JP2014101869A - 排気ガス浄化システム - Google Patents
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Abstract
【課題】排気管の外周部から加熱した場合でも加熱効率が向上する排気ガス浄化システムを提供することを課題とする。
【解決手段】排気ガス浄化システムにおいて、加熱対象(例えば、尿素水を加水分解するための加水分解部9)を加熱する加熱手段(例えば、化学蓄熱装置(特に、反応器10c))を備え、加熱手段が配設される箇所における排気管は、中心部の第一管路11aと、第一管路11aの外周部に配置される第二管路11bと、第二管路11bの外周部に配置される第三管路11cとからなる三重構造11であり、加熱手段は三重構造11(第三管路11c)の外周部に配置され、加熱対象は少なくとも第三管路11cに配設されて加熱されることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】排気ガス浄化システムにおいて、加熱対象(例えば、尿素水を加水分解するための加水分解部9)を加熱する加熱手段(例えば、化学蓄熱装置(特に、反応器10c))を備え、加熱手段が配設される箇所における排気管は、中心部の第一管路11aと、第一管路11aの外周部に配置される第二管路11bと、第二管路11bの外周部に配置される第三管路11cとからなる三重構造11であり、加熱手段は三重構造11(第三管路11c)の外周部に配置され、加熱対象は少なくとも第三管路11cに配設されて加熱されることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関から排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化システムに関する。
排気ガス浄化システムには、エンジンから排出される排気ガスに含まれる環境汚染物質(HC、CO、NOx等)を浄化するために、各種触媒が設けられている。触媒は、浄化能力を活性化するための最適温度(活性温度)が存在するので、排気ガスの温度が高い必要がある。また、触媒の1つである選択還元触媒(SCR[Selective Catalytic Reduction])は、アンモニア(NH3)とNOxとを化学反応させることによって、NOxを還元して浄化する。SCRにはアンモニアを得るために尿素を使用する尿素SCRシステムがあり、排気ガス中に尿素を噴射し、尿素を加水分解させてアンモニアに転化する。この加水分解も、排気ガスの温度が高い必要がある。
エンジン始動直後などの排気ガスの温度が低いときには、触媒による浄化ができなかったり、尿素からアンモニアに転化できなかったりする。そこで、排気ガス浄化システムには、排気管の外周部に加熱装置を設け、排気ガスの温度が低いときには排気管の外周部から加熱しているものがある。特許文献1には、加熱装置として化学反応蓄熱装置を設け、触媒の外周部に蓄熱物質を配置させ、蓄熱物質の化学反応の反応熱を利用して触媒を暖機することが開示されている。
特許文献1に開示されているように排気管の外周部から加熱した場合、排気管の中心部に近いほど、排気管の外周部からの熱伝達距離が長くなるので、熱が効率的に使われない。その結果、加熱しているにもかかわらず温度が迅速に上らず、加熱効率が悪い。
そこで、本発明は、排気管の外周部から加熱した場合でも加熱効率が向上する排気ガス浄化システムを提供することを課題とする。
本発明に係る排気ガス浄化システムは、内燃機関から排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化システムであって、排気ガス浄化システムにおける加熱対象を加熱する加熱手段を備え、加熱手段が配設される箇所における排気管は、中心部の第一管路と、第一管路の外周部に配置される第二管路と、第二管路の外周部に配置される第三管路とからなる三重構造であり、第一管路は、排気ガスの流れる方向が排気ガス浄化システムにおける上流側から下流側であり、排気ガスの流入側が第二管路に繋がり、第二管路は、排気ガスの流れる方向が排気ガス浄化システムにおける下流側から上流側であり、排気ガスの流入側が第三管路に繋がり、第三管路は、排気ガスの流れる方向が排気ガス浄化システムにおける上流側から下流側であり、加熱手段は、三重構造の外周部に配置され、加熱対象は、少なくとも第三管路において加熱されることを特徴とする。
