JP2014101292A - 染毛料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸性染料以外の直接染料を用いたカラートリートメントにおける地肌汚れを抑制すると共に、カラートリートメントの継続使用における変色を抑制し、かつオーバータイム時の変色も抑制し、カラートリートメント使用後に酸化染毛剤で染毛するという継続使用の際に染毛色調の変色を抑制する。
【解決手段】下記(A)〜(D)の染料を含有し、pHが4〜6の範囲内である染毛料組成物。
(A)塩基性青75(Basic Blue 75)
(B)塩基性茶16(Basic Brown 16)及び塩基性茶17(Basic Brown 17)から選ばれる1種以上
(C)HC青2(HC Blue No.2)
(D)HC黄4(HC Yellow No.4)

Description

本発明は染毛料組成物に関する。更に詳しくは本発明は、カラートリートメントにおける直接染料として特定の塩基性染料及びHC染料を組合わせて用いることにより、オーバータイム時の変色や、染毛料の継続使用あるいは染毛料と酸化染毛剤との継続使用における変色を有効に抑制できる染毛料組成物に関する。
染毛用の組成物は、通常、酸化染料を用いる酸化染毛剤等の永久染毛剤、直接染料を用いる半永久染毛料、毛髪を一時的に着色する一時染毛料に大別される。これらの内、半永久染毛料は永久染毛剤と比較して染毛力、染着力が劣るものの、酸化染毛剤のように酸化剤等を用いないので、毛髪に与えるダメージが少ない。半永久染毛料の一種として染毛効果とヘアコンディショニング効果を同時に示すカラートリートメントがある。
ヘアトリートメント等の毛髪化粧料における優れたコンディショニング用成分としてカチオン性界面活性剤が汎用される一方、半永久染毛料に用いる直接染料としては、従来、主にアニオン性染料である酸性染料が用いられてきた。しかし、カラートリートメントにおいて、カチオン性界面活性剤とアニオン性の酸性染料を併用すると両者がコンプレックスを形成してしまう。そこで、カチオン性や非イオン性等の直接染料が好ましく用いられる。
下記の特許文献1では、カチオン性直接染料である特定の青色系塩基性染料の使用を提案している。下記の特許文献2では、特定の青色系塩基性染料と紫色系塩基性染料を組合わせで含有する染毛料組成物を提案している。下記の特許文献3では、非イオン性の直接染料である青色系、赤色系、黄色系等の各種のHC染料を単独又は組合わせで含有する染毛料を提案している。更に下記の特許文献4では、カチオン性界面活性剤を含有する染毛剤組成物における塩基性染料、ニトロ系染料の配合を提案している。
国際公開 WO2009/041095号公報 特開2011−190187号公報 特開2006−206488号公報 特開2004−059565号公報
ところで、前記したように、直接染料は酸化染料に比較して染毛力や染着力が劣る。これに対して、染着力が比較的優れた塩基性染料の配合量を多くして染毛力を高めようとすると、塩基性染料の皮膚への染着(地肌汚れ)が懸念される。
次に、直接染料はシャンプー堅牢性等が不十分である(色落ちし易い)ため、特に多種の色彩の染料を併用する黒色系の染毛料では色落ちにより変色し易い。従って、染毛料の継続使用(繰返しの使用)の際や、染毛料の使用後数日から数週間経過した後に酸化染毛剤で染毛するという継続使用の際に、染毛色調が変化し易い。更に酸性染料以外の直接染料は染料自体が変色や褪色を起こし易く(特許文献3:段落0002)、オーバータイム時の変色も多い。「オーバータイム」とは、染毛料の処理時間が正規に規定された時間を超過してしまうことを言う。
そこで本発明は、酸性染料以外の直接染料を用いたカラートリートメントにおける地肌汚れを抑制すると共に、カラートリートメントの継続使用における変色を抑制し、かつオーバータイム時の変色も抑制し、カラートリートメント使用後に酸化染毛剤で染毛するという継続使用の際に染毛色調の変色を抑制することを、解決すべき課題とする。
(第1発明の構成)
上記課題を解決するための第1発明の構成は、下記(A)〜(D)の染料を含有し、pHが4〜6の範囲内である、染毛料組成物である。
(A)塩基性青75(Basic Blue 75)
(B)塩基性茶16(Basic Brown 16)及び塩基性茶17(Basic Brown 17)から選ばれる1種以上
(C)HC青2(HC Blue No.2)
(D)HC黄4(HC Yellow No.4)
(第2発明の構成)
上記課題を解決するための第2発明の構成は、前記第1発明に係る染毛料組成物における各染料の含有量が(A)≦0.5質量%、(B)≦0.5質量%、(C)≦1.0質量%、(D)≦0.5質量%であり、かつ、塩基性染料(A)、(B)の合計含有量T BasicとHC染料(C)、(D)の合計含有量T HCとの質量比T Basic/T HCが1.5以下である、染毛料組成物である。
(第1発明の効果)
第1発明の染毛料組成物のように、直接染料として塩基性染料とHC染料を併用すると、コンディショニング用成分としてカチオン性界面活性剤を含有する場合でも、直接染料と界面活性剤がコンプレックスを形成すると言う不具合を起こさない。
