JP2014092115A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】SCRシステム下流の排ガスセンサの結露水による被水割れを効果的に回避しつつ、排ガスセンサの使用可能時間を長く確保する。
【解決手段】NOx触媒より下流の排気通路内に水が結露している状態が予想される場合には、加熱手段による素子部の加熱をしない状態に制御する。一方、加熱手段により素子部が加熱されている間、尿素水噴射弁から供給される尿素水の量を、内燃機関に吸入される吸入空気の状態と、内燃機関から排出される排気ガスとの状態と、尿素水の状態とに応じて、NOx触媒下流の排気通路内に水を結露させない範囲に制御する。
【選択図】図2

Description

この発明は内燃機関の制御装置に関する。より具体的には、排気通路にSCRシステム(Selective Catalytic Reduction)システムが配置され、SCRシステム下流にセラミック部を有する排ガスセンサを備える内燃機関の制御装置に関する。
従来、内燃機関から排出される排気ガス中のNOx浄化のための、選択触媒還元つまりSCRシステム方式の触媒コンバータを用いた排気ガス浄化装置が知られている。SCRシステムでは、通常、SCRシステムのNOx触媒より上流の排気通路内に尿素水を噴射してアンモニアを発生させ、アンモニアとの反応により排気ガス中のNOxを浄化する。SCRシステムを用いる場合、一般に、尿素水の添加量をフィードバック制御するため、NOxセンサがNOx触媒の下流側にも配置される。
ところでNOxセンサ等の排気ガス中の特性成分の濃度や含有量等を検出するための排ガスセンサの多くは、セラミック材料を用いて形成された素子部を、内蔵するヒータにより加熱して活性温度に保持した状態で用いられる。しかし、排気通路内で発生した結露水が高温に加熱された素子部に付着すると、熱衝撃によって破損し、被水割れを起こす場合がある。
特に、SCRシステムではNOxの浄化により水が生成されるため、SCRシステム下流の水量が多くなる。これに対し、特許文献1は、SCRシステム触媒下流に発生する結露水の量を、空燃比に応じた水蒸気濃度と飽和水蒸気濃度と尿素水添加による水蒸気濃度増加分とに応じて求め、求められた結露水が気化し終えたことが認められた場合に、センサのヒータへの通電を開始する制御を行う技術を提案している。
特開2010−174657号公報 特開2003−293736号公報 特開2009−299631号公報
SCRシステムにおける尿素水添加量は排気ガス中のNOx濃度に応じて設定される。SCRシステム下流に排出される水の量は、添加される尿素水の量が多くなるに連れて増加する。従って、特許文献1のように、NOx浄化に必要な量の尿素水を添加し、尿素水添加による水増加量を加味した結露水が気化した場合に、ヒータをONとする制御を行う場合、ヒータをONにできるまでに長時間を要することが考えられる。また尿素水添加により生じる水量を含む排気ガスの露点温度は、運転条件に応じて大きく変化する。このため、壁温がある程度一定でも、壁温よりも露点温度が高くなり、ヒータのON/OFFが繰り返されることが考えられる。このため、排ガスセンサを利用可能な時間が短くなり、OBD(On Board Diagnostic systems/車載式故障診断システム)における検出頻度が低下するといった事態を生じ得る。また、ヒータのON/OFFが繰り返されることは、センサの劣化防止や消費電力低減の観点からも好ましいものではない。
本発明は上記課題を解決することを目的とし、SCRシステム下流に配置された排ガスセンサの結露水による被水割れを効果的に回避しつつ、排ガスセンサの使用可能時間を長く確保できるように改良した内燃機関の制御装置を提供するものである。
本発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、SCRシステムと排ガスセンサとを備える内燃機関に適用される。本発明においてSCRシステムは、内燃機関の排気通路に設置され、NOx触媒とNOx触媒の上流に尿素水を噴射するための尿素水噴射弁とを有する。また、排ガスセンサは、排気ガス中の特定の成分を検出するためのセンサであって、排気通路のNOx触媒より下流に設置され、かつ素子部を加熱するための加熱手段を有する。本発明の内燃機関の制御装置は、加熱手段による素子部の加熱状態を制御する加熱制御手段と、尿素水噴射弁からの尿素水の噴射を制御する噴射制御手段と、を備える。
本発明の制御装置において、加熱制御手段は、NOx触媒より下流の排気通路内に水が結露している状態が予想される場合に、加熱手段による素子部の加熱をしない状態に制御する。例えば、加熱手段による加熱状態を制御するとは、加熱手段が通電により素子部を加熱するものであれば、加熱手段へ電力供給している状態と、電力供給していない状態とを制御することを意味する。また、「水が結露している状態」とは、広く、水分が液体として存在している状態を意味し、必ずしも、水蒸気が結露した場合に限られないものとする。
また、本発明の制御装置において、噴射制御手段は、加熱手段により素子部が加熱されている間、尿素水噴射弁から供給される尿素水の量を、内燃機関に吸入される吸入空気の状態と、内燃機関から排出される排気ガスとの状態と、尿素水の状態とに応じて、NOx触媒下流の排気通路内に水を結露させない範囲に制御する。ここで「水を結露させない」とは、水蒸気を結露させる場合に限らず、NOx触媒下流に液体状態で排出させた水が、そのまま気化せずに液体として存在する場合をも含むものとする。
