JP2005217029A - 配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 貫通導体と配線導体とが正確かつ確実に接続されており両者の電気的な接続信頼性が高いとともに、反りが小さく電子部品の実装が容易な配線基板を提供すること。
【解決手段】 ガラス製の縦糸およびガラス製の横糸で織られたガラスクロス1に熱硬化性樹脂2を含浸させた複数の絶縁性基材3をガラスクロス1の縦糸および横糸の方向が上下の絶縁性基材3のガラスクロス1の縦糸および横糸に対して直交するようにして積層して成る絶縁基体4の上下面に銅箔から成る配線導体5が形成されているとともに絶縁基体4を挟んで上下に位置する配線導体5同士が絶縁基体4に設けられた貫通導体5を介して電気的に接続されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は半導体素子や抵抗器等の電子部品を搭載するための配線基板に関する。
従来、半導体素子や抵抗器等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板として、ガラス繊維の束から成る縦糸および横糸で織ったガラスクロスに熱硬化性樹脂を含浸させた絶縁性基材から成る絶縁基体と銅箔から成る配線導体とが交互に複数積層された積層基板の上面から下面にかけて内面にスルーホール導体が被着されたスルーホールが形成されており、絶縁基体を挟んで上下に位置する配線導体同士がスルーホール導体により電気的に接続されて成る多層プリント配線基板が知られている。このような多層プリント配線基板は、まず表面に銅箔が被着された絶縁基体を準備するとともに絶縁基体の表面に被着した銅箔をエッチングして所定パターンの配線導体を形成し、次に配線導体が形成された絶縁基体を熱硬化性樹脂から成る接着材を間に挟んで複数枚積層圧着して積層基板を製作し、次にドリル加工により積層基板を貫通するスルーホールを形成し、しかる後、スルーホールの内面に銅めっきを被着して上下に位置する配線導体間を電気的に接続するスルーホール導体を形成することによって製作される。
ところで近時の電子機器の小型化、高密度化に伴って、半導体素子等の電子部品を搭載するための配線基板に対する配線密度向上の要求も益々高まってきている。しかしながら、上述の多層プリント配線基板は、上下の配線導体同士を接続するためのスルーホール導体が積層基板を貫通して設けられており、各絶縁基体におけるスルーホールの占有面積が大きなものとなるために配線密度を高くすることが困難であった。
このような問題点を解決するために、積層基板の表裏を貫通するスルーホール構造に代えて、各絶縁基体層毎に必要箇所にだけ貫通孔を形成し、この貫通孔に貫通導体を充填して上下の各配線導体間を電気的に接続したインナービアホール構造の配線基板が実用化されている。このようなインナービアホール構造の配線基板は、ガラス繊維束から成る縦糸および横糸で織られたガラスクロスに熱硬化性樹脂を含浸させた未硬化の絶縁性基材にレーザ加工により貫通孔を形成した後、それらの貫通孔内に金属粉末および熱硬化性樹脂を含有する貫通導体用の導体ペーストを充填し、次にその絶縁性基材の上下面に銅箔から成る配線導体を転写法により被着させ、次に配線導体が被着された複数の絶縁性基材を積層するとともに上下から加圧しながら加熱することにより絶縁基材および導体ペーストを熱硬化させることによって製作される。なお、絶縁基材用のガラスクロスに熱硬化性樹脂を含浸させるには、ロール状に巻かれたガラスクロスのロールから長尺帯状のガラスクロスを引き出して熱硬化性樹脂のワニスが入った含浸槽に浸漬した後、加熱ゾーンを通して乾燥させる方法が採用されている。
特開2002−187966号公報 特開2002−314222号公報
しかしながら、絶縁基体を構成する絶縁性基材は、縦糸および横糸で織られたガラスクロスに熱硬化性樹脂を含浸させる際に、ガラスクロスが引き出される方向、即ち縦糸方向に張力が加わった状態で熱硬化性樹脂のワニスが含浸され乾燥される。このためワニスが乾燥された後の未硬化の絶縁性基材にはワニスを含浸させる際に加えられた張力による応力が残留した状態となっている。そして、このような残留応力を有する絶縁性基材を使用して配線基板を作製すると、各絶縁基体を形成するための複数の絶縁性基材を積層して上下から加圧しながら加熱する際に、熱硬化性樹脂が硬化前に一旦流動化することに伴って絶縁性基材に残留していた応力が開放され、その結果、ガラスクロスの縦糸方向に大きく収縮するという現象が発生する。このため絶縁性基材から成る絶縁基体に形成した貫通導体や配線導体が所定の位置から大きくずれてしまいやすく、貫通導体と配線導体とが正確かつ確実に接続されずに配線導体と貫通導体との電気的な接続信頼性が低いという問題があった。