塩基性染料はカチオン性であるため、相対的に染着性と水溶性に優れるという特性を持つ。HC染料は非イオン性であり水溶性は低いが、毛髪のキューティクルの内部まで入って蓄積しやすく、特に繰り返しの使用において染毛力を向上させると言う特性を持つ。そして、相対的に染着性やシャンプー堅牢性に優れた塩基性染料に対して更にHC染料を併用すると、強い染着力と十分なシャンプー堅牢性が得られることが分かった。又、塩基性染料に対してHC染料を組合わせると、カラーバリエーションが拡張されるだけでなく、結果的に塩基性染料の過剰配合が回避され、塩基性染料の過剰配合に起因する地肌汚れを抑制できる。
更に、特に黒色系や茶色系に必須の重要な配合色である青色系の塩基性染料として、通常は塩基性青99(Basic Blue 99)が標準的に使用されるが、塩基性青99は染毛料や酸化染毛剤の継続使用における変色、及びオーバータイム時の変色等の傾向が大きいことが判明した。第1発明の染毛料組成物では、青色系の塩基性染料として塩基性青99に代えて塩基性青75を含有する。塩基性青75は、塩基性染料としては、色落ちし難いだけでなく、変色も起こし難い。
なお、塩基性染料としての塩基性茶16及び塩基性茶17は染料自体の安定性が良いと言う利点があり、HC染料としてのHC青2も染料自体の安定性が良いと言う利点があり、更にHC黄4も染料自体の安定性が良いと言う利点がある。
第1発明の染毛料組成物は、塩基性染料として基本的配合色である青色系の塩基性青75と、茶色系の塩基性茶16及び/又は塩基性茶17を用いと共に、HC染料として基本的配合色である青色系のHC青2と、黄色系のHC黄4を用いるため、これらの各染料の配合量の調節により、染毛色をある程度まで任意に調節できる。
染毛料組成物は、変色の抑制のため、pHが4〜6の範囲内に調整されていることが必要である。
(第2発明の効果)
第2発明の染毛料組成物においては、「塩基性青75の配合量を0.5質量%以下」、「塩基性茶16/塩基性茶17の配合量を0.5質量%以下」、「HC青2の配合量を1.0質量%以下」、「HC黄4の配合量が0.5質量%以下」としたもとで、これら塩基性染料の合計含有量とHC染料の合計含有量との質量比T Basic/T HCを1.5以下とするため、(1)これらの塩基性染料やHC染料の皮膚への染着(地肌汚れ)が更に良好に抑制されるだけでなく、(2)塩基性染料とHC染料との染毛効果が良好にバランスされる結果として、カラートリートメントを継続使用した場合やオーバータイム時の染毛色調が一層安定化し、変色し難くなる。
次に本発明の実施形態を、その最良の形態を含めて説明する。
〔染毛料組成物〕
本発明の染毛料組成物は、塩基性染料とHC染料を含有し、半永久染毛料としての染毛効果を示す染毛料である。より好ましくは、併せてヘアコンディショニング効果も持つ染毛料である。ヘアコンディショニング効果を持つ半永久染毛料としては「カラートリートメント」と呼ばれるものが典型的に該当するが、「毛髪化粧料」、「染毛料」、「ヘアトリートメント」あるいは「ヘアコンディショナー」等と呼ばれるものでも、ヘアコンディショニング効果を持つ半永久染毛料である限りにおいて、このような染毛料に該当する。
染毛料組成物は通常は1剤式であるが、例えば還元剤やアルカリ剤を含有する第1剤と塩基性染料を含有する第2剤からなり、使用時にこれらを混合、もしくは第1剤を塗布した後、第2剤を塗布する2剤式等の複数剤式に構成することもできる。複数剤式のうち、各剤を使用時に混合する染毛料組成物においては、特定成分の含有量の表記は、各剤の混合時における含有量を示す。
染毛料組成物の剤型は特に限定されないが、例えばクリーム状等の乳化物、泡状、ゲル状、液体状等の剤型を好ましく例示できる。染毛料組成物のpHはpH4〜6の範囲内に調整される。
〔染毛料組成物の必須成分〕
本発明の染毛料組成物は、必須成分として、(A)塩基性青75(Basic Blue 75)、(B)塩基性茶16(Basic Brown 16)及び塩基性茶17(Basic Brown 17)から選ばれる1種以上、(C)HC青2(HC Blue No.2)及び(D)HC黄4(HC Yellow No.4)を含有する。
(塩基性青75)
(A)成分である塩基性青75は、下記の「化1」に示す化学構造を持つ青色系の塩基性染料である。
染毛料組成物における(A)成分の含有量は限定されないが、「第2発明の効果」の項で述べた理由から、好ましくは0.5質量%以下である。又、含有量の下限値を0.01質量%とすることが好ましい。
(塩基性茶16、塩基性茶17)
(B)成分である塩基性茶16は、下記の「化2」に示す化学構造を持つ茶色系の塩基性染料である。
(B)成分である塩基性茶17は、下記の「化3」に示す化学構造を持つ茶色系の塩基性染料である。
染毛料組成物における(B)成分の含有量は限定されないが、「第2発明の効果」の項で述べた理由から、好ましくは0.5質量%以下である。又、含有量の下限値を0.01質量%とすることが好ましい。
(HC青2)
(C)成分であるHC青2は、下記の「化4」に示す化学構造を持つ青色系のHC染料である。
染毛料組成物における(C)成分の含有量は限定されないが、「第2発明の効果」の項で述べた理由から、好ましくは1.0質量%以下である。又、含有量の下限値を0.01質量%とすることが好ましい。
