JP2018080657A - 内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】NOx吸着機能を有するNOx触媒装置と尿素選択還元型触媒装置の組み合わせにおいて、NOx触媒装置のNOx再生時においてもNOx触媒装置から流出してくるNOxを尿素選択還元型触媒装置で十分に還元できて、NOxの大気中への流出量を低減できる、内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法を提供する。【解決手段】内燃機関の排気通路に上流側からNOx吸着機能を有するNOx触媒装置と尿素水噴射弁と尿素選択還元型触媒装置を備えた内燃機関で、NOx触媒装置に吸着するNOxの吸着量を算出し、この算出量が第1閾値以上になったらリッチ空燃比制御を行うと共に、このリッチ空燃比制御を行う前において、リッチ空燃比制御を行った際にNOx触媒装置から尿素選択還元型触媒装置に流出するNOxを還元するのに必要な量の尿素水を尿素水噴射弁から噴射する事前尿素水噴射制御を行う。【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関から排出されるNOxを低減する内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法に関する。
ディーゼルエンジンや希薄燃焼ガソリンエンジン等の内燃機関においては、排気ガス中のNOxの低減が、市街地走行から高速走行低速の広い走行状態範囲で求められている。従来のNOx低減技術としてはLNT(リーンNOxトラップ触媒)や尿素選択還元型触媒(尿素SCR触媒)が用いられているが、単独では広い温度範囲をカバーできないため、低温域用のLNTと高温域用の尿素選択還元型触媒を組み合わせることが行われるようになってきている。
これに関連して、内燃機関の排気通路に上流側からLNT、尿素水の添加弁、SCR触媒を設けて、LNTのNOxパージ時にLNTに入る排気ガスの温度が第1閾値未満では、リッチ燃焼でNOxパージをし、第1閾値以上ではLNTを昇温して尿素添加を行ってLNTの昇温によりLNTから脱離したNOxをSCR触媒で還元浄化する内燃機関の排気浄化装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、NOx吸蔵還元型触媒などのLNTで吸着したNOxは、NOx吸蔵量が一杯になったら、リッチ空燃比下で、NOxを放出させて還元する必要があるが、この際にLNTでは還元しきれずにNOxがLNTから流出(スリップ)してくる。このNOxを下流の尿素選択還元型触媒で還元するために、LNTの下流にNOxセンサを設置して、スリップしてくるNOx量を検知して、これに見合う尿素水の量を添加弁から噴射することが考えられる。しかしながら、実際には尿素からアンモニアを生成させるためにはある程度の時間が必要となるため、LNTから流出してくるNOxの量を還元するために必要なアンモニアの量が生成される前に、NOxが尿素選択還元型触媒に到達してしまい、NOxの一部が還元されないまま尿素選択還元型触媒を通過してしまうことを防止できない。
本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、その目的は、LNT等のNOx吸着機能を有するNOx触媒装置と尿素選択還元型触媒装置の組み合わせによる排気ガス浄化システムにおいて、NOx触媒装置のNOx再生時においてもNOx触媒装置から流出してくるNOxを尿素選択還元型触媒装置で十分に還元できて、NOxの大気中への流出量を低減できる、内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法を提供することである。
