JP2016079145A - イソブタノールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】副反応が抑制でき、選択率に優れるイソブタノールの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】ヒドロキシアパタイトの存在下、エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種と、メタノールと、を反応させてイソブタノールを生成させる反応工程を有し、該反応工程においては、(メタノールのモル数)/(エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種のモル数)で表される比率が、2.0〜15である、イソブタノールの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、イソブタノールの製造方法に関する。
イソブタノールは、有機合成溶剤、メタクリル酸イソブチル等の原料として用いられる、重要な化合物である。また、イソブタノールを脱水して得られるイソブチレンは、メタクリル酸メチルやイソプレンの原料となるため、近年はその需要価値が高まっている。
イソブタノールは、プロピレンを原料としたオキソ法による2−エチルヘキサノールの製造において、副生生物として得られることが知られている(非特許文献1)。
また、オキソ法以外のイソブタノールの合成法としては、二種類のアルコールを原料とする製造方法が検討されている。例えば、ヒドロキシアパタイト(基本的な組成は、Ca10(PO46(OH)2)を触媒として使用する方法が報告されている(特許文献1)。
特開2009−51760号公報
化学プロセス集成、東京化学同人、pp.655〜659、昭和45年3月3日
しかしながら、非特許文献1に記載の方法においては、イソブタノールのみを任意の量で選択的に製造することはできないという問題がある。また、オキソ反応は高圧反応であり、プロセスも煩雑であるため、建設、運転、保安維持上、好ましくない。さらに、2−エチルヘキサノールの副生成物として得られるイソブタノールは、その生産量が2−エチルヘキサノールの生産量に左右されてしまうことから、イソブタノールを選択的に製造する方法の開発が望まれている。
また、特許文献1に記載の方法においては、原料の転化率、及びイソブタノールの選択率が低いという問題がある。特に、特許文献1に記載の方法において得られる生成物は、種々の有機化合物の混合物であり、イソブタノールを合成する方法としては満足いくものではない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、副反応が抑制でき、選択率に優れるイソブタノールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ヒドロキシアパタイトを用いて、所定の原料比で反応を進行させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
ヒドロキシアパタイトの存在下、エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種と、メタノールと、を反応させてイソブタノールを生成させる反応工程を有し、
該反応工程においては、(メタノールのモル数)/(エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種のモル数)で表される比率が、2.0〜15である、
イソブタノールの製造方法。
〔2〕
前記ヒドロキシアパタイトが、組成式
Ca10-x(PO46(OH)2-2x
で示され、ただし、前記組成式中、xは−0.80以上0.40以下であり、
前記組成式中のCa/Pで表されるモル比が、1.60〜1.80である、前項〔1〕に記載のイソブタノールの製造方法。
〔3〕
前記ヒドロキシアパタイトが、酸素含有雰囲気下、200〜800℃で焼成したものである、前項〔1〕又は〔2〕に記載のイソブタノールの製造方法。
〔4〕
前記反応工程において、エタノール又はプロパノールの重量空間速度が、0.030〜1.0hr-1である、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のイソブタノールの製造方法。
〔5〕
前記反応工程において、反応温度が、350〜500℃である、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のイソブタノールの製造方法。
本発明によれば、副反応が抑制でき、選択率に優れるイソブタノールの製造方法を提供することができる。
