JP2014097917A - シジミ貝殻焼成品の製造方法、及びそれを有効成分とした肝臓機能障害改善用組成物 - Google Patents

シジミ貝殻焼成品の製造方法、及びそれを有効成分とした肝臓機能障害改善用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 シジミ貝殻を原料として肝機能障害改善効果が確認されている焼成炭酸カルシウムとコンキオリンとからなる紛体の組成物を同時に生成する方法を提供する。
【解決手段】 シジミ貝殻を加熱温度200℃乃至300℃、加熱時間20分乃至60分で焼成したのちに粉砕して、アラゴナイト及びコンキオリンからなる混合粉末体を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、シジミ貝殻の焼成品の製造方法、及びそれを有効成分とした肝臓機能障害改善用組成物に関する。
シジミ貝は、古くから滋養強壮の効き目や、化痰去湿、反胃吐食、胃痛呑酸、痰貝喘咳嗽、湿瘡、潰瘍等への薬効があるものとして、広く家庭料理や民間療法において取り入れられている。
既に、その薬効が着目されて、シジミ貝由来の抽出物や生成物の製造方法や、それを有効成分とした組成物にかかる具体的な技術開発が取り組まれてきており(特許文献1の段落0002乃至段落0005参照。)、シジミ貝殻を純粋なカルサイト(calcite)となるまで焼成して、それを肝臓機能障害改善用組成物として供することが公知となっている(例えば、特許文献1参照。)。
また、さらに進んだ研究の成果として、貝殻の主要構成物のコンキオリン(conchiolin)と総称されるタンパク質を主とする間基質の薬効性も注目され、酸で炭酸カルシウムを溶解したうえでのコンキオリン加水分解物資の肝障害軽減効果(例えば、特許文献2参照。)や脂肪分解促進効果(例えば、特許文献3参照。)が確認されている
一方で、技術分野は異なるものの、貝殻粉末を工業用材料として使用するために、コンキオリンの分解による臭気を除去するため、貝殻粉末をコンキオリンの熱分解温度(550℃)以上の高温で焼成する技術も公知となっている(例えば、特許文献4の段落0011参照。)。
さらにはコンキオリンを消滅し、その間隙を有効物質吸着用の空間として利用するために、非酸化雰囲気で300℃〜500℃、2〜8時間焼成(乾留)のする技術も公知である(例えば、特許文献5の段落0019、段落0025乃至段落0028参照)。
上記の公知技術では、目的とする物質を限りなく純物質として生成するために、ある者はシジミ貝殻由来のカルサイトを目的(特許文献1)として、またある者はコンキオリンを目的(特許文献2及び特許文献3)として、その物質の生成方法を特許請求の範囲としている。
また、上記のように目的物質(例えば焼成炭酸カルシウム)を得るために、同じく効果が確認されている物質(例えばコンキオリン)を積極的に消滅・除去することが研究されており(特許文献2、特許文献3及び特許文献5、参照)、現在に至るまでそれら両物質をともに製造し利用する技術的思想は皆無であった。
特に、前記特許文献1の技術では、その特許請求の範囲をみればカルサイトのみとする製造方法であって、前記特許文献4又は特許文献5の技術的知見によればコンキオリンはほぼ完全に熱分解し、消滅したものとなっている。
特開2001−204433号公報(特許第3475411号) 特開2003−24008号公報 特開2006−213606号公報 特開2011−74315 特開2010−41990号公報(特許第4245655号) 特開2001−19642号公報
公知技術では、シジミ貝殻から目的物質をより純粋に生成するために、より多くの熱エネルギーを必要としたり、廃液を発生させたりすることとなり、シジミ貝殻の利用効率もその一部利用にとどまるものであった。
その一方で、消滅・除去される物質(コンキオリン)も、本発明者が目的とする肝臓機能障害改善用組成物として有用であるものの、それを同時に利用可能な態様(微紛体混合物)として生成するとの技術的な思想又は生成するための焼成技術は、いずれの先行技術においても開示されていなかった。
