JP2015081519A - 排気ガス浄化システム - Google Patents

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Hiroyasu Kawachi
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Abstract

【課題】排気ガスの温度が低い場合でも化学蓄熱装置の反応器から反応媒体を吸着器で回収できる排気ガス浄化システムを提供することを課題とする。【解決手段】エンジン2を駆動源とする車両に搭載され、エンジン2から排出される排気ガスが流れる箇所に配設される加熱対象(例えば、DOC4)を加熱する化学蓄熱装置8を備える排気ガス浄化システム1であって、イグニッションスイッチ14がOFFした場合でも吸着器10での反応媒体(例えば、アンモニア)の貯蔵量が閾値以下と判定したときにはエンジン停止条件(例えば、吸着器10での反応媒体の貯蔵量が閾値を超える条件、排気ガスの温度が所定温度以上の状態が所定時間以上継続する条件)を満たすまではエンジン2を停止させない。【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンを駆動源とする車両に搭載され、エンジンから排出される排気ガスが流れる箇所に配設される加熱対象を加熱する化学蓄熱装置を備える排気ガス浄化システムに関する。
車両の排気系には、エンジンから排出される排気ガスに含まれる環境汚染物質(HC、CO、NOx等)を浄化するために、触媒等が設けられている。触媒には、浄化能力を活性化するための最適温度(活性温度)が存在する。エンジン始動時は、排気ガスの温度が低く、触媒の活性温度に達するまでに時間を要する。そこで、エンジン始動時等の排気ガスの温度が低いときに触媒の活性温度まで短時間で温度上昇させるために、触媒を暖機するための加熱装置を設ける場合がある。この加熱装置としては、エネルギロス(燃費ロス)を低減して暖機を行うために、化学反応の反応熱を利用した化学蓄熱装置がある。特許文献1には、触媒コンバータ内に触媒担体に対して熱交換可能に設けられる第1のタンクが配設され、触媒コンバータ外に第2のタンクが配設され、第1タンクと第2のタンクとが連通路を介して連通可能であり、連通路には制御バルブが配設される触媒加熱装置が開示されている。この触媒加熱装置では、制御手段からの信号によって制御バルブを開閉制御し、触媒温度が活性温度より低い場合には制御バルブを開弁して第2のタンク内の水素ガスを第1のタンクに導入することにより第1のタンク内では第1の水素吸蔵合金が発熱し、触媒温度が活性温度まで高くなると制御バルブを一旦閉弁し、エンジンの運転時に触媒温度が定常温になると制御バルブを開弁して第1のタンク内の水素ガスを第2のタンクに導入し、第2のタンク内に水素ガスが十分に吸蔵されると閉弁する。
特開平4−347320号公報
化学蓄熱装置では、暖機後に、反応器に移動した反応媒体を排気ガスの熱で反応材から分離させ、反応媒体を吸着器で回収することで、連続的に使用可能としている。しかし、車両の運転条件によっては、排気ガスの温度が反応器で反応媒体が分離するほど高くならない場合がある。例えば、短距離走行した後に車両停止し、その所定時間後に再度短距離走行するような短距離走行を繰り返すような場合である。このよう場合、排気ガスの温度があまり上昇しないので、反応器において反応媒体が分離せず、吸着器で反応媒体を回収できない。そのため、次に化学蓄熱装置による暖機が必要なときに、吸着器から反応器に反応媒体を供給できないので、化学蓄熱装置による暖機ができない。特許文献1に記載の触媒加熱装置の場合、エンジンの運転が短期間で終了すると、触媒温度が活性温度や定常温にならないので、水素ガスを第2のタンクに回収できない。
そこで、本発明は、排気ガスの温度が低い場合でも化学蓄熱装置の反応器から反応媒体を吸着器で回収できる排気ガス浄化システムを提供することを課題とする。
本発明に係る排気ガス浄化システムは、エンジンを駆動源とする車両に搭載され、エンジンから排出される排気ガスが流れる箇所に配設される加熱対象を加熱する化学蓄熱装置を備える排気ガス浄化システムであって、化学蓄熱装置は、反応媒体を吸着材で吸着して貯蔵する吸着器と、吸着器から供給された反応媒体と化学反応して熱を発生させる反応材を収納する反応器と、吸着器と反応器とを接続する接続管と、接続管に設けられるバルブとを有し、イグニッションスイッチの状態を取得するイグニッション状態取得手段と、吸着器での反応媒体の貯蔵量を取得する反応媒体量取得手段と、イグニッション状態取得手段でイグニッションスイッチの状態としてOFFを取得した場合でも、反応媒体量取得手段で取得した反応媒体の貯蔵量が閾値以下と判定したときには、エンジン停止条件を満たすまではエンジンを停止させない制御手段とを備えることを特徴とする。
