JP5037209B2 - 毛髪化粧料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は毛髪化粧料組成物に関する。更に詳しくは本発明は、毛髪化粧料に保湿成分としてヒアルロン酸類を配合した場合における特定の不具合を有効に防止することができる毛髪化粧料組成物に関する。
周知のように、ヒアルロン酸はグルクロン酸とN−アセチルグルコサミンとがグリコシド結合した2糖単位の繰り返しからなり、分子量が数十万〜数百万ダルトン程度の直鎖高分子状のムコ多糖であって、生体の各部分に分布している。そしてヒアルロン酸は多量の水分と結合する能力を有しているため、保湿成分として、例えば各種の毛髪化粧料にもしばしば配合されている。
特開昭59−110612号公報 上記の特許文献1は、損傷毛の回復、毛髪に艶やかさを与えること等を目的として、ヘアートリートメント、ヘアーコンディショナー、ヘアースプレー、セットローション等の毛髪処理剤にヒアルロン酸やその塩類を配合することを開示している。
特開平1−221308号公報 上記の特許文献2は、ヒアルロン酸又はその塩と、陽イオン性界面活性剤と、非イオン性あるいは両性界面活性剤とを配合する頭髪化粧料を開示し、ヒアルロン酸又はその塩には毛髪に対する保湿効果やしっとり感の付与を期待できる旨を述べている。
特表2002−522570号公報 上記の特許文献3には、「ヒアルロン酸誘導体」として、ヒアルロン酸を構成するグルクロン酸のカルボキシル基に対して一定のアミノ酸がアミド結合したヒアルロン酸塩と、これを含有する化粧品組成物等が開示されている。この文献も、ヒアルロン酸塩の保水力について記載している。
このように、ヒアルロン酸やその塩あるいは誘導体といったヒアルロン酸類が毛髪化粧料に配合されること、及び、その場合にヒアルロン酸類が毛髪に保湿効果を付与することは公知である。
ところが、本願発明者の研究によれば、毛髪化粧料にこれらのヒアルロン酸類を配合した場合、優れた保湿効果を期待できる反面、仕上がり時の毛髪に毛束感を生じるという問題のあることが判明した。「毛束感」とは、毛髪に手櫛を通した際に毛髪間に過剰な凝着性を生じ、手櫛を通した部分に沿って毛髪が何十本かの単位ごとの束になったような筋状の外観と触感を与えることをいう。毛髪化粧料の使用後に毛束感を生じることは好ましくない。
そこで本発明は、毛髪化粧料にヒアルロン酸類を配合した場合において、優れた保湿効果やこれに関連する2次的効果(毛髪の艶やかさ等)を確保しつつ、仕上がり時の毛髪における毛束感の発生を防止することを、解決すべき技術的課題とする。
本願発明者は、上記課題の解決手段を研究する過程で、(1)このような目的で配合するヒアルロン酸類としては珍しい、特定の構造のカチオン化ヒアルロン酸を用いて、(2)しかも上記のカチオン化ヒアルロン酸と共にアミノ酸類を配合する、という手段が極めて有効であることを見出し、本発明を完成した。
(第1発明)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、下記の(A)成分と(B)成分とを含有する、毛髪化粧料組成物である。
(A)ヒアルロン酸を構成するグルクロン酸のカルボキシル基が第4級アンモニウム含有修飾基によって修飾されたカチオン化ヒアルロン酸、あるいは、このカチオン化ヒアルロン酸における前記カルボキシル基以外の官能基の少なくとも一部が塩形成及び修飾のいずれか1以上の変化を受けたカチオン化ヒアルロン酸類縁体から選ばれる少なくとも1種。
(B)アミノ酸及びその塩又は誘導体から選ばれる少なくとも1種。
この第1発明において、カチオン化ヒアルロン酸やその類縁体の分子量は特段に限定されない。生体内に見られるヒアルロン酸と同程度の数十万〜数百万ダルトンの分子量のものでも良いし、それより分子量の大きいものでも、あるいは逆に、人為的にある程度まで低分子化したものでも良い。カチオン化ヒアルロン酸やその類縁体においては、必ずしも、その繰り返し単位を構成する多数のグルクロン酸のカルボキシル基が全て修飾されている(修飾率が100%である)必要はなく、実質的に「カチオン化されている」とみなし得る程度以上の修飾率であれば良い。更に「第4級アンモニウム含有修飾基」とは、少なくとも第4級アンモニウム化合物の構造を持つ部分と、グルクロン酸のカルボキシル基に化学結合した官能基とを有する修飾基を意味する。
