JP2007154769A - 排気浄化装置 - Google Patents

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峰啓 村田
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Abstract

【課題】Sパージの際のNOx吸蔵触媒の熱劣化を防止しながら、効率良くNOxの浄化を行うことができる排気浄化装置を提供する。
【解決手段】NOx吸蔵触媒(44)の上流側の排気通路(20)に前段酸化触媒(28)を設けると共に、前段酸化触媒(28)の前後の排気通路(20)に連通し前段酸化触媒(28)をバイパスする排気バイパス通路(30)を設け、HC供給手段(52)から排気中にHC供給を行ってNOx吸蔵触媒(44)のSパージを行うときには、前段酸化触媒(28)を経由して排気をNOx吸蔵触媒(44)に流入させる一方、Sパージを行わない所定の運転状態では排気バイパス通路(30)を介して排気をNOx吸蔵触媒(44)に流入させる。
【選択図】図1

Description

本発明はエンジンの排気を浄化するための排気浄化装置に関し、特にNOx吸蔵触媒を備えた排気浄化装置に関する。
酸化雰囲気のときに排気中のNOx(窒素酸化物)を吸蔵し、還元雰囲気のときに吸蔵していた前記NOxを放出して還元するNOx吸蔵触媒をエンジンの排気通路に設け、排気中のNOxを浄化するようにした排気浄化装置が知られており、例えば特許文献1などに開示されている。
この特許文献1に開示された排気浄化装置では、NOx吸蔵触媒の上流側に前段酸化触媒が設けられており、この前段酸化触媒により排気中のNOが還元しやすいNOに転化されるようになっている。そして、エンジンの通常運転時には酸化雰囲気のもとでNOx吸蔵触媒が排気中のNOxを吸蔵していくが、このように排気中のNOxを吸蔵していく状態が長く継続すると、NOx吸蔵触媒のNOx吸蔵能力が飽和し、排気中のNOxがNOx吸蔵触媒に吸蔵されずにそのまま大気中に放出されるおそれがある。このようなNOx吸蔵能力の飽和を防止するため、所定時間ごとに排気中にHC(炭化水素)を供給して還元雰囲気とすることにより、NOx吸蔵触媒に吸蔵されているNOxを放出還元するようにしている。このとき、NOx吸蔵触媒の上流側の前段酸化触媒で排気中のHCが酸化されてNOxの放出還元のためのHCが不足するのを防止するため、NOxの放出還元を行う際にはHCを供給された排気が前段酸化触媒をバイパスするようにしている。
ところで、燃料中やエンジンの潤滑油中にはイオウ成分が含まれており、このイオウ成分がSOx(硫黄酸化物)となってエンジンの排気と共に排出される。このSOxもNOxと同様のメカニズムによりNOx吸蔵触媒に吸蔵され、SOxの吸蔵量増大と共にNOx吸蔵能力が低下する、いわゆるイオウ被毒が生じる。
そこで、このようなイオウ被毒の回復、即ちSパージを行うためには、NOx吸蔵触媒の温度を700℃前後に昇温すると共に、NOx吸蔵触媒に流入する排気を還元雰囲気とする必要があり、NOx吸蔵触媒を昇温して還元雰囲気とするために排気中にHCの供給が行われる。即ち、排気中に供給されたHCは、NOx吸蔵触媒上で排気中の酸素と反応することにより、酸化反応熱でNOx吸蔵触媒を昇温すると共に排気中の酸素をなくして還元雰囲気とする。
ところが、ディーゼルエンジンなどのようにリーン空燃比で運転されるエンジンでは排気中の酸素濃度が比較的高いため、連続的にHCを排気中に供給するのでは、このようにNOx吸蔵触媒の温度をSパージに適する温度に維持しながら還元雰囲気となるようにHCの供給量を制御することが困難であった。そこで、間欠的にHCの供給を行うことにより、NOx吸蔵触媒をSパージに適する温度に昇温しながら還元雰囲気とすることが知られている(例えば特許文献2)。
特開2002−188432号公報 特開2003−129830号公報
しかしながら、このように間欠的に排気中にHCを供給してNOx吸蔵触媒のSパージを行った場合、間欠的なHCの供給によりNOx吸蔵触媒では温度が上下に周期的に変動することになる。特にHCの反応が多く行われるNOx吸蔵触媒内前方では、この温度変動の振幅が大きくなり、NOx吸蔵触媒の後方に行くに従って、しだいに温度変動の振幅が小さくなっていく。
SパージをNOx吸蔵触媒内の全域にわたって行うために、NOx吸蔵触媒内の後方側でも温度が700℃前後となるようにHCを供給すると、このようにNOx吸蔵触媒内の前方側ほど温度変動の振幅が大きくなるため、NOx吸蔵触媒内の前方側では温度変動のピーク値は700℃を大きく超え、過昇温となってNOx吸蔵触媒が劣化してしまうという問題がある。
一方、このような問題を解消するために、NOx吸蔵触媒の上流側の排気通路に前段酸化触媒を設け、この前段酸化触媒を温度変動の緩衝材とすることにより、NOx吸蔵触媒における温度変動を低減させることが考えられる。一般的に酸化触媒はNOx吸蔵触媒に比べて耐熱性がある上、HCの反応もNOx吸蔵触媒よりは鈍いため、このようにNOx吸蔵触媒の上流側に前段酸化触媒を設けても、SパージのHC供給によって前段酸化触媒が劣化することはない。
しかしながら、このようにNOx吸蔵触媒の上流側に前段酸化触媒を設けると、NOx吸蔵触媒に吸蔵されているNOxを放出還元する際に供給されたHCが前段酸化触媒上で反応するため、HCが不足してNOx吸蔵触媒におけるNOxの放出及び還元が十分に行われなくなるという問題が生じる。前段酸化触媒で消費される分だけ余分にHCを供給すればこのような問題は解消されるが、燃費が悪化するという問題が生じる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、Sパージの際のNOx吸蔵触媒の熱劣化を防止しながら、効率良くNOxの浄化を行うことができる排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の排気浄化装置は、エンジンの排気通路に設けられ、酸化雰囲気のときに排気中のNOxを吸蔵し、還元雰囲気のときに吸蔵していた前記NOxを放出して還元するNOx吸蔵触媒と、前記NOx吸蔵触媒の上流側の排気通路に設けられた前段酸化触媒と、前記前段酸化触媒の前後の排気通路に連通し、前記前段酸化触媒をバイパスする排気バイパス通路と、前記エンジンの排気を前記前段酸化触媒側に流通させる第1の状態と、前記排気バイパス通路側に流通させる第2の状態とに切り換え可能な排気通路切換手段と、前記排気通路切換手段より上流側の排気中にHCを供給するHC供給手段と、前記HC供給手段からHC供給を行って前記NOx吸蔵触媒を昇温すると共に還元雰囲気とすることにより前記NOx吸蔵触媒のSパージを行い、前記Sパージを行うときに前記排気通路切換手段を前記第1の状態とする一方、前記Sパージを行わない所定の運転状態では前記排気通路切換手段を前記第2の状態とする制御手段とを備えたことを特徴とする(請求項1)。
