JP2006274912A - エンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 排気後処理装置(28)の排気浄化機能を維持するため、排気後処理装置(28)の昇温或いは排気後処理装置(28)へのHCの供給を行う再生手段(42)と、エンジン(1)の運転中にイグニッションスイッチ(50)がオフにされたとき、排気後処理装置(28)の温度が所定温度以下に低下したと判断するまではエンジン(1)の運転を継続し、排気後処理装置(28)の温度が所定温度以下に低下したと判断するとエンジン(1)を停止させる制御手段(44)とを備える。
【選択図】 図1
Description
吸蔵型NOx触媒は、排気中の酸素濃度が高い、いわゆる排気空燃比がリーンの状態で排気中のNOxを吸蔵し、排気中の酸素濃度が低く還元剤濃度が高い、いわゆる排気空燃比がリッチの状態で吸蔵しているNOxを放出して還元することにより、排気中のNOxを浄化するものである。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、昇温或いはHCの供給により排気浄化機能を維持するようにした排気後処理装置を有するエンジンの停止の際に、排気後処理装置の熱劣化が生じないようにしたエンジンの制御装置を提供することにある。
更に請求項2のエンジンの制御装置において、前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出された前記排気後処理装置の温度が所定温度以下である状態が所定時間継続すると、前記排気後処理装置の温度が所定温度以下に低下したと判断することを特徴とする(請求項3)。
更に、請求項4のエンジンの制御装置において、前記排気後処理装置の温度を検出する温度検出手段を更に備え、前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出された前記排気後処理装置の温度が所定温度以下であるときには、前記イグニッションスイッチがオフにされると直ちにエンジンを停止することを特徴とする(請求項5)。
また、これらのエンジンの制御装置において、前記制御手段は、前記イグニッションスイッチがオフにされても前記エンジンの運転を継続するときは、エンジンが停止していない旨を報知することを特徴とする(請求項8)。
図1は、本発明の第1実施形態に係る制御装置が適用される4気筒のディーゼルエンジン(以下、エンジンという)のシステム構成図を示しており、図1に基づき第1実施形態の制御装置の構成を説明する。
エンジン1は各気筒共通の高圧蓄圧室(以下コモンレールという)2を備えており、コモンレール2に蓄えられた高圧の燃料である軽油を、各気筒に設けられたインジェクタ4に供給し、各インジェクタ4からそれぞれの気筒内に軽油が噴射される。
排気管20はターボチャージャ8のタービン8bを経た後、排気絞り弁26を介して排気後処理装置28に接続されている。また、タービン8bはコンプレッサ8aと連結されており、排気管20内を流動する排気を受けてコンプレッサ8aを駆動する。
この吸蔵型NOx触媒30は、排気空燃比がリーンであるときに排気中のNOxを吸蔵し、排気空燃比がリッチであるときに、吸蔵しているNOxを放出して還元する機能を有している。また、フィルタ32は、ハニカム型のセラミック担体からなり、上流側と下流側とを連通する通路が多数並設されると共に、通路の上流側開口と下流側開口とが交互に閉鎖されている。
ECU44の入力側には、各種制御に必要な情報を収集するため、上述した吸気流量センサ16、触媒温度センサ34、上流圧力センサ36、下流圧力センサ38、及びフィルタ温度センサ40のほか、エンジン回転数を検出する回転数センサ46、及びアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ48などの各種センサ類やエンジン1の始動と停止を行うために運転者によって操作されるイグニッションスイッチ50が接続されており、出力側には演算した制御量に基づき制御が行われる各気筒のインジェクタ4、吸気制御弁12、EGR弁22、排気絞り弁26、及び燃料添加弁42などの各種デバイス類が接続されている。
パティキュレートの浄化については、燃料添加弁42から排気管20内に燃料を噴射することにより、吸蔵型NOx触媒30にHCを供給し、吸蔵型NOx触媒30でのHCの酸化反応によって温度の上昇した高温ガスをフィルタ32内に流入させ、フィルタ32に捕集されて堆積したパティキュレートを焼却してフィルタ32から除去する。
