JP2014094356A - 塗布液充填方法、スリットノズル、吐出口閉口部材及びスリットノズルユニット - Google Patents

塗布液充填方法、スリットノズル、吐出口閉口部材及びスリットノズルユニット Download PDF

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Abstract

【課題】塗膜品質の向上に寄与する塗布液充填方法を提供する。
【解決手段】基板表面に塗布液を塗布するスリットノズルの内部の気体を排出し、塗布液を充填する方法であって、スリットノズル28は、塗布液供給口24と、塗布液吐出口29と、供給口に連通され、スリットノズル内部に塗布液を貯めるマニホールド26と、マニホールド26に連通され、スリットノズルの吐出口29に塗布液を流す液通路28と、マニホールド内の気体を排出するための通気孔とを備え、供給口からスリットノズル内部への塗布液の送液中に、吐出口29を閉じた状態にする吐出口閉口工程と、通気孔を開放した状態にする通気孔開放工程とを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、塗膜形成するための塗布液を吐出させるスリットノズル、当該スリットノズルへの塗布液充填方法、当該塗布液充填の際に用いられる吐出口閉口部材及び当該吐出口閉口部材を含むスリットノズルユニットに関する。
液晶用ガラス基板や半導体ウエハなどの表面に塗膜を形成する方法として、スリットノズルを用いて行うスリットコート法がある。この方法は、スリットノズル内のマニホールドに充填した塗布液をスリットノズルのスリット状の吐出口から吐出して塗膜を形成する方法である。
そして、スリットコートなどの方法で塗膜を形成する装置では、均一な厚さの塗膜など、高品質の塗膜を形成することができる装置が望まれている。
スリットコートを行う装置として、例えば、マニホールド内のエアを抜き取るエア抜き穴を備えたスリットノズルを備えた塗布処理装置がある(特許文献1参照)。
この装置のスリットノズルは、マニホールドの両側端部に形成された供給口と、マニホールドの中央上部に形成されたエア抜き穴とを備えているものであり、両供給口からマニホールド内にレジスト液を供給すると、中央のエア抜き穴からエアが抜けて、マニホールド内にレジスト液が充填されるようになっている。また、この装置のマニホールドの上面は、両端の供給口から中央上部のエア抜き穴下端に向けて上り勾配に傾斜している。マニホールドの形状をこのような形状にすることで、マニホールド内のエアを簡単かつ確実に抜き取ることができ、延いては気泡の混入の無い均一な塗布膜を得ようとしている。そのため、塗布を開始する前にエア抜き穴を一定時間解放して前記マニホールド内の気体を排出し、該マニホールド内を塗布液で充填させ吐出口から排出される塗布液の圧力を均一に整え、さらに吐出口から排出される塗布液を直線状に整えてから塗布を始めていた。
特開2005−144376号公報(図3、段落〔0072〕参照)
ところで、スリットノズル100は前記マニホールド101の下に、塗布液が吐出口へとつながる液通路102を備えている(図7参照)。このスリットノズル100では、塗布液Lは前記マニホールド101から前記液通路102を経由してノズル先端の吐出口103へと流れる。そして、低粘度の塗布液で薄い塗膜を形成する場合、液通路102の幅は数十μm程度であり、前記吐出口103までに液が到達するより先に前記マニホールド101内の隅々まで塗布液Lが行き渡り、マニホールド101内のエア抜きは問題無く行えていた。
ところが、塗布液Lが高粘度になるに連れ、液を押し出すため圧力および時間として、より高い圧力やより長い時間が必要であり、スリットノズル100の液通路102の幅もより幅広にする必要がある。
