JP2014080704A - 改質繊維およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の改質繊維は、精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンまたはレーヨンにエポキシ化合物が結合した改質繊維であって、該エポキシ化合物は、レゾルシノールジグリシジルエーテルおよびハイドロキノンジグリシジルエーテルの少なくともいずれか一方であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
また、本発明は、上記改質繊維の製造方法にも係わり、該製造方法は、エポキシ化合物を含有する処理液に、精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンまたはレーヨンを浸漬して、該精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンまたはレーヨンに該エポキシ化合物を結合させる工程を含み、該エポキシ化合物は、レゾルシノールジグリシジルエーテルおよびハイドロキノンジグリシジルエーテルの少なくともいずれか一方であることを特徴とする改質繊維の製造方法である。
<改質繊維>
本発明の改質繊維は、精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンまたはレーヨンにエポキシ化合物が結合された改質繊維であることを特徴とする。また、絹繊維にエポキシ化合物が結合された改質繊維も本発明の改質繊維と同様に優れた特性を示す。
本発明の改質繊維の母材となる精製セルロース繊維とは、再生セルロース繊維の一種であり、木材パルプ等を有機溶剤等に溶解させ、フィルターでろ過したのち、不純物を取り除いて紡糸して得られる繊維である。代表的なものに、「テンセル(登録商標)」や「リヨセル(登録商標)」がある。精製セルロース繊維は、原料セルロースの化学的分解による誘導体化を経ないため、強度面で優れている。また、本発明の改質繊維の母材には、精製セルロースの代わり、天然セルロースを用いても良い。天然セルロース繊維とは、たとえば、綿、麻などである。
本発明の改質繊維の母材となる銅アンモニアレーヨンとは、再生繊維の一種であり、綿花のリンターから採取した綿を銅アンモニア溶液(シュバイツァー溶液)に溶解させ、フィルターでろ過したのち、不純物を取り除いて紡糸して得られる繊維である。代表的なものに「ベンベルグ(登録商標)」がある。また、本発明の改質繊維の母材には、レーヨンを用いることもできる。
改質繊維の母材には絹繊維を用いることもできる。絹繊維には、絹織物、絹編物、絹糸、絹紡績糸、絹短繊維などが含まれる。また、絹織物には、平織、綾織のほか、撚りによって立体構造を有する縮緬などの繊維構造体が含まれる。
エポキシ化合物は、下記化学式(1)に示すレゾルシノールジグリシジルエーテル(以下、「RDGE」とも記す。)、および下記化学式(2)に示すハイドロキノンジグリシジルエーテル(以下、「HDGE」とも記す。)の少なくともいずれか一方である。すなわち、改質絹繊維は、RDGEおよびHDGEのいずれかが結合していてもよく、両方が結合されていてもよい。
本発明の改質繊維は、第4級アンモニウム塩を有することによって、耐摩耗性をさらに高めることができる。ここで、第4級アンモニウム塩としては、クロロヒドリン基を有する第4級アンモニウム塩、エポキシ基を有する第4級アンモニウム塩、トリアジン基を有する第4級アンモニウム塩、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミンを挙げることができる。たとえば、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルメチルアンモニウムクロライド、モノクロロエチルジエチルアミン、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドなどを用いることができる。また、ポリ第4級アンモニウム塩などであってもよい。これらのうち、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドおよび2,3−グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
<改質繊維の製造方法>
本発明の製造方法は、RDGEおよびHDGEの少なくともいずれか一方のエポキシ化合物を含有する処理液に繊維を浸漬して、繊維にエポキシ化合物を結合させる工程を含む。
まず、改質絹縮緬を製造し、耐摩擦性を評価した。
まず、0.25gのRDGE(デナコールEX201;ナガセケムテックス株式会社製)と、0.5gの分散剤(ディスパーVG;明成化学株式会社製)とをよく練り合わせ、この練物を撹拌槽に収納した。そして、練物に水を徐々に加えて、乳化分散させることによって、RDGEを含有する処理液を準備した。なお、用いた水の総量は200mlであった。次に、5gの絹縮緬(長浜ちりめん株式会社製)を準備した処理液に浸漬した。なお、絹縮緬の目付けは、150g/m2であった。エポキシ化合物の絹縮緬への結合を均一にするために、絹縮緬が浸漬された処理液を撹拌した。
まず、0.7gのDMFに0.25gのHDGE(デナコールEX203;ナガセケムテックス株式会社製)を溶解した溶解物と、1.7gの分散剤(ディスパーVG;明成化学株式会社製)とをよく練り合わせ、この練物を撹拌槽に収納した。そして、実験例1と同様の方法により、処理液を準備した。上記以外は、実験例1と同様の方法により、処理済絹縮緬を作製した。なお、2枚の処理済絹縮緬を作製した。
