JP2014234715A - 排気ガス浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気ガスの圧力損失の上昇を抑えながら排気ガスの浄化効率を向上させた排気ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】分散部材20は、円筒形状の本体21と、本体21の軸線方向の一方の端部に設けられた略長方形形状を有する板状の8つの羽根22とを備えている。羽根22は、金属粉末を成型して焼結する粉末冶金によって製造され、無数の細孔が存在する多孔質性の粉末合金となる。羽根22の表面及び内部(細孔の内表面)には、加水分解触媒が担持されている。
【選択図】図2
【解決手段】分散部材20は、円筒形状の本体21と、本体21の軸線方向の一方の端部に設けられた略長方形形状を有する板状の8つの羽根22とを備えている。羽根22は、金属粉末を成型して焼結する粉末冶金によって製造され、無数の細孔が存在する多孔質性の粉末合金となる。羽根22の表面及び内部(細孔の内表面)には、加水分解触媒が担持されている。
【選択図】図2
Description
この発明は、排気ガス浄化装置に関する。
ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を低減するために、尿素SCRシステムが開発されている。尿素SCRシステムの基本構成は、一酸化窒素(NO)や炭化水素(HC)等を酸化するための酸化触媒と、酸化触媒の下流側に設けられ、尿素水から生成したアンモニアとNOxとの化学反応により、NOxを窒素及び水にするためのSCR触媒と、SCR触媒に尿素水を添加するための尿素添加システムと、SCR触媒の下流側に設けられ、SCR触媒における化学反応で消費されずに残ったアンモニアを酸化するためのアンモニアスリップ触媒とから構成される。
このような排気ガス浄化装置において、尿素添加システムから添加された尿素水が排気ガス中で十分に分散されて加水分解し、SCR触媒中でできる限り一様にアンモニアが分散することが、NOxの浄化効率の向上に好ましい。添加された尿素水を排気ガス中に十分に分散させることを目的として、SCR触媒の上流側に分散板を設ける技術が特許文献1に記載されている。また、尿素水の微粒化を促進すると共に排気ガス中にさらに拡散させやすくするために、分散板を加熱するための加熱装置を設けることも記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の排気ガス浄化装置に設けられた分散板には、圧力損失が大きくなり過ぎないように、排気ガスが通過するための通過路をある程度の開口率で設けなければならない。その結果、分散板の構造にある程度制限が生じるため、排気ガスの分散効果が限定されるといった問題点があった。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、排気ガスの圧力損失の上昇を抑えながら排気ガスの浄化効率を向上させた排気ガス浄化装置を提供することを目的とする。
内燃機関から排出された排気ガスが流通する排気管と、排気管に設けられた浄化触媒と、浄化触媒の上流に設けられ該浄化触媒に液体物質を供給する供給手段と、浄化触媒と供給手段との間に設けられた分散部材とを備え、分散部材の少なくとも一部が粉末合金からなる。粉末合金からなる部分は、複数の細孔からなる多孔質であるため、排気ガスの一部は、複数の細孔を通って分散部材を通過することができる。
分散部材を加熱する加熱手段を備えてもよい。
分散部材は、排気ガスの流れを乱す散乱部を有してもよい。
液体物質は尿素水であり、尿素を加水分解する加水分解触媒が分散部材に担持されていてもよい。
液体物質は軽油であり、軽油を燃焼させる酸化触媒が分散部材に担持されていてもよい。
分散部材を加熱する加熱手段を備えてもよい。
分散部材は、排気ガスの流れを乱す散乱部を有してもよい。
液体物質は尿素水であり、尿素を加水分解する加水分解触媒が分散部材に担持されていてもよい。
液体物質は軽油であり、軽油を燃焼させる酸化触媒が分散部材に担持されていてもよい。
この発明によれば、分散部材の少なくとも一部が粉末合金からなることにより、排気ガスの一部は、粉末合金からなる部分に存在する複数の細孔を通って分散部材を通過することができるので、排気ガスの圧力損失の上昇を抑えながら排気ガスの浄化効率を向上させることができる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
この実施の形態1に係る排気ガス浄化装置の構成を図1に示す。内燃機関であるディーゼルエンジン1から排出された排気ガスが流通する排気管2に、酸化触媒3と、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)4と、アンモニアを還元剤としてNOxを選択的に還元するSCR触媒5(浄化触媒)と、SCR触媒5を通過してきたアンモニアを酸化するアンモニアスリップ触媒6とが順次設けられている。排気管2には、DPF4とSCR触媒5との間に、尿素水を供給する供給手段である噴射ノズル7が設けられており、噴射ノズル7は、配管8を介して、尿素水を貯留する尿素水タンク9に連通している。配管8には、尿素水タンク9内の尿素水を噴射ノズル7に供給するための尿素水添加システム10が設けられている。尿素水添加システム10は、制御手段であるECU14に電気的に接続されている。また、排気管2には、噴射ノズル7とSCR触媒5との間に、分散部材20が設けられている。
実施の形態1.