またさらに絶縁性基材の一方向への収縮が大きいことにより、作製された配線基板に大きな反りが発生し、その配線基板への半導体素子等の電子部品の実装が困難であるという問題があった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、貫通導体と配線導体とが正確かつ確実に接続されており両者の電気的な接続信頼性が高いとともに、反りが小さく電子部品の実装が容易な配線基板を提供することにある。
本発明の配線基板は、ガラス製の縦糸およびガラス製の横糸で織られたガラスクロスに熱硬化性樹脂を含浸させた複数の絶縁性基材を、前記縦糸および横糸の方向が上下の前記絶縁性基材の前記縦糸および横糸に対してそれぞれ直交するようにして積層して成る絶縁基体の上下面に銅箔から成る配線導体が形成されているとともに、前記絶縁基体を挟んで上下に位置する前記配線導体同士が前記絶縁基体に設けられた貫通導体を介して電気的に接続されていることを特徴とするものである。
また本発明の配線基板は、前記絶縁基体が前記配線導体を挟んで複数積層されていることを特徴とするものである。
さらに本発明の配線基板は、前記縦糸および横糸の方向が前記絶縁基体の積層体の上下方向の中心に位置する平面に対して上下対称となっていることを特徴とするものである。
本発明の配線基板は、ガラス製の縦糸よびガラス製の横糸で織られたガラスクロスに熱硬化性樹脂を含浸させた複数の絶縁性基材を前記縦糸および横糸の方向が上下の前記絶縁性基材の前記縦糸および横糸に対してそれぞれ直交するようにして積層することにより絶縁基体を形成したことから、絶縁基体を形成する絶縁性基材の縦横の収縮が上下で相互に作用して絶縁基体全体の収縮が平均化される。したがって、絶縁基体に形成された貫通導体および配線導体の位置ずれが小さいとともに反りが小さいものとなり、配線導体と貫通導体とが正確かつ確実に接続されて両者の電気的な接続信頼性に優れ、かつ電子部品の実装が容易な配線基板を提供することができる。
また、本発明の配線基板は、上記のような絶縁基体が配線導体を挟んで複数積層されて多層化されることにより、貫通導体と配線導体との電気的な接続信頼性に優れ、かつ反りが小さく電子部品の実装が容易な高密度配線の配線基板を提供することができる。
またさらに、本発明の配線基板は、前記縦糸および横糸の方向が上記のような絶縁基体の積層体の上下方向の中心に位置する平面に対して上下対称となることにより、各絶縁基体の反りが上下で互いに打ち消されて極めて平坦な配線基板を提供することができる。
次に、本発明の配線基板を添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の配線基板を実施するための最良の形態例を示す断面図であり、図中、1はガラスクロス、2は熱硬化性樹脂、3は絶縁性基材、4は絶縁基体、5は配線導体、6は貫通導体である。
本発明の配線基板は、ガラスクロス1に熱硬化性樹脂2を含浸させた絶縁性基材3を複数積層して成る絶縁基体4の上下面に銅箔から成る配線導体5が被着形成されているとともに絶縁基体4を挟んで上下に位置する配線導体5同士が絶縁基体4に設けられた貫通導体6により電気的に接続されている。なお、本例では2枚の絶縁性基材3が積層されることにより絶縁基体4が形成されており、そのような絶縁基体4が4層積層され、さらに最表層にソルダーレジスト層7が形成された例を示している。
絶縁性基材3を構成するガラスクロス1は、ガラス繊維の束から成る縦糸および横糸が平織りや綾織り、朱子織等に織られて成り、絶縁性基材3に機械的な強度を与えるとともに絶縁性基材3の熱膨張係数を小さいものとするための補強部材として機能する。なお、ガラスクロス1の厚みが10μmより薄いと、縦糸および横糸が非常に細くなり均等に織ることが困難となる傾向にあり、50μmより厚いと、絶縁基体4が不要に厚くなり配線基板の薄型化が困難となる傾向にある。したがって、ガラスクロス1の厚みは10〜50μmであることが好ましい。また、ガラスクロス1の表面には、熱硬化性樹脂2との密着性を向上させるために、シランカップリング処理がなされていることが好ましい。また、ガラスクロス1は通常Eガラスと呼ばれるガラスが使用されているが、DガラスやSガラスあるいは高誘電率ガラス等を用いてもよい。
