JP2014083802A - トグル式型締装置の型締力調整方法 - Google Patents

トグル式型締装置の型締力調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バネ付き金型等の型閉方向に所定の型閉じ力が付与されることにより型開閉方向の型厚が減少する金型を用いた場合において、ダイハイト位置を厳密に制御することなくトグル式型締装置の型締力を調整することが可能な型締力調整方法を提供する。
【解決手段】型閉方向に所定の型閉じ力が付与されることにより型開閉方向の型厚が減少する金型を備えるトグル式型締装置の型締力を調整するための型締力調整方法であって、所定の型閉じ力未満の圧力で金型を型閉じさせた時のクロスヘッドの型開閉方向の位置と、その位置から所定の型閉じ力以上の圧力で金型を型閉じさせ、金型の型開閉方向の型厚を減少させた時のクロスヘッドの型開閉方向の位置とから、金型の型厚の減少量を算出し、該型厚減少量に応じてクロスヘッドの型開閉方向の高圧切換位置を調整することにより、トグル式型締装置の型締力を調整する。
【選択図】図3

Description

本発明は、トグル式型締装置の型締力を調整するための型締力調整方法に関する。
従来から、射出成形機に用いる金型として、例えば、固定側金型と、可動側金型と、これら固定側金型及び可動側金型間に設けられ、固定側金型とバネで連結された中間金型とからなるバネ付き金型が知られている。このバネ付き金型は、型閉じ方向にバネの反発力よりも大きい型閉じ力が付与された型閉じ状態においては、固定側金型、可動側金型及び中間金型が密着されて金型キャビティが形成され、型開き状態においては、バネの反発力により固定側金型と中間金型とが離間されるように構成されている。このようなバネ付き金型では、通常の低速かつ低トルクで行われる金型タッチではバネが十分に圧縮されず、金型密着が出来ずにバネ分の隙間が生じてしまうため、通常の型締力調整が出来ないという問題がある。
このような問題を解決するため、近年、例えば特許文献1に記載のトグル式射出成形機の型締力設定方法が提案されている。この特許文献1に記載のトグル式射出成形機の型締力設定方法は、バネ付き金型を用いるトグル式射出成形機の型締力を設定するための方法であって、バネの反発力により形成された固定型金型と中間金型との隙間を測定し、この隙間分だけトグル機構全体を移動させることにより、使用するバネ付き金型に応じた型締力を設定するものである。
特開平4−347613号公報
しかしながら、特許文献1の型締力設定方法は、測定した隙間分だけトグル機構全体を移動させるものであるため、トグル機構全体の移動(ダイハイト位置)を1/100mm単位程度まで厳密に制御する必要があり、正確な位置制御が容易ではないという問題がある。また、このような特許文献1の型締力設定方法によって正確な位置制御を実現するためには、高価な設備が必要であるという問題がある。
本発明は、バネ付き金型等の型閉方向に所定の型閉じ力が付与されることにより型開閉方向の型厚が減少する金型を用いた場合において、ダイハイト位置を厳密に制御することなくトグル式型締装置の型締力を調整することが可能な型締力調整方法を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明に係る型締力調整方法は、型閉方向に所定の型閉じ力が付与されることにより型開閉方向の型厚が減少する特殊金型を備え、クロスヘッドを型開閉方向に移動させることによりトグルリンク機構を伸縮させ、前記特殊金型の型開閉及び型締めを行うトグル式型締装置の型締力を調整するための型締力調整方法であって、予め、固定側金型及び可動側金型からなる通常金型を用いた場合における、クロスヘッドの型開閉方向の位置と該クロスヘッド位置における前記通常金型の型開量との関係を示す第1の関係データと、前記通常金型を用いた場合における、クロスヘッドの高圧切換位置と該高圧切換位置からクロスヘッドを型開閉方向に移動させて型締めした場合に生じる型締力との関係を示す第2の関係データとを用意する関係データ用意工程と、前記所定の型閉じ力未満の圧力で前記特殊金型を型閉じさせた時のクロスヘッドの型開閉方向の位置と、その位置から前記所定の型閉じ力以上の圧力で前記特殊金型を型閉じさせ、前記特殊金型の型開閉方向の型厚を減少させた時のクロスヘッドの型開閉方向の位置とを検出し、これら検出されたクロスヘッドの両位置から、前記第1の関係データを用いて、前記特殊金型の型厚の減少量を導出する型厚減少量導出工程と、前記第1の関係データ及び前記第2の関係データを用いて、所望の型締力を発揮させるためのクロスヘッドの理論高圧切換位置及び該理論高圧切換位置における前記通常金型の型開量を特定し、該型開量に前記型厚減少量導出工程により導出された型厚減少量を加算した調整型開量を算出する調整型開量算出工程と、前記第1の関係データを用いて、前記調整型開量算出工程により算出された調整型開量に対応するクロスヘッドの型開閉方向の位置を特定し、該クロスヘッド位置を、調整されたクロスヘッドの設定高圧切換位置として設定するクロスヘッド高圧切換位置調整工程とを備えることを特徴とする。
本発明に係る型締力調整方法は、前記クロスヘッド高圧切換位置調整工程後に、クロスヘッドを前記設定高圧切換位置から型開閉方向に移動させて型締めする型締工程と、前記型締工程におけるクロスヘッドの高圧切換位置を検出する検出工程と、前記検出工程により検出された検出高圧切換位置が予め設定された許容高圧切換位置の範囲から外れているかを判定する型厚減少量補正要否判定工程と、前記判定工程において、前記検出高圧切換位置が許容高圧切換位置の範囲から外れていると判定された際に、前記型厚減少量の補正を行う型厚減少量補正工程とを更に備えることが好ましい。
