JP2014090027A - 回路基板、回路基板の製造方法、電子装置及びガラスクロス - Google Patents

回路基板、回路基板の製造方法、電子装置及びガラスクロス Download PDF

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Abstract

【課題】優れた信号伝播特性を有する、ガラスクロスを用いた回路基板を、コストを抑えて提供する。
【解決手段】回路基板1は、樹脂層20と、樹脂層20内に設けられたガラスクロス10と、樹脂層20内にガラスクロス10に沿って設けられた配線30とを含む。ガラスクロス10は、開繊されたガラス繊維糸11aと、そのガラス繊維糸11aよりも低誘電率のガラス繊維糸11bとが、交差して織られた構造を有する。このようなガラスクロス10により、ガラスクロス10が配線30を伝播する信号に及ぼす影響が抑えられる回路基板1を、コストを抑えて実現する。
【選択図】図5

Description

本発明は、回路基板、回路基板の製造方法、電子装置及びガラスクロスに関する。
電子部品が実装されるマザーボード等の回路基板や、半導体素子(半導体チップ)が実装されるパッケージ基板等の回路基板の絶縁層に、プリプレグを用いる技術が知られている。プリプレグは、縦糸(経糸)と横糸(緯糸)になるガラス繊維糸を平織等して作製されたガラスクロスに樹脂を含浸したコンポジット材料である。
ガラスクロスとしては、縦糸と横糸に同種のガラス繊維糸を用いたもののほか、異種のガラス繊維糸を用いたもの、例えば、縦糸にEガラス繊維糸、横糸にSガラス繊維糸を用いたもの等が知られている。ガラスクロスとしてはこのほか、縦糸と横糸に、熱膨張係数が異なるガラス繊維で作製したヤーンを用いたものや、縦糸と横糸に、含浸する樹脂に近い誘電率のガラス繊維糸を用いたもの等も知られている。また、開繊された繊維糸(開繊糸)を用いる技術も知られている。
ガラスクロスを用いたプリプレグに関しては、例えば、ガラスクロスを積層する際、隣接するガラスクロスのガラス繊維糸の方向を所定角度にする技術が知られている。このほか、一方向に配向されたガラス繊維を含むプリプレグを、繊維方向を直交させ且つコア層の上下に対称的に積層する技術等も知られている。
特開平07−273414号公報 特開2009−79311号公報 特開2008−171834号公報 国際公開第2008/056500号パンフレット
アイ・イー・イー・イー・2008・エレクトロニック・コンポーネンツ・アンド・テクノロジー・コンフェレンス(IEEE 2008 Electronic Components and Technology Conference)、2008年、pp.513〜520
ガラスクロスに樹脂を含浸したプリプレグを用いた回路基板では、その内部にガラスクロスに沿って設けられる配線が、ガラス繊維糸との距離が異なる場所を通ったり、ガラス繊維糸の疎密が異なる場所を通ったりする。
ガラスクロスの縦糸と横糸の双方のガラス繊維糸に、比較的誘電率の高いものを使用すると、配線を伝播する信号の伝播特性に影響が及ぶ場合がある。縦糸と横糸の双方のガラス繊維糸に、より低誘電率のガラス繊維糸を使用すると、ガラスクロス及びそれを用いたプリプレグ、更にはそのプリプレグを用いた回路基板のコストが増加してしまう場合がある。
本発明の一観点によれば、樹脂層と、前記樹脂層内に設けられたガラスクロスと、前記樹脂層内に前記ガラスクロスに沿って設けられた配線とを含み、前記ガラスクロスは、開繊され第1誘電率を有する第1ガラス繊維糸と、前記第1誘電率よりも低い第2誘電率を有する第2ガラス繊維糸とを含み、前記第1ガラス繊維糸と前記第2ガラス繊維糸とが交差して織られている回路基板が提供される。
また、本発明の一観点によれば、上記のような回路基板の製造方法、上記のような回路基板を用いた電子装置が提供される。また、上記のような回路基板に採用し得るガラスクロスが提供される。
開示の技術によれば、ガラスクロスが配線を伝播する信号に及ぼす影響が効果的に抑えられる回路基板を、コストを抑えて実現することが可能になる。また、そのような回路基板を用いた電子装置、回路基板に用いるガラスクロスを、コストを抑えて実現することが可能になる。
回路基板の一例を示す図である。 ガラスクロスの一例を示す図である。 第1構成例のガラスクロスを示す図である。 第2構成例のガラスクロスを示す図である。 ガラスクロスを用いた回路基板の一例を示す図である。 回路基板に用いるガラスクロスの一例を示す図(その1)である。 回路基板に用いるガラスクロスの一例を示す図(その2)である。 回路基板内でのガラスクロスの配置の一例を示す図である。 回路基板内でのガラスクロスの配置の別例を示す図である。 シミュレーション用の回路基板モデルを示す図である。 回路基板モデルのシミュレーション結果の一例を示す図である。 ガラスクロスの製織装置の一例を示す図である。 回路基板の形成フローの一例を示す図である。 ガラスクロスを用いたプリプレグの形成工程の説明図である。 プリプレグを用いた回路基板の形成工程の説明図である。 電子装置の一例を示す図である。
まず、回路基板の一例として、信号伝送に差動伝送方式を採用する回路基板について説明する。
LSI(Large Scale Integration)等の素子を含む電子部品の高速化、高性能化に伴い、電子部品間の信号伝送に用いられる回路基板には、高速信号伝送に対応する性能が要求される。高速信号伝送では、例えば、差動伝送方式が用いられる。差動伝送方式は、2本の配線(信号線)を用いて1つの信号を伝送する方式であり、正と負の逆位相の信号を2本の信号線にそれぞれ入力し、その電位差を利用して信号を伝送する。そのため、ノイズに強く、信号の高速伝送が可能である。但し、このような差動伝送において、2本の信号線で配線長や材質によって信号速度の違いが生じると、伝播遅延時間差であるスキュー(Skew)が発生し、信号品質が低下する。
