JP2015052442A - 化学蓄熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱対象全体を加熱できる化学蓄熱装置を提供することを課題とする。
【解決手段】内部に流体(例えば、排気ガス)が流れる加熱対象を外周側から加熱する化学蓄熱装置であって、加熱対象(例えば、DOC4)の外周部(例えば、外筒4b)に配置され、反応媒体と化学反応して熱を発生させる反応材9aを収納する反応器9と、反応器9に接続され、吸着材で反応媒体を吸着して貯蔵する吸着器とを備え、反応材9aは、加熱対象の外周部において加熱対象の上流側の端部よりも上流側の箇所まで配設される。
【選択図】図2
【解決手段】内部に流体(例えば、排気ガス)が流れる加熱対象を外周側から加熱する化学蓄熱装置であって、加熱対象(例えば、DOC4)の外周部(例えば、外筒4b)に配置され、反応媒体と化学反応して熱を発生させる反応材9aを収納する反応器9と、反応器9に接続され、吸着材で反応媒体を吸着して貯蔵する吸着器とを備え、反応材9aは、加熱対象の外周部において加熱対象の上流側の端部よりも上流側の箇所まで配設される。
【選択図】図2
Description
本発明は、内部に流体が流れる加熱対象を外周側から加熱する化学蓄熱装置に関する。
車両等の排気系には、エンジンから排出される排気ガスに含まれる環境汚染物質(HC、CO、NOx等)を浄化するために、触媒等が設けられている。触媒には、浄化能力を活性化するための最適温度(活性温度)が存在する。エンジン始動時は、排気ガスの温度が低く、触媒の活性温度に達するまでに時間を要する。そこで、エンジン始動時等の排気ガスの温度が低いときに触媒の活性温度まで短時間で温度上昇させるために、触媒を暖機するための加熱装置を設ける場合がある。この加熱装置としては、エネルギロス(燃費ロス)を低減して暖機を行うために、化学反応の反応熱を利用した化学蓄熱装置がある。特許文献1には、触媒の外周部に蓄熱物質を配置させ、蓄熱物質の化学反応の反応熱を利用して触媒を暖機する触媒暖機装置が開示されている。
特許文献1に記載の触媒暖機装置では、蓄熱物質(反応材)が触媒(加熱対象)の端部まで配置されていないので(装置の長さが触媒よりも短いので)、触媒全体を暖機(加熱)できない。特に、触媒内には排気ガスが流れているので、加熱された排気ガスが下流側に流れていくため、触媒の上流側を暖機できない。そのため、触媒全体を昇温できない。
そこで、本発明は、加熱対象全体を加熱できる化学蓄熱装置を提供することを課題とする。
本発明に係る化学蓄熱装置は、内部に流体が流れる加熱対象を外周側から加熱する化学蓄熱装置であって、加熱対象の外周部に配置され、反応媒体と化学反応して熱を発生させる反応材を収納する反応器と、反応器に接続され、吸着材で反応媒体を吸着して貯蔵する吸着器とを備え、反応材は、加熱対象の外周部において加熱対象の上流側の端部よりも上流側の箇所まで配設されることを特徴とする。
この化学蓄熱装置は、加熱対象を外周側から加熱する。この加熱対象の内部には流体が流れており、流体の流れる方向によって上流側や下流側が規定される。化学蓄熱装置は、吸着器と加熱対象の外周部に配置される反応器を備え、吸着器と反応器とが接続されている。吸着器では、吸着材で反応媒体を吸着して貯蔵する。反応器では、吸着器から反応媒体が供給されると反応材と反応媒体とが化学反応して熱を発生させ、加熱対象を外周側から加熱する。特に、反応器に収納される反応材が、加熱対象の上流側の端部よりも上流側の箇所まで配設されている。加熱対象の内部には流体が上流側から下流側に流れているので、加熱対象が外周側から加熱されると、加熱対象の内部を流れる流体も加熱され、加熱された流体が下流側に流れていく。しかし、反応材は加熱対象の上流側の端部よりも上流側の箇所まで配設されているので、その上流側の箇所から配設される反応材による発熱により、加熱対象の上流側の端部から下流側にかけて加熱することができる。このように、この化学蓄熱装置は、反応材を加熱対象の上流側の端部よりも上流側の箇所まで配設することにより、加熱対象全体を加熱することができ、加熱対象全体を迅速に昇温できる。
