JP2014087217A - モータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサ駆動及びセンサレス駆動を併用したモータ駆動装置において簡易な回路構成でセンサ消費電力を低減させたモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】コントローラ1が外部センサ信号を指定する場合はセンサ給電手段9がセンサ電源からロータ位置センサに通電制御し、内部センサ信号を指定する場合はセンサ電源からロータ位置センサへの通電を遮断制御する。
【選択図】図9

Description

本発明は、例えばDCブラシレスモータをセンサ駆動とセンサレス駆動を切り替えて駆動するモータ駆動装置に関する。
例えばDCブラシレスモータに設けられるモータ駆動装置の駆動方式には、ホールセンサなどのロータ位置センサを使用するセンサ駆動方式と、モータコイルに生じる誘起電圧からロータ位置情報を生成するセンサレス駆動方式の2種類がある。本件出願人はこのセンサ駆動とセンサレス駆動を組み合わせて始動や変速・減速時はセンサ駆動を行い、高精度が必要なときだけセンサレス駆動を行うモータ駆動装置をすでに提案している(特許文献1)。
今日普及しているモバイル機器や電気自動車などのバッテリーで用いられるDCブラシレスモータは、消費電力を低減することが求められている。
例えば、DCブラシレスモータに設けられるホールIC(位置センサ)は、消費電流が約8mAと多いことが知られており、三相のブラシレスモータの場合、消費電流が24mAとなるためこれを減らすための制御回路が提案されている。具体的にはU相,V相,W相に対応する各ホールICに独立して電源電圧を供給するセンサ用スイッチ回路と、センサ用スイッチ回路をスイッチング制御するスイッチ制御回路と、センサ信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを検出し、遅延信号を発生するエッジ検出遅延回路と、遅延信号に応じて各ホールICのスイッチ信号を出力するステージ判定回路とを備えている。各ホールICから検出された通電波形の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとの間に通電しない区間を設けることで省電力化を図っている(特許文献2)。
特許第4990683号公報 特開2008−259360号公報
従来のモータ駆動装置においては、モータ停止・回転に関わらず常にホールICへ給電されており無駄な消費電力が発生していた。上述した特許文献2に示す制御回路においては、三相分の各ホールICに対する給電回路及びスイッチング回路が接続されているため、制御回路が複雑化する上に部品点数も嵩むため、製造コストも高くなってしまう。
また、センサ駆動及びセンサレス駆動を併用したモータ駆動装置において、センサ(ホールIC等)に通電する消費電流を低減した装置は未だ知見されていない。
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、センサ駆動及びセンサレス駆動を併用したモータ駆動装置において簡易な回路構成でセンサ消費電力を低減させたモータ駆動装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備える。
ロータ位置センサから出力されるロータ位置情報を入力する外部センサ信号入力手段と、モータコイルに発生する誘起電圧と中性点電圧を比較しスパイクノイズを除去して電気角当たり1パルスのゼロクロス信号を検出するゼロクロス検出手段と、前記ゼロクロス検出手段により生成されたゼロクロス信号を所定の電気角度だけ遅延させた内部センサ信号を生成するディレー手段と、コントローラからの駆動切り替え指令により前記外部センサ信号入力手段から入力された外部センサ信号と前記ディレー手段により生成された内部センサ信号とを切り替えるセンサ選択手段と、前記コントローラからの回転指令及び前記センサ選択手段で