JP2014152997A - 化学蓄熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】消費電力を低減しつつ、加熱対象物を所望の温度まで早期に加熱することができる化学蓄熱装置を提供する。
【解決手段】化学蓄熱装置10は、NH3を高圧状態で貯蔵するNH3貯蔵器11と、NH3と化学反応して熱を発生させる蓄熱材としてのMgCl2を含んだMgCl2反応器12と、MgCl2反応器12から発生した熱により加熱され、H2Oを液体状態で貯蔵するH2O貯蔵器13と、H2Oと化学反応して熱を発生させる蓄熱材としてのCaOを含んだCaO反応器14とを備え、酸化触媒4を加熱する装置である。MgCl2反応器12は、排気管3の周囲に配置されている。NH3貯蔵器11は、供給管15を介してMgCl2反応器12と接続されている。CaO反応器14は、酸化触媒4の周囲に配置されている。H2O貯蔵器13は、供給管17,18を介してCaO反応器14と接続されている。
【選択図】図2
【解決手段】化学蓄熱装置10は、NH3を高圧状態で貯蔵するNH3貯蔵器11と、NH3と化学反応して熱を発生させる蓄熱材としてのMgCl2を含んだMgCl2反応器12と、MgCl2反応器12から発生した熱により加熱され、H2Oを液体状態で貯蔵するH2O貯蔵器13と、H2Oと化学反応して熱を発生させる蓄熱材としてのCaOを含んだCaO反応器14とを備え、酸化触媒4を加熱する装置である。MgCl2反応器12は、排気管3の周囲に配置されている。NH3貯蔵器11は、供給管15を介してMgCl2反応器12と接続されている。CaO反応器14は、酸化触媒4の周囲に配置されている。H2O貯蔵器13は、供給管17,18を介してCaO反応器14と接続されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、加熱対象物を加熱する化学蓄熱装置に関するものである。
従来の化学蓄熱装置としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1に記載の化学蓄熱装置は、エンジンの排気熱により脱水反応を行って蓄熱すると共に水和反応により放熱する化学蓄熱材が内蔵された反応器と、この反応器内の化学蓄熱材が放出した熱を触媒コンバータ(加熱対象物)に供給するための加熱エアラインと、反応器から放出された水蒸気の吸着及び吸着した水蒸気の脱着が可能な吸着材が内蔵された吸着器と、排気熱回収器により回収された排気熱を吸着器に供給するための排気熱供給ラインとを備えている。外気温が低温環境下で自動車が始動される場合には、排気熱回収器で回収された排気熱が吸着器に導かれることで、吸着器の吸着材から水蒸気が脱着され、その水蒸気が反応器に供給されるため、反応器内の化学蓄熱材から熱が放出され、その熱によって触媒コンバータが加熱される。
しかしながら、上記従来技術のように排気熱回収器で回収された排気熱を吸着器に供給して、吸着器から水蒸気を発生させる場合には、排気熱が必要な温度まで上昇しないと、吸着器から水蒸気が発生しないため、結果的に加熱対象物の加熱に時間がかかってしまう。また、ヒータ等を利用して吸着器の吸着材を加熱することも考えられるが、この場合には消費電力が高くならざるを得ず、燃費悪化につながる。
本発明の目的は、消費電力を低減しつつ、加熱対象物を所望の温度まで早期に加熱することができる化学蓄熱装置を提供することである。
本発明は、加熱対象物を加熱する化学蓄熱装置において、NH3を貯蔵する第1貯蔵器と、第1貯蔵器と接続され、NH3と化学反応して熱を発生させる第1蓄熱材を有する第1反応器と、第1蓄熱材で発生した熱により加熱され、H2Oを貯蔵する第2貯蔵器と、第2貯蔵器と接続され、H2Oと化学反応して加熱対象物を加熱するための熱を発生させる第2蓄熱材を有する第2反応器とを備えることを特徴とするものである。