排気ガス浄化システムは、加熱対象を加熱する加熱手段を備えている。排気管における加熱手段が配設される箇所は、三重構造になっている。この三重構造は、第一管路と、第二管路と、第三管路とからなる。第一管路は、三重構造における中心部に配置される管路であり、排気ガスの流れる方向が上流側から下流側であり、排気ガスが第二管路から流入して排気管の下流側に流出する。第二管路は、第一管路の外周部に配置され(内部に第一管路が配置される断面ドーナツ状になる)、排気ガスの流れる方向が下流側から上流側であり、排気ガスが第三管路から流入して第一管路に流出する。第三管路は、第二管路の外周部に配置され(内部に第二管路が配置される断面ドーナツ形状になる)、排気ガスの流れる方向が上流側から下流側であり、排気ガスが排気管の上流側から流入して第二管路に流出する。したがって、この三重構造は、第三管路と第二管路とが繋がって折り返しており、第二管路と第一管路とが繋がって折り返している。三重構造では、排気ガスが上流側から入ってくると、まず、第三管路に入って上流側から下流側に流れ、次に、第二管路に入って下流側から上流側に流れ、次に、第三管路に入って上流側から下流側に流れ、下流側に出ていく。この三重構造(すなわち、最も外側の第三管路)の外周部には、加熱手段が配置される。加熱対象は、少なくとも第三管路(三重構造の最も外側の管路)において加熱される。排気ガスの温度が低いときに、加熱手段で三重構造の排気管の外周部から加熱すると、三重構造における最も外側の第三管路において加熱対象が加熱される。そのため、三重構造の排気管の外周部に配置される加熱手段から加熱対象までの熱伝達距離が短く、熱が伝わり易く、温度が迅速に上昇する。このように、排気ガス浄化システムは、排気管の一部を三重構造とし、三重構造における少なくとも最も外側の第三管路において加熱対象を加熱することにより、排気管(三重構造)の外周部に加熱手段を配置して加熱した場合でも加熱効率を向上できる。また、排気管を三重構造としているので、排気ガスの流れる方向に排気管が長くなることはなく、大型化しない。ちなみに、第二管路も排気管の外周部から熱伝達距離が短いほうなので、第二管路でも加熱対象が加熱されるようにしてもよい。また、第一管路は、少なくとも第三管路で効率的に加熱された排気ガスが流れ、三重構造の最も内側なので保温性も高い。
本発明の上記排気ガス浄化システムでは、第一管路に、触媒又はフィルタが配設されると好適である。第一管路には、少なくとも第三管路で効率的に加熱された排気ガスが流入するので、温度が高くなった排気ガスが流れる。そこで、第一管路に触媒又はフィルタを配設することにより、排気ガスの温度が低いときでも触媒の浄化性能又はフィルタの濾過性能が迅速に向上する。
本発明の上記排気ガス浄化システムでは、加熱対象は、触媒又は排気ガスである。加熱対象が触媒の場合、少なくとも第三管路における高い加熱効率によって触媒の活性温度に迅速に達するので、排気ガスの温度が低いときでも浄化性能が迅速に向上する。また、加熱対象が排気ガスの場合、少なくとも第三管路において高い加熱効率によって、排気ガスの温度が低いときでも排気ガスの温度が迅速に上昇する。
本発明の上記排気ガス浄化システムでは、選択還元触媒と、排気管の三重構造の上流側の排気ガス中に選択還元触媒の還元剤として尿素を供給する尿素供給手段と、尿素供給手段で供給された尿素を加水分解する加水分解部とを備え、加水分解部は、第三管路に配設される構成としてもよい。
排気ガス浄化システムは、排気ガスを浄化するために少なくとも選択還元触媒が設けられ、この選択還元触媒の還元剤として尿素を供給する尿素供給手段を備えている。尿素供給手段は、排気管の三重構造の上流側の排気ガス中に尿素を供給する。さらに、排気ガス浄化システムは、加水分解部が三重構造の第三管路に配設されている。排気ガスの温度が低いときに、加熱手段で三重構造の排気管の外周部から加熱すると、三重構造における最も外側の第三管路において加水分解部が加熱されるので、加熱手段から加水分解部までの熱伝達距離が短く、温度が迅速に上昇する。そのため、温度が上昇した加水分解部では、尿素の加水分解が促進し、尿素からアンモニアに迅速に転化する。このように、排気ガス浄化システムは、排気管の三重構造の最も外側の第三管路に加水分解部を配置させることにより、排気管(三重構造)の外周部から加熱した場合でも尿素からアンモニアへの転化率が向上する。その結果、排気ガスの温度が低いときでも、アンモニアが効率的に得られ、選択還元触媒ではアンモニアとNOxとが化学反応してNOxを浄化でき、浄化率が向上する。