本発明の上記化学蓄熱装置では、反応材は、加熱対象の外周部の全周に配設されると好適である。このように、化学蓄熱装置は、反応材を加熱対象の外周部の全周に配設することにより、加熱対象を外周側の全周から加熱でき、加熱対象全体をより迅速に昇温できる。
本発明によれば、反応材を加熱対象の上流側の端部よりも上流側の箇所まで配設することにより、加熱対象全体を加熱することができ、加熱対象全体を迅速に昇温できる。
以下、図面を参照して、本発明に係る化学蓄熱装置の実施の形態を説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施の形態では、本発明に係る化学蓄熱装置を、車両のエンジンの排気系に設けられる排気ガス浄化システムに備えられる化学蓄熱装置に適用する。本実施の形態に係る排気ガス浄化システムは、エンジン(特に、ディーゼルエンジン)から排出される排気ガス中に含まれる有害物質(環境汚染物質)を浄化するシステムである。本実施の形態に係る排気ガス浄化システムは、触媒のDOC[Diesel Oxidation Catalyst]、SCR[SelectiveCatalytic Reduction]とASC[Ammonia Slip Catalyst]及びフィルタのDPF[Diesel Particulate Filter]を備えている。また、本実施の形態に係る排気ガス浄化システムは、DOCを暖機するための化学蓄熱装置も備えている。
図1を参照して、本実施の形態に係る排気ガス浄化システム1の全体構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る排気ガス浄化システムの概略構成図である。
排気ガス浄化システム1は、エンジン2の排気側に接続された排気管3の上流側から下流側に向けて、ディーゼル酸化触媒(DOC)4、ディーゼル排気微粒子除去フィルタ(DPF)5、選択還元触媒(SCR)6、アンモニアスリップ触媒(ASC)7を有している。これらDOC4、DPF5、SCR6、ASC7が配設される各部分は、配設されない部分の排気管3の径よりも大きくなっている。排気管3及びDOC4、DPF5、SCR6、ASC7の各内部にはエンジン2から排出される排気ガスが流れ、排気ガスの流れる方向によって上流側や下流側が規定される。
DOC4は、排気ガス中に含まれるHCやCO等を酸化する触媒である。DOC4の構造については、後で詳細に説明する。DPF5は、排気ガス中に含まれるPMを捕集して取り除くフィルタである。SCR6は、インジェクタ6aによって排気管3内の上流側にアンモニア(NH3)あるいは尿素水(加水分解してアンモニアになる)が供給されると、アンモニアと排気ガス中に含まれるNOxとを化学反応させることによって、NOxを還元して浄化する触媒である。ASC7は、SCR6をすり抜けて下流側に流れたアンモニアを酸化する触媒である。
各触媒4,6,7には、環境汚染物質に対する浄化能力を発揮できる温度領域(すなわち、活性温度)が存在する。しかし、エンジン2の始動直後などは、エンジン2から排出された直後の排気ガスの温度は比較的低温であり、その活性温度より低い場合がある。そこで、エンジン2の始動直後などでも、各触媒4,6,7で浄化能力を発揮させるために、各触媒4,6,7での温度を迅速に活性温度にする必要がある。なお、排気ガス浄化システム1には、エンジン2から排出された排気ガスの温度(あるいは、触媒の温度)を検出する温度センサが設けられている。
そのために、排気ガス浄化システム1は、触媒の暖機を行う化学蓄熱装置8も有している。化学蓄熱装置8は、最も上流に位置する触媒であるDOC4を外周側から暖機(加熱)する。DOC4の内部には排気ガスが流れているので、排気ガスの流れる最も上流のDOC4で暖機することによって、暖機で昇温した排気ガスが下流の触媒(SCR6、ASC7)の内部にも流れる。なお、本実施の形態では、DOC4が特許請求の範囲に記載する加熱対象に相当し、排気ガスが特許請求の範囲に記載する流体に相当する。
図1及び図2を参照して、DOC4及び化学蓄熱装置8について詳細に説明する。図2は、本実施の形態に係る化学蓄熱装置の反応器とDOC周辺の断面図であり、(a)が正断面図であり、(b)が側断面図である。
