JP7244057B2 - 染毛料組成物及び染毛方法 - Google Patents

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Description

本開示は染毛料組成物及び染毛方法、特に直接染料を含有する染毛料組成物及び染毛方法に関する。
染毛用の組成物には、酸化染料を用いる酸化染毛剤等の永久染毛剤、及び直接染料を用いる半永久染毛料がある。半永久染毛料は、永久染毛剤と比較して、洗髪に対する堅牢性が低いものの、酸化剤等を用いないため毛髪へのダメージを抑えられるという利点がある。
半永久染毛料に用いられる直接染料には塩基性染料がある。特許文献1には、直接染料として塩基性青75を含有する染毛料組成物が記載されている。また、特許文献2には、直接染料として、塩基性青75と、塩基性紫10と、塩基性茶16とを含有する染毛料組成物が記載されている。
国際公開第2009/041514号公報 特開2011-190187号公報
近年、髪の全体又は一部を明るい色に染めて楽しむファッションカラーの市場が拡大している。
ファッションカラー用の染毛料組成物には、染色した毛髪においてファッション性の高い鮮やかな色を呈することが求められる。直接染料を含有する染毛料組成物では、1種の直接染料で所望の色を表現することが困難な場合が多く、通常、発色性が異なる複数の直接染料が組み合わされて使用されている。ここで、直接染料、特に塩基性染料のようなイオン性の染料は、洗髪を繰り返した場合に褪色しやすい。そのため、発色性が異なる複数の直接染料について、それぞれの褪色性が大きく異なると、染毛直後と洗髪を繰り返した後とで毛髪の色相が大きく変化してしまう。毛髪の色相変化は、特にファッション性の高い鮮やかな髪色を楽しむ使用者にとって問題となる場合がある。
また、使用者の毛髪は、ヘアカラー及びブリーチ等が繰り返し行われることによって、ダメージを受けている場合がある。本発明者らの検討によれば、このようなダメージ毛においては特に、染毛直後と洗髪を繰り返した後とでの毛髪の色相変化が大きくなる。ダメージを受けた毛髪ほど多くのマイナス電荷を帯びているため、プラスの電荷を有する塩基性染料が結合しやすい。そのため、ダメージ毛では、塩基性染料による染毛力が増大する。一方、ダメージ毛では毛髪自体も親水化することにより、洗髪をした際に毛髪内部へ水が浸入し、毛髪内部から水が流出する際に染料も流出しやすくなる。そのため、ダメージ毛では褪色幅が大きくなり、色相の変化幅も大きくなる。
また、使用者の毛髪に対して、短期間、例えば1ヶ月単位で、ヘアカラー等が繰り返し行われた結果、根元と比べて毛先にはダメージが蓄積されている等、毛髪のダメージレベルが根元から毛先までの間で不均一になっている場合がある。このような場合においては、上述のとおり毛髪のダメージレベルによって塩基性染料による染毛力が異なるため、毛髪の根元から毛先まで均一な色に染毛することが困難となる。
本開示の一局面は、染毛直後と洗髪を繰り返した後とでの毛髪の色相変化が抑制され、かつ、毛髪の根元から毛先までのダメージレベルが不均一であっても均一に染毛することが可能な染毛料組成物及び染毛方法を提供する。
本開示の一態様は、(A)成分として、下記式(1)で表されるトリアミノトリフェニルメタン化合物と、
Figure 0007244057000001
(式(1)中、R、R、R、R、R及びRは、相互に独立に、水素原子、C~Cアルキル基、C~Cモノ-ヒドロキシアルキル基、C~Cポリ-ヒドロキシアルキル基、フェニル基、又はベンジル基であり、R、R及びRは、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はC~Cアルキル基であり、Xは、ハロゲン化物イオン、硫酸水素イオン、メトサルフェートイオン、ベンゾエートイオン、又はアセテートイオンである。)
(B)成分として、塩基性青75、塩基性青124、及びHC青15から選択される少なくとも一種である(b1)成分、又は、塩基性青99、及びHC青16から選択される一種である(b2)成分と、を含有する染毛料組成物であって、
染毛料組成物が(B)成分として(b1)成分を含有する場合、染毛料組成物中の(b1)成分の含有量に対する染毛料組成物中の(A)成分の含有量の質量比(A)/(b1)が、0.45以上5.5以下であり、染毛料組成物が(B)成分として(b2)成分を含有する場合、染毛料組成物中の(b2)成分の含有量に対する染毛料組成物中の(A)成分の含有量の質量比(A)/(b2)が、0.010以上0.55以下である。
本開示の一態様では、(A)成分が、塩基性紫1、塩基性紫2、塩基性紫3、塩基性紫4、塩基性紫14、又は塩基性赤9であってもよい。
本開示の一態様では、(B)成分として(b1)成分を含有してもよい。
本開示の一態様では、染毛料組成物中の(b1)成分の含有量に対する染毛料組成物中の(A)成分の含有量の質量比(A)/(b1)が、0.50以上3.0以下であってもよい。
本開示の一態様では、黒髪をブリーチ処理した毛髪を、染毛料組成物で染色した場合、CIE L色空間表示系における、染色前の毛髪と染色後の毛髪との色差ΔEが、20以上35以下であってもよい。
本開示の一態様では、上記染毛料組成物を毛髪に適用する工程を有する、染毛方法であってもよい。
本開示の一態様によれば、染毛直後と洗髪を繰り返した後とでの毛髪の色相変化が抑制され、かつ、毛髪の根元から毛先までのダメージレベルが不均一であっても均一に染毛することが可能な染毛料組成物及び染毛方法が提供される。
以下、本開示の一態様の染毛料組成物について詳細に説明する。
本開示の一態様の染毛料組成物は、(A)成分として、下記式(1)で表されるトリアミノトリフェニルメタン化合物と、(B)成分として、塩基性青75、塩基性青124、及びHC青15から選択される少なくとも一種である(b1)成分、又は、塩基性青99、及びHC青16から選択される一種である(b2)成分と、を含有し、染毛料組成物中の(B)成分の含有量に対する染毛料組成物中の(A)成分の含有量の質量比(A)/(B)が、後述する所定の範囲内であるものである。
Figure 0007244057000002
(式(1)中、R、R、R、R、R及びRは、相互に独立に、水素原子、C~Cアルキル基、C~Cモノ-ヒドロキシアルキル基、C~Cポリ-ヒドロキシアルキル基、フェニル基、又はベンジル基であり、R、R及びRは、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はC~Cアルキル基であり、Xは、ハロゲン化物イオン、硫酸水素イオン(HSO )、メトサルフェートイオン(CHOSO )、ベンゾエートイオン(CCOO)、又はアセテートイオン(CHCOO)である。)
(A)成分は、毛髪を赤~紫系の色に染色する直接染料(塩基性染料)である。一方、(B)成分は、毛髪を青系の色に染色する直接染料である。そして、(A)成分と(B)成分とを組み合わせて使用することで、毛髪を鮮やかな紫系の色に染色することができる。
本発明者らの検討によれば、(A)成分と(B)成分とは、それぞれ毛髪において呈する色味が異なるものの、これらを組み合わせた染毛料組成物では、染毛直後と洗髪を繰り返した後とでの毛髪の色相変化が起こりにくい。これは、(A)成分の毛髪への染着のしやすさ及び褪色性が(B)成分のものと近く、(A)成分が呈する色味と(B)成分が呈する色味とがバランス良く褪色するためと考えられる。各染料の毛髪への染着のしやすさ及び褪色のしやすさには、各染料の、分子量の大きさ、水溶性の高さ、カチオン性の強さ等の要因が複合的に関わっていると考えられる。さらに、(A)成分と(B)成分とを組み合わせて使用した染毛料組成物は、その染毛力が毛髪のダメージレベルの影響を受けにくく、毛髪の根元から毛先までのダメージレベルが不均一であっても均一に染毛することができる。
