JP2014111913A - 排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気触媒を保持する保持部材があっても、排気触媒を効率良く加熱することができる排気浄化装置を提供する。
【解決手段】排気浄化装置1は、エンジンと接続された排気通路に設けられた酸化触媒4と、この酸化触媒4を加熱する化学蓄熱ユニット12とを備えている。酸化触媒4は、触媒物質を担持するハニカム状の基材10からなっている。基材10は、SiCで形成されている。酸化触媒4の内部には、弾力性を有し、排気通路3の一部を構成する管部材9に酸化触媒4を保持する断面クロス状の保持マット11が配置されている。酸化触媒4は、4つに分割されている。化学蓄熱ユニット12は、酸化触媒4の周囲に配置され、NH3と化学反応して熱を発生させる蓄熱材18を含む円筒状の反応器13と、この反応器13に媒体供給通路14を介して接続され、NH3を貯蔵する貯蔵器とを有している。
【選択図】図2
【解決手段】排気浄化装置1は、エンジンと接続された排気通路に設けられた酸化触媒4と、この酸化触媒4を加熱する化学蓄熱ユニット12とを備えている。酸化触媒4は、触媒物質を担持するハニカム状の基材10からなっている。基材10は、SiCで形成されている。酸化触媒4の内部には、弾力性を有し、排気通路3の一部を構成する管部材9に酸化触媒4を保持する断面クロス状の保持マット11が配置されている。酸化触媒4は、4つに分割されている。化学蓄熱ユニット12は、酸化触媒4の周囲に配置され、NH3と化学反応して熱を発生させる蓄熱材18を含む円筒状の反応器13と、この反応器13に媒体供給通路14を介して接続され、NH3を貯蔵する貯蔵器とを有している。
【選択図】図2
Description
本発明は、エンジンからの排ガスを浄化する排気浄化装置に関するものである。
従来の排気浄化装置としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1に記載の排気浄化装置は、エンジンからの排ガスを還元浄化する触媒装置と、この触媒装置を加熱する加熱装置とを備えている。加熱装置は、触媒装置の周囲に配置され、冷媒を吸着して発熱する吸着材を有している。
また、排気浄化装置としては、例えば特許文献2に記載されているように、ハウジング内に収容されたセラミックモノリスと、このセラミックモノリスの周囲に配置され、セラミックモノリスをハウジング内に支持し且つ拘束する発泡性防炎シート材料とを備えた触媒コンバータもある。
しかしながら、上記従来技術においては、以下の問題点が存在する。即ち、上記特許文献1に記載のように排気触媒の外側から排気触媒を加熱する場合に、上記特許文献2に記載のように排気触媒の周囲に排気触媒を支持する発泡性防炎シート材料(保持部材)が配置されていると、熱伝導性の低い発泡性防炎シート材料が熱の伝達経路の妨げとなるため、排気触媒に熱が伝わりにくくなり、結果的に排気触媒を早期にまたは十分に加熱することができなくなる。
本発明の目的は、排気触媒を保持する保持部材があっても、排気触媒を効率良く加熱することができる排気浄化装置を提供することである。
本発明は、エンジンからの排ガスを浄化する排気浄化装置において、エンジンと接続される排気通路に設けられ、触媒物質を担持する基材からなる排気触媒と、排気触媒の外側から排気触媒を加熱する加熱手段と、排気通路の一部を構成する管部材に排気触媒を保持する保持部材とを備え、保持部材は、弾力性を有すると共に、排気触媒の内部に配置されていることを特徴とするものである。
このような本発明の排気浄化装置においては、加熱手段によって排気触媒の外側から排気触媒が加熱される。このとき、排気通路の一部を構成する管部材に排気触媒を保持する保持部材は、排気触媒の周囲ではなく、排気触媒の内部に配置されている。このため、保持部材の熱伝導性が低い場合でも、保持部材が排気触媒への熱の伝達経路の妨げとなることが無いため、加熱手段により発生した熱が十分に排気触媒に伝えられる。これにより、排気触媒を保持する保持部材があっても、排気触媒を効率良く加熱することができる。
好ましくは、排気触媒は、複数に分割されており、保持部材は、複数に分割された排気触媒の間に配置されている。この場合には、保持部材は弾力性を有しているので、車両の振動によって排気触媒が振動したときでも、その振動が保持部材に十分に吸収されるようになる。従って、排気触媒の基材の破損を防ぐことができる。また、保持部材が弾力性を有しているので、保持部材を分割された排気触媒と共に管部材内に圧入して収容する場合に、保持部材及び排気触媒の圧入を極めて容易に実施することができる。