DOC4は、円柱形状のハニカム基材4aに酸化触媒が担持された構造である。ハニカム基材4aの材料は、例えば、セラミックである。DOC4(ハニカム基材4a)は、全体が外筒4b内に収納されて保持されている。したがって、外筒4bが、DOC4の外周部を構成することになる。外筒4bは、円筒形状であり、その内径がハニカム基材4aの外径に応じて決まる。外筒4bは、排気ガスの流れる方向の長さがDOC4(ハニカム基材4a)の長さよりも長い長さである。したがって、図2(b)に示すように、外筒4b内にハニカム基材4aが収納されると、外筒4b内の上流側と下流側にはハニカム基材4aが配置されない部分(空間)が存在する。外筒4bの材料は、排気管3と同じ材料であり、例えば、ステンレス(SUS)である。
DOC4は、上記したように、上流側や下流側の排気管3よりも大きい径を有している。したがって、外筒4bの径は、上流側や下流側の排気管3の径よりも大きい。そのため、その径の異なる外筒4bと排気管3とを接続するために、外筒4bの上流端と下流端にはコーン4c,4cが溶接で接続されている。コーン4c,4cは、外筒4bを上流側及び下流側の排気管3に繋ぐ部分であり、外筒4bの径から排気管3の径まで変化する径を有している。コーン4cの材料も、排気管3と同じ材料である。
化学蓄熱装置8は、外部エネルギレスで触媒を暖機する化学蓄熱装置である。つまり、化学蓄熱装置8は、通常は排気ガスの熱(排熱)を蓄えておき、必要なときにその熱を使用して触媒(DOC4)を暖機する。化学蓄熱装置8は、反応器9、吸着器10、接続管11、バルブ12等を備えている。
反応器9は、DOC4の外周部(外筒4b)の全周に設けられ、断面形状が外筒4bを囲むドーナツ形状である。この断面ドーナツ形状の断面は、反応器9を排気ガスの流れる方向に対して垂直に切った流路断面である。反応器9は、アンモニア(反応媒体)と化学反応する反応材(蓄熱材)9aを収納している。反応器9では、アンモニアと反応材9aとが化学反応して化学吸着(配位結合)し、熱を発生させる。また、反応器9では、反応材9aとアンモニアとが結合した状態で、所定温度以上になると反応材9aとアンモニアとが分離して、アンモニアを放出し始め、それより高い所定温度になるとアンモニアを殆ど放出する。これらの各温度は、反応材9aとアンモニアとの組み合わせによって変わる。反応材9aとしては、アンモニアと化学反応して発熱し、触媒の活性温度以上に昇温できる材料を用いる。この材料としては、ハロゲン化合物のMXaの組成を持つ材料であり、M=Mg、Ca、Srなどのアルカリ土類金属、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znなどの遷移金属であり、XがCl、Br、Iなどであり、a=2、3である。なお、反応材9aには、熱伝導性を向上させる添加物を混合してもよい。添加物としては、例えば、カーボンファイバ、カーボンビーズ、SiCビーズ、Cu、Ag、Ni、Ci−Cr、Al、Fe、ステンレスなどのビーズ、高分子ビーズ、高分子ファイバである。
反応材9aは、DOC4を収納する外筒4bの外周面の全周に配設される。反応材9aは、プレス成型して反応器9に封入される。反応材9aが配設される排気ガスの流れる方向の長さは、DOC4(ハニカム基材4a)の長さよりも長い長さである。したがって、図2(b)に示すように、反応材9aは、DOC4の上流側の端部よりも上流側の箇所まで配設されるとともに、DOC4の下流側の端部よりも下流側の箇所まで配設される。したがって、外筒4bの外周面に配設された反応材9aは、外筒4bを介してDOC4全体を暖機(加熱)できる。