選択されたセンサ信号に応じて通電相を決定し、モータ出力部へ励磁切替え信号を出力する励磁切替え手段と、前記励磁切替え手段から出力される励磁切替え信号に基づき通電相を切り替えて前記モータコイルに通電する前記モータ出力部と、回路電源からモータのロータ位置センサに給電するためのセンサ電源を生成し当該ロータ位置センサに対して通電又は通電遮断制御を行うセンサ給電手段と、を具備し、前記コントローラが前記外部センサ信号を指定する場合は前記センサ給電手段が前記センサ電源から前記ロータ位置センサに通電制御し、前記内部センサ信号を指定する場合は前記センサ電源から前記ロータ位置センサへの通電を遮断制御することを特徴とする。
以上より、コントローラがセンサレス駆動を指令したとき或いはモータ駆動停止時にはセンサ給電手段によりセンサ電源からロータ位置センサに給電がされない。よって、コントローラがセンサ駆動を指令した場合のみセンサ電源からロータ位置センサに給電して確実に起動することができ、ロータの回転が定常状態となるセンサレス駆動に移行するとセンサ給電手段はセンサ電源からの給電を遮断状態にするので、簡易な回路構成で消費電流や振動の少ないモータ駆動が実現できる。
励磁シーケンスを記憶し前記ゼロクロス検出手段により検出されたゼロクロス信号が前記励磁切替え手段からの励磁シーケンス情報に対応する前記励磁シーケンスに基づく理論値と一致するか否かを判定してセンサ信号を指定する誘起電圧判定信号を前記センサ選択手段に出力する前記誘起電圧判定手段を備え、前記誘起電圧判定手段が前記外部センサ信号を指定する場合は前記センサ給電手段が前記センサ電源から前記ロータ位置センサに通電制御し、前記内部センサ信号を指定する場合は前記センサ電源から前記ロータ位置センサへの通電を遮断制御するようにしてもよい。
この場合、誘起電圧判定手段が、ゼロクロス信号が理論値に一致すると判定した場合、即ちセンサ選択手段に内部信号を指定してセンサ駆動からセンサレス駆動に移行すると、センサ給電手段がロータ位置センサへの通電を遮断制御するので、センサレス駆動に切り替わると確実に省電力化を図ることができる。また、誘起電圧判定手段が、ゼロクロス信号が理論値に不一致であると判定した場合、即ちセンサ選択手段に外部センサ信号を指定する場合はセンサ給電手段がセンサ電源からロータ位置センサに通電するため、ロータ回転位置を見失うことはない。
前記誘起電圧判定手段は、連続する複数の励磁区間のゼロクロス信号が前記理論値とすべての励磁区間で一致した場合は前記内部センサ信号を指定し前記センサ選択手段は自動的に内部センサ信号を選択すると共に前記センサ給電手段は通電遮断制御を行い、前記ゼロクロス信号が前記理論値と一励磁区間でも不一致になった場合には前記外部センサ信号を指定し、前記センサ選択手段は自動的に外部センサ信号を選択すると共に前記センサ給電手段は通電制御を行うことが望ましい。
これにより、誘起電圧判定手段は複数の励磁区間のゼロクロス信号が理論値とすべての励磁区間で一致したと判定した場合にセンサ給電手段は通電遮断制御を行うので、確実にセンサレス駆動に移行した状態でロータ位置センサへの通電を遮断することができる。よって、モータが長時間定常回転駆動しても消費電流を低減することができる。
また、ゼロクロス信号が前記理論値と一励磁区間でも不一致になったと判断した場合にロータ位置センサへ通電して外部センサ信号によるセンサ駆動が行なわれる。よって、ロータ位置センサがロータ位置を見失うことなくセンサ駆動により確実に始動することができ、誤動作することがない。
上述したモータ駆動装置を用いれば、簡易な回路構成でセンサ駆動及びセンサレス駆動を併用したモータ駆動装置においてセンサ消費電力を低減させたモータ駆動装置を提供することができる。