この排気ガス浄化システムでは、エンジンの始動直後などの排気ガスの温度が低いときに、加熱対象を加熱(暖機)するための化学蓄熱装置を備えている。この化学蓄熱装置は、吸着器と加熱対象を加熱可能な箇所に配置される反応器を備え、吸着器と反応器とが接続管によって接続されている。接続管は、バルブが配設されており、吸着器から反応器に反応媒体を供給や反応器から吸着器に反応媒体を回収する場合にバルブが開かれる。反応器では、吸着器から反応媒体が供給されると、反応材と反応媒体とが化学反応して熱を発生させ、加熱対象を加熱する。通常、エンジンが稼働していると、排気ガスの温度が上昇し、反応器が暖められて反応材と反応媒体とが分離する。吸着器では、この反応器から分離した反応媒体を回収し、吸着材で反応媒体を吸着して貯蔵する。しかし、エンジンの稼働時間が短いなどの車両の運転条件によっては、排気ガスの温度が十分に上昇していないときに、イグニッションスイッチがOFFされる場合がある。このイグニッションスイッチのOFFに応じてエンジンを直ちに停止すると、反応器では反応媒体が分離していないので、吸着器では反応媒体を回収できず、次回の暖機に必要な反応媒体を十分に貯蔵できない。
そこで、この排気ガス浄化システムでは、イグニッション状態取得手段によってイグニッションスイッチの状態(ON、OFFなど)を取得するとともに、反応媒体量取得手段によって吸着器での反応媒体の貯蔵量(吸着量)を取得する。そして、排気ガス浄化システムでは、制御手段によって、イグニッションスイッチの状態としてOFFを取得した場合でも、反応媒体の貯蔵量が閾値以下と判定したときにはエンジン停止条件を満たすまではエンジンを停止させず、エンジンの稼働を継続させる。イグニッションスイッチがOFFされても、吸着器の反応媒体の貯蔵量が少ない場合には、エンジンの稼働を所定期間継続させることにより、排気ガスの温度が上昇し、この温度が高くなった排気ガスによって反応器を加熱し、反応器で反応材と反応媒体とが分離する。吸着器では、この分離した反応媒体を回収でき、次回の暖機時に必要な反応媒体を十分に貯蔵できる。このように、この排気ガス浄化システムは、イグニッションスイッチがOFFされても吸着器の反応媒体の貯蔵量が少ない場合にはイグニッションスイッチのOFFに応じてエンジンを停止させないので、稼働が継続されるエンジンによって排気ガスの温度を上げて、吸着器で反応媒体の回収が可能となり、吸着器で反応媒体を十分に貯蔵できる。
本発明の上記排気ガス浄化システムでは、エンジン停止条件は、反応媒体量取得手段で取得した反応媒体の貯蔵量が閾値を超える条件である。吸着器での反応媒体の貯蔵量が閾値を超えて次回の暖機時に必要な反応媒体を十分に貯蔵できた場合、反応器から吸着器に反応媒体を十分に回収できているので、高温の排気ガスによって反応器を加熱する必要がなくなり、エンジンを稼働させておく必要もない。そこで、吸着器の反応媒体の貯蔵量が閾値を超えるという条件を、エンジン停止条件としている。
本発明の上記排気ガス浄化システムでは、エンジン停止条件は、排気ガスの温度が所定温度以上の状態が所定時間以上継続する条件である。イグニッションスイッチがOFFしても、エンジンの稼働を継続させて、排気ガスの温度が所定温度以上の状態が所定時間以上継続することにより、所定温度以上の排気ガスによって反応器で反応材と反応媒体とが分離し、吸着器でその分離した反応媒体を所定時間以上回収すると、次回の暖機時に必要な反応媒体を十分に貯蔵できる。所定温度は、反応器で反応材と反応媒体とが分離し、反応媒体を回収可能な温度である。所定時間は、吸着器で閾値以上の反応媒体を回収可能な時間である。反応器から吸着器に反応媒体を十分に回収できていると、高温の排気ガスによって反応器を加熱する必要がなくなり、エンジンを稼働させておく必要もない。そこで、排気ガスの温度が所定温度以上の状態が所定時間以上継続する条件を、エンジン停止条件としている。
本発明の上記排気ガス浄化システムでは、制御手段は、イグニッション状態取得手段でイグニッションスイッチの状態としてOFFを取得した場合でも反応媒体量取得手段で取得した反応媒体の貯蔵量が閾値以下と判定したときにはエンジン停止条件を満たすまでエンジンを停止させていない間に、エンジンへの燃料噴射量の増加制御を行うと好適である。エンジンで燃料噴射量が増加すると、エンジンの回転数が高くなり、排気ガスの温度が急速に上昇する。このように、排気ガス浄化システムは、イグニッションスイッチがOFFされてもエンジンを停止させないだけでなく、エンジンへの燃料噴射量の増加制御を行うことにより、排気ガスの温度を迅速に高くできる。その結果、反応器から吸着器への反応媒体の回収に要する時間を短くでき、イグニッションOFFした後にエンジンを停止させる期間を短くできる。
本発明の上記排気ガス浄化システムでは、排気ガス浄化システムは、酸化触媒を備え、加熱対象は、酸化触媒又は排気ガスが流れる方向において酸化触媒よりも下流側に配置される加熱対象であり、制御手段は、イグニッション状態取得手段でイグニッションスイッチの状態としてOFFを取得した場合でも反応媒体量取得手段で取得した反応媒体の貯蔵量が閾値以下と判定したときにはエンジン停止条件を満たすまでエンジンを停止させていない間に、酸化触媒を発熱させるための酸化触媒への燃料の添加制御を行うと好適である。