実施例1〜3、並びに比較例3における、原料アルコールの比(メタノール/1−プロパノール比)とイソブタノールの選択率との相関、及び、原料アルコールの比(メタノール/1−プロパノール比)とメタノール回収率との相関を示す図である。 実施例4及び10〜12における、ヒドロキシアパタイトの焼成温度とイソブタノールの選択率との相関を示す図である。 実施例4及び6〜8、並びに比較例5における、原料アルコールの比(メタノール/エタノール比)とイソブタノールの選択率との相関、及び、原料アルコールの比(メタノール/エタノール比)とメタノール回収率との相関を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔イソブタノールの製造方法〕
本実施形態のイソブタノールの製造方法は、ヒドロキシアパタイトの存在下、エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種と、メタノールと、を反応させてイソブタノールを生成させる反応工程を有し、該反応工程においては、(メタノールのモル数)/(エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種のモル数)で表される比率が、2.0〜15である。
〔反応工程〕
反応工程は、ヒドロキシアパタイトの存在下、エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種と、メタノールと、を反応させてイソブタノールを生成させる工程である。
(ヒドロキシアパタイト)
ヒドロキシアパタイトとしては、特に限定されないが、例えば、下記組成式で表されるヒドロキシアパタイトが好ましい。ヒドロキシアパタイトは、一般的には、化学式Ca10(PO46(OH)2で示されるCa/Pモル比が1.67のものである。しかし、Caが欠損する等によりCa/Pモル比が変動し得る。下記組成式中のCa/Pで表されるモル比は、好ましくは1.60〜1.80であり、より好ましくは1.65〜1.75である。Ca/Pモル比が上記範囲内であることにより、原料アルコールの転化率及びイソブタノールの選択率がより向上し、反応成績の安定性がより向上する傾向にある。
組成式: Ca10-x(PO46(OH)2-2x
なお、式中、xは−0.80以上0.40以下である。
このようなヒドロキシアパタイトとしては、市販品を用いることもでき、例えば、いずれも太平化学産業製である「第三リン酸カルシウム」、「ヒドロキシアパタイト」、「球形HAP」を挙げることができる。
ヒドロキシアパタイトはそのまま反応に使用してもよいし、反応前に酸素含有雰囲気下で焼成することにより、触媒活性や選択率をコントロールすることができる。
ヒドロキシアパタイトの焼成温度は、好ましくは200℃以上であり、より好ましくは500〜1200℃であり、さらに好ましくは500〜800℃であり、よりさらに好ましくは600〜800℃である。焼成温度が上記範囲内であることにより、イソブタノールの選択率がより向上する傾向にある。なお、焼成しない場合には200℃未満で乾燥するに留める。また、焼成時間および乾燥時間は適宜決められる。
ヒドロキシアパタイトを焼成する際において、酸素含有雰囲気に含まれる酸素濃度は、好ましくは15〜30体積%である。酸素濃度が上記範囲内であることにより、イソブタノールの選択率がより向上する傾向にある。
また、ヒドロキシアパタイトの成型法は、当業者に周知の方法にて行うことができ、例えば、押し出し成型法、圧縮成型法などを利用できる。成型時には、成型助剤を用いることもできるし、触媒成分を担体に担持させることもできる。
ヒドロキシアパタイトは、好ましくは3.5〜40メッシュを通過する大きさであり、より好ましくは5.0〜30メッシュを通過する大きさである。ヒドロキシアパタイトの大きさが上記範囲内であることにより、原料アルコールの転化率及びイソブタノールの選択率がより向上し、反応成績の安定性がより向上する傾向にある。
(原料アルコール)
反応工程においては、エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種と、メタノールとを用いる。これらを併せて原料アルコールともいう。原料アルコールの組合せとしては、エタノール及びメタノールの組合せ、プロパノール及びメタノールの組合せ、並びに、エタノール、プロパノール、及びメタノールの組合せが挙げられる。このなかでも、エタノール及びメタノールの組合せ、プロパノール及びメタノールの組合せが好ましく、プロパノール及びメタノールの組合せがより好ましい。なお、プロパノールとしては、1−プロパノール及び2−プロパノールが挙げられる。このなかでも、1−プロパノールが好ましい。アルコール原料は一般的に市販されている化学合成により合成されたものであっても、発酵製造により製造されたものであってもよい。