ガラスクロス1に含浸された熱硬化性樹脂2は、エポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂等から成り、絶縁性基材3に良好な絶縁性を付与するとともに絶縁性基材3同士や絶縁基体4と配線導体5とを強固に接合させるための接着剤として機能する。なお、ガラスクロス1に熱硬化性樹脂2を含浸させるには、ロール状に巻かれたガラスクロス1のロールから長尺帯状のガラスクロス1を引き出して熱硬化性樹脂2のワニスが入った含浸槽に浸漬した後、加熱ゾーンを通して熱硬化性樹脂2を乾燥させる方法が採用される。このとき、ガラスクロス1が引き出される方向、即ち縦糸方向に張力が加わった状態で未硬化の熱硬化性樹脂2が含浸され乾燥される。そのため熱硬化性樹脂2が乾燥された後の未硬化の絶縁性基材3には熱硬化性樹脂2を含浸させる際に加えられた張力による応力が残留した状態となっている。なお、熱硬化性樹脂2には界面活性剤や無機フィラー等が添加されていてもよい。
複数の絶縁性基材3が積層されて成る絶縁基体4は、配線導体5および貫通導体6を支持する支持体として機能し、その上下面に銅箔から成る配線導体5が形成されているとともに上面から下面にかけて金属粉末および熱硬化性樹脂を含有する導電性材料から成る貫通導体6が形成されている。そして、この配線基板においては、絶縁基体4を挟んで上下に位置する配線導体5同士が絶縁基体4を貫通する貫通導体6を介して電気的に接続されることにより立体的な高密度配線が可能となっている。
なお、本発明においては、各絶縁基体4における絶縁性基材3のガラスクロス1の縦糸および横糸の方向が上下のガラスクロス1で互いに直交するようにして積層されており、絶縁性基材3を積層して絶縁基体4を形成するには、未硬化の絶縁性基材3をガラスクロス1の縦糸および横糸が上下の絶縁性基材3で互いに直交するようにして上下に複数枚重ねてプレスにて圧着すればよい。
また、絶縁基体4の上下面に銅箔から成る配線導体5を形成するとともに絶縁基体4の上面から下面にかけて貫通導体6を形成するには、未硬化の絶縁基体4にレーザ加工により貫通導体6を収容するための貫通孔を形成するとともに貫通孔内に金属粉末および熱硬化性樹脂を含有する貫通導体6用の未硬化の導体ペーストをスクリーン印刷法を採用して充填し、次に貫通導体6用の導体ペーストが充填された未硬化の絶縁基体4の上下両面あるいは片面に銅箔から成る配線導体5を転写法を採用して転写し、次に配線導体5が転写された未硬化の絶縁基体4を所望に応じて必要数上下に重ねるとともに上下から加圧しながら加熱して絶縁基体4を構成する各絶縁性基材3の熱硬化性樹脂2および貫通導体6用の導体ペーストの熱硬化性樹脂を熱硬化させる方法が採用される。
貫通導体6用の導体ペーストは、例えば錫と銀とビスマスと銅との合金から成る金属粉末とトリアリルシアヌレートやトリアリルイソシアヌレート、トリスエポキシプロピルイソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン系熱硬化性樹脂とを含有して成る。なお、貫通導体6用の導体ペーストにおける金属粉末の含有量が80質量%より少ないと、熱硬化性樹脂により金属粉末同士の接続が妨げられて貫通導体6の導通抵抗が高いものとなってしまう傾向にあり、95質量%を超えると、導体ペーストの粘度が上がりすぎて絶縁基体4に設けた貫通孔内に良好に埋め込むことが困難となる傾向にある。したがって、貫通導体6用の導体ペーストにおける金属粉末の含有量は80〜95質量%が好ましい。また、貫通導体6に含有される金属粉末が錫と銀とビスマスと銅との合金から成る場合、錫を70〜90質量%含有することが好ましい。さらに、金属粉末の平均粒径は5〜10μmが好ましい。
また、配線導体5は厚みが10〜30μm程度の銅箔をポリエチレンテレフタレート等の耐熱性樹脂から成る転写フィルムの片面に接着剤を介して貼着し、次にこの銅箔をフォトリソグラフィー技術を採用して所定のパターンにエッチングすることにより転写フィルム上に形成さ、このようにして転写フィルム上に形成された配線導体5を未硬化の絶縁基体4の表面に熱プレスを用いて熱圧着して埋入させた後、転写フィルムを剥離することによって絶縁基体4に転写される。なお、熱圧着は加熱に先行して加圧のみを行なう方が良い。加熱を先に行なうと、熱によって転写フィルムが伸び、配線導体5と貫通導体6との正確な位置合わせが困難となる傾向がある。したがって、熱圧着は加熱に先行して加圧のみを行なうことが好ましい。