本発明の制御装置において、噴射制御手段は、尿素水の供給量の設定において、NOx触媒下流の排気通路の壁温と、尿素水を噴射しない場合に排気通路で水が結露する温度である露点とに応じて、NOx触媒下流の排気通路に水を結露させずに増加できる水蒸気の上限量である許容水蒸気増加量を求め、供給された尿素水により発生する水の量が、許容水蒸気増加量より少なくなるように、尿素水の供給量を制御するものであってもよい。
また、本発明の制御装置において、噴射制御手段は、尿素水の供給量の設定において、尿素水の尿素濃度、尿素水の加水分解効率、及びNOx触媒におけるNOx浄化率のうち、少なくとも1のパラメータを用いて、許容水蒸気増加量に応じた量の水蒸気を発生させる尿素水許容量を求め、尿素水許容量を越えない範囲に、尿素水の供給量を制御するものであってもよい。
本発明の制御装置において、加熱制御手段は、NOx触媒の下流の排気通路の壁温が、尿素水を噴射しない場合に排気通路で水が結露する温度である露点より低い状態から、壁温が露点より高い状態になった後、かつ、NOx触媒下流の排気通路内に滞留した結露水が除去された後、加熱手段により素子部を加熱する状態に制御するものであってもよい。ここで「滞留した結露水が除去された」とは、触媒下流の排気通路に液体状態で存在していた水が無くなった状態を意味するものとする。従って、結露水の除去には、液体である水が排気ガスと共に下流に排出される場合は、温度上昇により蒸発する場合などを含むものとする。
また、この場合において加熱制御手段は、素子部の加熱をしない状態に制御している期間中に、供給された尿素水に起因して生成された水の量が、該期間に排気ガスにより排水され又は蒸発したことにより除去された水の量よりも少なくなったときに、加熱手段により素子部を加熱する状態に制御するものとしてもよい。
また、本発明の制御装置において、噴射制御手段は、壁温が、露点より低い場合に、NOx触媒におけるNOxの分解に必要とされる量の尿素水を供給し、壁温が露点より低い状態から壁温が露点より高い状態になった後、排気通路に結露水が滞留した状態が予想される間、尿素水を供給しない状態に制御するものであってもよい。ここで「結露水が滞留した状態」とは、触媒下流の排気通路内に液体状態で水が存在する場合を広く含むものとする。
また、本発明の制御装置において、加熱制御手段は、NOx触媒の下流の排気通路の壁温が、尿素水を噴射しない場合に排気通路で水が結露する温度である露点より低い場合に、加熱手段による素子部の加熱をしない状態とするものであってもよい。この場合、噴射制御手段は、壁温が露点より低い場合に尿素水を供給しない状態に制御することが望ましい。
また、本発明の制御装置において、噴射制御手段は、尿素水の供給量を、NOx触媒におけるNOxの分解に必要とされる尿素水の量と、尿素水許容量とのうち、少ない方に設定するものであってもよい。
また、本発明における内燃機関の制御装置は、吸入空気の温度又は排気ガスの温度又は内燃機関が搭載された車両の速度又は外気温に応じて壁温を推定し、吸入空気の湿度又は排気ガスの圧力又は排気ガスの空燃比に応じて、露点を推定するものであってもよい。
本発明によれば、排ガスセンサの素子部が加熱手段により加熱されている間の尿素水の供給量が、NOx下流の排気通路内に水を結露させない範囲に制御される。これにより、加熱手段による素子部の加熱中に、尿素水に由来して発生する水の増加により、NOx触媒下流で水が結露するのを抑えることができる。従って、SCRシステム下流に配置された排ガスセンサの素子部の被水割れを効果的に回避することができる。また尿素水添加に由来する水発生量の増加による結露水の発生が抑制されるため、加熱手段による加熱中に、その加熱を停止させる回数を抑えることができ、排ガスセンサの使用可能時間を長く確保することができる。
また、本発明において、尿素水により発生する水の量が、壁温と露点とに応じて求められる許容水蒸気増加量よりも少なくなるように制御するものによれば、加熱手段による加熱中のNOx触媒下流での結露水の発生をより確実に抑制することができる。
また、本発明において、壁温が露点より高くなった後、更に、NOx触媒下流の排気通路内に滞留する結露水が除去された後で、加熱手段による加熱を許可するものによれば、より確実に被水割れを抑制することができる。また、更に、壁温が露点より低い場合に、NOxの分解に必要とされる尿素水を供給するものによれば、加熱手段により加熱が開始されるまでの間、SCRシステムによる高いNOx浄化率を確保することができる。
また、本発明において、壁温が露点より低い場合に、加熱手段による加熱と尿素水の供給とを共に停止するものであれば、壁温が低い間に排気通路に滞留する結露水を少なく抑えることができる。従って、壁温が露点より高くなったあと、より早くに素子部の加熱を開始することができ、より早くに排ガスセンサを使用可能な状態とすることができる。
本発明の実施の形態1におけるシステムの全体構成について説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1における制御内容について説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1における壁温と露点、及び水蒸気増加許容量との関係について説明するための図である。 本発明の実施の形態1において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態1において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態2における制御内容について説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