また、好ましくは、保持部材は、断面クロス状をなしている。この場合には、保持部材によって排気触媒を管部材に確実に保持することができる。また、排気触媒の領域寸法が確保されるため、排気触媒による排気浄化効率の低下を抑えることができる。さらに、保持部材を排気系の前後方向から見て×状となるように配置することで、排気触媒の上下左右の振動を保持部材により吸収することができる。
さらに、好ましくは、基材は、SiCで形成されている。SiCは、セラミック及びメタルに比べて熱伝導率が高い。従って、加熱手段により発生した熱が更に排気触媒に伝わりやすくなるため、排気触媒を一層効率良く加熱することができる。
また、好ましくは、加熱手段は、反応媒体と化学反応して熱を発生させる蓄熱材を有する反応器と、反応媒体を貯蔵する貯蔵器と、蓄熱材と貯蔵器とを接続する媒体供給通路とを有し、媒体供給通路における蓄熱材との接続部分は、保持部材と管部材との当接部分に対応する部位からずれた位置に配置されている。このように加熱手段として反応器、貯蔵器及び媒体供給通路を有する構成とすることにより、排気触媒の加熱に燃料を使用しなくて済むため、燃費ロスを低減することができる。また、媒体供給通路における蓄熱材との接続部分を、保持部材と管部材との当接部分に対応する部位からずれた位置に配置することにより、蓄熱材における排気触媒に対応する部位から熱が発生し始めるため、排気触媒を一層効率良く加熱することができる。
本発明によれば、排気触媒を保持する保持部材があっても、排気触媒を効率良く加熱することができる。これにより、排気触媒による排気浄化作用を促進させることが可能となる。
以下、本発明に係る排気浄化装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る排気浄化装置の一実施形態を示す概略構成図である。同図において、本実施形態の排気浄化装置1は、車両のディーゼルエンジン2(以下、単にエンジン2という)の排気系に設けられ、エンジン2から排出される排ガス中に含まれる有害物質(環境汚染物質)を浄化する装置である。
排気浄化装置1は、エンジン2と接続された排気通路3の途中に上流側から下流側に向けて順に設けられた酸化触媒(DOC)4、ディーゼル排気微粒子除去フィルタ(DPF)5、選択還元触媒(SCR)6及び酸化触媒(ASC)7を備えている。
酸化触媒4は、排ガス中に含まれるHCやCO等を酸化して浄化する触媒である。DPF5は、排ガス中に含まれるPMを捕集して取り除くフィルタである。SCR6は、添加弁8より尿素やアンモニアを供給して、排ガス中に含まれるNOxを還元して浄化する触媒である。酸化触媒7は、SCR6の下流側に流れたNH3を酸化する触媒である。
酸化触媒4は、図2及び図3に示すように、排気通路3の一部を構成する円筒状の管部材9の内側に配置されている。酸化触媒4は、触媒物質を担持するハニカム状(格子状)の基材10からなっている。基材10は、SiC(炭化ケイ素)で形成されている。基材10に担持される触媒物質としては、白金やパラジウム等の貴金属が用いられる。
酸化触媒4の内部には、断面クロス状の保持マット11が配置されている。保持マット11は、酸化触媒4を管部材9に保持する部材である。酸化触媒4は、複数(ここでは4つ)に分割されており、断面扇形状をなしている。そして、保持マット11は、複数に分割された酸化触媒4の間に挟まれるように配置されている。また、保持マット11は、車両の前後方向から見て×状となるように、つまり車両の左右方向及び上下方向に対して斜めに延びるように配置されている。保持マット11は、弾力性を有するセラミックファイバ等の材料で形成されている。
酸化触媒4を保持マット11と共に管部材9内に組み込むときは、分割された酸化触媒4により保持マット11を押し付けて収縮させた状態で、酸化触媒4及び保持マット11を管部材9内に圧入する。これにより、保持マット11が管部材9の内周面に当接した状態となり、保持マット11により酸化触媒4が管部材9に保持されるようになる。
このような酸化触媒4等の触媒には、環境汚染物質の浄化能力を発揮させる温度領域(活性温度)が存在する。例えば、酸化触媒4の活性温度の下限は150℃程度である。一方、エンジン2の始動直後の排ガスの温度は100℃程度と比較的低温であり、酸化触媒4の温度もほぼ同様である。従って、酸化触媒4の温度を活性温度にするために、酸化触媒4を加熱する必要がある。
そこで、排気浄化装置1は、エネルギーレスで酸化触媒4を加熱する化学蓄熱ユニット12を備えている。化学蓄熱ユニット12は、通常は排ガスの熱(排熱)を蓄えておき、必要なときに蓄えた熱を使用するというものである。
化学蓄熱ユニット12は、図1に示すように、酸化触媒4の周囲に配置された円筒状の反応器13と、この反応器13と媒体供給通路14を介して接続され、反応媒体としてのアンモニア(NH3)を貯蔵する貯蔵器15とを有している。媒体供給通路14には、開閉弁16が設けられている。