本発明者は、前記、公知技術が開示する技術的知見を総合し、鋭意研究を進めることで、シジミ貝殻を原料として肝機能障害改善効果が確認されている焼成炭酸カルシウムとコンキオリンとからなる紛体の組成物を生成することで、その両物質の効果を相乗的に活かすことができるとともに、廃棄物となってしまう可能性のあるシジミ貝殻のさらなる有効利用や、エネルギー消費・製造コストの抑制や、随伴する廃棄物を削減できることを見出した。
また、人が経口摂取したとき、胃酸(塩酸)により炭酸カルシウムは溶解して吸収されるため、単位重量当たりの表面積を向上するべくより微紛体とすることが望ましい一方で、微粉体とすることができれば強アルカリの石灰(ライム)に変化しなければ、カルサイトでなくアラゴナイト(aragonite)であっても一定の肝障害改善効果があることも見出した。
さらには、一定の条件により焼成することで、コンキオリンの部分的な熱分解によりコンキオリンとアラゴナイトとの結合を崩壊させて貝殻の堅固な殻体構造を崩壊し易くし、その焼成貝殻を機械的に微紛体化することで、シジミ貝殻由来の有効成分である焼成炭酸カルシウムとコンキオリンを同時に生成することが可能となることも見出した。
課題を解決する手段
本発明者は、前記の課題に対し、公知技術にはない技術的な思想により、シジミ貝殻を原料として肝機能障害改善効果が確認されている焼成炭酸カルシウムとコンキオリンとからなる紛体の組成物を同時に生成する方法を開発するに至り、本願発明の具体化に成功した。
本願請求項1の発明は、シジミ貝殻を、加熱温度200℃乃至300℃、加熱時間20分乃至60分で焼成したのちに粉砕し、焼成炭酸カルシウム及びコンキオリンからなる粉末体とすることを特徴とするシジミ貝殻焼成品の製造方法である。
本願請求項2の発明は、請求項1の炭酸カルシウムはアラゴナイトであることを特徴とするシジミ貝殻焼成品の製造方法である。
本願請求項3の発明は、請求項1又は請求項2により製造されるシジミ貝殻焼成粉末体を有効成分とする肝臓機能障害改善用組成物である。
なお、真珠を120℃乃至450℃の熱風で乾燥させたのち粉砕して0.10μm乃至50μmの粉体として、これを主成分とした滋養強壮剤の製法とその利用方法にかかる技術(特許文献6参照。)が公知であるが、同技術の対象が貝殻ではなく真珠であること、上記の温度条件の目的やその効果にかかる技術開示が不足しており、さらにはコンキオリンに対する技術的思想が全く開示されていないことから、本発明者らが到達したシジミ貝殻から肝臓機能障害改善用組成物を得る本発明や、その技術的思想とは本質的に異なるものである。
発明の効果
本発明の方法によれば、シジミ貝殻において、コンキオリンの部分的な熱分解によりコンキオリンとアラゴナイトとの結合を崩壊させて貝殻の堅固な殻体構造を崩壊し易くし、さらにその焼成貝殻を機械的に微紛体化することで、炭酸カルシウムとコンキオリンとからなる混合粉末体を得ることができる。
また、本発明の方法によれば、シジミ貝殻を原料として肝機能障害改善効果が確認されている炭酸カルシウムとコンキオリンとからなる紛体の組成物を生成することで、シジミ貝殻を丸ごとに有効利用してその両物質の効果を相乗的に活かした肝臓機能障害改善用組成物を提供することができる。
本発明を実施の形態を、実施例に基づいて説明する。
本発明の焼成品の原料(出発原料)となるシジミ貝殻は、生のシジミ貝を用意した上、公知の適宜手段によって貝肉を外し貝殻だけにしたものを採用する。ただし、適切な洗浄及び乾燥加熱手段により殺菌されるものであれば、従前は廃棄物となっていた貝殻を有効活用してもよい。
シジミ貝殻は、焼成処理に先んじて十分な洗浄がなされ、その後、公知適宜の乾燥手段により乾燥させてから、加熱温度が200℃乃至300℃で実施し得るようにした然るべき公知の加熱機を使い、対象となるシジミ貝殻全体ができるだけ均等に、アラゴナイトとコンキオリンの結合を一部崩壊するように20分乃至60分程度(貝殻の大きさや厚み、あるいは加熱処理する環境や季節等、所要要件によって配慮する。)加熱する。