[本実施の形態1のシステムの全体構成]
図1は、この発明の実施の形態1におけるシステムの全体構成について説明するための模式図である。図1のシステムは車両等に搭載されて用いられる。図1において、内燃機関2の排気通路4には空燃比センサ6が設置されている。空燃比センサ6は排気ガスの空燃比を検出するための排ガスセンサである。排気通路4の下流側端部は酸化触媒8の入口側に接続されている。酸化触媒8は内燃機関2から排出される一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)を酸化すると共に、窒素酸化物(NOx)を還元することにより、排気ガスを浄化することができる。
酸化触媒8の出口には排気通路10の一端が接続されている。排気通路10の他端はDPF(Diesel Particulate Filter)12の入口に接続されている。DPF12は排気ガスに含まれる微粒子状の物質を捕集するためのフィルタである。
DPF12の出口側には排気通路14の一端が接続されている。排気通路14には第1NOxセンサ16が設置されている。第1NOxセンサ16は排気ガス中のNOx濃度を検出するための排ガスセンサである。排気通路14の下流側にはSCRシステム18が配置されている。SCRシステム18は排気通路14に設置された尿素水の噴射弁20と、排気通路14の下流側端部に接続する選択還元型のNOx触媒22(以下、単に「NOx触媒」とも称する)とを有している。噴射弁20は図示しない尿素水タンクに接続され、NOx触媒22上流において排気通路14内に尿素水を噴射する。噴射された尿素水は分解されて、アンモニアが生成される。NOx触媒22は生成されたアンモニアを還元剤として、排気ガス中のNOxを還元して、排気ガスを浄化する。
NOx触媒22の出口には排気通路24の一端が接続している。排気通路24には、第2NOxセンサ26と微粒子センサ(以下「PMセンサ」とも称する)28とが設置されている。第2NOxセンサ26は、NOx触媒22下流の排気ガス中のNOx濃度を検出するための排ガスセンサであり、PMセンサ28は排気ガス中の微粒子量を検知するための排ガスセンサである。
このシステムは制御装置30を備えている。制御装置30の入力側には、空燃比センサ6、第1NOxセンサ16、第2NOxセンサ26、及びPMセンサ28の他、内燃機関2の各種センサが接続されている。また、制御装置30の出力側には、内燃機関2の噴射弁20や、その他各種のアクチュエータが接続されている。制御装置30は、各種センサからの入力情報に基づいて所定のプログラムを実行し、各種アクチュエータ等を作動させることにより、内燃機関2の運転に関する種々の制御を実行する。
なお、上記のシステムに用いられている空燃比センサ6、第1NOxセンサ16、第2NOxセンサ26、及びPMセンサ28等の排ガスセンサは、セラミック部に形成されたセンサ素子部を有する。これら排ガスセンサは、ヒータを内蔵している。これら排ガスセンサによる各成分の検出時には、ヒータによりセンサ素子部が活性温度(例えば700℃程度)にまで昇温された状態に維持される。
[本実施の形態1における制御概要]
本実施の形態1において制御装置30が行う制御には、各排ガスセンサのヒータのON/OFFの制御が含まれる。具体的に、制御装置30は、排ガスセンサのいわゆる被水割れを防止するため、排気通路4、10、14、24内に結露水が発生していないと予想される状態においてのみ各センサ素子部のヒータをONとし素子部の加熱を行う。ここで、SCRシステム18上流の排気通路4、10、14内で発生する結露水の殆どは燃焼に由来して排気ガスに含まれる水蒸気が結露したものである。
一方、SCRシステム18において尿素水が添加された場合、SCRシステム18下流側の排気通路24には、添加された尿素水に含まれる水、及び、NOx触媒22でのNOxとアンモニアとの反応で生じる水など、尿素水添加に由来する水が排出される。つまりSCRシステム18下流の排気通路24には、燃焼に由来する水に加え、SCRシステム18から排出される尿素水に由来する水が含まれることとなる。
以下、説明の簡略化のため、尿素水添加によって発生する水以外の水を「燃焼由来水」とし、尿素水に由来して発生する水を「尿素水由来水」とも称することとする。また、「水蒸気」と言った場合には、気体状態の水を意味し、「結露水」と言った場合には液体状態の水を意味し、「水」と言った場合には、液体、気体、固体を含む広義の水を意味するものとする。また「結露水」は、便宜的に、液体状態の水を意味するものとし、必ずしも水蒸気が結露してできた水に限られないものとする。
制御装置30は、SCRシステム18下流の排気通路24に設置された2つのセンサ26、28のヒータ(以下、単に「センサヒータ」とも称する)に関しては、燃焼由来水と尿素水由来水との両者を合わせた水量を考慮して、そのON、OFFの制御を行う。
また尿素水の添加量が多い場合、一度ヒータをONとした後、排気通路24の壁温がある程度一定であるにも関わらず排気通路24に結露水が発生する事態となり得る。排気通路24に結露水が生じた場合には、被水割れを防止するため、センサヒータをOFFとする必要が生じる。このような事態を抑制するため、制御装置30は尿素水の添加量を制御することで、センサヒータをONに維持できるようにして、センサ26、28の使用時間を長く確保する。