ところで、回路基板では、その機械的強度を高める観点から、ガラスクロスに樹脂を含浸したコンポジット材料(プリプレグと称される)を絶縁層に用いる技術がある。
ここで、図1は回路基板の一例を示す図、図2はガラスクロスの一例を示す図である。尚、図1には、回路基板の一例の要部断面を模式的に図示し、図2には、ガラスクロスの一例の要部平面を模式的に図示している。また、図2には、ガラスクロスと回路基板の配線との配置関係の一例を併せて図示している。
図1に示す回路基板100のガラスクロス110は、図1及び図2に示すように、複数本(例えば数十本)のガラス繊維を束ねたガラス繊維糸111を、縦糸(経糸)111aと横糸(緯糸)111bにして、縦横に交互に交差させた平織の構造とされる。ガラス繊維糸111には、例えば、Eガラス、Tガラス等のガラス繊維が用いられる。尚、図1では便宜上、縦糸111aと横糸111bを非接触の状態で図示しているが、縦糸111aと横糸111bは接触していてもよい。
上記のような構造を有するガラスクロス110に樹脂120aを含浸したプリプレグが、少なくとも一方の表面に配線130が形成されて積層される。それにより、図1に示すような、絶縁層となる樹脂層120内にガラスクロス110及び配線130を含む構造体を備えた回路基板100が形成される。樹脂層120には、例えば、エポキシ樹脂が用いられる。また、配線130として、図1及び図2には、前述の差動伝送で用いられるような、並設された2本の信号線131及び信号線132を例示している。信号線131及び信号線132には、例えば、銅(Cu)が用いられる。
回路基板100内の1枚のガラスクロス110には、図1及び図2に示すように、縦糸111aと横糸111bの交差部分、縦糸111aの部分、横糸111bの部分、縦糸111aと横糸111bに囲まれた空隙部分が存在する。即ち、ガラスクロス110には、ガラス繊維糸111の量(厚み)や疎密に面内分布がある。
回路基板100において、信号線131及び信号線132は、ガラス繊維糸111の厚みや疎密に面内分布のあるガラスクロス110に沿って、樹脂層120内に設けられる。信号線131及び信号線132は、ガラス繊維糸111との距離が異なる場所を通ったり、ガラス繊維糸111の密度が異なる場所を通ったりする。図1及び図2の例の場合、一方の信号線131は、縦糸111aと横糸111bの交差部分の近傍、及び縦糸111aの部分の近傍を通る。もう一方の信号線132は、横糸111bの部分の近傍、及び縦糸111aと横糸111bに囲まれた空隙部分の近傍を通る。
この時、信号線131及び信号線132がそれぞれガラス繊維糸111の厚み、疎密の異なる場所を通ることで、信号線131と信号線132を伝播する信号間にスキューが発生し得る。即ち、信号線131の周囲及び信号線132の周囲のガラスクロス110及び樹脂層120の配置により、信号線131及び信号線132に対する周囲の誘電率の影響が大きく異なってくる。その結果、信号線131及び信号線132をそれぞれ伝播する信号の遅延の状況が異なってきて、信号線131と信号線132を伝播する信号間にスキューが発生する可能性がでてくる。
そこで、まず、上記のような回路基板の絶縁層(樹脂層120)内に設けるガラスクロスとして、次の図3及び図4に示すような構成のガラスクロスについて述べる。
図3は第1構成例のガラスクロスを示す図である。尚、図3には、第1構成例のガラスクロスの要部平面を模式的に図示している。
図3に示すガラスクロス140は、複数本のガラス繊維を束ねたガラス繊維糸141を、縦糸141aと横糸141bにして、縦横に交互に交差させた平織の構造を有している。ガラス繊維糸141には、例えば、Eガラス、Tガラス等のガラス繊維が用いられる。ガラスクロス140では、その縦糸141aとして、開繊されたガラス繊維糸141が用いられ、その横糸141bとして、開繊されていない(非開繊の)ガラス繊維糸141が用いられている。
このように縦糸141aが開繊されて薄くなることで、図1及び図2のように非開繊のガラス繊維糸111を用いた場合に比べ、縦糸141aに沿って配置される信号線131に対する、縦糸141aの誘電率の影響が低減される。但し、その信号線131が通る縦糸141aと横糸141bの交差部分の近傍では、横糸141bが非開繊のため、交差していない縦糸141aの部分の近傍に比べ、信号線131に対するガラスクロス140の誘電率の影響は大きい。
また、回路基板内には、縦糸141aの延在方向に延びる信号線131及び信号線132のほか、配線130として、図3に点線で示すような、横糸141bの延在方向に延びる信号線131A及び信号線132Aが設けられる場合もある。図3の例では、一方の信号線131Aが、開繊の縦糸111aと非開繊の横糸111bの交差部分の近傍、及び非開繊の横糸111bの部分の近傍を通る。もう一方の信号線132Aは、開繊の縦糸111aの部分の近傍、及び開繊の縦糸111aと非開繊の横糸111bに囲まれた空隙部分の近傍を通る。このような場合、エポキシ樹脂等の樹脂層120内にガラスクロス140、信号線131A及び信号線132Aが設けられる回路基板では、信号線131A及び信号線132Aに対する周囲の誘電率の影響が大きく異なる。そのため、信号線131Aと信号線132Aを伝播する信号間にスキューが発生する可能性がある。
また、このように開繊の縦糸141aと非開繊の横糸141bを織った場合、非開繊の横糸141bには、非開繊のガラス繊維糸同士を織った場合に比べ、その長さ方向にかかる張力が大きくなる傾向がある。更に、非開繊の横糸141bは、縦糸141aと織られた時に、ガラス繊維の束が糸の中心部の方に集まる傾向がある。その結果、非開繊の横糸141bは、平面視で細く、断面視で厚くなるような形状となる場合がある。このような形状となった横糸141bに沿って配置される信号線131Aには、その横糸141bの誘電率の影響がより大きくなり、信号線131Aと信号線132Aを伝播する信号間にスキューが発生する可能性が高くなる恐れがある。