反応工程において、(メタノールのモル数)/(エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種のモル数)で表される比率は、2.0〜15であり、好ましくは3.0〜9.0であり、より好ましくは5.0〜8.0である。イソブタノールを得るためのメタノールとプロパノールの化学量論比は1であり、メタノールとエタノールの化学量論比は2であるが、メタノールをエタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種に対して2モル倍以上用いることによりイソブタノールの選択率が大幅に向上する。また、比率が15モル倍以下であることにより、メタノールを気化させるための熱エネルギーや、回収に要するエネルギーが増大することを抑制でき、効率がより向上する。
特に、原料アルコールがエタノール及びメタノールの組合せである場合、(メタノールのモル数)/(エタノールのモル数)で表される比率は、好ましくは2.0〜15であり、より好ましくは4.0〜10であり、さらに好ましくは4.0〜8.0である。
特に、原料アルコールがプロパノール及びメタノールの組合せである場合、(メタノールのモル数)/(プロパノールのモル数)で表される比率は、好ましくは2.0〜15であり、より好ましくは2.0〜10であり、さらに好ましくは2.0〜8.0である。
(反応形式)
反応工程において行う反応は、固定床反応器又は流動床反応器において、ヒドロキシアパタイトを固体触媒として用いる気相反応である。原料アルコールは、反応器に供給される前に気化されてもよいし、反応器内で気化されてもよい。また、それぞれのアルコールは、別々に反応器へ供給されてもよいし、混合してから反応器へ供給されてもよい。
反応温度は、好ましくは300〜500℃であり、より好ましくは350〜500℃であり、さらに好ましくは350〜480℃であり、よりさらに好ましくは360〜480であり、特に好ましくは380〜460℃である。反応温度が300℃以上であることにより、反応がより効率的に進行し易くなる傾向にある。また、反応温度が500℃以下であることにより、原料の分解反応をより抑制できる傾向にある。
エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種の重量空間速度(WHSV)は、好ましくは0.010〜2.0hr-1であり、より好ましくは0.030〜1.0hr-1であり、さらに好ましくは0.040〜1.0hr-1であり、よりさらに好ましくは0.040〜0.60hr-1であり、さらにより好ましくは0.070〜0.40hr-1であり、特に好ましくは0.070〜0.38hr-1である。WHSVが上記範囲内であることにより、原料アルコールの高転化率がより長時間継続する傾向にある。
反応温度と重量空間速度(WHSV)を調整することで、原料アルコールの転化率を調整することができる。反応工程における原料アルコールの転化率は、好ましくは80〜99%であり、より好ましくは90〜98%である。転化率が上記範囲内であることにより、イソブタノールの選択率がより向上する傾向にある。
反応雰囲気は、特に限定されないが、例えば、不活性ガス雰囲気が好ましい。不活性ガスとしては、特に限定されないが、例えば、窒素ガス、及びアルゴンガスが挙げられる。
(前処理工程)
本実施形態の製造方法は、反応工程前に、不活性ガス雰囲気下、触媒を加熱する前処理工程を有していてもよい。反応工程においては水素が発生しうるため、このような工程を有することにより、安全性がより向上する傾向にある。また、不活性ガスを用いて前処理を行うことにより、反応工程における水素の酸化や原料の酸化を抑制でき、反応成績がより向上する傾向にある。
(精製工程)
反応工程により得られた生成物組成物からイソブタノールを分離精製する方法については、特に制限はないが、一般的な蒸留操作によって精製するができる。
以下、実施例等により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
なお、各実施例及び比較例における反応成績(転化率、選択率、及び回収率)は、以下の条件に従ったガスクロマトグラフィー分析によって求めた。
(ガスクロマトグラフィー分析条件)
装置 :6850A(アジレント・テクノロジー株式会社製)
使用カラム:DB−WAX(アジレント・テクノロジー株式会社製)
分析条件 :注入口温度200℃、検出器温度250℃
カラム温度:40℃で10分保持後、250℃まで15℃/分で昇温
検出器 :熱伝導度検出器(TCD)
〔実施例1〕
(触媒調製)