また、(A)成分及び(B)成分はいずれも色落ちし辛いため、洗髪を繰り返した後でも比較的濃い色合いを保つことができ、色持ちが良好である。さらに、(A)成分と(B)成分とを含有する染毛料組成物は脱色剤によって色落ちしやすいため、毛髪を同じ又は別の染毛料組成物で容易に染色し直すことができる。以下、染毛料組成物の脱色剤による色落ちのしやすさを「リカラー性」という。
以下、本開示の一態様の染毛料組成物が含有する各成分について詳細に説明する。
[(A)成分]
(A)成分は、上記式(1)で表されるトリアミノトリフェニルメタン化合物である。
式(1)中のC~Cアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。式(1)中のC~Cモノ-ヒドロキシアルキル基としては、例えば、β-ヒドロキシエチル基、β-ヒドロキシプロピル基、γ-ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。式(1)中のC~Cポリ-ヒドロキシアルキル基としては、例えば、β,γ-ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。式(1)中のハロゲン化物イオンとしては、例えば、臭化物イオン、塩化物イオン、ヨウ化物イオン等が挙げられる。
式(1)中のR、R、R、R、R及びRは、相互に独立に、好ましくは、水素原子、又はC~Cアルキル基である。また、式(1)中のR、R及びRは、相互に独立に、好ましくは、水素原子、又はC~Cアルキル基である。また、式(1)中のXは、好ましくはハロゲン化物イオンであり、より好ましくは塩化物イオンである。
(A)成分としては、具体的には、下記式(2)で表される塩基性紫1、下記式(3)で表される塩基性紫2、下記式(4)で表される塩基性紫3、下記式(5)で表される塩基性紫4、下記式(6)で表される塩基性紫14、及び下記式(7)で表される塩基性赤9が挙げられる。
Figure 0007244057000003
Figure 0007244057000004
Figure 0007244057000005
Figure 0007244057000006
Figure 0007244057000007
Figure 0007244057000008
これらの中でも、(A)成分としては、好ましくは式(2)~式(6)で表される塩基性紫系化合物であり、より好ましくは式(3)で表される塩基性紫2、式(4)で表される塩基性紫3、又は式(6)で表される塩基性紫14であり、更に好ましくは式(3)で表される塩基性紫2である。
染毛料組成物中の(A)成分の含有量の割合は、好ましくは0.001質量%以上1.0質量%以下、より好ましくは0.005質量%以上0.5質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以上0.3質量%以下である。(A)成分の含有量の割合が0.001質量%以上であると、染毛料組成物の染毛力が高くなる。また、(A)成分の含有量の割合が1.0質量%以下であると、(A)成分が染毛料組成物中で均一に分散して溶けるため、染毛料組成物の安定性が向上する。また、染毛する際に生じうる地肌汚れも抑制される。
[(B)成分]
本開示の一態様の染毛料組成物は、(B)成分として、下記式(8)で表される塩基性青75、下記式(9)で表される塩基性青124、及び下記式(10)で表されるHC青15から選択される少なくとも一種である(b1)成分、又は、下記式(11)で表される塩基性青99、及び下記式(12)で表されるHC青16から選択される一種である(b2)成分を含有する。
Figure 0007244057000009
Figure 0007244057000010
Figure 0007244057000011
Figure 0007244057000012
Figure 0007244057000013
なお、(b1)成分で括られる3つの化合物は、2種以上組み合わせて使用することができる。
ここで、毛髪の色相変化を抑制する効果、及びダメージレベルによらず均一に染毛できるという効果の観点から、染毛料組成物中の(A)成分と(B)成分との含有比率が重要である。具体的には、染毛料組成物が(B)成分として上記(b1)成分を含有する場合、(b1)成分に対する(A)成分の含有量の質量比(A)/(b1)は、0.45以上5.5以下である。一方、染毛料組成物が(B)成分として上記(b2)成分を含有する場合、(b2)成分に対する(A)成分の含有量の質量比(A)/(b2)は、0.010以上0.55以下である。(A)成分と(B)成分との含有比率が上記範囲内であると、(A)成分と(B)成分との配合バランスが良く、染毛直後と洗髪を繰り返した後とでの毛髪の色相変化が抑制される。また、(A)成分と(B)成分との含有比率が上記範囲内であると、毛髪の根元から毛先までのダメージレベルが不均一であっても均一に染毛することができる。さらに、(A)成分と(B)成分との含有比率が上記範囲内であると、染毛料組成物のリカラー性及び色持ちも向上する。
本発明者らの検討によれば、(B)成分としての化合物はいずれも毛髪を青系の色に染色する直接染料である点で共通するが、(b1)成分として括られる3種の化合物の方が、(b2)成分として括られる2種の化合物よりも染毛力が高い傾向にあり、少量で良好に染毛できることが判明している。そのため、染毛料組成物が(B)成分として(b1)成分を含有する場合の方が、(b2)成分を含有する場合と比べて、含有量の質量比(A)/(B)が大きい。
なお、含有量の質量比(A)/(b1)は、好ましくは0.50以上3.0以下であり、より好ましくは0.60以上2.4以下であり、更に好ましくは0.70以上1.7以下である。一方、含有量の質量比(A)/(b2)は、好ましくは0.020以上0.40以下であり、更に好ましくは0.050以上0.30以下である。
本発明者らの検討によれば、(B)成分としては、毛髪の色相変化を抑制する効果、及びダメージレベルによらず均一に染毛できるという効果がより高いことから、好ましくは(b1)成分である。また、(B)成分としては、毛髪の色相変化を抑制する効果、及びダメージレベルによらず均一に染毛できるという効果がより高いことから、(b1)成分の中でも好ましくは、塩基性青75及び塩基性青124から選択される少なくとも一種であり、より好ましくは塩基性青75である。
染毛料組成物が(B)成分として(b1)成分を含有する場合、染毛料組成物中の(b1)成分の含有量の割合は、好ましくは0.01質量%以上0.5質量%以下、より好ましくは0.02質量%以上0.3質量%以下である。一方、染毛料組成物が(B)成分として(b2)成分を含有する場合、染毛料組成物中の(b2)成分の含有量の割合は、好ましくは0.01質量%以上1.0質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上0.8質量%以下である。
(b1)成分の含有量の割合が0.01質量%以上、又は(b2)成分の含有量の割合が0.01質量%以上であると、染毛料組成物の染毛力が高くなる。また、(b1)成分の含有量の割合が0.5質量%以下、又は(b2)成分の含有量の割合が1.0質量%以下であると、(B)成分が染毛料組成物中で均一に分散して溶けるため、染毛料組成物の安定性が向上する。また、染毛料組成物によって染毛する際に生じうる地肌汚れも抑制される。