反応器13は、図2及び図3に示すように、金属(例えばSUS)で形成された円筒状のケース17を有している。ケース17内には、NH3と化学反応して熱を発生させる蓄熱材18が収容されている。蓄熱材18は、管部材9の外周面全体に接触するようにリング状に形成されている。蓄熱材18は、例えばMgCl2、CaCl2、NiCl2、ZnCl2、SrCl2等で形成されている。ケース17と蓄熱材18との間には、断熱材19が介在されている。
媒体供給通路14は、反応器13の蓄熱材18と貯蔵器15とを接続する通路である。媒体供給通路14における蓄熱材18との接続部分は、保持マット11と管部材9との当接部分に対応する部位からずれた位置に配置されている。貯蔵器15には、NH3を物理吸着する活性炭が内蔵されている。活性炭にNH3が物理吸着されることで、NH3が貯蔵器15に貯蔵されるようになる。
以上のように構成された排気浄化装置1において、エンジン2からの排ガスの温度が低いときは、貯蔵器15に貯蔵されたNH3が媒体供給通路14を介して反応器13の蓄熱材18に供給され、蓄熱材18の材料(例えばMgCl2)とNH3とが化学反応して化学吸着(配位結合)し、蓄熱材18から熱が発生する。つまり、下記の反応式における左辺から右辺への反応が起こる。そして、蓄熱材18から発生した熱によって酸化触媒4が汚染物質の浄化に適した活性温度まで加熱されるようになる。
MgCl2+xNH3 ⇔ Mg(NH3)xCl2+熱
MgCl2+xNH3 ⇔ Mg(NH3)xCl2+熱
このとき、酸化触媒4の周囲に配置された反応器13により酸化触媒4を直接加熱することにより、排ガスの加熱によって酸化触媒4を加熱する場合に比べて、酸化触媒4を効率良く加熱することができる。
一方、エンジン2からの排ガスの温度が高くなると、排熱が蓄熱材18に与えられることでMgCl2とNH3とが分離する。つまり、上記の反応式における右辺から左辺への反応が起こる。そして、MgCl2から分離したNH3は、媒体供給通路14を介して貯蔵器15に戻るようになる。
図4は、比較例として、従来の保持マットの一つを酸化触媒4及び化学蓄熱ユニット12と共に示したものである。図4に示す保持マット50は、リング状をなしており、酸化触媒4の外側に配置されている。つまり、酸化触媒4は、分割構造にはなっていない。このような構成では、反応器13により酸化触媒4を加熱する際に、熱伝導率の悪い保持マット50が熱の伝熱経路の妨げになり、蓄熱材18で発生した熱が酸化触媒4に伝わりにくくなる。従って、酸化触媒4を活性温度まで早期に加熱することが困難となる。また、保持マット50が酸化触媒4の外側に配置される構成であるため、酸化触媒4を保持マット50と共に管部材9内に圧入して組み込むことが困難である。
これに対し本実施形態では、保持マット11の形状を断面クロス状とし、当該保持マット11を酸化触媒4の内部に配置するようにしたので、蓄熱材18で発生した熱を酸化触媒4に伝えるときに、保持マット11が熱の伝熱経路の妨げになることが無い。このため、蓄熱材18で発生した熱が十分に酸化触媒4に伝わるようになる。このとき、媒体供給通路14における蓄熱材18との接続部分は、保持マット11と管部材9との当接部分に対応する部位からずれた位置に配置されている。このため、蓄熱材18で発生した熱が直ちに酸化触媒4に伝わるようになる。これにより、酸化触媒4を管部材9に保持する保持マット11を使用する場合であっても、酸化触媒4を効率良く活性温度まで加熱することができる。
また、酸化触媒4を形成する基材10は、セラミックやメタルに比べて熱伝導率が高いSiCで形成されている。従って、蓄熱材18で発生した熱が更に酸化触媒4に伝わりやすくなるため、酸化触媒4を一層効率良く活性温度まで加熱することができる。その結果、酸化触媒4による環境汚染物質の浄化を促進させることが可能となる。
さらに、保持マット11は弾力性を有しているため、車両の振動により排気通路3が振動し、これに伴って酸化触媒4の振動が発生しても、その振動が保持マット11に吸収されるようになる。つまり、保持マット11は、酸化触媒4にかかる応力を緩衝する作用を有することとなる。このとき、保持マット11は車両の前後方向から見て×状となるように配置されているため、上下方向及び左右方向の何れの振動も保持マット11に吸収される。これにより、酸化触媒4を形成する基材10の破損を防止することができる。