一方、NOxの浄化については、エンジン1のリーン運転により吸蔵型NOx触媒30にNOxを吸蔵させて、ある程度NOxが吸蔵型NOx触媒30に吸蔵された後、燃料添加弁42から排気管20内に軽油を噴射して排気空燃比をリッチ化する。そして、吸蔵型NOx触媒30では、このようにして空燃比がリッチ化された排気が供給されることにより、吸蔵されているNOxが放出されて還元され、吸蔵型NOx触媒30の吸蔵能力が回復する。吸蔵していたNOxの放出及び還元によって吸蔵型NOx触媒30の再生が完了すると、燃料添加弁42からの軽油の噴射を終了する。
また、エンジン1で用いられる燃料にはイオウ成分が含有されており、このイオウ成分が燃焼して生じるSOxが排気と共にエンジン1から排出される。エンジン1から排出されたSOxは吸蔵型NOx触媒30に吸蔵され、吸蔵型NOx触媒30のNOx吸蔵能力が低下する。そこで、吸蔵型NOx触媒30に吸蔵されたSOxを吸蔵型NOx触媒30から脱離させ、低下したNOx吸蔵機能を回復させる必要がある。吸蔵型NOx触媒30に吸蔵されたSOxは、吸蔵型NOx触媒30の温度を上昇させつつHCを供給することにより脱離させることが可能であり、燃料添加弁42から排気中への燃料の噴射により、吸蔵型NOx触媒30にHCを供給し、このHCの酸化反応によって吸蔵型NOx触媒30の温度を上昇させることにより吸蔵されているSOxの脱離を行う。
ところで、上述のようにして燃料添加弁42から燃料を排気中に供給することにより吸蔵型NOx触媒30やフィルタ32の再生を行っているとき、或いは再生を完了した直後は、吸蔵型NOx触媒30やフィルタ32が高温となっている。このような状態でイグニッションスイッチ50がオフにされることによりエンジン1が停止してしまうと、吸蔵型NOx触媒30やフィルタ32を通過する排気がなくなるため、エンジン1の運転中には排気によって持ち去られていた吸蔵型NOx触媒30やフィルタ32の熱が持ち去られなくなる。
そこで、このような問題を防止するために、図2に示すフローチャートに従い、ECU44によりエンジン停止制御が行われる。このフローチャートによる制御は、イグニッションスイッチ50がオンになってエンジン1の運転が開始されるとスタートし、次にイグニッションスイッチ50がオフにされた場合に備えるようになっている。
ステップS104では、イグニッションスイッチ50がオフにされてからの経過時間tを計測するタイマのカウントを開始し、次のステップS106に進む。
このように、吸蔵型NOx触媒30の温度Tcが所定温度Tset以下であると判定した場合には直ちにエンジン1を停止することにより、エンジン1を無駄に運転することがないようにしている。
このようにして、イグニッションスイッチ50がオフにされてからのエンジン1の運転継続時間が、触媒温度Tcに応じて設定された時間ts以上となることによって、排気後処理装置28の吸蔵型NOx触媒30やフィルタ32の温度が所定温度以下に低下したと判断するまでは、エンジン1の運転が継続されるので、その後エンジン1が停止しても吸蔵型NOx触媒30やフィルタ32が過昇温とならず、吸蔵型NOx触媒30やフィルタ32の熱劣化が防止される。
本発明の第2実施形態に係る制御装置は、エンジン停止制御の内容が上述した第1実施形態と相違するのみで、全体構成及び排気後処理装置28の再生制御は図1に示す第1実施形態と同様であり、その説明は省略する。また、エンジン停止制御の説明において、第1実施形態と同じ構成部材については同じ符号を用いて説明する。
ステップS204では、前述の第1実施形態のエンジン停止制御と同様に、車両が駐車状態にあるか否かを、パーキングブレーキの作動状態、変速ギヤ位置、及び車速などに基づき判定する。そして、車両が駐車状態にない場合には直ちにステップS206に進んでエンジン1を停止させる。この理由は前述の第1実施形態のエンジン停止制御と同じである。
このように、吸蔵型NOx触媒30の温度Tcが所定温度Tset以下であると判定した場合には直ちにエンジン1を停止することにより、エンジン1を無駄に運転することがないようにしている。
吸蔵型NOx触媒30やフィルタ32に実際に流入した排気流量は、吸気流量センサ16によって検出された吸気流量、各気筒へ供給された燃料量、触媒温度センサ34が検出した吸蔵型NOx触媒30の温度及び下流圧力センサ38が検出したフィルタ32下流側の排気圧力に基づき、ECU44が演算を行うことにより求められる。従って、ECU44は排気流量検出手段としても機能する。
本発明の第3実施形態に係る制御装置も、エンジン停止制御の内容が上述した第1実施形態及び第2実施形態と相違するのみで、全体構成及び排気後処理装置28の再生制御は図1に示す第1実施形態と同様であり、その説明は省略する。また、エンジン停止制御の説明において、第1実施形態と同じ構成部材については同じ符号を用いて説明する。
