JP6136673B2 - 化学蓄熱用成形体の作製方法及び化学蓄熱装置 - Google Patents

化学蓄熱用成形体の作製方法及び化学蓄熱装置 Download PDF

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Description

本発明は、エンジンの排気系に設けられた加熱対象物の加熱に使用される化学蓄熱用成形体の作製方法、及びエンジンの排気系に設けられた加熱対象物を加熱する化学蓄熱装置に関するものである。
従来の化学蓄熱装置としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1に記載の化学蓄熱装置は、触媒セラミック部の周囲に配置された筐体部内に内蔵された蓄熱物質と、この蓄熱物質を発熱させるための水を供給する導水管部とを備えている。水と蓄熱物質とを発熱反応させると熱が発生し、熱伝導により触媒セラミック部が加熱される。
また、化学蓄熱装置としては、脱水・水和反応により吸熱・発熱を生ずる化学蓄熱材を含む蓄熱体と、化学蓄熱材よりも熱伝導率が高く、化学蓄熱材との間で熱の授受を行うための伝熱材からなる伝熱体とを有するものもある(例えば特許文献2参照)。
特開昭59−208118号公報 特開2011−27311号公報
しかしながら、上記従来技術においては、以下の問題点が存在する。即ち、特許文献2に記載のように、蓄熱材に伝熱材が混合された化学蓄熱装置では、伝熱材が熱を伝えたい方向(例えば特許文献1においては触媒セラミック部の径方向)に沿って配向されていないと、蓄熱材で発生した熱が加熱対象物に伝わりにくいため、加熱対象物を十分に加熱することができない。
本発明の目的は、蓄熱材で発生した熱によって加熱対象物を十分に加熱することができる化学蓄熱用成形体の作製方法及び化学蓄熱装置を提供することである。
本発明は、エンジンの排気系に設けられた加熱対象物の加熱に使用される化学蓄熱用成形体の作製方法において、反応媒体と化学反応して熱を発生させる粒子状または粉末状の蓄熱材と、蓄熱材よりも熱伝導率の高い棒状の伝熱材と、成形用金型とを準備する準備工程と、棒状の伝熱材を立てた状態で蓄熱材と伝熱材とを混合する混合工程と、伝熱材が混合された蓄熱材を成形用金型によってプレスして成形することにより、蓄熱材と伝熱材とを含有した化学蓄熱用成形体を得る成形工程とを含むことを特徴とするものである。
このような本発明の化学蓄熱用成形体の作製方法においては、棒状の伝熱材を立てた状態で蓄熱材と伝熱材とを混合した後、伝熱材が混合された蓄熱材を成形用金型によってプレスして成形することにより、蓄熱材と伝熱材とを含有した化学蓄熱用成形体が得られる。このとき、棒状の伝熱材を立てた状態とすることにより、加熱対象物の周囲に化学蓄熱用成形体が配置されたときに、化学蓄熱用成形体において棒状の伝熱材を加熱対象物に向かって延びるように配向させることができる。この場合には、蓄熱材と反応媒体との化学反応により発生した熱が伝熱材によって加熱対象物に伝わりやすくなる。これにより、加熱対象物を十分に加熱することができる。
好ましくは、準備工程では、成形用金型として下型、中型及び上型からなるものを準備し、混合工程では、棒状の伝熱材を下型に立てるように装着し、その状態で下型に中型をセットし、中型の内部に蓄熱材を入れることで、蓄熱材と伝熱材とを混合し、成形工程では、中型に上型をセットし、伝熱材が混合された蓄熱材を上型により下型に対してプレスする。
このような方法では、棒状の伝熱材を下型に立てるように装着し、その状態で下型に中型をセットし、中型の内部に蓄熱材を入れることにより、棒状の伝熱材を立てた状態で蓄熱材と伝熱材とを混合する混合工程を容易に且つ確実に実施することができる。また、棒状の伝熱材を予め下型に対して立てるように装着することで、棒状の伝熱材を加熱対象物に向かって延びるように配向させることができる。
