JP2016053439A - 化学蓄熱装置 - Google Patents

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孝則 村崎
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Abstract

【課題】反応材に熱媒体の熱を与えて反応媒体を脱離させる反応材の再生時において、熱媒体の熱を反応材に効率良く伝えることができる化学蓄熱装置を提供する。
【解決手段】化学蓄熱装置11は、熱交換器3に接触配置された反応器12と、反応器12とNHを流通可能に接続され、NHを貯蔵する貯蔵器とを備えている。反応器12は、NHとの化学反応により発熱すると共に蓄熱によりNHを脱離する反応材を含む反応部18と、反応部18を収容する容器16とを有している。反応部18は、反応材に混在され、変形しても復元温度以上になると元の形状に復元する機能を有する形状記憶材を更に含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、化学蓄熱装置に関する。
従来の化学蓄熱装置としては、例えば特許文献1に記載されている装置が知られている。特許文献1に記載の化学蓄熱装置は、エンジンより排出された排気ガスを浄化する触媒セラミック部の周囲に配置され、筐体部内に内蔵された蓄熱物質(反応材)を含む反応器と、蓄熱物質を発熱させるための反応媒体としての水を供給する導水管部とを備えている。エンジンの冷間始動時には、水を反応器に供給することで、水と蓄熱物質とが化学反応して熱が発生する(発熱反応)。そして、その熱により触媒セラミック部(加熱対象物)が加熱されて活性化温度になる。エンジン暖機時には、蓄熱物質が排気ガスの熱を吸収し、蓄熱物質から水が脱離する(吸熱反応)。
また、特許文献2に記載されているように、容器との伝熱性を向上させるために、容器の内面に金属層を設けると共に紛体化学蓄熱材(反応材)に熱伝導率が高い銅粉を混合させて焼結した化学蓄熱材複合物成形体を設けた熱交換型蓄熱放熱装置(化学蓄熱装置)もある。
特開昭59−208118号公報 特開2011−196661号公報
しかしながら、上記従来技術においては、以下の問題点が存在する。即ち、特許文献1に記載の構成では、反応材と反応媒体とを化学反応させる発熱反応時には、反応材は反応媒体を化学吸着して容器内で体積を膨張させるので、容器と反応材とが密着することとなり、反応材から発生する熱が加熱対象物に伝わりやすくなっている。ところが、排気ガス(熱媒体)の熱を反応材に伝えて化学吸着された反応媒体を反応材から脱離(再生)させる吸熱反応時には、反応材から反応媒体が脱離するに従って反応材が疎の状態となると共に反応材の体積が収縮するので、徐々に反応材と容器との密着性が悪くなり、排気ガスの熱が反応材に伝わりにくくなる。その結果、反応材から反応媒体が脱離しにくくなり、反応媒体の回収効率が低下してしまう。また、特許文献2に記載のように、反応材に銅粉を混合させたとしても、反応材の再生時には同様の問題が発生する。
本発明の目的は、反応材に熱媒体の熱を与えて反応媒体を脱離させる反応材の再生時において、熱媒体の熱を反応材に効率良く伝えることができる化学蓄熱装置を提供することである。
本発明は、熱媒体が流通する加熱対象物を加熱する化学蓄熱装置において、加熱対象物に接触配置された反応器と、反応器と反応媒体を流通可能に接続され、反応媒体を貯蔵する貯蔵器とを備え、反応器は、反応媒体との化学反応により発熱すると共に蓄熱により反応媒体を脱離する反応材を含む反応部と、反応部を収容する容器とを有し、反応部は、反応材に混在され、変形しても復元温度以上になると元の形状に復元する機能を有する形状記憶材を更に含むことを特徴とする。
このような本発明の化学蓄熱装置においては、貯蔵器から反応器に反応媒体が供給されると、反応材と反応媒体との化学反応により反応材が膨張して発熱し、その反応材の膨張に伴って形状記憶材が変形する。そして、反応材で発生した熱が加熱対象物に伝えられ、加熱対象物が加熱される。一方、加熱対象物を流通する熱媒体の熱が反応材に与えられると、反応材から反応媒体が脱離すると共に反応材が収縮し、その反応材の収縮に伴って形状記憶材が元の形状に復元される。そして、反応材から脱離した反応媒体が貯蔵器に回収される。このように形状記憶材を反応材に混在させることにより、反応材が収縮したときも、形状記憶材によって反応材が密の状態に維持されるため、反応材が加熱対象物に近づいた状態となる。これにより、反応材に熱媒体の熱を与えて反応媒体を脱離させる反応材の再生時において、熱媒体の熱を反応材に効率良く伝えることができる。