太平化学産業製の「第三リン酸カルシウム」15gをイオン交換水35gに懸濁させ、エバポレーターを用いて50℃で水を除いた。これを150℃で3時間乾燥させた後、600℃で3時間焼成を行った。得られた焼成体を粉砕後に、粉砕体を10〜20メッシュを通過する大きさに揃えてヒドロキシアパタイト触媒Aを得た。この触媒のCa/Pモル比を、ICP(発光分光分析)を用いて測定したところ、1.67であった。
(前処理工程)
上記のように調製したヒドロキシアパタイト触媒A7gを、内径18mmφのSUS316製反応管に充填した。窒素を40cc/minで流しながら電気炉にて加温し、充填した触媒層を400℃で安定させた。
(反応工程)
窒素の供給を停止し、1−プロパノール22.4質量部と、メタノール77.6質量部とを混合した原料液(モル比:メタノール/(1−プロパノール)=6.5)を、流速6.00g/hr(1−プロパノールのWHSV=0.19hr-1)で反応管に通した。
3時間経過し、定常状態(420℃)に達したところで、生成物を氷トラップにより採取し、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、1−プロパノールの転化率は99%、イソブチルアルデヒドの選択率は9%、イソブタノールの選択率は78%であった。これらの転化率及び選択率を表1に示す。なお、メタノール回収率は以下のように算出した。
MeOH回収率=(回収されたMeOH量)/{(仕込みのMeOH量)−(イソブタノールの生成に消費されたMeOH量)}
転化率を維持するように徐々に反応温度を上げていき反応開始から240時間後には反応温度が440℃に達した。この時点で分析したところ、1−プロパノールの転化率は96%、イソブチルアルデヒドの選択率は3%、イソブタノールの選択率は83%であった。
〔実施例2〜3〕
原料アルコールのモル比及び反応温度を表1に示したモル比及び温度に変更したこと以外は実施例1と同様の条件で前処理工程及び反応工程を行った。反応成績を表1に示す。なお、転化率と選択率の間には相関関係があるため、実施例1〜3は、転化率が同程度となるよう反応温度を調整し、同程度の転化率としたときの選択率を評価するものである。
〔比較例1〕
(触媒調製)
シュウ酸二水和物2.43gをイオン交換水40gに溶かし、そこにメタバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)1.50gを加えて50℃にて撹拌して均一溶液とした。そこへ二酸化チタン(富士チタン工業製TA−300)40gを加えて50℃で30分間撹拌を行った後、エバポレーターを用いて水を除き、150℃で3時間乾燥した。その後、乾燥体を空気雰囲気下500℃で3時間焼成した。得られた焼成体を粉砕後、粉砕体を10〜20メッシュを通過する大きさに揃えてV25−TiO2触媒を得た。
(前処理工程及び反応工程)
ヒドロキシアパタイト触媒Aに代えて、上記のように調製したV25−TiO2触媒を用い、反応温度を350℃とした以外は、実施例1と同様に前処理工程及び反応工程を行った。反応成績を表1に示す。
〔比較例2〕
(触媒調製)
酢酸銅一水和物((CH3COO)2Cu・H2O)1.28gをイオン交換水20gに溶かし、そこへ二酸化チタン(富士チタン工業製TA−300)20gを加えて50℃で30分間撹拌を行った。エバポレーターを用いて水を除き、150℃で3時間乾燥した。その後、乾燥体を空気雰囲気下500℃で3時間焼成した。得られた焼成体を粉砕後、粉砕体を10〜20メッシュを通過する大きさに揃えてCu−TiO2触媒を得た。
(前処理工程)
上記のように調製した触媒7gを、内径18mmφのSUS316製反応管に充填した。窒素を80cc/minで流しながら電気炉にて加温し、充填した触媒層が150℃になるように安定させた。急激な発熱を避けるため水素ガスを徐々に加えて水素濃度を15vol%とし、その後240℃まで昇温した。そのまま3時間保持することにより触媒を還元した後、窒素ガスでパージした。
(反応工程)
ヒドロキシアパタイト触媒Aに代えて、上記のように調製したCu−TiO2触媒を用い、反応温度を380℃とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。反応成績を表1に示す。
〔比較例3〕
(前処理及び反応)
実施例1にて調製したヒドロキシアパタイト触媒Aを用い、原料アルコールとしてプロパノール38.5質量部、メタノール61.5質量部の割合(モル比:メタノール/(1−プロパノール)=1)で混合した原料液を流速3.45g/hr(プロパノールのWHSV=0.19hr-1)とした以外は、実施例1と同様に前処理工程及び反応工程を行った。反応成績を表1に示す。