また、本発明に係る他の型締力調整方法は、型閉方向に所定の型閉じ力が付与されることにより型開閉方向の型厚が減少する金型を備え、クロスヘッドを型開閉方向に移動させることによりトグルリンク機構を伸縮させ、前記金型の型開閉及び型締めを行うトグル式型締装置の型締力を調整するための型締力調整方法であって、前記所定の型閉じ力未満の圧力で前記金型を型閉じさせた時の前記クロスヘッドの型開閉方向の位置と、その位置から前記所定の型閉じ力以上の圧力で前記金型を型閉じさせ、前記金型の型開閉方向の型厚を減少させた時の前記クロスヘッドの型開閉方向の位置とから、前記金型の型厚の減少量を算出し、該型厚減少量に応じて前記クロスヘッドの型開閉方向の高圧切換位置を調整することにより、トグル式型締装置の型締力を調整することを特徴とする。
本発明に係る他の型締力調整方法は、更に、前記調整されたクロスヘッドの高圧切換位置からクロスヘッドを型開閉方向に移動させて型締めした場合に検出された高圧切換位置が、予め設定された許容高圧切換位置の範囲から外れている場合に、前記型厚減少量の補正を行うことが好ましい。
本発明によれば、バネ付き金型等の型閉方向に所定の型閉じ力が付与されることにより型開閉方向の型厚が減少する金型を用いた場合において、ダイハイト位置を厳密に制御することなくトグル式型締装置の型締力を調整することが可能な型締力調整方法を提供することができる。
本実施形態に係る型締力調整方法に用いられるトグル式型締装置の構成を示す概略図である。 リンクハウジングを図1中の左側から見た概略構成図である。 クロスヘッドの型開閉方向の位置と該クロスヘッド位置における金型の型開量との関係を示す第1の関係データを示す図である。 クロスヘッドの高圧切換位置と該高圧切換位置からクロスヘッドを型開閉方向に移動させて型締めした場合に生じる型締力との関係を示す第2の関係データを示す図である。 本実施形態に係る型締力調整方法の型締力自動設定の流れを示すフローチャートである。 バネ付き金型判定工程において、バネ付き金型であると判定される場合の型締状態の例を示す概略図である。 図7(a)は、バネが圧縮しない程度の圧力でバネ付き金型を型閉じさせた状態を示す概略図であり、図7(b)は、図7(a)の状態からトグルリンク機構を伸長させることによりバネが圧縮する圧力でバネ付き金型を型閉じさせ、バネ付き金型を密着させた状態を示す概略図である。 クロスヘッドの高圧切換位置を調整した型開き状態を示す概略図である。 図9(a)は、図8の状態からトグルリンク機構全体を前進させることによりバネが圧縮しない程度の圧力でバネ付き金型を型閉じさせた状態を示す概略図であり、図9(b)は、図9(a)の状態からトグルリンク機構を伸長させることによりバネが圧縮される圧力でバネ付き金型を型閉じさせ、バネ付き金型を密着させた状態を示す概略図であり、図9(c)は、図9(b)の状態から更にトグルリンク機構を伸長させることにより型締昇圧させた状態を示す概略図である。
次に、本発明に係る型締力調整方法の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る型締力調整方法に用いることが可能なトグル式型締装置の一例について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るトグル式型締装置の全体構成を概略的に示す概略構成図であり、図2は、図1の左側からリンクハウジング14を見た概略構成図である。
本実施形態に係るトグル式型締装置1は、図1に示すように、主に、互いに平行となるように型開閉方向に並列して設けられた固定プラテン10、可動プラテン12及びリンクハウジング14と、可動プラテン12及びリンクハウジング14間に設けられたトグルリンク機構16と、固定プラテン10の四隅から可動プラテン12及びリンクハウジング14の四隅を貫通して架け渡された4本のタイバー18と、可動プラテン12に取り付けられた製品押出し装置20と、リンクハウジング14を固定プラテン10に対して型開閉方向に移動させる型厚駆動装置35とを備えており、床面に据付けられたマシンベース2上に載置されている。なお、本実施形態の説明において、型開閉方向とは、固定プラテン10に対して可動プラテン12及びリンクハウジング14が接近及び離間する方向、すなわち、後述する固定側金型24、可動側金型26及び中間金型30が型開き及び型閉じする方向をいう。
固定プラテン10は、ボルトや固定キー等の固定手段(図示せず)によってマシンベース2上に固定されている。固定プラテン10の中央部には、射出装置(図示せず)が挿入可能な射出用穴(図示せず)が形成されている。
固定プラテン10及び可動プラテン12は、それぞれ対向する面が金型取付面を構成しており、これら固定プラテン10及び可動プラテン12の間において、金型キャビティを形成可能な金型22を保持可能に構成されている。
金型22は、固定プラテン10の金型取付面に取り付けられる固定側金型24と、可動プラテン12の金型取付面に取り付けられる可動側金型26と、これら固定側金型24及び可動側金型26間に設けられ、固定側金型24と一以上の(本実施形態では4つの)ガイドバー27及びバネ28で連結された中間金型30とを備えるバネ付き金型である。
ガイドバー27は、固定側金型24の四隅から中間金型30の四隅に亘って4本埋設されており、その外周上に、バネ28がそれぞれ巻装されている。中間金型30は、ガイドバー27によって固定側金型24に対する型開閉方向の移動がガイドされている。
固定側金型24及び中間金型30は、バネ28の反発力により互いに離間する方向に付勢されており、これにより、これら固定側金型24と中間金型30との間には、バネ28の反発力よりも大きい型閉じ方向の外力(所定の型閉じ力)が作用しない限り、隙間が形成されている。固定側金型24及び中間金型30には、射出装置から射出された溶融樹脂を流動させる樹脂流路(図示せず)がそれぞれ形成されており、これら固定側金型24の樹脂流路と中間金型30の樹脂流路は、固定側金型24と中間金型30が密着した状態において連続した樹脂流路を形成可能で、かつ、固定側金型24と中間金型30が離間した際に互いに離間可能に構成されている。