[実施の形態1の制御内容]
具体的に、制御装置30は、排気通路24のセンサ26、28付近の壁温Twallが燃焼由来水の量に対応する露点Tbaseより高くなり、その後、排気通路24に溜まった結露水が除去された後で、センサヒータをONとする。センサヒータがONとされた後は、尿素水の添加量を、排気通路24内に結露水を生じさせない量に制限するように制御する。
図2は、本発明の実施の形態1のシステムにおける制御の概要について説明するためのタイミングチャートである。図2では、制御開始時刻t0からt1の間、壁温Twallが露点Tbaseより低温であり、時刻t1において壁温Twallと露点Tbaseが一致し、その後、壁温Twallが露点Tbaseより高くなる例を示している((a)参照)。なお、ここで露点Tbaseは、燃焼由来水の量のみに対する露点であり、燃焼由来水の量が飽和水蒸気量となる温度である。また壁温Twallは、排気通路24のセンサ26、28設置位置付近の壁温である。
(1)壁温Twall<露点Tbaseのときの制御
壁温Twallが露点Tbaseより低温である間(時刻t0〜t1間)は、排気通路24内で燃焼由来水が結露する状態にある。従って、素子部の被水割れを防止するため、センサヒータはOFFとされる(図2の(g)参照)。
センサヒータがOFFとされていれば、排気通路24内に多量の結露水が増加しても、センサ素子の被水割れを生じることがない。従って、この状態では、尿素水の添加量に上限を設けない。つまり実尿素水量Ureaは、SCRシステム18においてNOx浄化に必要とされる尿素水要求量Urea_wantに設定される(図2の(h)、(i)参照)。なお、尿素水の添加の許可又は禁止は、尿素禁止フラグで制御され、図2(b)に示されるように、壁温Twallが露点Tbaseより低温である間、尿素禁止フラグはOFFとされる。
(2)壁温Twall≧露点Tbaseへの変化時の制御
露点Tbaseは、燃焼由来水、即ち、尿素水由来水以外の露点影響要因に基づく水の量に対応する温度である。従って壁温Twallが露点Tbaseに達した時刻t1以降の状態では、燃焼由来水に起因する結露水は生じない状態となる。しかしながら壁温Twallが露点Tbaseに達した直後は、壁温Twallが露点Tbaseより低温であった間(時刻t0〜t1)に生成された結露水が排気通路24に滞留している。従って、この滞留した結露水が除去され、排気通路24内が乾燥状態となるのを待って、センサヒータをONとする必要がある。
制御装置30は、排気通路24内に滞留する結露水を早期に排水して、センサヒータを早期にONとできる状態にするため、壁温Twallが露点Tbaseに達した時点で、一度、尿素水添加を停止する。つまり、尿素禁止フラグがONとなる。これにより図2の(c)に示されるように、排気通路24には結露水は発生しない状態となる。
結露水の発生量がゼロに維持されると、排気による排水及び温度の上昇に伴う蒸発が進み、やがて時刻t2において排気通路24内に滞留する結露水の量(以下「水たまり量」とも称する)はゼロとなり、排気通路24内が乾燥状態となる。この状態でセンサヒータはONとされ、尿素禁止フラグが再びOFFとされる。つまり、センサ素子の加熱が開始されると共に、尿素水添加が再び許可された状態となる。
(3)壁温Twall≧露点Tbase、かつ、センサヒータONのときの制御
センサヒータがONとされている状態では、センサ素子部の被水割れを防止するため、排気通路24内で水が結露しない状態を維持する必要がある。従って、この状態における尿素水の添加量を、尿素水由来水により水が増加しても、排気ガス中の水が排気通路24内で結露しない範囲に収まるように制限する。具体的には結露水を生じさせない範囲の上限である尿素水許容量Urea_canを求め、これを上限として、NOx浄化に必要な尿素水要求量Urea_wantを添加する。つまり、図2の(h)及び(i)に示されるように、実尿素水量Ureaは、尿素水許容量Urea_canと、尿素水要求量Urea_wantの小さいほうに設定される。
これにより排気通路24内の結露水発生量はゼロに維持される(図2の(c)参照)。その後、壁温Twallが露点Tbaseを下回る環境となった場合には、センサヒータはOFFとされ、上記に従った制御が行われる。
[各パラメータの算出について]
次に、各パラメータの算出について説明する。図3は、温度と水蒸気量との関係を説明するための図である。図3において横軸は温度[℃]、縦軸は水蒸気量[g/m3]を表している。
<壁温Twallの算出>
本実施の形態1における制御では、壁温Twallとして、第2NOxセンサ26近傍の排気通路24の壁面の推定温度を用いる。壁温Twallは、この壁面の受熱量と放熱量とに応じて算出することができる。より具体的に、壁温Twallは、吸気温、排気温と外気温、車速とに応じて求められる。吸気温、排気温、外気温及び車速と、推定壁温Twallとの関係は、予めシミュレーション等によって求められ、マップや演算式等として制御装置30に記憶される。制御装置30は、記憶された関係に基づいて、各種センサによって検出される吸気温、排気温、外気温及び車速に応じて、壁温Twallを検出する。
<露点Tbaseの算出>
露点Tbaseは、尿素水添加を行っていない状態において、第2NOxセンサ26付近で結露水が生じる温度である。つまり露点Tbaseは、燃焼由来の水蒸気量Wbaseを有する排気ガスが結露する温度であり、燃焼由来水量Wbaseによって決まる値である。燃焼由来水量Wbaseは、排気ガス空燃比、吸気の湿度、排気圧等から求めることができる。