また、混合工程では、棒状の伝熱材の長さよりも小さい網目寸法を有する網状部材を用意し、網状部材を振動させて、棒状の伝熱材を網状部材に通すことにより、棒状の伝熱材を立てるようにしても良い。
このような方法では、網状部材の網目寸法が棒状の伝熱材の長さよりも小さいため、棒状の伝熱材が存在する領域内において網状部材を振動させると、棒状の伝熱材が網状部材を通過して立った状態となる。従って、棒状の伝熱材を立てた状態で蓄熱材と伝熱材とを混合する混合工程を確実に実施することができる。
また、好ましくは、混合工程では、棒状の伝熱材と一緒に粒子状の伝熱材を蓄熱材に混合する。
この場合には、棒状の伝熱材だけでなく粒子状の伝熱材も蓄熱材に混合されることとなるため、蓄熱材で発生した熱が伝熱材によって加熱対象物に一層伝わりやすくなる。
また、本発明は、エンジンの排気系に設けられた加熱対象物を加熱する化学蓄熱装置において、加熱対象物の周囲に配置され、反応媒体と化学反応して熱を発生させる蓄熱材と蓄熱材よりも熱伝導率の高い伝熱材とを含む化学蓄熱用成形体を有する反応器と、反応器と接続され、反応媒体を貯蔵する貯蔵器とを備え、化学蓄熱用成形体は、上述した化学蓄熱用成形体の作製方法によって作製されていることを特徴とするものである。
このような本発明の化学蓄熱装置においては、貯蔵器に貯蔵された反応媒体と反応器の化学蓄熱用成形体に含まれる蓄熱材とが化学反応して熱が発生し、その熱が加熱対象物に伝わることで、加熱対象物が加熱される。ここで、化学蓄熱用成形体は、上述した化学蓄熱用成形体の作製方法によって作製されている。このとき、上述したように、棒状の伝熱材を立てた状態とすることにより、加熱対象物の周囲に化学蓄熱用成形体が配置されたときに、化学蓄熱用成形体において棒状の伝熱材を加熱対象物に向かって延びるように配向させることができる。この場合には、蓄熱材と反応媒体との化学反応により発生した熱が伝熱材によって加熱対象物に伝わりやすくなる。これにより、加熱対象物を十分に加熱することができる。
さらに、本発明は、エンジンの排気系に設けられた加熱対象物を加熱する化学蓄熱装置において、加熱対象物の周囲に配置され、反応媒体と化学反応して熱を発生させる蓄熱材と蓄熱材よりも熱伝導率の高い伝熱材とを含む化学蓄熱用成形体を有する反応器と、反応器と接続され、反応媒体を貯蔵する貯蔵器とを備え、伝熱材は、化学蓄熱用成形体の内部において加熱対象物に向かって延びるように配向されていることを特徴とするものである。
このような本発明の化学蓄熱装置においては、貯蔵器に貯蔵された反応媒体と反応器の化学蓄熱用成形体に含まれる蓄熱材とが化学反応して熱が発生し、その熱が加熱対象物に伝わることで、加熱対象物が加熱される。このとき、伝熱材は化学蓄熱用成形体の内部において加熱対象物に向かって延びるように配向されているので、蓄熱材と反応媒体との化学反応により発生した熱が伝熱材によって加熱対象物に伝わりやすくなる。これにより、加熱対象物を十分に加熱することができる。
本発明によれば、蓄熱材で発生した熱によって加熱対象物を十分に加熱することができる。これにより、例えば加熱対象物が排気触媒である場合には、排気触媒による排気浄化作用を促進させることが可能となる。
本発明に係る化学蓄熱装置の一実施形態を備えた排気浄化システムを示す概略構成図である。 図1に示した反応器を排気管及び酸化触媒と共に示す正面方向断面図である。 図2に示した反応器を排気管及び酸化触媒と共に示す横方向断面図である。 本発明に係る化学蓄熱用成形体の作製方法の一実施形態を示す概略工程図である。 図4に示した成形用金型の断面図である。 比較例として、従来における化学蓄熱用成形体の作製方法の一例を示す概略工程図である。 図4に示した化学蓄熱用成形体の作製方法の変形例を示す概略工程図である。 本発明に係る化学蓄熱用成形体の作製方法の他の実施形態を示す概略工程図である。 図8に示した網状部材によって伝熱材が立った状態となる様子を示す図である。