実施例1〜3、並びに比較例3における、原料アルコールの比(メタノール/1−プロパノール比)とイソブタノールの選択率との相関、及び、原料アルコールの比(メタノール/1−プロパノール比)とメタノール回収率との相関を図1に示す。比較例3に対して、用いるメタノール量を2倍にした実施例3、4倍にした実施例2、6.5倍にした実施例1では、イソブタノール選択率が概ね2倍以上となっており、モル比(メタノール/(1−プロパノール))が2以上で急激に選択率が向上することがわかる。
また、ヒドロキシアパタイトを用いた反応においてメタノールを過剰に用いることにより、メタノール回収率が高くなることから、原料の分解反応や重合反応などの副反応が抑制されていることがわかる。
MeOH:メタノール
PrOH:プロパノール
isoBtOH:イソブタノール
〔実施例4〕
原料アルコールとしてメタノールとエタノールを用い、モル比をメタノール/エタノール=7.5としたこと以外は実施例1と同様に前処理工程及び反応工程を行った。
3時間経過し、定常状態(411℃)に達したところで、生成物を氷トラップにより採取し、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エタノールの転化率は92%、イソブタノールの選択率は62%であった。反応成績を表2に示す。
〔実施例5〕
(触媒調製)
硝酸カルシウム4水和物(Ca(NO32・4H2O)40.3gをイオン交換水160gに溶かし、そこへ25質量%アンモニア水溶液140gを加えてpH12以上の溶液Aを得た。別途、リン酸水素2アンモニウム((NH42HPO4)13gをイオン交換水315gに溶かし、そこへ25質量%アンモニア水溶液85gを加えてpH10〜11の溶液Bを得た。常温で溶液Aを撹拌しながら、50分間かけて溶液Bを滴下し、その後80℃へ昇温して30分間撹拌した。この際、溶液中に白色沈殿が生じた。このようにして得られた白色沈殿を濾別し、150℃で3時間乾燥した後、空気雰囲気下500℃で3時間焼成した。得られた焼成体を粉砕後、粉砕体を10〜20メッシュを通過する大きさに揃えてヒドロキシアパタイト触媒Bを得た。この触媒のCa/Pモル比は1.73であった。
(前処理工程及び反応工程)
上記のように調製したヒドロキシアパタイト触媒Bを用いた以外は、実施例4と同様に前処理工程及び反応工程を行った。反応成績を表2に示す。
〔実施例6〜8〕
原料アルコールのモル比及び反応温度を表2に示したモル比及び温度に変更したこと以外は実施例4と同様の条件で反応まで行った。反応成績を表2に示す。なお、転化率と選択率の間には相関関係があるため、実施例4、6〜8は、転化率が同程度となるよう反応温度を調整し、同程度の転化率としたときの選択率を評価するものである。
〔実施例9〜11〕
実施例1にて調製したヒドロキシアパタイト触媒Aの焼成温度を表2に示した焼成温度に変更したこと以外は実施例1と同様の条件で触媒調製、前処理工程及び反応工程を行った。反応成績を表2に示す。
なお、転化率と選択率の間には相関関係があるため、実施例1、9〜11は、転化率が同程度となるよう反応温度を調整し、同程度の転化率としたときの選択率を評価するものである。
〔実施例12〕
(前処理工程及び反応工程)
実施例1にて調製したヒドロキシアパタイト触媒Aを150℃で3時間乾燥した後に用い、エタノール32.4質量部、メタノール67.6質量部の割合(モル比:メタノール/エタノール=1)で混合した原料アルコールを流速3.02g/hr(エタノールのWHSV=0.14hr-1)で供給した以外は、実施例1と同様に前処理工程及び反応工程を行った。反応成績を表2に示す。
実施例4及び10〜12における、ヒドロキシアパタイトの焼成温度とイソブタノールの選択率との相関を図2に示す。焼成温度の上昇につれ、選択率が向上することがわかる。
〔比較例4〕
(触媒調製)
硝酸銅1.25molをイオン交換水800gに溶解し、40℃に保ち、A液を得た。また、炭酸ソーダ1.63molをイオン交換水1000gに溶解し、40℃に保ち、B液を得た。さらに、酸化亜鉛0.629molをイオン交換水300gに分散し、40℃に保ち、C液を得た。また、日産化学工業株式会社製アルミナゾル200(アルミナ含有量10%)を用い、アルミナとして0.078mol含有する量をイオン交換水160gに分散し、60℃に保ち、D液を得た。撹拌下、B液へA液を添加した後、C液を添加し、更に炭酸ガスを6L/hrの速度で吹き込み80℃まで昇温し、30分間保持した。反応終了後60℃まで冷却した。このスラリーにD液を添加し、30分間撹拌した後、ろ過して、更にイオン交換水4000gにて洗浄し、水切り後、組成物ケーキを得た。これを80℃にて15時間乾燥した後、空気雰囲気下にて380℃で焼成した。得られた焼成体を粉砕後、粉砕体を10〜20メッシュを通過する大きさに揃えてCu−ZnO触媒を得た。
(前処理)