露点Tbaseは、燃焼由来水量Wbaseが飽和水蒸気量となる温度である。従って、露点Tbaseは、図3に示されるような飽和水蒸気量と温度との相関関係に従って、燃焼由来水量Wbaseに応じて求めることができる。なお、本実施の形態1では、露点Tbaseと排気ガス空燃比、吸気湿度及び排気圧との関係を、予めシミュレーション等によって求める。制御装置30には、求められた関係がマップや演算式等として定められて記憶されており、具体的な制御では、検出される吸気湿度、排気圧、空燃比等に応じて、マップや演算式に従って露点Tbaseが算出される。
<尿素水許容量Urea_canの算出>
図3に示されるように壁温Twallに対する飽和水蒸気量は、現在の壁温Twallにおいて結露水が発生しない範囲の水蒸気量の上限値となる。従って、燃焼由来水量Wbaseと、壁温Twallに対応する飽和水蒸気量Wwallとの差分が、結露水を生じさせない範囲で増加できる水の量であり、許容可能な水蒸気の増加量(以下「水蒸気増加許容量」とも称する)である。従って、水蒸気増加許容量ΔW_canは、壁温Twallと露点Tbaseとの温度差ΔTと相関を有する。本実施の形態1では、温度差ΔTと水蒸気増加許容量ΔW_canとの相関関係を予め求め、制御装置30にマップ等として記憶する。実際の制御においては、この相関関係を定めたマップ等に基づいて壁温Twallと露点Tbaseとの温度差ΔTから、水蒸気増加許容量ΔW_canが算出される。
尿素水の添加量は、結露水を発生させずに増加できる水蒸気増加許容量ΔW_canよりも、尿素水由来水の発生量が少なくなるように設定される。ここで尿素水の添加量と尿素水由来水発生量とは相関関係を有している。従って、水蒸気増加許容量ΔW_canとそれに対する尿素水の添加量とも相関を有している。従って、結露水を発生させない範囲の上限である尿素水許容量Urea_canは、水蒸気増加許容量ΔW_canに応じた値として求めることができる。
具体的には、制御装置30では尿素水許容量Urea_canは、水蒸気増加許容量ΔW_canに応じ、次式(1)により算出される。
Urea_can=ΔW_can×V{(1−α)×β×γ} ・・・・(1)
上記式(1)においてVは排気ガスの流量[m3/sec]であり、αは尿素濃度[wt%]、βは加水解効率[wt%]、γはNOx浄化率[wt%]である。
<尿素水要求量Urea_wantと実尿素水量Ureaの算出について>
一方、NOx浄化に必要な尿素水の量は、SCRシステム18に流入する排気ガスのNOx濃度等によって変化する。従って、尿素水要求量は、第1NOxセンサ16によるNOx濃度検出値等に応じて適宜設定される。
制御装置30は、尿素水由来水の発生量が水蒸気増加許容量ΔW_canの範囲内に収まるようにするため、実尿素水量Ureaを、尿素水許容量Urea_canと、尿素水要求量Urea_wantのいずれか小さいほうに設定する。
<水たまり量の算出>
壁温Twallが露点Tbaseより低温である間、排気通路24内に滞留する結露水の量は、実尿素水量Ureaに応じた量の水W_ureaから、排気によって後方に排出され又は蒸発する水の量(以下、両者を含めて「排水量」とする)を除いた量に近似すると考えられる。尿素水由来水の量W_ureaは、上記尿素水許容量Urea_canと水蒸気増加許容量ΔW_canとの上記式(1)に基づき、実尿素水量Ureaに応じて求めることができる。
また、排水量W_draは吸入空気量と相関を有する。例えば、図2の例では、内燃機関2への吸入空気量は(d)に示されるように変化し、排水量W_draは図2(e)のように変化する。このような相関関係は予め、実験等により求められる。求められた相関関係はマップ等として定め、これを制御装置30に記憶しておく。実際の制御においては吸入空気量に応じて排水量が求められる。
壁温Twall<露点Tbaseである間に排気通路24内に溜った水たまり量は、ある時刻における尿素水由来水発生量から、その時刻における排水量を減算した値を、時刻t0から時刻t1までの間、積算することで求められる。なお、壁温Twall≧露点Tbaseとなる時刻t1以降、尿素水の添加が停止されている間は、図2(c)に示されるように水発生量はゼロとなり、排水量分が、水たまり量から減算されることとなり、次第に水たまり量もゼロとなる。
[本実施の形態1の制御の具体的なルーチン]
図4は、本発明の実施の形態1において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図4のルーチンは、実尿素水量Ureaを算出するためのルーチンであり、内燃機関2の始動から停止までの間、繰り返し実行されるルーチンである。
図4のルーチンでは、まず、尿素禁止フラグがOFFとなっているか否かが判別される(S10)。尿素禁止フラグは、上記したように尿素水の添加を禁止する場合にONとされるグラフであり、後述するルーチンにおいて、そのON/OFFが制御される。ステップS10において尿素禁止フラグがOFFであることが認められない場合には、今回の制御は終了する。
一方、ステップS10において尿素禁止フラグがOFFであることが認められると、次に、壁温Twallが算出される(S12)。壁温Twallは、上述したように、壁温Twallは、現在の吸気温、排気温、外気温及び車速に応じ、予め制御装置30に記憶されたマップに従って算出される。次に、露点Tbaseが算出される(S14)。露点Tbaseは、上述したように、現在の排気ガス空燃比、吸気湿度、排気圧に応じて、予め制御装置30に記憶されたマップに従って求められる。次に、温度差ΔTが求められる(S16)。温度差ΔTは現在の壁温Twallから露点Tbaseを減じた値である。