この実施の形態1に係る排気ガス浄化装置の構成を図1に示す。内燃機関であるディーゼルエンジン1から排出された排気ガスが流通する排気管2に、酸化触媒3と、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)4と、アンモニアを還元剤としてNOxを選択的に還元するSCR触媒5(浄化触媒)と、SCR触媒5を通過してきたアンモニアを酸化するアンモニアスリップ触媒6とが順次設けられている。排気管2には、DPF4とSCR触媒5との間に、尿素水を供給する供給手段である噴射ノズル7が設けられており、噴射ノズル7は、配管8を介して、尿素水を貯留する尿素水タンク9に連通している。配管8には、尿素水タンク9内の尿素水を噴射ノズル7に供給するための尿素水添加システム10が設けられている。尿素水添加システム10は、制御手段であるECU14に電気的に接続されている。また、排気管2には、噴射ノズル7とSCR触媒5との間に、分散部材20が設けられている。
図2に示されるように、分散部材20は、排気管2(図1参照)の内径とほぼ同じ外径を有する円筒形状の本体21と、本体21の軸線方向の一方の端部に設けられた略長方形形状を有する板状の8つの羽根22とを備えている。本体21は、その外周面が排気管2の内周面に接するように設けられている。羽根22は、円周方向において相互に近接して配置されている。隣り合う羽根の一方の端部同士が部分的に重なり合う部分には、八角形形状の中央通路23が構成され、各羽根の他方の端部側では、隣り合う羽根の間に、扇形形状の隙間24が構成されている。ここで、羽根22は、後述する動作で排気ガスが分散部材20を通過する際に排気ガスの流れを乱すことになるので、分散部材20の散乱部を構成する。
羽根22は、金属粉末を成型して焼結する粉末冶金によって製造される。金属粉末は、鉄系、銅系、ステンレス系、チタン系、タングステン系等、任意のものでよい。成型は主にプレス成形で行われ、特に、金属粉末射出成形法(Metal Injection Molding)を用いて行ってもよい。その結果、羽根22は、無数の細孔が存在する多孔質性の粉末合金となる。このようにして製造された羽根22を、尿素をアンモニアに加水分解する加水分解触媒のスラリーに浸漬して焼結することで、羽根22の表面及び内部(細孔の内表面)に加水分解触媒が担持される。羽根22の表面だけではなく、羽根22の内部にも加水分解触媒が担持されるので、通常の金属片から羽根を製造した場合に比べて加水分解触媒の担持量を増加できる。
図1に示されるように、分散部材20が設けられている箇所の排気管2の外周面の周りに電熱線31が巻きつけられ、それを覆うように保温部材32が設けられている。電熱線31は、ディーゼルエンジン1を搭載した車両のバッテリ30にスイッチ33を介して電気的に接続されている。ここで、電熱線31によって排気管2の一部が加熱され、その熱が分散部材20に伝わって分散部材20を加熱することになるので、電熱線31は、分散部材20を加熱する加熱手段を構成する。
排気管2には、DPF4と分散部材20との間に、排気ガスの温度を検出する温度センサ35が設けられている。温度センサ35はECU14に電気的に接続されている。また、スイッチ33も、ECU14に電気的に接続されている。
次に、この実施の形態1に係る排気ガス浄化装置の動作について説明する。