このように構成された排気浄化装置によれば、前記HC供給手段からHC供給を行って前記NOx吸蔵触媒を昇温すると共に還元雰囲気とすることにより前記NOx吸蔵触媒のSパージを行うときに、制御手段が排気通路切換手段を第1の状態とすることにより、SパージのためにHC供給手段からHCが供給された排気は、前段酸化触媒を通過した後にNOx吸蔵触媒に流入する。一方、前記Sパージを行わない所定の運転状態では、制御手段が前記排気通路切換手段を前記第2の状態とすることにより、排気は前段酸化触媒をバイパスしてNOx吸蔵触媒に流入する。
このような排気浄化装置において、前記制御手段は、前記Sパージを行う際に、HC供給手段からのHC供給により前記NOx吸蔵触媒を間欠的に還元雰囲気とすると共に、前記NOx吸蔵触媒を還元雰囲気とするのに対応して前記排気通路切換手段を間欠的に前記第1の状態に切り換えることを特徴とする(請求項2)。
このように構成された排気浄化装置によれば、Sパージを行う際に、HC供給手段からのHC供給によりNOx吸蔵触媒を間欠的に還元雰囲気とするのに対応して、制御手段が排気通路切換手段を間欠的に第1の状態とすることにより、還元雰囲気とするためにHC供給手段からHCが供給された排気は、前段酸化触媒を通過した後にNOx吸蔵触媒に流入する。
また、前記排気浄化装置において、前記NOx吸蔵触媒の下流側の排気通路に、前記エンジンの排気中に含まれるパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタを更に備え、前記制御手段は、前記HC供給手段から排気中にHCを供給して前記パティキュレートフィルタの再生を行うときには、前記排気通路切換手段を前記第2の状態とすることを特徴とする(請求項3)。
このように構成された排気浄化装置によれば、HC供給手段から排気中にHCを供給してパティキュレートフィルタの再生を行うときには、制御手段が排気通路切換手段を第2の状態とすることにより、HCを供給された排気が前段酸化触媒をバイパスしてパティキュレートフィルタ上流側のNOx吸蔵触媒に流入する。
更に、前記排気浄化装置において、前記制御手段は、前記HC供給手段から排気中にHCを供給して前記NOx吸蔵触媒に吸蔵されているNOxを放出還元するときには、前記排気通路切換手段を前記第2の状態とすることを特徴とする(請求項4)。
このように構成された排気浄化装置によれば、HC供給手段から排気中にHCを供給してNOx吸蔵触媒に吸蔵されているNOxを放出還元するときには、制御手段が排気通路切換手段を第2の状態とすることにより、HCを供給された排気が前段酸化触媒をバイパスしてNOx吸蔵触媒に流入する。
本発明の排気浄化装置によれば、NOx吸蔵触媒のSパージを行うときにHC供給手段からHCが供給された排気は、前段酸化触媒を通過した後にNOx吸蔵触媒に流入するので、供給されたHCの酸化反応によって生じるNOx吸蔵触媒の温度変動を前段酸化触媒で緩衝することにより、NOx吸蔵触媒の熱劣化を防止しながらNOx吸蔵触媒のSパージを適正に行うことができる。そして、NOx吸蔵触媒のSパージを行わない所定運転状態では、排気は前段酸化触媒をバイパスしてNOx吸蔵触媒に流入するので、運転状態に応じて排気中にHCを供給しても、排気中のHCが前段酸化触媒で反応して無駄に消費されることがなくなり、燃費の悪化を防止することが可能となる。
また、請求項2の排気浄化装置によれば、HCの間欠的な供給によりNOx吸蔵触媒が還元雰囲気となるのに合わせてNOx吸蔵触媒の温度がピークに達するが、HCを供給された排気がこれに対応して間欠的に前段酸化触媒を通過してからNOx吸蔵触媒に流入するので、前段酸化触媒が緩衝材となってNOx吸蔵触媒の温度変動を抑制し、熱劣化を防止することが可能となる。また、Sパージ実行中でもNOx吸蔵触媒を還元雰囲気とするためのHC供給を行わない期間では、前段酸化触媒をバイパスして排気がNOx吸蔵触媒に供給されるので、NOx吸蔵触媒をSパージに必要な温度に維持するために供給されたHCを、前段酸化触媒で無駄に消費されることなくNOx吸蔵触媒に供給することが可能となり、燃費の悪化を防止することができる。
更に、請求項3の排気浄化装置によれば、NOx吸蔵触媒の下流側に排気中のパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタを有する場合に、パティキュレートフィルタの再生時にはHCを供給された排気が前段酸化触媒をバイパスする。従って、パティキュレートフィルタの再生のために排気中に供給されたHCが前段酸化触媒によって無駄に消費されて、パティキュレートフィルタ上流のNOx吸蔵触媒を昇温できずにパティキュレートフィルタを十分昇温できなかったり、余分なHCの供給により燃費が悪化するという問題を防止することが可能となる。
更にまた、請求項4の排気浄化装置によれば、HC供給手段から排気中にHCを供給してNOx吸蔵触媒に吸蔵されているNOxを放出還元するときには、HCを供給された排気が前段酸化触媒をバイパスしてNOx吸蔵触媒に流入するので、排気中のHCが前段酸化触媒で反応して無駄に消費されることがなくなり、NOxの放出還元を適正に行うと共に燃費の悪化を防止することが可能となる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の1実施形態に係る排気浄化装置が適用される4気筒のディーゼルエンジン(以下、エンジンという)のシステム構成図を示しており、図1に基づき本発明に係る排気浄化装置の構成を説明する。