次に、水蒸気増加許容量ΔW_canが算出される(S18)。水蒸気増加許容量ΔW_canは、温度差ΔTに応じて、予め制御装置30に記憶されたマップに従って算出される。次に、尿素水許容量Urea_canが求められる(S20)。尿素水許容量Urea_canは、水蒸気増加許容量ΔW_canに応じて、上記式(1)に従って算出される。
次に、実尿素水量Ureaが算出される(S22)。具体的には、実尿素水量Ureaは、ステップS20において算出されたUrea_canと尿素水要求量Urea_wantとのうち小さいほうの値に設定される。なお、尿素水要求量Urea_wantはSCRシステム18上流の第1NOxセンサ16の出力に応じて、別の制御プログラムで算出される値である。その後、このルーチンは一旦終了する。
図5は、本発明の実施の形態1において制御装置30が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図5のルーチンは、尿素水添加の許可/禁止と、センサヒータのON/OFFとを制御するためのルーチンであり、内燃機関2の始動から停止までの間、繰り返し実行される。
図5のルーチンでは、まず壁温Twallと露点Tbaseとがそれぞれ算出される(S102、S104)。算出方法は、上記ステップS12、S14に説明したのと同様である。また、ここでは、例えば図4のルーチンにより現時点で算出されている壁温Twallと露点Tbaseとを読み込む処理を行うものとしてもよい。
次に、求められた壁温Twallが露点Tbase以上か否かが判別される(S106)。ステップS106において、壁温Twall≧露点Tbaseであることが認められない場合、尿素禁止フラグがOFFとされる(S108)。
一方、ステップS106において壁温Twall≧露点Tbaseの成立が認められた場合、次に、現在の水たまり量W1が、ゼロ以下であるか否かが判別される(S110)。水たまり量W1はこのルーチンの後述する処理により算出される値である。ステップS110において、水たまり量W1≦0であることが認められない場合、尿素禁止フラグがONとされる(S112)。ステップS108又はステップS112における尿素禁止フラグのON/OFF制御の後、次に、センサヒータがOFFとされる(S114)。
その後、現在の尿素水由来水発生量W_ureaが算出される(S116)。現在の結露水発生量W_ureaは、上記したように実尿素水量Ureaに応じた水生成量である。次に排水量W_draが算出される(S118)。排水量W_draは現在の吸入空気量に応じ、制御装置30に予め記憶されたマップ等に従って算出される。
次に、現在の水たまり量W1が算出される(S120)。現在の水たまり量W1は、前回の水たまり量の算出値W0と、上記ステップS124で算出された結露水発生量W_urea、ステップS126で算出された排水量W_draとに応じて、制御装置30に記憶された関係式等に従って求められる。その後、今回の処理は終了する。
一方、壁温Twall≧露点Tbaseの成立が認められ、かつ、ステップS110において水たまり量W1≦0の成立が認められると、壁温Twallが露点Tbaseより高くなり、かつ排気通路24内が乾燥状態となったことが認められる。従って、次に、センサヒータがONとされる(S122)。つまり、第2NOxセンサ26とPMセンサ28とのそれぞれのヒータに電力供給され、ヒータによるセンサ26、28の加熱が開始する。
次に、尿素禁止フラグがOFFとされる(S124)。これにより図4のルーチンのステップS12〜S22が実行されて実尿素水量Ureaが算出され、これに応じてNOx触媒22に尿素水が噴射される。これによりSCRシステム18による排気ガス中NOxの浄化が行われる。その後、水たまり量W1とW0とがゼロとされ(S126)、今回の処理は一旦終了する。
以上説明したように、本実施の形態1によれば、SCRシステム18下流において排気通路24に結露水が存在している場合には、センサヒータがOFFとされる。従って、SCRシステム下流の排ガスセンサの被水割れを確実に抑制することができる。またヒータがONとされた後は、SCRシステム18の尿素水の添加量は、SCRシステム18下流に結露水が発生しない量に設定される。従ってセンサヒータがONとされた状態での結露水発生による被水割れを抑制すると共に、継続して排ガスセンサを使用可能とすることができる。
また、本実施の形態1では、壁温Twallが露点Tbaseより高くなった後、排気通路24に溜まった水が除去されるまでの間、尿素水の供給を停止する場合について説明した。これにより尿素水由来水が発生しないため、より早くに排気通路24内に溜まった水を除去し、排気通路24を乾燥状態とすることができる。これにより早い段階でセンサヒータをONとすることが可能となり、SCRシステム18下流の排ガスセンサの使用可能時間を長く確保することができる。
しかし本発明はこれに限られるものではない。例えば壁温Twallが露点Tbaseより高くなった後も、尿素水の添加を継続し、添加された尿素水量に応じて尿素水由来水発生量W_ureaを加えて現在の水発生量を求め、この水たまり量の水が排水された後でセンサヒータをONとする制御を行ってもよい。また、このような制御において尿素水由来水の発生がある程度抑制されるように、尿素水の添加量に上限を設けてもよいし、このような上限を設けず、尿素水要求量に応じた尿素水の量を添加するようにしてもよい。