以下、本発明に係る化学蓄熱用成形体の作製方法及び化学蓄熱装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明に係る化学蓄熱装置の一実施形態を備えた排気浄化システムを示す概略構成図である。同図において、本実施形態に係る排気浄化システム1は、車両のディーゼルエンジン2(以下、単にエンジン2という)の排気系に設けられ、エンジン2から排出される排ガス中に含まれる有害物質(環境汚染物質)を浄化する装置である。
排気浄化システム1は、エンジン2と接続された排気通路3の途中に上流側から下流側に向けて順に設けられた酸化触媒(DOC)4、ディーゼル排気微粒子除去フィルタ(DPF)5、選択還元触媒(SCR)6及び酸化触媒(ASC)7を備えている。
酸化触媒4は、排ガス中に含まれるHCやCO等を酸化して浄化する触媒である。DPF5は、排ガス中に含まれるPMを捕集して取り除くフィルタである。SCR6は、尿素水から加水分解して生成されたNH(アンモニア)によって、排ガス中に含まれるNOxを還元して浄化する触媒である。酸化触媒7は、SCR6をすり抜けて下流側に流れたNHを酸化する触媒である。
また、排気浄化システム1は、排気通路3におけるSCR6の上流側に還元剤である尿素水を噴射(添加)する添加弁8と、この添加弁8と還元剤導入配管9を介して接続された還元剤タンク10と、排気通路3におけるDPF5とSCR6との間に配置された分散装置11とを備えている。分散装置11は、添加弁8から噴射された尿素水及びNHを分散してSCR6に供給する。
酸化触媒4は、図2及び図3に示すように、排気通路3の一部を形成する排気管12の内側に配置されている。酸化触媒4は、触媒物質を担持するハニカム基材13からなっている。ハニカム基材13は、SiC及びコージェライト等のセラミックやステンレス等のメタルで形成されている。ハニカム基材13に担持される触媒物質としては、白金やパラジウム等の貴金属が用いられる。
このような酸化触媒4等の排気触媒には、環境汚染物質の浄化能力を発揮させる温度領域(活性温度)が存在する。従って、酸化触媒4の温度を活性温度にするために、酸化触媒4を加熱する必要がある。
そこで、排気浄化システム1は、エネルギーレスで酸化触媒4を加熱する化学蓄熱装置14を備えている。化学蓄熱装置14は、通常は排ガスの熱(排熱)を蓄えておき、必要なときに蓄えた熱を使用するというものである。
化学蓄熱装置14は、図1〜図3に示すように、排気管12を挟んで酸化触媒4の周囲に配置されたリング状の反応器15と、この反応器15と媒体供給配管16を介して接続され、反応媒体としてのNHを吸着して貯蔵する貯蔵器17とを有している。貯蔵器17には、NHを物理吸着する活性炭が内蔵されている。媒体供給配管16には、電磁式の開閉弁18が設けられている。開閉弁18は、コントローラ19によって制御される。
反応器15は、金属(例えばSUS)で形成された外筒ケース20を有している。外筒ケース20内には、リング状の化学蓄熱用成形体21が排気管12に接触するように配置されている。
化学蓄熱用成形体21は、貯蔵器17に吸着されたNHと化学反応して熱を発生させる蓄熱材22と、この蓄熱材22よりも熱伝導率の高い伝熱材23とを含有している。蓄熱材22は、例えばMgCl、CaCl、NiCl、ZnCl、SrCl等で形成されている。伝熱材23は、例えば銅、アルミニウム、カーボンファイバ等で形成されている。