図1に示されるように、ディーゼルエンジン1の始動後、ディーゼルエンジン1から排出された排気ガスは、排気管2を流通する。排気ガスが酸化触媒3を流通することにより、排気ガス中の一酸化窒素(NO)の一部が二酸化窒素(NO2)に酸化され、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)も酸化される。続いて排気ガスがDPF4を流通することにより、排気ガス中のパティキュレートマター(PM)がDPF4に捕捉される。ECU14は尿素水添加システム10を作動させ、尿素水タンク9内の尿素水を、配管8を介して噴射ノズル7に供給し、DPF4から流出した排気ガスに尿素水が噴射ノズル7から供給される。DPF4から流出し尿素水を供給された排気ガスは、分散部材20を通過した後、SCR触媒5に流入する。後述する動作により排気ガスが分散部材20を通過してSCR触媒5に流入する過程で、供給された尿素水は、排気ガス中に分散されると共に排気ガスの熱等によって加水分解されてアンモニアと二酸化炭素(CO2)となる。SCR触媒5において、生成したアンモニアと排気ガス中のNOxとが反応して、窒素(N2)及び水となる(排気ガスの浄化反応)。SCR触媒5において消費されずに残ったアンモニアは、アンモニアスリップ触媒6において酸化される。このようにしてNOxが浄化された排気ガスは、排気管2を流通して大気中へ排気される。
図1に示されるように、ディーゼルエンジン1の始動後、ディーゼルエンジン1から排出された排気ガスは、排気管2を流通する。排気ガスが酸化触媒3を流通することにより、排気ガス中の一酸化窒素(NO)の一部が二酸化窒素(NO2)に酸化され、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)も酸化される。続いて排気ガスがDPF4を流通することにより、排気ガス中のパティキュレートマター(PM)がDPF4に捕捉される。ECU14は尿素水添加システム10を作動させ、尿素水タンク9内の尿素水を、配管8を介して噴射ノズル7に供給し、DPF4から流出した排気ガスに尿素水が噴射ノズル7から供給される。DPF4から流出し尿素水を供給された排気ガスは、分散部材20を通過した後、SCR触媒5に流入する。後述する動作により排気ガスが分散部材20を通過してSCR触媒5に流入する過程で、供給された尿素水は、排気ガス中に分散されると共に排気ガスの熱等によって加水分解されてアンモニアと二酸化炭素(CO2)となる。SCR触媒5において、生成したアンモニアと排気ガス中のNOxとが反応して、窒素(N2)及び水となる(排気ガスの浄化反応)。SCR触媒5において消費されずに残ったアンモニアは、アンモニアスリップ触媒6において酸化される。このようにしてNOxが浄化された排気ガスは、排気管2を流通して大気中へ排気される。
次に、分散部材20における排気ガスの流通動作について説明する。
尿素水を供給された排気ガスの一部は、中央通路23や隙間24を介して分散部材20を通過する。残りの排気ガスは、羽根22に衝突する。羽根22に衝突した排気ガスの一部は、流れ方向を変えられて羽根22の表面に沿って流れ、中央通路23や隙間24を介して分散部材20を通過する。排気ガスの流れ方向が変えられることで排気ガスの流れを乱すことになるので、排気ガス中に含まれる尿素水が排気ガス中に分散されることとなる。また、羽根22に衝突した残りの排気ガスは、羽根22の細孔に入り込み、細孔を通って分散部材20を通過する。排気ガスがこのような異なる経路で分散部材20を通過することにより、排気ガスの流れが乱されるので、排気ガス中の尿素水の分散性が向上する。
尿素水を供給された排気ガスの一部は、中央通路23や隙間24を介して分散部材20を通過する。残りの排気ガスは、羽根22に衝突する。羽根22に衝突した排気ガスの一部は、流れ方向を変えられて羽根22の表面に沿って流れ、中央通路23や隙間24を介して分散部材20を通過する。排気ガスの流れ方向が変えられることで排気ガスの流れを乱すことになるので、排気ガス中に含まれる尿素水が排気ガス中に分散されることとなる。また、羽根22に衝突した残りの排気ガスは、羽根22の細孔に入り込み、細孔を通って分散部材20を通過する。排気ガスがこのような異なる経路で分散部材20を通過することにより、排気ガスの流れが乱されるので、排気ガス中の尿素水の分散性が向上する。