[染毛料組成物の染色性]
本開示の一態様の染毛料組成物は、毛髪を紫系の色に染めることができる。具体的には、黒髪をブリーチ処理した毛髪、さらに具体的には、黒髪を、CIE L色空間表示系における、L値が45以上50以下、a値が10以上15以下、b値が27以上32以下となるまでブリーチ処理した毛髪(以下、「ブリーチ毛」と呼ぶ)を、上記染毛料組成物で染色した場合、CIE L色空間表示系における、染色後の毛髪のa値は、好ましくは、-2以上20以下、かつ、b値が-5以上10以下である。CIE L色空間表示系は、物体の色を表す指標である。a値は、赤紫から青緑の方向の色相を示し、正の値において絶対値が大きくなるほど赤紫味が強くなり、負の値において絶対値が大きくなるほど青緑味が強くなる。b値は、黄から青の方向の色相を示し、正の値において絶対値が大きくなるほど黄色味が強くなり、負の値において絶対値が大きくなるほど青味が強くなる。染色後の毛髪のa値は、より好ましくは0以上15以下、更に好ましくは3以上10以下である。また、染色後の毛髪のb値は、より好ましくは-4以上5以下、更に好ましくは-3以上3以下である。なお、ブリーチ毛における、L値、a値、及びb値の数値範囲は、JHCA(日本ヘアカラー協会)ヘアカラーリング・レベルスケールにおいて14レベル以上15レベル以下のものを想定した値である。
また、上記と同様に黒髪をブリーチ処理した毛髪を染色した場合、染色後の毛髪のL値は、好ましくは20以上35以下である。L値は、色の明度を示す。L値は、0~100の値の数値をとり、0に向かうほど黒に近く、100に向かうほど白に近い。染色後の毛髪のL値は、より好ましくは20以上30以下、更に好ましくは20以上28以下である。
さらに、上記と同様に黒髪をブリーチ処理した毛髪を染色した場合、染色前の毛髪と染色後の毛髪との色差ΔEは、好ましくは20以上35以下である。ΔEは、染色前の色を基準とした染まり具合を示す数値であり、数値が大きいほど染毛力が高いことを示す。ΔEは、CIE2000色差式(CIE DE 2000色差式)によって求めることができる。色差ΔEは、より好ましくは24以上33以下、更に好ましくは28以上32以下である。
これらの、CIE L色空間表示系における、a値、b値、及びL値は、標準光源D65の条件で分光測色計によって測定することができる。具体的な測定方法については実施例にて示す。
[その他の成分]
本開示の一態様の染毛料組成物は、必要に応じて、上述した成分以外の成分、例えば可溶化剤、界面活性剤、水溶性ポリマー、油性成分、多価アルコール、pH調整剤、糖、防腐剤、安定剤、動植物又は微生物の抽出物、酸化防止剤、キレート化剤、アミノ酸、冷感剤、生薬抽出物、ビタミン、香料、紫外線吸収剤等をさらに含有してもよい。
可溶化剤の例としては、例えば水及び有機溶媒(溶剤)が挙げられる。有機溶媒の具体例としては、例えばエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ-フェニルプロピルアルコール、ケイ皮アルコール、アニスアルコール、p-メチルベンジルアルコール、α-ジメチルフェネチルアルコール、α-フェニルエタノール、フェノキシイソプロパノール、2-ベンジルオキシエタノール、N-アルキルピロリドン、炭酸アルキレン、アルキルエーテル等が挙げられる。これらの可溶化剤のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。これらの中で、染毛料組成物中のその他の成分を溶解する能力に優れることから水が好ましく適用される。溶媒として水が用いられる場合、染毛料組成物中における水の含有量は、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。
界面活性剤は、例えば乳化剤として又は各成分を可溶化させるための成分として染毛料組成物に配合してもよい。また、界面活性剤は、例えば染毛料組成物の粘度を調整したり、粘度安定性を向上させたりするために配合してもよい。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル、N-アルキロイルメチルタウリン塩、及びそれらの誘導体等が挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンの具体例としては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエタノールアミン等が挙げられる。より具体的には、アルキルエーテル硫酸エステル塩としては、例えばPOEラウリルエーテル硫酸ナトリウムが挙げられる。なお、POEはポリオキシエチレンの略である。アルキル硫酸塩の具体例として、例えばラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等が挙げられる。アルキル硫酸塩の誘導体の具体例として、例えばPOEラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。スルホコハク酸エステルの具体例として、例えばスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム等が挙げられる。N-アルキロイルメチルタウリン塩の具体例として、例えばN-ステアロイル-N-メチルタウリンナトリウム等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、例えば塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、ベヘニルPGトリモニウムクロリド、ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド、塩化アラキルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、ベヘニルジメチルアミン、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリルジメチルアミン、パルミトキシプロピルジメチルアミン、ステアロキシプロピルジメチルアミン、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド等が挙げられる。これらの中でも塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムに代表される4級アンモニウム塩、及びステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドに代表される3級アミンが、染毛力及び毛髪の感触の向上効果に優れる観点から好ましい。染毛料組成物中におけるカチオン性界面活性剤の含有量は、適宜設定されるが、好ましくは0.1質量%以上5.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上3.0質量%以下である。かかる範囲内の場合、染毛料組成物の染毛力をより向上させることができる。
両性界面活性剤の具体例としては、例えばココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばエーテル型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤、アルキルグルコシド等が挙げられる。