化学蓄熱用成形体21は、粒子状または粉末状の蓄熱材22と棒状の伝熱材23とを混合し、これらをプレス加工により押し固められて形成されている。なお、化学蓄熱用成形体21を作製する方法については、後で詳述する。各棒状の伝熱材23は、酸化触媒4の径方向に沿って延びるように配向されている。このように伝熱材23が混合された蓄熱材22を成形体化することにより、化学蓄熱用成形体21内において熱の伝わり具合を良くすることができる。
外筒ケース16内における化学蓄熱用成形体21の外側には、リング状の断熱材24が外筒ケース16に接触するように配置されている。断熱材24としては、例えばアルミナやシリカ等のマットが用いられる。媒体供給配管16の一端部は、断熱材24を貫通して化学蓄熱用成形体21と接続されている。
以上のように構成された排気浄化システム1において、エンジン2からの排ガスの温度が低いときは、コントローラ19の制御により開閉弁18が開弁されることで、貯蔵器17に貯蔵されたNHが媒体供給配管16を介して反応器15の化学蓄熱用成形体21に供給され、化学蓄熱用成形体21に含まれる蓄熱材22(例えばMgCl)とNHとが化学反応して化学吸着(配位結合)し、化学蓄熱用成形体21から熱が発生する。つまり、下記の反応式における左辺から右辺への反応が起こる。そして、化学蓄熱用成形体21で発生した熱が排気管12を介して酸化触媒4に伝熱され、その熱によって酸化触媒4が汚染物質の浄化に適した活性温度まで加熱される。
MgClNH ⇔ Mg(NHCl+熱
一方、エンジン2からの排ガスの温度が高くなると、排ガスの熱が化学蓄熱用成形体21に含まれる蓄熱材22(例えばMgCl)に与えられることでMgClとNHとが分離する。つまり、上記の反応式における右辺から左辺への反応が起こる。そして、MgClから分離したNHは、媒体供給配管16を介して貯蔵器17に戻って回収される。
図4は、本発明に係る化学蓄熱用成形体の作製方法の一実施形態を示す概略工程図である。同図において、上記の化学蓄熱用成形体21を作製するときは、図5に示すような成形用金型25を準備する(準備工程)。成形用金型25は、下型26、中型27及び上型28からなっている。なお、図4では、下型26及び上型28を簡略化して示している。下型26の上面26aは、湾曲凸状となっている。上型28の下面28aは、湾曲凹状となっている。中型27の下側部分には、下型26が収容される下型収容部27aが形成されている。中型27の上部には、上型28が収容される上型収容部27bが形成されている。
また、粒子状の蓄熱材22と棒状の伝熱材23とを複数ずつ準備する(準備工程)。なお、蓄熱材22としては、粉末状であっても良い。
まず図4(a)に示すように、下型26の上面26aに複数の棒状の伝熱材23を立てるように装着する。具体的には、例えば下型26の上面26aに複数の穴を開けておき、その穴に伝熱材23を差し込むようにする。このとき、伝熱材23は、図5に示すように、下型26の上面26aに対して接線方向に直交する方向に立てるようにする。
次いで、図4(b)及び図5に示すように、中型27の下型収容部27aに下型26が収容されるように、中型27を下型26にセットする。そして、その状態で中型27の内部に蓄熱材22を入れることで、蓄熱材22と伝熱材23とを混合させる(混合工程)。これにより、伝熱材23は、下型26に対して立った状態で蓄熱材22と混合されることとなる。
次いで、図4(c)及び図5に示すように、中型27の上型収容部27bに上型28が挿入されるように上型28を中型27にセットし、その状態で、伝熱材23が混合された蓄熱材22を上型28により下型26に対して所定の圧力でプレスする(成形工程)。これにより、図4(d)に示すように、円弧状の化学蓄熱用成形体21aが得られる。
