JP2014103891A - 移植機 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行機体の旋回の開始に対応させて植付作業機を非作業位置まで上昇させた後に該旋回の終了に対応させて植付作業機を作業位置まで下降させる自動昇降制御を実行するに際して、構成を複雑化することなく、車速の変化に適切に対応可能な移植機を提供することを課題としている。
【解決手段】本発明は、走行機体3の旋回の開始に対応させて植付作業機6を非作業位置まで上昇させた後に該旋回の終了に対応させて植付作業機6を作業位置まで下降させる自動昇降制御を、旋回操作又は作動が旋回検出手段31によって検出されたことに起因して、開始させる移植機において、車速を検出する車速検出手段32を設け、車速検出手段32によって検出された速度が予め定めた所定速度以上である場合には、報知手段27によって報知を行うことを特徴としている。
【選択図】図9

Description

この発明は、走行機体の後部に連結された植付作業機の昇降制御をアクチュエータによって行う制御部を備えた移植機に関する。
走行機体の後部に連結された植付作業機の昇降制御をアクチュエータによって行う制御部を備え、該制御部は、走行機体の旋回の開始に対応させて植付作業機を非作業位置まで上昇させた後に該旋回の終了に対応させて植付作業機を作業位置まで下降させる自動昇降制御を、旋回操作又は作動が旋回検出手段によって検出されたことに起因して、開始させる移植機が従来公知である。
該構成の移植機では、自動昇降制御の実行中、車速の違いによる植付作業機の下降タイミングのずれに起因して、植付作業機が旋回終りで適切に開始されずに作業効率的が低下する虞があった。この不具合を改善するため、車速に応じて植付開始のタイミングを適宜補正する特許文献1に示す移植機が公知になっている。
特開2011−45262号公報
しかし、上記文献の移植機では、車速に応じて、植付作業機の昇降速度を変化させることにより、植付開始のタイミングを適切に制御しており、制御内容が複雑化する他、植付作業機の昇降速度を変化させる構造も必要になり、機械の構造も複雑になる。
本発明は、走行機体の旋回の開始に対応させて植付作業機を非作業位置まで上昇させた後に該旋回の終了に対応させて植付作業機を作業位置まで下降させる自動昇降制御を実行するに際して、構成を複雑化することなく、車速の変化に適切に対応可能な移植機を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、第1に、走行機体3の後部に連結された植付作業機6の昇降制御をアクチュエータ28によって行う制御部29を備え、該制御部29は、走行機体3の旋回の開始に対応させて植付作業機6を非作業位置まで上昇させた後に該旋回の終了に対応させて植付作業機6を作業位置まで下降させる自動昇降制御を、旋回操作又は作動が旋回検出手段31によって検出されたことに起因して、開始させる移植機において、車速を検出する車速検出手段32及び報知手段27を設け、前記制御部29は、車速検出手段32によって検出された速度が予め定めた所定速度以上である場合には、報知手段27によって報知を行うことを特徴としている。
第2に、制御部29は、車速が上記所定速度以上であることが車速検出手段32によって検出されている最中に、旋回検出手段31によって旋回操作又は作動を検出した場合には、自動昇降制御の実行を規制することを特徴としている。
第3に、制御部29は、旋回を開始してからの走行機体3の走行距離を、前記車速検出手段32を介して取得される車速に基づいて算出し、該算出された走行距離に基づいて、自動昇降制御の実行中における旋回終了を判断することを特徴としている。
車速検出手段によって検出された速度が予め定めた所定速度以上である場合には、報知手段によって報知を行うため、オペレータは、自動昇降制御をスムーズに実行するために車速を遅くする必要があることを直ちに知ることができる。このため、自動昇降制御の実行中に車速に応じて植付作業機の昇降速度を変化させるような複雑な制御や各種補正が不要になり、機械の構造及び制御の構成が簡略化される。
また、制御部は、車速が上記所定速度以上であることが車速検出手段によって検出されている最中に、旋回検出手段によって旋回操作又は作動を検出した場合には、自動昇降制御の実行を規制するものによれば、高速走行状態での旋回に際しては、自動昇降制御は実行されず、高速走行状態での自動昇降制御の実行に起因した種々の不具合、例えば、車速が速いために植付作業機の非作業位置への上昇開始が間に合わずに植付駆動が停止された植付作業機が引き摺られることや、車速が速いために植付作業機の作業位置への下降が間に合わずに植付開始が遅れること等の発生を確実に防止できる。