上記の目的を達成するための本発明の内燃機関の排気ガス浄化システムは、内燃機関の排気通路に上流側からNOx吸着機能を有するNOx触媒装置と尿素水噴射弁と尿素選択還元型触媒装置を備えると共に、尿素水噴射弁から噴射する尿素水の噴射量を制御する制御装置を備えた内燃機関の排気ガス浄化システムにおいて、前記制御装置が、前記NOx触媒装置におけるNOxの吸着量であるNOx吸着算出量を算出し、このNOx吸着算出量が予め設定された第1閾値以上になった第1時点から排気ガスをリッチ空燃比にして前記NOx触媒装置からNOxを放出させるリッチ空燃比制御を行うと共に、このリッチ空燃比制御を行う前において、前記NOx吸着算出量が前記第1閾値より小さく、かつ、予め設定された第2閾値以上になった第2時点で、前記リッチ空燃比制御を行った際に前記NOx触媒装置から前記尿素選択還元型触媒装置に流出するNOxの量を還元するのに必要なアンモニアの量を発生する尿素水の量である噴射尿素水量を算出し、この噴射尿素水量の尿素水を前記尿素水噴射弁から噴射する事前尿素水噴射制御を行うように構成される。
また、上記の目的を達成するための本発明の内燃機関の排気ガス浄化方法は、内燃機関の排気通路に上流側からNOx吸着機能を有するNOx触媒装置と尿素水噴射弁と尿素選択還元型触媒装置を備えると共に、尿素水噴射弁から噴射する尿素水の噴射量を制御する内燃機関の排気ガス浄化方法において、前記NOx触媒装置におけるNOxの吸着量であるNOx吸着算出量を算出し、このNOx吸着算出量が予め設定された第1閾値以上になった第1時点から排気ガスをリッチ空燃比にして前記NOx触媒装置からNOxを放出させるリッチ空燃比制御を行うと共に、このリッチ空燃比制御を行う前において、前記NOx吸着算出量が前記第1閾値より小さく、かつ、予め設定された第2閾値以上になった第2時点で、前記リッチ空燃比制御を行った際に前記NOx触媒装置から前記尿素選択還元型触媒装置に流出するNOxの量を還元するのに必要なアンモニアの量を発生する尿素水の量である噴射尿素水量を算出し、この噴射尿素水量の尿素水を前記尿素水噴射弁から噴射する事前尿素水噴射制御を行う方法である。
本発明の内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法によれば、LNT等のNOx吸着機能を有するNOx触媒装置に吸着したNOxの再生処理となるリッチ空燃比制御を行う直前に、リッチ空燃比制御でNOx触媒装置からの流出するNOxの量に対応するアンモニアの量を予め尿素選択還元型触媒装置に吸着させておき、リッチ空燃比制御によりNOx触媒装置から流出してくるNOxを、この予め尿素選択還元型触媒装置に吸着しておいたアンモニアで還元する。これにより、リッチ空燃比制御を行う際にNOx触媒装置から流出してくるNOxを下流側の尿素選択還元型触媒装置で十分に還元でき、大気中へのNOx流出を防止できる。
そのため、LNT等のNOx吸着機能を有するNOx触媒装置と尿素選択還元型触媒装置の組み合わせにおいても、このNOx触媒装置で吸着したNOxがリッチ空燃比制御で一時的にまとまった量で流出しても下流側の尿素選択還元型触媒装置で十分に還元できて、NOxの大気中への流出を防止できる。従って、LNT等のNOx吸着機能を有するNOx触媒装置と尿素選択還元型触媒装置の組み合わせることができ、市街地走行から高速走行までの幅広い走行範囲でNOxの低減が可能となる。
以下、本発明に係る実施の形態の排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本発明の実施の形態の内燃機関の排気ガス浄化システム1は、エンジン本体(内燃機関本体)10から排出される排気ガスGが通過する排気通路11に上流側からNOx吸着機能を有するNOx触媒装置21と尿素水噴射弁22と尿素水ミキサー23と尿素選択還元型触媒装置(尿素SCR触媒)24を備えると共に、尿素水噴射弁22から噴射する尿素水Uの噴射量U1を制御する制御装置30を備えて構成される。なお、通常は、排気ガスG中の排気微粒子(PM)を捕集するフィルタが設けられるが、本発明では直接関係しないので、省略している。このフィルタの位置は本発明では特に限定されない。
このNOx吸着機能を有するNOx触媒装置21としては、NOx吸蔵還元型触媒などのLNT(リーンNOxトラップ触媒)がある。このNOx吸蔵還元型触媒は、触媒担体上に白金等の貴金属触媒とバリウム等のアルカリ土類金属等で形成されるNOx吸蔵材を担持した成型体などから構成されている。そして、排ガス中のNOxをリーン状態のときに、NOx吸蔵材に一旦吸蔵させ、NOxの吸蔵量が飽和する前に排気ガスをリッチ空燃比状態にすることで、NOx吸蔵材に吸蔵されたNOxを放出させて、貴金属触媒の三元機能により還元するものである。