このような本発明の化学蓄熱装置において、加熱対象物を加熱するときは、まず第1貯蔵器から第1反応器にNH3を供給し、NH3と第1蓄熱材とを化学反応させて熱を発生させる。すると、第1蓄熱材で発生した熱によって第2貯蔵器が加熱され、第2貯蔵器に貯蔵されたH2Oの温度及び圧力が上昇する。そして、第2貯蔵器から第2反応器にH2Oを供給し、H2Oと第2蓄熱材とを化学反応させて熱を発生させる。すると、第2蓄熱材で発生した熱によって加熱対象物が加熱されることになる。ここで、第1蓄熱材と化学反応する反応媒体として、第1貯蔵器に高圧状態で貯蔵されるために第1貯蔵器と第1反応器との圧力差により容易に移動可能なNH3を使用し、そのNH3と第1蓄熱材との化学反応により生じる熱によって第2貯蔵器を加熱するようにしている。このため、第2貯蔵器を加熱するための電気ヒータ等の外部熱源を必要以上に使わなくて済む。また、H2Oを気化させるのに圧力差により移動可能なNH3を使用するため、排ガスが必要な温度まで上昇してない状態でも、第2蓄熱材から熱が発生し、加熱対象物が加熱されるようになる。これにより、消費電力を低減しつつ、加熱対象物を所望の温度まで早期に加熱することができる。
好ましくは、加熱対象物は、エンジンの排気系に設けられており、第2反応器は、加熱対象物の周囲に配置されている。エンジンの排気系に設けられた加熱対象物が触媒である場合には、加熱対象物を通る排ガスが低温状態でも、排気浄化を実施することができる。また、加熱対象物を通る排ガスが高温状態になると、排ガスの熱(排熱)が第2反応器に与えられるため、H2Oと第2蓄熱材とが分離し、H2Oが第2貯蔵器に回収されるようになる。
このとき、好ましくは、第1反応器は、エンジンと接続された排気管の周囲に配置されている。この場合には、排気管を通る排ガスが高温状態になると、排ガスの熱(排熱)が第1反応器に与えられるため、NH3と第1蓄熱材とが分離し、NH3が第1貯蔵器に回収されるようになる。
また、第1反応器は、第2反応器の外側に配置されていても良い。この場合には、第2蓄熱材で発生した熱によって、加熱対象物が加熱されるだけでなく、第1反応器も加熱されることになる。このため、NH3と第1蓄熱材とが分離し、NH3が第1貯蔵器に回収されるようになる。
さらに、第1反応器は、エンジンの排気系に設けられた他の加熱対象物の周囲に配置されていても良い。この場合には、第1蓄熱材で発生した熱によって、第2貯蔵器が加熱されるだけでなく、エンジンの排気系に設けられた他の加熱対象物も加熱されることになる。また、当該他の加熱対象物を通る排ガスが高温状態になると、排ガスの熱(排熱)が第1反応器に与えられるため、NH3と第1蓄熱材とが分離し、NH3が第1貯蔵器に回収されるようになる。
本発明によれば、消費電力を低減し、燃費悪化を抑制することができると共に、加熱対象物を所望の温度まで早期に加熱することができる。
以下、本発明に係る化学蓄熱装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明に係る化学蓄熱装置の一実施形態の一部を備えた排気浄化システムを示す概略構成図である。同図において、排気浄化システム1は、車両のディーゼルエンジン2(以下、単にエンジン2という)の排気系に設けられ、エンジン2から排出される排ガス中に含まれる有害物質(環境汚染物質)を浄化するシステムである。
排気浄化システム1は、エンジン2と接続された排気管3の途中に上流側から下流側に向けて順に設けられた酸化触媒(DOC)4、ディーゼル排気微粒子除去フィルタ(DPF)5、選択還元触媒(SCR)6及び酸化触媒(ASC)7を備えている。
酸化触媒4は、排ガス中に含まれるHCやCO等を酸化して浄化する触媒である。DPF5は、排ガス中に含まれるPMを捕集して取り除くフィルタである。SCR6は、尿素やアンモニアを供給して、排ガス中に含まれるNOxを還元して浄化する触媒である。酸化触媒7は、SCR6の下流側に流れたNH3を酸化する触媒である。
ところで、酸化触媒4等の触媒には、環境汚染物質の浄化能力を発揮させる温度領域(活性温度)が存在する。従って、エンジン2の始動直後のような排ガスの温度が低いときは、酸化触媒4の温度を活性温度にするために、酸化触媒4を加熱する必要がある。
そこで、排気浄化システム1は、本実施形態の化学蓄熱装置10を備えている。化学蓄熱装置10は、エネルギーレスで酸化触媒4を加熱するものである。つまり、化学蓄熱装置10は、通常は排ガスの熱(排熱)を蓄えておき、必要なときに熱を使用するというものである。