エーテル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、POE(5.5)セチルエーテル(HLB値10.5)、POE(6)セチルエーテル(HLB値10.5)、POE(6)セチルエーテル(HLB値10.5)、POE(7)セチルエーテル(HLB値11.5)、POE(10)セチルエーテル(HLB値13.5)、POE(15)セチルエーテル(HLB値15.5)、POE(20)セチルエーテル(HLB値17.0)、POE(23)セチルエーテル(HLB値18.0)、POE(25)セチルエーテル(HLB値18.5)、POE(30)セチルエーテル(HLB値19.5)、POE(40)セチルエーテル(HLB値20.0)、POE(2)セチルエーテル(HLB値8.0)、POE(4)セチルエーテル(HLB値8.4)、POE(5)セチルエーテル(HLB値9.5)等のPOEセチルエーテル(セテス);POE(20)ステアリルエーテル(HLB値18.0)、POE(150)ステアリルエーテル(HLB値19.2)、POE(4)ステアリルエーテル(HLB値9.0)、POE(5)ステアリルエーテル(HLB値9.0)、POE(2)ステアリルエーテル(HLB値8.0)等のPOEステアリルエーテル(ステアレス);POE(10)ベヘニルエーテル(HLB値10.0)、POE(20)ベヘニルエーテル(HLB値16.5)、POE(30)ベヘニルエーテル(HLB値18.0)、POE(150)ベヘニルエーテル(HLB値19.1)、POE(2)ベヘニルエーテル(HLB値4.3)、POE(3)ベヘニルエーテル(HLB値5.8)、POE(5)ベヘニルエーテル(HLB値7.0)、POE(6)ベヘニルエーテル(HLB値8.9)等のPOEベヘニルエーテル(ベヘネス);POE(7)オレイルエーテル(HLB値10.5)、POE(10)オレイルエーテル(HLB値14.5)、POE(15)オレイルエーテル(HLB値16.0)、POE(20)オレイルエーテル(HLB値17.0)、POE(50)オレイルエーテル(HLB値18.0)、POE(2)オレイルエーテル(HLB値4.9)、POE(3)オレイルエーテル(HLB値6.6)等のPOEオレイルエーテル(オレス);POE(4.2)ラウリルエーテル(HLB値11.5)、POE(9)ラウリルエーテル(HLB値14.5)、POE(10)ラウリルエーテル(HLB値14.5)、POE(21)ラウリルエーテル(HLB値19.0)、POE(25)ラウリルエーテル(HLB値19.5)、POE(2)ラウリルエーテル(HLB値9.5)、POE(3)ラウリルエーテル(HLB値8.4)等のPOEラウリルエーテル(ラウレス);POE(2)ミリスチルエーテル(HLB値5.8)、POE(3)ミリスチルエーテル(HLB値7.7)等のPOEミリスチルエーテル;POE(2)オクチルドデシルエーテル(HLB値4.6)、POE(5)オクチルドデシルエーテル(HLB値8.5)等のPOEオクチルドデシルエーテル;POE(2)ヘキシルデシルエーテル(HLB値5.3)、POE(4)ヘキシルデシルエーテル(HLB値8.4)等のPOEヘキシルデシルエーテル;POE(5)イソステアリルエーテル(HLB値7.0)等のPOEイソステアリルエーテル;POEノニルフェニルエーテル;POEオクチルフェニルエーテル;POE(10)POP(4)セチルエーテル(HLB値10.5)、POE(20)POP(4)セチルエーテル(HLB値16.5)、POE(20)POP(8)セチルエーテル(HLB値12.5)、POE(1)POP(4)セチルエーテル(HLB値9.5)等のPOEポリオキシプロピレンセチルエーテル:POE(12)POP(6)デシルテトラデシルエーテル(HLB値8.5)等のPOEポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等が挙げられる。
なお、化合物名中、POPはポリオキシプロピレンの略である。また、化合物名POEの括弧中の数値はエチレンオキサイドの付加モル数を表す。また、化合物のHLBは、日光ケミカルズ社カタログ(2014年)記載の数値等を参考値として記載したものである。化合物のHLBは、「ハンドブック-化粧品・製剤原料-改訂版(昭和53年3月1日波高、日光ケミカルズ株式会社)」に記載された「20・3・1 乳化法によるHLB値の実測」(854~855頁)に従って測定することができる。
エステル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばモノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン等のPOEソルビタン脂肪酸エステル;モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン等のグリセリルモノ脂肪酸エステル;テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット等のPOEソルビトール脂肪酸エステルが挙げられる。POEソルビタン脂肪酸エステル及びモノグリセリルモノ脂肪酸エステルのPOEの付加モル数は、例えば5以上である。POEソルビトール脂肪酸エステルのPOEの付加モル数は、例えば6以上である。また、これら以外のエステル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばPOE(6)POEソルビットミツロウ等のソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、POE還元ラノリン等が挙げられる。
アルキルグルコシドの具体例として、例えばアルキル(C~C16)グルコシド、POEメチルグルコシド、POEジオレイン酸メチルグルコシド等が挙げられる。POEメチルグルコシド及びPOEジオレイン酸メチルグルコシドのPOEの付加モル数は、例えば20以上である。
これらの界面活性剤のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
水溶性ポリマーは、例えば染毛料組成物に適度な粘度を与える目的で、染毛料組成物に配合してもよい。水溶性ポリマーとしては、例えば天然高分子、半合成高分子、合成高分子、及び無機物系高分子が挙げられる。
天然高分子の具体例としては、例えばデンプン、グアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、デキストリン、トリグルコ多糖(プルラン)等が挙げられる。
半合成高分子の具体例としては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、デンプンリン酸エステル、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸塩等が挙げられる。
合成高分子の具体例としては、例えばポリビニルカプロラクタム、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン-酢酸ビニル(VP/VA)コポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニル重合体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキル共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム(ポリクオタニウム-6)、イタコン酸とPOEアルキルエーテルとの半エステル、又はメタクリル酸とPOEアルキルエーテルとのエステルと、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのアルキルエステルから選ばれる少なくとも一つの単量体と、からなる共重合体が挙げられる。