(HC黄4)
(D)成分であるHC黄4は、下記の「化5」に示す化学構造を持つ黄色系のHC染料である。
染毛料組成物における(D)成分の含有量は限定されないが、「第2発明の効果」の項で述べた理由から、好ましくは0.5質量%以下である。又、含有量の下限値を0.01質量%とすることが好ましい。
(塩基性染料(A)、(B)の合計含有量、HC染料(C)、(D)の合計含有量)
塩基性染料(A)、(B)の合計含有量T Basicと、HC染料(C)、(D)の合計含有量T HCとの質量比T Basic/T
HCは限定されないが、「第2発明の効果」の項で述べた理由から、好ましくは1.5以下である
塩基性染料(A)、(B)の合計含有量T Basicは限定されないが、上記した(A)成分の好ましい含有量と(B)成分の好ましい含有量との合計値である1.0質量%以下が好ましい。
HC染料(C)、(D)の合計含有量T HCは限定されないが、上記した(C)成分の好ましい含有量と(D)成分の好ましい含有量との合計値である1.5質量%以下が好ましい。
(水)
なお、染毛料組成物は、その製剤上、実際には水を必要とする。
〔染毛料組成物におけるその他の有用成分〕
本発明の染毛料組成物は、上記した必須成分の他に、好ましくは、以下の成分を含有する。以下において、染毛料組成物中における配合量を特に記載しないものについては、必要に応じて適宜に配合量が決定される。
(カチオン性界面活性剤)
本発明の染毛料組成物は、コンディショニング成分としてカチオン性界面活性剤の1種以上を含有することが好ましい。
カチオン性界面活性剤としてはアルキルアミドアミン及びその塩が特に好ましい。これらのカチオン性界面活性剤は、カチオン性界面活性剤としての一般的なコンディショニング効果に加え、例えば第4級アミン系等の他種のカチオン性界面活性剤に比較して、塩基性染料の毛髪染着力を向上させる効果が特に大きい。
アルキルアミドアミンとはカルボン酸(特に脂肪酸)と3級アミノアルキルアミンとのアミドである。具体的には、例えば、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド等のアルキロイルアミドエチルジエチルアミンや、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド等のアルキロイルアミドプロピルジメチルアミン、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド等のアルキロイルアミドエチルジメチルアミンが例示される。これらのアルキルアミドアミンを中和して第3級アミン塩とする中和剤としては、有機酸、無機酸、酸性アミノ酸等が挙げられ、具体的には、乳酸、グリコール酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、塩酸、硫酸、リン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等が挙げられる。アルキルアミドアミンと中和剤の中和は、染毛料組成物の調製工程中で行っても、あるいはあらかじめアルキルアミドアミンと中和剤の塩を形成させてから配合しても良い。
カチオン性界面活性剤としては、その他にも、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルケニルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩及びジアルケニルジメチルアンモニウム塩を包含する第4級アンモニウム塩型や、アルキルアミン塩型、ピリジニウム系等の各種のカチオン性界面活性剤を限定なく用いることができる。そしてこれらのカチオン性界面活性剤から選ばれる1種以上を任意に選択して用いる。
アルキルアミドアミン型以外のカチオン性界面活性剤としては、具体的には、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化イソステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化ココイルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化イソステアリルラウリルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ジ(ポリオキシエチレン)オレイルメチルアンモニウム、塩化ドデシルジメチルエチルアンモニウム、塩化オクチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム、塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム、塩化ラウリルジメチル(エチルベンジル)アンモニウム、塩化ベヘン酸アミドプロピル−N,N−ジメチル−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アンモニウム、塩化ベンザルコニウムを例示できる。