本発明の上記排気ガス浄化システムでは、加熱手段を化学蓄熱装置としてもよい。このように、排気ガス浄化システムは、加熱手段として化学蓄熱装置を適用することにより、加水分解触媒を加熱するためのエネルギロスを低減でき、燃費が向上する。
本発明によれば、排気管の一部を三重構造とし、三重構造における少なくとも最も外側の第三管路において加熱対象を加熱することにより、排気管(三重構造)の外周部から加熱した場合でも加熱効率を向上できる。
以下、図面を参照して、本発明に係る排気ガス浄化システムの実施の形態を説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施の形態では、本発明に係る排気ガス浄化システムを、車両のエンジンの排気系に設けられる排気ガス浄化システムに適用する。本実施の形態に係る排気ガス浄化システムは、エンジン(特に、ディーゼルエンジン)から排出される排気ガス中に含まれる有害物質(環境汚染物質)を浄化するシステムである。本実施の形態に係る排気ガス浄化システムは、触媒のDOC[Diesel Oxidation Catalyst]、SCR、ASC[AmmoniaSlip Catalyst]及びフィルタのDPF[Diesel Particulate Filter]を備えている。また、本実施の形態に係る排気ガス浄化システムは、SCRが尿素SCRシステムであり、還元剤として尿素(特に、尿素水)を供給する尿素水供給装置も備えている。さらに、本実施の形態に係る排気ガス浄化システムは、尿素水を加水分解するための加水分解部を備えており、この加水分解部を暖機するための化学蓄熱装置も備えている。
図1を参照して、本実施の形態に係る排気ガス浄化システム1について説明する。図1は、本実施の形態に係る排気ガス浄化システムの概略構成図である。
排気ガス浄化システム1は、エンジン2の排気側に接続された排気管3の上流側から下流側に向けて、ディーゼル酸化触媒(DOC)4、ディーゼル排気微粒子除去フィルタ(DPF)5、選択還元触媒(SCR)6、アンモニアスリップ防止触媒(ASC)7を有しており、SCR6用の尿素水供給装置8も有している。本実施の形態では、エンジン2が特許請求の範囲に記載する内燃機関に相当し、SCR6が特許請求の範囲に記載する選択還元触媒に相当し、尿素水供給装置8が特許請求の範囲に記載する尿素供給手段に相当する。
DOC4は、排気ガス中に含まれるHCやCO等を酸化する触媒である。DPF5は、排気ガス中に含まれるPMを捕集して取り除くフィルタである。SCR6は、還元剤である尿素水から加水分解されたアンモニアと排気ガス中に含まれるNOxとを化学反応させることによって、NOxを還元して浄化する触媒である。このSCR6の配設に関しては、後で詳細に説明する。SCR6の触媒としては、アンモニア−SCR活性を示す触媒であればどのような触媒でもよく、例えば、ゼオライト系(Cu−ZSM5、SAPO等)、酸化バナジウム系、酸化タングステン系の触媒がある。ASC7は、SCR6をすり抜けて下流側に流れたアンモニアを酸化する触媒である。
尿素水供給装置8は、排気管3におけるSCR6(特に、後で説明する三重構造11)の上流側に尿素水(還元剤)を供給するための装置である。具体的には、尿素水供給装置8は、ポンプ(図示せず)、尿素水タンク8a、供給管8b、インジェクタ8c等を備えている。尿素水タンク8aは、尿素水を貯蔵するタンクである。ポンプが作動すると、尿素水タンク8aから尿素水が供給管8bに送り出される。供給管8bは、尿素水タンク8aとインジェクタ8cとを接続し、尿素水タンク8aからインジェクタ8cまで尿素水を移動させる管路である。インジェクタ8cは、排気管3におけるDPF5とSCR6(三重構造11)との間に配設され、排気管3内(排気ガス中)に尿素水を噴射(噴霧)する。このインジェクタ8cの噴射制御やポンプのON/OFF制御は、エンジン2を制御するECU[Electronic Control Unit](図示せず)等で行われる。
排気ガス浄化システム1は、尿素水供給装置8で供給される尿素水の加水分解を促進するために、加水分解部9を有している。尿素水の加水分解には、排気ガスの温度がある程度高い必要がある(180℃程度必要)。しかし、エンジン2の始動直後などは、エンジン2から排出された排気ガスの温度は比較的低温である。そこで、排気ガスの温度が低いときでも、迅速に加水分解できるように(ひいては、SCR6でNOxを浄化できるように)、排気ガス浄化システム1は、加水分解部9を暖機するための化学蓄熱装置10を有している。本実施の形態では、加水分解部9が特許請求の範囲に記載する加水分解部に相当し、化学蓄熱装置10が特許請求の範囲に記載する加熱手段に相当する。