可動プラテン12及びリンクハウジング14は、マシンベース2上に設けられたシューやスライドレール等の支持手段(図示せず)上を型開閉方向に摺動可能に載置されている。可動プラテン12及びリンクハウジング14は、それぞれ対向する面がトグルリンク機構取付面を構成しており、これら可動プラテン12及びリンクハウジング14の間に取り付けられたトグルリンク機構16が伸縮することにより、互いに型開閉方向に接近及び離間するように構成されている。リンクハウジング14は、型厚駆動装置35が駆動されることにより、タイバー18に沿ってマシンベース2上を型開閉方向に摺動移動するように構成されている。
トグルリンク機構16は、可動プラテン12とリンクハウジング14との間に架け渡された上下一対のリンク部材48と、上下一対のリンク部材48にそれぞれ連結され、型開閉方向に移動することにより上下一対のリンク部材48をそれぞれ伸縮させるクロスヘッド50と、クロスヘッド50を型開閉方向に移動させるクロスヘッド駆動装置52とを備えている。
上下一対のリンク部材48は、それぞれ、可動プラテン12のトグルリンク機構取付面に固定された可動プラテン側リンク部材54と、リンクピン56によって右端部が可動プラテン側リンク部材54と連結された右リンク部材58と、リンクピン60によって右端部が右リンク部材58の左端部と連結された左リンク部材62と、リンクハウジング14のトグルリンク機構取付面に固定され、リンクピン64によって左リンク部材62の左端部と連結されたリンクハウジング側リンク部材66とを備えている。上下一対のリンク部材48の各左リンク部材62は、それぞれ、クロスヘッド50とクロスヘッドリンク68及びリンクピン70、72を介して連結されている。このリンク部材48は、クロスヘッド50の型開閉方向の移動に追従して動くクロスヘッドリンク68によって左リンク部材62がマシン内側に引っ張られ、又は、マシン外側に押し上げられることにより、右リンク部材58及び左リンク部材62がそれぞれ各リンクピン56、60、64を中心として回転運動し、伸長及び屈曲(収縮)するように構成されている。
クロスヘッド駆動装置52は、図1及び図2に示すように、クロスヘッド50に埋設されたボールねじナット74と、リンクハウジング14を貫通して設けられ、ボールねじナット74が螺合されたボールねじ軸76と、ボールねじ軸76の基端部(リンクハウジング14のトグルリンク機構取付面と反対の面側の端部。図1中、左側の端部。)に取り付けられたチェーン用スプロケット80と、リンクハウジング14のトグルリンク機構取付面と反対の面側に取り付けられた電動モータ78と、電動モータ78の回転軸に取り付けられたモータスプロケット82と、チェーン用スプロケット80とモータスプロケット82との間に張り渡されたチェーン84とを備えており、チェーン84を介して電動モータ78の回転力をボールねじ軸76に伝達させるように構成されている。電動モータ78には、エンコーダが内蔵されており、このエンコーダによって、クロスヘッド50の移動方向、型開閉方向の移動量(すなわち、型開閉方向の位置)及び移動速度等が検出されるように構成されている。
固定プラテン10の金型取付面と反対側の面上の四隅には、各タイバー18の一端部と嵌合する固定ナット32が設けられ、この固定ナット32は、各タイバー18に対する型開閉方向(軸方向)の相対移動が規制されている。リンクハウジング14のトグルリンク機構取付面と反対側の面上の四隅には、各タイバー18の他端部に形成されたねじ切り部(図示せず)と噛合する駆動ナット34が設けられている。このリンクハウジング14の駆動ナット34は、型厚駆動装置35により回転し、各タイバー18のねじ切り部上を螺進するように構成されており、これにより、リンクハウジング14並びにこれに連結されたトグルリンク機構16及び可動プレート16等を型開閉方向に移動させるように構成されている。
型厚駆動装置35は、図1及び図2に示すように、リンクハウジング14上に取り付けられたダイハイトモータ36の回転軸に取り付けられたモータスプロケット38と、4つの駆動ナット34の周囲部にそれぞれ取り付けられたチェーン用スプロケット40と、リンクハウジング14のトグルリンク機構取付面と反対側の面上に回転可能に取り付けられた伝達歯車42と、モータスプロケット38と伝達歯車42との間に張り渡されたチェーン44と、4つのチェーン用スプロケット40と伝達歯車42に張り渡されたチェーン46とを備えており、チェーン44、46を介してダイハイトモータ36の回転力を各駆動ナット34に同期させて伝達させるように構成されている。
製品押出し装置20は、可動プラテン12のトグルリンク機構取付面上に取り付けられており、可動プラテン12に形成された押出しピン貫通孔を介して押出しピンを可動型金型26側に突出させることにより、バネ付き金型22で成形された成形品を押出して取り出すように構成されている。
トグル式型締装置1は、ロードセル等の型締力検出手段(図示せず)を備えており、固定プラテン10及び可動プラテン12間(すなわち、金型22)に付与された型締力を検出可能に構成されている。また、トグル式型締装置1は、必要な情報を表示するための表示部(図示せず)と、操作者により操作され、例えば金型厚さ情報や型締力情報等の入力を受け付ける操作入力部(図示せず)と、各種情報を記憶する記憶部(図示せず)と、トグル式型締装置1の各動作を制御する制御部(図示せず)とを備えている。記憶部は、後述する第1及び第2の関係データと、操作入力部を介して入力された情報と、後述する型締力自動設定において検出乃至算出された種々の情報とを少なくとも格納可能に構成されている。制御部は、所定のプログラムに基づいて、型厚駆動装置35、トグルリンク機構16及び製品押出し装置20の各種駆動制御並びに後述する型締力自動設定における各種演算処理を実行可能に構成されている。