図4は第2構成例のガラスクロスを示す図である。尚、図4には、第2構成例のガラスクロスの要部平面を模式的に図示している。
図4に示すガラスクロス150は、複数本のガラス繊維を束ねたガラス繊維糸151を、縦糸151aと横糸151bにして、縦横に交互に交差させた平織の構造を有している。この図4に示すガラスクロス150では、その縦糸151aと横糸151bのいずれにも、上記のガラス繊維糸111及びガラス繊維糸141のガラス繊維よりも樹脂層120の誘電率に近い、低誘電率のガラス繊維を束ねたガラス繊維糸151が用いられている。即ち、上記のガラス繊維糸111及びガラス繊維糸141のガラス繊維よりも低誘電率のガラス繊維を束ねたガラス繊維糸151が、ガラスクロス150の縦糸151aと横糸151bの双方に用いられている。ガラス繊維糸151には、例えば、Dガラス等のガラス繊維が用いられる。
このような低誘電率のガラス繊維糸151が用いられることで、図4に実線で示す信号線131及び信号線132に対する周囲の誘電率の影響、その影響の違いが比較的小さくなり、信号線131と信号線132を伝播する信号間のスキューが低減されるようになる。また、図4に点線で示す信号線131A及び信号線132Aについても、信号線131A及び信号線132Aに対する周囲の誘電率の影響、その影響の違いが比較的小さくなり、信号線131Aと信号線132Aを伝播する信号間のスキューが低減されるようになる。
但し、このように樹脂層120の誘電率に近付けた低誘電率のガラス繊維糸151は、より高誘電率のガラス繊維糸111やガラス繊維糸141に比べて高価となり得る。そのため、このような低誘電率のガラス繊維糸151を、縦糸151aと横糸151bの双方に用いたガラスクロス150のコストが増加する場合がある。その場合、ガラスクロス150を用いた回路基板、更にはその回路基板を用いた電子装置のコストの増加を招いてしまうことが起こり得る。
また、回路基板において、ガラスクロスの縦糸及び横糸を信号線に対して斜めに交差させる技術がある。しかし、そのようなガラスクロスを含むプリプレグを得るために、予めガラスクロスを、その縦糸及び横糸が、配置される信号線に対して斜めになるように織ることは、必ずしも容易でない。信号線に対して縦糸及び横糸が斜めになるガラスクロスを含むプリプレグを得るためには、例えば、通常の製織法で織られたガラスクロス、或いはそのガラスクロスに樹脂を含浸したシートを、回路基板に使用するプリプレグのサイズで、斜めにカットすればよい。しかし、この場合、カットすることを想定してシートを予め長めに作製しておくことを要したり、カット後に残るシート部分が無駄になったりするため、ガラスクロス及びプリプレグ、更に回路基板のコストが増加する恐れがある。
以上のような点に鑑み、ここでは回路基板に用いるガラスクロスとして、次の図5〜図7に示すようなガラスクロスを用いる。
図5はガラスクロスを用いた回路基板の一例を示す図、図6及び図7は回路基板に用いるガラスクロスの一例を示す図である。尚、図5には、回路基板の一例の要部断面を模式的に図示している。図6には、ガラスクロスの一例の要部平面を模式的に図示している。図7(A)は図6のL1−L1断面模式図、図7(B)は図6のL2−L2断面模式図である。また、図6及び図7には、ガラスクロスと回路基板の配線との配置関係の一例を併せて図示している。
図5に示す回路基板1のガラスクロス10は、図5〜図7に示すように、複数本のガラス繊維を束ねたガラス繊維糸11である2種類のガラス繊維糸11a及びガラス繊維糸11bを、それぞれ縦糸と横糸にして、縦横に交互に交差させた平織の構造を有している。尚、図5及び図7では便宜上、ガラス繊維糸11aとガラス繊維糸11bを非接触の状態で図示しているが、ガラス繊維糸11aとガラス繊維糸11bは接触していてもよい。
ガラスクロス10では、ガラス繊維糸11aに、開繊されたガラス繊維糸が用いられ、ガラス繊維糸11aに交差するガラス繊維糸11bに、開繊されていない非開繊のガラス繊維糸が用いられている。また、ガラス繊維糸11bには、ガラス繊維糸11aのガラス繊維よりも樹脂層120の誘電率に近い、低誘電率のガラス繊維が用いられている。即ち、ガラス繊維糸11aのガラス繊維よりも低誘電率のガラス繊維を束ねたガラス繊維糸が、ガラス繊維糸11aと交差するガラス繊維糸11bとして用いられている。ガラス繊維糸11aには、例えば、Eガラス、Tガラス等のガラス繊維が用いられ、ガラス繊維糸11bには、例えば、Dガラス等のガラス繊維が用いられる。
このようなガラスクロス10に樹脂20aを含浸したプリプレグが、少なくとも一方の表面に配線30が形成されて積層され、図5に示すような、絶縁層となる樹脂層20内にガラスクロス10及び配線30を含む構造体を備えた回路基板1が形成される。樹脂層20には、例えば、エポキシ樹脂が用いられる。配線30として、図5〜図7には、差動伝送で用いられるような、並設された2本の信号線31及び信号線32を例示している。信号線31及び信号線32には、例えば、銅が用いられる。
1枚のガラスクロス10には、図5〜図7に示すように、ガラス繊維糸11aとガラス繊維糸11bの交差部分、ガラス繊維糸11aの部分、ガラス繊維糸11bの部分、ガラス繊維糸11aとガラス繊維糸11bに囲まれた空隙部分が存在する。即ち、ガラスクロス10には、ガラス繊維糸11の厚みや疎密に面内分布がある。
回路基板1において、信号線31及び信号線32は、ガラス繊維糸11の厚みや疎密に面内分布のあるガラスクロス10に沿って、樹脂層120内に設けられる。信号線31及び信号線32は、ガラス繊維糸11との距離が異なる場所を通ったり、ガラス繊維糸11の密度が異なる場所を通ったりする。図5〜図7の例の場合、一方の信号線31は、ガラス繊維糸11aとガラス繊維糸11bの交差部分の近傍、及びガラス繊維糸11aの部分の近傍を通る。もう一方の信号線32は、ガラス繊維糸11bの部分の近傍、及びガラス繊維糸11aとガラス繊維糸11bに囲まれた空隙部分の近傍を通る。