無機物系高分子の具体例としては、例えばベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等が挙げられる。これらのうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
これらの水溶性ポリマーのうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
油性成分は、例えば、毛髪にうるおい感を付与する目的で、染毛料組成物に配合してもよい。油性成分としては、例えば油脂、ロウ類、炭化水素、エステル油、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、シリコーン等が挙げられる。
油脂の具体例としては、例えばアルガニアスピノサ核油、オリーブ油(オリブ油)、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油、杏仁油、パーシック油、桃仁油、パーム油、卵黄油等が挙げられる。
ロウ類の具体例としては、例えばラノリン、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油等が挙げられる。
炭化水素の具体例としては、例えばパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、合成スクワラン等が挙げられる。油性成分の中でも炭化水素は、製剤安定性を向上させる観点から、好ましく用いられる。これらの炭化水素の中でも、製剤安定性の向上効果に優れる観点から、流動パラフィンが好ましい。染毛料組成物中における炭化水素の含有量は、適宜設定されるが、好ましくは0.01質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上10質量%以下である。かかる範囲内の場合、製剤安定性をより向上させることができる。
エステル油の具体例としては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2-エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、C10~C30脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル(ジペンタエリトリット脂肪酸エステル)、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、2-エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油等が挙げられる。
高級アルコールの具体例としては、例えばセチルアルコール(セタノール)、2-ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール(セテアリルアルコール)、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2-オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、ラノリンアルコール等が挙げられる。油性成分の中でも高級アルコールは、製剤安定性及び毛髪への塗布性を向上させる観点から、好ましく用いられる。これらの高級アルコールの中でも、製剤安定性及び毛髪への塗布性の向上効果に優れる観点から、炭素数16以上の高級アルコール、セタノール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコールが好ましい。また、炭素数が異なる高級アルコールを2種以上併用することで、さらに製剤安定性及び毛髪への塗布性を向上させることができる。炭素数が異なる高級アルコールを2種以上併用する場合には、セタノール及びステアリルアルコールを用いることが、製剤安定性及び毛髪への塗布性の向上効果に優れる観点から好ましい。染毛料組成物中における高級アルコールの含有量は、適宜設定されるが、0.01質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上15質量%以下である。かかる範囲内の場合、製剤安定性及び毛髪への塗布性をより向上させることができる。
高級脂肪酸の具体例としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
アルキルグリセリルエーテルの具体例としては、例えばバチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
シリコーンの具体例としては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン(ジメチコノール)、ポリエーテル変性シリコーン(例えば、(PEG/PPG/ブチレン/ジメチコン)コポリマー)、アミノ変性シリコーン(例えば、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(アモジメチコン))、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。
これらの油性成分のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
多価アルコールとしては、例えばグリコール、グリセリン等が挙げられる。グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3-ブチレングリコール等が挙げられる。グリセリンとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールのうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
pH調整剤は、染毛料組成物のpHを調整するために染毛料組成物に配合してもよい。pH調整剤としては、無機酸、有機酸、それらの塩等が挙げられる。無機酸の具体例としては、例えばリン酸、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ酸等が挙げられる。さらにリン酸の具体例としては、例えばオルトリン酸、ポリリン酸、ピロリン酸、メタリン酸等が含まれる。有機酸の具体例としては、例えばクエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ピロリン酸、グルコン酸、グルクロン酸、安息香酸等が挙げられる。塩の具体例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。pH調整剤の中でも、毛髪の感触を向上させる観点から、有機酸が好ましく用いられる。有機酸の中でも、毛髪の感触の向上効果に優れる観点から、乳酸が好ましい。染毛料組成物中における有機酸の含有量は、適宜設定されるが、好ましくは0.001質量%以上5質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上3質量%以下である。かかる範囲内の場合、毛髪の感触をより向上させることができる。なお、これらのpH調整剤のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