モータ駆動装置のモータコイルとセンサの回路構成を示す説明図である。 センサ駆動のタイミングチャート図である。 センサレス駆動のタイミングチャート図である。 センサ駆動とセンサレス駆動の切り替えタイミングチャート図である。 モータ出力部のブロック構成図である。 三相DCブラシレスモータ用のモータ駆動装置のブロック構成図である。 ゼロクロスコンパレータの出力タイミングチャート図である。 コイル電圧波形と中性点電圧波形の説明図である。 センサ給電手段のブロック構成図である。 他例にかかるモータ駆動装置のブロック構成図である。
以下、本発明に係るモータ駆動装置の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。また、以下の説明は永久磁石ロータと固定子を備えた三相DCブラシレスモータを駆動するモータ駆動装置について説明するものとする。
モータ駆動装置の一例について説明する。DCブラシレスモータは三相が主流であり、以下では三相モータを例示して説明する。
図1にロータ位置センサ付の三相DCブラシレスモータのモータコイルとセンサの回路構成を示す。三相分のモータコイルU相、V相、W相が電気角で120°位相差となるように適宜配置される。本実施例では三相コイルはスター結線されU、V、W及び中性点COMM端子がある。尚、駆動回路側で中性点に相当するダミー中性点信号を生成する場合にはCOMM端子は省略できる。また、三相分のロータ位置センサA、B、Cが電気角で120°位相差となるように適宜配置される。ロータ位置センサA〜Cはロータの回転により変化する磁束を検出する。ロータ位置センサA〜Cとしては本実施例ではホールICが用いられ、ホール素子と電源レギュレータ・増幅器・シュミットトリガーゲート・出力素子等を内蔵している。出力素子は、例えばトランジスタ(オープンコレクタ)あるいはFET(オープンドレイン)が用いられる。
ブラシレスDCモータの駆動方式は120°通電のバイポーラ矩形波駆動が一般的である。そこで本実施例では、三相バイポーラ120°矩形波駆動方式を例示して説明する。この駆動方式にはロータ位置センサA〜Cの出力から通電パターンを決定するセンサ駆動と、コイル誘起電圧と中性点COMM端子とのゼロクロスを検出して通電パターンを決定するセンサレス駆動がある。
図2にセンサ駆動のタイミングチャートを示す。ロータ位置センサA〜Cはロータポジションを検出するホールICからの出力である。三相コイルU相〜W相はステータ巻線であり、図の+は電源に、図の−はGNDに接続されることを表している。(1)センサA〜CがH(ハイ)L(ロー)H(ハイ)の時、コイルUからVに通電されW相は非通電となる。(2)センサA〜CがHLLの時、コイルUからWに通電されV相は非通電となる。(3)センサA〜CがHHLの時、コイルVからWに通電されU相は非通電となる。(4)センサA〜CがLHLの時、コイルVからUに通電されW相は非通電となる。(5)センサA〜CがLHHの時、コイルWからUに通電されV相は非通電となる。(6)センサA〜CがLLHの時、コイルWからVに通電されU相は非通電となる。以上の6フェーズの励磁パターンにより1電気角分通電される。以後上記励磁シーケンスを繰り返すことでセンサ駆動が行われる。
図3にセンサレス駆動のタイミングチャートを示す。COMP−A〜Cはコイル電圧と中性点電圧のコンパレータ出力である。ゼロクロス信号ZU〜ZWはコイル電圧と中性点電圧のゼロクロスコンパレータ出力である。励磁切り替え時にはスパイク電圧が発生するが、実用回路においてはスパイク波形マスク手段を設けスパイク波形はマスクされるため波形には表れず図示していない。三相コイルU相〜W相はステータ巻線であり、図の+は電源に、図の−はGNDに接続されることを表している。ゼロクロスコンパレータから出力されるゼロクロス信号のエッジすなわちゼロクロス点とコイル通電エッジすなわち励磁切り替えタイミングとはそれぞれ電気角で30°の位相差がある。
図4にセンサ駆動とセンサレス駆動の切り替えタイミングチャートを示す。駆動回路にコントローラ1から回転指令が与えられると、モータが静止状態の場合は誘起電圧が発生せずセンサ駆動が選択される。センサ駆動によりモータが始動した後、誘起電圧が検出され始め、ゼロクロス信号が励磁切替え手段(デコータ2)からの励磁シーケンス情報により決定される励磁シーケンス(理論値)と一致するとセンサレス駆動が選択される。
