媒粉末を得た。Ir担持量は、触媒全体量に対し0.5wt%,Au担持量は0.1wt%とした。その後,実験例1と同様に触媒粉末を成形・分級し粒状触媒を得た。
(実験例4)
実験例4は、不純物量を低減した平均細孔直径2.2nmのシリカにIrを担持した例である。シリカ粉末は破砕粒(富士シリシア化学製,商品名:CARiACT G−3)を使用した。シリカ粉末を酸洗浄し不純物を低減した。酸洗浄方法は,0.1MのHNO水溶液(pH0.6)にSiOを投入し,室温で1h撹拌後,吸引ろ過を行った。その後,150℃で乾燥し600℃で焼成した。この酸洗浄シリカ粉末に実験例1と同様にIrを担持し触媒粉末を作製後,成形・分級し粒状触媒を得た。
(比較例1)
比較例1は、平均細孔直径20nmのシリカにIrを担持した例である。シリカ粉末は破砕粒(富士シリシア化学製,商品名:CARiACT G−10、平均粒径3μm)を使用した。実験例1と同一の方法でIrを担持し触媒粉末を作製後,成形・分級し粒状触媒を得た。
(比較例2)
比較例2は、平均細孔直径4.2nmのメソポーラスシリカにIrを担持した例である。メソポーラスシリカとして,日本化学工業製(商品名:SILFAM−A、平均粒径60μm)を使用した。実験例1と同一の方法でIrを担持し触媒粉末を作製後,成形・分級し粒状触媒を得た。
(比較例3)
比較例3は、平均細孔直径12nmのシリカにIrを担持した例である。シリカ粉末は富田製薬製のマイコンF(平均粒径16μm)を使用した。実験例1と同一の方法でIrを担持し触媒粉末を作製後,成形・分級し粒状触媒を得た。
(NOx浄化性能試験例)
作製した触媒のNOx,CO浄化性能を評価した。図1は評価装置の概略である。電気炉1b内の固定床流通式反応管1aに粒状触媒1cをセットし、表2に示すモデルガスを流通した。水は容器1dから反応菅1aに滴下して加えた。触媒入口温度を所定温度に調整し、触媒出口ガスをNOx分析計1fで測定した。ガス源1eからモデルガスを反応菅1aに供給した。ガス量は3.0L/minとし,SV200000/hに合わせた。評価前に表2のガスAを流通し600℃で1時間保持し還元処理を行った。NOx浄化性能評価時では,表2のガスBを用いた。NOx浄化率は(式1)で定義した。
Figure 2011183258
使用したNOx分析計はNOを測定できないが、別途NO濃度測定を実施したがNOはほとんど検出されなかったことから、(式1)により求めたNOx浄化率はNOxからNへの転化率を意味する。
Figure 2011183258
図2は平均細孔直径の異なるシリカにIrを担持した時のNOx浄化率である。NOx浄化率はシリカの種類によって温度特性が異なるため,最大値を示した。最大NOx浄化率は平均細孔依存性を有し平均細孔直径が11nm以下であるときに高くなった。平均細孔直径が5.4nmのシリカを用いると平均細孔直径が10〜20nmのシリカを用いた場合と比較して最大NOx浄化率が高くなることが分かった。平均細孔直径5.4nm未満のシリカを用いると最大NOx浄化率は更に高くなった。シリカ粉末の製造ロット毎のバラつきを考慮し,好ましい細孔直径は6nm以下である。更に細孔直径の小さいシリカ粉末を用いると更に最大NOx浄化率が高くなる。従って、細孔直径が3nm以下の多孔質シリカは特に好ましい。
図3は不純物量が異なる時のNOx浄化率である。図2と同様に最大NOx浄化率で示した。明らかに不純物量が少ない時に最大NOx浄化率が高くなった。特に酸化カルシウムと酸化ナトリウムの合計値が197ppmより少なくなるとNOx浄化率は高くなった。分析精度を考慮し酸化カルシウムと酸化ナトリウムの合計値が210ppm以下であるのが好ましい。
表3には、使用した各種シリカ担体と触媒の化学分析値を示し、シリカ粉末を酸処理する前の不純物含有量及び酸処理後の不純物含有量を示す。
Figure 2011183258
表3から明らかなように、酸処理により、シリカ中の不純物量、特にカルシウム、ナトリウム、マグネシウムの量を大幅に低減することが出来る。
表4は,平均細孔直径及び不純物濃度と最大NOx浄化率の一覧表である。メソポーラスリシカにイリジウムを担持した比較例2の最大NOx浄化率は,CaとNaの含有量が低いにも係わらず、酸洗浄前のシリカ粉末を用いた実験例1〜3より低かった。G−3にIrを担持した実験例2とG−3にIrとAuを担持した実験例3を比較すると,NOx浄化活性は変わらなかった。酸洗浄し、平均細孔直径が2.2nmのシリカ担体を用いたIr触媒の最大NOx浄化率はもっとも高かった。
Figure 2011183258
活性成分に第二成分(この場合はAu)を添加してもシリカ担体の効果が認められた。酸洗浄したG−3にIrを担持した実験例4と実験例2を比較すると,実験例4のNOx浄化率が実験例2より6ポイント高かった。そのときの酸化カルシウムと酸化ナトリウムの合計量は酸洗浄により不純物が197ppmから18ppmに減少していることが分かった。このように不純物量を低減するとNOx浄化率が向上した。分析精度を考慮し酸化カルシウムと酸化ナトリウムの合計値が25ppm以下であるものが特に好ましい。
これらの結果から,高価なメソポーラスシリカを用いなくとも,細孔直径を調製したシリカ粉末を用いすることにより,イリジウムとシリカを主体とする高いNOx浄化性能の触媒が得られた。この担体の効果は第二成分を添加しても認められた。
また、図4,5には各種触媒の酸洗浄効果を示す。図から明らかなように、Ir単独及びIrと他の触媒成分を組み合わせた倍胃の何れも、酸洗浄をした触媒の最大NOx浄化率を、酸洗浄しない場合と比べると、約5乃至10%向上することが出来ることがわかった。
図6は、多孔質シリカ担体の比表面積と最大NOx浄化率との関係を示し、比表面積が約500m/g以上になると、最大NOx浄化率が向上する。したがって、本発明において、多孔質シリカの比表面積が500m/g以上のものを使用するのが好ましい。
図7は多孔質シリカの平均細孔直径と最大NOx浄化率との関係を示し、平均細孔直径が6nm以下のときに高い最大NOx浄化率を示すことが分かる。
1a・・・反応管、1b・・・電気炉、1c・・・粒状触媒、1d・・・水ポンプ、1e・・・モデルガス源、1f・・・NOx分析計。