ガラスクロス10では、ガラス繊維糸11aが開繊されていることで、図1及び図2のように非開繊のガラス繊維糸111を用いた場合に比べ、ガラス繊維糸11aに沿って配置される信号線31に対する、ガラス繊維糸11aの誘電率の影響が低減される。更に、ガラスクロス10では、開繊されたガラス繊維糸11aと交差するガラス繊維糸11bに低誘電率のガラス繊維糸11が用いられていることで、信号線31に対する、ガラス繊維糸11aとガラス繊維糸11bの交差部分の誘電率の影響が低減される。この結果、信号線131に対するガラスクロス10の誘電率の影響が小さく抑えられるようになる。
もう一方の信号線32は、ガラス繊維糸11bの部分の近傍、及びガラス繊維糸11aとガラス繊維糸11bに囲まれた空隙部分の近傍を通るが、ガラスクロス10では、ガラス繊維糸11bに、低誘電率のガラス繊維糸11が用いられている。そのため、信号線132に対するガラスクロス10の誘電率の影響も小さく抑えられるようになる。
ガラスクロス10では、上記のようなガラス繊維糸11a及びガラス繊維糸11bを用いることで、信号線31及び信号線32に対する周囲の誘電率の影響、その影響の違いが抑えられ、信号線31と信号線32を伝播する信号間のスキューが低減されるようになる。
また、ガラスクロス10では、配線30として配置される、図6に点線で示すような信号線31A及び信号線32Aについても、それらの周囲の誘電率の影響、その影響の違いが抑えられる。図6の例では、一方の信号線31Aが、開繊されたガラス繊維糸11aと低誘電率のガラス繊維糸11bの交差部分の近傍、及び低誘電率のガラス繊維糸11bの部分の近傍を通る。もう一方の信号線32Aは、開繊されたガラス繊維糸11aの部分の近傍、及び開繊されたガラス繊維糸11aと低誘電率のガラス繊維糸11aに囲まれた空隙部分の近傍を通る。ガラス繊維糸11aが開繊され、ガラス繊維糸11bが低誘電率とされていることで、信号線31A及び信号線32Aに対する周囲の誘電率の影響、その影響の違いが抑えられる。そのため、このような配置の信号線31A及び信号線32Aについても、それらを伝播する信号間のスキューが低減されるようになる。
尚、このような配置の信号線31及び信号線32、或いは信号線31A及び信号線32Aに限らず、ガラス繊維糸11a或いはガラス繊維糸11bの延在方向に対して斜め方向に延びる信号線についても、上記同様の効果を得ることが可能である。
ガラスクロス10では、開繊されたガラス繊維糸11aと低誘電率のガラス繊維糸11bを用いることで、各信号線(上記の信号線31,32,31A,32A等)に対するガラスクロス10の誘電率の影響が低減される。そのため、各信号線を伝播する信号の波形ひずみや波形ばらつきの改善、遅延の抑制を図ることが可能になる。
以上述べたように、回路基板1に用いるガラスクロス10では、誘電率の異なる2種類のガラス繊維糸11が用いられる。即ち、一方は、開繊されたガラス繊維11aであり、もう一方は、より低誘電率のガラス繊維11bである。これにより、回路基板1内でガラスクロス10に沿って延びる信号線を伝播する信号の遅延、2本の信号線を伝播する信号間の遅延差を効果的に抑えることができる。
更に、このガラスクロス10では、その縦糸と横糸の双方に低誘電率のガラス繊維を用いる場合に比べ、一方(開繊のガラス繊維糸11a)にはより高誘電率の比較的低価なガラス繊維を用いることができる。そのため、より低コストでガラスクロス10及びそれを用いた回路基板1を実現することができる。
また、回路基板1に設ける信号線に対してガラス繊維糸11a及びガラス繊維11bが斜めになるようなガラスクロス10を織ったり、斜めになるようにガラスクロス10をカットしたプリプレグを作製したりすることを要しない。そのため、コストを抑えたガラスクロス10及びそれを用いた回路基板1を実現することができる。
上記のようなガラスクロス10は、1枚の回路基板1内に1枚設けることができるほか、1枚の回路基板1内に複数枚設けることができる。1枚の回路基板1内に複数枚のガラスクロス10を設ける場合には、対向する(隣接する)ガラスクロス10同士を、次の図8或いは図9に示すような配置とすることができる。
図8は回路基板内でのガラスクロスの配置の一例を示す図である。尚、図8(A)は対向するガラスクロスの一例の要部平面模式図、図8(B)は対向するガラスクロスの一例の要部断面模式図である。
回路基板1において、樹脂層20内に2枚のガラスクロス10を対向させて配置する場合には、例えば、この図8に示すように、互いの開繊されたガラス繊維糸11a(或いは互いの低誘電率のガラス繊維糸11b)の延在方向が直交するように、配置する。このような配置の回路基板1は、樹脂層20内にガラスクロス10を設けた2枚のプリプレグを、例えば表面に配線30を形成した後、互いの開繊されたガラス繊維糸11aの延在方向が直交するように積層し、一体化することで、得ることができる。
樹脂層20内の隣接する2枚のガラスクロス10をこのように配置することで、誘電率の分布を平均化することができる。その結果、信号線31及び信号線32を伝播する信号の遅延、信号線31と信号線32を伝播する信号間のスキューを効果的に抑えることができるようになる。
また、図9は回路基板内でのガラスクロスの配置の別例を示す図である。尚、図9(A)は対向するガラスクロスの別例の要部平面模式図、図9(B)は対向するガラスクロスの別例の要部断面模式図である。
回路基板1において、樹脂層20内に2枚のガラスクロス10を対向させて配置する場合には、例えば、この図9に示すように、互いの開繊されたガラス繊維糸11a(或いは互いの低誘電率のガラス繊維糸11b)の延在方向が同一方向となるように、配置する。この場合、互いのガラス繊維糸11a同士(或いは互いのガラス繊維糸11b同士)の位置をずらすようにしてもよい。このような配置の回路基板1は、樹脂層20内にガラスクロス10を設けた2枚のプリプレグを、例えば表面に配線30を形成した後、互いの開繊されたガラス繊維糸11aの延在方向が同一方向となるように積層し、一体化することで、得ることができる。