このように構成されたトグル式型締装置1は、型厚駆動装置35を駆動させることにより、リンクハウジング14、トグルリンク機構16、可動プラテン12及び可動側金型26の型開閉方向への移動を実行可能に構成されている。また、トグル式型締装置1は、クロスヘッド駆動装置52を駆動し、トグルリンク機構16を伸縮させることにより、可動プラテン12及び可動側金型26を型開閉方向に移動させ、金型22の型閉じ、型締め及び型開きを実行可能に構成されている。
次に、本実施形態に係る型締力調整方法について、図3乃至図9を用いて説明する。なお、図6乃至図9においては、説明に不要なトグル式型締装置1の構成を省略すると共に、各構成を簡略的に図示している。
本実施形態に係る型締力調整方法は、まず、型締力自動設定の動作の前に、図3に示す「クロスヘッド位置−型開量」関係データ(第1の関係データ)と、図4に示す「クロスヘッド位置−型締力」関係データ(第2の関係データ)とを予め作成し、記憶部に記憶させる(関係データ用意工程)。なお、これら第1及び第2の関係データは、計算式又は実際値から作成したグラフであることが処理速度の観点から好ましいが、関係計算式そのものであっても良い。
図3は、固定側金型及び可動側金型からなるバネ式金型ではない通常の金型(通常金型)を用いて、かつ、リンクハウジングの型開閉方向の位置を使用する通常金型に応じた所定の位置に固定した場合における、クロスヘッドの型開閉方向の位置と、クロスヘッドがその位置に位置する際の通常金型の型開量との関係を示す図である。図3中のX軸は、クロスヘッドの型開閉方向の位置を表し、原点に近づくほど、クロスヘッドが可動プラテン側(ボールねじ軸の先端側)に位置することを表している。図3中のY軸は、通常金型の型開量を表し、原点に近づくほど、固定側金型の型合わせ面と可動側金型の型合わせ面との距離が狭い(型開量がゼロに近づく)ことを表している。図3中の原点は、トグルリンク機構が伸びきった状態、すなわち、クロスヘッドが最も可動プラテン側(ボールねじ軸の先端側)に移動した状態で、かつ、通常金型が金型タッチ(型閉じ)した状態を意味している。この状態からクロスヘッドを可動プラテンから遠ざけていくと、図3のグラフのようになる。
図4は、通常金型を用いた場合における、クロスヘッドの高圧切換位置(型締め開始位置)と、この高圧切換位置からクロスヘッドを型開閉方向に移動させて型締めした場合に生じる型締力との関係を示す図である。図4中のX軸は、クロスヘッドの高圧切換位置、すなわち、低速かつ低圧で型閉じさせて金型タッチさせた状態から高速かつ高圧な型締め動作に移行する際のクロスヘッドの位置を表し、原点に近づくほど、クロスヘッドの高圧切換位置が可動プラテン側(ボールねじ軸の先端側)の位置であることを表している。図4中のY軸は、通常金型に付与される型締力を表し、原点に近づくほど、型締力が小さいことを表している。図4のグラフは、通常金型が金型タッチ(型閉じ)した瞬間(型締力がゼロの状態)でのクロスヘッドの位置が原点から遠いほど、クロスヘッドが原点に移動した際の型締力が大きいことを意味している。図4中の破線の部分は、マシン毎に予め定められている仕様型締力(許容最大型締力)を超えており、許容範囲外の型締力であることを意味している。
本実施形態に係る型締力調整方法は、関係データ用意工程によって記憶部に記憶された第1の関係データ及び第2の関係データを用いて、制御部が以下で説明する型締力自動設定を所定のプラグラムに基づいて実行することにより行われる。
この型締力自動設定は、図5に示すように、まず、トグル式型締装置1に使用されている金型22が、バネ付き金型対応動作を実行する必要があるバネ付き金型であるか否かを判定する(バネ付き金型判定工程。S1)。
バネ付き金型判定工程は、使用する金型22が、バネ付き金型のような特殊な金型ではない、固定側金型及び可動側金型からなる通常の金型であると仮定して、通常の方法で型締動作を実行し、これにより検出された発生型締力が所定の判定基準値以上であるか否かを判定することにより行われる。具体的には、図4の第2の関係データを用いて、操作入力部を介して入力された所望の型締力(設定型締力A)からクロスヘッド50の理論高圧切換位置A´を特定し、このクロスヘッド50の理論高圧切換位置A´を高圧切換位置(型締め開始位置)に仮設定して型締動作を実行する。そして、この型締動作により実際に生じた(検出された)発生型締力が仕様型締力の20%以上である場合には、バネ付き金型対応動作を実行する必要なし(バネ28の影響なし)と判定し、バネ付き金型対応動作を実行することなくこの理論高圧切換位置A´を設定高圧切換位置として設定し(S2´)、後述する型締力調整(S8〜S9)に移行する。一方、検出された発生型締力が仕様型締力の20%未満である場合には、バネ付き金型対応動作を実行する必要あり(バネの影響あり)と判定し、バネ付き金型対応動作(S2〜S7)に移行する。
次に、バネ付き金型判定工程(S1)において、バネ28の影響ありと判定された場合には、バネ付き金型対応動作(S2〜S7)が実行される。このバネ付き金型対応動作は、概略的には、所定の型閉じ力未満の圧力で金型22を型閉じさせた時のクロスヘッド50の型開閉方向の位置B´(図3及び図7(a)参照)と、その位置B´から所定の型閉じ力以上の圧力で金型22を型閉じさせ、金型22の型開閉方向の型厚を減少させた(バネ28を圧縮させて中間金型30と固定側金型24とを密着させた)時のクロスヘッド50の型開閉方向の位置C´(図3及び図7(b)参照)とから、金型22の型厚の減少量(隙間X)を算出し、この型厚減少量(隙間X)に応じてクロスヘッド50の型開閉方向の理論高圧切換位置A´を調整する動作である。具体的には、バネ付き金型対応動作は、以下で説明する型厚減少量導出工程、調整型開量算出工程及びクロスヘッド高圧切換位置調整工程を実行し、また、必要に応じて、型厚減少量(隙間X)を補正する工程を実行することにより行われる。