第1発明のように(A)成分と(B)成分とを併せ含有する毛髪化粧料組成物を毛髪に施用した場合、ヒアルロン酸類に特有の優れた保湿効果やこれに起因する2次的効果を確保したもとで、仕上がり時の毛髪における毛束感の発生を有効に防止することができる。
第1発明の毛髪化粧料組成物によってこのような効果を確保できる理由は、未だ明確には解明していないが、(A)成分が第4級アンモニウムによってカチオン化されたヒアルロン酸やその類縁体である点、そのカチオン化修飾サイトがグルクロン酸のカルボキシル基である点、及び(B)成分を併せ配合している点が重要な関係を持つと推定している。
(第2発明)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、前記第1発明に係る(A)成分における第4級アンモニウム含有修飾基が、少なくとも、第4級アンモニウムと、前記カルボキシル基との結合に供される水酸基とを備える有機基である、毛髪化粧料組成物である。
上記の第1発明における(A)成分の第4級アンモニウム含有修飾基において、グルクロン酸のカルボキシル基に化学結合した官能基の種類は特段に限定されず、例えばアミノ基等であっても良いが、第2発明のように、この官能基が水酸基であることがより好ましい。
(第3発明)
上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、前記第1発明又は第2発明に係るカチオン化ヒアルロン酸が下記の「化2」式に示す繰り返し単位からなるものであり、カチオン化ヒアルロン酸類縁体が「化2」式に示す繰り返し単位の水酸基及びN−アセチル基の少なくとも一部が塩形成及び修飾のいずれか1以上の変化を受けたものである、毛髪化粧料組成物である。
第3発明のように、カチオン化ヒアルロン酸としては「化2」式に示す繰り返し単位からなるものが、又、カチオン化ヒアルロン酸類縁体としては「化2」式に示すカチオン化ヒアルロン酸の水酸基やN−アセチル基が塩形成あるいは修飾されたものが、それぞれ特に好ましい。
(第4発明)
上記課題を解決するための本願第4発明の構成は、前記第1発明〜第3発明のいずれかに係る(B)成分が下記の(B1)成分である、毛髪化粧料組成物である。
(B1)L−フェニルアラニン、L−テアニン、タウリン、L−アルギニン及びそれらの塩又は誘導体から選ばれる少なくとも1種。
(B)成分の種類は、アミノ酸及びその塩又は誘導体である限りにおいて特段に限定されないが、より好ましくは第4発明に規定する(B1)成分である
本発明の毛髪化粧料組成物は、カチオン化ヒアルロン酸やその類縁体の配合に基づく優れた保湿効果や毛髪のつや等の効果を確保しつつ、ヒアルロン酸類の配合時に特有な仕上がり時の毛髪の毛束感の発生を防止できる。
次に、本発明を実施するための形態を、その最良の形態を含めて説明する。
〔毛髪化粧料組成物〕
本発明に係る毛髪化粧料組成物は、少なくとも、(A)成分として特定の構造を持つカチオン化ヒアルロン酸及びその類縁体から選ばれる少なくとも1種と、(B)成分であるアミノ酸及びその塩又は誘導体から選ばれる少なくとも1種と、を含有する。
上記の(A)成分中、「特定の構造を持つカチオン化ヒアルロン酸」とは、ヒアルロン酸を構成するグルクロン酸のカルボキシル基が第4級アンモニウム含有修飾基によって修飾されたカチオン化ヒアルロン酸を言う。第4級アンモニウム含有修飾基とは、第4級アンモニウム化合物の構造を持つ部分と、グルクロン酸のカルボキシル基に化学結合した官能基とを有する修飾基である。「第4級アンモニウム化合物」の構造は、炭素原子に結合した「−N(R」で表される。ここにおいて3個の「R」は水素又は炭化水素基から任意に選ばれ、互いに同一でも相違していても良い。炭化水素基は炭素、水素以外の原子を含み得る。「カルボキシル基に化学結合した官能基」としては、エステル結合を形成した水酸基、アミド結合を形成したアミノ基等が例示される。
上記の「カチオン化ヒアルロン酸類縁体」とは、カチオン化ヒアルロン酸におけるカルボキシル基以外の官能基の少なくとも一部が塩形成及び修飾のいずれか1以上の変化を受けたものを言う。このような官能基として、グルクロン酸の 2’ 位や 4’ 位の水酸基、N−アセチルグルコサミンの2位のN−アセチル基、4位や6位の水酸基が挙げられる。
カチオン化ヒアルロン酸の具体例として、前記の「化2」式に示す繰り返し単位からなるものが好ましく例示され、かつ、これについての上記した意味での塩形成及び修飾のいずれか1以上の変化を受けたものをカチオン化ヒアルロン酸類縁体の好ましい具体例として挙げることができる。