このようにモータ始動時はセンサ駆動で起動し、モータが回転し始めて十分な誘起電圧が発生したところでセンサレス駆動に切り替えるものである。これによりモータのスムーズな始動性と、低振動・低消費電流の定常回転とを実現している。
ここで、図5及び図6に三相ブラシレスDCモータのモータ駆動回路のブロック構成を示す。図5はセンサ駆動を示す簡略化したブロック図である。
デコーダ2(励磁切替え手段)は励磁シーケンスを記憶しており、上位コントローラ1からの回転指令および3個のロータ位置センサA〜C(ホールIC)からセンサ信号が入力され、回転指令及びロータ位置センサA〜C入力の組み合わせにより通電相を決定し出力段3に対して励磁切替え信号を出力する。デコーダ2には外部センサ信号入力手段としてモータのロータ位置センサA〜Cから出力されるロータ位置情報を入力されるが、ロータ位置センサA〜Cが差動出力の場合には、コンパレータを設ければシングルエンドのデジタル信号に変換することができる。出力段3はトランジスタあるいはFETによるトーテムポール型三相ブリッジ構成でデコーダ2からの励磁切り替え信号により任意のパターンの通電が行なわれる。出力U〜WにはモータコイルU〜Wがそれぞれ接続される。
図6に三相ブラシレスDCモータのセンサ・センサレス駆動回路のより詳細なブロック図を示す。センサ選択手段4(セレクタ)は、後述する誘起電圧判定信号によりロータ位置センサ(外部センサ)信号と内部センサ信号を切り替える。センサ選択手段4(セレクタ)は、誘起電圧が安定的に発生していないと判定されたときはロータ位置センサ信号を選択し、安定して発生していると判定されたときは内部センサ信号を選択して、自動的にセンサ駆動とセンサレス駆動が切り替えられる。デコーダ2は励磁シーケンスを記憶しており、センサ選択手段4(セレクタ)から出力されるセンサ信号に基づいて励磁シーケンスを選択し対応する励磁信号を出力段3に出力すると共に、後述する誘起電圧判定手段8に対して通電切り替えタイミングを示す励磁切替え信号及び現在通電中の励磁シーケンス番号或いは励磁相を示す励磁シーケンス情報を送出する。また、出力段3はデコーダ2から出力される励磁切替え信号に基づいてスイッチング素子(例えばパワーMOSFET)を切り替えてモータコイルを励磁したり、ショートブレーキをかけたりする。
また、中性点電圧発生手段5は、三相のモータコイル(U相〜W相)の波形から仮想的な中性点電圧を発生させる。具体的には、抵抗3本の一端をモータコイルU相,V相,W相の出力に各々接続し他端を共通接続とすれば中性点信号nが得られる。また、中性点信号nと各相モータコイルU相〜W相の出力値と比較しゼロクロス点を検出してゼロクロス信号を生成するゼロクロス検出手段6を備える。ゼロクロス検出手段6は例えば3個のコンパレータを備えている。ゼロクロス検出手段6は、励磁切り替え時に直前のコンパレータ出力値を一定時間保持してスパイクノイズによる誤動作を防止するマスク処理を行う。励磁切り替えエッジはデコーダ2で検出することができ、励磁切り替え検出信号に基づいてマスク処理を開始する。
また、ディレー手段7は、ゼロクロス検出手段6で生成されたゼロクロス信号ZU〜ZWを電気角で30°遅延させて通電タイミングを発生する励磁信号(内部センサ信号)を生成する。また、誘起電圧判定手段8は、ゼロクロス信号と予め記憶している励磁シーケンスの中からデコーダ2が送出する励磁シーケンス情報により決定される励磁シーケンス(理論値)とを比較してモータコイルに誘起電圧が安定的に発生しているか否かを判定する。ゼロクロス信号と一致しないとき即ち誘起電圧が正常に発生していないと判定した場合は外部センサ信号を選択する不一致信号を、一致した場合は内部センサ信号を選択する一致信号を、センサ選択手段4(セレクタ)に出力する。