型厚減少量導出工程は、バネ28の反発力により生じる固定側金型24と中間金型30との間の隙間Xを測定する工程である(S2)。具体的には、まず、図7(a)に示すように、クロスヘッド50を任意の型開閉方向の位置(初期型開位置B´)までリンクハウジング14側に後退させてトグルリンク機構16を比較的大きく屈曲させ、その後、型厚駆動装置35によりリンクハウジング14を低速かつ低トルクで型閉じ方向に移動させ、可動側金型26と中間金型30とを金型タッチさせる。この際の型閉じ力(トルク)は、バネ28の反発力よりも小さい型閉じ方向の外力(所定の型閉じ力未満)となるように設定する。このため、固定側金型24と中間金型30との間には、図7(a)に示すように、バネ28の反発力によって隙間Xが生じている。次に、この状態から図7(b)に示すように、バネ28の反発力よりも大きく、かつ、昇圧型締しない程度の型閉じ力(トルク)で、可動プラテン12の型閉じ方向の移動(すなわち、クロスヘッド50の可動プラテン12側への移動)が2秒間停止される位置(現在型締位置C´)までトグルリンク機構16により可動プラテン12を型閉じ方向に移動させ、中間金型30と固定側金型24とを密着させる。そして、図3の第1の関係データを用いて、クロスヘッド50の初期型開位置B´に対応する型開量B´´と、クロスヘッド50の現在型締位置C´に対応する型開量C´´を特定し、この型開量B´´から型開量C´´を減算することにより、型厚減少量、すなわち、バネ28の反発力により生じる固定側金型24と中間金型30との間の隙間Xが算出される。型厚減少量導出工程において、クロスヘッド50の初期型開位置B´は、クロスヘッド50の初期型開位置B´及び現在型締位置C´が図3に示す第1の関係データの線形に近い部分(直線性の良い部分)に位置するような値に設定されることが、型厚減少量(隙間X)の測定誤差の発生を抑止する観点から好ましい。
調整型開量算出工程は、型厚減少量(隙間X)を考慮した調整型開量D´´を算出する工程である(S3)。具体的には、バネ付き金型判定工程と同様の方法により、図4の第2の関係データを用いてクロスヘッド50の理論高圧切換位置A´を特定し、また、図3の第1の関係データを用いて、このクロスヘッド50の理論高圧切換位置A´に対応する型開量A´´を特定する。そして、この型開量A´´に型厚減少量(隙間X)を加算することにより、型厚減少量(隙間X)を考慮した調整型開量(型開目標位置)D´´を算出する。
クロスヘッド高圧切換位置調整工程は、図3の第1の関係データを用いて、調整型開量算出工程により算出された調整型開量D´´に対応するクロスヘッド50の高圧切換位置(設定高圧切換位置D´)を特定し、これを次回の型締動作の設定高圧切換位置D´として設定する工程である。具体的には、型厚減少量導出工程における金型密着状態(クロスヘッド50が現在型締位置C´に位置している状態)から、クロスヘッド50を初期型開位置B´までリンクハウジング14側に後退させると共に、型厚駆動装置35によりリンクハウジング14を型開き方向に約20mm後退(段取りストローク)させることにより、型開きを行う。その後、図3の第1の関係データを用いて、調整型開量算出工程により算出された調整型開量D´´に対応するクロスヘッド50の高圧切換位置(設定高圧切換位置D´)を特定し、図8に示すように、この設定高圧切換位置D´まで、クロスヘッド50を型開閉方向に移動させる。
以上の工程が、本実施形態に係る型締力調整方法の主な工程である。このように、本実施形態に係る型締力調整方法によれば、クロスヘッド50の高圧切換位置をバネ付き金型22の隙間Xに応じて調整することにより、搭載される金型がバネ付き金型であっても、所望の設定型締力Aを発揮させることができるようにトグル式型締装置の型締力を調整することができる。
また、本実施形態に係る型締力調整方法は、クロスヘッド50の型開閉方向の位置を制御することによって、トグル式型締装置1の型締力を調整する方法であるため、リンクハウジング14の型開閉方向の位置(すなわち、ダイハイト位置)を厳密に制御する必要がなく、それゆえ、リンクハウジング14を移動させる型厚駆動装置35の構成を簡素化することができる。すなわち、特許文献1のようなダイハイト位置を制御することにより型締力を調整する方法では、例えばリンクハウジングを移動させる型厚駆動装置を電動式にする場合には、高価なサーボモータ及びベルト駆動の使用が余儀なくされるか、又は、誘導モータ及びチェーン駆動方式を採用する場合には、高価なエンコーダ等のセンサーの使用や、チェーンのたわみなどの機械的誤差を取り除くための緻密な制御が必要となるため、設備が非常に高価になるという問題がある。これに対し、本実施形態に係る型締力調整方法によれば、リンクハウジングを移動させる型厚駆動装置に高価な設備が必要なく、少なくとも、動作以上を検出するためのセンサー装備程度で良いため、設備コストを大幅に削減することができる。
次に、以上の工程において調整された型締力を補正する工程について、説明する。本実施形態に係る型締力調整方法において、型締力の補正は、主に、型厚減少量導出工程により導出された型厚減少量(隙間X)を補正する工程(S4〜S7)と、クロスヘッド50の理論高圧切換位置A´に対応する型開量A´´を補正する工程(S8〜S9)とを必要に応じて実行し、これにより、クロスヘッド50の設定高圧切換位置D´を特定するための調整型開量(型開目標位置)D´´を補正するものである。
型厚減少量(隙間X)を補正する工程は、型厚減少量導出工程において測定された型厚減少量(隙間X)の測定誤差を是正するために実行されるものである。すなわち、本実施形態に係る型締力調整方法では、クロスヘッド50の高圧切換位置を設定高圧切換位置D´に設定することにより、理論的には所望の設定型締力Aを発揮可能な状態となる。しかしながら、型厚減少量導出工程において算出された型厚減少量(隙間X)は、例えば、型厚減少量導出工程における金型タッチ時のバネ28の収縮や、図3に示す第1の関係データ(クロスヘッド位置対型開量特性)の直線性等に起因して誤差が生じる場合がある。このような型厚減少量(隙間X)の測定誤差が生じた場合には、所望の設定型締力Aを発揮できない可能性があるため、本実施形態に係る型締力調整方法では、クロスヘッド50の設定高圧切換位置D´から実際に型締めを実行した際の実測値に基づいて、型厚減少量(隙間X)を補正する必要があるか否かを判定し、必要がある場合には、型厚減少量(隙間X)を補正する処理が制御部により実行される。