さらに、制御部は、旋回を開始してからの走行機体の走行距離を、前記車速検出手段を介して取得される車速に基づいて算出し、該算出された走行距離に基づいて、自動昇降制御の実行中における旋回終了を判断するものによれば、走行距離を検出する専用のセンサ等が不要になり、コストが低減される他、車速と走行距離を同一の車速検出手段から取得するため、互いに相性の良いダイレクトな制御を行うことが可能になる。
本発明の適用した乗用型の田植機の側面図である。 本発明の適用した乗用型の田植機の平面図である。 ダッシュボード上部の背面図である。 図3の要部背面図である。 オート植付制御の構成を示す説明図である。 植付作業機の制御を行う制御部のブロック図である。 メインフロー図である。 植付自動制御のサブルーチンの処理フロー図である。 報知制御のサブルーチンの処理フロー図である。
図1,図2は、本発明の適用した乗用型の田植機の側面図及び平面図である。移植機の一種である田植機は、前後輪1,2を有する走行機体3の後部に昇降リンク4を介して植付作業機6を昇降自在に連結することにより構成されている。
上記走行機体1は、左右一対の前輪1,1と後輪2,2によって前後方向の機体フレーム3aが支持され、この機体フレーム3a上の前部にエンジン(図示しない)を搭載し、このエンジンがボンネット7で開閉自在にカバーされ、機体フレーム3a上におけるボンネット7の後方に操縦部8が設置されている。
走行機体1における操縦部8の左右両側には、操縦部8の床面8aから連続してサイドステップ9,9がそれぞれ形成され、ボンネット7の左右両側にも、床面8aから前方に連続するフロントステップ11,11がそれぞれ形成され、左右の各サイドステップ9,9の後方には、一段高くリヤステップ12,12がそれぞれ形成されている。
上記植付作業機6は、前方に向かって上昇に急傾斜した苗載せ台13と、該苗載せ台13の真下側に配置され且つ苗載せ台13上(具体的には背面側の苗載せ面)に載せられた苗を掻取って圃場に植付ける植付部14と、圃場に接地されるフロート16とを有している。
操縦部8は、オペレータが着座する座席17の前方に前側操作部となるダッシュボード18を備えている。ダッシュボード18の背面の上部には、ステアリングハンドル19が操向操作(具体的には、回転操作)可能に支持されている。
ダッシュボード18における該ステアリングハンドル19の左右一方側側方には、前後揺動によって走行機体1の前後進切換及び走行変速操作を行う走行変速操作具である走行レバー21が支持されるとともに、左右他方側側方には、上下揺動によって植付作業機6の後述する各種操作を行う植付作業操作具である作業機操作レバー22が支持されている。
図3は、ダッシュボード上部の背面図であり、図4は、図3の要部背面図である。ダッシュボード18の上部背面側には、上述したものの他、ステアリングハンドル19の前方に位置する表示パネル23が嵌め込み状態で設置され、走行レバー21とステアリングハンドル18との間には、各種操作具が配置された操作パネル24が配設されている。
操作パネル24には、ダイヤ操作具26が設置され、このダイヤル操作具26は、ダイヤル操作可能に構成される他、押し操作可能にも構成され、この押し操作によって、ダイヤル操作具26に内装された植付自動スイッチ26a(図5参照)が入切される。ちなみに、この植付自動スイッチ26aの入切によって、後述するオート植付制御(自動昇降制御)の実行の有無が切換えられる。すなわち、植付自動スイッチ26aは、オート植付制御のON・OFFを切換える切換操作具になる。
表示パネル23には、このオート植付制御の実行状態等を報知する報知手段である報知ランプ27が設けられている。
この田植機では、走行機体3と植付作業機6との間に昇降シリンダ(アクチュエータ)28(図1参照)が設置されている。この昇降シリンダ28は、縮小室への作動油供給によって植付作業機6を上昇駆動させるとともに、縮小室からの作動油排出により、自重で植付作業機6を下降作動させる単動式の油圧シリンダである。
また、エンジンから植付部14への動力伝動経路の途中には、図示しない植付クラッチが設置され、この植付クラッチの断続作動によって、植付部14の駆動・駆動停止(植付作業機6の植付駆動・植付駆動停止)の切換を行う。