化学蓄熱装置10は、2段式となっている。具体的には、化学蓄熱装置10は、1段目のNH3貯蔵器(第1貯蔵器)11及びMgCl2反応器(第1反応器)12と、2段目のH2O貯蔵器(第2貯蔵器)13及びCaO反応器(第2反応器)14とを備えている。
NH3貯蔵器11は、NH3(アンモニア)を高圧状態で貯蔵する。MgCl2反応器12は、NH3と化学反応して熱を発生させる蓄熱材(第1蓄熱材)としてのMgCl2を含んでいる。H2O貯蔵器13は、H2Oを液体状態で貯蔵し、MgCl2反応器12の蓄熱材から発生した熱により加熱される。CaO反応器14は、H2Oと化学反応して熱を発生させる蓄熱材(第2蓄熱材)としてのCaOを含んでいる。
図2に示すように、MgCl2反応器12は、円筒状に形成され、排気管3の周囲全周にわたって排気管3と接触または近接するように配置されていることが好ましい。なお、MgCl2反応器12の配置箇所は、図示の通り酸化触媒4の下流側に位置する排気管3の周囲でも良いし、酸化触媒4の上流側に位置する排気管3の周囲でも良い。NH3貯蔵器11は、供給管15を介してMgCl2反応器12と接続されている。供給管15には、開閉弁16が設けられている。
CaO反応器14は、円筒状に形成され、酸化触媒4の周囲全周にわたって接触または近接するように配置されていることが好ましい。H2O貯蔵器13は、MgCl2反応器12に接触または近接するように配置されている。H2O貯蔵器13は、供給管17,18を介してCaO反応器14と接続されている。供給管17には、開閉弁19が設けられている。
供給管18には、CaO反応器14の蓄熱材であるCaOと分離された気体状態のH2O(水蒸気)を冷却・圧縮して液化する凝縮器20と、この凝縮器20により得られた液体状態のH2O(水)を一時的に溜めておくバッファタンク21とが設けられている。供給管18におけるH2O貯蔵器13とバッファタンク21との間には、開閉弁22が設けられている。
このような化学蓄熱装置10を備えた排気浄化システム1において、エンジン2の始動直後のようにエンジン2からの排ガスの温度が低いときは、開閉弁16を開くことで、NH3貯蔵器11に常温(例えば25℃)で且つ高圧状態(例えば3〜8気圧)で貯蔵されたNH3が供給管15を通ってMgCl2反応器12に供給される。すると、MgCl2反応器12に含まれるMgCl2とNH3とが化学反応して化学吸着(配位結合)し、MgCl2反応器12で熱が発生する。例えば、MgCl2にNH3が2分子吸着した状態と6分子吸着した状態の違いを利用することとした場合、150℃程度の熱が発生する。つまり、下記の反応式(A)における左辺から右辺への反応(発熱反応)が起こる。
MgCl2(NH3)2+4NH3 ⇔ Mg(NH3)6Cl2+熱 …(A)
MgCl2(NH3)2+4NH3 ⇔ Mg(NH3)6Cl2+熱 …(A)
MgCl2反応器12で発生した熱は、図3に示すように、H2O貯蔵器13に伝えられる。このため、H2O貯蔵器13が加熱され、H2O貯蔵器13に貯蔵されたH2Oの温度が例えば100℃程度の気体状態となり、H2Oの圧力が上昇する。
その状態で、開閉弁19を開くことで、H2O貯蔵器13に貯蔵されたH2Oが供給管17を通ってCaO反応器14に供給される。すると、CaO反応器14に含まれるCaOとH2Oとが化学反応して化学吸着し、CaO反応器14から例えば430℃程度の熱が発生する。つまり、下記の反応式(B)における左辺から右辺への反応(発熱反応)が起こる。そして、CaO反応器14で発生した熱が酸化触媒4に伝わり(図3参照)、酸化触媒4が活性温度まで加熱されるようになる。なお、開閉弁19は、H2O貯蔵器13からCaO反応器14へH2Oの供給が完了した後に閉じられる。
CaO+H2O ⇔ Ca(OH)2+熱 …(B)
CaO+H2O ⇔ Ca(OH)2+熱 …(B)