毛髪化粧料組成物における(A)成分の含有量は、0.0001〜1質量%の範囲内であることが好ましい。含有量が0.0001質量%未満であると、絶対量の不足から第1発明で前記した効果が不足する恐れがある。含有量が1質量%を超えると、皮膜を形成し、毛髪が硬く感じられるという不具合が起こりがちである。(A)成分の含有量は、とりわけ0.001〜0.1質量%の範囲内であることが好ましい。
(B)成分である「アミノ酸及びその塩又は誘導体」に関しては、その種類は限定されない。アミノ酸及びその塩又は誘導体としては、特に第4発明において(B1)成分として列挙したアミノ酸及びその塩又は誘導体が好ましい。これらのアミノ酸の塩又は誘導体としては、限定はされないが、例えばNa塩やK塩、エステル化誘導体等を例示することができる。
毛髪化粧料組成物における(B)成分の含有量は、0.001〜5質量%の範囲内であることが好ましい。含有量が0.001質量%未満であると、その絶対量の不足から、第1発明で前記した効果が不足する恐れがある。含有量が5質量%を超えると、フレーキングが発生するおそれがある。(B)成分の含有量は、とりわけ0.01〜1質量%の範囲内であることが好ましい。
〔毛髪化粧料組成物の用途及び剤型〕
本発明の毛髪化粧料組成物の用途は、毛髪の化粧料である限りにおいて特段に限定されない。好ましくは、例えば以下のものを例示することができる。
(1)パーマネントウエーブ用の第1剤、あるいは前処理剤、中間処理剤、後処理剤。
(2)酸化染毛剤、毛髪脱色剤又は酸性染毛料における前処理剤、後処理剤。
(3)ヘアシャンプー剤、ヘアリンス剤、又はヘアスタイリング剤。
(4)酸化剤と着色剤の一方又は双方を含む各種の毛髪化粧料。即ち、パーマネントウエーブ用の第2剤、酸化染毛剤及び毛髪脱色剤(第1剤と第2剤)又は酸性染毛料、一時着色料。
毛髪化粧料組成物の剤型としては、例えば水中油型の乳液状又はクリーム状を好ましく挙げることができるが、他にも、毛髪化粧料組成物の用途や使用目的等に応じて、液体状、ゲル状、ペースト状、霧状(噴霧式)、エアゾールフォーム状等の公知の各種の剤型を任意に選択することもできる。
〔毛髪化粧料組成物のpH〕
毛髪化粧料組成物のpHは特段に限定されず、その用途等に応じて適宜に設定される。一般的には、酸性域のpH、例えばpH3.0〜6.5程度が好ましい。毛髪化粧料組成物が酸化染毛剤である場合には、中性〜アルカリ域のpH、例えばpH6.5〜12.0程度が好ましい。
毛髪化粧料組成物におけるこれらの範囲内のpHを安定的に維持するために、酸成分とアルカリ成分からなる公知の適宜なpH緩衝成分を配合することができる。酸成分としては、例えば有機酸が好ましく、特にグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸等のカルボン酸が好ましい。アルカリ成分としては、例えばアンモニア、塩化アンモニウムなどの無機アルカリ、及び、例えばトリエタノールアミン(TEA)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)などの有機アルカリが好ましい。
〔毛髪化粧料組成物に配合する酸化剤、着色剤〕
本発明の毛髪化粧料組成物が酸化剤組成物である場合には酸化剤が配合される。本発明の毛髪化粧料組成物が毛髪着色用組成物である場合には着色剤が配合される。本発明の毛髪化粧料組成物が酸化剤組成物であり、かつ毛髪着色用組成物である場合には、酸化剤及び着色剤が配合される。
酸化剤の種類は限定されない。例えば、過酸化水素、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過酸化物等が例示される。過酸化物としては、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物等を挙げることができる。
着色剤としては、各種の直接染料、顔料、酸化染料中間体等が例示される。直接染料の具体例としては、ニトロ染料、酸性染料、塩基性染料(カチオン染料)、分散染料等が例示される。顔料としては、黄色401号、黄色4号アルミニウムレーキなどの有機顔料、カーボンブラック、雲母チタン、着色雲母チタン、金属粉末などの無機顔料等が例示される。酸化染料中間体は主要中間体とカプラーとからなる。主要中間体としては、フェニレンジアミン類、アミノフェノール類、ジアミノピリジン類及びこれらの塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等の塩類が例示される。カプラーとしては、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、m−アミノフェノール、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノール、5−アミノ−o−クレゾール、ジフェニルアミン、p−メチルアミノフェノール等が例示される。