また、配線基板の最表層に形成されたソルダーレジスト層7は、例えばアクリル変性エポキシ樹脂等の感光性樹脂と光開始剤等とから成る混合物に30〜70質量%のシリカやタルク等の無機粉末フィラーを含有させた絶縁材料から成り、最表層の配線導体5同士の電気的な絶縁信頼性を高めるとともに、最表層の配線導体5と絶縁基体4との接合強度を向上させる機能を有する。
このソルダーレジスト層7は、感光性樹脂と光開始剤と無機粉末フィラーとから成る未硬化の樹脂フィルムを最外層の絶縁基体4の表面に被着させるか、あるいは、感光性樹脂と光開始材と無機粉末フィラーとから成る未硬化の樹脂ワニスを最外層の絶縁基体4の表面に塗布して未硬化の感光性樹脂層を形成し、しかる後、その未硬化の感光性樹脂層を露光および現像して最表層の配線導体5の一部を露出させる開口部を形成した後、紫外線硬化および熱硬化させることにより形成される。
そして、本発明においては、各絶縁基体4における複数の絶縁性基材3が、そのガラスクロスの縦糸および横糸が上下の絶縁性基材3で互いに直交するようにして積層されており、そのことが重要である。このように、各絶縁基体4における複数の絶縁性基材3のガラスクロスの縦糸および横糸が上下の絶縁性基材3で互いに直交するようにして積層されていることから、絶縁基体4を形成する絶縁性基材3の縦横の収縮が上下で相互に作用して平均化される。したがって、絶縁基体4に形成された配線導体5および貫通導体6の位置変動が小さいとともに反りが小さいものとなり、配線導体5と貫通導体6とが正確かつ確実に接続されて両者の電気的な接続信頼性に優れ、かつ電子部品の実装が容易な配線基板を提供することができる。
さらに本発明の配線基板においては、絶縁基体4が配線導体5を挟んで複数積層されて多層化されることにより、配線導体5と貫通導体6との電気的な接続信頼性に優れ、かつ反りが小さく電子部品の実装が容易な高密度配線の配線基板を提供することができる。
またさらに、本発明の配線基板においては、各絶縁性基材3のガラスクロス1の縦糸および横糸の方向が絶縁基体4の積層体の上下方向の中心に位置する平面に対して上下対称となっていることにより、各絶縁基体4の反りが上下で互いに打ち消されて極めて平坦な配線基板を提供することができる。
かくして、本発明の配線基板によれば、配線導体5と貫通導体6とが正確かつ確実に接続されており両者の電気的な接続信頼性が高いとともに、反りが小さく電子部品の実装が容易な配線基板を提供することができる。
なお、本発明の配線基板は上述の実施の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であり、例えば上述の実施形態例では絶縁基体4は2枚の絶縁性基材3を積層することによって形成されていたが、絶縁基体4は3枚以上の絶縁性基材3を積層することによって形成されていてもよい。さらに上述の実施の形態例では、上下面に銅箔から成る配線導体5および上面から下面にかけて貫通導体6が形成された絶縁基体4が複数積層されることにより、本発明の配線基板が形成されていたが、上下面に銅箔から成る配線導体5および上面から下面にかけて貫通導体6が形成された1層のみの絶縁基体4により本発明の配線基板が形成されてもよい。さらにまた、上下面に銅箔から成る配線導体5および上面から下面にかけて貫通導体6が形成された絶縁基体4が単独あるいは複数積層された配線基板の表面に熱硬化性樹脂から成る絶縁基体と銅めっきから成る配線導体とから成るビルドアップ配線部を積層してビルドアップ配線基板としてもよい。
本発明の配線基板を評価するために次に説明する配線基板を製作し、その基板の反り量を評価した。
まず、ガラス繊維束から成る縦糸および横糸で平織りに織られた厚みが50μmのガラスクロスに変性ポリフェニレンエーテル樹脂等から成る熱硬化性樹脂を含浸させた厚みが70μmで大きさが500mm×300mmの未硬化の絶縁性基材を複数枚準備し、それぞれ2枚ずつ張り合わせてプレスすることにより複数の未硬化の絶縁基体を製作した。このとき、ガラスクロスの縦糸および横糸の方向が上下の絶縁性基材で互いに直交する本発明のための絶縁基体と、上下の絶縁性基材で互いに同じ向きとなる比較のための絶縁基体との2種類を製作した。次にこれらの絶縁基体の所定位置にレーザ加工により直径が100μmの貫通孔を形成した後、貫通孔内に錫と銀とビスマスと銅との合金から成る金属粉末とトリアジン系熱硬化性樹脂とを含有する導体ペーストをスクリーン印刷法を採用して充填した。