以上の構成によりセンサ駆動とセンサレス駆動の切り替えは自動的に行うことが可能となり、上位コントローラの負荷を減らすことができる。そして、センサ駆動による確実な始動性を獲得でき、センサレス駆動によりロータ位置センサの誤差やロータマグネットの着磁誤差などの影響を減らして振動の少ない滑らかな回転性能が得られる。
ここで、誘起電圧判定手段8の判定方法について説明する。励磁シーケンスは一義的に決まっているので、ゼロクロス信号が予め記憶している励磁シーケンスに基づく理論値に一致するか判定すれば誘起電圧検出ミスを判定できる。ゼロクロス信号は励磁切り替えタイミングより電気角で30°進んでいるので、遅延後の励磁切り替えタイミングでゼロクロス信号と理論値を比較すれば充分な時間的余裕を持って確実に一致不一致を判定することができる。また、センサ駆動からセンサレス駆動への移行は連続する複数の励磁区間全てで理論値と一致してから行えばより安定的に移行することができる。例えば三相全波駆動の場合6励磁区間で理論値と一致したらセンサ駆動からセンサレス駆動へ移行するようにすればよい。この構成によれば、例えばノイズで1励磁区間が一致してもセンサ駆動とセンサレス駆動の切り替えは発生せず誤動作を防止することができる。尚、センサ駆動からセンサレス駆動への移行は1電気角程度遅れてもなんら問題はない。反対に、1励磁区間でも理論値と不一致の場合はセンサレス駆動からセンサ駆動へただちに移行するようにする。これにより誘起電圧判定手段8が誘起電圧を見失った場合は瞬時に外部センサ信号により正常な励磁を行い脱調することなく回転を継続することができる。
図7にゼロクロス検出手段6に備えたコンパレータ出力(ゼロクロス信号)をタイミングチャートで例示する。誘起電圧判定手段8は、励磁切り替えタイミングで、ゼロクロス信号の値を予め記憶している励磁シーケンスに基づく理論値と比較して、ゼロクロス信号が正常か否かを判定する。比較すべき励磁シーケンス番号はデコーダから受け取ることができる。コンパレータ出力をZU=2^0、ZV=2^1、ZW=2^2という重みをつけてコード化すると、正常時には励磁切り替えに同期してコードは5−1−3−2−6−4と進む。従って、例えば現在のコード値が5であったとすると次回のコード値は1であることが予測できる。そこで次の励磁切り替え時にゼロクロス信号のコード値が1であれば誘起電圧が正常に検出されたと判定でき、1以外なら正常ではないと判定できる。以下同様に、3,2,6,4,5に関しても判定すれば通電タイミングすべてを判定することができる。
その他、中性点電圧と非通電コイルの電位差をアナログ比較して、スレッシュホールドレベル以上かどうかでも判定できる。スレッシュホールド電圧設定値により検出する誘起電圧の大きさを決定でき、センサ駆動とセンサレス駆動の切り替え回転数を選択することができる。図8にコイル電圧波形と中性点電圧波形を示す。120°矩形波駆動の場合、各コイルは1電気角あたり60°の非通電区間が2か所ある。励磁切り替え時はスパイクノイズを除去するために一定時間のマスク区間が設けられる。判定区間は非通電区間からマスク区間を除いた時間帯である。中性点電圧は励磁区間ごとに勾配の変わる小振幅の三角波であるが、判りやすくするため直線で表示している。中性点電圧に対してH側及びL側にスレッシュホールド電圧を設定する。判定区間内にスレッシュホールド電圧H以上あるいはスレッシュホールド電圧L以下となったら誘起電圧が発生していると判定する。以上の操作を3個のコイルに対して行えば全通電期間を通して誘起電圧が発生しているか否か判定することができる。
上述したモータ駆動装置を用いれば、始動回路を持たない簡易な回路構成でセンサ駆動によるスムーズで迅速な始動やセンサ信号による拘束運転とセンサレス駆動による低振動・低消費電流による定常運転とが相互に切り替えられる脱調し難いモータ駆動装置を提供することができる。また、センサレス駆動時は誘起電圧に基づいて励磁切り替えが行われ、ロータ位置センサやマグネットの着磁誤差をキャンセル可能である。また誘起電圧はトルクを反映していることからトルクリップルの少ない励磁が可能であり、低消費電流となり振動も減る。よって、DCブラシレスモータを確実に始動するとともに定常時はセンサレス駆動により低消費電流で振動の少ない運転が可能となる。尚、三相DCブラシレスモータを例示したが、他の多相ブラシレスモータに適用することも可能である。