ステップS304では、前述の第1実施形態のエンジン停止制御と同様に、車両が駐車状態にあるか否かを、パーキングブレーキの作動状態、変速ギヤ位置、及び車速などに基づき判定する。そして、車両が駐車状態にない場合には直ちにステップS306に進んでエンジン1を停止させる。この理由は前述の第1実施形態のエンジン停止制御と同じである。
ステップS310で吸蔵型NOx触媒30の温度Tcが所定温度Tset以下であると判定した場合は、ステップS312に進み、カウンタの値nに1を加えたものを新たな値nとする。
ステップS316ではカウンタの値nを0にリセットし、次のステップS306でエンジン1を停止する。
これは、吸蔵型NOx触媒30の温度Tcが所定温度Tset以下になったとしても、風などの外部の影響によって一時的に吸蔵型NOx触媒30の温度Tcが低く検知された可能性があるためであり、このような場合を想定し、直ちにエンジン1を停止せずに吸蔵型NOx触媒30の温度Tcが所定温度Tset以下である状態が所定時間継続するとエンジン1を停止するようにしているのである。
このようにして、イグニッションスイッチ50がオフにされた後、吸蔵型NOx触媒30の温度Tcが所定温度Tset以下である状態が所定時間継続するまでは、エンジン1の運転が継続されるので、その後エンジン1が停止しても吸蔵型NOx触媒30やフィルタ32が過昇温とならず、吸蔵型NOx触媒30やフィルタ32の熱劣化が防止される。
ステップS318で吸蔵型NOx触媒30の温度Tcが所定温度Tsetより大であると判定した場合はステップS318の処理が繰り返される。また、ステップS318で吸蔵型NOx触媒30の温度Tcが所定温度Tset以下であると判定した場合は、ステップS320に進み、カウンタの値nに1を加えたものを新たな値nとする。なお、カウンタの値nは、前回の制御終了時に初期値0にリセットされており、今回の制御において、ステップS318で吸蔵型NOx触媒30の温度Tcが所定温度Tset以下であると判定されるたびに1ずつ値が増えていく。
ステップS324では次回の制御に備えてカウンタの値nを0にリセットし、図6のステップS306でエンジン1を停止する。
このように、イグニッションスイッチ50がオフにされた後、吸蔵型NOx触媒30の温度Tcが所定温度Tset以下である状態が所定回数確認されるまでは、エンジン1の運転が継続されるので、その後エンジン1が停止しても吸蔵型NOx触媒30やフィルタ32が過昇温とならず、吸蔵型NOx触媒30やフィルタ32の熱劣化が防止される。
例えば、上記各実施形態において、イグニッションスイッチ50がオフにされた後、エンジン1の運転を継続する場合には、イグニッションスイッチ50のオフにもかかわらずエンジン1が停止していない旨を、表示灯や音声などにより報知するようにしてもよい。
また、上記各実施形態において、イグニッションスイッチ50がオフにされた後、エンジン1の運転を継続する場合に、吸蔵型NOx触媒30の温度Tcに関わらずエンジン1を直ちに停止することができる緊急停止スイッチを設けるようにしてもよい。このような緊急停止スイッチを設けることにより、車両が駐車状態にあっても、何らかの要因でエンジン1を直ちに停止しなければならない事態となった場合に、緊急停止スイッチでエンジン1を停止することができる。
最後に、上記実施形態はディーゼルエンジンの排気浄化装置に本発明を適用したものであったが、エンジン形式はこれに限定されるものではなく、HCの供給或いは昇温により排気後処理装置の排気浄化機能を維持するようにしたエンジンであればどのようなものでも適用可能である。
20 排気管(排気通路)
28 排気後処理装置
30 吸蔵型NOx触媒
32 フィルタ(パティキュレートフィルタ)
34 触媒温度センサ(温度検出手段)
42 燃料添加弁(再生手段)
44 ECU(制御手段、排気流量検出手段)
50 イグニッションスイッチ
Claims (11)
- エンジンの排気通路に配置されて前記エンジンの排気の浄化を行う排気後処理装置と、 前記排気後処理装置の排気浄化機能を維持するため、前記排気後処理装置の昇温或いは前記排気後処理装置へのHCの供給を行う再生手段と、
前記エンジンの運転中にイグニッションスイッチがオフにされたとき、前記排気後処理装置の温度が所定温度以下に低下したと判断するまでは前記エンジンの運転を継続し、前記排気後処理装置の温度が所定温度以下に低下したと判断すると前記エンジンを停止させる制御手段と