また、この田植機では、植付作業中は、植付作業機6を、フロート16が圃場に接地する作業位置まで下降させる一方で、植付作業を停止している間は、昇降シリンダ28を伸長作動させ、植付作業機6を、全体が圃場面から上方に離間した非作業位置まで上昇させる。
図5は、オート植付制御の構成を示す説明図である。田植機は、圃場の一端側から植付作業機を開始して、車体を、その工程の植付対象となっている一又は複数の条列に沿って前方に直進させる。車体(具体的には、植付作業機6の植付部14)が圃場の他端側(植付終了位置X1)に達すると、植付クラッチを切断させて植付作業機6の植付駆動を停止させたるとともに、植付作業機6を非作業位置まで上昇させ、この工程での植付作業機を完了する。
さらに引続き、次工程の一又は複数の条列に苗を植付けるため、ステアリングハンドル19によって、該次工程の条列側にUターン旋回し、車体(具体的には、植付作業機6の植付部14)がこの旋回が終了した後に植付を開始する位置(植付開始位置X2)で、植付作業機6を作業位置に下降駆動させた後、植付クラッチを接続して植付作業機6を植付駆動させ、行機体3を、上記次工程の条列に沿って直線方向に前進走行させることにより、該次工程での植付作業を行う。
ちなみに、植付終了位置X1と植付開始位置X2は、条列方向での位置は一致しており、現工程から次工程への横方向のオフセット分、横方向の間隔が空いている。この他、植付開始位置X2に達した際に、植付作業機6の作業位置への下降や、植付クラッチの接続を実行していては、次工程において、迅速に植付作業を開始できないため、植付開始位置X2よりも手前側のUターン旋回が終る直前位置である準備位置X3において、植付作業機6の作業位置への下降→植付クラッチの接続作動への続く一連の処理を開始することが好ましい。図中において、符号L1は植付終了位置X1から準備位置X3への走行距離である準備前距離を表し、符号L2は準備位置X2から植付開始位置X2への走行距離である準備後距離を表し、この準備前距離L1と準備後距離L2を足した距離がUターン旋回距離Lになる。
上記オート植付制御は、このUターン旋回に係る植付クラッチの断続制御及び植付作業機7の昇降制御を、自動的に行うものであり、具体的には、マイコンより構成される制御部29(図6参照)によって、この制御が実行される。
具体的には、制御部29は、後述する植付自動制御の実行の際に上記オート植付制御を適宜実行する他、作業機操作レバー22の手動操作に基づいて植付作業機6の昇降制御及び植付クラッチの断続制御を行う手動操作制御と、報知手段である報知ランプ27の作動を制御する報知制御も適宜実行する。
図6は、植付作業機の制御を行う制御部のブロック図である。制御部29の入力側には、上述した植付自動スイッチ26aが接続されている他、ステアリングハンドル19による操向操作及びその操作量を検出する旋回検出手段であるステアリングセンサ31と、車体の走行速度(車速)を検出する回転センサ等から構成された車速センサ(車速検出手段)32と、植付作業機6の昇降高さを検出する昇降高さ検出手段であるリフト角ポテンショ33と、作業機操作レバー22の上下揺動操作を検出するポテンショメータ等からなる作業機操作検出手段34と、後述する図示しない作業機操作カムの回動位置を検出することによりことにより植付作業機の状態を検出する作業機状態検出手段である作業機操作カムポテンショ36とが接続されている。
制御部29の出力側には、前記報知手段である報知ランプ27の他、前記作業機操作カムを回動駆動させる作業機操作カムモータ37が接続されている。
上記作業機操作カムは「固定」、「下降」、「植付」及び「上昇」の4つの回動位置を有している。
作業機操作カムが「固定」位置に回動されている場合、昇降シリンダ28に対して作動油の供給・排出が禁止されて植付作業機6の所定高さで停止した状態になるとともに、植付クラッチは切断状態になる。
作業機操作カムが「下降」位置に回動されている場合、植付作業機6が作業位置に自動的に昇降(具体的には、略下降)される自動状態になるとともに、植付クラッチは切断状態になる。
具体的に説明すると、上記フロート16は、後寄り部分を支点に上下揺動自在に支持され、圃場に接地した際は、土圧によって前上がり作動する一方で、圃場から離間した際は、自重により前下がり作動し、このフロート16の1つを、植付作業機6が作業位置に昇降されているか否かを検出する感知体として機能させる。