このとき、伝熱材23は、上述したように、下型26の上面26aに対して接線方向に直交する方向に立てられた状態でプレスされる。このため、伝熱材23は、化学蓄熱用成形体21aの厚み方向に配向されることとなる。なお、図4(d)では、伝熱材23の配向方向をモデル化して示している。
そして、複数の化学蓄熱用成形体21aを周方向に沿って繋ぎ合わせることにより、上記のリング状の化学蓄熱用成形体21が得られる。
ここで、比較例として、従来における化学蓄熱用成形体の作製方法の一例を図6に示す。図6において、上記の成形用金型25を準備すると共に、粒子状または粉末状の蓄熱材22と棒状の伝熱材23とを準備する。このとき、本方法では、図6(a)に示すように、下型26の上面26aに棒状の伝熱材23を立てるように装着する工程は実施しない。そして、図6(b)に示すように、中型27を下型26にセットした状態で、中型27の内部に蓄熱材22及び伝熱材23を入れて、蓄熱材22と伝熱材23とを混合させる。
次いで、図6(c)に示すように、上型28を中型27にセットした状態で、伝熱材23が混合された蓄熱材22を上型28により下型26に対してプレスする。これにより、図6(d)に示すように、円弧状の化学蓄熱用成形体21aが得られる。このとき、伝熱材23は、単に蓄熱材22と混ぜ合わせただけであるため、化学蓄熱用成形体21aにおいてランダムに配向されることとなる。
このようにして作製された化学蓄熱用成形体21aから得られた化学蓄熱用成形体21では、伝熱材23が化学蓄熱用成形体21の厚み方向に配向された状態にはなっていない。このため、反応器15が酸化触媒4の周囲に配置された状態では、化学蓄熱用成形体21内の伝熱材23は酸化触媒4の径方向に沿って延びるように配向されていない状態となる。従って、蓄熱材22とNHとの化学反応によって化学蓄熱用成形体21から熱が発生しても、その熱が酸化触媒4に伝わりにくいため、酸化触媒4を十分に加熱することが困難である。
これに対し本実施形態では、下型26に複数の棒状の伝熱材23を立てた状態で伝熱材23に蓄熱材22を混合し、その状態で伝熱材23が混合された蓄熱材22を上型28により下型26に対してプレスすることにより、円弧状の化学蓄熱用成形体21aを得るようにしたので、伝熱材23が化学蓄熱用成形体21の厚み方向に配向された状態となる。
このため、反応器15が酸化触媒4の周囲に配置されると、化学蓄熱用成形体21内の伝熱材23が酸化触媒4の径方向に沿って平行に延びるように配向された状態となるため、熱伝導性の高い化学蓄熱用成形体21が得られる。従って、蓄熱材22とNHとの化学反応によって化学蓄熱用成形体21から熱が発生したときには、その熱が伝熱材23を介して酸化触媒4に伝熱し、酸化触媒4が加熱されることになる。これにより、化学蓄熱用成形体21から酸化触媒4に熱が伝わりやすくなるため、酸化触媒4を十分に加熱することができる。
また、棒状の伝熱材23を下型26に立てた状態で、伝熱材23が混合された蓄熱材22を成形することで、複数の伝熱材23の一部が化学蓄熱用成形体21の内側(酸化触媒4側)の表面に現れるようになるため、伝熱材23を介して酸化触媒4へ更に伝熱しやすくなる。
その結果、酸化触媒4の活性化を促進させて、排ガス中に含まれるHCやCO等を効果的に浄化することができる。また、NOを酸化してNOが生成されるので、排ガスの温度が低くても、SCR6においてNOxを浄化することができる。
なお、本実施形態では、化学蓄熱用成形体21内の伝熱材23が酸化触媒4の径方向に沿って平行に延びるように配向されているが、特にそれには限られず、化学蓄熱用成形体21内の伝熱材23が酸化触媒4の径方向に対して斜めに延びるように配向されていても良い。つまり、化学蓄熱用成形体21内の伝熱材23が酸化触媒4に向かって延びるように配向されていれば良い。例えば、伝熱材23を下型26の上面26aに下型26の鉛直方向(プレス方向)に立てるように装着しても良く、この場合にはプレス時に伝熱材23の角度が変わることが少なくなる。
