JP6855753B2 - 二環式アミンの製造方法 - Google Patents

二環式アミンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は二環式アミンの製造方法に関する。
二環式アミンは、例えば、医農薬中間体、有機合成用触媒、化学吸着剤、抗菌剤等に有用な化合物として知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
そして、特許文献2には、ジヒドロキシアルキルピペラジン類を、酸触媒の存在下で分子内脱水縮合反応させる製造方法が記載されている。
特許文献2に記載の方法は、多段階の反応が不要であり、発火の危険性が高い還元剤を用いることなく、簡便且つ安全に二環式アミンを製造することができるという優れた方法ではある。しかしながら、転化率が十分でないために未反応原料の回収工程が必要になることや、この製造方法における酸触媒を気相反応に適用すると、十分な収率が得られない上に反応副生物がタール状となって析出し、反応管を閉塞させる場合があるため、工業的に連続生産する上で未だ改善すべき問題があった。
また、特許文献3には、下記式(1)
Figure 0006855753
[上記式(1)中、R〜Rは各々独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、水酸基、ヒドロキシメチル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。また、Xは炭素原子又は窒素原子を表し、Yは水素原子、アルキル基、水酸基、又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表す。]
で示される化合物を、固体触媒存在下、気相中で分子内脱水させ、下記式(2)
Figure 0006855753
[上記式(2)中、R〜R、X、Yは前記と同じ定義である。]
で示される二環式アミンを製造する方法が記載されている。
特許文献3に記載の方法は、二環式アミンを簡便に且つ比較的高収率で得ると共に、副生タール分を抑制し連続生産を可能とすることができるという優れた方法ではある。しかしながら、選択率が十分でないために目的物の収率が未だ不十分であるといった問題があった。
特表2001−504855号公報 特開2010−037325号公報 特開2012−149048号公報
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は二環式アミンの収率が向上した二環式アミンの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下に示すとおりの二環式アミンの製造方法である。
[1]原料組成物を、固体触媒存在下、気相中で分子内脱水させ、下記式(1)
Figure 0006855753
[上記式(1)中、R〜Rは各々独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、水酸基、ヒドロキシメチル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。]
で示される二環式アミン化合物を製造する方法であって、原料組成物が下記式(2)
Figure 0006855753
[上記式(2)中、R〜Rは前記と同じ定義である。]
で示される化合物と下記式(3)
Figure 0006855753
[上記式(3)中、R〜Rは前記と同じ定義である。]
で示される化合物の混合物であることを特徴とする二環式アミン化合物の製造方法。
[2]上記式(1)〜(3)において、R〜Rが各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基又はヒドロキシメチル基を表す(ただし、R〜Rが全て同じ置換基になることはない。)ことを特徴とする上記[1]に記載の二環式アミン化合物の製造方法。
[3]上記式(1)〜(3)において、R〜Rが全て水素原子を表すことを特徴とする上記[1]に記載の二環式アミン化合物の製造方法。
[4]原料組成物中の、上記式(2)で示される化合物と上記式(3)で示される化合物とのモル比(上記式(2)で示される化合物:上記式(3)で示される化合物)が、99:1〜70:30(モル比)の範囲であることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の二環式アミン化合物の製造方法。
[5]固体触媒として、下記式(4)
Al (4)
[上記式(4)中、Alはアルミニウムを表し、Mはアルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素を表し、Pはリンを表し、Oは酸素を表す。添字a〜dは各元素のモル数を表し、b/a=0.001〜0.5(モル比)、c/a=0.001〜0.5(モル比)であって、dは各原子の結合状態によって任意に取り得る値を表す。]
で示される無機酸化物を用いることを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の二環式アミン化合物の製造方法。