樹脂層20内の隣接する2枚のガラスクロス10をこのように配置しても、誘電率の分布を平均化し、信号線31及び信号線32を伝播する信号の遅延、信号線31と信号線32を伝播する信号間のスキューを効果的に抑えることができる。
尚、図8及び図9には、2枚のガラスクロス10を例示したが、回路基板1内には3枚以上のガラスクロス10が含まれていてもよい。回路基板1内に含まれる複数枚のガラスクロス10のうち、隣接する2枚のガラスクロス10について、図8及び図9のような配置を適用することができる。
また、隣接する2枚のガラスクロス10は、互いの開繊されたガラス繊維糸11aの延在方向が直交するような配置、或いは同一方向となるような配置に限らず、略直交するような配置、或いは略同一方向となるような配置であってもよい。このような配置であっても、上記同様、誘電率の分布を平均化し、信号線31及び信号線32を伝播する信号の遅延を抑えることが可能である。
尚、図8(B)及び図9(B)では便宜上、ガラス繊維糸11aとガラス繊維糸11bを非接触の状態で図示しているが、ガラス繊維糸11aとガラス繊維糸11bは接触していてもよい。
続いて、上記のようなガラスクロスを含む回路基板のシミュレーションについて述べる。
図10はシミュレーション用の回路基板モデルを示す図である。
図10(A)には、開繊されていない、比較的高誘電率の同種のガラス繊維糸を用いたガラスクロス210が4枚、樹脂層520内に配置された回路基板モデル200を示している。この回路基板モデル200において、ガラスクロス210の厚い部分210aは、縦横に織られるガラス繊維糸の交差部分を表している。また、この回路基板モデル200において、樹脂層520内には、2枚のガラスクロス210に挟まれて信号線531及び信号線532が配置されており、樹脂層520の外側には、一対のグランド(GND)パターン540が配置されている。
この図10(A)に示す回路基板モデル200は、上記図1及び図2に示したガラスクロス110を含む回路基板100に対応するモデルである。回路基板モデル200において、一方の信号線531は、縦横のガラス繊維糸が交差する厚い部分210aの直下にあり、もう一方の信号線532は、縦横のガラス繊維糸が交差していない部分(縦糸又は横糸単体)の直下にある。この場合、信号線531には、厚い部分210aで重なり合った比較的高誘電率のガラス繊維糸の影響が及ぶ一方、信号線532へのガラス繊維糸の影響は、信号線531への影響に比べて小さくなる。そのため、信号線531と信号線532に及ぶ誘電率の影響の違いが比較的大きく、双方を伝播する信号間にスキューが生じ得る。
図10(B)には、開繊された、より高誘電率のガラス繊維糸と、開繊されていない、より低誘電率のガラス繊維糸を用いたガラスクロス310が4枚、同種のガラス繊維糸の方向が揃うように樹脂層520内に配置された回路基板モデル300Aを示している。この回路基板モデル300Aにおいて、ガラスクロス310の厚い部分310aは、縦横に織られるガラス繊維糸の交差部分を表している。即ち、この回路基板モデル300Aの場合、ガラスクロス310の厚い部分310aは、開繊のガラス繊維糸(高誘電率)と非開繊のガラス繊維糸(低誘電率)の交差部分を表している。樹脂層520内には、2枚のガラスクロス310に挟まれて信号線531及び信号線532が配置されており、樹脂層520の外側には、一対のGNDパターン540が配置されている。
この図10(B)に示す回路基板モデル300Aは、上記図5及び図6に示したガラスクロス10を、上記図9に示したように配置した回路基板1に対応するモデルである。回路基板モデル300Aにおいて、一方の信号線531は、縦横のガラス繊維糸が交差する厚い部分310aの直下にあるが、この厚い部分310aは、高誘電率の開繊されたガラス繊維糸と、開繊されていない低誘電率のガラス繊維糸とが重なる部分である。また、もう一方の信号線532は、高誘電率の開繊されたガラス繊維糸の直下にある。そのため、信号線531と信号線532に及ぶ誘電率の影響の違いは比較的小さく、双方を伝播する信号間のスキューを抑えることができる。
図10(C)には、開繊された、より高誘電率のガラス繊維糸と、開繊されていない、より低誘電率のガラス繊維糸を用いたガラスクロス310が4枚、同種のガラス繊維糸の方向が直交するように樹脂層520内に配置された回路基板モデル300Bを示している。この回路基板モデル300Bにおいて、ガラスクロス310の厚い部分310aは、縦横に織られるガラス繊維糸の交差部分を表している。即ち、開繊のガラス繊維糸(高誘電率)と非開繊のガラス繊維糸(低誘電率)の交差部分を表している。尚、4枚のガラスクロス310のうち、図中、上から1枚目と3枚目のガラスクロス310は、非開繊のガラス繊維に沿った断面を表し、開繊されたガラス繊維糸との交差部分を含め、一定の厚みで表している。また、樹脂層520内には、2枚のガラスクロス310に挟まれて信号線531及び信号線532が配置されており、樹脂層520の外側には、一対のGNDパターン540が配置されている。
この図10(C)に示す回路基板モデル300Bは、上記図5及び図6に示したガラスクロス10を、上記図8に示したように配置した回路基板1に対応するモデルである。回路基板モデル300Bでは、信号線531及び信号線532の上側、下側の各一対のガラスクロス310が、同種のガラス繊維糸の延在方向が直交するように配置されることで、信号線531及び信号線532の上側、下側の誘電率分布が平均化される。これにより、上記の回路基板モデル300Aと同様、信号線531と信号線532に及ぶ誘電率の影響の違いを比較的小さくし、双方を伝播する信号間のスキューを効果的に抑えることができる。