また、保持マット11は酸化触媒4の内部に配置されているので、酸化触媒4により保持マット11を圧縮させた状態で、酸化触媒4及び保持マット11を管部材9内に圧入することができる。従って、酸化触媒4及び保持マット11の圧入工程を簡素化することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、断面クロス状の保持マット11は車両の前後方向から見て×状となるように配置されているが、保持マット11の配置角度としては、特にそれには限られず、例えば車両の前後方向から見て+状となるように、つまり車両の左右方向及び上下方向に延びるように保持マット11を配置しても良い。
また、上記実施形態では、断面クロス状の保持マット11を使用したが、保持マット11の形状としては、特に断面クロス状には限られない。例えば、図5(a)に示すように断面放射状にしても良いし、図5(b)に示すように断面I字状にしても良い。保持マット11の形状を断面I字状とする場合には、車両の上下方向及び左右方向の何れの振動をも保持マット11で吸収するために、図5(b)に示すように、保持マット11を車両の左右方向及び上下方向に対して斜めに延びるように配置するのが望ましい。
さらに、上記実施形態では、酸化触媒4の基材10をSiCで形成したが、基材10の材質としては、特にSiCには限られず、例えばコージェライト等のセラミックスやステンレス等のメタルを用いても良い。
また、上記実施形態では、反応媒体であるNH3とMgCl2、CaCl2等の蓄熱材18とを化学反応させて熱を発生させるようにしたが、反応媒体としては、特にNH3には限られず、例えばH2Oとしても良い。この場合には、H2Oと化学反応させる蓄熱材としては、CaO等を使用する。また、酸化触媒4を加熱する手段としては、特にそのような化学蓄熱方式には限られず、ヒータ等であっても良い。
さらに、上記実施形態は、ディーゼルエンジン2の排気系に設けられた酸化触媒4を加熱するものであるが、本発明は、ディーゼルエンジン2の排気系に設けられた他の排気触媒を加熱するもの、或いはガソリンエンジンの排気系に設けられた何れかの排気触媒を加熱するものにも適用可能である。
1…排気浄化装置、2…ディーゼルエンジン、3…排気通路、4…酸化触媒(排気触媒)、9…管部材、10…基材、11…保持マット(保持部材)、13…反応器(加熱手段)、14…媒体供給通路(加熱手段)、15…貯蔵器(加熱手段)、18…蓄熱材。
Claims (5)
- エンジンからの排ガスを浄化する排気浄化装置において、
前記エンジンと接続される排気通路に設けられ、触媒物質を担持する基材からなる排気触媒と、
前記排気触媒の外側から前記排気触媒を加熱する加熱手段と、
前記排気通路の一部を構成する管部材に前記排気触媒を保持する保持部材とを備え、
前記保持部材は、弾力性を有すると共に、前記排気触媒の内部に配置されていることを特徴とする排気浄化装置。 - 前記排気触媒は、複数に分割されており、
前記保持部材は、前記複数に分割された排気触媒の間に配置されていることを特徴とする請求項1記載の排気浄化装置。 - 前記保持部材は、断面クロス状をなしていることを特徴とする請求項1または2記載の排気浄化装置。
- 前記基材は、SiCで形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の排気浄化装置。
- 前記加熱手段は、反応媒体と化学反応して熱を発生させる蓄熱材を有する反応器と、前記反応媒体を貯蔵する貯蔵器と、前記蓄熱材と前記貯蔵器とを接続する媒体供給通路とを有し、
前記媒体供給通路における前記蓄熱材との接続部分は、前記保持部材と前記管部材との当接部分に対応する部位からずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の排気浄化装置。
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DE102017200881A1 (de) | 2016-03-14 | 2017-09-14 | Ngk Insulators, Ltd. | Bienenwaben-Heizvorrichtung, Verfahren zum Anwenden derselben und Verfahren zum Herstellen derselben |
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DE102017200881A1 (de) | 2016-03-14 | 2017-09-14 | Ngk Insulators, Ltd. | Bienenwaben-Heizvorrichtung, Verfahren zum Anwenden derselben und Verfahren zum Herstellen derselben |
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