形状記憶材の復元温度は、反応材から反応媒体が脱離する再生反応時に反応材が受ける温度以下に設定されていてもよい。この場合には、反応材から反応媒体が脱離する再生反応時に形状記憶材が元の形状に確実に復元されるため、反応材が収縮したときも、形状記憶材によって反応材と反応器の容器との密着性が良くなる。これにより、反応材の再生時に、熱媒体の熱を容器を介して反応材に一層効率良く伝えることができる。
形状記憶材は、形状記憶合金または形状記憶ポリマーであってもよい。形状記憶合金は、超弾性を有し、容易に変形する。形状記憶ポリマーは、形状変化率が高く、更に軽量かつ安価である。
反応器は、容器における加熱対象物と対向しない部分と反応部との間に配置された断熱材を更に有していてもよい。この場合には、反応材で発生した熱が容器の外部に放散されることが抑制される。
本発明によれば、反応材に熱媒体の熱を与えて反応媒体を脱離させる反応材の再生時において、熱媒体の熱を反応材に効率良く伝えることができる化学蓄熱装置が提供される。
化学蓄熱装置の一実施形態を備えた排気浄化システムを示す概略構成図である。 図1に示された化学蓄熱装置を熱交換器と共に示す概略構成図である。 図2のIII−III線断面図である。 図3に示された反応部において、NHが反応材に対して脱離及び吸着する時の反応部の様子を示すイメージ図である。 比較例として、反応部が形状記憶材を含んでいない場合に、NHが反応材に対して脱離及び吸着する時の反応部の様子を示すイメージ図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、化学蓄熱装置の一実施形態を備えた排気浄化システムを示す概略構成図である。図1において、排気浄化システム1は、車両のディーゼルエンジン2(以下、単にエンジン2という)の排気系に設けられ、エンジン2から排出される熱媒体である排気ガスに含まれる有害物質(環境汚染物質)を浄化する。
排気浄化システム1は、熱交換器3、ディーゼル酸化触媒(DOC:DieselOxidation Catalyst)4、ディーゼル排気微粒子除去フィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)5、選択還元触媒(SCR:Selective Catalytic Reduction)6及びアンモニアスリップ触媒(ASC:Ammonia Slip Catalyst)7を備えている。熱交換器3、DOC4、DPF5、SCR6及びASC7は、エンジン2と接続された排気通路8の途中に、上流側から下流側に向けて順に配置されている。
熱交換器3は、図2及び図3に示されるように、排気ガスの流通方向に延びる円筒状の外筒9と、この外筒9内に配置されたハニカム構造の熱交換部10とを有している。外筒9は、排気通路8の一部を形成する排気管としての機能を有している。熱交換部10は、排気ガスが流通する排気ガス流路10aを形成すると共に、排気ガスと反応材17(後述)との間で熱交換を行う。外筒9は、例えばステンレス鋼で形成されている。熱交換部10は、熱伝導性が高いSiSiC(非酸化物系セラミック・シリコン・カーバイド)等のセラミックで形成されている。なお、熱交換部10の材料は、熱伝導性が高いステンレス鋼等の金属であってもよい。
図1に戻り、DOC4は、排気ガス中に含まれるHC及びCO等を酸化して浄化する。DPF5は、排気ガス中に含まれる粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集し、排気ガスからPMを取り除く。SCR6は、尿素またはアンモニア(NH)によって、排気ガス中に含まれるNOxを還元して浄化する。ASC7は、SCR6を通過したNHを酸化する。
また、排気浄化システム1は、可逆的な化学反応を利用して、外部エネルギーレスで加熱対象物である熱交換部10を加熱(暖機)する化学蓄熱装置11を備えている。具体的には、化学蓄熱装置11は、反応材17(後述)と反応媒体とを分離した状態にすることにより、排気ガスの熱(排熱)を内部に蓄えておく。そして、化学蓄熱装置11は、必要なときに反応媒体を反応材17に供給して、反応媒体と反応材17とを化学反応(化学吸着)させ、化学反応時の反応熱を利用して熱交換部10を加熱する。なお、本実施形態では、反応媒体としてアンモニア(NH)を用いる。