なお、DOC4の内部には、排気ガスが上流側から下流側に流れている。したがって、反応材9aとアンモニアとの化学反応によって発熱してDOC4が外周側から加熱されると、DOC4の内部を流れる排気ガスも加熱され、加熱された排気ガスが下流側に流れていく。そのため、化学反応によって発生した熱は、発生した位置から下流側に移動する。しかし、反応材9aはDOC4の上流側の端部よりも上流側の箇所まで配設されているので、その上流側の箇所から配設される反応材9aによる発熱により、DOC4の上流側の端部から下流側にかけて(DOC4全体を)加熱することができる。したがって、DOC4全体を加熱するためには、反応材9aをDOC4の上流側の端部よりも上流側の箇所まで配設しておくことが重要となる。反応材9aを上流側のどの程度の位置まで配設させるかは、実験などによって決めるとよい。この反応材9a(ひいては、反応器9)を配設させる位置及びハニカム基材4aの長さに応じて、外筒4bの長さを決めるとよい。
さらに、反応器9は、反応材9aを覆う断熱材9bを有している。断熱材9bは、反応材9aの外側全面を覆うように配設されている。このような断熱材が反応器9に無くてもよい。さらに、反応器9は、反応材9a及び断熱材9bを収納するケーシング9cを有している。ケーシング9cは、断熱材9bの外側全面を覆うように配設されている。ケーシング9cの上流側の端部及び下流側の端部(反応器9の端部)は、図2(b)に示すように、外筒4bの外周面において内部にDOC4が配置されていない部分に接合されている。ケーシング9cと外筒4bとの間で密閉された空間を形成し、その中に反応材9a及び断熱材9bを封入している。このように、反応材9aは密閉空間内に封入されているので、アンモニアと繰り返し化学反応できる。
吸着器10は、アンモニアと物理吸着する吸着材としての活性炭が内蔵されている。吸着器10では、アンモニアを活性炭と物理吸着させた状態で貯蔵して、排気ガスの排熱(温まったアンモニア)を蓄えるとともに、アンモニアを活性炭から分離させてアンモニアを放出して、アンモニアを反応器9に供給する。なお、吸着材は活性炭に限られず、例えば、メソ孔を有するメソポーラスシリカ、メソポーラスカーボンやメソポーラスアルミナ等のメスポーラス材やゼオライト、シリカゲル等を用いてもよい。
接続管11は、反応器9と吸着器10とを接続し、反応器9と吸着器10との間でアンモニアを移動させる管路である。接続管11の一端は、反応器9のケーシング9c及び断熱材9bを貫通して、反応材9aに対して開口している。バルブ12は、接続管11の途中に配設される。バルブ12が開かれると、接続管11を介して反応器9と吸着器10との間でアンモニアの移動が可能となる。バルブ12は、接続管11内を開閉するものでもよいが、接続管11内を流れるアンモニアの流量を調整できるものでもよい。なお、このバルブ12に対する制御は、エンジン2を制御するECU[Electronic Control Unit](図示せず)あるいは専用のコントローラなどで行われる。
以上のように構成した排気ガス浄化システム1における化学蓄熱装置8の動作を説明する。車両停止中(エンジン2が停止中)は、バルブ12は閉じられている。したがって、吸着器10において活性炭からアンモニアが分離していても、接続管11を介してアンモニアが反応器9に供給されない。
エンジン2が始動後に、エンジン2から排出された排気ガスの温度が所定温度(触媒の活性温度に基づいて設定された温度)より低いときには(エンジン2の始動直後など)、ECUなどによる制御によってバルブ12が開かれ、接続管11を介してアンモニアが反応器9に供給される。このとき、吸着器10の圧力が反応器9の圧力よりも高く、アンモニアが反応器9側に移動する。反応器9では、供給されたアンモニアと反応材9aとが化学反応して化学吸着し、熱を発生する。この熱は、外筒4bに伝わり、外筒4bからDOC4に伝わる。この際、反応材9aはDOC4の上流側の端部よりも上流側の箇所まで配設されているので、DOC4よりも上流側でも熱が発生し、DOC4の上流側の端部から下流側の端部まで加熱することができる。これによって、DOC4全体が加熱され、DOC4が迅速に昇温する。そして、DOC4の温度が活性温度以上になると、DOC4で排気ガスを浄化できる。
エンジン2から排出された排気ガスの温度が所定温度より高くなると、排気ガスの排熱によって、反応器9では、アンモニアと反応材9aとが分離し、アンモニアが発生する。この分離したアンモニアは、バルブ12が開かれているので、反応器9から接続管11を介して吸着器10に戻る。このとき、反応器9の圧力が吸着器10の圧力よりも高く、アンモニアが吸着器10側に移動する。吸着器10では、吸着材がアンモニアを物理吸着して貯蔵する。吸着器10に設けられている圧力センサ(図示せず)の圧力値がアンモニアの満貯蔵状態を示す圧力値になった場合、ECUなどの制御によってバルブ12が閉じられる。