そして、通路幅が幅広になると、塗布液Lが吐出口103に到達する時期が早まる傾向にあり、マニホールド101内の隅々に塗布液が行き渡る前(マニホールド内が塗布液で充填される前)に吐出口103から塗布液がこぼれ落ちることがある(図7参照)。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、スリット幅の広い高粘度液用のスリットノズルのエア抜きを行う塗布液充填方法を提供し、さらには、吐出口閉口部材及びスリットノズルユニットを提供することを課題としている。
本発明は、被処理物表面に所定幅で塗布液を塗布するスリットノズルの内部に塗布液を充填する方法において、前記スリットノズルは、塗布液の供給部である供給口と、塗布液の吐出部である吐出口と、前記供給口に連通され、スリットノズル内部に塗布液を貯めるためのマニホールドと、前記マニホールドに連通され、前記スリットノズルの吐出口に向け塗布液を流す液通路と、前記マニホールド内の気体を排出するための通気孔とを備え、前記供給口から前記スリットノズル内部への塗布液の送液中に、前記吐出口を閉じた状態にする吐出口閉口工程と、前記通気孔を開放した状態にする通気孔開放工程とを有することを特徴とする塗布液充填方法である。
そして、前記スリットノズル内部に塗布液を送液する送液工程は、前記液通路内への塗布液の充填後、前記マニホールド内への塗布液の充填を完了する工程である。
また、前記吐出口閉口工程は前記液通路内への塗布液の充填が開始される前に行われるものである。
また、前記通気孔は複数であり、各通気孔は、通気孔毎に実行される前記通気孔開放工程と及び通気孔閉口工程によって開閉され、少なくともいずれか一つの通気孔が開放状態になるように、各通気孔の開閉が制御されるものである。
また、前記スリットノズル内部に塗布液を送液する送液工程終了後、閉口状態の前記吐出口を開放する工程と、その後、前記吐出口の外側に出た塗布液を掻き取る工程をさらに有する。
また、前記吐出口閉口工程は、前記吐出口に吐出口閉口部材を接触させて閉じる工程であり、閉口状態の前記吐出口を開放する工程は、前記吐出口閉口部材を前記吐出口から離間させる工程である。
本出願に係る別の発明は、上述した塗布液充填方法で用いられる吐出口閉口部材である。
また、さらに別の発明は、被処理物表面に所定幅で塗布液を塗布するスリットノズルを備えたスリットノズルユニットであり、前記スリットノズルは、塗布液の供給部である供給口と、塗布液の吐出部である吐出口と、前記供給口に連通され、スリットノズル内部に塗布液を貯めるためのマニホールドと、前記マニホールドに連通され、前記スリットノズルの吐出口に向け塗布液を流す液通路と、前記マニホールド内の気体を排出するための通気孔とを備え、前記スリットノズルユニットは、さらに、 前記供給口から前記スリットノズル内部への塗布液の送液中に前記吐出口を閉じた状態にするために用いられる吐出口閉口部材を備えていることを特徴とするスリットノズルである。
さらに別の発明は、被処理物表面に所定幅で塗布液を塗布するスリットノズルと、上述した吐出口閉口部材とを備えたスリットノズルユニットである。
そして、前記吐出口閉口部材は、本体部である芯部材の周囲を弾性体で被覆してなるものである。
本出願に係る発明である塗布液充填方法によれば、迅速且つ確実にマニホールド内に塗布液を充填することができる。従って、本発明に係る塗布液充填方法は、スリット幅の広いスリットノズルにおける塗布液充填方法として好適である。そして、この方法を用いて充填すれば、その後の塗布工程において、均一な膜厚の塗膜をより確実に形成することができるようになる。また、本発明に係る吐出口閉口部材及びスリットノズルユニットを用いることで、本出願に係る塗布液充填方法をより確実に実施することができる。
本発明に係る塗布液充填方法によって塗布液が充填されるスリットノズルが装着される液体塗布装置を示す斜視図である。 スリットノズルを示す分解斜視図である。 スリットノズルを示す斜視図である。 図3のA−A断面を示すスリットノズルの断面図である。 スリットノズルを示す正面図である。 塗布液充填方法を説明するための模式図である。 従来の充填状態を説明するための模式図である。