この排気ガス浄化システムは、排気ガスを浄化するための酸化触媒を備えており、この酸化触媒が加熱対象又は酸化触媒の下流側に加熱対象が配置されている。この酸化触媒に燃料を添加すると、酸化触媒内で燃料が燃焼して発熱する。この発熱により、酸化触媒内を流れる排気ガスの温度が急速に上昇する。このように、排気ガス浄化システムは、イグニッションスイッチがOFFされてもエンジンを停止させないだけでなく、酸化触媒への燃料の添加制御を行うことにより、排気ガスの温度を迅速に高くできる。その結果、上記と同様に、反応媒体の回収に要する時間を短くでき、エンジンを停止させる期間を短くできる。
本発明によれば、イグニッションスイッチがOFFされても吸着器の反応媒体の貯蔵量が少ない場合にはイグニッションスイッチのOFFに応じてエンジンを停止させないので、稼働が継続されるエンジンによって排気ガスの温度を上げて、吸着器で反応媒体の回収が可能となり、吸着器で反応媒体を十分に貯蔵できる。
本実施の形態に係る排気ガス浄化システムの概略構成図である。 吸着器の温度、圧力、アンモニア吸着量の関係を示すグラフであり、(a)が吸着器温度−アンモニア飽和蒸気圧の関係を示すグラフであり、(b)が相対圧力(=吸着器圧力/アンモニア飽和蒸気圧)−アンモニア吸着量の関係を示すグラフである。 図1の化学蓄熱装置に関連する動作の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明に係る排気ガス浄化システムの実施の形態を説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施の形態では、本発明を、エンジンを駆動源として搭載する車両の排気系に設けられる排気ガス浄化システムに適用する。本実施の形態に係る排気ガス浄化システムは、エンジン(特に、ディーゼルエンジン)から排出される排気ガス中に含まれる有害物質(環境汚染物質)を浄化するシステムである。本実施の形態に係る排気ガス浄化システムは、触媒のDOC[Diesel Oxidation Catalyst]、SCR[SelectiveCatalytic Reduction]とASC[Ammonia Slip Catalyst]及びフィルタのDPF[Diesel Particulate Filter]を備えている。また、本実施の形態に係る排気ガス浄化システムは、DOCを暖機するための化学蓄熱装置も備えている。
図1を参照して、本実施の形態に係る排気ガス浄化システム1の全体構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る排気ガス浄化システムの概略構成図である。
排気ガス浄化システム1は、エンジン2の排気側に接続された排気管3の上流側から下流側に向けて、ディーゼル酸化触媒(DOC)4、ディーゼル排気微粒子除去フィルタ(DPF)5、選択還元触媒(SCR)6、アンモニアスリップ触媒(ASC)7を有している。
DOC4は、排気ガス中に含まれるHCやCO等を酸化する触媒である。DPF5は、排気ガス中に含まれるPMを捕集して取り除くフィルタである。SCR6は、インジェクタ6aによって排気管3内の上流側にアンモニア(NH)あるいは尿素水(加水分解してアンモニアになる)が供給されると、アンモニアと排気ガス中に含まれるNOxとを化学反応させることによって、NOxを還元して浄化する触媒である。ASC7は、SCR6をすり抜けて下流側に流れたアンモニアを酸化する触媒である。
各触媒4,6,7には、環境汚染物質に対する浄化能力を発揮できる温度領域(すなわち、活性温度)が存在する。しかし、エンジン2の始動直後などは、エンジン2から排出された直後の排気ガスの温度は100℃程度と比較的低温である。そこで、エンジン2の始動直後などでも、各触媒4,6,7で浄化能力を発揮させるために、各触媒4,6,7での温度を迅速に活性温度にする必要がある。そのために、排気ガス浄化システム1は、触媒の暖機を行う化学蓄熱装置8も有している。
化学蓄熱装置8は、外部エネルギレスで触媒を暖機する化学蓄熱装置である。つまり、化学蓄熱装置8は、通常は排気ガスの熱(排熱)を蓄えておき、必要なときにその熱を使用して触媒を暖機する。特に、化学蓄熱装置8は、排気管3における上流に位置する触媒であるDOC4を外周部から暖機(加熱)する。上流で暖機することによって、暖機で昇温した排気ガスが下流の触媒(SCR6、ASC7)に流れる。化学蓄熱装置8は、反応器9、吸着器10、接続管11、バルブ12等を備えており、コントローラ13によって制御される。なお、本実施の形態では、DOC4が特許請求の範囲に記載する加熱対象に相当する。
反応器9は、DOC4の外周部の全周に設けられ、断面形状がDOC4を囲むドーナツ形状である。この断面ドーナツ形状の断面は、反応器9を排気ガスの流れる方向に対して垂直に切った流路断面である。反応器9は、アンモニア(反応媒体)と化学反応する反応材(蓄熱材)を有しており、この反応材がケーシングに収納されている。反応器9では、アンモニアと反応材とが化学反応して化学吸着(配位結合)し、熱を発生させる。また、反応器9では、所定温度以上になると反応材とアンモニアとが分離して、アンモニアを放出し、アンモニアの回収が可能となる。この所定温度(アンモニア回収可能温度)は、反応材とアンモニアとの組み合わせによって決まり、反応器9の反応材と吸着器10に貯蔵されるアンモニアから予め設定される。