なお、本実施の形態1では、SCRシステム18の下流に第2NOxセンサ26、PMセンサ28が設置される場合について説明した。しかし、本発明はこの構成に限られるものではなく、例えば、限界電流式や起電力式の空燃比センサ等、他の排ガスセンサが設置されたシステムに適用することができる。SCRシステム18下流に配置される排ガスセンサがセラミック部を有するものである場合、上記のようにヒータのON/OFFと尿素水の添加を制御することで、センサの被水割れを抑制しつつ、センサの使用可能時間をより長期に確保することができる。
また、本発明における壁温Twallの推定手法は、実施の形態1に説明したものに限られるものではない。壁温Twallは、吸気の状態、排気の状態、その他の壁温に影響を与える要因の変化を検出することで、種々の手法により求めることができる。また、排気通路24付近に温度センサを設置するなどして、直接的に壁温を検出するものとしてもよい。
また、本発明における露点Tbaseの推定方法は、実施の形態1に説明したものに限られるものではない。露点Tbaseは、吸気の状態、排気の状態等、尿素水以外に露点に影響を与える要因の変化を検出することで、種々の手法により求められる。
また、水蒸気許容増加量W_canに応じた尿素水許容量Urea_canや、実尿素水量Ureaに応じて発生する尿素水由来水発生量W_ureaの算出手法についても、式(1)に限定されるものではない。尿素水量に対する水の発生量は、尿素水の尿素濃度、尿素水の加水分解効率、NOx触媒におけるNOx浄化率等と相関を有する。従って、これらのうちいずれかのパラメータと尿素水の添加量、水発生量との相関関係に基づいて、水発生量、あるいは尿素水許容量を求めるものとしてもよい。
実施の形態2.
実施の形態2のシステムは、図1のシステムと同一の構成を有している。実施の形態2のシステムは、実施の形態1の制御に代えて、壁温Twallが露点Tbaseより低い間、センサヒータをOFFとすると共に、尿素水添加を禁止し、壁温Twallが露点Tbaseに達した時点で、センサヒータをONとし、尿素水添加を開始する制御を実行する。
図6は本発明の実施の形態2の制御について説明するためのタイミングチャートである。図6の例では(a)に示されるように、時刻t0からt1までの間、排気通路24の壁温Twallが露点よりも低く、時刻t1において壁温Twallが露点Tbaseに達し、その後、壁温Twallが露点Tbaseより高い状態となる。
この例では、図6(b)に示されるように、壁温Twallが露点Tbaseより低温の間、尿素禁止フラグがONとされ、尿素水の添加が禁止される。また、センサヒータもOFFとされる。従って、壁温Twallが露点Tbaseより低温の間に、尿素水由来水が発生しない。そして露点Tbaseは、燃焼由来水Wbaseが気化される温度である。従って壁温Twallが露点Tbaseに達したとき、排気通路24内は乾燥状態になっていると判断できる。
従って、壁温Twallが露点Tbaseに達した時点で、センサヒータをONとする。また、尿素禁止フラグをOFFとして尿素水の添加を許可する。ここで、尿素水の添加量は、実施の形態1と同様であり、許容される尿素水許容量Urea_canに制限される。つまり、尿素水許容量Urea_canと尿素水要求量Urea_wantのいずれか小さいほうに制御される。
図7は、本発明の実施の形態2において制御装置30が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図7のルーチンは、図5のルーチンに替えて実行されるルーチンであり、壁温Twallが露点Tbaseより低温の間、尿素禁止フラグをOFFとするステップS108の処理、水たまり量を判定するステップS110の処理、水たまり量を積算するためのS116〜S120とS126との処理、を有しない点を除いて、図5のルーチンと同じものである。
具体的に図7の処理では、壁温Twall,露点Tbaseが算出され(S202、S204)、ステップS206の処理により壁温Twallが露点Tbase以上であることが認められると、次に、センサヒータがONとされ(S208)、尿素禁止フラグがOFFとされ(S210)、その後今回の処理は終了する。ここで尿素禁止フラグはOFFとされるため、実尿素水量Ureaが、図4のステップS12〜S22の処理に従って算出され、設定された実尿素水量Ureaの尿素水の添加が行われる。
一方、ステップS206の処理により壁温Twallが露点Tbase以上であることが認められない場合には、次に、尿素禁止フラグがONとされ(S212)、センサヒータがOFFとされる(S214)。これにより、壁温Twallが露点Tbaseより低温である間、尿素水の添加が禁止され、かつ、センサヒータによるセンサ素子部の加熱が禁止される。その後、今回の処理は終了する。
以上説明したように、本実施の形態2においては、壁温Twallが露点Tbaseに達するまでの間、センサヒータがOFFとされると共に、尿素水添加が禁止される。従って、壁温Twallが露点Tbaseより低温である間に、尿素水由来水が排気通路24に溜まることがない。従って壁温Twallが露点Tbaseに達した時点で、排気通路24を乾燥状態とすることができ、より早くセンサヒータにより加熱を開始してセンサを活性状態とすることができる。従って、SCRシステム18下流の排ガスセンサの使用可能時間を長く確保することができる。