1…液体塗布装置、2…基台、2a,2b…側壁、3…基板用のテーブル、4…板材(基板)、
5a,5b…レール、
10…塗布機構部、20…スリットノズル(塗布ヘッド)、21,22…ノズル片、
21a,22a…突出部、21b,22b…当接面、23…シム、23a…凹部、
24…塗布液供給口(供給口)、24a…上端開口、24b…下端開口、25…通孔、
26…マニホールド、26a…マニホールドの開口、28…液通路空間(液通路)、
29…吐出口、31…通気孔、
40…メンテナンス機構、41…交換スライダ、42…昇降シリンダ(昇降手段)、
48…スライダ可動部、50…充填台、51…充填バー(吐出口閉口部材)、52…芯部材、
53…弾性材、53a…充填バーの上面、
X…長さ方向、W…スリット幅(液通路幅)。
次に、本発明に係る塗布液充填方法、にスリットノズル、吐出口閉口部材及びスリットノズルユニットの実施例について説明する。
塗布液充填方法は、液体塗布装置が有するスリットノズルに塗布液を充填する際に用いられる。そこで、まず、液体塗布装置について説明する。液体塗布装置は、基板等の板材に薄い塗膜を(縁を残して)塗布するための装置である。
図1に示されるように、液体塗布装置1は、基台2と、基台2上の中央部に設置された板材用のテーブル3とを備えている。このテーブル3は、塗布対象物(被処理物)である板材4が載置される台である。基台2の両側縁には、直角に起立した側壁2a,2bがそれぞれ形成されており、これらの側壁2a,2bの上面にレール5a,5bが敷設されている。このレール5a,5b上に、塗布機構部10が走行可能に設置されている。
塗布機構部10には、後述する吐出口29(図3、4参照)を下端に有するスリットノズル20が昇降自在に設置されている。従って、テーブル3に載置された板材4の表面に塗布液を塗布する場合は、塗布機構部10を走行させつつ、スリットノズル20の下端の吐出口29から塗布液を吐出させる。これにより、板材4の表面に、所定幅で塗布液が塗布され、所定幅の塗膜が形成される。
スリットノズル20は、液体塗布装置1に対して着脱自在であり、図2に示されるように、分割された2つのノズル片21,22と、両ノズル片21,22の間に挟まれた状態で組み込まれるシム23とで構成されている。2つのノズル片21,22は、それぞれ細長い金属(ステンレス)製のブロックであり、後述の吐出口29が下方に向けられた状態で塗布機構部10に設置される。以下、塗布機構部10に設置された状態を基準として、上下の向きを説明する。
各ノズル片21,22は、組み合わされたときに相対向する当接面21b,22b(図4参照)を有しており、当接面21b,22bの下端部に鋭角状に突出した突出部21a,22aを有する。2つのノズル片21,22を組み合わせたとき、この突出部21a,22aによって後述の吐出口29(図3参照)が形成される。
2つのノズル片21,22のうち、第1ノズル片21は、内部に形成された空間であるマニホールド26と、マニホールド26への塗布液の供給に用いられる塗布液供給口24と、マニホールド26に連通する複数の通気孔31a,31bとを備えている。
塗布液供給口(塗布液供給孔)24は、塗布液の供給部(供給路)である。そして、塗布液供給口24は、第1ノズル片21の上面の長さ方向Xの中央部に形成された上端開口24aと、マニホールド26側に開放する下端開口24bとを有しており、マニホールド26に連通している。
マニホールド26は、塗布液供給口24から供給された塗布液を長さ方向(スリットノズル20の長さ方向)Xに拡散させるためのものであり、スリットノズル20の長さ方向Xに広がっている。また、マニホールド26は、第1ノズル片22の当接面21bに形成された開口26aを有する。