[6]上記式(4)において、MがK、Rb、Cs、Ca又はBaであることを特徴とする上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の二環式アミン化合物の製造方法。
[7]固体触媒が、触媒担体として酸化アルミニウムを用いたものであることを特徴とする上記[1]乃至[6]のいずれかに記載の二環式アミン化合物の製造方法。
本発明によれば、従来に比べて高い収率で二環式アミンを得ることができ、反応液中の二環式アミン含有量が増加するため、生産量が増加するばかりでなく、製造時間の短縮、製造設備の簡略化に繋がり、工業的に優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、原料組成物を、固体触媒存在下、気相中で分子内脱水させ、上記式(1)で示される二環式アミン化合物を製造する方法であって、原料組成物が上記式(2)で示される化合物と上記式(3)で示される化合物の混合物であることをその特徴とする。
本発明において、上記式(1)〜(3)における、置換基R〜Rは各々独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基)、水酸基、ヒドロキシメチル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基)を表す。
これらの中でも原料の入手のし易さ、及び取得コストの観点から、上記式(1)〜(3)において、R〜Rが各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基又はヒドロキシメチル基を表す(ただし、R〜Rが全て同じ置換基になることはない。)か、又はR〜Rが全て水素原子を表すことが好ましい。
本発明において、上記式(1)で示される二環式アミンとしては、例えば、以下のヒドロキシアルキルトリエチレンジアミン類(例示化合物番号1〜6)を挙げることができる。
Figure 0006855753
本発明において、上記式(2)で示される化合物の具体例としては、例えば、以下のN−ジヒドロキシプロピルピペラジン類(例示化合物番号7〜12)を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0006855753
また、本発明において、上記式(3)で示される化合物としては、例えば、以下のN,N’(−ビス(ジヒドロキシプロピル)ピペラジン類(例示化合物番号13〜17)を挙げることができる。
Figure 0006855753
本発明において、原料組成物中の、上記式(2)で示される化合物と上記式(3)で示される化合物とのモル比(上記式(2)で示される化合物:上記式(3)で示される化合物)が、99:1〜70:30(モル比)の範囲であることが好ましく、95:5〜80:20(モル比)の範囲であることがさらに好ましい。原料組成物中の、上記式(2)で示される化合物と上記式(3)で示される化合物とのモル比を99:1〜70:30(モル比)の範囲とすることで、収率向上の効果が大きくなる。
本発明において、本発明の趣旨に反しない程度であれば、上記式(2)で示される化合物、及び上記式(3)で示される化合物に加えて、それら以外の化合物を併用しても差し支えない。併用できる化合物としては、例えば、ピペラジン、グリセンリン等が挙げられる。
本発明において、上記式(2)で示される化合物、上記式(3)で示される化合物は市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでも良く、特に限定されない。また、上記式(2)で示される化合物、上記式(3)で示される化合物の純度としては、特に限定はないが、精製工程での精製のし易さを考慮すると、95%以上が好ましく、99%以上が特に好ましい。
本発明において、原料組成物を、上記式(1)で示される二環式アミンに変換させる反応工程は、特に限定するものではないが気相中、固定床流通式で実施することが好ましい。
本発明における固体触媒は、上記式(4)で示される組成を有することを特徴とする。上記式(4)中、Alはアルミニウムを表し、Mはアルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素を表し、Pはリンを表し、Oは酸素を表す。添字a〜dはそれぞれ各元素のモル数を表す。
本発明において、上記式(4)における、AlとMのモル比b/aは、通常0.001〜0.5であり、AlとPのモル比c/aは通常0.001〜0.5(モル比)である。b/a=0.01〜0.3(モル比)、c/a=0.01〜0.2(モル比)の範囲であることがさらに好ましい。この範囲とすることで固体触媒の酸塩基強度、比表面積等の物性を向上させ、触媒活性、選択率をより高めることができる。尚、dは各原子の結合状態によって任意に取り得る値を表す。
本発明において、上記式(4)における、Mで表されるアルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素としては、例えば、Na、Li、K、Rb、Cs、Ca、Sr、Baが挙げられる。これらの中ではK、Rb、Cs、Ca、Baが好ましく、Cs、Baが特に好ましい。