また、羽根22に無数の細孔が存在し、排気ガスの一部は細孔を通って羽根22を通過することもできるので、通常の金属片からなる羽根で製造した同じ構造の分散部材に比べて、排気ガスが分散部材20を通過しやすくなる、すなわち分散部材20での圧力損失が小さくなる。このため、通常の金属片からなる羽根で製造した同じ構造の分散部材に比べて、中央通路23や隙間24のサイズを小さくすることができるので、羽根22によって排気ガスの流れを乱す効果が大きくなり、分散部材20による尿素水の分散効果を向上することができる。その結果、尿素の加水分解によって生じたアンモニアも排気ガス中に良好に分散され、SCR触媒5全体に均一にアンモニアが供給されるので、SCR触媒5におけるNOx浄化効率が向上する。
さらに、羽根22の表面及び内部に加水分解触媒が担持されているので、排気ガスが羽根22の表面に沿って流れる間、または、羽根22の細孔中を流れる間に、加水分解触媒の作用により、アンモニアへの尿素の加水分解が促進される。ただし、ディーゼルエンジン1の始動直後のように排気ガスの温度が低い場合には、加水分解触媒が存在しても、尿素の加水分解反応が十分に生じない。このため、温度センサ35についての下限温度をECU14に予め設定しておき、温度センサ35による検出値が下限温度よりも低い場合には、ECU14はスイッチ33をオンにすることにより、バッテリ30から電熱線31に給電されて電熱線31が分散部材20を加熱する。これにより、排気ガスの温度が低い場合でも、加水分解触媒が活性化されて、尿素の加水分解反応が促進される。その後、温度センサ35の検出値が下限温度以上となったら、ECU14はスイッチ33をオフにすることにより、分散部材20の加熱を停止する。
このように、分散部材20の羽根22が粉末合金からなることにより、排気ガスの一部は、羽根22に存在する複数の細孔を通って分散部材20を通過することができるので、排気ガスの圧力損失の上昇を抑えながら排気ガスの浄化効率を向上させることができる。
実施の形態1では、DPF4をSCR触媒5と別体にしてSCR触媒5の上流に設けていたが、この形態に限定するものではない。多孔質性の基材の表面にPMを捕集する捕集層をコーティングすると共に基材の細孔内にSCR触媒成分を担持したものを設けてもよい。この場合は、噴射ノズル7及び分散部材20は、DPF4の上流に設けられる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る排気ガス浄化装置の構成を示す。尚、実施の形態2において、図1及び2の参照符号と同一の符号は、同一又は同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
この発明の実施の形態2に係る排気ガス浄化装置は、実施の形態1とは別のタイプの排気ガス浄化装置である。
次に、この発明の実施の形態2に係る排気ガス浄化装置の構成を示す。尚、実施の形態2において、図1及び2の参照符号と同一の符号は、同一又は同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
この発明の実施の形態2に係る排気ガス浄化装置は、実施の形態1とは別のタイプの排気ガス浄化装置である。