通気孔31a,31bは、マニホールド26内の気体の排出に用いられるものであり、マニホールド26側に開放した下端開口とスリットノズル20の外界に開放した上端開口とを有する。また、通気孔31a,31bは例えば2つであり、塗布液供給口24を挟むように、第1ノズル片21の上面の長さ方向の両側にそれぞれ形成されている。通気孔は1つであっても良く、また3つ以上であっても良いが、気体排出性を考慮すると線対称になる偶数個が好ましい。また、通気孔を開閉するためのバルブなどの開閉器である開閉手段は周知のモノであるのでここでは詳細な説明を省略する。
シム23は、コの字形状に形成された薄板状の部材であり、凹部23aを備えている。シム23は、凹部23aの開放端が下側に向けられた状態で、2つのノズル片21,22の間に組み込まれる。このシム23を2つのノズル片21,22の間に挟んで組み込むことで、スリットノズル20の内部に液通路空間28が形成されると共にスリットノズル20の下端にスリット状の吐出口29が形成される。従って、シム23の厚さを調整することで液通路空間28及び吐出口29のスリット幅W(図4参照)を調整することができる。また、凹部23aの長さ方向Xの長さを調整することで、吐出口29の長さ方向Xの長さを調整することができる。
また、2つのノズル片21,22及びシム23を組んでスリットノズル20としたとき、シム23の凹部23aによって形成された液通路空間28(図3参照)に、マニホールド26の開口26aが臨んだ状態になる。つまり、液通路空間28は、その上端部でマニホールド26に連通している。
従って、塗布液供給口24から供給された塗布液は、マニホールド26に流入し、マニホールド内に貯まると共に長さ方向Xに拡散される。その後、塗布液は、液通路28に流入し、当該液通路空間28を経て吐出口29から吐出される。なお、通気孔31a,31bがあると、マニホールド26内の空気を外界に逃がしやすく、マニホールド26内における塗布液の長さ方向Xの拡散が促進される。
また、図1に示されるように、液体塗布装置1は、テーブル3より前方側(図1における左下側)に設置されたスリットノズル20のメンテナンス機構40と、スリットノズル20への塗布液充填の際に用いられる充填台50とを備えている。
メンテナンス機構40は、メンテナンス機構の横方向に引き出し可能なスライド可動部48を備えている。このスライド可動部48を横方向に引き出すと(図1の二点鎖線の位置参照)、スライド可動部48に対するスリットノズル20の取り出し及び載置が可能になる。そして、スリットノズル20をスライド可動部48に載置した後、スライド可動部48を元の位置に戻すと、スリットノズル20がスライド機構40の上に搬入される。その後、塗布機構部10をスリットノズル20の上方位置に移動させると、塗布機構部10へのスリットノズル20の装着が可能な状態になる。このように、スリットノズル20は、液体塗布装置1に対して着脱自在である。
また、充填台50は、着脱可能に設置された充填バー(吐出口閉口部材)51を備えている。
充填バー51は、スリットノズル20の吐出口29を閉じるために用いられるものであり、図3及び図4に示されるように、本体部である棒状の芯部材(剛性体)52と、芯部材52を被覆する周囲の弾性材53とで構成されている。つまり、吐出口29側である上部の表面は、弾性素材で構成されている。従って、吐出口29を充填バー51で閉じたとき、充填バー51によって吐出口29を確実に閉状態にすることができる。また、充填バー51は、棒状の芯部材52を内部に有しているので、吐出口29を充填バー51で閉じたとき、充填バー51が大きく変形したり撓んだりすることはなく、吐出口29を確実に閉状態にすることができる。また、弾性体53は具体的にはゴム部材なので、充填バー51でスリットノズル20の吐出口29を閉口するときに、吐出口29を傷付けることは無い。
このように、充填バー51は、スリットノズル20に塗布液を充填する際に用いられるものであり、スリットノズル20と充填バー51をユニット(スリットノズルユニット)として扱うことができる。