一方、エンジン2からの排ガスの温度が高くなると、排ガスの熱(排熱)が酸化触媒4からCaO反応器14に与えられる(図3参照)ことで、CaOとH2Oとが分離する。つまり、上記の反応式(B)における右辺から左辺への反応(再生反応)が起こる。すると、CaOから分離した気体状態のH2Oが凝縮器20によって液化され、その液体状態のH2Oがバッファタンク21に溜められる。そして、開閉弁22を開くことで、液体状態のH2Oが供給管18を通ってH2O貯蔵器13に戻る(回収される)ようになる。液体状態のH2Oの回収が完了したら、開閉弁22を閉じることで、H2O貯蔵器13にH2Oを貯蔵することができる。
また、排熱が排気管3からMgCl2反応器12にも与えられることで、MgCl2とNH3とが分離する。つまり、上記の反応式(A)における右辺から左辺への反応(再生反応)が起こる。このとき、MgCl2反応器12の圧力が高くなるため、開閉弁16を開いた状態を維持することで、MgCl2から分離したNH3が供給管15を通ってNH3貯蔵器11に戻る(回収される)ようになる。MgCl2から分離したNH3が供給管15を通ってNH3貯蔵器11に回収された状態で開閉弁16を閉じることで、NH3貯蔵器11に高圧状態のNH3を貯蔵することができる。
以上のように本実施形態にあっては、NH3を貯蔵するNH3貯蔵器11と、NH3と化学反応するMgCl2を含むMgCl2反応器12と、H2Oを貯蔵するH2O貯蔵器13と、H2Oと化学反応するCaOを含むCaO反応器14とを設け、MgCl2反応器12で発生した熱を利用してH2O貯蔵器13に貯蔵されたH2Oを昇温し、そのH2OをCaO反応器14に供給して、CaO反応器14から熱を発生させて酸化触媒4を加熱する。このため、通常環境下では、H2O貯蔵器13を加熱するための電気ヒータ等の外部熱源が不要となる。また、H2O貯蔵器13に貯蔵されたH2Oを気化させるのに圧力差により移動可能なNH3を使用するため、排ガスの温度が上昇していない状態であっても、酸化触媒4を加熱することができる。これにより、消費電力(消費エネルギー)を低減しつつ、酸化触媒4を活性温度まで早期に加熱することができる。その結果、燃費ロスの増大を抑制しつつ、酸化触媒4による環境汚染物質の浄化を促進させることが可能となる。
図4は、本発明に係る化学蓄熱装置の他の実施形態を示す概略構成図である。同図において、本実施形態の化学蓄熱装置10では、MgCl2反応器12は、CaO反応器14の外側つまりCaO反応器14に対して酸化触媒4の反対側に、CaO反応器14に接触または近接するように配置されている。従って、MgCl2反応器12は、CaO反応器14とH2O貯蔵器13との間に配置されていることとなる。その他の構成については、上記実施形態と同様である。
このような本実施形態において、エンジン2からの排ガスの温度が低いときは、上述したように、NH3貯蔵器11からMgCl2反応器12にNH3が供給され、MgCl2とNH3との化学反応によりMgCl2反応器12から熱が発生する。そして、その熱がH2O貯蔵器13に伝えられて加熱されることで、H2O貯蔵器13からCaO反応器14にH2Oが供給され、CaOとH2Oとの化学反応によりCaO反応器14から熱が発生する。
このとき、CaO反応器14で発生した熱によって酸化触媒4が加熱されると同時に、CaO反応器14で発生した熱がMgCl2反応器12に与えられる。このため、上述したように、MgCl2とNH3とが分離するため、開閉弁16を開くことで、MgCl2から分離したNH3が供給管15を通ってNH3貯蔵器11に戻る(回収される)ようになる。
本実施形態においても、NH3貯蔵器11及びMgCl2反応器12を設けることにより、上記実施形態と同様に、消費電力を低減しつつ、酸化触媒4を活性温度まで早期に加熱することができる。
図5は、本発明に係る化学蓄熱装置の更に他の実施形態を示す概略構成図である。同図において、本実施形態の化学蓄熱装置10では、MgCl2反応器12は、選択還元触媒6の周囲に選択還元触媒6と接触または近接するように配置されている。従って、MgCl2反応器12は、選択還元触媒6とH2O貯蔵器13との間に配置されていることとなる。その他の構成については、上記実施形態と同様である。