糖の具体例としては、例えばグルコース、ガラクトース等の単糖、マルトース、スクロース、フルクトース、トレハロース等の二糖、糖アルコール等が挙げられる。防腐剤の具体例としては、例えばパラベン、メチルパラベン、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。安定剤の具体例としては、例えばフェナセチン、8-ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等が挙げられる。動植物又は微生物の抽出物の具体例としては、例えばサピンヅストリホリアツス果実エキス、加水分解酵母エキス等が挙げられる。酸化防止剤の具体例としては、例えばアスコルビン酸類及び亜硫酸塩等が挙げられる。キレート化剤の具体例としては、例えばエデト酸(エチレンジアミン四酢酸(EDTA))、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩類、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸及びその塩類、並びにヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)及びその塩類等が挙げられる。アミノ酸の具体例としては、例えばトレオニン、アルギニン、テアニン、タウリン等が挙げられる。冷感剤としては、例えばl-メントール等が挙げられる。これらの成分のうち一種のみを使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、本開示の一態様の染毛料組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内において、(A)、(B)成分以外の直接染料を使用してもよい。一般に、直接染料は、反応性がなく、それ自体で発色可能なものを示す。直接染料の具体例としては、例えば酸性染料、ニトロ染料、塩基性染料(カチオン染料)、分散染料等が挙げられる。
酸性染料の具体例としては、例えば赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色201号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、橙色205号、橙色207号、橙色402号、緑色3号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、褐色201号、黒色401号、アシッドブルー1、アシッドブルー3、アシッドブルー62、アシッドブラック52、アシッドブラウン13、アシッドグリーン50、アシッドオレンジ6、アシッドレッド14、アシッドレッド35、アシッドレッド73、アシッドレッド184、ブリリアントブラック1等が挙げられる。
ニトロ染料の具体例としては、例えば4-ニトロ-o-フェニレンジアミン、2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、2-アミノ-5-ニトロフェノール、N,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、ヒドロキシエチル-2-ニトロ-p-トルイジン、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、3-ニトロ-p-ヒドロキシエチルアミノフェノール、4-アミノ-3-ニトロフェノール、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、ピクラミン酸、ピクリン酸、及びそれらの塩、HC Blue No.2、HC Blue No.4、HC Blue No.5、HC Blue No.6、HC Blue No.8、HC Blue No.9、HC Blue No.10、HC Blue No.11、HC Blue No.12、HC Blue No.13、HC Blue No.14、HC Blue No.18、HC Blue No.19、HC Brown No.1、HC Brown No.2、HC Green No.1、HC Orange No.1、HC Orange No.2、HC Orange No.3、HC Orange No.5、Hc Orange No.7、HC Red No.1、HC Red No.3、HC Red No.7、HC Red No.8、HC Red No.9、HC Red No.10、HC Red No.11、HC Red No.13、HC Red No.14、HC Red No.18、HC Violet No.1、HC Violet No.2、HC Violet No.3、HC Yellow No.2、HC Yellow No.4、HC Yellow No.5、HC Yellow No.6、HC Yellow No.7、HC Yellow No.8、HC Yellow No.9、HC Yellow No.10、HC Yellow No.11、HC Yellow No.12、HC Yellow No.13、HC Yellow No.14、HC Yellow No.15、HC Yellow No.16、HC Yellow No.18等が挙げられる。
塩基性染料(カチオン染料)の具体例としては、例えば赤色213号、赤色214号、Basic Blue 3、Basic Blue 6、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 26、Basic Blue 41、Basic Brown 1、Basic Brown 4、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Orange 1、Basic Orange 2、Basic Orange 31、Basic Red 1、Basic Red 2、Basic Red 22、Basic Red 46、Basic Red 51、Basic Red 76、Basic Red 118、Basic Violet 10、Basic Violet 11:1、Basic Violet 16、Basic Yellow 11、Basic Yellow 28、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87等が挙げられる。
分散染料の具体例としては、例えばDisperse Black 9、Disperse Blue 1、Disperse Blue 3、Disperse Blue 7、Disperse Brown 4、Disperse Orange 3、Disperse Red 11、Disperse Red 15、Disperse Red 17、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Violet 15等が挙げられる。
直接染料としては、例えば1-アミノ-4-メチルアントラキノン、1,4-ジアミノアントラキノン、及びそれらの塩、並びに「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」(昭和41年告示、厚生省)により定められた直接染料等を用いてもよい。
上記直接染料の具体例のうち、一種類のみを使用してもよいし、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
[染毛料組成物のpH]
本開示の一態様の染毛料組成物のpHは好ましくは2以上8以下、より好ましくは3以上6以下である。染毛料組成物のpHが2以上であると、染毛料組成物の染毛力をより向上させることができる。また、pHが8以下であると、染毛料組成物の染毛力を向上させるとともに、長期保存後の染毛色調安定性をより向上させることができる。なお、染毛料組成物のpHは、染毛料組成物を水に10質量%の濃度で溶解した際の、25℃におけるpHである。