本発明において、固体触媒におけるリン成分の原料としては特に限定するものではなく、例えば、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ホスフィンオキサイド、各種リン酸塩等が挙げられる。これらの中ではリン酸アンモニウム塩が好ましい。
本発明における固体触媒は、調製のし易さ、及び取扱いの面から、触媒担体上に各成分を担持させたものとすることが好ましい。
触媒担体としては、例えば、無機酸化物を用いることができる。無機酸化物としては、特に限定するものではないが、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、アルミノシリケート、ゼオライト、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらの中でも、入手コスト、及び耐久性の観点から、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、ハイシリカゼオライトが好ましく、酸化アルミニウムが最も好ましい。
本発明において、固体触媒の比表面積は10m/g以上であることが好ましい。
本発明において、固体触媒の調製法は特に限定されるものではなく、一般的に行われる調製法が取られる。例えば、上記した固体触媒の原料(例えば、触媒担体、アルカリ金属元素成分又はアルカリ土類金属元素成分の原料、リン成分の原料等)を水中に溶解又は懸濁させて、攪拌、加熱、濃縮、乾燥後、成型し、更に焼成を経て固体触媒とする方法等が挙げられる。
本発明において、反応工程に供給する原料の形態としては、上記式(2)で示される化合物、及び上記式(3)で示される化合物を含む原料組成物を希釈剤で希釈したものを用いることができる。希釈剤としては、特に限定するものではないが、窒素ガス、水素ガス、アンモニアガス、水蒸気、炭化水素等の不活性ガスや、水、不活性な炭化水素等の不活性溶媒が挙げられ、これらのうち単独或は複数を用いて、原料を希釈し、反応を進行させることができる。
これらの希釈剤は任意の量で使用でき、特に限定するものではないが、原料組成物/希釈剤の重量比を0.001〜1の範囲とすることが好ましい。重量比0.001未満とすると、生産性が低下する恐れがあり、重量比1を超えると、選択性が低下する場合がある。希釈剤は、原料組成物と同時に反応器内に導入してもよいし、予め原料組成物を希釈剤混合させた後に、原料体として反応器に導入してもよい。
本発明において、反応工程で製造される反応体には、未反応の上記式(2)で示される化合物、未反応の上記式(3)で示される化合物、及び固体触媒の作用により分子内脱水した上記式(2)で示される二環式アミンが含まれる。反応体中に含まれる、上記式(2)で示される化合物と上記式(3)で示される化合物の合計のモル数は、特に限定するものではないが、原料組成物中に含まれる上記式(2)で示される化合物と上記式(3)で示される化合物との合計のモル数に対して、5モル%以下であることが好ましい。5モル%を超えると経済的観点から、原料の回収工程が必要となるおそれがある。
本発明においては、上記反応工程以外の工程を追加して実施しても一向に差し支えない。例えば、反応体を再度、気相中で固体触媒に接触させ、2次反応体とする工程、冷却工程、加熱工程、洗浄工程、抽出工程、超音波処理工程、蒸留工程、その他薬液で処理する工程などを適宜実施することができる。
本発明において、反応工程は、300〜500℃の温度範囲で実施することが好ましく、さらに350〜450℃の温度範囲で実施することが好ましい。300℃未満でも反応は進行するが、十分な反応速度が得られない場合あり、温度を下げる利点は少ない。また500℃を越える温度で反応させると原料及び生成物が分解するおそれがあり、上記式(1)で示される二環式アミンの選択率が低下することがある。
また、本発明において、反応は、0.01〜10MPaの圧力範囲で実施することが好ましく、さらに0.1〜1MPaの圧力範囲で実施することが好ましい。0.01MPa未満でも反応は進行するが、単位時間あたりの生産量が低下し、圧力を下げる利点は少ない。また10MPaを越える圧力で反応させても、特別な効果は無く、安全面で工業的に不利となる。
本発明において、反応工程で反応体は、後工程の精製工程で精製され、上記式(1)で示される二環式アミンとすることができる。精製工程で精製する方法としては、一般に知られている方法を実施することができ、上記式(1)で示される二環式アミンの精製方法としては、例えば、再結晶や蒸留によって精製する方法が挙げられるが、その他どの様な方法を使用しても一向に差し支えない。
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
尚、生成物の収率、選択率は、ガスクロマトグラフィーで確認した。ガスクロマトグラフィーには、ガスクロマトグラフ(島津製作所製 GC−2014)、キャピラリーカラム(J&W Scientific社製 DB−5)、及び検出器(FID)を使用した。
参考例1 N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの合成.