また、尿素水噴射弁22は、尿素水タンク22aから尿素水供給配管22b経由で供給される尿素水Uを尿素選択還元型触媒装置24に供給するための噴射装置であり、制御装置30により、尿素水Uの噴射の有無及びその噴射量U1を調整制御される。
また、尿素水ミキサー23は、排気通路11内に噴射された尿素水Uを排気ガスGに混合させて蒸発及び加水分解を促進させて尿素水Uのアンモニアへの加水分解を効率化するする機能を持つものであり、排気通路11内に設けたフィンや金網などの排気ガスGの乱流を促進する部材で構成される。
尿素選択還元型触媒装置24は、アンモニアを還元剤として、排気ガスG中のNOxと反応させて窒素と水にする選択還元型触媒を担持して構成される。この選択還元型触媒としては、鉄イオン交換アルミノシリケートや銅イオン交換アルミノシリケートなどのゼオライト触媒などがあり、アンモニアを吸着して、この吸着したアンモニアでNOxを還元浄化する機能を有している。この尿素選択還元型触媒装置24を使用することで、アンモニアを直接使用するのではなく、尿素水を排気ガスGの中に噴射して、尿素水Uから加水分解により発生するアンモニアとNOxを反応させることでNOxを無害化する。
また、NOx触媒装置21に流入する排気ガスGの温度Tg1を検出するための第1排気ガス温度センサ31がNOx触媒装置21の上流側に、尿素選択還元型触媒装置24に流入する排気ガスGの温度Tg2を検出するための第2排気ガス温度センサ32が尿素選択還元型触媒装置24の上流側に設けられる。さらに、NOx触媒装置21に流入する排気ガスGのNOx濃度を検出するための第1NOx濃度センサ33がNOx触媒装置21の上流側に、NOx触媒装置21から流出する排気ガスGのNOx濃度を検出するための第2NOx濃度センサ34がNOx触媒装置21の下流側で、かつ、尿素選択還元型触媒装置24の上流側に、さらに、尿素選択還元型触媒装置24から流出する排気ガスGのNOx濃度を検出するための第3NOx濃度センサ35が尿素選択還元型触媒装置24の下流側に、それぞれ設けられる。
また、制御装置30が設けられ、各種センサ31〜35の検出値を入力して、尿素水噴射弁22に制御指令を出力して、尿素水噴射弁22から噴射する尿素水Uの噴射量U1を調整制御する。この制御装置30は、通常は、内燃機関の運転全般を制御するECU(エンジンコントロールユニット)と呼ばれるエンジン制御装置で構成されるが、このエンジン制御装置とは別体で形成して、このエンジン制御との間で連携を取りながら制御する構成にしてもよい。
これらの構成により、内燃機関の排気ガス浄化システム1は、内燃機関の排気通路11に上流側からNOx吸着機能を有するNOx触媒装置21と尿素水噴射弁22と尿素選択還元型触媒装置24を備えると共に、尿素水噴射弁22から噴射する尿素水Uの噴射量を制御する制御装置30を備えた構成となる。
そして、制御装置30は、図2及び図3に示すような、次の制御を実施するように構成される。つまり、この制御装置30は、NOx触媒装置21におけるNOxの吸着量であるNOx吸着算出量Ncを算出し、このNOx吸着算出量Ncが予め設定された第1閾値Nj1以上になった第1時点t1から排気ガスGをリッチ空燃比にしてNOx触媒装置21からNOxを放出させるリッチ空燃比制御(NOx再生制御)を時点t1から予め設定又は算出される時間Δtrを経過する時点t1eまでの間行うように構成される。
このNOx吸着算出量Ncは、単位時間(Δtt)当たり排気ガス量Wgと第1NOx濃度センサ33で得られる第1NOx濃度Cn1とから、NOx触媒装置21に流入するNOx量Ninを算出する。また、排気ガス量Wgと第2NOx濃度センサで得られる第2NOx濃度Cn2とからNOx触媒装置21から流出するNOx量Noutを算出する。この流入するNOx量Ninから流出するNOx量Noutを引き算して、単位時間当たりのNOx吸着算出量ΔNcを推定する。つまり、「ΔNc=Nin−Nout=Wg×(Cn1−Cn2)」とする。このNOx吸着算出量ΔNcを単位時間当たり毎に求めて積算していくことで、制御時点でのNOx吸着算出量Ncを算出する。つまり、NOx吸着算出量Ncの初期値をNc0とすると、「Nc=Nc0+Σ(ΔNc×Δtt)」となる。