加水分解部9は、排気ガス中の尿素水を加水分解するための構造を有しており、熱を効率的に伝達する熱伝達構造である。この熱伝達構造は、例えば、メタルハニカム構造であり、メタル製の平板の一面にメタル製の波状板を貼り付けたものを幾重にも巻き付けてハニカム構造を形成したものである。このような加水分解部9の構造に、加水分解を促進するための加水分解触媒をつけてもよい。加水分解部9は、排気管3内(特に、後で説明する三重構造11)に配設される。この加水分解部9の配設に関しては、後で詳細に説明する。
化学蓄熱装置10は、エネルギレスで加水分解部9(排気ガスも)を加熱して暖機するための装置である。つまり、化学蓄熱装置10は、通常は排気ガスの熱(排熱)を蓄えておき、必要なときにその熱を使用して加水分解部9を加熱して暖機する。化学蓄熱装置10は、吸着器(蓄熱器)10a、接続管10b、反応器10c、開閉弁10d等を備えている。
吸着器10aは、アンモニアと物理吸着する吸着材としての活性炭が内蔵されている。したがって、吸着器10aでは、アンモニアが活性炭と物理吸着した状態で貯蔵され、排気ガスの排熱(温まったアンモニア)を蓄える。
接続管10bは、吸着器10aと反応器10cとを接続し、吸着器10aと反応器10cの間でアンモニアを移動させる管路である。接続管10bには、開閉弁10dが配設され、開閉弁10dが開弁されると吸着器10aと反応器10cとの間でアンモニアの移動が可能となる。この開閉弁10dの開閉制御は、エンジン2を制御するECU等で行われる。
反応器10cは、アンモニアと化学反応する固体状又は粉末状の反応材を有しており、反応材及びその反応材を覆う断熱材をケースで収納している。反応材としては、例えば、MgCl2、CaCl2、NiCl2、ZnCl2、SrCl2がある。反応器10cは、排気管3(特に、後で説明する三重構造11)の外周部に配設される。この反応器10cの配設に関しては、後で詳細に説明する。
排気ガス浄化システム1は、化学蓄熱装置10の反応器10cによる排気管3の外周部からの加水分解部9に対する加熱効率を高めるために、排気管3においてインジェクタ8cの配設位置とASC7との間が三重構造11となっている。三重構造11にするのは、反応器10cから加水分解部9への熱伝達距離を短くしつつ、排気管3が排気ガスの流れる方向に延びて大型化させないためである。なお、本実施の形態では、三重構造11が特許請求の範囲に記載する三重構造に相当する。
図2及び図3を参照して、排気管3における三重構造11について詳細に説明する。図2は、排気管の三重構造の内部構成を示す側面図である。図3は、排気管の三重構造の内部構成を示す正面図である。
三重構造11は、中心部の第一管路11a、第一管路11aの外周面に沿って配置される第二管路11b、第二管路11bの外周面に沿って配置される第三管路11cを有している。なお、本実施の形態では、第一管路11aが特許請求の範囲に記載する第一管路に相当し、第二管路11bが特許請求の範囲に記載する第二管路に相当し、第三管路11cが特許請求の範囲に記載する第三管路に相当する。
第一管路11aは、三重構造11の中心部に位置する管路であり、三重構造11における排気ガスの流出部となる。第一管路11aは、排気ガスの流れる方向が排気ガス浄化システム1における上流側から下流側であり、排気ガスの流入側が第二管路11bに繋がっている。第一管路11aは、筒状の管11dからなる。管11dの上流端部は、開口している。管11dの下流端部は、三重構造11の下流側の排気管3bに繋がっている。
第一管路11aには、SCR6が配設される。SCR6は、全部が第一管路11aに収納されていてもよいし、一部が下流側の排気管3b内に出ていてもよい。第一管路11aは、第三管路11c及び第二管路11bの下流に位置するので、反応器10cによって第三管路11c(及び第二管路11b)において加熱されて温度上昇した排気ガスが流れる。また、第一管路11aは、第二管路11b及び第三管路11cで外側が覆われているので、断熱性が高い。そのため、放熱し難く、保温性が高い。