反応材は、DOC4の外周面の全周に接するように配設される。反応材の排気ガスの流れる方向の長さは、DOC4の長さよりも長く、DOC4の全体を外周部で覆う十分な長さを有している。反応材としては、アンモニアと化学反応して発熱し、DOC4の活性温度以上に昇温できる材料を用い、例えば、2価の塩化物(MCl)、2価の臭化物(MBr)、2価のヨウ化物(MI)であり、MはMg、Ni、Co、Fe、Mn、Ca、Sr、Ba、Cu、Cr等が適している。ケーシングは、反応器9の外周側の全面及び反応器9の上流端部と下流端部の全面を覆うように配設され、DOC4の外周面との間で密閉された空間を形成し、その中に反応材を封入している。このように、反応材は密閉空間内に封入されているので、アンモニアと繰り返し化学反応できる。なお、反応材とケーシングとの間に、断熱材等を設けてもよい。
吸着器10は、アンモニアと物理吸着する吸着材としての活性炭が内蔵されている。吸着器10では、アンモニアを活性炭と物理吸着させた状態で貯蔵して、排気ガスの排熱(温まったアンモニア)を蓄えるとともに、アンモニアを活性炭から分離させてアンモニアを放出して、アンモニアを反応器9に供給する。なお、吸着材としては、活性炭に限られず、例えば、メソポーラスシリカ、メソポーラスカーボンやメソポーラスアルミナ等のメソ孔を有するメソポーラス材、または、ゼオライト、シリカゲルを用いてもよい。
図2を参照して、吸着器10の温度、圧力、アンモニア吸着量(アンモニア貯蔵量)の関係について説明する。図2は、吸着器の温度、圧力、アンモニア吸着量の関係を示すグラフであり、(a)が吸着器温度−アンモニア飽和蒸気圧の関係を示すグラフであり、(b)が相対圧力(=吸着器圧力/アンモニア飽和蒸気圧)−アンモニア吸着量の関係を示すグラフである。吸着器10内の温度とアンモニア飽和蒸気圧とは、図2(a)に示すような温度が高くなるとアンモニア飽和蒸気圧が高くなるアンモニア飽和蒸気圧曲線C1で示す関係がある。したがって、このアンモニア飽和蒸気圧曲線C1を参照して、吸着器10内の温度から吸着器10内のアンモニア飽和蒸気圧を求めることができる。また、吸着器10内の相対圧力(=吸着器10内の圧力/吸着器10内のアンモニア飽和蒸気圧)とアンモニア吸着量とは、図2(b)に示すような相対圧力が高くなるとアンモニア吸着量(アンモニア貯蔵量)が増加するアンモニア吸着量曲線C2で示す関係がある。したがって、このアンモニア吸着量曲線C2を参照して、相対圧力から吸着器10内のアンモニア吸着量を求めることができる。この2つの関係から、吸着器10内の温度と圧力を取得できると、吸着器10内の温度からアンモニア飽和蒸気圧を求め、このアンモニア飽和蒸気圧と吸着器10内の圧力から相対圧力を算出し、この相対圧力からアンモニア吸着量を求めることができる。このように、吸着器10内の温度と圧力からアンモニア吸着量を推定できる。
接続管11は、反応器9と吸着器10とを接続し、反応器9と吸着器10との間でアンモニアを移動させる管路である。バルブ12は、接続管11の途中に配設される。バルブ12が開弁されると、接続管11を介して反応器9と吸着器10との間でアンモニアの移動が可能となる。バルブ12の開閉制御は、コントローラ13で行われる。バルブ12は、電磁式のバルブであり、電流を流したときにバルブが開くタイプとする。なお、バルブ12は、電磁式以外のバルブでもよい。
なお、反応器9の反応材の量と吸着器10で貯蔵されるアンモニアの量は、適宜最適な量が設定される。圧力差だけでアンモニアを供給する場合、反応器9での化学反応による発熱量は平衡吸着圧に応じて供給できるアンモニアの量(吸着器10で貯蔵されるアンモニアの量よりも少ない量)と反応材の量によって決まり、その発熱量に応じてDOC4を昇温できる温度上昇分が決まる。この場合、DOC4の活性温度からその昇温できる温度上昇分を引いた温度が、DOC4の温度を活性温度まで昇温するために必要な下限温度になる。したがって、この下限温度よりも低い温度で吸着器10から反応器9へのアンモニアの供給を開始すると、平衡吸着圧になるまでアンモニアが反応器9に供給され、その供給されたアンモニアの量に応じて化学反応して発熱しても、DOC4の温度は活性温度まで上がらない。したがって、排気ガスの温度がこの下限温度になってから、吸着器10から反応器9へのアンモニアの供給を開始(暖機を開始)する必要がある。この下限温度(暖機開始温度)については、DOC4の活性温度、化学蓄熱装置8における平衡吸着圧に応じて移動できるアンモニアの量及び反応材の量などから算出することができ、予め設定される。次回の暖機において上記の反応器9での化学反応による発熱量を得るためには、反応器9による暖機が終わる毎に、反応器9から吸着器10にアンモニアが十分に回収されて貯蔵されている必要がある。この吸着器10での最低限必要な下限貯蔵量は、アンモニアの最大貯蔵量などに基づいて、予め設定される。