また、上記モータ駆動装置には、図9のブロック構成図に示すように、回路電源からロータ位置センサA〜Cへ給電するための電源を生成するセンサ給電手段9が設けられている。センサ給電手段9は、上位コントローラ1からの回転指令が入力されるか又は誘起電圧を安定的に検出しないときだけロータ位置センサに対してセンサ電源を給電する。
図9において、センサ給電手段9は、回路電源からモータのロータ位置センサに給電するためのセンサ電源を生成し当該ロータ位置センサに対して通電又は通電遮断制御を行う。
センサ電源発生手段10は、回路電源からロータ位置センサA〜Cに給電するためのセンサ電源を生成する。具体的にはセンサ電源発生手段10として例えば電源レギュレータなどが用いられる。センサ電源スイッチング手段11はセンサ電源をロータ位置センサに給電する給電状態と給電を遮断した遮断状態とでスイッチング操作により切り替える。具体的にはセンサ電源スイッチング手段11として例えばトランジスタあるいはFETなどによる半導体スイッチが用いられる。センサ給電指令手段12は、コントローラ1からの回転指令とモータコイルU相〜W相に誘起される誘起電圧が不安定であることを判定する誘起電圧判定手段8の判定出力の論理和をとってセンサ電源スイッチング手段11に給電指令を出力する。具体的には、センサ給電指令手段12として例えばANDゲート回路が用いられる。この結果、センサ給電指令手段12は、コントローラ1からの回転指令が回転を指示しかつ誘起電圧判定手段8の判定出力が不安定である場合に限り、センサ電源スイッチング手段11を給電状態にする。尚、モータ停止時およびセンサレス駆動時はロータ位置センサへの給電はされない。給電停止時はセンサ出力も停止するがモータ駆動停止時あるいはセンサレス駆動時であるので問題とならない。
以上のように、誘起電圧判定手段8が外部センサ信号を指定する場合は、センサ給電手段9がセンサ電源からロータ位置センサA〜Cに通電制御し、内部センサ信号を指定する場合は、センサ電源からロータ位置センサA〜Cへの通電を遮断制御する。また、誘起電圧判定手段8の他に、外部コントローラによるセンサ信号の選択指令や上位コントローラによるセンサ信号の選択指令によって、外部センサ信号と内部センサ信号を切り替える際にセンサ給電手段9は、ロータ位置センサA〜Cに通電制御若しくは通電遮断制御するようにしてもよい。
図10に示すモータ駆動装置のブロック構成図において、コントローラ1からの駆動切り替え指令によりセンサ選択手段4が外部センサ信号入力手段から入力された外部センサ信号とディレー手段7により生成された内部センサ信号とを切り替えるようになっている。
よって、コントローラ1が外部センサ信号を指定する場合はセンサ給電手段9がセンサ電源からロータ位置センサA〜Cに通電制御し、内部センサ信号を指定する場合はセンサ電源からロータ位置センサA〜Cへの通電を遮断制御する。
これにより、センサ駆動する場合にのみセンサ電源スイッチング手段11を通電状態にしてロータ位置センサA〜Cに給電して確実に起動することができ、ロータの回転が定常状態となるセンサレス駆動に移行した後ではセンサ電源スイッチング手段11を通電遮断状態にするので、簡易な回路構成で消費電流や振動の少ないモータ駆動が実現できる。
上述したモータ駆動装置を用いれば、センサレス駆動時は誘起電圧に基づいて励磁切り替えが行われ、ロータ位置センサやマグネットの誤差をキャンセル可能である。また誘起電圧はトルクを反映していることからトルクリップルの少ない励磁が可能であり、低消費電流となり振動も減る。よって、DCブラシレスモータを確実に始動するとともに定常時はセンサレス駆動により低消費電流で振動の少ない運転が可能となる。尚、三相DCブラシレスモータを例示したが、他の多相ブラシレスモータに適用することも可能である。