染毛料組成物におけるカチオン性界面活性剤の含有量は限定されないが、好ましくは1〜3質量%の範囲内である。含有量をこの範囲内とすることにより毛髪感触向上効果をより良好に確保でき、かつ、塩基性染料の毛髪への染着もより良好に確保できる。
(カチオン性ポリマー)
染毛料組成物は、カチオン性界面活性剤以外のコンディショニング成分としてカチオン性ポリマーを好ましく含有することができる。
カチオン性ポリマーの内でも、ヒアルロン酸のカチオン化物であるカチオン化ヒアルロン酸又はその誘導体が特に好ましい。カチオン化ヒアルロン酸は優れた保湿効果に基づく毛髪のつや等の優れたコンディショニング効果を示すので、染毛料組成物における毛髪感触の向上効果が、更に強くなる。
カチオン化ヒアルロン酸の具体例としては、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム(HA−QUAT;BASF社製、ヒアロベール;キユーピー株式会社製)等が挙げられる。
カチオン性ポリマーとして、その他にも、カチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム、ジアリル4級アンモニウム塩の重合体又は共重合体、4級化ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
カチオン化セルロースの具体例としては、ヒドロキシエチルセルロースに塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加して得られる4級アンモニウム塩の重合体(ポリクオタニウム-10、例えばレオガードG、同GP;ライオン社、ポリマーJR-125、同JR-400、同JR-30M、同LR-400、同LR-30M;Amerchol社)、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロリド共重合体(ポリクオタニウム-4、例えばセルコートH-100、同L-200;ナショナルスターチアンドケミカル社)等が挙げられる。
ジアリル4級アンモニウム塩の重合体又は共重合体としては、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド重合体(ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム)〔ポリクオタニウム-6 (POLYQUATERNIUM-6)、例えばマーコート100 (MERQUAT 100);Nalco社〕、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体〔ポリクオタニウム-22 (POLYQUATERNIUM-22)、例えばマーコート280 (MERQUAT 280);Nalco社〕、アクリル酸/ジアリル第四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体〔ポリクオタニウム-39 (POLYQUATERNIUM-39)、例えばマーコートプラス3331 (MERQUAT PLUS 3331);Nalco社〕等が例示される。
4級化ポリビニルピロリドンとしては、ビニルピロリドン(VP)とメタクリル酸ジメチルアミノエチルの共重合体と硫酸ジエチルから得られる4級アンモニウム塩〔ポリクオタニウム-11 (POLYQUATERNIUM-11)、例えばガフコート734 (GAFQUAT 734)、同755;アイエスピー・ジャパン社〕等が例示される。
(その他の染料)
染毛料組成物は、上記した(A)〜(D)成分以外の塩基性染料、HC染料その他の各種の直接染料を含有することができる。但し、アニオン性の直接染料は好ましくなく、含有するとしても本発明の効果を妨げない程度の配合量に制限して含有することが好ましい。
(A)、(B)成分以外の塩基性染料としては、Basic Blue
3、Basic Blue 6、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 26、Basic Blue 41、Basic Blue 47、Basic Brown 4、Basic Green 1、Basic Green 4、Basic Orange 1、Basic Orange 2、Basic Orange 31、Basic Red 1、Basic Red 2、Basic Red 22、Basic Red 46、Basic Red 51、Basic Red 76、Basic Red 118、Basic Violet 1、Basic Violet 3、Basic Violet 4、Basic Violet 10、Basic Violet11:1、Basic Violet 14、Basic Violet 16、Basic Yellow 11、Basic Yellow 28、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87等を選択して用いることができる。
なお、変色を起こし易いBasic Blue 99等の塩基性染料は、余り含有しないことが好ましく、含有するとしても染毛料組成物中の1質量%以下に制限することが好ましい。