コントローラ13は、CPU[CentralProcessing Unit]、ROM[ReadOnly Memory]、RAM[Random Access Memory]などからなり、化学蓄熱装置8を制御する電子制御ユニットである。コントローラ13は、イグニッションスイッチ14、温度センサ15,17,18、圧力センサ16が接続されており、これらのスイッチ及び各センサから制御に必要な情報を取得する。また、コントローラ13は、バルブ12やエンジンECU[Electronic Control Unit]19が接続されており、取得した情報に基づいて化学蓄熱装置8を制御するための各処理を行い、必要に応じてバルブ12の開閉制御やエンジンECU19に対する指令出力を行う。コントローラ13での具体的な処理について説明する前に、イグニッションスイッチ14、温度センサ15,17,18、圧力センサ16、エンジンECU19について説明しておく。なお、本実施の形態では、コントローラ13及びエンジンECU19が特許請求の範囲に記載する制御手段に相当し、イグニッションスイッチ14及びコントローラ13が特許請求の範囲に記載するイグニッション状態取得手段に相当し、温度センサ15、圧力センサ16及びコントローラ13が特許請求の範囲に記載する反応媒体量取得手段に相当する。
イグニッションスイッチ14は、エンジン2を始動/停止等するためのスイッチであり、車両の運転者がOFF、アクセサリON、イグニッションON、エンジン始動のいずれかのモードを選択するためのスイッチである。イグニッションスイッチ14では、その選択されているスイッチ情報をイグニッション信号としてコントローラ13に送信する。
温度センサ15は、吸着器10内の温度を検出するセンサである。温度センサ15では、一定時間毎に、吸着器10内の温度を検出し、その検出した温度を吸着器温度信号としてコントローラ13に送信する。圧力センサ16は、吸着器10内の圧力を検出するセンサである。圧力センサ16では、一定時間毎に、吸着器10内の圧力を検出し、その検出した圧力を吸着器圧力信号としてコントローラ13に送信する。
温度センサ17は、DOC4の上流側の排気管3内を流れる排気ガスの温度を検出するセンサである。温度センサ17では、一定時間毎に、DOC4の上流側の排気ガスの温度を検出し、その検出した温度をDOC上流側温度信号としてコントローラ13に送信する。温度センサ18は、DOC4の下流側の排気管3内を流れる排気ガスの温度を検出するセンサである。温度センサ18では、一定時間毎に、DOC4の下流側の排気ガスの温度を検出し、その検出した温度をDOC下流側温度信号としてコントローラ13に送信する。
エンジンECU19は、CPU、ROM、RAMなどからなり、エンジン2を制御する電子制御ユニットである。エンジンECU19は、エンジン2を制御するために周知のエンジン2の始動/停止制御、燃料噴射制御などを行う。特に、エンジンECU19は、コントローラ13からの指令に応じてエンジン2に対する制御を行う。エンジンECU19では、コントローラ13から排気ガス暖機制御指令信号を受信すると、イグニッションOFFでもエンジン2を停止せずに、排気ガス暖機制御指令信号に示されるアンモニア回収可能温度以上に排気ガスの温度が上昇するように燃料噴射量の増加制御を行う。この制御では、例えば、排気ガス温度を各目標温度まで上昇させるために必要な燃料噴射量を規定したマップを用いて、マップからアンモニア回収可能温度に応じた燃料噴射量を抽出し、その燃料噴射量になるように燃料噴射制御を行う。また、エンジンECU19では、コントローラ13からエンジン停止指令信号を受信すると、エンジン2を停止させる。
それでは、コントローラ13での具体的な処理について説明する。コントローラ13では、エンジン2の始動開始後(エンジン2が稼働中)、温度センサ17の上流側温度信号に示されるDOC4の上流側の温度が暖機開始温度より高くなったか否かを判定する。コントローラ13では、DOC4の上流側温度が暖機開始温度より高くなったと判定すると、バルブ12を開くための電流の供給を開始する。これによって、バルブ12が開くので、接続管11でのアンモニアの移動(吸着器10から反応器9へのアンモニア供給、吸着器10での反応器9からのアンモニア回収)が可能となる。
バルブ12への通電中に、コントローラ13では、イグニッションスイッチ14からのイグニッション信号に示されるイグニッションスイッチ14の状態としてOFFになったか否かを判定する。
コントローラ13では、イグニッションスイッチ14がOFFになったと判定すると、温度センサ15からの吸着器温度信号に示される吸着器10内の温度を用いて、アンモニア飽和蒸気曲線を参照してアンモニア飽和蒸気圧を求める。そして、コントローラ13では、圧力センサ16からの吸着器圧力信号に示される吸着器10内の圧力をアンモニア飽和蒸気圧で除算して相対圧力を算出する。さらに、コントローラ13では、この相対圧力を用いて、アンモニア吸着量曲線を参照して吸着器10内でのアンモニア吸着量を求める。そして、コントローラ13では、そのアンモニア吸着量(アンモニア貯蔵量)が下限貯蔵量より多いか否かを判定する。