[染毛料組成物の使用態様]
本開示の一態様の染毛料組成物の剤型は特に限定されない。例えば、25℃における剤型としては、クリーム状、水溶液及び乳液等の液状、ゲル状、フォーム状等が挙げられる。
また、本開示の一態様の染毛料組成物の用途は特に限定されない。例えば、染毛料組成物の用途としては、カラートリートメント、ヘアマニキュア等が挙げられる。これらの中でも、染毛料組成物はカラークリーム等のカラートリートメントとして好適に使用することができる。
また、本開示の一態様の染毛方法は、本開示の一態様の染毛料組成物を毛髪に適用する工程を有する。本開示の一態様の染毛料組成物を適用する毛髪は、特に限定されない。例えば、適用する毛髪としては、黒髪、黒髪を適宜ブリーチ処理した毛髪、白髪等が挙げられる。特に、本開示の一態様の染毛料組成物を、黒髪をブリーチ処理した毛髪に適用することで、毛髪を鮮やかな紫系の色に染めることができる。例えば、本開示の一態様の染毛料組成物は、上記ブリーチ毛、すなわち、黒髪を、CIE L色空間表示系における、L値が45以上50以下、a値が10以上15以下、b値が27以上32以下となるまでブリーチ処理した毛髪に適用してもよい。
[染毛料組成物の調製]
後述の表1~3に示す実施例1~20に係る染毛料組成物、及び表4に示す比較例1~8に係る染毛料組成物を、それぞれ常法に従いクリーム状の乳化物として調製した。
表1~4中の各成分の含有量を示す数値は質量%である。また、表1~4中のヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸三ナトリウム液は、染毛料組成物のpHを5に調整するために適量配合した。なお、染毛料組成物のpHは上記方法に従って測定した。
なお、表1~4中の塩基性赤51、塩基性赤76、及びHC青2は、それぞれ、下記式(13)、式(14)、及び式(15)で表される化合物である。
Figure 0007244057000014
Figure 0007244057000015
Figure 0007244057000016
[毛髪毛束への処理]
ビューラックス社製の人毛黒髪毛束に、パウダーブリーチ剤(「ビューティーン ベースアップブリーチ」、ホーユー株式会社製)を、毛束1gに対して3gの割合で刷毛を用いて塗布した。パウダーブリーチ剤を塗布した毛束を、30℃で30分間放置した後、水洗した。水洗した毛束に対して、シャンプー(「ビゲントリートメントシャンプー」、ホーユー株式会社製)を用いて2回処理し、トリートメント(「ビゲントリートメントリンス」、ホーユー株式会社製)を用いて1回処理した。その後、処理後の毛束を乾燥させた。
この一連の工程を2回繰り返し行った毛束を「ブリーチ毛束」とし、3回繰り返し行った毛束を「ハイブリーチ毛束」とした。なお、ブリーチ毛束は上記「ブリーチ毛」に該当するものであり、そのL値は48.23、a値は11.42、b値は29.31であった。また、ハイブリーチ毛束のL値は63.26、a値は8.04、b値は27.80であった。なお、ハイブリーチ毛束は、JHCAヘアカラーリング・レベルスケールにおいて17レベル程度のものである。JHCAヘアカラーリング・レベルスケールにおいて17レベル程度のものとは、具体的には、CIE L色空間表示系における、L値が60以上65以下、a値が7以上12以下、b値が25以上30以下のものである。
[染毛処理]
得られたブリーチ毛束及びハイブリーチ毛束のそれぞれに、各染毛料組成物を、毛束1gに対して1gの割合で刷毛を用いて塗布し、30℃で20分間放置した。放置後の毛束に対して、上記と同様のシャンプー処理を2回行い、上記と同様のトリートメント処理を1回行った。これらの処理後の毛束を乾燥させることによって、染毛後のブリーチ毛束及び染毛後のハイブリーチ毛束を得た。
[評価]
染毛後のブリーチ毛束と染毛後のハイブリーチ毛束とを用いて以下の評価を行った。
(染毛後の色相とシャンプーによる洗髪後の色相)
染毛後のブリーチ毛束に対して、上記と同様の、シャンプー処理、トリートメント処理、及び乾燥処理からなる一連の洗髪工程を、7回繰り返して行った。染毛後のブリーチ毛束と洗髪後のブリーチ毛束とを、標準光源下で専門のパネラーが目視にて観察し、それぞれの色相を評価した。
(色相変化の度合い)
また、染毛後のブリーチ毛束と、洗髪後のブリーチ毛束とを、標準光源下でパネラー10名それぞれが目視にて観察し、洗髪の前後で色相変化が小さいか否かを判断した。色相変化が小さいと認められると答えたパネラーの人数が8名以上であった場合には「優れる:5」、6~7人であった場合には「良好:4」、4~5人であった場合には「可:3」、2~3人であった場合には「やや不良:2」、1人以下であった場合には「不良:1」とする5段階の評価を行った。
(色持ちの良さ)
また、染毛後のブリーチ毛束と洗髪後のブリーチ毛束とを、標準光源下でパネラー10名それぞれが目視にて観察し、色持ちが良いか否かを判断した。具体的には、パネラーは、染毛後のブリーチ毛束と洗髪後のブリーチ毛束とを比較した場合に色の濃淡の差が小さいか否かに基づき、色持ちの良さを判断した。
色持ちが良いと認められると答えたパネラーの人数が8名以上であった場合には「優れる:5」、6~7人であった場合には「良好:4」、4~5人であった場合には「可:3」、2~3人であった場合には「やや不良:2」、1人以下であった場合には「不良:1」とする5段階の評価を行った。
(ダメージレベルでの染まり方の違い)
染毛後のブリーチ毛束と染毛後のハイブリーチ毛束とを、標準光源下でパネラー10名が目視にて観察し、両者を比較した場合に色相の差が小さいか否かを判断した。
色相の差が小さいと認められると答えたパネラーの人数が8名以上であった場合には「優れる:5」、6~7人であった場合には「良好:4」、4~5人であった場合には「可:3」、2~3人であった場合には「やや不良:2」、1人以下であった場合には「不良:1」とする5段階の評価を行った。
(リカラー性)
染毛後のブリーチ毛束に、「プロマスターEX LT」(第1剤)(ホーユー株式会社製)と「プロオキサイドn(6)」(第2剤)(ホーユー株式会社製)とを1:1で混合して調製した脱色剤を、毛束1gに対して3gの割合で刷毛を用いて塗布し、塗布後の毛束を30℃で30分間放置した。放置後の毛束に対して、上記と同様のシャンプーの処理を2回行い、上記と同様のトリートメント処理を1回行った後、乾燥させた。
得られた毛束について、標準光源下でパネラー10名が目視にて観察し、脱色剤によって色が取れやすいか否かを判断した。具体的には、パネラーは、得られた毛束が脱色前と比べて色落ちし、得られた毛束の色の濃さが染毛前の元のブリーチ毛束の色の濃さに近づいたか否かに基づき、色の取れやすさを判断した。色が取れやすいと認められると答えたパネラーの人数が8名以上であった場合には「優れる:5」、6~7人であった場合には「良好:4」、4~5人であった場合には「可:3」、2~3人であった場合には「やや不良:2」、1人以下であった場合には「不良:1」とする5段階の評価を行った。
(染毛力)
染毛後のブリーチ毛束を、標準光源下でパネラー10名が目視にて観察し、各例の染毛料組成物の染毛力が良いか否かを判断した。具体的には、パネラーは、染毛後のブリーチ毛束が所望の濃さに染まっているか否かに基づき、染毛力の良さを判断した。