エンジン1は各気筒共通の高圧蓄圧室(以下コモンレールという)2を備えており、燃料噴射ポンプ(図示せず)から供給されてコモンレール2に蓄えられた高圧の燃料である軽油が、各気筒に設けられたインジェクタ4に供給され、各インジェクタ4からそれぞれの気筒内に軽油が噴射される。
吸気通路6にはターボチャージャ8が装備されており、図示しないエアクリーナから吸入された吸気は、吸気通路6からターボチャージャ8のコンプレッサ8aへと流入し、コンプレッサ8aで過給された吸気はインタークーラ10及び吸気制御弁12を介して吸気マニホールド14に導入される。また、吸気通路6のコンプレッサ8aより上流側には、エンジン1への吸入空気流量を検出するための吸気流量センサ16が設けられている。
一方、エンジン1の各気筒から排気が排出される排気ポート(図示せず)は、排気マニホールド18を介して排気管(排気通路)20に接続されている。なお、排気マニホールド18と吸気マニホールド14との間には、EGR弁22を介して排気マニホールド18と吸気マニホールド14とを連通するEGR通路24が設けられている。
排気管20はターボチャージャ8のタービン8bを経た後、排気絞り弁26を介して前段酸化触媒28に接続されている。タービン8bの回転軸はコンプレッサ8aの回転軸と連結されており、タービン8bが排気管20内を流動する排気を受けてコンプレッサ8aを駆動する。
排気バイパス通路30は、前段酸化触媒28の前後の排気管20に連通して前段酸化触媒28をバイパスするように設けられており、前段酸化触媒28の上流側にある排気バイパス通路30と排気管20との接続部分には、図2に示すように排気バイパス通路30側を閉じて前段酸化触媒28側を開く第1位置(第1の状態)と、図3に示すように排気バイパス通路30側を開いて前段酸化触媒28側を閉じる第2位置(第2の状態)とに切り換え可能な排気通路切換弁(排気通路切換手段)32が設けられている。
この排気通路切換弁32には、図示しない負圧源から負圧を供給されて排気通路切換弁32を第1位置と第2位置との間で切り換え駆動する負圧アクチュエータ34が連結されている。
前段酸化触媒28下流側の排気管20と排気バイパス通路30との合流点より下流側には、排気後処理装置36が接続されている。この排気後処理装置36は、上流側ケーシング38と、上流側ケーシング38の下流側に連通路40で連通された下流側ケーシング42とで構成される。
上流側ケーシング38内には、NOx吸蔵触媒44が収容されると共に、NOx吸蔵触媒44の下流側にパティキュレートフィルタ(以下フィルタという)46が収容されている。
このNOx吸蔵触媒44は、流入する排気中の酸素濃度が高い酸化雰囲気にあるときに排気中のNOxを吸蔵し、流入する排気中の酸素濃度が低くHCやCO(一酸化炭素)等の還元成分が排気中に含まれる還元雰囲気にあるときに、吸蔵しているNOxを放出して還元する機能を有している。
また、フィルタ46はハニカム型のセラミック担体からなり、上流側と下流側とを連通する通路が多数並設されると共に、通路の上流側開口と下流側開口とが交互に閉鎖されており、排気中のパティキュレートを捕集することによりエンジン1の排気を浄化する。
NOx吸蔵触媒44へのNOx吸蔵量が限界量を超えて吸蔵されなくなった排気中のNOxはフィルタ46に流入し、フィルタ46に捕捉されて堆積したパティキュレートに対して酸化剤として作用することにより、パティキュレートを酸化してフィルタ46から除去し、フィルタ46を連続再生すると共にNとなって大気中に排出される。
上流側ケーシング38内には、NOx吸蔵触媒44の下流側に、NOx吸蔵触媒44の出口側排気温度Tcを検出する触媒温度センサ48が設けられている。
下流側ケーシング42内には、後段酸化触媒50が収容されている。後段酸化触媒50は、NOx吸蔵触媒44で浄化されずに排気中に残留するHCやCOを酸化するほか、後述するフィルタ46の強制再生でフィルタ46に吸着したHCが温度上昇によって離脱した場合にこのHCを酸化したり、フィルタ46の強制再生でパティキュレートが焼却される際に発生するCOを酸化し、COとして大気中に排出する機能などを有している。
ターボチャージャ8のタービン8bと排気絞り弁26との間の排気管20には、燃料噴射ポンプ(図示せず)から燃料が供給され、排気管20内の排気中に燃料を噴射する燃料添加弁(HC供給手段)52が設けられている。この燃料添加弁52からNOx吸蔵触媒44に流入する排気中に燃料を噴射することにより、NOx吸蔵触媒44を還元雰囲気とし、NOx吸蔵触媒44に吸蔵されているNOxが放出され還元される。
また、後述するフィルタ46の強制再生の際にも、フィルタ46の昇温のためにNOx吸蔵触媒44を昇温させる燃料を燃料添加弁52から排気中に噴射する。
ECU(制御手段)54は、エンジン1の運転制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、CPU、メモリ、タイマカウンタなどから構成され、様々な制御量の演算を行うと共に、その制御量に基づき各種デバイスの制御を行っている。
ECU54の入力側には、各種制御に必要な情報を収集するため、上述した吸気流量センサ16、触媒温度センサ48などの各種センサ類が接続されており、出力側には演算した制御量に基づき制御が行われる各気筒のインジェクタ4、吸気制御弁12、EGR弁22、排気絞り弁26、負圧アクチュエータ34、及び燃料添加弁52などの各種デバイス類が接続されている。