化学蓄熱装置11は、図2及び図3にも示されるように、リング状の反応器12と、この反応器12とNH供給管13を介してNHを流通可能に接続された吸着器14とを備えている。NH供給管13には、反応器12と吸着器14との間の流路を開閉させる開閉弁15が設けられている。
反応器12は、熱交換器3の周囲全体に接触配置されている。反応器12は、容器16と、この容器16内に収容され、NHとの化学反応により発熱すると共に排熱の蓄熱によりNHを脱離する複数の反応材17(図4参照)を含む反応部18とを有している。本実施形態では、容器16は、熱交換器3の外筒9と外周部材22とから構成されており、外筒9と外周部材22との間に形成される収容空間に反応部18が収容されている。即ち、熱交換器3の外筒9は、容器16の一部を兼ねるように構成されている。このため、容器16は、加熱対象物である熱交換部10に接触配置されている。外周部材22は、ステンレス鋼等の金属で形成されている。反応部18は、外筒9の外周面に接触するように容器16内に収容されている。
反応材17は、図4に示されるように、粒子状を呈している。反応材17としては、組成式MXaで表されるハロゲン化物が用いられる。Mは、Mg、CaまたはSr等のアルカリ土類金属、若しくはCr、Mn、Fe、Co、Ni、CuまたはZn等の遷移金属である。Xは、Cl、BrまたはI等である。aは、Mの価数により特定される数であり、2〜3である。
また、反応部18は、図4に示されるように、変形しても復元温度以上になると元の形状に復元する機能を有する複数の形状記憶材19を更に含んでいる。ここで、復元温度は、反応材17からNHが脱離する再生反応時(後述)に反応材17が受ける温度以下に設定されている。ここでは、復元温度は、反応材17の発熱温度(例えば250℃〜260℃程度)に設定されている。形状記憶材19は、反応材17にランダムに混在されている。形状記憶材19は、反応材17と同様に粒子状を呈している。
形状記憶材19としては、形状記憶合金または形状記憶ポリマーが用いられる。形状記憶合金は、超弾性を有し、容易に変形する。形状記憶合金としては、Fe−Mn−Si合金、Ti−Ni合金、Ag−Cd合金、Au−Cd合金またはFe−Pt合金等が挙げられる。形状記憶ポリマーは、形状変化率が高い、軽い、加工しやすい及び安価等の特徴を有している。形状記憶ポリマーとしては、ポリノルボルネン、トランスポリイシプレン、スチレン−ブタジルエン共重合体またはポリウレタン等が挙げられる。
反応部18は、粉末状であってもよいし、プレス成型体であってもよい。また、反応材17には、熱伝導性を向上させる添加物が混合されていてもよい。添加物としては、カーボンファイバ、カーボンビーズ、SiCビーズ、金属ビーズ、高分子ビーズまたは高分子ファイバ等が用いられる。金属ビーズの金属材料としては、Cu、Ag、Ni、Ci−Cr、Al、Feまたはステンレス鋼等が挙げられる。
NHが反応材17から分離しているときは、図4(a)に示されるように、反応材17の体積が通常の値となっており、形状記憶材19が変形していない初期状態となっている。反応材17がNHと化学反応すると、図4(b)に示されるように、反応材17が体積膨張し、これに伴って形状記憶材19が反応材17に押し潰されることで、形状記憶材19が初期状態から変形する。そして、反応器12が熱交換部10を通して高温となった排気ガスの熱(排熱)を受けることで反応材17の再生反応が生じ、反応材17からNHが脱離する。このとき、図4(a)に示されるように、反応材17は体積収縮するが、形状記憶材19の形状は排熱により元の初期状態に復元する。このため、反応材17は、容器16との接触状態が維持されることとなる。
図3に示されるように、容器16における熱交換部10と対向しない部分である外周部材22と反応部18との間には、断熱材20がリング状に配置されている。断熱材20としては、例えばグラスウール等が用いられる。このような断熱材20を設けることにより、反応材17で発生した熱が容器16の外部に放散されることが抑制される。NH供給管13の一端部は、容器16及び断熱材20を貫通して反応部18と接続されている。反応部18と断熱材20との間には、NHの流路を形成する多孔体(図示せず)が介在されている。
図1に戻り、吸着器14は、NHの物理吸着による保持及び脱離が可能な吸着材21を含んでいる。吸着材21としては、活性炭、カーボンブラック、メソポーラスカーボン、ナノカーボンまたはゼオライト等が用いられる。吸着器14は、NHを吸着材21に物理吸着させることで、NHを貯蔵する貯蔵器を構成している。