次に、上述したような液体塗布装置のスリットノズルに塗布液を充填する塗布液充填方法について説明する。
ここでは、スリットノズル20内に塗布液が全く充填されておらず、全ての通気孔が閉じた状態を起点として、塗布液充填方法の手順を説明する(図6参照)。
また、塗布液の供給の開始及び終了、通気孔の開閉あるいは吐出口に対して充填バーを近接離間させるための昇降動作を行うための制御部は、周知の制御手段であるので、ここでは図示及び説明を省略した。
塗布液の充填では、まず、塗布液供給口24からスリットノズル20内に塗布液の送液を開始する(送液開始工程)。
これにより、塗布液は、塗布液供給口24からスリットノズル20のマニホールド26内に流入する(図6(A)参照)。
その後、送液中に、吐出口29を充填バー51によって閉状態にする(吐出口閉口工程、図6(B)参照)。なお、吐出口29を閉状態にする時期は、具体的には、液通路空間28内への塗布液の流入(充填)が始まる前である。
このようにして充填バー51を用いて、吐出口29を閉状態にすると、充填時に、塗布液が吐出口29から流出することが防止される。
吐出口29からの塗布液の流出を防止できれば、塗布液の無駄がなくなり、しかも流出した塗布液によって周辺が汚れることが防止される。
また、送液中に、通気孔を開放した状態にする(通気孔開放工程、図6(C)参照)。
なお、最初の通気孔開放工程を行う時期(通気孔開閉工程を開始する時期)は、ここでは、液通路内への塗布液の流入(充填)が始まる前である。
通気孔開閉工程は、具体的には、最初に、いずれか一方の通気孔31aを開状態にする(通気孔開放工程)。ここでは、図2において左側に示されている通気孔31aを閉状態から開状態にする。このとき、他方の通気孔31bの状態は閉状態のままである(図6(C)参照)。
その後、所定時間が経過すると、先ほどの開放工程で開状態にした一方の通気孔31aを閉状態にする(通気孔閉口工程を行う)と共に他方の通気孔31bを開状態にする(通気孔開放工程、図6(D)参照)。つまり、一方の通気孔31aについて行う通気孔開放工程と他方の通気孔31bについて行う通気孔閉口工程を一緒に行う。さらに所定時間が経過すると、一方の通気孔31aを開状態にすると共に他方の通気孔31bを閉状態にする。
このように、通気孔開閉工程では、一定時間ずつ交互に開閉する開閉動作を繰り返し行う。別言すれば、通気孔開閉工程では、例えば、図示しない制御手段を用いて、まず、少なくともいずれか一つの通気孔を開放状態に制御しつつ、残りの通気口は閉口状態に制御し、その後、各通気孔の開閉の制御を順次行う。そして、通気孔開閉工程は、少なくとも、マニホールド26内の気体が完全に排出され、塗布液を充填するまで行う。通気口の開放時間は、塗布液の粘度や通気孔の数に応じて適宜設定される。
このように、一部の通気孔(例えば一方の通気孔31a)を開状態にして、塗布液をマニホールド26に流入させると、マニホールド26内の空気や気泡は、開状態の通気孔から外界に抜けることになるので、流入した塗布液をマニホールド26内の開状態の通気孔側に効率良く流動、拡散させることができる。そして、このようにして塗布液を充填する方法は、高粘度の塗布液を充填する場合など、充填圧力として高圧力が必要な場合や、充填時間として長時間が必要な場合などに特に有効である。
また、開状態にする通気孔を、順次、変えることにより、塗布液を全体に効率良く流動させることができる。さらに、所定時間が経過する毎に開状態の通気孔を変える動作を繰り返し行うと、塗布液をマニホールド内全体の隅々まで、より確実に流動させることができる。従って、通気孔開閉工程中に、通気孔を開状態にする回数は、各通気孔について少なくとも2回以上であることが好ましい。