エンジン1の各気筒への燃料供給量の演算、及び演算した燃料供給量に基づくインジェクタ4からの燃料供給制御もECU54によって行われる。エンジン1の運転に必要な燃料供給量(主噴射量)は、図示しない回転数センサによって検出されたエンジン回転数と図示しないアクセル開度センサによって検出されたアクセル開度とに基づき、予め記憶しているマップから読み出して決定する。各気筒に供給される燃料の量は、インジェクタ4の開弁時間によって調整され、決定された燃料量に対応した駆動時間で各インジェクタ4が開弁駆動され、各気筒に主噴射が行われることにより、エンジン1の運転に必要な燃料量が供給される。
またECU54は、フィルタ46を強制再生するための制御も行う。フィルタ46に堆積したパティキュレートは、前述したようにNOx吸蔵触媒44を通過してフィルタ46に流入するNOとの反応による連続再生によって酸化除去されるが、このような連続再生だけでは、堆積したパティキュレートが十分に酸化除去されない場合がある。このような状態が継続すると、フィルタ46内にパティキュレートが過剰に堆積し、フィルタ46が目詰まりを起こすおそれがあるため、フィルタ46におけるパティキュレートの堆積状況に応じて、適宜フィルタ46の強制再生が行われる。
フィルタ46におけるパティキュレートの堆積量は、例えば図示しない圧力センサで検出したフィルタ46前後の圧力差や吸気流量センサ16の検出値などに基づき推定し、フィルタ46へのパティキュレート堆積量が所定量に達したと判断すると、強制再生の制御が開始される。
この強制再生制御では、吸気制御弁12や排気絞り弁26を閉方向に制御することにより排気温度を上昇させると共に、燃料添加弁52から排気中に燃料を噴射して、パティキュレートを焼却可能な温度までフィルタ46を昇温する。
このとき、排気通路切換弁32は図3に示す第2位置とされており、燃料添加弁52によって排気中に供給されたHCは、排気バイパス通路30を通ってNOx吸蔵触媒44に達する。NOx吸蔵触媒36でのHCの酸化反応によって更に温度が上昇した高温の排気がフィルタ46内に流入することにより、フィルタ46に堆積したパティキュレートが焼却され、フィルタ46が強制再生される。
なお、上述のように、燃料添加弁52から供給されたHCは前段酸化触媒28を通らずにNOx吸蔵触媒44に供給されるので、前段酸化触媒28で無駄に消費されることがなく、燃費を悪化させずに、フィルタ46の強制再生に必要な適正な量のHCがNOx吸蔵触媒44に供給される。
更にECU54は、NOx吸蔵触媒44によるNOx浄化を適正に行うための制御も行っている。エンジン1はディーゼルエンジンであって、大部分の運転領域において希薄燃焼となり排気中の酸素濃度が高くなり、排気中のNOxがNOx吸蔵触媒44に吸蔵されていく。そして、NOx吸蔵触媒44が排気中のNOxを吸蔵していく状態が長く継続すると、NOx吸蔵触媒44のNOx吸蔵能力が飽和し、排気中のNOxがNOx吸蔵触媒44に吸蔵されずにそのまま大気中に放出されるおそれがある。
このようなNOx吸蔵能力の飽和を防止するため、ECU54は燃料添加弁52を制御し、例えば所定時間ごとに排気中に燃料を噴射することでHCを供給してNOx吸蔵触媒44を還元雰囲気とし、NOx吸蔵触媒44に吸蔵されているNOxを放出させ還元するようにしている。
このとき、排気通路切換弁32は図3に示す第2位置とされており、燃料添加弁52によって排気中に供給されたHCは、排気バイパス通路30を通ってNOx吸蔵触媒44に達する。
従って、燃料添加弁52から供給されたHCは前段酸化触媒28を通らずにNOx吸蔵触媒44に供給されるので、前段酸化触媒28で無駄に消費されることがなく、燃費を悪化させずに、NOx吸蔵触媒44に吸蔵されているNOxの放出還元に必要な適正な量のHCがNOx吸蔵触媒44に供給される。
以上のように構成された排気浄化装置を備えるエンジン1では、燃料中やエンジン1の潤滑油中にイオウ成分が含まれており、このイオウ成分がSOxとなってエンジン1の排気と共に排出される。排気中に含まれるSOxは、NOxと同様のメカニズムによりNOx吸蔵触媒44に吸蔵されるため、SOxの吸蔵量が増大するにつれて、NOx吸蔵触媒44のNOx吸蔵能力が低下する、いわゆるイオウ被毒が生じる。このイオウ被毒を放置した場合にも、NOx吸蔵触媒44によるNOxの浄化効率が低下し、排気中のNOxがNOx吸蔵触媒44に吸蔵されずにそのまま大気中に放出されてしまうおそれがある。
そこで、NOx吸蔵触媒44を備えた排気浄化装置においては、このようなイオウ被毒の回復、いわゆるSパージを適宜行う。即ち、エンジン1の燃料消費量や運転時間などに応じてNOx吸蔵触媒44のSOx吸蔵量を推定し、この推定SOx吸蔵量が所定値以上となったときにSパージの制御がECU54によって行われる。
Sパージ要否判定の制御は、エンジン1が運転中であるときに、ECU54によって図4のフローチャートに従い所定の制御周期で行われる。
まず最初のステップS102では、SパージフラグFsの値が1であるか否かを判定する。このSパージフラグFsは、その値が1であることによってSパージが必要であることを示すものであり、SパージフラグFsの値が1のときに後述するSパージ制御が行われるが、初期値は0となっている。従って、ステップS102でSパージフラグFsの値が1ではないとしてステップS104に進むと、上述のように、エンジン1の燃料消費量や運転時間などに応じてNOx吸蔵触媒44のSOx吸蔵量を推定し、この推定SOx吸蔵量が所定値以上であるか否かによりSパージの要否を判定する。ステップS104でSパージが不要であると判定した場合には、ステップS124に進んで排気通路切換弁32を、図3に示すような第2位置とし、今回の制御周期を終了する。従って、Sパージが必要と判定されるまでは、制御周期ごとにステップS104でSパージの要否が判定されると共に、排気通路切換弁32が第2位置に維持される。即ち、Sパージが不要とされている間は、エンジン1の排気は前段酸化触媒28を通らず、排気バイパス通路30を介してNOx吸蔵触媒44に流入することになる。
NOx吸蔵触媒44のSOx吸蔵量が増大し、ステップS104でSパージが必要であると判定すると、ステップS106に進んでSパージフラグFsの値を1としてステップS108に進む。