型厚減少量(隙間X)を補正する工程は、主に、クロスヘッド高圧切換位置調整工程後に、クロスヘッド50を設定高圧切換位置D´から型開閉方向に移動させて型締めする型締工程と、型締工程におけるクロスヘッド50の実際の高圧切換位置(検出高圧切換位置E´)を検出する検出工程と、検出工程により検出された検出高圧切換位置E´が予め設定された許容高圧切換位置の範囲から外れているかを判定する型厚減少量補正要否判定工程と、型厚減少量補正要否判定工程において検出高圧切換位置E´が許容高圧切換位置の範囲から外れていると判定された際に、型厚減少量(隙間X)の補正を行う型厚減少量補正工程とを含んでいる。
型締工程は、まず、クロスヘッド50を設定高圧切換位置D´に位置させた状態で、図9(a)に示すように、型厚駆動装置35によりリンクハウジング14を低速かつ低トルクで型閉じ方向に移動させて可動側金型26と中間金型30とを金型タッチさせる。この際の型閉じ力は、バネ28の反発力よりも小さくなるように設定されている。次に、図9(b)に示すように、バネ28の反発力よりも大きく、かつ、昇圧型締しない程度の型閉じ力(トルク)で、クロスヘッド50を可動プラテン12側に前進させてトグルリンク機構16を伸長させることにより、中間金型30と固定側金型24とを密着させる。この際、検出工程及び型厚減少量補正要否判定工程が実行され、必要があれば、型厚減少量補正工程が実行される。そして、型厚減少量補正要否判定工程において型厚減少量の補正が不要と判定された場合には、図9(c)に示すように、クロスヘッド50を可動プラテン12側に更に高トルクで前進させてトグルリンク機構16を完全に伸長させることにより、金型22の型締を実行する。
検出工程は、この型締工程における、クロスヘッド50の実際の高圧切換位置(検出高圧切換位置E´)、すなわち、図9(b)に示すクロスヘッド50の型開閉方向の位置を検出するものである。この検出高圧切換位置E´は、型厚減少量導出工程における金型密着点の判定基準と同様に、可動プラテン12の型閉じ方向の移動(すなわち、クロスヘッド50の可動プラテン12側への移動)が2秒間停止された位置とすることができる。
型厚減少量補正要否判定工程は、検出工程により検出された検出高圧切換位置E´が、理論高圧切換位置A´に対して所定の許容誤差範囲内に属しているか否かを判定することにより行われる(S4、S5)。具体的には、検出工程により検出された検出高圧切換位置E´が、理論高圧切換位置A´に仕様型締力を発揮させるためのMAX高圧切換位置ストローク(図4参照)の5%を加えた値よりも小さく(「理論高圧切換位置A´」+「MAX高圧切換位置ストロークの5%」>「検出高圧切換位置E´」)、かつ、理論高圧切換位置A´からMAX高圧切換位置ストロークの20%を引いた値よりも大きい(「理論高圧切換位置A´」−「MAX高圧切換位置ストロークの20%」<「検出高圧切換位置E´」)場合には、型厚減少量(隙間X)の補正処理を実行する必要なしと判定し、型厚減少量補正工程を実行することなく昇圧型締し(図9(c)参照)、型開量A´´を補正する工程(S8〜S9)に移行する。一方、検出工程により検出された検出高圧切換位置E´が、理論高圧切換位置A´にMAX高圧切換位置ストロークの5%を加えた値よりも大きい(「理論高圧切換位置A´」+「MAX高圧切換位置ストロークの5%」<「検出高圧切換位置E´」)か、又は、理論高圧切換位置A´からMAX高圧切換位置ストロークの20%を引いた値よりも小さい(「理論高圧切換位置A´」−「MAX高圧切換位置ストロークの20%」>「検出高圧切換位置E´」)場合には、型厚減少量(隙間X)の補正処理を実行する必要ありと判定し、型厚減少量補正工程(S6)に移行する。
型厚減少量補正工程は、金型タッチ(可動側金型26と中間金型30の接触)から金型密着(固定側金型24と中間金型30の接触)までの実際のクロスヘッド50の移動量を算出すると共にこのクロスヘッド50の移動量に任意の補正係数を乗じ、これにより算出された値を型開量に換算して型厚減少量(隙間X)に加算、又は、型厚減少量(隙間X)から減算することにより、型厚減少量(隙間X)を実測値に近付けるように補正するものである(S6)。具体的には、まず、検出工程により検出された検出高圧切換位置E´から理論高圧切換位置A´を引くことにより、クロスヘッド50が検出高圧切換位置E´から理論高圧切換位置A´まで移動する際の移動量、すなわち、金型タッチから金型密着までの実際のクロスヘッド50の移動量を算出する。次に、この実際のクロスヘッド50の移動量に対して任意の補正係数を乗じると共に、これにより算出されたクロスヘッド50の移動量(補正移動量)を、図3の第1の関係データや関係計算式等を用いて、金型22の型開量に換算する。そして、この換算された型開量(換算型開量)を、検出高圧切換位置E´が理論高圧切換位置A´にMAX高圧切換位置ストロークの5%を加えた値よりも大きいと判定されている場合には、型厚減少量(隙間X)に加算し、検出高圧切換位置E´が理論高圧切換位置A´からMAX高圧切換位置ストロークの20%を引いた値よりも小さいと判定されている場合には、型厚減少量(隙間X)から減算する。これにより、型厚減少量導出工程により算出された型厚減少量(隙間X)をより実測値に近付けることが可能である。