この実施の形態2に係る排気ガス浄化装置の構成を図3に示す。排気管2に、浄化触媒である酸化触媒43と、DPF4とが設けられている。ディーゼルエンジン1と酸化触媒43との間には、軽油を供給する供給手段である噴射ノズル47が設けられており、噴射ノズル47は、図示しない燃料タンクに連通すると共にECU14に電気的に接続されている。また、排気管2には、ディーゼルエンジン1と酸化触媒43との間に、排気ガスの温度を検出する温度センサ35が設けられている。温度センサ35はECU14に電気的に接続されている。さらに、排気管2には、噴射ノズル47と酸化触媒43との間に、分散部材40が設けられている。分散部材40は、加水分解触媒ではなく軽油を燃焼させる酸化触媒が担持されていること以外は、実施の形態1の分散部材20(図2参照)と同じ構成である。また、実施の形態1と同じ構成で、バッテリ30と電熱線31と保温部材32とスイッチ33とが設けられている。
次に、この実施の形態2に係る排気ガス浄化装置の動作について説明する。
ディーゼルエンジン1の始動後、ディーゼルエンジン1から排出された排気ガスは、排気管2を流通する。排気ガスは、分散部材40を通過した後、酸化触媒43に流入する。排気ガスが酸化触媒43に流入すると、酸化触媒43において、排気ガス中のCO及びHCが酸化される(排気ガスの浄化反応)。続いて排気ガスがDPF4を流通することにより、排気ガス中のPMがDPF4に捕捉される。このようにしてCO及びHCが浄化された排気ガスは、排気管2を流通して大気中へ排気される。
ディーゼルエンジン1の始動後、ディーゼルエンジン1から排出された排気ガスは、排気管2を流通する。排気ガスは、分散部材40を通過した後、酸化触媒43に流入する。排気ガスが酸化触媒43に流入すると、酸化触媒43において、排気ガス中のCO及びHCが酸化される(排気ガスの浄化反応)。続いて排気ガスがDPF4を流通することにより、排気ガス中のPMがDPF4に捕捉される。このようにしてCO及びHCが浄化された排気ガスは、排気管2を流通して大気中へ排気される。
しかしながら、ディーゼルエンジン1の始動直後のように、排気ガスの温度が低く酸化触媒43の温度が活性化温度よりも低い場合には、上記排気ガスの浄化反応が生じにくくなる。このため、ECU14に、温度センサ35による検出値に関する下限温度を予め設定しておき、温度センサ35による検出値が当該下限温度よりも低い場合には、ECU14は、噴射ノズル47から軽油を排気ガスに供給する。供給された軽油は、排気ガスと共に分散部材40を通過した後、酸化触媒43に流入する。実施の形態1と同様の動作で、分散部材40において軽油が排気ガス中に良好に分散する。また、軽油が良好に分散された排気ガスが酸化触媒に流入すると、酸化触媒43全体で一様に軽油の燃焼反応が生じ、その反応熱で酸化触媒43全体が一様に昇温する。また、軽油を含む排気ガスが分散部材40を通過する過程で、分散部材40に担持された酸化触媒によっても軽油の燃焼反応が生じ、その反応熱で昇温された排気ガスが酸化触媒43に流入することによっても、酸化触媒43が昇温される。酸化触媒43が昇温されて活性化温度以上になると排気ガスの浄化反応が良好に生じるようになるので、ECU14は、噴射ノズル47からの軽油の供給を停止する。なお、温度センサ35による検出値が当該下限温度よりも低い場合には、ECU14はスイッチ33をオンにすることにより、バッテリ30から電熱線31に給電されて電熱線31が分散部材20を加熱してもよい。
また、排気ガス中のPMは、DPF4に捕集されるが、ECU14は、DPF4の差圧を検出する等の公知の技術で、DPF4に捕集されたPMの量が任意の設定値以上になったことを判定すると、噴射ノズル47から軽油を排気ガスに供給する。供給された軽油は、排気ガスと共に分散部材40を通過した後、酸化触媒43に流入する。上述した動作によって軽油が排気ガス中に良好に分散しながら、分散部材40に担持された酸化触媒と酸化触媒43とによって燃焼し、排気ガスの温度が上昇する。高温の排気ガスがDPF4に流入すると、排気ガスの熱により、DPF4に捕集されたPMが燃焼してDPF4から除去される。ECU14は、DPF4の差圧等からDPF4に捕集されたPMの除去を確認すると、噴射ノズル47からの軽油の供給を停止する。