ステップS108では、排気通路切換弁32を図2に示すような第1位置とする。従って、エンジン1の排気は前段酸化触媒28を経由してNOx吸蔵触媒44に流入することになる。
次にステップS110に進むと、タイマフラグF1の値が1であるか否かを判定する。タイマフラグF1はタイマT1がカウント中であることを、その値が1であることによって示すものであり、初期値は0となっている。従って、ステップS110でタイマフラグF1の値が1ではないとしてステップS112に進むと、タイマT1のカウントをスタートさせ、次のステップS114でタイマフラグF1の値を1とする。
次にステップS116に進むと、タイマT1がカウントした時間t1が予め設定された時間taに達したか否かを判定する。この時間taは、NOx吸蔵触媒44のSパージを完了するのに要する時間として、予め実験等により求められたものであり、ステップS116の判定を行うことにより、NOx吸蔵触媒44のSパージが完了したか否かを判定している。
ステップS116で、タイマT1がカウントした時間t1が時間taに達していないと判定した場合には今回の制御周期を終了し、次の制御周期で再びステップS102から処理を行う。
次の制御周期からは、SパージフラグFsの値が既に1となっているため、ステップS102から直接ステップS108に進むようになる。ステップS108では引き続き排気通路切換弁32を図2の第1位置とし、ステップS110に進む。
タイマフラグF1の値が既に1となっていることから、ステップS110の判定によって、処理はステップS112及びS114をとばして直接ステップS116に進む。そして、ステップS116ではタイマT1がカウントした時間t1が時間taに達したか否かを判定する。
このようにして、ステップS104の判定によりNOx吸蔵触媒44のSパージが必要であると判定された後、制御周期ごとにステップS116の判定が繰り返され、Sパージが必要となってからの経過時間であるタイマT1のカウント時間t1が時間taに達したと判定すると、処理はステップS116からステップS118に進む。
Sパージが必要となってからの経過時間t1がSパージに必要な時間taに達したことから、ステップS118ではSパージフラグFsの値を0とし、次のステップS120では昇温フラグFtの値を0とする。この昇温フラグFtは、後述するSパージ制御で用いられるものであり、NOx吸蔵触媒44の昇温が完了したことを、その値が1であることによって示すものである。
次のステップS122では、タイマフラグF1及びF2の値を0とし、制御周期を終了する。なお、タイマフラグF2も後述するSパージ制御で使用するものである。
次の制御周期では、SパージフラグFsの値が0となっているためにステップS102からステップS104に進んで、再びSパージの要否が判定されるようになり、Sパージが不要であればステップS124に進んで、排気通路切換弁32が図3に示す第2位置とされる。
以上のようにしてSパージ要否判定制御が行われることにより、NOx吸蔵触媒44のSパージが必要であると判定されると、Sパージが必要となってからの経過時間t1が時間taに達するまで、SパージフラグFsの値が1に保持されると共に、排気通路切換弁32が図2に示す第1位置に保持される。そして、Sパージが必要となってからの経過時間t1が時間taに達すると、SパージフラグFsの値が0とされると共に、排気通路切換弁32が図3に示す第2位置に切り換えられることになる。
NOx吸蔵触媒44のSパージ制御は、このようにして設定されるSパージフラグFsの値に基づき、図5のフローチャートに従ってECU54により所定の制御周期で行われる。
最初のステップS202では、SパージフラグFsの値が1であるか否かを判定する。SパージフラグFsの値が0である場合にはNOx吸蔵触媒44のSパージが不要であるのでSパージを行わずに今回の制御周期を終了し、次の制御周期で再びSパージフラグFsの値を判定する。
このようにして制御周期ごとにSパージフラグFsの値を判定し、前述のSパージ要否判定によってSパージが必要であると判定されてSパージフラグFsの値が1になると、処理はステップS202からステップS204に進むようになりSパージが開始される。
ステップS204では、タイマT2のカウント時間t2が所定時間tbに達したか否かを判定する。この所定時間tbは、NOx吸蔵触媒44をリッチスパイクによって間欠的に還元雰囲気とする際の周期に相当するものであり、NOx吸蔵触媒44のイオウ被毒を効率良く回復することのできるリッチスパイクの周期として予め実験等によって求められた時間である。
この時点ではタイマT2はカウントを開始していないため、ステップS204でカウント時間t2は所定時間tbに達していないと判定され、次のステップS206に進む。
ステップS206では、触媒温度センサ48の検出値Tcが所定温度Ta以上であるか否かを判定し、検出値Tcが所定温度Taに満たない場合はステップS208に進み、検出値Tcが所定温度Ta以上の場合はステップS210に進む。この所定温度taは、後述のリッチスパイクにより燃料添加弁52から間欠的にHCの供給を行ってNOx吸蔵触媒44を還元雰囲気としたときの温度上昇により、NOx吸蔵触媒44がSパージに適した温度となるようにするために、NOx吸蔵触媒44が予め昇温されておくべき温度に相当するものである。
ステップS208及びS210では、NOx吸蔵触媒44をこのような温度に昇温するために必要なHC供給量に対応した燃料量が予め記憶されたマップから、エンジン1の運転状態に応じて読み出された燃料供給量に基づき、燃料添加弁52から燃料を噴射して排気中にHCを供給する。
そしてステップS208では、触媒温度センサ48の検出値Tcが所定温度Taに達していないことから、幾分多めに増量されたマップが用いられる一方、ステップS210では、触媒温度センサ48の検出値Tcが所定温度Ta以上であることから、幾分少なめに減量されたマップが用いられるようになっている。