型厚減少量補正工程により型厚減少量(隙間X)が補正されると、上述した調整型開量算出工程(S3)に戻り、補正された型厚減少量(補正型厚減少量)を考慮した調整型開量(補正後調整型開量)が算出される。そして、上述したクロスヘッド高圧切換位置調整工程及び型厚減少量(隙間X)を補正する工程を、型厚減少量補正要否判定工程において型厚減少量(隙間X)の補正処理を実行する必要なしと判定されるまで繰り返し実行する。以上が、型厚減少量(隙間X)を補正する工程である。
次に、クロスヘッド50の理論高圧切換位置A´に対応する型開量A´´を補正する工程について説明する。この型開量A´´を補正する工程は、バネ付き金型判定工程においてバネ付き金型対応動作を実行する必要なしと判定された後、又は、型厚減少量補正要否判定工程において型厚減少量(隙間X)の補正処理を実行する必要なしと判定された後に実行される。具体的には、バネ付き金型判定工程においてバネ付き金型対応動作を実行する必要なしと判定された場合には、バネ付き金型判定工程において実際に検出された発生型締力と、所望の型締力(設定型締力A)とを比較し、発生型締力が設定型締力Aの±5%以内であるか否かを判定する(S2´、S8)。また、型厚減少量補正要否判定工程において型厚減少量(隙間X)の補正処理を実行する必要なしと判定された場合には、型締工程において実際に検出された発生型締力と、所望の型締力(設定型締力A)とを比較し、上記と同様に、発生型締力が設定型締力Aの±5%以内であるか否かを判定する(S8)。そして、発生型締力が設定型締力Aの±5%以内であると判定された場合には、型開量A´´の補正処理を実行する必要なしと判定し、型締力の補正処理(型締力を補正する工程)を終了する。一方、発生型締力が設定型締力Aの+5%より大きいか、又は、発生型締力が設定型締力Aの−5%より小さいと判定された場合には、発生型締力が設定型締力Aの±5%以内に収まるようにクロスヘッド50の理論高圧切換位置A´を補正し、これにより、クロスヘッド50の理論高圧切換位置A´に対応する型開量A´´を補正する(S9)。
以上の工程により、トグル式型締装置1に搭載されるバネ付き金型22に応じた最適な型締力調整が実現される。
本発明に係る型締力調整方法は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内において種々の改変を行なうことができる。
例えば、上述した実施形態では、バネ付き金型22が搭載されたトグル式型締装置1の型締力を調整する方法を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、本実施形態に係る型締力調整方法は、バネ付き金型以外の型閉方向に所定の型閉じ力が付与されることにより型開閉方向の型厚が減少する特殊金型、例えば反発磁気により中間金型及び固定側金型に隙間が形成される金型等に対しても、上述したバネ付き金型と同様の方法により、型締力を調整することが可能である。
本実施形態では、バネ付き金型対応動作を実行するか否かの判定基準として、検出された発生型締力が仕様型締力の20%以上であるか否かという判定基準を用いて説明した。これは、検出された発生型締力が仕様型締力の20%以上である場合には、ある程度の型締力が発揮されていることから、搭載された金型がバネ付き金型ではないか、又は、バネ付き金型であってもバネ28の影響が無視できるほど小さいと考えられ、一方、検出された発生型締力が仕様型締力の20%未満である場合には、十分な型締力が発揮されていないことから、バネ28の影響が大きく、固定側金型24と中間金型30との間に隙間が生じていると考えられるためである。しかしながら、本実施形態に係る型締力調整方法において、バネ付き金型対応動作を実行するか否かの判定は、上記判定基準に限定されるものではなく、種々の方法により行うことが可能である。
本実施形態では、型厚減少量導出工程における金型密着点の判定基準及び検出工程における検出高圧切換位置の判定基準として、クロスヘッド50の可動プラテン12側への移動が2秒間停止される位置という判定基準を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、種々の方法により行うことが可能である。
本実施形態では、クロスヘッド高圧切換位置調整工程において、リンクハウジング14を型開き方向に約20mm後退させると説明したが、これに限定されず、リンクハウジング14の型開き方向の移動は、任意位置までの移動又は任意時間の移動であっても良い。
本実施形態では、型厚減少量補正要否判定工程の判定基準として、理論高圧切換位置A´にMAX高圧切換位置ストロークの5%を加えた値及び理論高圧切換位置A´からMAX高圧切換位置ストロークの20%を引いた値を上限値及び下限値とした許容高圧切換位置の範囲(許容誤差範囲)に、検出高圧切換位置E´が属するか否かという判定基準を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、種々の方法により行うことが可能である。
本実施形態における型厚減少量補正工程の補正方法は、上述した方法に限定されるものではなく、型厚減少量(隙間X)を実測値に近付けることが可能な方法であれば、いかなる補正方法であっても良い。また、型厚減少量補正工程において用いられる補正係数は、適宜設定することができる。
また、本実施形態において説明したトグル式型締装置1は、本実施形態に係る型締力調整方法に用いることが可能な型締装置の一例を示すものであり、本発明に係る型締力調整方法を実行可能な範囲において、種々の改変を行なうことができる。
例えば、実施形態では、クロスヘッド50がリンクハウジング14側に取り付けられる形態を例に挙げて種々の工程について説明したが、これに限定されるものではなく、クロスヘッド50が可動プラテン12側に取り付けられる形態であっても、同様の工程により、型締力を調整することが可能である。但し、この場合には、クロスヘッドが型閉じ方向(可動プラテン側)に移動した際にトグルリンク機構が屈曲(収縮)し、クロスヘッドが型開き方向(リンクハウジング側)に移動した際にトグルリンク機構が伸長する態様となるため、上述した方法とクロスヘッドの移動方向が反対となる。