図11は回路基板モデルのシミュレーション結果の一例を示す図である。
図11には、図10(A)〜(C)に示した回路基板モデル200、回路基板モデル300A及び回路基板モデル300Bの、信号の周波数(GHz)に対するスキュー(ps/20cm)のシミュレーション結果の一例を示している。図11中、“a”は図10(A)の回路基板モデル200のシミュレーション結果、“b”は図10(B)の回路基板モデル300Aのシミュレーション結果、“c”は図10(C)の回路基板モデル300Bのシミュレーション結果を表している。
図11に示すように、図10(A)に示した回路基板モデル200(“a”)に比べ、図10(B)に示した回路基板モデル300A(“b”)、及び図10(C)に示した回路基板モデル300B(“c”)では、いずれもスキューが改善される。回路基板モデル300A及び回路基板モデル300Bのような構造を有する回路基板1は、高速信号伝送に好適であると言うことができる。
次に、上記のようなガラスクロス、及びガラスクロスを用いた回路基板の形成方法について説明する。
図12はガラスクロスの製織装置の一例を示す図である。
図12に示す製織装置600は、縦糸のガラス繊維糸が巻かれたローラ610、横糸のガラス繊維糸が巻かれたローラ620、綜絖630、筬640、カッタ650、及び織られたガラスクロス10を巻き取るローラ660を備えている。
このような製織装置600において、例えば、上記の開繊されたガラス繊維糸11aを縦糸とし、上記の低誘電率のガラス繊維糸11bを横糸として、ガラスクロス10を形成することができる。その場合、まず、縦糸のガラス繊維糸11aを綜絖630及び筬640に通し、綜絖630で縦糸のガラス繊維糸11aを開いた所へ横糸のガラス繊維糸11bを通し、筬640で縦糸のガラス繊維糸11aに横糸のガラス繊維糸11bを織り込む。綜絖630で開いた縦糸のガラス繊維糸11aの所に通す横糸のガラス繊維糸11bは、例えば、1回通す度にカッタ650で切断する。このような動作を繰り返し、ガラス繊維糸11aとガラス繊維糸11bが交差するように織られたガラスクロス10が形成される。織られたガラスクロス10は、ローラ660に巻き取られる。
尚、製織装置600では、縦糸と横糸を入れ替え、上記の低誘電率のガラス繊維糸11bを縦糸とし、上記の開繊されたガラス繊維糸11aを横糸として、ガラスクロス10を形成することもできる。
例えば上記のようにして織られたガラスクロス10を用いてプリプレグが形成され、形成されたプリプレグを用いて回路基板1が形成される。
図13は回路基板の形成フローの一例を示す図である。図14はガラスクロスを用いたプリプレグの形成工程の説明図、図15はプリプレグを用いた回路基板の形成工程の説明図である。以下、図13〜図15を参照し、回路基板1の形成フローを順に説明する。
はじめに、ガラスクロス10を用いてプリプレグを形成する(図13;ステップS1〜S4)。
まず、図14に示すように、上記のようにして織られたガラスクロス10のロール660aを準備する(図13;ステップS1)。そして、図14に示すように、そのロール660aから繰り出されるガラスクロス10を、エポキシ樹脂等の所定の樹脂20aが入れられた槽710内を通過させ、ガラスクロス10に樹脂20aを含浸する(図13;ステップS2)。
このように槽710内を通過して樹脂20aが含浸されたガラスクロス10を、図14に示すように、ヒータ等の乾燥装置720に送り、乾燥装置720を通過させることで乾燥する(図13;ステップS3)。
樹脂20aが含浸され、乾燥されたガラスクロス10を、図14に示すように、カッタ730を用いて所定のサイズでカットし、プリプレグ1aを得る(図13;ステップS4)。
続いて、形成したプリプレグ1aを用いて回路基板1を形成する(図13;ステップS4〜S10)。
例えば、まず図15(A)に示すように、2枚のプリプレグ1a及び2枚の銅箔30aを準備し、プリプレグ1aを銅箔30aで被覆する(図13;ステップS5)。そして、図15(B)に示すように、2枚のプリプレグ1aを2枚の銅箔30aで挟むように積層し、プレスすることで、両面銅張積層板1bを形成する(図13;ステップS6)。
次いで、図15(C)に示すように、両面銅張積層板1b上にフォトリソグラフィ技術を用いてレジストパターン740を形成する(図13;ステップS7)。そのレジストパターン740をマスクにして、両面銅張積層板1bの銅箔30aをエッチングすることで、図15(D)に示すように、プリプレグ1aの積層体の表裏面に所定のパターンの配線30を形成した構造体を得る(図13;ステップS8)。エッチング後、図15(E)に示すように、レジストパターン740は除去する。
ここでは2枚のプリプレグ1aを2枚の銅箔30aで挟んで積層して両面銅張積層板1bを形成し、その表裏面に配線30を形成する場合を例示した。このほか、1枚又は3枚以上のプリプレグ1aを2枚の銅箔30aで挟んで積層したものを両面銅張積層板1bとし、その表裏面に図15(C)〜(E)と同様にして配線30を形成した構造体を得ることもできる(図13;ステップS7,S8)。
このようにして複数枚のプリプレグ1aの積層体又は1枚のプリプレグ1aの表裏面に配線30を形成した構造体を、形成する回路基板1に必要な層数分作製し(図13;ステップS4〜S8)、それらを図15(F)に示すように積層する(図13;ステップS9)。これにより、表裏面及び内部に配線30を有する回路基板1を得る(図13;ステップS10)。
尚、図15(A),(B)に示したようなプリプレグ1a同士の積層時、図15(F)に示したような構造体同士の積層時には、積層するもの同士の間にエポキシ樹脂等の樹脂20aを介在させたうえで、それらを積層するようにしてもよい。
また、図15(E)に示した構造体の形成後や、図15(F)に示した回路基板1の形成後に、異なる層の配線30同士を接続するビアを形成するようにしてもよい。