この排気ガス浄化システム1(特に、化学蓄熱装置8)によれば、反応器9の反応材9aをDOC4の上流側の端部よりも上流側の箇所まで配設することにより、DOC4全体(特に、排気ガスの流れる方向における全域)を効率良く加熱(暖機)することができ、DOC4全体を迅速に昇温できる。その結果、早期に、DOC4の活性温度に達し、DOC4で排気ガスを浄化できる。さらに、排気ガス浄化システム1によれば、反応材9aをDOC4の外周部の全周に配設することにより、DOC4を外周側の周方向における全域から加熱でき、DOC4全体をより迅速に昇温できる。
また、この排気ガス浄化システム1によれば、DOC4を外筒4bに収納して保持し、その外筒4bにおいてDOC4が収納されていない部分に反応器9の端部を配置させることにより、反応器9の端部に応力が集中してもDOC4(特に、ハニカム基材4a)の破損を防止できる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では触媒としてDOC、SCR及びASC、フィルタとしてDPFを備える排気ガス浄化システムに適用したが、他の様々な構成の排気ガス浄化システムに適用できる。また、車両はディーゼルエンジン車としたが、ガソリンエンジン車等にも適用できる。また、車両以外の排気ガス浄化システムにも適用できる。また、排気ガス浄化システム以外にも適用できる。また、流体としては排気ガスであったが、排気ガス以外の他の流体にも適用できる。
また、本実施の形態では化学蓄熱装置の加熱対象として触媒のDOCとしたが、加熱対象としては他のものでよく、例えば、SCR等の他の触媒や図3に示すようにDOC等の触媒の上流の排気管内に金属製のハニカム構造体等の高熱伝導性を有する部材からなる熱交換器13を配置し、この熱交換器13を加熱対象とし、熱交換器13の外周部に配設された反応器9で加熱することも考えられる。また、本実施の形態では化学蓄熱装置における化学反応の反応媒体をアンモニアとしたが、二酸化炭素、アルコール、水等の他の媒体でもよい。また、本実施の形態では反応器(反応材)をDOCの外周部の全周に設ける構成としたが、全周に設けない構成でもよい。
また、本実施の形態では反応材を外筒におけるDOCの上流側の端部よりも上流側の箇所から下流側の端部よりも下流側の箇所まで配設する構成としたが、下流側については反応材をDOCの下流側の端部よりも下流側まで配置させない構成としてもよく、例えば、DOCの下流側の端部まで配設させてもよいし、DOCの下流側の端部よりも少し上流側の箇所まで配設させてもよい。この構成の場合でも、反応材がDOCの上流側の端部よりも上流側の箇所に配設させているので、上流側の反応材による発熱により、DOC全体を加熱できる。
1…排気ガス浄化システム、2…エンジン、3…排気管、4…ディーゼル酸化触媒(DOC)、4a…ハニカム基材、4b…外筒、4c…コーン、5…ディーゼル排気微粒子除去フィルタ(DPF)、6…選択還元触媒(SCR)、6a…インジェクタ、7…アンモニアスリップ触媒(ASC)、8…化学蓄熱装置、9…反応器、9a…反応材、9b…断熱材、9c…ケーシング、10…吸着器、11…接続管、12…バルブ、13…熱交換器。
Claims (2)
- 内部に流体が流れる加熱対象を外周側から加熱する化学蓄熱装置であって、
前記加熱対象の外周部に配置され、反応媒体と化学反応して熱を発生させる反応材を収納する反応器と、
前記反応器に接続され、吸着材で反応媒体を吸着して貯蔵する吸着器と、
を備え、
前記反応材は、前記加熱対象の外周部において前記加熱対象の上流側の端部よりも上流側の箇所まで配設されることを特徴とする化学蓄熱装置。 - 前記反応材は、前記加熱対象の外周部の全周に配設されることを特徴とする請求項1に記載の化学蓄熱装置。
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