このように、CO及びHCを酸化浄化する酸化触媒43において、必要に応じて軽油を燃焼させることで酸化触媒43を昇温させる、あるいは、必要に応じて軽油を燃焼させることでDPF4に捕集されたPMを除去する排気ガス浄化装置でも、噴射ノズル47と酸化触媒43との間に、粉末合金からなる羽根22を備えた分散部材40を設けることにより、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態1及び2において、分散部材20,40は、円筒形状の本体21と、本体21の軸線方向の一方の端部に設けられた略長方形形状を有する板状の8つの羽根22とからなる構成を有するもの(ただし、羽根22の個数は任意)、いわゆるスワラータイプの分散部材であったが、この形態に限定するものではない。例えば、特願2012−47109号公報に開示された、いわゆるパンチングメタルタイプの分散部材を用い、複数の貫通孔があいた板状部材(本願発明の散乱部に相当)を粉末合金から製造してもよく、または、特願2009−24654号公報に開示された、いわゆるミキサータイプの分散部材を用い、フィン部(本願発明の散乱部に相当)を粉末合金から製造してもよい。
実施の形態1及び2において、分散部材20,40を加熱する加熱手段は、分散部材20,40が設けられている箇所の排気管2の外周面の周りに巻きつけられた電熱線31であったがこの形態に限定するものではない。例えば、化学反応を利用した化学蓄熱システムを用いてもよいし、分散部材20,40に直接電流を流すことにより分散部材20,40を発熱させる構成のものであってもよい。
実施の形態1では、分散部材20によって尿素水の排気ガス中への分散を行い、実施の形態2では、分散部材40によって軽油の排気ガス中への分散を行っていたが、これらの形態に限定するものではない。排気ガスに含まれる任意の成分を浄化するための浄化触媒で使用される還元剤または酸化剤並びにこれらを生成する原材料等の液体物質を排気ガス中に分散させるために、分散部材20,40のような構成の分散部材を使用することができる。
1 ディーゼルエンジン(内燃機関)、2 排気管、5 SCR触媒(浄化触媒)、7,47 噴射ノズル(供給手段)、20,40 分散部材、22 羽根(散乱部)、31 電熱線(加熱手段)、43 酸化触媒(浄化触媒)。
Claims (5)
- 内燃機関から排出された排気ガスが流通する排気管と、
該排気管に設けられた浄化触媒と、
該浄化触媒の上流に設けられ該浄化触媒に液体物質を供給する供給手段と、
前記浄化触媒と前記供給手段との間に設けられた分散部材と
を備え、
該分散部材の少なくとも一部が粉末合金からなる排気ガス浄化装置。 - 前記分散部材を加熱する加熱手段を備える、請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
- 前記分散部材は、前記排気ガスの流れを乱す散乱部を有する、請求項1または2に記載の排気ガス浄化装置。
- 前記液体物質は尿素水であり、尿素を加水分解する加水分解触媒が前記分散部材に担持されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の排気ガス浄化装置。
- 前記液体物質は軽油であり、軽油を燃焼させる酸化触媒が前記分散部材に担持されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の排気ガス浄化装置。
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