以上のような方法により、表裏面及び内部に配線30を有し、開繊されたガラス繊維糸11aと低誘電率のガラス繊維糸11bが交差するように織られたガラスクロス10を樹脂20a(樹脂層20)内に含むガラスクロス10を用いた回路基板1が形成される。
以上述べたような回路基板1に電子部品を実装し、電子装置が得られる。
図16は電子装置の一例を示す図である。
図16に示す電子装置800は、回路基板1と、その回路基板1に実装された各種電子部品を含む。図16には、電子部品として、半導体パッケージ810、コンデンサ820、挿入部品830、及びコネクタ840を例示している。尚、回路基板1に実装される電子部品の種類は、勿論、ここに示したものには限定されない。回路基板1には、実装される電子部品に応じたパターンの配線30(電極パッド、ランドを含む)、ビア33等が形成されている。
半導体パッケージ810は、パッケージ基板811上に実装されたLSI等の半導体チップ812、及び半導体チップ812を樹脂等で封止する封止部813を有している。半導体パッケージ810は、パッケージ基板811の、半導体チップ812の実装面と反対の面側に設けられた半田等のバンプ814を用いて、回路基板1に実装されている。コンデンサ820は、その電極部821が、半田等の導電部材822を用いて、回路基板1に実装されている。挿入部品830は、そのピン部831が、回路基板1に形成されたビア33に挿通され、半田等の導電部材832を用いて、回路基板1に実装されている。コネクタ840は、その電極部841を介して回路基板1に実装されている。
このように回路基板1に、半導体パッケージ810、コンデンサ820、挿入部品830、及びコネクタ840が実装され、電子装置800が形成されている。
尚、半導体パッケージ810のパッケージ基板811に、上記のような構成を有する回路基板1を用いることもできる。
回路基板1には、開繊されたガラス繊維糸11aと低誘電率のガラス繊維糸11bが交差するように織られたガラスクロス10を樹脂20a(樹脂層20)内に含むガラスクロス10が用いられている。このようなガラスクロス10が用いられることで、優れた機械的強度を有する回路基板1が実現される。また、このガラスクロス10の縦糸と横糸には、開繊されたガラス繊維糸11aと低誘電率のガラス繊維糸11bが用いられるため、低誘電率のガラス繊維糸11bを縦糸と横糸の双方に用いた場合よりも、低コストの回路基板1が実現される。更に、ガラスクロス10は、開繊されたガラス繊維糸11aと低誘電率のガラス繊維糸11bが用いられるため、配線30に差動伝送用の信号線31及び信号線32が形成されている場合でも、それらを伝播する信号の遅延、信号間のスキューが効果的に抑制される。
上記のような回路基板1を用いることで、高品質、高性能の電子装置800を低コストで実現することが可能になる。
尚、以上の説明では、開繊されたガラス繊維糸11aと、低誘電率のガラス繊維糸11bの、2種類のガラス繊維糸11を用いたガラスクロス10を例示したが、3種類以上のガラス繊維糸を用いてガラスクロスを形成することも可能である。例えば、開繊のガラス繊維糸11aと、更に別のガラス繊維糸を縦糸に用い、低誘電率のガラス繊維糸11bを横糸に用いて、ガラスクロスを形成することができる。或いは、開繊のガラス繊維糸11aを縦糸に用い、低誘電率のガラス繊維糸11bと、更に別のガラス繊維糸を横糸に用いて、ガラスクロスを形成することもできる。
また、以上の説明では、開繊されたガラス繊維糸11aと、低誘電率のガラス繊維糸11bとを用いたガラスクロス10を例示した。ガラスクロスの低誘電率化のためには、開繊されたガラス繊維糸11aに低誘電率のガラス繊維糸を用いたり、開繊されたガラス繊維糸11aと交差させるガラス繊維糸11bに開繊されたガラス繊維糸を用いたりすることも可能である。
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 樹脂層と、
前記樹脂層内に設けられた第1ガラスクロスと、
前記樹脂層内に前記第1ガラスクロスに沿って設けられた配線と
を含み、
前記第1ガラスクロスは、開繊され第1誘電率を有する第1ガラス繊維糸と、前記第1誘電率よりも低い第2誘電率を有する第2ガラス繊維糸とを含み、前記第1ガラス繊維糸と前記第2ガラス繊維糸とが交差して織られていることを特徴とする回路基板。
(付記2) 前記樹脂層内に前記第1ガラスクロスと対向して設けられた第2ガラスクロスを更に含み、
前記第2ガラスクロスは、開繊され前記第1誘電率を有する第3ガラス繊維糸と、前記第2誘電率を有する第4ガラス繊維糸とを含み、前記第3ガラス繊維糸と前記第4ガラス繊維糸とが交差して織られていることを特徴とする付記1に記載の回路基板。
(付記3) 前記第2ガラスクロスは、前記第3ガラス繊維糸の延在方向が前記第1ガラス繊維糸の延在方向と直交する向きで設けられることを特徴とする付記2に記載の回路基板。
(付記4) 前記配線は、第1信号線と、前記第1信号線に並設された第2信号線とを含むことを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の回路基板。
(付記5) 開繊され第1誘電率を有する第1ガラス繊維糸と、前記第1誘電率よりも低い第2誘電率を有する第2ガラス繊維糸とを含み、前記第1ガラス繊維糸と前記第2ガラス繊維糸とが交差して織られた第1ガラスクロスを準備する工程と、
前記第1ガラスクロスに第1樹脂を含浸して第1基材を形成する工程と、
前記第1基材上に配線を形成する工程と、
前記配線が形成された前記第1基材上に、第2樹脂を含む第2基材を設ける工程と
を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
(付記6) 前記第2基材は、開繊され前記第1誘電率を有する第3ガラス繊維糸と、前記第2誘電率を有する第4ガラス繊維糸とが交差して織られた第2ガラスクロスを含み、前記第2ガラスクロスに前記第2樹脂が含浸され、