上記のように調製したCu−ZnO触媒7gを、内径18mmφのSUS316製反応管に充填した。窒素を80cc/minで流しながら電気炉にて加温し、充填した触媒層が150℃になるように安定させた。急激な発熱を避けるため水素ガスを徐々に加えて水素濃度を15vol%とし、その後240℃まで昇温した。そのまま3時間保持することにより触媒を還元した後、窒素ガスでパージした。
(反応工程)
上記のように調製したCu−ZnO触媒を用いて反応温度を300℃とし、原料液を流速17.4g/hr(エタノールのWHSV=0.40hr-1)とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。反応成績を表2に示す。
〔比較例5〕
(前処理工程及び反応工程)
原料をエタノール32.4質量部、メタノール67.6質量部の割合(モル比:メタノール/エタノール=1)で混合した原料液を流速3.02g/hr(エタノールのWHSV=0.14hr-1)とした以外は、実施例4と同様に前処理及び反応を行った。反応成績を表2に示す。
実施例4及び6〜8、並びに比較例5における、原料アルコールの比(メタノール/エタノール比)とイソブタノールの選択率との相関、及び、原料アルコールの比(メタノール/エタノール比)とメタノール回収率との相関を図3に示す。
なお、転化率と選択率の間には相関関係があるため、実施例4及び6〜8、並びに比較例5は転化率が同程度となるよう反応温度を調整し、同程度の転化率としたときの選択率を評価するものである。
比較例5に対して、用いるメタノール量を2倍にした実施例8ではイソブタノール選択率が3.5倍となっており、用いるメタノール量を3倍にした実施例7ではイソブタノール選択率が4.5倍となっており、用いるメタノール量を4倍にした実施例6ではイソブタノール選択率が7.8倍となっており、用いるメタノール量を7.5倍にした実施例4ではイソブタノール選択率が10倍となっており、モル比(メタノール/エタノール)が2以上で、メタノール使用量に比例するよりも急激に選択率が向上することがわかる。
また、ヒドロキシアパタイトを用いた反応においてメタノールを過剰に用いることにより、メタノール回収率が高くなることから、原料の分解反応や重合反応などの副反応が抑制されていることがわかる。
MeOH:メタノール
EtOH:エタノール
isoBtOH:イソブタノール
本発明の製造方法は、イソブタノールを製造する方法として産業上の利用可能性を有する。本発明によれば、2−エチルヘキサノールの副生成物として製造する方法と異なり、2−エチルヘキサノールの製造量に左右されることなく、イソブタノールを選択的に製造することが可能となる。イソブタノールは、有機合成溶剤、メタクリル酸イソブチルの原料等、工業的に様々な用途に用いられる重要な化合物である。また、イソブタノールを脱水して得られるイソブチレンは、メタクリル酸メチルやイソプレンの原料となり、近年はその需要価値が高まっている。

Claims (5)

  1. ヒドロキシアパタイトの存在下、エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種と、メタノールと、を反応させてイソブタノールを生成させる反応工程を有し、
    該反応工程においては、(メタノールのモル数)/(エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種のモル数)で表される比率が、2.0〜15である、
    イソブタノールの製造方法。
  2. 前記ヒドロキシアパタイトが、組成式
    Ca10-x(PO46(OH)2-2x
    で示され、ただし、前記組成式中、xは−0.80以上0.40以下であり、
    前記組成式中のCa/Pで表されるモル比が、1.60〜1.80である、請求項1に記載のイソブタノールの製造方法。
  3. 前記ヒドロキシアパタイトが、酸素含有雰囲気下、200〜800℃で焼成したものである、請求項1又は2に記載のイソブタノールの製造方法。
  4. 前記反応工程において、エタノール及びプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種の重量空間速度が、0.030〜1.0hr-1である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のイソブタノールの製造方法。
  5. 前記反応工程において、反応温度が、350〜500℃である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のイソブタノールの製造方法。
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