なお、このNOx吸着算出量Ncを算出する際に、NOx触媒装置21に流入するNOx量Ninを、エンジン運転状態を示すエンジン回転数NとトルクQ(又は燃料噴射量q)ベースにしたマップデータMnを実験データなどを基に予め作成しておき、制御時におけるエンジン回転数NとトルクQ(又は燃料噴射量q)を入力してこのマップデータMnを参照することにより、NOx触媒装置21に流入するNOx量Ninを算出してもよい。この構成とすると、第1NOx濃度センサ33は不要となる。
それと共に、制御装置30は、このリッチ空燃比制御を行う前において、NOx吸着算出量Ncが第1閾値Nj1より小さく、かつ、予め設定された第2閾値Nj2以上になった第2時点t2で、リッチ空燃比制御を行った際にNOx触媒装置21から尿素選択還元型触媒装置24に流出するNOxを還元するのに必要なアンモニアの量Naを発生する尿素水Uの量である噴射尿素水量U1を算出し、この噴射尿素水量U1の尿素水Uを尿素水噴射弁22から噴射する事前尿素水噴射制御を時点t2から予め設定又は算出される時間Δtuを経過する時点t2eまでの間行うように構成される。
この第2閾値Nj2は、第2時点t2で排気ガスG中へ噴射された尿素水Uがアンモニアに転換するために必要な時間Δtaを、第2時点t2から第1時点t1までの間の期間Δt21(=t1−t2)で得られるように設定されている。つまり、「Δta≦Δt21」とする。なお、この期間Δt21としては、例えば、数秒〜十数秒程度の時間に設定される。
また、制御装置30は、第2時点t2から第1時点t1までの期間Δt21の間にNOx触媒装置21に吸着されるNOxの量であるNOx吸着推定量Neを推定して、このNOx吸着推定量Neを基に噴射尿素水量U1を補正することが好ましい。これにより、リッチ空燃比制御で放出されるNOx量の推定精度をより高めることができ、NOxをより確実に還元できる量の尿素水Uの噴射尿素水量U1をより精度よく算出できるようになる。
この補正は、例えば、第2時点t2の直前のΔtpの間におけるNOx吸着算出量Ncの増分ΔNcpを用いて、単位時間当たりのNOx吸着算出量(ΔNcp/Δta)に期間Δt21を乗じて、NOx吸着推定量Neを算出する。つまり、「Ne=ΔNcp×(Δt21/Δta)」とする。そして、このNOx吸着推定量Neを、第2時点t2におけるNOx吸着算出量Ncに加えることで補正して、NOx吸着算出量Ncと置き換えて当たらに第1時点t1におけるNOx吸着算出量Ncとする。つまり、「Nc=Nc+Ne=Nc+ΔNcp×(Δt21/Δta)」とする。
さらに、制御装置30は、NOx吸着算出量NcのNOxを還元するのに必要なアンモニアの量Naを算出し、このアンモニアの量Naを発生するのに必要な尿素水Uの量Uaを算出し、この尿素水Uの量Uaを補正係数Kuで補正して、供給用の尿素量である噴射尿素水量U1とする。つまり、「U1=Ne×Ku」とする。
この補正係数Kuは、予め実験等によって得られるデータから、幾つかのパラメータ、例えば、NOx触媒装置21に流入する排気ガスGの温度Tg1と、NOx触媒装置21における空間速度Vと、リッチ空燃比制御におけるリッチ度合いRとから算出する。これらのパラメータをベースにした補正用の補正係数KuのマップデータMuを作成して、制御時に、推定されたNOx吸着算出量Ncとこれらのパラメータのデータである排気ガスGの温度Tg1、空間速度V、リッチ度合いRを入力して、このマップデータMuを参照することで補正係数Kuを求める。
このNOx触媒装置21に流入する排気ガスGの温度Tg1は、第1排気ガス温度センサ31で検出される。また、NOx触媒装置21における空間速度Vは、NOx触媒装置21を通過する排気ガス流量Vg(m3/hr)をNOx触媒装置21の触媒容積V(m3)で割った値であり、吸入空気量センサ(MAFセンサ)で検出される吸入空気量と燃料噴射量qとから排気ガス量Wg(kg/hr)が算出され、さらに、排気ガスGの温度Tg1から排気ガス流量Vg(m3/hr)が算出される。また、リッチ度合いRは、NOx触媒装置21を通過する排気ガスの空気過剰率λから算出される。