染毛力が良いと認められると答えたパネラーの人数が8名以上であった場合には「優れる:5」、6~7人であった場合には「良好:4」、4~5人であった場合には「可:3」、2~3人であった場合には「やや不良:2」、1人以下であった場合には「不良:1」とする5段階の評価を行った。
(測色計での測定)
染毛後のブリーチ毛束について、分光測色計(「CM-600d」、コニカミノルタ社製)を用いて、標準光源D65の条件で、L値、a値、及びb値を測定した。また、得られたL値、a値、及びb値を用いて、CIE2000色差式に基づいて色差ΔEを算出した。
Figure 0007244057000017
Figure 0007244057000018
Figure 0007244057000019
Figure 0007244057000020
[考察]
実施例1~4,7~15に示すように、(B)成分として(b1)成分を含有し、(A)/(b1)が0.45以上5.5以下の範囲内である染毛料組成物は、色相変化の度合い及びダメージレベルでの染まり方の違いの項目についての評価が優れていた。また、色持ちの良さ、リカラー性及び染毛力の項目についての評価も優れていた。
実施例5,6,16~20に示すように、(B)成分として(b2)成分を含有し、(A)/(b2)が0.010以上0.55以下の範囲内である染毛料組成物は、色相変化及びダメージレベルでの染まり方の違いの項目についての評価が優れていた。また、色持ちの良さ、リカラー性及び染毛力の項目についての評価も優れていた。
また、実施例1~4,7~15に係る、(B)成分として(b1)成分を含有する染毛料組成物は、実施例5,6,16~20に係る、(B)成分として(b2)成分を含有する染毛料組成物よりも、色相変化の度合い及びダメージレベルでの染まり方の違いの項目についての評価が、全体的に優れる傾向にあった。
また、染毛料組成物が(B)成分として(b1)成分を含有する場合において、実施例1~4,7~13,15に係る、(A)/(b1)が0.50以上3.0以下の範囲内である染毛料組成物は、実施例14に係る、(A)/(b1)が0.50以上3.0以下の範囲外である染毛料組成物よりも、ダメージレベルでの染まり方の違いの項目についての評価が優れていた。
一方、比較例1,2に係る、(A)成分を含有しない染毛料組成物は、毛髪の色相変化が大きかった。また、当該染毛料組成物は、色持ちの良さ又はリカラー性についての評価も各実施例よりも劣る場合があった。
比較例3,4に係る、(B)成分を含有しない染毛料組成物は、毛髪の色相変化は比較的抑制されているものの、ダメージレベルでの染まり方の違いが大きかった。また、当該染毛料組成物は、色持ちの良さについての評価も各実施例よりも劣っていた。
比較例5、6に係る、(A)/(b1)が0.45以上5.5以下の範囲外である染毛料組成物は、毛髪の色相変化が大きいか、又は、ダメージレベルでの染まり方の違いが大きく、所望の性能を満たさなかった。
比較例7,8に係る、(A)/(b2)が0.010以上0.55以下の範囲外である染毛料組成物は、毛髪の色相変化は比較的抑制されているものの、ダメージレベルでの染まり方の違いが大きかった。また、当該染毛料組成物は、色持ちの良さについての評価も各実施例よりも劣る場合があった。
[染毛料組成物の参考処方例]
下記表5に示される処方例1の染毛料組成物を常法に従いクリーム状の乳化物として調製し、上記実施例と同様に評価した。その結果、処方例1の染毛料組成物においても、上記各実施例と同様に、色相変化の度合い及びダメージレベルでの染まり方の違いの項目についての評価が優れることを確認した。
Figure 0007244057000021

Claims (7)

  1. (A)成分として、下記式(1)で表されるトリアミノトリフェニルメタン化合物と、
    Figure 0007244057000022

    (式(1)中、R、R、R、R、R及びRは、相互に独立に、水素原子、C~Cアルキル基、C~Cモノ-ヒドロキシアルキル基、C~Cポリ-ヒドロキシアルキル基、フェニル基、又はベンジル基であり、R、R及びRは、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はC~Cアルキル基であり、Xは、ハロゲン化物イオン、硫酸水素イオン、メトサルフェートイオン、ベンゾエートイオン、又はアセテートイオンである。)
    (B)成分として、塩基性青75、塩基性青124、及びHC青15から選択される少なくとも一種である(b1)成分、又は、塩基性青99、及びHC青16から選択される一種である(b2)成分と、
    を含有する染毛料組成物であって、
    前記染毛料組成物が前記(B)成分として前記(b1)成分を含有する場合、前記染毛料組成物中の前記(b1)成分の含有量に対する前記染毛料組成物中の前記(A)成分の含有量の質量比(A)/(b1)が、0.45以上5.5以下であり、
    前記染毛料組成物が前記(B)成分として前記(b2)成分を含有する場合、前記染毛料組成物中の前記(b2)成分の含有量の割合が、0.16質量%以上1.0質量%以下であり、前記染毛料組成物中の前記(b2)成分の含有量に対する前記染毛料組成物中の前記(A)成分の含有量の質量比(A)/(b2)が、0.010以上0.55以下である、染毛料組成物。
  2. 前記(B)成分として前記(b1)成分を含有する、請求項1に記載の染毛料組成物。
  3. (A)成分として、下記式(1)で表されるトリアミノトリフェニルメタン化合物と、
    Figure 0007244057000023

    (式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、相互に独立に、水素原子、C1~C4アルキル基、C1~C4モノ-ヒドロキシアルキル基、C1~C4ポリ-ヒドロキシアルキル基、フェニル基、又はベンジル基であり、R7、R8及びR9は、相互に独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はC1~C4アルキル基であり、X-は、ハロゲン化物イオン、硫酸水素イオン、メトサルフェートイオン、ベンゾエートイオン、又はアセテートイオンである。)
    (B)成分として、塩基性青75、塩基性青124、及びHC青15から選択される少なくとも一種である(b1)成分と
    を含有する染毛料組成物であって、
    記染毛料組成物中の前記(b1)成分の含有量に対する前記染毛料組成物中の前記(A)成分の含有量の質量比(A)/(b1)が、0.45以上5.5以下である、染毛料組成物。
  4. 前記染毛料組成物中の前記(b1)成分の含有量に対する前記染毛料組成物中の前記(A)成分の含有量の質量比(A)/(b1)が、0.50以上3.0以下である、請求項2又は請求項3に記載の染毛料組成物。
  5. 前記(A)成分が、塩基性紫1、塩基性紫2、塩基性紫3、塩基性紫4、塩基性紫14、又は塩基性赤9である、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の染毛料組成物。
  6. 黒髪をブリーチ処理した毛髪を、前記染毛料組成物で染色した場合、CIE L*a*b*色空間表示系における、染色前の前記毛髪と染色後の前記毛髪との色差ΔEが、20以上35以下である、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の染毛料組成物。
  7. 請求項1~請求項のいずれか1項に記載の染毛料組成物を毛髪に適用する工程を有する、染毛方法。
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