コントローラ13では、アンモニア吸着量(アンモニア貯蔵量)が下限貯蔵量以下と判定すると、排気ガス(ひいては、反応器9)を暖機するためにエンジンECU19に排気ガス暖機制御指令信号を送信する。この暖機制御指令信号には、エンジン2の稼働を継続させる指令(エンジン2を停止させない指令)と排気ガスの温度をアンモニア回収可能温度より高くする指令が含まれる。そして、コントローラ13では、温度センサ18の下流側温度信号に示されるDOC4の下流側の温度がアンモニア回収可能温度より高くなったか否かを判定する。コントローラ13では、DOC4の下流側温度がアンモニア回収可能温度より高くなったと判定すると、再度、温度センサ15からの吸着器温度信号に示される温度と圧力センサ16からの吸着器圧力信号に示される吸着器10内の圧力からアンモニア吸着量を求め、アンモニア吸着量(アンモニア貯蔵量)が下限貯蔵量より多いか否かを判定する。一方、コントローラ13では、DOC4の下流側温度がアンモニア回収可能温度以下と判定すると、エンジンECU19に排気ガス暖機制御指令信号を送信し続ける。
コントローラ13では、アンモニア吸着量(アンモニア貯蔵量)が下限貯蔵量より多くなったと判定すると、バルブ12を閉じるためにバルブ12への電流の供給を停止する。これによって、バルブ12が閉じるので、接続管11でのアンモニアの移動が不可となる。また、コントローラ13では、エンジン2を停止させるためにエンジンECU19にエンジン停止指令信号を送信する。
以上のように構成した排気ガス浄化システム1における化学蓄熱装置8に関連する動作を図3のフローチャートに沿って説明する。図3は、化学蓄熱装置に関連する動作の流れを示すフローチャートである。
イグニッションスイッチ14がOFFで車両停止中(エンジン2が停止中)は、バルブ12には電流が供給されず、バルブ12は閉じられている。したがって、吸着器10において活性炭からアンモニアが分離していても、接続管11を介してアンモニアが反応器9に供給されない。
車両の運転者によってイグニッションスイッチ14がONされ(S1)、エンジン2が始動される(S2)。エンジン2の始動直後、まだ、バルブ12は閉じられている(S3)。エンジン2の始動直後は、通常、排気ガスの温度が低いが、エンジン2の始動後から排気ガスの温度が上昇し始める。
コントローラ13では、温度センサ17の上流側温度信号に基づいて、DOC4の上流側排気ガス温度が暖機開始温度より高くなったか否かを判定する(S4)。S4にてDOC4の上流側排気ガス温度が暖機開始温度以下と判定した場合、コントローラ13では、バルブ12へ電流を供給せず(S3)、一定時間後にDOC4の上流側排気ガス温度が暖機開始温度より高くなったか否かを再度判定する(S4)。したがって、バルブ12は、閉じられたままである(S3)。S4にてDOC4の上流側排気ガス温度が暖機開始温度より高くなったと判定した場合、コントローラ13では、バルブ12への電流の供給を開始する(S5)。バルブ12は、供給された電流が流れると、開く(S5)。これによって、接続管11でのアンモニアの移動が可能となる。このとき、吸着器10内の圧力が反応器9内の圧力よりも高く、アンモニアが反応器9側に移動し、接続管11内を流れる。そして、接続管11内を流れるアンモニアが、反応器9に供給される。反応器9では、この供給されたアンモニアにより、アンモニアと反応材とが化学反応して化学吸着し、熱を発生する。この熱は、DOC4の外周部を介してDOC4に伝わり、伝熱効果によってDOC4の内部にまで伝わる。DOC4全体が加熱され、DOC4が迅速に昇温する。そして、DOC4の温度が活性温度以上になると、DOC4で排気ガスを浄化できる。
エンジン2の稼働がある程度継続し、エンジン2から排出された排気ガスの温度が高くなると(特に、アンモニア回収可能温度より高くなると)、反応器9では、アンモニアと反応材とが分離し、アンモニアが発生する。この際、バルブ12は開いているので、反応器9内の圧力が吸着器10内の圧力よりも高くなると、アンモニアが吸着器10側に移動し、接続管11内を流れる。そして、接続管11内を流れるアンモニアが、吸着器10で回収される。吸着器10では、活性炭でアンモニアを吸着して貯蔵する。しかし、エンジン2の稼働が短いと、エンジン2から排出された排気ガスの温度がそれほど高くならず、反応器9では、アンモニアと反応材とが分離せず、アンモニアが発生しない。したがって、アンモニアが吸着器10側に移動することはなく、アンモニアが吸着器10で回収されない。
バルブ12への通電中に、コントローラ13では、イグニッションスイッチ14からのイグニッション信号に基づいて、イグニッションスイッチ14がOFFしたか否かを判定する(S6)。S6にてイグニッションスイッチ14がONと判定した場合、コントローラ13では、一定時間後に、イグニッションスイッチ14がOFFしたか否かを再度判定する(S6)。
S6にてイグニッションスイッチ14がOFFしたと判定した場合、コントローラ13では、温度センサ15からの吸着器温度信号に示される吸着器10内の温度と圧力センサ16からの吸着器圧力信号に示される吸着器10内の圧力から吸着器10内のアンモニア吸着量を推定する。そして、コントローラ13では、そのアンモニア吸着量(アンモニア貯蔵量)が下限貯蔵量より多いか否かを判定する(S7)。