また、制御装置30は、リッチ空燃比運転制御を、NOx触媒装置21に流入する排気ガスGの温度Tg1が予め設定されたリッチ空燃比用温度範囲Rt1以外では禁止する制御をすることが、リッチ空燃比運転制御によるNOx放出効果を効率よくするためにはより好ましい。また、事前尿素水噴射制御を、尿素選択還元型触媒装置24に流入する排気ガスGの温度Tg2が予め設定した吸着用温度範囲Rt2以外では禁止する制御をすることが、尿素選択還元型触媒装置24におけるアンモニア吸着効果を効率よくするためにはより好ましい。
なお、リッチ空燃比用温度範囲Rt1はNOx触媒装置21に担持される触媒によっても異なるが、例えば、150℃〜250℃程度の間の温度以上であり、これ以下の温度ではリッチ空燃比運転制御を実施しても、NOx触媒装置21の温度Tc1が低くてNOxの放出が不十分となる。また、吸着用温度範囲Rt2は尿素選択還元型触媒装置24に担持される触媒によっても異なるが、例えば、200℃程度以上であり、これ以下の温度では事前尿素水噴射制御を実施しても、尿素選択還元型触媒装置24の温度Tc2が低くてアンモニアの吸着が不十分となる。
そして、本発明の実施の形態の内燃機関の排気ガス浄化方法は、内燃機関の排気通路11に上流側からNOx吸着機能を有するNOx触媒装置21と尿素水噴射弁22と尿素選択還元型触媒装置24を備えると共に、尿素水噴射弁22から噴射する尿素水Uの噴射量U1を制御する内燃機関の排気ガス浄化方法であり、次のような方法である。
つまり、NOx触媒装置21におけるNOxの吸着量であるNOx吸着算出量Ncを算出し、このNOx吸着算出量Ncが予め設定された第1閾値Nj1以上になった第1時点t1から排気ガスGをリッチ空燃比にしてNOx触媒装置21からNOxを放出させるリッチ空燃比制御を行うと共に、このリッチ空燃比制御を行う前において、NOx吸着算出量Ncが第1閾値Nj1より小さく、かつ、予め設定された第2閾値Nj2以上になった第2時点t2で、リッチ空燃比制御を行った際にNOx触媒装置21から尿素選択還元型触媒装置24に流出するNOxを還元するのに必要なアンモニアの量Naを発生する尿素水Uの量Naである噴射尿素水量U1を算出し、この噴射尿素水量U1の尿素水Uを尿素水噴射弁22から噴射する事前尿素水噴射制御を行う方法である。
この上記の制御は、図3に示すような一例の制御フローで実施することができる。この図3の制御フローは内燃機関が運転を開始すると、上級の制御フローから呼ばれて、他の排気ガス浄化システム1の運転制御フローと並行して実施され、内燃機関の運転が終了する際には、割り込みが生じて、上級の制御フローに戻って、この上級の制御フローと共に終了するものとして示してある。
この図3の制御フローがスタートすると、ステップS11で、NOx吸着算出量Ncを算出する。次に、ステップS12で、このNOx吸着算出量Ncが第2閾値Nj2以上であるか否かを判定する。ステップS12で、NOx吸着算出量Ncが第2閾値Nj2未満である場合(NO)には、ステップS21で予め設定した待ち時間Δtccの間待ってからステップS11に戻る。
ステップS12で、NOx吸着算出量Ncが第2閾値Nj2以上である場合(YES)にはステップS13に行き、尿素選択還元型触媒装置24に流入する排気ガスGの温度Tg2が予め設定した吸着用温度範囲Rt2内にあるか否かを判定する。このステップS13で温度Tg2が吸着用温度範囲Rt2内にない場合は(NO)、ステップS22で、周知のシリンダ内燃料噴射や排気管内燃料噴射等の排気ガス昇温制御を予め設定した時間の間実施してからステップS11に戻る。
このステップS13で温度Tg2が予め設定した吸着用温度範囲Rt2内にある場合は(YES)、ステップS14に行き、この時点でのNOx吸着算出量Ncから噴射尿素水量U1を算出して、この噴射尿素水量U1の尿素水Uを噴射する事前尿素水噴射制御を予め設定した時間Δtuの間実施する。この事前尿素水噴射制御の終了時刻が時点t2eとなる。