一方、昇降シリンダ28に対する作動油の供給・排出は、図示しないコントロールバルブの回動作動によって制御される。すなわち、コントロールバルブの回動によって、植付作業機6の昇降が制御され、このコンロールバルブと上記感知体16とが機械的に連結され、上記自動状態時では、フロート16が接地して前後水平又は若干前上がり姿勢に切換えられて植付作業機6が作業位置で保持されるように、コントロールバルブの回動が制御される。
作業機操作カムが「植付」位置に回動されている場合、上記自動状態になるとともに、植付クラッチが接続状態になる。
作業機操作カムが「上昇」位置に回動されている場合、昇降シリンダ28に作動油を供給して植付作業機6が上昇駆動されるようにコントロールバルブが作業機操作カムによって回動操作されるとともに、植付クラッチは切断状態になる。
このため、制御部29は、作業機操作カムポテンショ36によって、作業機操作カムの回動位置を取得すれば、植付作業機6の作業状態を把握することができる。
上記制御部29は、作業機操作カムポテンショ36によって「植付」位置が検出されている最中に、作業機操作レバー22の上げ操作を検出した場合には、作業機操作カムモータ37によって、作業機操作カムを「下降」位置に回動させる。
また、制御部29は、作業機操作カムポテンショ36によって「下降」位置が検出されている最中に、作業機操作レバー22の上げ操作を検出した場合には、作業機操作カムモータ37によって、作業機操作カムを「上昇」位置に回動させ、植付作業機6が非作業機位置(本例では最上昇高さ)に上昇されたことをリフト角ポテンショ33によって検出した場合には、作業機操作カムモータ37によって、作業機操作カムを「固定」位置に回動させ、処理を終了させる。すなわち、「固定」位置の場合、植付作業機6は、常に非作業位置に昇降(具体的には上昇)されている。
また、制御部29は、作業機操作カムポテンショ36によって「固定」位置が検出されている最中に、作業機操作レバー22の下げ操作を検出した場合には、作業機操作カムモータ37によって、作業機操作カムを「下降」位置に回動させる。
さらに、制御部29は、作業機操作カムポテンショ36によって「下降」位置が検出されている最中に、作業機操作レバー22の下げ操作を検出した場合には、作業機操作カムモータ37によって、作業機操作カムを「植付」位置に回動させる。
以上のように、制御部29は、作業機操作レバー22を上下揺動させる手動操作を作業機操作検出手段34によって検出し、この検出結果に基づいて、上記のようにして、植付作業機6の昇降制御及び植付クラッチの断続制御を行う上述の手動操作制御を実行可能である。
図7は、メインフロー図である。制御部29は、状態を記憶する3つのフラグを有するとともに、所定条件下でカウントが開始された場合に車体の走行距離を車速センサ32によって検出される車速に基づいて算出(具体的には検出される車速を随時積分することにより算出)する機能を有している。
1つ目のフラグは、オート植付制御の実行を開始せずに待機する状態をONで示すとともに、そうでない状態をOFFで示す「待機中フラグ」である。2つ目のフラグは、植付終了位置X1での作業位置から非作業位置への植付作業機6の上昇、或いは植付開始位置X2又はその手前での非作業位置から作業位置への下降が間に合わない程度に車速が高速である状態をONで示すとともに、そうでない状態をOFFで示す「高速フラグ」がある。3つ目のフラグは、オート植付制御を実行すべき状態であることをONで示すとともに、実行すべきでない状態をOFFで示す「植付自動フラグ」がある。初期段階では、待機中フラグ、高速フラグ及び植付自動フラグは、全てOFFに設定されている。
制御部29は、処理が開始されると、まず、ステップS1に進む。ステップS1では、作業機操作検出手段34によって作業機操作レバー22による操作の有無を確認し、作業機操作レバーによる操作がされていないことが確認されれば、ステップS2に進む。ステップS2では、植付自動制御のサブルーチンを実行し、このサブルーチン処理が終了すると、ステップS3に進む。ステップ3では、報知制御のサブルーチンを実行し、このサブルーチン処理が終了すると、ステップS1に処理を戻す。
ステップS1において、作業機操作レバーによる操作がされていることが検出された場合には、ステップS4に進む。ステップS4では、待機中フラグをON、高速フラグをOFF、植付自動フラグをOFFにそれぞれセットするとともに、走行距離のカウントを停止し、走行距離を0に戻すリセット処理を行いステップS5に進む。ステップS5では、上述した手動操作制御を実行し、ステップS3に進む。