なお、本発明の焼成温度の下限200℃は、貝類に付着した腸管出血性大腸菌を完全に死滅させ、生成したベロ毒素の不活性化させるうえで必要かつ十分な温度を確保している。
本願の加熱温度は、望ましくは貝殻本体の温度であるが、多くの実用加熱炉では、炉内の雰囲気温度を検出し加熱コントロールするものであるため、ここでの加熱時間は、シジミ貝殻を投入した炉内の温度が加熱温度に到達してからの時間を指しているため、概ね貝殻本体の温度が200℃乃至300℃の範囲であり、その状態を20分乃至60分間保持するものである。
上記のとおり慎重に温度コントロールされた加熱処理を実施した焼成済みのシジミ貝殻は、所定場所において自然冷却するか、急激な冷却にならないようにして適宜公知の冷却装置によって常温にまで冷却してから、それら全体を、公知の粉砕手段により概ね100μm程度となるよう粉砕し焼成貝殻粉体を得る。
紛体化処理については、目的に応じてジェットミル粉砕機等で微粉砕し、粒径が0.1μmから20μmの範囲に粒度分布した微粉末体が得ることもできるが、粉砕機に付着・残存する粉砕物が増加するとともに、微粉末体を原料として健康補助食品などに加工する場合の取扱いが難しくなる等の問題も生じる。このため実用的には、100μm程度以上の紛体が好適である。
ヤマトシジミ貝の洗浄済み貝殻を、電気ヒーター式焼成炉により200℃、40分で焼成し、自然放熱で常温まで冷却したのち、微粉砕機で粉砕して焼成粉末体(A)を得た。その時、粒径d90(積算値90%の粒度)=10μmとなるように紛体化・分級処理を行った。
次に、上記同様の原料を、電気ヒーター式焼成炉により360℃、120分で焼成し、自然放熱で常温まで冷却したのち、ジェットミル微粉砕機で粉砕して焼成粉末体(B)を得た。その時、粒径d90(積算値90%の粒度)=10μmとなるように紛体化・分級処理を行った。
未焼成のヤマトシジミ貝殻を、ジェットミル微粉砕機で粉砕して、上記焼成粉末体(A)、(B)と同程度の粒径d90(積算値90%の粒度)=10μmとなるように紛体化・分級処理を行い未焼成粉末体(C)を得た。
さらに、参考例として、電気ヒーター式焼成炉により500℃、120分で焼成し、自然放熱で常温まで冷却したのち、ジェットミル微粉砕機で粉砕して焼成粉末体(参考)を得た。その時、粒径d90(積算値90%の粒度)=10μmとなるように紛体化・分級処理を行った。
前記の焼成粉末体(A)、(B)及び未焼成粉末体(C)、焼成粉末体(参考)について、X線回析(粉末X線回析法 定性分析)を行ったところ、炭酸カルシウムのうち、粉末体(C)及び粉末体(A)はアラゴナイト100%であり、粉末体(B)はアラゴナイト<カルサイト、そして粉末体(参考)はカルサイト100%の状態となっていた。
次に、上記の粉末体の真比重(単位:g/cm)を測定したところ、粉末体(C)が2.83、粉末体(A)は2.82であった(参考:アラゴナイト理論値2.9)。一方、粉末体(B)は2.66、粉末体(参考)は2.56であった(参考:カルサイト理論値2.7)。
さらに、上記の各粉末体0.5gを0.1規定酢酸40mlに投入し、30分撹拌したうえで、溶解残渣割合を測定した。残渣には溶解し切れなかった炭酸カルシウムとコンキオリンが含まれているが、残渣割合が粉末体(C)は30.1重量%、粉末体(B)は5.7重量%、粉末体(A)は14.9重量%であった。
以上により、未焼成の粉末体(C)に比して、本発明により生成した粉末体(A)、(B)は、炭酸カルシウムの溶解性が極めて良好であり、シジミ貝殻の炭酸カルシウム(アルゴナイト)の貝殻殻体構造や結晶構造が部分的に崩壊しているため溶解性が向上することが確認された。一方、粉末体(A)よりも高温で焼成した粉末体(B)は、より高温かつ長時間焼成したために、コンキオリンが熱により部分的に消滅が進行したことが確認された。