また、スリットノズル20内への送液を続けると、その後、マニホールド26内に貯まった塗布液の一部が液通路空間28内に流入し始める。そして、さらに、送液を続けて、液通路空間28内に塗布液を充填させ、その後、マニホールド26内に塗布液が充填されると、スリットノズル20への送液を終了する(図6(E)参照)。
スリットノズル20内への送液を終了すると、充填バー(吐出口閉口部材)51を吐出口29から離間させる(離間工程、図6(F)参照)。
充填終了時、吐出口29を閉状態にしている充填バー51は液通路空間28内の塗布液と接しているので、充填バー51を吐出口29から離間させると、ごく少量の塗布液Laが充填バー51に引っ張られて、吐出口29の外側に引き出される(図6(F)参照)。
充填バー51がなければ、充填中、吐出口29に到達した塗布液が吐出口から流出することがあるが、本実施例のように充填バー51を用いれば、このようなことが防止される。
充填バーを吐出口から離間させると、その後、必要に応じてスリットノズル20の吐出口29に付着した余分な塗布液と排出される塗布液の先端の状態を整える払拭工程を行う。
充填時、吐出口29を充填バー51で閉じるが、充填中に塗布液がわずかに吐出口29の周辺に流出することがある。そこで、液充填後であって塗布開始前に、払拭工程を行う。これにより、吐出口29に付着した液は掻き取ることができる。そして、その後、塗布が開始される。
払拭に用いる部材としては、いわゆるV字状のゴム状パッドなどの部材や、吐出口29の開口端を払拭する平板状の部材などを用いることができる。
このようにして、スリットノズル20への塗布液の充填が終了すると、被処理物表面である板材4の表面に所定幅で塗布液を塗布する塗布工程を開始することができ、塗膜を形成することができる。
なお、本発明に係る塗布液充填方法、スリットノズル、吐出口閉口部材及びスリットノズルユニットは、上記実施例で説明したものに限られるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変されたものは、本発明の範囲に含まれる。
例えば、吐出口29を閉口する時期(吐出口閉口工程)としては、塗布液が吐出口29に到達する前、マニホールド26内への塗布液の充填が開始される前、送液工程開始と同時、さらには送液工程開始前などを挙げることができる。
また、通気孔開放工程を開始する時期としては、マニホールド26内への塗布液の充填が開始される前、送液工程開始と同時、さらには送液工程開始前を挙げることができる。
また、通気孔開放工程で開状態にする通気孔の数は、1つに限られない。通気孔を複数設ければマニホールド26内のエア抜きは短時間で行える。本工程では少なくとも1つの通気孔が開き状態であれば、他の通気孔は閉状態でも開状態でもよい。
また、通気孔開閉工程において、一方の通気孔の通気孔開放工程と他方の通気孔の通気孔閉口工程を一緒に行う場合、両工程を行うタイミングとしては、前述した本実施例のように、同時というタイミングの他、例えば、一方の通気孔閉口工程を先に行い、その後、続けて他方の通気孔開放工程を行うタイミングや、一方の通気孔開放工程を先に行い、その後、続けて他方の通気孔閉口工程を行うタイミングなどを挙げることができる。
また、通気孔開閉工程を終了する時期としては、予め計測しておいたマニホールド26内への塗布液の充填完了時間に限られず、前記通気孔に塗布液が到達したことを検知するセンサを用い、前記センサが反応するまで行ってもよい。
また、充填バー51としては、例えば、吐出口29側である上部が平面状の上面53aであるものが考えられる。そして、充填バー51の上側に位置する芯部材52の上面が平面であるものが考えられる。また、充填バー51の上面の幅がスリットノズル20の吐出口26のスリット幅Wよりも幅広であるが、芯部材52の上面の幅が、吐出口26のスリット幅Wよりも幅広であるものが考えられる。