(C)、(D)成分以外のHC染料としては、HC Blue No.5、HC Blue No.6、HC Blue No.9、HC Blue No.10、HC Blue No.11、HC Blue No.12、HC Blue No.13、HC Orange No.1、HC Orange No.2、HC Orange No.3、HC Red No.1、HC Red No.3、HC Red No.7、HC Red No.10、HC Red No.11、HC Red No.13、HC Red No.14、HC Violet No.1、HC Violet No.2、HC Yellow No.2、HC Yellow No.5、HC Yellow No.6、HC Yellow No.9、HC Yellow No.10、HC Yellow No.11、HC Yellow No.12、HC Yellow No.13、HC Yellow No.14、HC Yellow No.15、2−アミノ−6−クロロ−4ニトロフェノ−ル、2−アミノ−3−ニトロフェノ−ル、4−アミノ−3−ニトロフェノ−ル、ヒドロキシアントラキノンアミノプロピルメチルモルホニウムメトサルフェ−ト、3−メチルアミノ−4−ニトロフェノキシエタノ−ル、2−ニトロ−5−グリセリルメチルアニリン等を例示できる。
なお、HC染料中でも変色を起こし易い4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノ−ル、3−ニトロ−p−ヒドロキシエチルアミノフェノ−ル等は余り含有しないことが好ましく、含有するとしても染毛料組成物中の0.5質量%以下に制限することが好ましい。
上記以外の染料として、天然染料、HC染料以外のニトロ染料、分散染料等が挙げられる。
天然染料としては、クチナシ色素、ウコン色素、アナトー色素、銅クロロフィリンナトリウム、パプリカ色素、ラック色素等を例示できる。
ニトロ染料としては、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、ピクラミン酸、ピクリン酸、及びそれらの塩を例示できる。
分散染料としては、Disperse Black 9、Disperse Blue 1、Disperse Blue 3、Disperse Blue 7、Disperse Brown 4、Disperse Orange 3、Disperse Red 11、Disperse Red 15、Disperse Red 17、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Violet 15等を例示できる。
(カチオン性界面活性剤以外の界面活性剤)
カチオン性界面活性剤以外の界面活性剤を、カチオン性界面活性剤と組み合わせて配合しても良い。但し、アニオン性界面活性剤は好ましくなく、含有するとしても本発明の効果を妨げない程度の配合量に制限して含有することが好ましい。従って両性イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤が好ましい。
両性イオン性界面活性剤として、カルボベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、イミダゾリニウム型、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、アミノ酸系両性界面活性剤型、アミンオキサイド型が例示される。これらの1種又は2種以上を使用可能である。好ましくは、アルキルベタイン型、アミドベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリニウム型である。
より具体的には、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ウンデシノイル−カルボキシメトキシエチルカルボキシメチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム、ビス(ステアリル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリン)クロル酢酸錯体、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムラウリル硫酸、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液、ヤシ油脂肪酸−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミン、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルN−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリウムドデカノイルサルコシン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸等を例示できる。
非イオン性界面活性剤としては、エーテル型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