〔毛髪化粧料組成物におけるその他の成分〕
本発明の毛髪化粧料組成物には、上記の(A)成分、(B)成分、酸化剤、着色剤の他に、本発明特有の効果を阻害しない限りにおいて任意の成分を配合することができる。このような成分として、油性成分、界面活性剤、高分子化合物、ポリオール類、ビタミン類、セラミド、キレート剤、香料、殺菌・防腐剤、紫外線吸収剤、噴射剤、増粘剤、パール化剤等が例示される。これらの内の幾つかの成分について、以下に具体的に述べる。
(油性成分)
油性成分としては、炭化水素、多価アルコール、油脂、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、シリコーン類等が例示される。
上記の炭化水素としては、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン等が挙げられる。
上記の多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類や、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン類等が挙げられる。
上記の油脂としては、オリーブ油、ローズヒップ油、ツバキ油、シア脂、マカデミアナッツ油、アーモンド油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アボカド油、カロット油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。
上記のロウ類としては、ミツロウ(蜜蝋)、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン、鯨ロウ、コメヌカロウ、サトウキビロウ、パームロウ、モンタンロウ、綿ロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、カポックロウ、セラックロウ等が挙げられる。
上記の高級アルコールとしては、2−オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール等が挙げられる。
上記の高級脂肪酸としては、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
上記のアルキルグリセリルエーテルとしては、モノステアリルグリセリルエーテル、モノセチルグリセリルエーテル、モノオレイルグリセリルエーテル、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
上記のエステル類としては、パルミチン酸イソプロピル等のパルミチン酸エステル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル等のアジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、オクタン酸エステル、イソオクタン酸エステル、イソノナン酸エステル、セバシン酸エステル、ミリスチン酸エステル、ステアリン酸エステル、ラウリン酸エステル、ミリスチン酸エステル、乳酸エステル、酢酸エステル等が挙げられる。
上記のシリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、平均重合度が650〜10000の高重合シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
上記の非イオン性界面活性剤としては、セテス−7、セテス−10、セテス−20などのポリオキシエチレン(以下、POEという)アルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリソルベートなどのPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪族アルカノールアミド類等が挙げられる。