また、上述したように、充填バー51を用いて吐出口29を閉状態にすると、塗布液充填動作中に当該塗布液が吐出口29から漏洩することを防止できる。従って、吐出口閉口工程とは、充填バー51を、吐出口から離間した離間位置から、充填時の塗布液漏洩を阻止する閉位置に移動させる工程ということができる。そして、充填バー51によって吐出口29を閉状態にする吐出口閉口工程(図6(B)参照)としては、吐出口29に充填バー51を押し当てる(接触させる)動作による方法と、吐出口29に充填バー51を近接させる動作とを挙げることができる。
また、上述したように、本出願に係る各発明は、高粘度の塗布液を塗布するためのスリットノズルやこれに適用する塗布液充填方法として好適である。
具体的にはスリット幅が100-600μm程度で液の粘度は1,000-5,000cpsの範囲で、塗布液がマニホールド内に行きわたるより先に吐出口へ到達する場合に有効な気泡抜き法である。

Claims (9)

  1. 被処理物表面に所定幅で塗布液を塗布するスリットノズルの内部に塗布液を充填する方法において、
    前記スリットノズルは、塗布液の供給部である供給口と、塗布液の吐出部である吐出口と、前記供給口に連通され、スリットノズル内部に塗布液を貯めるためのマニホールドと、前記マニホールドに連通され、前記スリットノズルの吐出口に向け塗布液を流す液通路と、前記マニホールド内の気体を排出するための通気孔とを備え、
    前記供給口から前記スリットノズル内部への塗布液の送液中に、前記吐出口を閉じた状態にする吐出口閉口工程と、前記通気孔を開放した状態にする通気孔開放工程とを有することを特徴とする塗布液充填方法。
  2. 前記スリットノズル内部に塗布液を送液する送液工程は、 前記液通路内への塗布液の充填後、前記マニホールド内への塗布液の充填を完了する工程である、請求項1に記載の塗布液充填方法。
  3. 前記吐出口閉口工程は前記液通路内への塗布液の充填が開始される前に行われる、請求項1又は請求項2に記載の塗布液充填方法。
  4. 前記通気孔は複数であり、
    各通気孔は、通気孔毎に実行される前記通気孔開放工程と及び通気孔閉口工程によって開閉され、
    少なくともいずれか一つの通気孔が開放状態になるように、各通気孔の開閉が制御される、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の塗布液充填方法。
  5. 前記スリットノズル内部に塗布液を送液する送液工程終了後、閉口状態の前記吐出口を開放する工程と、その後、前記吐出口の外側に出た塗布液を掻き取る工程をさらに有する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の塗布液充填方法。
  6. 前記吐出口閉口工程は、前記吐出口に吐出口閉口部材を接触させて閉じる工程であり、
    閉口状態の前記吐出口を開放する工程は、前記吐出口閉口部材を前記吐出口から離間させる工程である、請求項1から請求項5のいずれか一項に塗布液充填方法。
  7. 請求項6に記載の塗布液充填方法で用いられる吐出口閉口部材。
  8. 被処理物表面に所定幅で塗布液を塗布するスリットノズルを備えたスリットノズルユニットであり、
    前記スリットノズルは、塗布液の供給部である供給口と、塗布液の吐出部である吐出口と、前記供給口に連通され、スリットノズル内部に塗布液を貯めるためのマニホールドと、前記マニホールドに連通され、前記スリットノズルの吐出口に向け塗布液を流す液通路と、前記マニホールド内の気体を排出するための通気孔とを備え、
    前記スリットノズルユニットは、さらに、 前記供給口から前記スリットノズル内部への塗布液の送液中に前記吐出口を閉じた状態にするために用いられる吐出口閉口部材を備えていることを特徴とするスリットノズルユニット。
  9. 前記吐出口閉口部材は、本体部である芯部材の周囲を弾性体で被覆してなる、
    請求項8に記載のスリットノズルユニット。
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