Sパージ制御開始当初は、NOx吸蔵触媒44の温度が十分上昇していないため、ステップS208による排気中へのHCの供給が行われる。こうして排気中に供給されたHCは、Sパージ要否制御において排気通路切換弁32が図2の第1位置とされていることから、前段酸化触媒28を経由してNOx吸蔵触媒44に流入する。このとき、前段酸化触媒28上でのHCの酸化反応により温度の上昇した排気がNOx吸蔵触媒44に流入すると共に、NOx吸蔵触媒44上でのHCの酸化反応によりNOx吸蔵触媒44の温度が上昇する。
ステップS208で排気中へのHCの供給を行った後、ステップS214に進むと、昇温フラグFtの値が1であるか否かを判定する。この昇温フラグFtは、Sパージ要否判定制御で述べたように、NOx吸蔵触媒44の昇温が完了したことを、その値が1であることによって示すものであり、初期値は0となっている。従って、ステップS214で昇温フラグFtの値が1ではないと判断した場合には、これで今回の制御周期を終了し、次の制御周期で再びステップS202から処理を開始する。
次の制御周期でも依然としてSパージフラグFsの値は1であり、タイマT2は時間カウントを開始していないことから、処理はステップS202及びステップS204を経てステップS206に進む。NOx吸蔵触媒44の温度が未だ十分上昇していなければ、ステップS206では触媒温度センサ48の検出値Tcが所定温度taに達していないと判断されるので、再びステップS208により幾分増量されたHCの供給が行われる。
このようにして制御周期ごとにステップS208によるHCの供給が繰り返されることによってNOx吸蔵触媒44の温度が上昇し、触媒温度センサ48の検出値Tcが所定温度Ta以上となると、ステップS206からステップS210に進んで幾分少なめのHC供給が燃料添加弁52から行われる。これによりNOx吸蔵触媒44の温度は上昇から下降へと転じ、更にその後の制御周期で触媒温度センサ48の検出値Tcが所定温度Ta未満となると、今度はステップS208による幾分多めのHC供給が行われる。
このようにしてステップS208又はステップS210でのHC供給が触媒温度センサ48の検出値Tcに応じて切り換えられることにより、NOx吸蔵触媒44の温度が所定温度taに対応する温度に維持される。
ところで、Sパージ制御を開始後、ステップS206において初めて触媒温度センサ48の検出値Tcが所定温度Ta以上であると判定すると、ステップS206からステップS210に進んで幾分少なめのHC供給を行った後、ステップS212に進んで昇温フラグFtの値を1とする。従って、その後の制御周期ではステップS214において昇温フラグFtの値が1であると判定することにより、ステップS216に処理が進むようになる。
ステップS216では、タイマフラグF2の値が1であるか否かを判定する。このタイマフラグF2は、リッチスパイクの周期を定めるためのタイマT2が時間のカウントを開始していることを、その値が1であることによって示すものであり、初期値は0となっている。従って、ステップS216でタイマフラグF2の値が1ではないと判定してステップS218に進むと、タイマT2のカウントをスタートさせ、次のステップS220ではタイマフラグF2の値を1とした後、その制御周期を終了する。
次の制御周期においてもSパージフラグFsの値が依然として1であればステップS204に進む。そして、タイマT2によるカウント時間t2が所定時間tbに達していなければ、まだリッチスパイクを行うタイミングではないとして再びステップS206に進んだ後、ステップS208又はS210によるNOx吸蔵触媒44の昇温が行われる。
更にその後ステップS214に進むと、既に昇温フラグFtの値は1となっていることからステップS216に進み、タイマフラグF2の値も既に1となっていることから、これでその制御周期を終了する。
このように、タイマT2のカウント時間t2が所定時間tbに達するまではステップS208又はステップS210によるにNOx吸蔵触媒44の昇温が引き続き行われる。そして、タイマT2のカウント時間t2が所定時間tbに達すると、ステップS204でタイマT2のカウント時間t2が所定時間tb以上であると判定することにより、ステップS222に進んで燃料添加弁52からリッチスパイクのHC供給が行われる。
こうして燃料添加弁52から排気中に供給されたHCは、排気通路切換弁32が図2に示す第1位置にあることから、前段酸化触媒28を経由してNOx吸蔵触媒44に供給される。このとき、このHCは排気中の酸素と前段酸化触媒28上で反応して前段酸化触媒28の温度を上昇させ、反応せずにNOx吸蔵触媒44に至ったHCはNOx吸蔵触媒44上で排気中の酸素と反応してNOx吸蔵触媒44の温度を上昇させる。しかしながら、多くのHCは前段酸化触媒28上で反応する上、前段酸化触媒28によって温度の均一化された排気がNOx触媒44に供給されるため、この前段酸化触媒28が温度変動の緩衝材となって、NOx吸蔵触媒44の温度上昇を抑制する。この結果NOx吸蔵触媒44の過昇温による熱劣化が防止される。
このようにしてSパージに適した温度まで昇温されたNOx吸蔵触媒44は、ステップS222において燃料添加弁52から供給されたHCが排気中の酸素と反応することにより還元雰囲気とされ、NOx吸蔵触媒44のイオウ被毒が回復される。
ステップS222でリッチスパイクによるHC供給を行うと、次にリッチスパイクによるHC供給を行うタイミングを決定するために、ステップS224でタイマフラグT2の値を0とすると共に、ステップS226でタイマT2をリセットしてその制御周期を終了する。
次の制御周期以降では、再びステップS208又はステップS210によるNOx吸蔵触媒44の昇温が行われるが、昇温フラグFtの値は既に1となっているので、ステップS214からステップS216に処理が進み、タイマフラグF2の値が0であることによりステップS218でタイマT2の時間カウントが開始される。そして、タイマT2のカウント時間t2が再び所定時間tbに達すると、ステップS222でのリッチスパイクによるHC供給が行われ、NOx吸蔵触媒44が還元雰囲気となってイオウ被毒の回復が行われる。