第二管路11bは、三重構造11の中間部に位置する管路であり、三重構造11における第一管路11aと第三管路11cとの接続部となる。第二管路11bは、排気ガスの流れる方向が排気ガス浄化システム1における下流側から上流側であり、排気ガスの流入側が第三管路11cに繋がっている。第二管路11bは、管11dの外周面と管11eの内周面との間で形成されている。管11eは、管11dよりも太径の筒状であり、管11dの外側に配置される。したがって、第二管路11bは、内側に第一管路11aが配置される断面ドーナツ形状である。管11eの上流側は管11dの上流端よりも上流側に延びており、管11eの上流端部は半球状の有底となっている。管11eの下流端部は、開口している。
第三管路11cは、三重構造11の外側部に位置する管路であり、三重構造11における排気ガスの流入部となる。第三管路11cは、排気ガスの流れる方向が排気ガス浄化システム1における上流側から下流側である。第三管路11cは、管11eの外周面と管11fの内周面との間で形成されている。管11fは、管11eよりも太径の筒状であり、管11eの外側に配置される。したがって、第三管路11cは、内側に第二管路11bが配置される断面ドーナツ形状である。管11fの上流側は径が徐々に細くなっており、管11fの上流端部は三重構造11の上流側の排気管3aに繋がっている。管11fの下流側は管11eの下流端よりも下流側に延びており、管11fの下流端部は排気管3bの外周面に結合する有底となっている。
第三管路11cには、加水分解部9が配設される。したがって、加水分解部9も、第三管路11cと同様に断面ドーナツ形状である。加水分解部9が上記したようなハニカム構造の場合、平板の一面に波状板を貼り付けたものを、管11eに幾重にも巻き付けてハニカム構造とする。第三管路11cの外周部(管11fの外周面)に沿って、反応器10cが配設される。したがって、反応器10cは、管11f(三重構造11)を囲む断面ドーナツ形状である。第三管路11cは、三重構造11の最も外側に配置される管路であるので、反応器10cから第三管路11cに配置される加水分解部9までの距離は短い。したがって、排気ガスが低温のときに、反応器10cで熱を発生している場合、反応器10cから加水分解部9までの熱伝達距離は短い。また、排気ガスが高温になっている場合、排気ガスが流れる第三管路11cから反応器10cまでの熱伝達距離は短い。なお、第二管路11bも反応器10cから距離が比較的短いので、第二管路11bにも加水分解部を配設してもよい。
なお、管11eは、図示しない複数の梁によって管11d及び管11fに接続することで支持されている。この管11eを支持する梁を熱伝導性の高い材料で形成することによって、反応器10cからの熱を加水分解部9へ伝え易くしてもよい。また、第一管路11a、第二管路11b及び第三管路11cの各管路の断面積は排気管3bの断面積と略同等に設定されることによって、各管路において圧力損失が発生しないようにしている。
以上のように構成した排気ガス浄化システム1における尿素水供給装置8、加水分解部9、化学蓄熱装置10、三重構造11における動作を説明する。車両停止中(エンジン2が停止中)は、化学蓄熱装置10の接続管10bに配設されている開閉弁10dは閉弁されている。したがって、吸着器10aにおいて活性炭からアンモニアが分離していても、接続管10bを介してアンモニアが反応器10cに供給されない。
エンジン2が始動後、エンジン2から排出された排気ガスの温度が所定温度(例えば、180℃)より低いときには(エンジン2の始動直後など)、ECUによる制御によって開閉弁10dが開弁され、接続管10bを介してアンモニアが反応器10cに供給される。このとき、吸着器10aの圧力が反応器10cの圧力よりも高く、アンモニアが反応器10c側に移動する。反応器10cでは、供給されたアンモニアと反応材(例えば、MgCl2)とが化学反応して化学吸着(配位結合)し、熱を発生する。
排気管3における三重構造11では、排気ガスが、上流側の排気管3aから第三管路11cに流入し、第三管路11c(加水分解部9)の上流側から下流側へ流れる。第三管路11cの外周部に配設される反応器10cで発生した熱によって、加水分解部9が加熱され、加水分解部9の温度が上昇し、尿素水が加水分解可能な温度になる。この際、反応器10c(第三管路11cの外周部)から加水分解部9(第三管路11c)までの熱伝達距離が短いので、反応器10cからの熱は加水分解部9で効率的に使われ、加水分解部9では迅速に温度上昇する。さらに、加水分解部9(第三管路11c)を流れる排気ガスの温度も迅速に上昇する。