ステップS1の上記条件分岐により、作業機操作レバー22の手動操作に基づく手動制御制御が、植付自動制御(オート植付制御)に優先して行われる。また、一度、植付作業機6の手動操作が行われた場合には、植付自動制御で使用される高速フラグ及び植付自動フラグがリセットされてOFF状態になるとともに、待機中フラグがONにセットされて、オート植付制御を実行しない待機する状態になり、この待機状態が解除されるまで、オート植付制御は実行されない。
図8は、植付自動制御のサブルーチンの処理フロー図である。制御部29は、植付自動制御のサブルーチン処理が開始されると、ステップS11に進む。ステップS11では、植付自動スイッチ26aの入切を確認し、植付自動スイッチ26aがON状態である場合には、少なくともオペレータは、オート植付制御の実行を希望しているため、ステップS12に処理を進める。
ステップS12では、上記待機中フラグのON・OFFを確認し、OFF状態であれば、ステップS13に進む。ステップS13では、上記植付自動フラグのON・OFFを確認し、OFF状態であれば、ステップS14に進む。ステップS14では、車速センサ32によって、車速が予め定めた所定速度(限界速度)を越えているか否かを検知し、超えていない場合には、ステップS15に進む。
ちなみに、限界速度は、上述した通り、植付終了位置X1での作業位置から非作業位置への植付作業機6の上昇、或いは植付開始位置X2又はその手前での非作業位置から作業位置への下降が間に合う限界の車速である。車速が限界速度よりも高速だと、植付終了位置X1での植付作業機6の非作業位置への上昇開始や、植付開始位置X2での植付作業機6の作業位置への下降が間に合わない虞がある。
ステップS15では、高速フラグをOFFにセットし、ステップS16に進む。ステップS16では、作業機操作カムポテンショ36によって、作業機操作カムが「植付」位置に回動されているか否かを検知し、「植付」位置に回動されていれば、ステップS17に進む。
ステップS17では、ステアリングセンサ31によって、ステアリングハンドル19が中立位置から予め定めた所定量以上操作されているか否かを検出し、所定量以上のステアリング操作が検出された場合には、車体がUターン旋回を開始したものとみなして、ステップS18に進む一方で、検出されなかった場合には、このサブルーチン処理を終了させる。ステップS18では、植付終了位置X1において、植付作業を終了させるタイミングであると想定されるため、植付自動フラグをONにセットし、作業機操作カムモータ37を介して作業機操作カムを「上昇」にセットし、車体の走行距離の0からのカウントを開始し、このサブルーチン処理を終了させる。
ステップS16において、作業機操作カムが「植付」位置以外に回動されていることが検出された場合には、ステップS19に進む。ステップS19では、作業機操作カムポテンショ36によって、作業機操作カムが「上昇」位置に回動されているか否かを検知し、「上昇」位置に回動されていれば、ステップS20に進む。
ステップS20では、リフト角ポテンショ33によって、植付作業機6の非作業位置への上昇を検知し、植付作業機6の昇降高さがまだ非作業位置よりも下方に位置している場合には、このサブルーチン処理を終了させる一方で、昇降高さが非作業位置に達している場合には、ステップS21に進む。ステップS21では、作業機操作カムモータ37を介して作業機操作カムを「固定」にセットし、このサブルーチン処理を終了させる。
ステップS19において、作業機操作カムの回動位置が「上昇」以外の場合には、ステップS22に進む。ステップS22では、高速フラグのON・OFFを確認し、高速フラグがOFFの場合には、ステップS23に進む。ステップS23では、作業機操作カムポテンショ36によって、作業機操作カムが「固定」位置に回動されているか否かを検知し、「固定」位置に回動されていれば、ステップS24に進む。
ステップS24では、上述した走行距離のカウントが、前記した準備前距離L1に達したか否かを確認し、準備前距離L1に達していなければ、このサブルーチン処理を終了させる一方で、準備前距離L1に達していれば、ステップS25に進む。ステップS25では、車体の植付部14が準備位置X3に達して、植付の準備を開始する段階であるため、作業機操作カムモータ37を介して作業機操作カムを「下降」にセットし、このサブルーチン処理を終了させる。