次に、粉末体(A)及び粉末体(参考)のコンキオリンの状態を分析した。コンキオリンは不溶性蛋白質でであるため加水分解により構成アミノ酸組成をアミノ酸自動分析法により分析した。その結果、焼成炉により500℃、120分で焼成した粉末体(参考)からはアミノ酸が全く検出されない一方で、粉末体(A)からは、コンキオリン構成のアミノ酸が合計で0.85g/100g検出され、重量構成はアスパラギン酸16.5%、グリシン36.5%、チロシン8.2%、フェニルアラニン5.9%、グルタミン酸4.7%、プロリン4.7%、等であった。
上記分析から、公知の特許文献(特許文献4、特許文献5)により確認される知見も含めれば、概ねシジミ貝殻由来のアラゴナイトが、カルサイトに十分に変性する焼成(概ね
Figure 2014097917
その粉末体は粉末体(参考)の如く単なる炭酸カルシウム粉体になっており、一方、本発明の方法によるシジミ貝殻焼成粉末体(粉末体(A))では、コンキオリンの残存した粉末体であることが確認された。
そのうえで、未焼成のシジミ貝殻(粉末体(C))に比して、本発明の方法によるシジミ貝殻焼成粉末体(粉末体(A))は優れた溶解性をもっており、これにより本発明の方法によるシジミ貝殻焼成粉末体(粉末体(A))と、未焼成のシジミ貝殻(粉末体(C))とはともにアラゴナイト100%又は主構成としながらも、物性的には異なる性質を持つものとなっていることが確認された。
一方、特許文献1により公知なシジミ貝殻由来の粉末体にはないコンキオリン(及びその構成アミノ酸)を残しつつ、未焼成のシジミ貝殻粉末体とは異なる物性をもった新規のシジミ貝殻由来の粉末体が生成されていることが確認された。アミノ酸は肝臓でのアルコール分解を促進させることが公知であるため、本発明の方法は、公知技術による加水分解などの炭酸カルシウム除去の手順を経ずに、また特許文献1にないコンキオリンを残す技術思想により、従来廃棄物とされているシジミ貝殻をアミノ酸含有の有効な炭酸カルシウム材料とすることができた。
なお、貝殻由来のコンキオリン(及び構成アミノ酸)の研究では、貝殻種類による構成アミノ酸の違いや、炭酸カルシウム殻体構成の違いが従来より前提事項とされており、貝殻種類のうち本発明はシジミ貝殻固有の炭酸カルシウム、コンキオリンの混合粉末体の製造方法、特に経口摂取による肝機能障害改善効果をもった粉末体の簡便な製造方法を特定するものとなった。
「貝殻中に含まれる不溶性蛋白質のアミノ酸組成について」,北海道大學水産學部研究彙報,19(1):p52−61
なお、シジミ貝殻由来の炭酸カルシウムの肝機能障害改善効果については、特許文献1において確認されているところであるが、同特許技術ではカルサイト100%の粉末体によるものである。本願発明は、コンキオリンを消滅させない温度条件内でアラゴナイト100%ないしはアラゴナイト>カルサイトとなる焼成を行うものであり、本発明による粉末体が肝機能に好適に作用することが確認されば特許文献1をはじめとする公知技術にはない新しいシジミ貝殻焼成炭酸カルシウム材料を提供することができる。そこで、前述の粉末体(A)と粉末体(C)を使用して、実験マウス(C57BL/6マウス)に投与してアルコール性肝障害を発症させた肝機能に対する作用を分析した。
実験マウスに対して、アルコールを経口投与して急性アルコール性肝障害を発症させて、そのときに粉末体(A)と粉末体(C)を投与して、その血清脂質を測定評価した。CTRL群(水のみ投与の対照群)、AFL群(アルコールのみ投与群)、T−A群(アルコール+粉末体A投与群)、T−C群(アルコール+粉末体C投与群)の4群(各11匹)に分けて、18日間投与を続けたうえで実験前と実験最終日に血清分離のうえ中性脂肪値(トリグリセライド:TG)と総コレステロール値(TC)を分析した。
アルコールは午前中に10%アルコール液1.0mlを、CTRL群には午前中に生理食塩水1.0mlを腹腔内に注射投与した。粉末体(A)及び(C)は0.10mg/mlで蒸留水に加入撹拌して、その0.5mlを午後にカテーテルで経口投与した。