以上のようにしてSパージ制御が行われることにより、NOx吸蔵触媒44は時間tbの周期で間欠的にリッチスパイクによるHC供給が行われ、Sパージに適した温度に昇温されると共に還元雰囲気とされ、イオウ被毒が回復される。
また、このとき排気通路切換弁32は、図2に示す第1位置とされているので、間欠的にリッチスパイクで供給されたHCによって生じるNOx吸蔵触媒44の温度変動は、前段酸化触媒28が緩衝材となって抑制され、NOx吸蔵触媒の熱劣化が防止される。
前述したように、図4のSパージ要否判定制御において、NOx吸蔵触媒44のSパージが必要であると判定してからの経過時間t1が所定時間taに達し、Sパージが完了したものと判定されてSパージフラグFsの値が0とされると、図5のステップS202でSパージフラグFsの値が1ではないと判定されるので、その後のSパージ制御はステップS202のみが行われることになり、NOx吸蔵触媒44の昇温及びリッチスパイクによるHC供給は行われなくなり、NOx吸蔵触媒のSパージが終了する。
なお、図5のSパージ制御で用いられる各フラグは、前述したように図4のSパージ要否判定制御においてSパージ完了を判定した時点で初期値に戻されるようになっている。
以上で本発明の一実施形態に係る排気浄化装置についての説明を終えるが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。
例えば、前記実施形態では、NOx吸蔵触媒44のSパージが必要であると判定すると直ちに排気通路切換弁32を図2に示す第1位置とするようにしたが、NOx吸蔵触媒44の温度が大きく上昇するのはリッチスパイクによるHC供給を行ったときであるので、リッチスパイクによりHC供給を行ってNOx吸蔵触媒を還元雰囲気とするのに合わせ、排気通路切換弁32間欠的に図2に示す第1位置とするようにしてもよい。
このようにした場合のSパージ要否判定制御のフローチャートを図6に、またこれに対応するSパージ制御のフローチャートを図7に示す。
図6のフローチャートにおいて、図4のフローチャートと共通するステップには図4と同じ符号を付与しており、図4のフローチャートからステップS108とステップS124とを削除したものとなっている。
従って、図6のフローチャートによるSパージ要否判定制御は、この制御の中でSパージの要否判定に応じて排気通路切換弁32の位置が制御されない点のみが前記実施形態とは相違しており、各ステップにおける処理内容は前記実施形態と同一であるため、Sパージ要否判定制御についての説明は省略する。
図7のフローチャートについても、図5のフローチャートと共通するステップには図5と同じ符号を付与しており、図5のフローチャートにステップS203、ステップS205及びステップS221を加えたものとなっている。
即ち、ステップS202でSパージフラグFsの値が1ではないと判定した場合には、前記実施形態では直ちにその制御周期を終了したが、この変形例ではステップS203に進んでその制御周期を終了する。従って、Sパージが行われないときにはエンジン1からの排気は前段酸化触媒28を経由せずに排気バイパス通路30を介してNOx吸蔵触媒に流入する。
また、図7のステップS204でタイマT2のカウント時間t2が所定時間tbに達していないと判定した場合、前記実施形態ではステップS206に進んだが、この変形例ではステップS205に進んで排気通路切換弁32を図3に示す第2位置とした後にステップS206に進む。従って、Sパージを行っているときでも、リッチスパイクによるHC供給が行われないときには、エンジン1からの排気は前段酸化触媒28を経由せずに排気バイパス通路30を介してNOx吸蔵触媒44に流入する。
このようにすることにより、リッチスパイクによるHC供給に先立ってNOx吸蔵触媒44を昇温するために燃料添加弁52から供給されたHCが、前段酸化触媒28で消費されることなくNOx吸蔵触媒44に供給されることになる。この結果、前記実施形態のように前段酸化触媒28上でのHCの酸化反応で温度が上昇した排気によりNOx吸蔵触媒44を昇温する場合に比べて、より迅速にNOx吸蔵触媒44を昇温することができる。
更に、図7のステップS204でタイマT2のカウント時間t2が所定時間tbに達したと判定した場合、前記実施形態ではステップS222に進んだが、この変形例ではステップS221に進んで排気通路切換弁32を図2に示す第1位置とした後にステップS222に進み、リッチスパイクによるHC供給が行われる。従って、リッチスパイクによって排気中に供給されたHCは、前段酸化触媒28を経由してNOx吸蔵触媒に供給されることになり、その多くは前段酸化触媒28上で反応するため、前記実施形態と同様にして前段酸化触媒28が温度変動の緩衝材となり、NOx吸蔵触媒44の過昇温による熱劣化が防止される。
以上のように、図7のフローチャートによるSパージ制御を行うことにより、リッチスパイクによるHC供給で間欠的にNOx吸蔵触媒44を還元雰囲気とするのに対応して、間欠的に排気通路切換弁32が図2に示す第1位置とされる。この結果、リッチスパイクによるHC供給の際のNOx吸蔵触媒の過昇温を防止すると共に、Sパージ実行中であってもリッチスパイクを行わない状態では、前段酸化触媒28によるHCの消費をなくして迅速にNOx吸蔵触媒44を昇温することができる。
なお、前記実施形態では、図4のフローチャートによるSパージ要否判定制御の中で排気通路切換弁32の切り換えを行うようにしたが、前記変形例のように図5のフローチャートによるSパージ制御の中で切り換えを行うようにしてもよい。この場合には、図5のフローチャートにおいて、ステップS202の「No」判定後に排気通路切換弁32を第2位置とするステップを加入すると共に、ステップS202の「Yes」判定後に排気通路切換弁32を第1位置とするステップを加入すればよい。なお、Sパージ要否判定制御は前記変形例と同様に図6のフローチャートによって行われることになる。