次に貫通孔内に導体ペーストが充填された絶縁基体の表面に銅箔から成る配線導体を転写した後、配線導体が転写された絶縁基体を2層に重ね合わせ熱プレス機を用いて150〜200℃の温度で数時間加熱プレスして積層した後、ダイシング装置により50mm×50mmの正方形に切り出してテスト用の配線基板を製作した。その際、本発明のための絶縁基体を各絶縁性基材におけるガラスクロスの縦糸および横糸の向きが絶縁基体の積層体の上下方向の中心に位置する平面に対して上下対称となる本発明による第1の配線基板(試料番号1)と非対称となる本発明による第2の配線基板(試料番号2)、および比較のための絶縁基体をガラスクロスの縦糸および横糸の方向が上下の絶縁基体で互いに直交する比較のための第3の配線基板(試料番号3)と同じ向きとなる比較のための第4の配線基板(試料番号4)の4種類の配線基板を製作した。そして、これらの配線基板について、それぞれレーザ光を用いた3次元反り測定装置により反りの大きさを測定した。また、反りを測定した後の配線基板をクロスセクションして倍率100倍の顕微鏡で観察することにより配線導体と貫通導体とのずれの良否を判定した。なお、貫通導体と接続される配線導体の幅を貫通導体の直径よりも80μm広いものに設定し、貫通導体が配線導体からはみ出したものを不良とした。
その結果を表1に示す。
Figure 2005217029
表1に示すように、各絶縁基体における絶縁性基材のガラスクロスの縦糸および横糸の方向が上下の絶縁性基材で互いに直交する本発明による第1の配線基板(試料番号1)および第2の配線基板(試料番号2)では、反りの大きさが100μm未満と小さいものであった。特に各絶縁性基材におけるガラスクロスの縦糸および横糸の方向が絶縁基体の積層体の上下方向の中心に位置する平面に対して上下対称となる第1の配線基板(試料番号1)においては、反りの大きさが80μm以下と極めて平坦な配線基板が得られた。これに対して、比較のための第3の配線基板(試料番号3)および第4の配線基板(試料番号4)では、いずれも反りの大きさが100μm以上あり、大きな反りが発生した。また、本発明による配線基板(試料番号1、2)では配線導体から貫通導体がはみ出すような大きなずれは認められなかったが、比較のための試料(試料番号3、4)では配線導体から貫通導体がはみ出すような大きなずれが見られた。
以上の結果より、本発明の配線基板は、貫通導体と配線導体とが正確かつ確実に接続されており両者の電気的な接続信頼性が高いとともに、反りが小さく電子部品の実装が容易であることが分かる。
本発明の配線基板を実施するための最良の形態例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・ガラスクロス
2・・・熱硬化性樹脂
3・・・絶縁性基材
4・・・絶縁基体
5・・・配線導体
6・・・貫通導体

Claims (3)

  1. ガラス製の縦糸およびガラス製の横糸で織られたガラスクロスに熱硬化性樹脂を含浸させた複数の絶縁性基材を、前記縦糸および横糸の方向が上下の前記絶縁性基材の前記縦糸および横糸に対してそれぞれ直交するようにして積層して成る絶縁基体の上下面に銅箔から成る配線導体が形成されているとともに、前記絶縁基体を挟んで上下に位置する前記配線導体同士が前記絶縁基体に設けられた貫通導体を介して電気的に接続されていることを特徴とする配線基板。
  2. 前記絶縁基体が前記配線導体を挟んで複数積層されていることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  3. 前記縦糸および横糸の方向が前記絶縁基体の積層体の上下方向の中心に位置する平面に対して上下対称となっていることを特徴とする請求項2記載の配線基板。
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JP2014090027A (ja) * 2012-10-29 2014-05-15 Fujitsu Ltd 回路基板、回路基板の製造方法、電子装置及びガラスクロス
JP2016086143A (ja) * 2014-10-29 2016-05-19 京セラサーキットソリューションズ株式会社 配線基板およびその製造方法

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