図7は、図4に示した化学蓄熱用成形体の作製方法の変形例を示す概略工程図である。同図において、まず図7(a)に示すように、下型26の上面26aに複数の棒状の伝熱材23を立てるように装着する。次いで、図7(b)に示すように、中型27を下型26にセットした状態で、中型27の内部に粒子状または粉末状の蓄熱材22と粒子状の蓄熱材23aを入れることで、蓄熱材22と伝熱材23,23aとを混合させる。
次いで、図7(c)に示すように、上型28を中型27にセットした状態で、伝熱材23,23aが混合された蓄熱材22を上型28により下型27に対してプレスする。これにより、図7(d)に示すように、円弧状の化学蓄熱用成形体21aが得られる。
本変形例では、棒状の伝熱材23が立った状態で蓄熱材22と混合されるだけでなく、粒子状の蓄熱材23aも蓄熱材22と混合されるので、化学蓄熱用成形体21から酸化触媒4に熱が更に伝わりやすくなる。
図8は、本発明に係る化学蓄熱用成形体の作製方法の他の実施形態を示す概略工程図である。同図において、まず図8(a)に示すように、粒子状の蓄熱材22と棒状の伝熱材23とを複数ずつ準備し、これらの蓄熱材22及び伝熱材23を混合する。なお、蓄熱材22としては、粉末状であっても良い。
次いで、図8(b)に示すように、正方形状の隙間(網目)を有する網状部材30を用意し、蓄熱材22と伝熱材23との混合領域群の中に網状部材30を入れる。そして、その状態で網状部材30を振動させることで、棒状の伝熱材23を立たせる。
このとき、図9に示すように、棒状の伝熱材23の長さLは、網状部材30の網目の対角線寸法Lよりも長くなっている。このため、網状部材30を振動させると、棒状の伝熱材23が網状部材30の隙間をスムーズに通過して立つようになる。
次いで、図8(c)に示すように、伝熱材23が混合された蓄熱材22を成形用金型25に投入する。このとき、伝熱材23を成形用金型25に対して立った状態とする。そして、伝熱材23が混合された蓄熱材22を成形用金型25により所定の圧力でプレスする。これにより、円弧状の化学蓄熱用成形体21a(図4(d)参照)が得られる。このとき、伝熱材23が成形用金型25に対して立った状態でプレスされるので、伝熱材23は化学蓄熱用成形体21aのほぼ厚み方向に配向されることとなる。
これにより、反応器15が酸化触媒4の周囲に配置されると、化学蓄熱用成形体21内の伝熱材23は酸化触媒4に向かって延びるように配向された状態となるため、熱伝導性の高い化学蓄熱用成形体21が得られる。これにより、化学蓄熱用成形体21から酸化触媒4に熱が伝わりやすくなるため、酸化触媒4を十分に加熱することができる。
なお、本実施形態では、蓄熱材22と伝熱材23とを混合した後に、伝熱材23を網状部材30に通して立てるようにしたが、特にその方法には限られず、伝熱材23を網状部材30に通して立てた状態とした後に、蓄熱材22と伝熱材23とを混合しても良い。また、上述した実施形態と同様に、棒状の伝熱材23だけでなく粒子状の伝熱材23aも蓄熱材22に混合しても良い。
以上、本発明に係る化学蓄熱用成形体の作製方法及び化学蓄熱装置の好適な実施形態について幾つか説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものでは無い。例えば、上記実施形態では、反応媒体であるNHとMgCl、CaCl等の蓄熱材22とを化学反応させて熱を発生させるようにしたが、反応媒体としては、特にNHには限られず、例えばHOとしても良い。この場合には、HOと化学反応させる蓄熱材としては、CaO、MnO、CuO、Al等を使用する。