を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。 - 前記排気後処理装置の温度を検出する温度検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記温度検出手段の検出値に基づき前記排気後処理装置の温度が所定温度以下に低下したことを判断することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。 - 前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出された前記排気後処理装置の温度が所定温度以下である状態が所定時間継続すると、前記排気後処理装置の温度が所定温度以下に低下したと判断することを特徴とする請求項2に記載のエンジンの制御装置。
- 前記制御手段は、前記イグニッションスイッチがオフになってから所定時間が経過したときに前記排気後処理装置の温度が所定温度以下に低下したと判断することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
- 前記排気後処理装置の温度を検出する温度検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出された前記排気後処理装置の温度が所定温度以下であるときには、前記イグニッションスイッチがオフにされると直ちにエンジンを停止することを特徴とする請求項4に記載のエンジンの制御装置。 - 前記排気後処理装置への排気流量を検出する排気流量検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記イグニッションスイッチがオフになった後に前記排気流量検出手段によって検出された排気流量の積算値が所定が所定量に達すると、前記排気後処理装置の温度が所定温度以下に低下したと判断することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。 - 前記排気後処理装置の温度を検出する温度検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出された前記排気後処理装置の温度が所定温度以下であるときには、前記イグニッションスイッチがオフにされると直ちにエンジンを停止することを特徴とする請求項6に記載のエンジンの制御装置。 - 前記制御手段は、前記イグニッションスイッチがオフにされても前記エンジンの運転を継続するときは、エンジンが停止していない旨を報知することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
- 前記排気後処理装置は、排気空燃比がリーンのときに排気中のNOxを吸蔵し、排気空燃比がリッチのときに吸蔵しているNOxを放出して還元する吸蔵型NOx触媒であり、
前記再生手段は、前記排気中にHCを供給することにより、前記吸蔵型NOx触媒に吸蔵されているNOxを放出させて還元することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のエンジンの制御装置。 - 前記排気後処理装置は、排気空燃比がリーンのときに排気中のNOxを吸蔵し、排気空燃比がリッチのときに吸蔵しているNOxを放出して還元する吸蔵型NOx触媒であり、
前記再生手段は、前記吸蔵型NOx触媒を昇温しつつHCを供給することにより、前記吸蔵型NOx触媒に吸着された硫黄酸化物を放出させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のエンジンの制御装置。 - 前記排気後処理装置は、排気中のパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタであり、
前記再生手段は、前記パティキュレートフィルタを昇温することにより、前記パティキュレートフィルタに捕集されたパティキュレートを焼却することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
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JP2015081519A (ja) * | 2013-10-21 | 2015-04-27 | 株式会社豊田自動織機 | 排気ガス浄化システム |
GB2527331A (en) * | 2014-06-18 | 2015-12-23 | Perkins Engines Co Ltd | A method for controlling an engine system |
JP7159876B2 (ja) | 2019-01-08 | 2022-10-25 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の排気浄化装置 |
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2005
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