上記のカチオン性界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(ステアルトリモニウムクロリド)、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム(5E.O.)、クオタニウム−91(INCI名称)、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、N,N−ジ(アシロキシ),N−(ヒドロキシエチル),N−メチルアンモニウムメトサルフェート、酸中和型の第三級アミドアミン等が挙げられる。
上記のアニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ラウレス硫酸Na等のPOEアルキル硫酸塩、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウムなどのN−ラウロイルグルタミン酸塩類等が挙げられる。
上記の両性界面活性剤としては、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、コカミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
(高分子化合物)
高分子化合物としては、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、両性ポリマー、非イオン性ポリマー、天然ポリマー等が挙げられる。カチオン性ポリマーとしてはポリクオタニウム−10等のカチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム、ポリクオタニウム−7等のジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体等が例示される。アニオン性ポリマーとしてはカルボキシビニルポリマー(カルボマー)等が例示される。両性ポリマーとしてはポリクオタニウム−39等のジアリル4級アンモニウム塩/アクリル酸共重合体等が例示される。非イオン性ポリマーとしては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系高分子、PVP、PVP/VAコポリマー等のポリビニルピロリドン系高分子、アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸系高分子が例示される。天然ポリマーとしては、アラビアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、寒天等の植物性高分子、デキストラン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン等の動物性高分子、アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸系高分子が例示される。
以下に、本発明に係る毛髪化粧料組成物の実施例を比較例と共に説明する。本発明の技術的範囲は、これらの実施例や比較例によって限定されない。
末尾の表1に示す実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例5に係る組成の洗い流すヘアトリートメント組成物、末尾の表2に示す実施例9〜実施例12に係る組成のシャンプー剤組成物、末尾の表3に示す実施例13〜実施例16に係る組成のヘアスタイリング剤組成物、末尾の表4に示す実施例17〜実施例20に係る組成のクリーム状の2剤式酸化染毛剤組成物、末尾の表5に示す実施例21〜実施例24に係る組成の一時着色用カラークリーム組成物を、それぞれ常法に従って調製した。表4に示す酸化染毛剤組成物は、使用時に第1剤と第2剤を質量比1:2で混合調製して使用するものである。表1〜表5において組成割合を示す数値は、いずれも質量%での表記である。
又、表1〜表5において「成分」の欄に示した「A」の表記は、本発明の(A)成分であることを示す。この(A)成分たるカチオン化ヒアルロン酸は、エンゲルハード社製の商品名「HA-QUAT」を用いている。その表中における質量パーセンテージの数値表記は純分にて示している。次に、「成分」の欄に示した「A比」の表記は(A)成分に対する比較用の成分であることを示す。「A比」である「ヒアルロン酸ナトリウム」としては、紀文フードケミファ社製の商品名「ヒアルロン酸FCH-150」を用いている。これは、カチオン化されていない通常のヒアルロン酸塩である。「A比」である「ポリクオタニウム−10」は「カチオン化された多糖」という点では本発明の(A)成分に対する比較となり得るカチオンポリマーであって、ライオン社製の商品名「レオガードGP」を用いている。更に、「成分」の欄に示した「B1」の表記は前記の(B1)成分であることを、又、「B2」の表記は前記(B1)成分以外のアミノ酸及びその塩又は誘導体であることを、それぞれ示す。