Claims (19)

  1. COとNOxを含有し、化学量論よりも酸素過剰の排ガスを排出する熱機関の排ガス流路に配置される触媒であって、該触媒は触媒活性成分としてイリジウムと、活性成分の担体として多孔質シリカとを含み,前記多孔質シリカのカルシウム、ナトリウム及びマグネシウムの含有量が、酸化物換算で250ppm以下であることを特徴とする排ガス浄化触媒。
  2. 請求項1において、前記多孔質シリカのカルシウム、ナトリウム及びマグネシウムの含有量が合計で100ppm以下であることを特徴とする排ガス浄化触媒。
  3. 請求項1において,ナトリウムとカルシウムの合計が25ppm以下であることを特徴とする排ガス浄化触媒。
  4. 請求項1において、前記多孔質シリカの細孔は非貫通型であることを特徴とする排ガス浄化触媒。
  5. 請求項1において、前記多孔質シリカの平均細孔直径が6nm以下であることを特徴とする排ガス浄化触媒。
  6. 請求項1において、前記多孔質シリカの平均細孔直径が3nm以下であることを特徴とする排ガス浄化触媒。
  7. 請求項1において、前記多孔質シリカのカルシウム含有量が、12ppm以下であることを特徴とする排ガス浄化触媒。
  8. 請求項1において、前記多孔質シリカのナトリウム含有量が、6ppm以下であることを特徴とする排ガス浄化触媒。
  9. 前記触媒がイリジウムに加えて貴金属を含むことを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化触媒。
  10. 常時化学量論よりも酸素過剰の条件で運転される熱機関の排ガス流路に、多孔質シリカを担体とし、該担体に担持したイリジウムを含む触媒の存在下で、排ガス中に含まれるCOとNOxを反応させて無害化する熱機関の排ガス浄化方法であって、前記多孔質シリカはカルシウム、ナトリウム及びマグネシウムを酸化物換算で、合計量で250ppm以下含有することを特徴とする熱機関の排ガス浄化方法。
  11. COとNOxを含有し、化学量論よりも酸素過剰の排ガスを排出する熱機関の排ガス流路に配置される触媒であって、該触媒は触媒活性成分としてイリジウムと、活性成分の担体として多孔質シリカとを含み,前記多孔質シリカのカルシウム、ナトリウム及びマグネシウムの含有量が、酸化物換算で250ppm以下であることを特徴とする排ガス浄化触媒。
  12. 請求項10において、前記多孔質シリカのカルシウム、ナトリウム及びマグネシウムの含有量が合計で100ppm以下であることを特徴とする排ガス浄化方法。
  13. 請求項10において,ナトリウムとカルシウムの合計が25ppm以下であることを特徴とする排ガス浄化方法。
  14. 請求項10において、前記多孔質シリカの細孔は非貫通型であることを特徴とする排ガス浄化方法。
  15. 請求項10において、前記多孔質シリカの平均細孔直径が6nm以下であることを特徴とする排ガス浄化方法。
  16. 請求項10において、前記多孔質シリカの平均細孔直径が3nm以下であることを特徴とする排ガス浄化方法。
  17. 請求項10において、前記多孔質シリカのカルシウム含有量が、12ppm以下であることを特徴とする排ガス浄化方法。
  18. 請求項10において、前記多孔質シリカのナトリウム含有量が、6ppm以下であることを特徴とする排ガス浄化方法。
  19. 前記触媒がイリジウムに加えて貴金属を含むことを特徴とする請求項10記載の排ガス浄化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016216360A (ja) * 2013-12-27 2016-12-22 新日鐵住金株式会社 2−シアノピリジンの製造方法

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