ステップS23において、作業機操作カムが「固定」以外の位置に回動されていることが確認されれば、ステップS26に進む。ステップS26では、作業機操作カムが「下降」位置に回動されている状態であると考えられ、走行距離のカウントがUターン旋回距離Lに達しているか否かを確認し、Uターン旋回距離Lに達していなければ、このサブルーチン処理を終了させる一方で、Uターン旋回距離Lに達していれば、ステップS27に進む。
ステップS27では、車体の植付部14が植付開始位置X2に達していると考えられるため、作業機操作カムモータ37を介して作業機操作カムを「植付」に回動させて植付作業を開始し、上述した走行距離カウントを停止させ且つカウント距離を0にリセットし、植付自動フラグをOFFにセットして、このサブルーチン処理を終了させる。
以上により、図5に示すような処理を自動的に行うオート植付制御が実行される。具体的には、ステップS16〜ステップS18の処理と、ステップS19〜ステップS21の処理と、ステップS23〜ステップS25の処理と、ステップS26〜テップS27の処理とによって、オート植付制御が実行される。
また、続いて、車速が限界速度よりも高速である場合の処理を説明すると、ステップS14において、車速が限界速度よりも高速であることが検出された場合には、ステップS28に進む。ステップS28では、高速フラグをONにセットし、ステップ16に進む。ちなみに、ステップS13において、植付自動フラグがONであることが確認された場合には、ステップS16に進むため、ステップS14からステップS15に続く処理及びステップS14からステップS28に続く処理は、植付自動フラグがONにセットされた後は、植付自動フラグがOFFになるまで実行されない。
ステップS22において、高速フラグがONであることが確認された場合には、ステップS29に進む。ステップS29では、走行距離のカウントが前記したUターン旋回距離Lに達しているか否かを確認し、Uターン旋回距離Lに達していなければこのサブルーチン処理を終了させる一方で、カウント開始(すなわち植付終了位置X1)からの走行距離が、Uターン旋回距離Lに達していれば、車体の植付部14が植付開始位置X2に達した状態であるものと考えられるので、ステップS30に処理を進める。ステップS30では、走行距離をリセットし、植付自動フラグをOFFにセットし、上述した待機中フラグをONにセットし、このサブルーチン処理を終了させる。
この一連の処理では、限界速度を越えた場合に、高速フラグがONにセットされ、この高速フラグがONの状態のまま、ステップS16→ステップS17→ステップS18と処理が進み、植付自動フラグがONにセットされると、走行距離がUターン旋回距離Lに達するまで(言換えると、旋回中は)、ステップS13→ステップS16の処理によって、高速フラグがON状態で保持され、この高速フラグのON状態の保持中においては、ステップS19〜ステップS21によって、植付作業機6は非作業位置まで上昇される一方で、ステップS22の条件分岐によって、ステップS23〜ステップS25の処理と、ステップS26〜ステップS27の処理が実行されず、上述したオート植付制御の実行が規制され、植付作業機6の自動的な下降及び植付クラッチの自動的な接続作動は行われない。そして、走行距離がUターン旋回距離Lに達すると、ステップS30の処理によって、待機中フラグがONにセットされる。
続いて、待機中フラグがONにセットされた場合の処理内容を説明すると、ステップS12において、待機中フラグのON状態が検出されると、ステップS31に進む。ステップS31では、作業機操作カムポテンショ36によって、作業機操作カムが「植付」位置に回動されているか否かを検知し、「植付」位置に回動されていない場合には、このサブルーチン処理を終了させる一方で、「植付」位置に回動されている場合には、ステップS32に進む。ステップS32では、待機中フラグをOFFにセットしてステップS13に進む。
すなわち、待機中フラグがONにセットされた場合は、オペレータが自身で作業機操作レバー22等によって、作業機操作カムを「植付」位置に回動させる手動操作を行わない限り、オート植付制御は実行されず、ステップS11→ステップS12→ステップS31の処理を繰返す。言換えると、作業機操作カムを「植付」位置に回動させる手動操作が、待機中フラグがONとなった待機状態を解除する解除操作になる。