前記第2基材を設ける工程では、前記第2基材を、前記配線が形成された前記第1基材上に、前記第2ガラスクロスが前記第1ガラスクロスに対向するように設けることを特徴とする付記5に記載の回路基板の製造方法。
(付記7) 前記第2基材を設ける工程では、前記第2基材を、前記第3ガラス繊維糸の延在方向が前記第1ガラス繊維糸の延在方向と直交する向きで設けることを特徴とする付記6に記載の回路基板の製造方法。
(付記8) 回路基板と、
前記回路基板に搭載された電子部品と
を含み、
前記回路基板は、
樹脂層と、
前記樹脂層内に設けられた第1ガラスクロスと、
前記樹脂層内に前記第1ガラスクロスに沿って設けられた配線と
を含み、
前記第1ガラスクロスは、開繊され第1誘電率を有する第1ガラス繊維糸と、前記第1誘電率よりも低い第2誘電率を有する第2ガラス繊維糸とを含み、前記第1ガラス繊維糸と前記第2ガラス繊維糸とが交差して織られていることを特徴とする電子装置。
(付記9) 前記樹脂層内に前記第1ガラスクロスと対向して設けられた第2ガラスクロスを更に含み、
前記第2ガラスクロスは、開繊され前記第1誘電率を有する第3ガラス繊維糸と、前記第2誘電率を有する第4ガラス繊維糸とを含み、前記第3ガラス繊維糸と前記第4ガラス繊維糸とが交差して織られていることを特徴とする付記8に記載の電子装置。
(付記10) 前記第2ガラスクロスは、前記第3ガラス繊維糸の延在方向が前記第1ガラス繊維糸の延在方向と直交する向きで設けられることを特徴とする付記9に記載の電子装置。
(付記11) 開繊され第1誘電率を有する第1ガラス繊維糸と、前記第1誘電率と異なる第2誘電率を有する第2ガラス繊維糸とを含み、前記第1ガラス繊維糸と前記第2ガラス繊維糸とが交差して織られていることを特徴とするガラスクロス。
1,100 回路基板
1a プリプレグ
1b 両面銅張積層板
10,110,140,150,210,310 ガラスクロス
11,11a,11b,111,141,151 ガラス繊維糸
20,120,520 樹脂層
20a,120a 樹脂
30,130 配線
30a 銅箔
31,32,31A,32A,131,132,131A,132A,531,532 信号線
33 ビア
111a,141a,151a 縦糸
111b,141b,151b 横糸
200,300A,300B 回路基板モデル
210a,310a 厚い部分
540 GNDパターン
600 製織装置
610,620,660 ローラ
630 綜絖
640 筬
650,730 カッタ
660a ロール
710 槽
720 乾燥装置
740 レジストパターン
800 電子装置
810 半導体パッケージ
811 パッケージ基板
812 半導体チップ
813 封止部
814 バンプ
820 コンデンサ
821,841 電極部
822,832 導電部材
830 挿入部品
831 ピン部
840 コネクタ

Claims (7)

  1. 樹脂層と、
    前記樹脂層内に設けられた第1ガラスクロスと、
    前記樹脂層内に前記第1ガラスクロスに沿って設けられた配線と
    を含み、
    前記第1ガラスクロスは、開繊され第1誘電率を有する第1ガラス繊維糸と、前記第1誘電率よりも低い第2誘電率を有する第2ガラス繊維糸とを含み、前記第1ガラス繊維糸と前記第2ガラス繊維糸とが交差して織られていることを特徴とする回路基板。
  2. 前記樹脂層内に前記第1ガラスクロスと対向して設けられた第2ガラスクロスを更に含み、
    前記第2ガラスクロスは、開繊され前記第1誘電率を有する第3ガラス繊維糸と、前記第2誘電率を有する第4ガラス繊維糸とを含み、前記第3ガラス繊維糸と前記第4ガラス繊維糸とが交差して織られていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
  3. 前記第2ガラスクロスは、前記第3ガラス繊維糸の延在方向が前記第1ガラス繊維糸の延在方向と直交する向きで設けられることを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
  4. 前記配線は、第1信号線と、前記第1信号線に並設された第2信号線とを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の回路基板。
  5. 開繊され第1誘電率を有する第1ガラス繊維糸と、前記第1誘電率よりも低い第2誘電率を有する第2ガラス繊維糸とを含み、前記第1ガラス繊維糸と前記第2ガラス繊維糸とが交差して織られた第1ガラスクロスを準備する工程と、
    前記第1ガラスクロスに第1樹脂を含浸して第1基材を形成する工程と、
    前記第1基材上に配線を形成する工程と、
    前記配線が形成された前記第1基材上に、第2樹脂を含む第2基材を設ける工程と
    を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
  6. 回路基板と、
    前記回路基板に搭載された電子部品と
    を含み、
    前記回路基板は、
    樹脂層と、
    前記樹脂層内に設けられた第1ガラスクロスと、
    前記樹脂層内に前記第1ガラスクロスに沿って設けられた配線と
    を含み、
    前記第1ガラスクロスは、開繊され第1誘電率を有する第1ガラス繊維糸と、前記第1誘電率よりも低い第2誘電率を有する第2ガラス繊維糸とを含み、前記第1ガラス繊維糸と前記第2ガラス繊維糸とが交差して織られていることを特徴とする電子装置。
  7. 開繊され第1誘電率を有する第1ガラス繊維糸と、前記第1誘電率と異なる第2誘電率を有する第2ガラス繊維糸とを含み、前記第1ガラス繊維糸と前記第2ガラス繊維糸とが交差して織られていることを特徴とするガラスクロス。
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