このステップS14の次のステップS15では、時点t2からの経過時間txが予め設定又は算出される時間Δt21になるまで待機する。この待機後はステップS16に行き、NOx触媒装置21に流入する排気ガスGの温度Tg1が予め設定したリッチ空燃比用温度範囲Rt1内にあるか否かを判定する。このステップS16で温度Tg1がリッチ空燃比用温度範囲Rt1内にない場合は(NO)、ステップS23で、周知のシリンダ内燃料噴射や排気管内燃料噴射等の排気ガス温度昇温制御を予め設定した時間の間実施してからステップS16に戻る。
このステップS16で温度Tg1がリッチ空燃比用温度範囲Rt1内にある場合は(YES)、ステップS17で、リッチ空燃比制御を予め設定した時間Δtrの間実施してからステップS18に行く。ステップS18では、リッチ空燃比制御でNOx触媒装置21から放出されたNOxの量を算出して、NOx吸着算出量Ncをリセットし、NOx吸着算出量Ncを初期値Nc0にする。その後ステップS11に戻る。
そして、内燃機関の運転が終了されると、割り込みによりリターンして上級の制御フローに戻り、この上級の制御フローと共に終了する。
なお、上記では、リッチ空燃比制御を行う前では、尿素選択還元型触媒装置24ではNOxを浄化していない、つまり、尿素選択還元型触媒装置24ではNOxを浄化するための尿素水Uの量をゼロにしているとして説明している。
しかし、リッチ空燃比制御を行う前においても、尿素選択還元型触媒装置24でNOxを浄化している、つまり、尿素選択還元型触媒装置24でNOxを浄化するための尿素水Uの量Uxがゼロでない場合もあるが、その場合には、この尿素水Uの量Uxに、リッチ空燃比制御に関係する事前尿素水噴射制御における噴射尿素水量U1が加わることになる。
この実施の形態の内燃機関の排気ガス浄化システム1及び内燃機関の排気ガス浄化方法によれば、LNT等のNOx吸着機能を有するNOx触媒装置21に吸着したNOxの再生処理となるリッチ空燃比制御を行う直前に、リッチ空燃比制御でNOx触媒装置21からの流出するNOxの量に対応するアンモニアの量を予め尿素選択還元型触媒装置24に吸着させておき、リッチ空燃比制御によりNOx触媒装置21から流出してくるNOxを予め尿素選択還元型触媒装置24に吸着しておいたアンモニアで還元するので、リッチ空燃比制御を行う際にNOx触媒装置21から流出してくるNOxを下流側の尿素選択還元型触媒装置24で十分に還元でき、大気中へのNOx流出を防止できる。
そのため、LNT等のNOx吸着機能を有するNOx触媒装置21と尿素選択還元型触媒装置24の組み合わせにおいても、このNOx触媒装置21で吸着したNOxがリッチ空燃比制御で一時的にまとまった量で流出しても下流側の尿素選択還元型触媒装置24で十分に還元できて、NOxの大気中への流出を防止できる。これにより、市街地走行から高速走行までの幅広い走行範囲でNOxの低減が可能となる。
1 内燃機関の排気ガス浄化システム
10 エンジン本体
11 排気通路
21 NOx触媒装置
22 尿素水噴射弁
23 尿素水ミキサー
24 尿素選択還元型触媒装置
30 制御装置
31 第1排気ガス温度センサ
32 第2排気ガス温度センサ
33 第1NOx濃度センサ
34 第2NOx濃度センサ
35 第3NOx濃度センサ
G 排気ガス
U 尿素水
t1 第1時点
t2 第2時点
10 エンジン本体
11 排気通路
21 NOx触媒装置
22 尿素水噴射弁
23 尿素水ミキサー
24 尿素選択還元型触媒装置
30 制御装置
31 第1排気ガス温度センサ
32 第2排気ガス温度センサ
33 第1NOx濃度センサ
34 第2NOx濃度センサ
35 第3NOx濃度センサ
G 排気ガス
U 尿素水
t1 第1時点
t2 第2時点
Claims (7)
- 内燃機関の排気通路に上流側からNOx吸着機能を有するNOx触媒装置と尿素水噴射弁と尿素選択還元型触媒装置を備えると共に、尿素水噴射弁から噴射する尿素水の噴射量を制御する制御装置を備えた内燃機関の排気ガス浄化システムにおいて、
前記制御装置が、
前記NOx触媒装置におけるNOxの吸着量であるNOx吸着算出量を算出し、このNOx吸着算出量が予め設定された第1閾値以上になった第1時点から排気ガスをリッチ空燃比にして前記NOx触媒装置からNOxを放出させるリッチ空燃比制御を行うと共に、