また、ステップS11において、植付自動スイッチ26aがOFF状態である場合、オペレータがオート植付制御を実行しないことを選択しているため、ステップS33に進む。ステップS33では、3つのフラグ及び走行距離カウントの初期化を行うべく、上記3つのフラグを全てOFFにセットするとともに、走行距離のカウントを停止し、走行距離を0に戻すリセット処理を行い、このサブルーチン処理を終了させる。
図9は、報知制御のサブルーチンの処理フロー図である。制御部29は、報知制御のサブルーチン処理が開始されると、ステップS41に進む。ステップS41では、植付自動スイッチ26aのON・OFFを確認し、ON状態である場合にはステップS42に進む。ステップS42では、待機中フラグのON・OFFを確認し、オート植付制御が実行可能な待機中フラグのOFF状態が検知された場合には、ステップS43に進む。
ステップS43では、高速フラグのON・OFFを検知し、車速が限界速度を越えていることを示す高速フラグのON状態が確認された場合には、ステップS44に進む。ステップS44では、車速が限界速度を越えていることをオペレータに報知する目的で、報知ランプ27を点滅させ、このサブルーチン処理を終了させる。
また、ステップS43において、車速が限界速度を越えていないことを示す高速フラグのOFF状態が確認された場合には、ステップS45に進む。ステップS45では、オート植付制御が実行可能又は実行している状態であることを示すために、報知ランプ27を点灯させ、このサブルーチン処理を終了させる。
また、ステップS41において、植付自動スイッチ26aのOFF状態が確認された場合や、ステップS42において、待機中フラグのON状態が確認された場合には、オート植付制御は実行されない状態、或いは実行が規制されたであるため、ステップS46に進む。ステップS46では、オート植付制御が実行されないことを、或いは実行が規制されていることをオペレータに報知するため、報知ランプ27を消灯させ、このサブルーチン処理を終了させる。
以上のように構成される本田植機によれば、放置ランプ27による点滅、点灯及び消灯の3パターンの報知によって、オペレータは、オート植付制御の実行状態を迅速に知ることができるため、それに基づいて、車速を増速させることや、減速させることも容易になる。特に、報知ランプ27の点灯によって、車速が限界速度を越えていることが容易に確認できるため迅速に車速を減速させ、スムーズにオート植付制御を実行することが可能になる。
なお、報知手段は、視覚的なものに限定されることはなく、ブザー音等でもよく、この場合には、報知内容に応じてブザー音を変更してもよい。
また、ステアリングセンサ31は、車体を旋回させる際の旋回操作を検出するものであるが、旋回作動を直接検出するセンサ類(例えば、ピットマンアームの揺動角を検出するポテンショメータ)からなる旋回検出手段を、このステアリングセンサ31の代わりに用いてもよい。
1 前輪
2 後輪
3 走行機体
6 植付作業機
27 報知ランプ(報知手段)
28 昇降シリンダ(アクチュエータ)
29 制御部
31 ステアリングセンサ(旋回検出手段)
32 車速センサ(車速検出手段)

Claims (3)

  1. 走行機体(3)の後部に連結された植付作業機(6)の昇降制御をアクチュエータ(28)によって行う制御部(29)を備え、該制御部(29)は、走行機体(3)の旋回の開始に対応させて植付作業機(6)を非作業位置まで上昇させた後に該旋回の終了に対応させて植付作業機(6)を作業位置まで下降させる自動昇降制御を、旋回操作又は作動が旋回検出手段(31)によって検出されたことに起因して、開始させる移植機において、車速を検出する車速検出手段(32)及び報知手段(27)を設け、前記制御部(29)は、車速検出手段(32)によって検出された速度が予め定めた所定速度以上である場合には、報知手段(27)によって報知を行う移植機。
  2. 制御部(29)は、車速が上記所定速度以上であることが車速検出手段(32)によって検出されている最中に、旋回検出手段(31)によって旋回操作又は作動を検出した場合には、自動昇降制御の実行を規制する請求項1に記載の移植機。
  3. 制御部(29)は、旋回を開始してからの走行機体(3)の走行距離を、前記車速検出手段(32)を介して取得される車速に基づいて算出し、該算出された走行距離に基づいて、自動昇降制御の実行中における旋回終了を判断する請求項1又は2に記載の移植機。
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