このような本実施形態において、エンジン2からの排ガスの温度が低いときは、上述したように、NH3貯蔵器11からMgCl2反応器12にNH3が供給され、MgCl2とNH3との化学反応によりMgCl2反応器12から熱が発生する。そして、その熱がH2O貯蔵器13に伝えられて加熱されることで、H2O貯蔵器13からCaO反応器14にH2Oが供給され、CaOとH2Oとの化学反応によりCaO反応器14から熱が発生する。
このとき、上記のようにMgCl2反応器12で発生した熱によってH2O貯蔵器13が加熱されると同時に、MgCl2反応器12で発生した熱が選択還元触媒6に伝わり、選択還元触媒6が加熱されるようになる。
また、エンジン2からの排ガスの温度が高いときは、排熱が選択還元触媒6からMgCl2反応器12に与えられることで、MgCl2とNH3とが分離するため、開閉弁16を開くことで、MgCl2から分離したNH3が供給管15を通ってNH3貯蔵器11に戻る(回収される)ようになる。
本実施形態においても、NH3貯蔵器11及びMgCl2反応器12を設けることにより、上記実施形態と同様に、消費電力を低減しつつ、酸化触媒4を活性温度まで早期に加熱することができる。また、本実施形態では、MgCl2反応器12で発生した熱をH2O貯蔵器13の加熱だけでなく選択還元触媒6の加熱にも利用するため、排ガスの温度が低いときでも、選択還元触媒6による環境汚染物質の浄化を促進させることができる。
なお、本実施形態では、MgCl2反応器12が選択還元触媒6の周囲に配置されているが、MgCl2反応器12を酸化触媒7等といった他の触媒の周囲に配置しても良い。
以上、本発明に係る化学蓄熱装置の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、NH3と化学反応する蓄熱材としてのMgCl2を含んだMgCl2反応器12を使用したが、NH3と化学反応する蓄熱材を含んだ反応器としては、特にそれには限られず、CaCl2、NiCl2、ZnCl2、SrCl2等の蓄熱材を含んだものを使用しても良い。また、H2Oと化学反応する蓄熱材としてのCaOを含んだCaO反応器14を使用したが、H2Oと化学反応する蓄熱材を含んだ反応器としては、特にそれには限られず、MgO、MnO、CuO、Al2O3等の蓄熱材を含んだものを使用しても良い。
また、上記実施形態は、ディーゼルエンジン2の排気系に設けられた触媒を加熱するものであるが、本発明の化学蓄熱装置は、ガソリンエンジンの排気系に設けられた触媒、或いはディーゼルエンジンまたはガソリンエンジンの排気系に設けられた触媒以外の加熱対象物、例えば選択還元触媒の上流側において尿素水を加水分解するための拡散板等を加熱するものにも適用可能である。また、本発明の化学蓄熱装置は、そのようなエンジンの排気系以外の加熱対象物を加熱するものにも適用可能である。
2…ディーゼルエンジン、3…排気管(排気系)、4…酸化触媒(加熱対象物)、6…選択還元触媒(加熱対象物)、10…化学蓄熱装置、11…NH3貯蔵器(第1貯蔵器)、12…MgCl2反応器(第1反応器)、13…H2O貯蔵器(第2貯蔵器)、14…CaO反応器(第2反応器)。
Claims (5)
- 加熱対象物を加熱する化学蓄熱装置において、
NH3を貯蔵する第1貯蔵器と、
前記第1貯蔵器と接続され、前記NH3と化学反応して熱を発生させる第1蓄熱材を有する第1反応器と、
前記第1蓄熱材で発生した熱により加熱され、H2Oを貯蔵する第2貯蔵器と、
前記第2貯蔵器と接続され、前記H2Oと化学反応して前記加熱対象物を加熱するための熱を発生させる第2蓄熱材を有する第2反応器とを備えることを特徴とする化学蓄熱装置。 - 前記加熱対象物は、エンジンの排気系に設けられており、
前記第2反応器は、前記加熱対象物の周囲に配置されていることを特徴とする請求項1記載の化学蓄熱装置。 - 前記第1反応器は、前記エンジンと接続された排気管の周囲に配置されていることを特徴とする請求項2記載の化学蓄熱装置。
- 前記第1反応器は、前記第2反応器の外側に配置されていることを特徴とする請求項2記載の化学蓄熱装置。
- 前記第1反応器は、前記エンジンの排気系に設けられた他の加熱対象物の周囲に配置されていることを特徴とする請求項2記載の化学蓄熱装置。
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