このとき、ECUによる制御によって、尿素水タンク8a内の尿素水が供給管8bを通ってインジェクタ8cから三重構造11の上流側に噴霧されている。そのため、尿素水が含まれる排気ガスが、第三管路11c(加水分解部9)内を流れる。温度が迅速に上昇している加水分解部9では、尿素水からアンモニアに効率的に転化していく。
三重構造11では、転化したアンモニアを含む排気ガスが第三管路11cから第二管路11bに流入し、第二管路11bの下流側から上流側へ流れる。さらに、三重構造11では、アンモニアを含む排気ガスが第二管路11bから第一管路11aに流入し、第一管路11a(SCR6)の上流側から下流側へ流れる。SCR6では、アンモニアと排気ガス中に含まれるNOxとが化学反応し、NOxを効率的に還元浄化する。この際、第一管路11aには第三管路11cにおいて効率的に加熱されて温度が上昇している排気ガスが流れるので、SCR6では活性温度に迅速に到達している。また、第一管路11aは第二管路11b及び第三管路11cに覆われているので、第一管路11aでは排気ガスの温度が保たれる。
エンジン2から排出された排気ガスの温度が所定温度より高くなると、排気ガスの排熱が反応器10cに与えられることにより、アンモニアと反応材とが分離し、高温のアンモニアが発生する。この際、第三管路11cから反応器10cまでの熱伝達距離が短いので、第三管路11cを流れる高温の排気ガスの排熱は反応器10cで効率的に使われる。そして、分離したアンモニアは、反応器10cから接続管10bを介して吸着器10aに戻る。このとき、反応器10cの圧力が吸着器10aの圧力よりも高く、アンモニアが吸着器10a側に移動する。吸着器10aでは、活性炭がアンモニアを物理吸着して貯蔵して、蓄熱する。ちなみに、排気ガスの温度が高い場合、加水分解部9を暖機しなくても、加水分解部9では排気ガス中の尿素水を加水分解でき、尿素水をアンモニアに効率的に転化できる。
この排気ガス浄化システム1によれば、排気管3の一部を三重構造11とし、最も外側の第三管路11cにおいて加熱対象の加水分解部9を加熱することにより、排気管3における三重構造11の外周部から加熱した場合でも加熱効率を向上できる。そのため、加水分解部9が迅速に暖機され、尿素水からアンモニアへの転化率が向上する。その結果、排気ガスの温度が低いときでも、アンモニアが効率的に得られ、SCR6ではアンモニアとNOxとが化学反応してNOxを浄化でき、浄化率が向上する。
また、排気ガス浄化システム1によれば、加水分解部9を排気管3の外周部から効率良く加熱するために排気管3の一部を三重構造11としているので、排気ガスの流れる方向に排気管3が長くなることはなく、大型化しない。
また、排気ガス浄化システム1によれば、三重構造11の第一管路11aにSCR6を配設することにより、第一管路11aには第三管路11cで加熱されて迅速に温度が上昇した排気ガスが流れるので、SCR6での浄化性能が向上する。さらに、排気ガス浄化システム1によれば、SCR6が配設される第一管路11aが第二管路11b及び第三管路11cに覆われているので、第一管路11aでの保温性が高く、SCR6での浄化性能が更に向上する。
また、排気ガス浄化システム1によれば、加水分解部9の加熱手段として化学蓄熱装置10を適用しているので、加水分解部9を加熱するためのエネルギロスを低減でき、燃費が向上する。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では触媒としてSCRの他にDOCとASC、フィルタとしてDPFを備える排気ガス浄化システムに適用したが、他の様々な構成の排気ガス浄化システムに適用できる。
また、本実施の形態では三重構造の上流側にDOCとDPFを配設し、三重構造の第三管路(場合によっては第二管路にも)に加熱対象として加水分解部を配設し、第一管路にSCRを配設する構成としたが、三重構造の上流側、第三管路(場合によっては第二管路も)、第一管路に配設するものとしては様々な形態が考えられる。例えば、三重構造の上流側に何も配設せず、第三管路に何も配設せずあるいは熱伝達構造を配設し(排気ガスを効率良く加熱する場合)、第一管路にDOCを配設する形態がある。また、三重構造の上流側に何も配設せず、第三管路にDOCを配設し、第一管路にDPFを配設する形態がある。また、三重構造の上流側に何も配設せず、第三管路にDOCを配設し、第一管路にSCRF(SCR+DPF)を配設する形態がある。また、三重構造の上流側にDOCのみを配設し、第三管路に加水分解部を配設し、第一管路にSCRを配設する形態がある。ちなみに、第三管路及び第二管路にはメタル製のものを配設でき、第一管路にはメタル製以外にもセラミック製等のものも配設できる。