S7にてアンモニア吸着量が下限貯蔵量以下と判定した場合、コントローラ13では、エンジンECU19に排気ガス暖機制御指令信号を送信する(S8)。エンジンECU19では、この排気ガス暖機制御指令信号を受信すると、イグニッションスイッチ14がOFFでもエンジン2の稼働を継続させる(エンジン2を停止させない)。また、エンジンECU19では、排気ガスの温度が排気ガス暖機制御指令信号に示されるアンモニア回収可能温度以上になるように、稼働中のエンジン2に対して燃料噴射量の増加制御を行う(S9)。これによって、エンジン2への燃料噴射量が増加し(S9)、エンジン2の回転数が高くなり、エンジン2から排出される排気ガスの温度が急速に上昇する。この排気ガスの温度がアンモニア回収可能温度よりも高くなると、反応器9では、アンモニアと反応材とが分離し、アンモニアが発生する。このとき、バルブ12は開いているので、反応器9内の圧力が吸着器10内の圧力よりも高くなると、アンモニアが吸着器10側に移動でき、吸着器10では活性炭でアンモニアを吸着して貯蔵できる。そして、吸着器10でのアンモニア貯蔵量が増加していく。
エンジン2による排気ガスの暖機中(ひいては、反応器9の暖機中)、コントローラ13では、温度センサ18の下流側温度信号に基づいて、DOC4の下流側排気ガス温度がアンモニア回収可能温度より高くなったか否かを判定する(S10)。S10にてDOC4の下流側排気ガス温度がアンモニア回収可能温度以下と判定した場合、コントローラ13では、エンジンECU19への排気ガス暖機制御指令信号の送信を継続する(S8)。これによって、上記と同様に、エンジンECU19での制御が継続し、エンジン2による暖機が継続する。一方、S10にてDOC4の下流側排気ガス温度がアンモニア回収可能温度より高くなったと判定した場合、コントローラ13では、吸着器10内の温度と圧力からアンモニア吸着量を推定し、アンモニア吸着量(アンモニア貯蔵量)が下限貯蔵量より多いか否かを判定する(S7)。このS7でもアンモニア吸着量が下限貯蔵量以下と判定した場合、コントローラ13では、エンジンECU19への排気ガス暖機制御指令信号の送信を継続する(S8)。これによって、上記と同様に、エンジンECU19での制御が継続し、エンジン2による暖機が継続する。
S7にてアンモニア吸着量が下限貯蔵量より多くなったと判定した場合、コントローラ13では、バルブ12への電流の供給を停止する(S11)。バルブ12では、電流が供給されなくなると、閉じる(S11)。これによって、接続管11でのアンモニアの移動が不可となり、吸着器10でのアンモニアの回収が終了する。また、コントローラ13では、エンジンECU19にエンジン停止指令信号を送信する(S12)。エンジンECU19では、このエンジン停止指令信号を受信すると、エンジン2を停止させる(S13)。これによって、エンジン2が停止する(S13)。
この排気ガス浄化システム1によれば、イグニッションスイッチ14がOFFされても吸着器10でのアンモニアの貯蔵量が少ない場合にはイグニッションスイッチ14のOFFに応じてエンジン2を直ちに停止させないので、稼働が継続されるエンジン2によって排気ガスの温度を上げて、吸着器10でのアンモニアの回収が可能となり、吸着器10でアンモニアを十分に貯蔵できる。その結果、次にDOC4の暖機が必要なときに、吸着器10から反応器9へアンモニアを十分に供給でき、反応器9による発熱でDOC4を暖機できる。
また、排気ガス浄化システム1によれば、イグニッションスイッチ14がOFFされてもエンジン2の稼働を継続させて、エンジン2への燃料噴射量の増加制御を行うことにより、排気ガスの温度を迅速に高くでき、反応器9から吸着器10へのアンモニアの回収に要する時間を短くでき、イグニッションスイッチ14がOFFした後にエンジン2を停止させる期間を短くできる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では触媒としてDOC、SCR及びASC、フィルタとしてDPFを備える排気ガス浄化システムに適用したが、他の様々な構成の排気ガス浄化システムに適用できる。また、車両もディーゼルエンジン車としたが、ガソリンエンジン車等にも適用できる。
また、本実施の形態ではコントローラとエンジンECUがあり、コントローラからエンジンECUに排気ガス暖機制御指令を出して、エンジンECUでエンジンに対する制御を行う構成としたが、コントローラの機能がエンジンECUに組み込まれてもよいし、あるいは、コントローラでエンジンに対する制御を直接行ってもよい。
また、本実施の形態ではDOCの上流側及び下流側に温度センサを設けて、この上流側及び下流側の排気ガス温度を用いて反応器側の温度をモニタする構成としたが、上流側及び下流側のどちらか一方に温度センサを設けて反応器側の温度をモニタする構成としてもよいし、あるいは、反応器に温度センサを設けて反応器側の温度をモニタする構成としてもよい。
また、本実施の形態では化学蓄熱装置の加熱対象として触媒のDOCとしたが、加熱対象としては他のものでよく、例えば、DOCより下流側のSCR等の他の触媒や、DOC等の触媒の上流側の排気管内に金属製のハニカム構造体等の高熱伝導性を有する部材からなる熱交換器を配置し、この熱交換器を加熱対象とすることも考えられる。また、本実施の形態では化学蓄熱装置における化学反応の反応媒体をアンモニアとしたが、二酸化炭素、アルコール、水等の他の媒体でもよい。また、本実施の形態では反応器をDOCの外周部の全周に設ける構成としたが、加熱対象の全周に設けない構成でもよいし、また、加熱対象の外周部以外に設ける構成でもよい。