なお、以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、この実施の形態において説明する構造等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
2 内燃機関
4、10、14、24 排気通路
6 空燃比センサ
8 酸化触媒
12 DPF
16 第1NOxセンサ
18 SCRシステム
20 噴射弁
22 NOx触媒
26 第2NOxセンサ
28 PMセンサ
30 制御装置

Claims (9)

  1. 内燃機関の排気通路に設置され、NOx触媒と前記NOx触媒の上流に尿素水を噴射するための尿素水噴射弁とを有するSCRシステムと、
    前記排気通路の前記NOx触媒より下流に設置され、かつ素子部を加熱するための加熱手段を有し、排気ガス中の特定の成分を検出するための排ガスセンサと、
    前記加熱手段による前記素子部の加熱状態を制御する加熱制御手段と、
    前記尿素水噴射弁からの尿素水の噴射を制御する噴射制御手段と、
    を備える内燃機関の制御装置であって、
    前記加熱制御手段は、
    前記NOx触媒より下流の前記排気通路内に水が結露している状態が予想される場合に、前記加熱手段による前記素子部の加熱をしない状態に制御し、
    前記噴射制御手段は、
    前記加熱手段により前記素子部が加熱されている間、前記尿素水噴射弁から供給される尿素水の量を、前記内燃機関に吸入される吸入空気の状態と、前記内燃機関から排出される排気ガスとの状態と、前記尿素水の状態と、に応じて、前記NOx触媒下流の前記排気通路内に水を結露させない範囲に制御する、
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記噴射制御手段は、前記加熱手段により素子部が加熱されている間、
    前記NOx触媒の下流の前記排気通路の壁温と、尿素水を噴射しない場合に前記排気通路で水が結露する温度である露点とに応じて、前記NOx触媒下流の前記排気通路に水を結露させずに増加できる水蒸気の上限量である許容水蒸気増加量を求め、
    供給された前記尿素水により発生する水の量が、前記許容水蒸気増加量より少なくなるように、前記尿素水の供給量を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記噴射制御手段は、
    尿素水の尿素濃度、尿素水の加水分解効率、及び前記NOx触媒におけるNOx浄化率のうち、少なくとも1のパラメータを用いて、前記許容水蒸気増加量に応じた量の水蒸気を発生させる、尿素水許容量を求め、
    前記尿素水許容量を越えない範囲に、前記尿素水の供給量を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記加熱制御手段は、
    前記NOx触媒の下流の前記排気通路の壁温が、尿素水を噴射しない場合に前記排気通路で水が結露する温度である露点より低い状態から、前記壁温が前記露点より高い状態になった後、かつ、前記NOx触媒下流の前記排気通路内に滞留した結露水が除去された後に、前記加熱手段により前記素子部を加熱する状態に制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記加熱制御手段は、
    前記素子部の加熱をしない状態に制御している期間中に供給された前記尿素水に起因して生成された水の量が、該期間に排気ガスにより排水され又は蒸発したことにより、前記排気通路から除去された水の量よりも少なくなったときに、前記加熱手段により前記素子部を加熱する状態に制御することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記噴射制御手段は、
    前記壁温が、前記露点より低い場合に、前記NOx触媒におけるNOxの分解に必要とされる量の尿素水を供給し、
    前記壁温が、前記露点より低い状態から、前記壁温が前記露点より高い状態になった後、前記NOx触媒下流の前記排気通路内に結露水が滞留した状態が予想される間、前記尿素水を供給しない状態に制御することを特徴とする請求項4又は5に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記加熱制御手段は、
    前記NOx触媒の下流の前記排気通路の壁温が、尿素水を噴射しない場合に前記排気通路で水が結露する温度である露点より低い場合に、前記加熱手段による前記素子部の加熱をしない状態とし、
    前記噴射制御手段は、
    前記壁温が前記露点より低い場合に、前記尿素水を供給しない状態に制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記噴射制御手段は、前記尿素水の供給量を、前記NOx触媒におけるNOxの分解に必要とされる尿素水の量と、前記尿素水許容量とのうち、少ない方に設定することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記壁温は、前記吸入空気の温度又は前記排気ガスの温度又は前記内燃機関が搭載された車両の速度又は外気温に応じて推定され、
    前記露点は、前記吸入空気の湿度又は前記排気ガスの圧力又は前記排気ガスの空燃比に応じて推定されることを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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