ここで、モータ駆動装置を用いた場合の消費電流の低減効果を検証する。ホールICの平均消費電流はおおむね8mAであるので8mA*3個=24mAである。センサ入力部のプルアップ抵抗を流れる電流を1.6mAとすると1.6mA*3個*デューティ0.5=2.4mA、従って、センサ給電オフ時は26.4mAの消費電流が低減される。
ここで、ロータ位置センサA〜Cに対する給電時間を検討する。始動時のセンサ駆動を10秒、モータ回転時間を1時間とするとセンサが動作するデューティは10/3600=0.28%である。従ってモータ回転時だけに限ってもセンサ関係での消費電流削減効果は99.72%であり、ロータ位置センサは電力をほとんど消費しない。小型モータの定常回転時の消費電流は100〜300mA程度であるから、おおむね10〜30%の大きな消費電流低減効果がある。しかも電源レギュレータとANDゲートとFETを追加するだけで回路構成ができるので低コストで実現できる。
A〜C ロータ位置センサ
1 コントローラ
2 デコーダ
3 出力段
4 センサ選択手段
5 中性点電圧発生手段
6 ゼロクロス検出手段
7 ディレー手段
8 誘起電圧判定手段
9 センサ給電手段
10 センサ電源発生手段
11 センサ電源スイッチング手段
12 センサ給電指令手段

Claims (3)

  1. ロータ位置センサから出力されるロータ位置情報を入力する外部センサ信号入力手段と、
    モータコイルに発生する誘起電圧と中性点電圧を比較しスパイクノイズを除去して電気角当たり1パルスのゼロクロス信号を検出するゼロクロス検出手段と、
    前記ゼロクロス検出手段により生成されたゼロクロス信号を所定の電気角度だけ遅延させた内部センサ信号を生成するディレー手段と、
    コントローラからの駆動切り替え指令により前記外部センサ信号入力手段から入力された外部センサ信号と前記ディレー手段により生成された内部センサ信号とを切り替えるセンサ選択手段と、
    前記コントローラからの回転指令及び前記センサ選択手段で選択されたセンサ信号に応じて通電相を決定し、モータ出力部へ励磁切替え信号を出力する励磁切替え手段と、
    前記励磁切替え手段から出力される励磁切替え信号に基づき通電相を切り替えて前記モータコイルに通電する前記モータ出力部と、
    回路電源からモータのロータ位置センサに給電するためのセンサ電源を生成し当該ロータ位置センサに対して通電又は通電遮断制御を行うセンサ給電手段と、を具備し、
    前記コントローラが前記外部センサ信号を指定する場合は前記センサ給電手段が前記センサ電源から前記ロータ位置センサに通電制御し、前記内部センサ信号を指定する場合は前記センサ電源から前記ロータ位置センサへの通電を遮断制御するモータ駆動装置。
  2. 励磁シーケンスを記憶し前記ゼロクロス検出手段により検出されたゼロクロス信号が前記励磁切替え手段からの励磁シーケンス情報に対応する前記励磁シーケンスに基づく理論値と一致するか否かを判定してセンサ信号を指定する誘起電圧判定信号を前記センサ選択手段に出力する前記誘起電圧判定手段を備え、
    前記誘起電圧判定手段が前記外部センサ信号を指定する場合は前記センサ給電手段が前記センサ電源から前記ロータ位置センサに通電制御し、前記内部センサ信号を指定する場合は前記センサ電源から前記ロータ位置センサへの通電を遮断制御する請求項1記載のモータ駆動装置。
  3. 前記誘起電圧判定手段は、連続する複数の励磁区間のゼロクロス信号が前記理論値とすべての励磁区間で一致した場合は前記内部センサ信号を指定し前記センサ選択手段は自動的に内部センサ信号を選択すると共に前記センサ給電手段は通電遮断制御を行い、前記ゼロクロス信号が前記理論値と一励磁区間でも不一致になった場合には前記外部センサ信号を指定し、前記センサ選択手段は自動的に外部センサ信号を選択すると共に前記センサ給電手段は通電制御を行う請求項2記載のモータ駆動装置。
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