さらに、上記実施形態は、ディーゼルエンジン2の排気系に設けられた酸化触媒4を加熱するものであるが、本発明は、ディーゼルエンジン2の排気系に設けられた他の排気触媒や排気管を加熱するもの、或いはガソリンエンジンの排気系に設けられた何れかの排気触媒や排気管を加熱するものにも適用可能である。
2…ディーゼルエンジン、3…排気通路(排気系)、4…酸化触媒(加熱対象物)、14…化学蓄熱装置、15…反応器、17…貯蔵器、21,21a…化学蓄熱用成形体、22…蓄熱材、23,23a…伝熱材、25…成形用金型、26…下型、27…中型、28…上型、30…網状部材。

Claims (5)

  1. エンジンの排気系に設けられた加熱対象物の加熱に使用される化学蓄熱用成形体の作製方法において、
    反応媒体と化学反応して熱を発生させる粒子状または粉末状の蓄熱材と、前記蓄熱材よりも熱伝導率の高い棒状の伝熱材と、成形用金型とを準備する準備工程と、
    前記棒状の伝熱材を立てた状態で前記蓄熱材と前記伝熱材とを混合する混合工程と、
    前記伝熱材が混合された前記蓄熱材を前記成形用金型によってプレスして成形することにより、前記蓄熱材と前記伝熱材とを含有した前記化学蓄熱用成形体を得る成形工程とを含み、
    前記準備工程では、前記成形用金型として下型、中型及び上型からなるものを準備し、
    前記混合工程では、前記棒状の伝熱材を前記下型に立てるように装着し、その状態で前記下型に前記中型をセットし、前記中型の内部に前記蓄熱材を入れることで、前記蓄熱材と前記伝熱材とを混合し、
    前記成形工程では、前記中型に前記上型をセットし、前記伝熱材が混合された前記蓄熱材を前記上型により前記下型に対してプレスすることを特徴とする化学蓄熱用成形体の作製方法。
  2. エンジンの排気系に設けられた加熱対象物の加熱に使用される化学蓄熱用成形体の作製方法において、
    反応媒体と化学反応して熱を発生させる粒子状または粉末状の蓄熱材と、前記蓄熱材よりも熱伝導率の高い棒状の伝熱材と、成形用金型とを準備する準備工程と、
    前記棒状の伝熱材を立てた状態で前記蓄熱材と前記伝熱材とを混合する混合工程と、
    前記伝熱材が混合された前記蓄熱材を前記成形用金型によってプレスして成形することにより、前記蓄熱材と前記伝熱材とを含有した前記化学蓄熱用成形体を得る成形工程とを含み、
    前記混合工程では、前記棒状の伝熱材の長さよりも小さい網目寸法を有する網状部材を用意し、前記網状部材を振動させて、前記棒状の伝熱材を前記網状部材に通すことにより、前記棒状の伝熱材を立てることを特徴とする化学蓄熱用成形体の作製方法。
  3. 前記混合工程では、前記棒状の伝熱材と一緒に粒子状の伝熱材を前記蓄熱材に混合することを特徴とする請求項1または2記載の化学蓄熱用成形体の作製方法。
  4. エンジンの排気系に設けられた加熱対象物を加熱する化学蓄熱装置において、
    前記加熱対象物の周囲に配置され、反応媒体と化学反応して熱を発生させる粒子状または粉末状の蓄熱材と前記蓄熱材よりも熱伝導率の高い複数の棒状の伝熱材とを含む化学蓄熱用成形体を有する反応器と、
    前記反応器と接続され、前記反応媒体を貯蔵する貯蔵器とを備え、
    前記伝熱材は、前記化学蓄熱用成形体の内部において前記加熱対象物に向かって前記加熱対象物の径方向に沿って延びるように配向されており、
    前記複数の伝熱材の一部は、前記化学蓄熱用成形体の前記加熱対象物側の表面に現れていることを特徴とする化学蓄熱装置。
  5. 前記蓄熱材には、前記棒状の伝熱材と一緒に粒子状の伝熱材が混合されていることを特徴とする請求項4記載の化学蓄熱装置。
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