本実施形態の説明において、クロスヘッド駆動装置52は、クロスヘッド50に埋設されたボールねじナット74が螺合するボールねじ軸76を電動モータ78によって回転させるものとして説明したが、これに限定されず、クロスヘッドを型開閉方向に移動可能で、かつ、クロスヘッドの型開閉方向の位置を検出及び制御可能なものであれば良い。
本実施形態の説明において、型厚駆動装置35は、モータの回転力をチェーン及びスプロケット等により駆動ナット34に伝達させるものとしたが、これに限定されず、リンクハウジングを型開閉方向に移動可能なものであれば良い。また、本実施形態の説明において、駆動ナット34の螺進は、型厚駆動装置35によって駆動ナット34回転させることにより行うとしたが、これに限定されず、型厚駆動装置35によって各タイバー18を回転させることにより行うとしても良い。
1 トグル式型締装置、2 マシンベース、10 固定プラテン、12 可動プラテン、14 リンクハウジング、16 トグルリンク機構、18 タイバー、20 製品押出し装置、22 金型、24 固定側金型、26 可動側金型、27 ガイドバー、28 バネ、30 中間金型、32 固定ナット、34 駆動ナット、35 型厚駆動装置、36 ダイハイトモータ、38,82 モータスプロケット、40,80 チェーン用スプロケット、42 伝達歯車、44,46,84 チェーン、48 リンク部材、50 クロスヘッド、52 クロスヘッド駆動装置、54 可動プラテン側リンク部材、56,60,64,70,72 リンクピン、58 右リンク部材、62 左リンク部材、66 リンクハウジング側リンク部材、68 クロスヘッドリンク、74 ボールねじナット、76 ボールねじ軸、78 電動モータ、A 設定型締力、A´ 理論高圧切換位置、A´´,B´´,C´´ 型開量、B´ 初期型開位置、C´ 現在型締位置、D´ 設定高圧切換位置、D´´ 調整型開量、X 型厚減少量(隙間)、E´ 検出高圧切換位置

Claims (4)

  1. 型閉方向に所定の型閉じ力が付与されることにより型開閉方向の型厚が減少する特殊金型を備え、クロスヘッドを型開閉方向に移動させることによりトグルリンク機構を伸縮させ、前記特殊金型の型開閉及び型締めを行うトグル式型締装置の型締力を調整するための型締力調整方法であって、
    予め、固定側金型及び可動側金型からなる通常金型を用いた場合における、クロスヘッドの型開閉方向の位置と該クロスヘッド位置における前記通常金型の型開量との関係を示す第1の関係データと、前記通常金型を用いた場合における、クロスヘッドの高圧切換位置と該高圧切換位置からクロスヘッドを型開閉方向に移動させて型締めした場合に生じる型締力との関係を示す第2の関係データとを用意する関係データ用意工程と、
    前記所定の型閉じ力未満の圧力で前記特殊金型を型閉じさせた時のクロスヘッドの型開閉方向の位置と、その位置から前記所定の型閉じ力以上の圧力で前記特殊金型を型閉じさせ、前記特殊金型の型開閉方向の型厚を減少させた時のクロスヘッドの型開閉方向の位置とを検出し、これら検出されたクロスヘッドの両位置から、前記第1の関係データを用いて、前記特殊金型の型厚の減少量を導出する型厚減少量導出工程と、
    前記第1の関係データ及び前記第2の関係データを用いて、所望の型締力を発揮させるためのクロスヘッドの理論高圧切換位置及び該理論高圧切換位置における前記通常金型の型開量を特定し、該型開量に前記型厚減少量導出工程により導出された型厚減少量を加算した調整型開量を算出する調整型開量算出工程と、
    前記第1の関係データを用いて、前記調整型開量算出工程により算出された調整型開量に対応するクロスヘッドの型開閉方向の位置を特定し、該クロスヘッド位置を、調整されたクロスヘッドの設定高圧切換位置として設定するクロスヘッド高圧切換位置調整工程と
    を備えることを特徴とする型締力調整方法。
  2. 前記クロスヘッド高圧切換位置調整工程後に、クロスヘッドを前記設定高圧切換位置から型開閉方向に移動させて型締めする型締工程と、
    前記型締工程におけるクロスヘッドの高圧切換位置を検出する検出工程と、
    前記検出工程により検出された検出高圧切換位置が予め設定された許容高圧切換位置の範囲から外れているかを判定する型厚減少量補正要否判定工程と、
    前記判定工程において、前記検出高圧切換位置が許容高圧切換位置の範囲から外れていると判定された際に、前記型厚減少量の補正を行う型厚減少量補正工程と
    を更に備えることを特徴とする請求項1記載の型締力調整方法。
  3. 型閉方向に所定の型閉じ力が付与されることにより型開閉方向の型厚が減少する金型を備え、クロスヘッドを型開閉方向に移動させることによりトグルリンク機構を伸縮させ、前記金型の型開閉及び型締めを行うトグル式型締装置の型締力を調整するための型締力調整方法であって、
    前記所定の型閉じ力未満の圧力で前記金型を型閉じさせた時の前記クロスヘッドの型開閉方向の位置と、その位置から前記所定の型閉じ力以上の圧力で前記金型を型閉じさせ、前記金型の型開閉方向の型厚を減少させた時の前記クロスヘッドの型開閉方向の位置とから、前記金型の型厚の減少量を算出し、該型厚減少量に応じて前記クロスヘッドの型開閉方向の高圧切換位置を調整することにより、トグル式型締装置の型締力を調整する
    ことを特徴とする型締力調整方法。
  4. 前記調整されたクロスヘッドの高圧切換位置からクロスヘッドを型開閉方向に移動させて型締めした場合に検出された高圧切換位置が、予め設定された許容高圧切換位置の範囲から外れている場合に、前記型厚減少量の補正を行う
    ことを特徴とする請求項3記載の型締力調整方法。
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