200mlの三口フラスコに、ピペラジン86.1g(1.0モル)、溶媒としてメタノール100mlを仕込み、窒素雰囲気下でグリシドール22.2g(0.3モル)を4時間かけて滴下した。三口フラスコをオイルバス中に保持することで、反応体の温度を60℃に保った。グリシドールの滴下終了後、単蒸留により反応体中の溶媒であるメタノール、未反応のピペラジンを留去した。生成物を真空乾燥することで、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジン(例示化合物7)45.2gを得た。
参考例2 N,N’−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジンの合成.
500mlの三口フラスコに、ピペラジン86.1g(1.0モル)、溶媒としてメタノール100mlを仕込み、窒素雰囲気下でグリシドール155.4g(2.1モル)を4時間かけて滴下した。三口フラスコをオイルバス中に保持することで、反応体の温度を60℃に保った。グリシドールの滴下終了後、単蒸留により反応体中の溶媒であるメタノール、未反応のピペラジンを留去した。生成物を真空乾燥することで、N,N’−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジン(例示化合物13)145.2gを得た。
参考例3 N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2−メチルピペラジンの合成.
200mlの三口フラスコに、2−メチルピペラジン100.1g(1.0モル)、溶媒としてメタノール100mlを仕込み、窒素雰囲気下でグリシドール22.2g(0.3モル)を4時間かけて滴下した。三口フラスコをオイルバス中に保持することで、反応体の温度を60℃に保った。グリシドールの滴下終了後、単蒸留により反応体中の溶媒であるメタノール、未反応のピペラジンを留去した。生成物を真空乾燥することで、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2−メチルピペラジン(例示化合物8)42.1gを得た。
参考例4 N,N’−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2−メチルピペラジンの合成.
500mlの三口フラスコに、2−メチルピペラジン100.1g(1.0モル)、溶媒としてメタノール100mlを仕込み、窒素雰囲気下でグリシドール155.4g(2.1モル)を4時間かけて滴下した。三口フラスコをオイルバス中に保持することで、反応体の温度を60℃に保った。グリシドールの滴下終了後、単蒸留により反応体中の溶媒であるメタノール、未反応のピペラジンを留去した。生成物を真空乾燥することで、N,N’−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2−メチルピペラジン(例示化合物14)164.2gを得た。
参考例5 触媒Aの調製.
触媒担体としてα型酸化アルミニウム粉末(キシダ化学製)7.2gを、炭酸セシウム2.3g、リン酸水素二アンモニウム1.1gを混合し分散させた後、エバポレーター用いて蒸発乾固させ白色固体を得た。この固体を圧縮成型し、窒素雰囲気の下マッフル炉で600℃、4時間焼成し、3.5メッシュに破砕して気相反応用触媒(M=Cs、a=1、b=0.1、c=0.06。以下、触媒Aと称する。)を得た。
参考例6 触媒Bの調製.
参考例5において、炭酸セシウムの替わりに炭酸バリウム1.4gを用いる以外は、実施例1に記載の方法に従い触媒調製し、気相反応用触媒(M=Ba、a=1、b=0.1、c=0.06。以下、触媒Bと称する。)を得た。
実施例1.