以上のような化学蓄熱装置11を備えた排気浄化システム1において、エンジン2から排出される排気ガスの温度が所定温度(反応材17の発熱温度)よりも低いときは、開閉弁15を開く。すると、吸着器14と反応器12との圧力差によって、吸着器14の吸着材21から脱離したNHがNH供給管13を通って反応器12に供給される。そして、反応器12の反応材17(例えばMgCl)とNHとが化学反応して化学吸着する。すると、反応材17が膨張して(図4(b)参照)、反応材17から熱が発生する。つまり、下記の反応式(A)における左辺から右辺への反応(発熱反応)が起こる。そして、反応材17から発生した熱が外筒9を通して熱交換部10に伝えられる。これにより、熱交換部10が加熱され、これに伴って熱交換部10を流れる排気ガスが加熱される。つまり、熱交換部10により排気ガスが熱交換されて加熱される。そして、暖められた排気ガスによってDOC4が汚染物質の浄化に適した活性温度まで上昇する。
MgClNH ⇔ Mg(NHCl+熱 …(A)
一方、エンジン2から排出される排気ガスの温度が所定温度(反応材17の発熱温度)以上になると、排気ガスの熱(排熱)が熱交換部10から外筒9を通して反応器12の反応材17に与えられることで、反応材17からNHが脱離して、反応材17が収縮する(図4(a)参照)。つまり、上記の反応式(A)における右辺から左辺への反応(再生反応)が起こる。そして、反応器12と吸着器14との圧力差によって、反応材17から脱離したNHがNH供給管13を通って吸着器14に戻り、吸着器14の吸着材21にNHが物理吸着される。これにより、NHが吸着器14に回収される。
図5は、比較例として、反応部18が形状記憶材19を含んでいない場合に、NHが反応材17に対して脱離及び吸着する時の反応部18の様子を示すイメージ図である。
発熱反応時に、NHが反応材17と化学反応すると、図5(b)に示されるように、反応材17が膨張し、各反応材17間の隙間が少なくなり、容器16の内部は反応部18により密の状態となる。従って、反応材17と容器16の一部を構成する外筒9との密着性が良くなるため、反応材17で発生した熱が熱交換部10に伝わりやすくなる。
しかし、再生反応時に、排熱が反応材17に与えられることで反応材17からNHが脱離すると、図5(a)に示されるように、反応材17が収縮し、各反応材17間の隙間が多くなり、容器16の内部は反応部18により疎の状態となる。従って、反応材17と容器16の一部を構成する外筒9との密着性が不十分になるため、排熱が反応材17に伝わりにくくなる。その結果、反応材17からNHが脱離しにくくなるため、吸着器14に対するNHの回収効率が低下する。
これに対し本実施形態では、反応部18は、変形しても復元温度以上になると元の形状に復元する機能を有する形状記憶材19を反応材17に混合させた構成となっている。このため、発熱反応時に、NHが反応材17と化学反応すると、図4(b)に示されるように、反応材17が膨張し、その反応材17の膨張に伴って形状記憶材19が押し潰されて変形する。このため、各反応材17間の隙間が殆ど無くなり、容器16の内部は反応部18により十分に密の状態となる。従って、反応材17と容器16の一部を構成する外筒9との密着性が十分に良くなるため、反応材17で発生した熱が熱交換部10に一層伝わりやすくなる。
一方、再生反応時に、排熱が反応材17に与えられることで反応材17からNHが脱離すると、図4(a)に示されるように、反応材17が収縮するが、排熱により形状記憶材19の温度が復元温度以上となり、形状記憶材19の形状を元の初期状態に復元させる。このため、反応材17が収縮した後も、形状記憶材19によって各反応材17間の隙間が少なく、容器16の内部は反応部18により密の状態となっている。従って、形状記憶材19によって反応材17と容器16の一部を構成する外筒9との密着性が維持されるため、排熱が反応材17に伝わりやすくなる。これにより、再生反応時に、排熱を外筒9を介して反応材17に効率良く伝えることができる。その結果、反応材17からNHが脱離しやすくなるため、吸着器14に対するNHの回収効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、形状記憶材19の復元温度は、反応材17からNHが脱離する再生反応時に反応材17が受ける温度以下に設定されている。従って、反応材17からNHが脱離する再生反応時に形状記憶材19が元の形状に確実に復元されるため、反応材17が収縮したときも、形状記憶材19によって反応材17と容器16の一部を構成する外筒9との密着性が良くなる。これにより、再生反応時に、排熱を外筒9を介して反応材17に一層効率良く伝えることができる。