このリッチ空燃比制御を行う前において、前記NOx吸着算出量が前記第1閾値より小さく、かつ、予め設定された第2閾値以上になった第2時点で、前記リッチ空燃比制御を行った際に前記NOx触媒装置から前記尿素選択還元型触媒装置に流出するNOxを還元するのに必要なアンモニアの量を発生する尿素水の量である噴射尿素水量を算出し、この噴射尿素水量の尿素水を前記尿素水噴射弁から噴射する事前尿素水噴射制御を行うことを特徴とする内燃機関の排気ガス浄化システム。 - 前記第2閾値が、前記第2時点で排気ガス中へ噴射された尿素水がアンモニアに転換するために必要な時間を、前記第2時点から前記第1時点までの間の期間で得られるように、設定されている請求項1に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
- 前記制御装置が、前記第1時点から前記第2時点までの間の期間に前記NOx触媒装置に吸着されるNOxの量であるNOx吸着推定量を推定して、このNOx吸着推定量を基に前記噴射尿素水量を補正することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
- 前記制御装置が、前記NOx吸着算出量のNOxを還元するのに必要なアンモニア量を算出し、このアンモニア量を発生するのに必要な尿素水量を算出し、この尿素水量を補正係数で補正して、前記噴射尿素水量とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
- 前記補正係数を前記NOx触媒装置に流入する排気ガスの温度と、前記NOx触媒装置における空間速度と、リッチ空燃比制御におけるリッチ度合いとから算出することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
- 前記リッチ空燃比運転制御を、前記NOx触媒装置に流入する排気ガスの温度が予め設定されたリッチ空燃比用温度範囲以外では禁止する制御、又は、前記事前尿素水噴射制御を、前記尿素選択還元型触媒装置に流入する排気ガスの温度が予め設定した吸着用温度範囲以外では禁止する制御の少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
- 内燃機関の排気通路に上流側からNOx吸着機能を有するNOx触媒装置と尿素水噴射弁と尿素選択還元型触媒装置を備えると共に、尿素水噴射弁から噴射する尿素水の噴射量を制御する内燃機関の排気ガス浄化方法において、
前記NOx触媒装置におけるNOxの吸着量であるNOx吸着算出量を算出し、このNOx吸着算出量が予め設定された第1閾値以上になった第1時点から排気ガスをリッチ空燃比にして前記NOx触媒装置からNOxを放出させるリッチ空燃比制御を行うと共に、
このリッチ空燃比制御を行う前において、前記NOx吸着算出量が前記第1閾値より小さく、かつ、予め設定された第2閾値以上になった第2時点で、前記リッチ空燃比制御を行った際に前記NOx触媒装置から前記尿素選択還元型触媒装置に流出するNOxを還元するのに必要なアンモニアの量を発生する尿素水の量である噴射尿素水量を算出し、この噴射尿素水量の尿素水を前記尿素水噴射弁から噴射する事前尿素水噴射制御を行うことを特徴とする内燃機関の排気ガス浄化方法。
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JP2016224184A JP2018080657A (ja) | 2016-11-17 | 2016-11-17 | 内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法 |
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JP2020033984A (ja) * | 2018-08-31 | 2020-03-05 | いすゞ自動車株式会社 | 内燃機関の排気浄化装置、及び車両 |
CN114592947A (zh) * | 2020-12-02 | 2022-06-07 | 沃尔沃卡车集团 | 用于内燃机的尿素喷射控制系统 |
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