また、本実施の形態では加熱手段として化学蓄熱装置を適用したが、ヒータ等の他の加熱手段としてもよい。本実施の形態では化学蓄熱における化学反応の反応媒体をアンモニアとしたが、二酸化炭素、水等の他の媒体でもよい。
また、本実施の形態では径の異なる筒状の管を三重に配置させて三重構造としたが、中心部の第一管路(排気ガスの流れ方向が上流側から下流側へ)と、その外周部に配置される第二管路(排気ガスの流れ方向が第一管路から流入して下流側から上流側へ)と、その外周部に配置される第三管路(排気ガスの流れ方向が第二管路から流入して上流側から下流側へ)とからなる三重構造であれば、他の構造でもよい。
1…排気ガス浄化システム、2…エンジン、3,3a,3b…排気管、4…ディーゼル酸化触媒(DOC)、5…ディーゼル排気微粒子除去フィルタ(DPF)、6…選択還元触媒(SCR)、7…アンモニアスリップ防止触媒(ASC)、8…尿素水供給装置、8a…尿素水タンク、8b…供給管、8c…インジェクタ、9…加水分解部、10…化学蓄熱装置、10a…吸着器、10b…接続管、10c…反応器、10d…開閉弁、11…三重構造、11a…第一管路、11b…第二管路、11c…第三管路、11d,11e,11f…管。
Claims (5)
- 内燃機関から排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化システムであって、
前記排気ガス浄化システムにおける加熱対象を加熱する加熱手段を備え、
前記加熱手段が配設される箇所における排気管は、中心部の第一管路と、前記第一管路の外周部に配置される第二管路と、前記第二管路の外周部に配置される第三管路とからなる三重構造であり、
前記第一管路は、排気ガスの流れる方向が前記排気ガス浄化システムにおける上流側から下流側であり、排気ガスの流入側が前記第二管路に繋がり、
前記第二管路は、排気ガスの流れる方向が前記排気ガス浄化システムにおける下流側から上流側であり、排気ガスの流入側が前記第三管路に繋がり、
前記第三管路は、排気ガスの流れる方向が前記排気ガス浄化システムにおける上流側から下流側であり、
前記加熱手段は、前記三重構造の外周部に配置され、
前記加熱対象は、少なくとも前記第三管路において加熱されることを特徴とする排気ガス浄化システム。 - 前記第一管路に、触媒又はフィルタが配設されることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化システム。
- 前記加熱対象は、触媒又は排気ガスであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排気ガス浄化システム。
- 選択還元触媒と、
前記排気管の三重構造の上流側の排気ガス中に選択還元触媒の還元剤として尿素を供給する尿素供給手段と、
前記尿素供給手段で供給された尿素を加水分解する加水分解部と、
を備え、
前記加水分解部は、前記第三管路に配設されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の排気ガス浄化システム。 - 前記加熱手段は、化学蓄熱装置であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の排気ガス浄化システム。
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WO2019203453A1 (ko) * | 2018-04-18 | 2019-10-24 | 최정선 | 질소산화물 처리용 scr시스템의 환원제 공급장치 |
CN110508132A (zh) * | 2019-09-19 | 2019-11-29 | 山东电力工程咨询院有限公司 | 一种燃气轮机机组scr高效脱硝的脱硝系统及脱硝方法 |
-
2012
- 2012-11-22 JP JP2012256250A patent/JP2014101869A/ja active Pending
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