なお、本発明は、上記実施形態には限定されない。例えば、上記実施形態では、粒子状の形状記憶材19を用いているが、形状記憶材19の形状としては、特に粒子状には限られず、棒状または繊維状等であってもよい。棒状または繊維状の形状記憶材を用いることで、形状記憶材が形状を復元させる際に反応材17の周囲に微小の空間が形成されて、次の発熱反応時にNHが反応材17に導入されやすくなる。
また、上記実施形態では、反応器12が熱交換器3の周囲に配置されているが、特にその構造には限られず、例えば排気管内において反応器と熱交換器とが交互に積層された構造としてもよい。このような構造にすることで、排気ガスとの熱交換効率を向上させることができる。
さらに、上記実施形態では、反応媒体であるNHと組成式MXaで表される反応材17とを化学反応させて熱を発生させているが、反応媒体としては、特にNHには限られず、例えばCOまたはHO等を使用してもよい。反応媒体としてCOを使用する場合、COと化学反応する反応材17としては、MgO、CaO、BaO、Ca(OH)、Mg(OH)、Fe(OH)、Fe(OH)、FeO、FeまたはFe等を使用することができる。反応媒体としてHOを使用する場合、HOと化学反応する反応材17としては、CaO、MnO、CuOまたはAl等を使用することができる。何れの場合にも、形状記憶材19としては、上述した形状記憶合金以外に、Cu−Al−Ni合金、Cu−Sn合金、Cu−Zn合金またはCu−Zn−X(X=Si、Al、Sn)を使用することができる。
また、上記実施形態では、化学蓄熱装置11により熱交換器3の熱交換部10を加熱しているが、特にそれには限られず、化学蓄熱装置11によりDOC4等の触媒を加熱してもよい。このとき、熱交換器3または触媒の周囲に配管を介して反応器12を配置してもよい。この場合には、配管が容器16の一部を構成することとなる。
また、本発明は、ディーゼルエンジンの排気系に設けられた加熱対象物以外にも、ガソリンエンジンの排気系に設けられた加熱対象物を加熱する化学蓄熱装置、或いはエンジンの排気系以外、例えばオイルの流通系等に設けられた加熱対象物を加熱する化学蓄熱装置にも適用可能である。
3…熱交換器(加熱対象物)、11…化学蓄熱装置、12…反応器、14…吸着器(貯蔵器)、16…容器、17…反応材、18…反応部、19…形状記憶材、20…断熱材。

Claims (4)

  1. 熱媒体が流通する加熱対象物を加熱する化学蓄熱装置において、
    前記加熱対象物に接触配置された反応器と、
    前記反応器と反応媒体を流通可能に接続され、前記反応媒体を貯蔵する貯蔵器とを備え、
    前記反応器は、前記反応媒体との化学反応により発熱すると共に蓄熱により前記反応媒体を脱離する反応材を含む反応部と、前記反応部を収容する容器とを有し、
    前記反応部は、前記反応材に混在され、変形しても復元温度以上になると元の形状に復元する機能を有する形状記憶材を更に含むことを特徴とする化学蓄熱装置。
  2. 前記形状記憶材の前記復元温度は、前記反応材から前記反応媒体が脱離する再生反応時に前記反応材が受ける温度以下に設定されていることを特徴とする請求項1記載の化学蓄熱装置。
  3. 前記形状記憶材は、形状記憶合金または形状記憶ポリマーであることを特徴とする請求項1または2記載の化学蓄熱装置。
  4. 前記反応器は、前記容器における前記加熱対象物と対向しない部分と前記反応部との間に配置された断熱材を更に有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の化学蓄熱装置。
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US11599166B2 (en) * 2020-07-16 2023-03-07 Lenovo (Singapore) Pte. Ltd. Shape-memory heat absorbers

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