エーテル型非イオン性界面活性剤としては、POEアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・POPアルキルエーテル類が挙げられ、具体的には、ポリオキシエチレン(以下、POEという。)セチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル、POEラウリルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテルが挙げられる。
エステル型非イオン性界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(POE)グリセリン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルが挙げられ、具体的には、モノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリルが挙げられる。
(油性成分)
油性成分として、油脂、ロウ、炭化水素、アルキルグリセリルエーテル、エステル、シリコーン、高級アルコール等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を使用することができる。これらの油性成分の内、25℃、1気圧下で液状のエステルや、高級アルコールは特に好ましい。
油脂として、ラノリン、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油を例示できる。これらのうち、25℃、1気圧下で液状のものとして、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油を例示できる。
ロウとしてミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油を例示できる。
炭化水素としてパラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリンを例示できる。これらのうち、25℃、1気圧下で液状のものとして、流動パラフィン、流動イソパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワランを例示できる。
アルキルグリセリルエーテルとして、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテルを例示できる。
エステルとして、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、10〜30の炭素数を有する脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、2−エチルヘキサン酸セチルを例示できる。これらのうち、25℃、1気圧下で液状のものとして、2−エチルヘキサン酸セチル等の分岐型の構造のエステルを例示できる。
シリコーンとして、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、650〜10,000の平均重合度を有する高重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(アモジメチコン)等のアミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーンを例示できる。これらのうち、25℃、1気圧下で液状のものとして、ジメチコン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、動粘度10000mm/s以下の高重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーンを例示できる。
高級アルコールとして、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベヘニルアルコール、デシルテトラデカノールを例示できる。
(水溶性ポリマー)
前記したカチオン性ポリマー以外の各種の水溶性ポリマーを配合することができる。但し、アニオン性ポリマーは好ましくなく、含有するとしても本発明の効果を妨げない程度の配合量に制限して含有することが好ましい。これらの水溶性ポリマーとして、両性ポリマー、各種の天然系ポリマーが好ましい。
両性ポリマーとしては、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリル酸共重合体等が挙げられる。
天然系ポリマーとしては、各種の植物性高分子(キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、デンプン等)、微生物系高分子(デキストラン、プルラン等)、動物性高分子(コラーゲン、カゼイン、ゼラチン等)が例示される。
〔染毛料組成物におけるその他の任意的配合成分〕