評価用の毛髪サンプルとして、ストレートな毛髪ウイッグを使用した。この毛髪ウイッグに対して上記の各比較例及び実施例に係る組成物をそれぞれ常法に従って施用した。
(毛髪の毛束感)
上記の処理後に乾燥させた各例に係る毛髪ウイッグに手櫛を通し、毛束感を生じるかどうかを目視観察により判定した。毛髪の毛束感の評価基準は、全く毛束感を認めない場合を「◎」、僅かに毛束感を認める場合を「○」、やや明瞭に毛束感を認める場合を「△」、明瞭に毛束感を認める場合を「×」とする4段階評価によった。それらの評価の結果を表1〜表5に示す。
(毛髪の水分保持性)
前記の処理後に乾燥させた各例に係る毛髪ウイッグについて、25°C、湿度50%RHに24時間放置(第1ステップ)した後、25°C、湿度10%RHに24時間放置(第2ステップ)し、次いで、五酸化二リンを入れたデシケータに収容して減圧し、1週間かけて完全に乾燥させた(第3ステップ)。そして、これらの第1〜第3ステップの完了時点の毛髪ウイッグ重量をそれぞれ精秤しておいた。第1ステップ完了時点での毛髪ウイッグ重量を「H1」、第2ステップ完了時点での毛髪ウイッグ重量を「H2」、第3ステップ完了時点の毛髪ウイッグ重量を「H3」とする。これとは別に、コントロールとして、同じ毛髪ウイッグを毛髪化粧料組成物による処理ではなく単に水洗したものについて、同上の第1〜第3ステップを行い、「H1」〜「H3」を求めた。
各実施例、比較例、コントロールについて、「H1−H3」の演算により第1ステップ完了時点での毛髪ウイッグの水分量「HW1」を、「H2−H3」の演算により第2ステップ完了時点での毛髪ウイッグの水分量「HW2」を、それぞれ求めた。そして、各実施例、比較例について、HW2をコントロールの場合と比較した。
具体的には、コントロールの場合の水分量(絶対量の指数値「100」とする)に対して、指数値が110以上の場合を「◎」、指数値が105以上で110未満の場合を「○」、指数値が101以上で105未満の場合を「△」、指数値が101未満の場合を「×」とする4段階評価で毛髪の水分保持性を評価した。それらの評価の結果を表1〜表5に示す。
(毛髪のつや)
上記の処理後に乾燥させた各例に係る毛髪ウイッグについて毛髪のつやを評価した。評価基準は、毛髪のつやが非常に良好である場合を「◎」、毛髪のつやが良好である場合を「○」、毛髪のつやがやや悪い場合を「△」、毛髪のつやが悪い場合を「×」とする4段階評価である。それらの評価の結果を表1〜表5に示す。
(仕上がり後の指通り)
上記の処理後に乾燥させた各例に係る毛髪ウイッグについて、その指通りを評価した。評価基準は、指通りが非常に良好である場合を「◎」、指通りが良好である場合を「○」、指通りがやや悪い場合を「△」、指通りが悪い場合を「×」とする4段階評価である。それらの評価の結果を表1〜表5に示す。
本発明の毛髪化粧料組成物は、カチオン化ヒアルロン酸やその類縁体の配合に基づく優れた保湿効果を確保しつつ、ヒアルロン酸類配合時に特有な仕上がり時の毛髪の毛束感の発生を防止できる。

Claims (2)

  1. 下記の(A)成分と(B)成分とを含有することを特徴とする毛髪化粧料組成物。
    (A)下記の「化1」式に示す繰り返し単位からなるカチオン化ヒアルロン酸、あるいは、「化1」式に示す繰り返し単位からなるカチオン化ヒアルロン酸における水酸基及びN−アセチル基の少なくとも一部が塩形成の変化を受けたカチオン化ヒアルロン酸類縁体から選ばれる少なくとも1種。
    (B)アミノ酸及びその塩又はエステル化誘導体並びにタウリン及びその塩から選ばれる少なくとも1種。
  2. 前記(B)成分が下記の(B1)成分であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料組成物。
    (B1)L−フェニルアラニン、L−テアニン、L−アルギニン、グリシン、アラニン及びそれらの塩又はエステル化誘導体並びにタウリン及びその塩から選ばれる少なくとも1種。
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