また、前記実施形態や変形例では、Sパージ制御中においてリッチスパイクによる間欠的なHC供給の間にも、ステップS208又はS210により燃料添加弁52からHC供給を行って、NOx吸蔵触媒44を昇温するようにしたが、このようなHC供給をやめ、リッチスパイクによるHC供給のみでNOx吸蔵触媒44をSパージに適した温度に昇温すると共に、還元雰囲気にするようにしてもよい。この場合にも、排気通路切換弁32の動作は前記実施形態や変形例と同様のものとなる。
また、前記実施形態や変形例では、排気中へのHC供給を、燃料添加弁52から行うようにしたが、これに代えてエンジン1の各気筒におけるインジェクタ4から主噴射の後のポスト噴射により行うようにしてもよい。このようにしてHCを供給する場合にも、前記実施形態や変形例の制御を行うことにより同様の効果を得ることができる。なお、この場合はインジェクタ4がHC供給手段となる。
更に、前記実施形態や変形例では、NOx吸蔵触媒44の下流側にフィルタ46を設けるようにしたが、フィルタ46のないものであってもよい。
また、前記実施形態では、Sパージ制御が開始されると無条件で排気通路切換弁32を第1位置とするようにしたが、前段酸化触媒28の温度を検出し、この温度に基づき前段酸化触媒28がSパージ制御によって供給された排気中のHCを酸化可能な状態にあると判断したときにのみ第1位置に切り換えるようにしてもよい。なお、このようにした場合には、排気通路切換弁32を第1位置とした場合にのみSパージ制御を開始する。
同様に、前記変形例においても、Sパージ制御でリッチスパイクによるHC供給を行うときに無条件で排気通路切換弁32を第1位置とするようにしたが、前段酸化触媒28の温度に基づき前段酸化触媒28がSパージ制御によって供給された排気中のHCを酸化可能な状態にあると判断したときにのみ第1位置に切り換えるようにしてもよい。なお、このようにした場合には、排気通路切換弁32を第1位置とした場合にのみリッチスパイクによるHC供給を行う。
更に、前記実施形態や変形例では、前段酸化触媒28の上流側のみで、排気通路切換弁32により排気バイパス通路30側への排気の流通と前段酸化触媒28側への排気の流通との切り換えを行うようにしたが、前段酸化触媒28下流側の排気管20と排気バイパス通路30との合流部分にも同様の切換弁を設け、前段酸化触媒28の前後で同時に切り換えを行うようにしてもよい。また、排気バイパス通路30と前段酸化触媒28の入口側とにそれぞれ別個に開閉弁を設け、いずれか一方を選択的に開閉するようにしてもよい。この場合にも、前段酸化触媒28の入口側だけではなく出口側にも開閉弁を設けるようにしてもよい。
最後に、前記実施形態はディーゼルエンジンの排気浄化装置に本発明を適用したものであったが、エンジンの形式はこれに限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係る排気浄化装置の全体構成図である。 図1の排気浄化装置における排気通路切換弁を第1位置に切り換えた状態を示す説明図である。 図1の排気浄化装置における排気通路切換弁を第2位置に切り換えた状態を示す説明図である。 図1の排気浄化装置におけるSパージ要否判断制御のフローチャートである。 図1の排気浄化装置におけるSパージ制御のフローチャートである。 図1の排気浄化装置におけるSパージ要否判断制御の変形例のフローチャートである。 図1の排気浄化装置におけるSパージ制御の変形例のフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン
20 排気管(排気通路)
28 前段酸化触媒
30 排気バイパス通路
32 排気通路切換弁(排気通路切換手段)
44 NOx吸蔵触媒
46 パティキュレートフィルタ
52 燃料添加弁(HC供給手段)
54 ECU(制御手段)

Claims (4)

  1. エンジンの排気通路に設けられ、酸化雰囲気のときに排気中のNOxを吸蔵し、還元雰囲気のときに吸蔵していた前記NOxを放出して還元するNOx吸蔵触媒と、
    前記NOx吸蔵触媒の上流側の排気通路に設けられた前段酸化触媒と、
    前記前段酸化触媒の前後の排気通路に連通し、前記前段酸化触媒をバイパスする排気バイパス通路と、
    前記エンジンの排気を前記前段酸化触媒側に流通させる第1の状態と、前記排気バイパス通路側に流通させる第2の状態とに切り換え可能な排気通路切換手段と、
    前記排気通路切換手段より上流側の排気中にHCを供給するHC供給手段と、
    前記HC供給手段からHC供給を行って前記NOx吸蔵触媒を昇温すると共に還元雰囲気とすることにより前記NOx吸蔵触媒のSパージを行い、前記Sパージを行うときに前記排気通路切換手段を前記第1の状態とする一方、前記Sパージを行わない所定の運転状態では前記排気通路切換手段を前記第2の状態とする制御手段と
    を備えたことを特徴とする排気浄化装置。
  2. 前記制御手段は、前記Sパージを行う際に、HC供給手段からのHC供給により前記NOx吸蔵触媒を間欠的に還元雰囲気とすると共に、前記NOx吸蔵触媒を還元雰囲気とするのに対応して前記排気通路切換手段を間欠的に前記第1の状態に切り換えることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. 前記NOx吸蔵触媒の下流側の排気通路に、前記エンジンの排気中に含まれるパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタを更に備え、
    前記制御手段は、前記HC供給手段から排気中にHCを供給して前記パティキュレートフィルタの再生を行うときには、前記排気通路切換手段を前記第2の状態とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気浄化装置。
  4. 前記制御手段は、前記HC供給手段から排気中にHCを供給して前記NOx吸蔵触媒に吸蔵されているNOxを放出還元するときには、前記排気通路切換手段を前記第2の状態とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の排気浄化装置。
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