本発明の染毛料組成物は、以上の各成分の他にも、例えば、溶剤、増粘剤、酸性アミノ酸を除くアミノ酸類、ソルビトール、マルトース等の糖類、パラベン、安息香酸ナトリウム等の防腐成分、EDTA−2Na、ジエチレントリアミン5酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸等のキレート成分、フェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、フェノキシエタノール、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等の安定成分、pH調整成分、亜硫酸Na等の酸化防止剤、植物又は生薬抽出物、アスコルビン酸類を含むビタミン類、香料、等から選ばれる1種以上を配合しても良い。また、例えば、「医薬部外品原料規格2006」(薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を配合してもよい。
次に本発明の実施例及び比較例を説明する。本発明の技術的範囲は以下の実施例及び比較例によって限定されない。
〔染毛料組成物の調製〕
後述の表1、表2に示す実施例1〜16及び表3に示す比較例1〜12に係る組成の1剤式の染毛料組成物を、それぞれ常法に従いクリーム状の乳化剤として調製した。
表1〜表3において、各成分の含有量を示す数値は質量%単位の表記である。又、「乳酸」の含有量を例えば「pH5に調整」などと表記しているのは「当該pHに調整するのに必要な量」の意味であり、「精製水」について「残量」と表記しているのは「各成分の合計含有量が100質量%となるような量(いわゆるquantum sufficit)」の意味である。次に、染毛料組成物におけるそれぞれ(A)成分〜(D)成分の各成分に該当する染料については、表1〜表3の成分名の欄の左側欄外にそれぞれ、「A」〜「D」と付記した。
更に、表1〜表3において、「原液pH」の欄には各実施例、各比較例に係る染毛料組成物のpHを表示し、「[(A)+(B)]/[(C)+(D)]」の欄には各実施例、各比較例に係る染毛料組成物における塩基性染料(A)、(B)の合計含有量とHC染料(C)、(D)の合計含有量との質量比(即ち、前記の質量比T Basic/T HC)を表示した。
〔染毛料組成物の評価〕
以上のように調製した各実施例、各比較例に係る染毛料組成物を用いて、それぞれ以下の評価を行った。
(染毛力)
各実施例、各比較例に係る染毛料組成物1gをそれぞれ、白髪混じりの人毛毛束に塗布し、10分間放置後に水洗することにより、人毛毛束に対する染毛処理を完了した。
上記染毛処理の完了後に10名のパネラーが人毛毛束の染色の程度を目視にて観察し、染毛力が、非常に優れる(5点)、優れる(4点)、やや優れる(3点)、やや悪い(2点)、悪い(1点)、の5段階で評価した。各パネラーの採点結果の平均値を少数点第1位で四捨五入して、各例の評価点を算出した。その評価結果を各表の「染毛力」の欄に示す。
なお、付記すれば、染毛力の評価点の高い染毛料組成物ほど、低温での保存時における染料の析出が少なく、染毛料組成物における「染毛力」と「染料析出の無さ」との間には直線的な相関性が認められた。
(染毛料の連用や酸化染毛剤使用による変色抑制)
上記の「染毛力」の項に述べた染毛処理を行った各実施例、各比較例に係る人毛毛束(各例ごとに2本ずつ)について、その染毛色調を確認しておいた。
そして、各例ごとに2本ずつの染毛処理済みの人毛毛束の内の1本の毛束に対しては、同一の染毛処理を更に4回繰り返して行い、人毛毛束に対する染毛料の連用を行った。又、染毛処理済みの他の1本の毛束に対しては、更に、一般的な酸化染毛剤(茶色系)であるホーユー株式会社の「シエロヘアカラーEXミルキー(商標)」を用いて、酸化染毛処理を行い、染毛料と酸化染毛剤の継続使用を行った。
そして各実施例、各比較例ごとに、上記の染毛料の連用後の1本の毛束の染毛色調と、上記の酸化染毛剤の継続使用後の他1本の毛束の染毛色調について、最初の染毛処理後に確認した染毛色調との対比により、変色の抑制が良好であるか否かを目視にて観察し、これらの2本の毛束の観察結果を総合して、変色抑制効果を評価した。
この評価は10名のパネラーが行い、変色抑制効果が、非常に優れる(4点)、優れる(3点)、やや劣る(2点)、劣る(1点)、の4段階で評価した。各パネラーの採点結果の平均値を算出し、平均値が3.6点以上であれば「◎」、平均値が2.6点以上で3.5点以下であれば「○」、平均値が1.6点以上で2.5点以下であれば「△」、平均値が1.5点以下であれば「×」と評価した。評価結果を各表の「染毛料の連用や酸化染毛剤使用による変色抑制」の欄に示す。
(オーバータイム時の変色抑制)
各実施例、各比較例に係る染毛料組成物1gをそれぞれ、白髪混じりの人毛毛束に塗布し、30分間放置後に水洗することにより、人毛毛束に対するオーバータイムの染毛処理を完了した。そして、各実施例、各比較例ごとに、毛束の染毛色調について、上記の「染毛力」の評価において染毛処理を行った人毛毛束との対比により、変色の抑制が良好であるか否かを目視にて観察し、これらの毛束との対比観察の結果を総合して、変色抑制効果を評価した。
この評価は10名のパネラーが行い、変色抑制効果が、非常に優れる(4点)、優れる(3点)、やや劣る(2点)、劣る(1点)、の4段階で評価した。各パネラーの採点結果の平均値を算出し、平均値が3.6点以上であれば「◎」、平均値が2.6点以上で3.5点以下であれば「○」、平均値が1.6点以上で2.5点以下であれば「△」、平均値が1.5点以下であれば「×」と評価した。評価結果を各表の「オーバータイム時の変色抑制」の欄に示す。