分析の結果、次の表のようにT−A群とT−C群との間ではTG、TCともに歴然とした差が確認され、TGについては、T−A群はCTRL群よりも低下がみられるなど、著しい肝機能障害(アルコール性肝障害)への改善効果が確認された。
Figure 2014097917
一方、アラゴナイトとコンキオリンの混合粉末体ではあるものの、未焼成である粉末体(C)では、肝機能障害への作用は優位に観察されず、また本発明の粉末体(A)の結果とは著しい違いを見せるものとなった。このため、本発明の加熱条件、すなわち加熱温度200℃乃至300℃、加熱時間20分乃至60分で焼成することにより、未焼成のシジミ貝殻の粉末体とは全く異なった機能性をもつ焼成粉末体を得ることができることが確認された。
上記のとおり、本発明によるシジミ貝殻焼成粉末体は、肝機能障害の改善に有効性を有する炭酸カルシウムとコンキオリンの焼成混合粉末体を得ることができ、かつ未焼成のシジミ貝殻粉末体や、特許文献1の発明品であるカルサイト100%のシジミ貝殻焼成粉末体とは、全くことなるシジミ貝殻由来の粉末体を得ることができた。
なお、本発明の方法によりシジミ貝殻を焼成して得られた粉末体は、物としても本発明に含まれるものでることはいうまでもないが、その粉末体を有効成分として含む肝機能の維持向上、障害の改善又は血清脂質抑制による減量を目的とする医薬品、食品又は飲料も本発明の範囲に含まれるものである。
また、本発明の加熱条件、すなわち加熱温度200℃乃至300℃、加熱時間20分乃至60分間は、本発明の粉末体が、焼成炭酸カルシウムとコンキオリンをともに含む状態とするためのものであることから、加熱方法の違い、例えば過熱水蒸気や誘導加熱、ホット熱プレス等により加熱条件がより低温、短時間となる可能性があるものの、本発明者は均等論的にそれらの条件は焼成炭酸カルシウムとコンキオリンをともに含む粉末体を得る目的である限り本発明の範囲に含まれるものと思量する。
逆に、上記過熱条件よりも高温、長時間の加熱については、焼成炭酸カルシウムとコンキオリンをともに含むシジミ貝殻焼成粉末体をつくる目的では本発明の範囲に含まれるものの、本発明者の得た技術的知見では、より高温、長時間で焼成することでコンキオリンの消滅は進行してしまうこと、実用上よりコストを要することから、それらの方法には本発明を凌駕する進歩性は認めることができない。
本明細書において上述してきたように、本発明の方法により得られるシジミ貝殻焼成粉末体は、焼成炭酸カルシウムとコンキオリンをともに含むシジミ貝殻焼成粉末体であり、かつ肝機能障害の改善に資する材料である点において、未焼成の貝殻粉末体や、特許文献1の発明品であるカルサイト100%粉末体とは決定的に異なった著しい新規性及び進歩性を有するものであって、如何なる者も公知の技術の単純な組み合わせにより容易に発明しうるものではないことはいうまでもない。
本発明によれば、公知技術と比較したうえでも、廃棄物ともなるシジミ貝殻のさらに有効な利用を促進することができるとともに、シジミ貝殻から焼成炭酸カルシウムとコンキオリンを有効成分とする肝臓機能障害改善用組成物を簡便な方法により製造することができる。

Claims (3)

  1. シジミ貝殻を、加熱温度200℃乃至300℃、加熱時間20分乃至60分で焼成したのちに粉砕し、炭酸カルシウム及びコンキオリンからなる粉末体とすることを特徴とするシジミ貝殻焼成品の製造方法。
  2. 前記炭酸カルシウムはアラゴナイトであることを特徴とする請求項1に記載のシジミ貝殻焼成品の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2により製造されるシジミ貝殻焼成粉末体を有効成分とする肝臓機能障害改善用組成物。
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