N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジン(例示化合物7)とN、N’−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピペラジン(例示化合物13)とをモル比96:4となるように混合し、水に溶解させ、10重量%水溶液の原料組成物を調製した。直径15mmの石英反応管に、触媒Aを20mlを詰め、その上下部にそれぞれ長さ23cmとなるように、セラミックス製ラシヒリング(直径3mm×長さ3mm×厚み1mm)を詰めた。触媒層の温度を380℃に保ち、反応管の上部より、上記調製した原料組成物を0.3g/分の速度で12時間滴下した。得られた反応混合ガスをコンデンサーで冷却し、反応体210gを得た。得られた反応体をガスクロマトグラフィーで分析した結果、転化率は98%、2−ヒドロキシメチルトリエチレンジアミン(例示化合物1)への選択率は64%、収率は63%であった。結果は他の実施例と共に表1に示す。
実施例2.
例示化合物7と例示化合物13とをモル比92:8となるように混合し、触媒層の温度を390℃とする以外は実施例1に記載の方法と同様の操作を行い反応体を得た。結果を表1に併せて示す。
実施例3.
触媒Aに替え触媒Bを用い、例示化合物7と例示化合物13とをモル比80:20となるように混合する以外は実施例1に記載の方法と同様の操作を行い反応体を得た。結果を表1に併せて示す。
実施例4.
例示化合物7の替わりに例示化合物8を用い、例示化合物13の替わりに例示化合物14を用い、触媒層の温度を400℃とする以外は実施例1に記載の方法と同様の操作を行い反応体を得た。得られた反応体をガスクロマトグラフィーで分析した結果、転化率は99%、2−ヒドロキシメチル−6−メチルトリエチレンジアミン(例示化合物2)への選択率は60%、収率は59%であった。結果を表1に併せて示す。
比較例1.
原料として例示化合物7を用い、例示化合物13を使用しない以外は実施例1に記載の方法と同様の操作を行い反応体を得た。結果を表1に併せて示す。
比較例2.
原料として例示化合物8と用い、例示化合物14を使用しない以外は実施例4に記載の方法と同様の操作を行い反応体を得た。結果を表1に併せて示す。
Figure 0006855753
表1から明らかなとおり、本発明の実施例では、比較例に比べ、目的とする二環式アミンの収率が向上していることが分る。
本結果から、本発明は二環式アミンの収率が向上した二環式アミンの製造方法であることが理解される。

Claims (5)

  1. 原料組成物を、固体触媒存在下、気相中で分子内脱水させ、下記式(1)
    Figure 0006855753
    [上記式(1)中、R〜Rは各々独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、水酸基、ヒドロキシメチル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。]
    で示される二環式アミン化合物を製造する方法であって、原料組成物が下記式(2)
    Figure 0006855753
    [上記式(2)中、R〜Rは前記と同じ定義である。]
    で示される化合物と下記式(3)
    Figure 0006855753
    [上記式(3)中、R〜Rは前記と同じ定義である。]
    で示される化合物の混合物であって、さらに、前記の固体触媒が、下記式(4)
    Al (4)
    [上記式(4)中、Alはアルミニウムを表し、Mはアルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素を表し、Pはリンを表し、Oは酸素を表す。添字a〜dは各元素のモル数を表し、b/a=0.001〜0.5(モル比)、c/a=0.001〜0.5(モル比)であって、dは各原子の結合状態によって任意に取り得る値を表す。]
    で示される無機酸化物であって、尚且つ触媒担体として酸化アルミニウムを用いたものであることを特徴とする二環式アミン化合物の製造方法。
  2. 上記式(1)〜(3)において、R〜Rが各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基又はヒドロキシメチル基を表す(ただし、R〜Rが全て同じ置換基になることはない。)ことを特徴とする請求項1に記載の二環式アミン化合物の製造方法。
  3. 上記式(1)〜(3)において、R〜Rが全て水素原子を表すことを特徴とする請求項1に記載の二環式アミン化合物の製造方法。
  4. 原料組成物中の、上記式(2)で示される化合物と上記式(3)で示される化合物とのモル比(上記式(2)で示される化合物:上記式(3)で示される化合物)が、99:1〜70:30(モル比)の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の二環式アミン化合物の製造方法。
  5. 上記式(4)において、MがK、Rb、Cs、Ca又はBaであることを特徴とする請求項に記載の二環式アミン化合物の製造方法。
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