(地肌汚れ)
各実施例、各比較例に係る染毛料組成物1gをそれぞれ、腕の内側部における直径1cmの円形のエリアに塗布し、10分間放置した後、温水で洗い流した。次に、石鹸を使用して指で1分間軽く擦り、温水で洗い流した。
以上の処理の後、10名のパネラーが地肌汚れ(皮膚への染着の度合い)を目視にて観察し、地肌汚れが、非常に少ない(4点)、少ない(3点)、やや多い(2点)、多い(1点)、の4段階で評価した。各パネラーの採点結果の平均値を算出し、平均値が3.6点以上であれば「◎」、平均値が2.6点以上で3.5点以下であれば「○」、平均値が1.6点以上で2.5点以下であれば「△」、平均値が1.5点以下であれば「×」と評価した。評価結果を各表の「地肌汚れ」の欄に示す。
〔その他の実施例〕
上記の表1〜表3に示した実施例とは別の、本発明の染毛料組成物(1剤式)の実施例を以下に示す。精製水についての「質量%」の項の「残量」の意味、及び乳酸についての「pH5に調整」の意味は表1〜表3に示した実施例の場合と同様である。
(実施例17)
質量%
Basic Blue 75 0.1
Basic Brown 16 0.3
HC Blue No.2 0.5
HC Yellow No.4 0.1
ミリスチン酸オクチルドデシル 1.5
ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 3
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム 0.2
セタノール 5
ミツロウ 0.5
流動パラフィン 3
グリセリン 2
乳酸 pH5に調整
フェノキシエタノール 0.3
ジメチルポリシロキサン 0.5
海泥〔マリンシルトFP;株式会社アンコール・アン製〕 1
黒米エキス〔黒米エキス−PC;オリザ油化株式会社製〕 0.1
海藻エキス
〔ファルコレックスケルプ;一丸ファルコス株式会社製〕 0.1
香料 0.5
精製水 残量
(実施例18)
質量%
Basic Blue 75 0.01
Basic Brown 17 0.1
HC Blue No.2 0.5
HC Yellow No.4 0.1
ミリスチン酸オクチルドデシル 1.5
ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド 3
セトステアリルアルコール 8
流動パラフィン 0.5
グリセリン 1
乳酸 pH5に調整
フェノキシエタノール 0.3
アモジメチコン 0.5
加水分解コラーゲン 0.1
ローヤルゼリーエキス 0.1
アボカド油 0.1
タウリン 0.1
テアニン 0.1
アセチルグルコサミン 0.1
香料 0.5
精製水 残量
(実施例19)
質量%
Basic Blue 75 0.02
Basic Brown 16 0.1
Basic Brown 17 0.1
HC Blue No.2 0.5
HC Yellow No.4 0.1
ミリスチン酸オクチルドデシル 1.5
ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 2
ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド 1
ステアリルアルコール 8
グリセリン 2
乳酸 pH5に調整
フェノキシエタノール 0.3
サクラエキス〔サクラエキスB;一丸ファルコス株式会社製〕0.1
桜の花エキス〔桜の花エキス−PC;オリザ油化株式会社製〕0.1
酵母エキス(3)〔赤ワイン酵母エキス;永遠幸メディカル
コスメティック株式会社〕 0.1
香料 0.5
精製水 残量
本発明により、酸性染料以外の直接染料を用いたカラートリートメントにおける地肌汚れを抑制すると共に、カラートリートメントの継続使用における変色を抑制し、かつオーバータイム時の変色も抑制し、カラートリートメント使用後に酸化染毛剤で染毛するという継続使用の際に染毛色調の変色を抑制する染毛料組成物が提供される。

Claims (2)

  1. 下記(A)〜(D)の染料を含有し、pHが4〜6の範囲内であることを特徴とする染毛料組成物。
    (A)塩基性青75(Basic Blue 75)
    (B)塩基性茶16(Basic Brown 16)及び塩基性茶17(Basic Brown 17)から選ばれる1種以上
    (C)HC青2(HC Blue No.2)
    (D)HC黄4(HC Yellow No.4)
  2. 前記染毛料組成物における各染料の含有量が(A)≦0.5質量%、(B)≦0.5質量%、(C)≦1.0質量%、(D)≦0.5質量%であり、かつ、塩基性染料(A)、(B)の合計含有量T BasicとHC染料(C)、(D)の合計含有量T HCとの質量比T Basic/T HCが1.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の染毛料組成物。
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