また、本実施の形態ではエンジン停止条件を吸着器でのアンモニア吸着量が閾値(下限貯蔵量)を超えることを条件としたが、排気管内を流れる排気ガスの温度が所定温度(アンモニア回収可能温度)以上の状態が所定時間以上継続することをエンジン停止条件としてもよい。
また、本実施の形態ではイグニッションスイッチがOFFしてもエンジンを停止させていない間にエンジンへの燃料噴射量の増加制御を行って排気ガス温度を迅速に上昇させる構成としたが、DOC又はDOCの下流側に配置された触媒等を加熱対象とした場合、DOCを発熱させるためにエンジンの排気工程中の燃焼室内の排気ガスに燃料を噴射する、または、DOCの上流側の排気管に燃料供給手段を設け、その燃料供給手段によって排気管内の排気ガスに燃料を供給することでDOCへの燃料の添加制御を行ってDOCにより燃焼を燃焼させることで排気ガス温度を迅速に上昇させる構成としてもよいし、より迅速に排気ガスの温度を上げるために、エンジンへの燃料噴射量の増加制御とDOCへの燃料の添加制御の両方を行ってもよいし、あるいは、これらの各制御を行わないで、エンジンを停止させないだけでもよい。なお、DPFは、捕捉したPMが溜まると、目詰まりを起こして機能が低下する。そこで、DPFにPMが溜まると、PM再生を行う。このPM再生を行うために、DOCに燃料(軽油)を添加する機能を備えており、DOC内に燃料を添加し、DOC内で燃焼させて発熱させることができる。この発熱量は非常に大きく(通常走行の5〜7倍程度)、排気ガスの温度が600〜700℃程度まで上昇する。
1…排気ガス浄化システム、2…エンジン、3…排気管、4…ディーゼル酸化触媒(DOC)、5…ディーゼル排気微粒子除去フィルタ(DPF)、6…選択還元触媒(SCR)、6a…インジェクタ、7…アンモニアスリップ触媒(ASC)、8…化学蓄熱装置、9…反応器、10…吸着器、11…接続管、12…バルブ、13…コントローラ、14…イグニッションスイッチ、15,17,18…温度センサ、16…圧力センサ、19…エンジンECU。

Claims (5)

  1. エンジンを駆動源とする車両に搭載され、前記エンジンから排出される排気ガスが流れる箇所に配設される加熱対象を加熱する化学蓄熱装置を備える排気ガス浄化システムであって、
    前記化学蓄熱装置は、反応媒体を吸着材で吸着して貯蔵する吸着器と、前記吸着器から供給された反応媒体と化学反応して熱を発生させる反応材を収納する反応器と、前記吸着器と前記反応器とを接続する接続管と、前記接続管に設けられるバルブとを有し、
    イグニッションスイッチの状態を取得するイグニッション状態取得手段と、
    前記吸着器での反応媒体の貯蔵量を取得する反応媒体量取得手段と、
    前記イグニッション状態取得手段でイグニッションスイッチの状態としてOFFを取得した場合でも、前記反応媒体量取得手段で取得した反応媒体の貯蔵量が閾値以下と判定したときには、エンジン停止条件を満たすまでは前記エンジンを停止させない制御手段と、
    を備えることを特徴とする排気ガス浄化システム。
  2. 前記エンジン停止条件は、前記反応媒体量取得手段で取得した反応媒体の貯蔵量が閾値を超える条件であることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化システム。
  3. 前記エンジン停止条件は、排気ガスの温度が所定温度以上の状態が所定時間以上継続する条件であることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化システム。
  4. 前記制御手段は、前記イグニッション状態取得手段でイグニッションスイッチの状態としてOFFを取得した場合でも前記反応媒体量取得手段で取得した反応媒体の貯蔵量が閾値以下と判定したときには前記エンジン停止条件を満たすまで前記エンジンを停止させていない間に、前記エンジンへの燃料噴射量の増加制御を行うことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の排気ガス浄化システム。
  5. 前記排気ガス浄化システムは、酸化触媒を備え、
    前記加熱対象は、前記酸化触媒又は排気ガスが流れる方向において前記酸化触媒よりも下流側に配置される加熱対象であり、
    前記制御手段は、前記イグニッション状態取得手段でイグニッションスイッチの状態としてOFFを取得した場合でも前記反応媒体量取得手段で取得した反応媒体の貯蔵量が閾値以下と判定したときには前記エンジン停止条件を満たすまで前記エンジンを停止させていない間に、前記酸化触媒を発熱させるための前記酸化触媒への燃料の添加制御を行うことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の排気ガス浄化システム。
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