RDGEおよび分散剤を用いなかった以外は、実験例1と同様の方法により、絹縮緬を処理した。すなわち、比較実験例1では、実験例1および2と同様に、絹縮緬に対して浸漬処理、洗浄処理などを行ったが、絹縮緬へのエポキシ化合物の結合は行なわなかった。なお、2枚の処理済絹縮緬を作製した。
後述の摩擦試験において、白ぼけの発生の観察が容易となるように、実験例1、2および比較実験例1で作製された処理済絹縮緬を1枚ずつ青色に染色した。具体的には、下記配合の染色液Aに処理済絹縮緬を浸漬して、60℃で60分間撹拌することによって、染色処理を行った。染色処理後の各処理済絹縮緬を、ノニオン活性剤(ECB−50;大日精化工業株式会社製)を3g/l含む洗浄液に浸漬して、60℃で30分間撹拌洗浄した。そして、撹拌洗浄後の各処理済絹縮緬を、温水による洗浄、水による洗浄の順に洗浄処理した後、乾燥させた。
Sumifix Brill Blue R(住化ケムテックス株式会社製):7%owf
ニューボンMRW(日華化学株式会社製) :1%owf
無水硫酸ナトリウム :40g/l
炭酸ナトリウム :4g/l
(黒色染色処理)
後述の洗濯試験において、白ぼけの発生の観察が容易となるように、実験例1、2および比較実験例1で作製された処理済絹縮緬を1枚ずつ黒色に染色した。具体的には、下記配合の染色液Bに処理済絹縮緬を浸漬して、70℃で60分間撹拌することによって、染色処理を行った。染色処理後の各処理済絹縮緬を、ノニオン活性剤(ECB−50;大日精化工業株式会社製)を5g/l含む洗浄液に浸漬して、60℃で30分間撹拌洗浄した。そして、撹拌洗浄後の各処理済絹縮緬を、温水による洗浄、水による洗浄の順に洗浄処理した後、乾燥させた。
Funder Riactive Black BG(住化ケムテックス株式会社製):15%owf
ニューボンMRW(日華化学株式会社製) :1%owf
無水硫酸ナトリウム :50g/l
炭酸ナトリウム :20g/l
(摩擦実験)
学振型摩擦堅牢度試験機((株)大栄科学精機製作所製)を用いて、青色に染色された各処理済絹縮緬の摩擦試験を行った。具体的には、布重量と同量の水を含ませた綿布からなる摩擦布を用いて、100gの荷重をかけながら、処理済絹縮緬に対して100往復摩擦布をスライドさせた。摩擦試験後、処理済絹縮緬の摩擦面における毛羽立ちおよび白ぼけを、マイクロスコープで200倍に拡大観察することによって確認した。
家庭用電気洗濯機(東芝アプライアンス株式会社製)を用いて、JIS L 0217 103法に従って、黒色に染色された各処理済絹縮緬の洗濯試験を行った。具体的には、まず、家庭用電気洗濯機に処理済絹縮緬を投入し、負荷布としてポリエステルからなる布を投入した。次に、処理済絹縮緬の浴比が1:50になるように、家庭用電気洗濯機に45℃の水を加えて、さらに、3g/lのポリオキシエチレンアルキルエーテル系中性洗剤(アクロン;ライオン株式会社製)を投入して、50分間洗濯試験を行ない、その後平干しして乾燥させた。洗濯試験後、処理済絹縮緬の表面における毛羽立ちおよび白ぼけを、マイクロスコープで200倍に拡大観察することによって確認した。
実験例1で作製された処理済絹縮緬について、摩擦試験後の表面状態を図1に、洗濯試験後の表面状態を図2に示す。また、実験例2で作製された処理済絹縮緬について、摩擦試験後の表面状態を図3に、洗濯試験後の表面状態を図4に示す。また、比較実験例1で作製された処理済絹縮緬について、摩擦試験後の表面状態を図5に、洗濯試験後の表面状態を図6に示す。なお、各図は、各処理済絹縮緬の表面をマイクロスコープを用いて200倍に拡大した映像を撮影したものである。
(実験例3)
5gの絹縮緬(長浜ちりめん株式会社製)の代わりに、5gの絹羽二重6匁((有)紺野機業場(福島県)製)を用いた以外は、実験例1と同様の方法により、処理済絹羽二重6匁を作製した。なお、絹羽二重6匁の目付けは20g/m2であった。
5gの絹縮緬(長浜ちりめん株式会社製)の代わりに、5gの上記絹羽二重6匁を用いた以外は、実験例2と同様の方法により、処理済絹羽二重6匁を作製した。
5gの絹縮緬(長浜ちりめん株式会社製)の代わりに、5gの上記絹羽二重6匁を用いた以外は、比較実験例1と同様の方法により、処理済絹羽二重6匁を作製した。
実験例3、4および比較実験例2で作製された処理済絹羽二重6匁を、上記と同様の青色染色処理の方法によって青色に染色し、その後、上記と同様の摩擦試験を行った。
実験例3で作製された処理済絹羽二重6匁について、摩擦試験後の表面状態を図7に示す。実験例4で作製された処理済絹羽二重6匁について、摩擦試験後の表面状態を図8に示す。比較実験例2で作製された処理済絹羽二重6匁について、摩擦試験後の表面状態を図9に示す。なお、各図は、各処理済絹羽二重6匁の表面を200倍に拡大して撮影した映像である。
上記実験(1)および実験(2)により、RDGEおよびHDGEを絹縮緬、絹羽二重6匁などの絹繊維構造体に結合させることによって、絹繊維構造体の耐摩擦性が向上することがわかった。そこで、RDGEおよびHDGEの上記効果を、他のエポキシ化合物を結合させた場合と比較した。
0.4gのRDGE(デナコールEX201;ナガセケムテックス株式会社製)と、0.5gの分散剤(ディスパーVG;明成化学株式会社製)とをよく練り合わせた以外は、実験例1と同様の方法により、処理済絹縮緬を作製した。
0.7gのDMFに0.4gのHDGE(デナコールEX203;ナガセケムテックス株式会社製)を溶解した以外は、実験例2と同様の方法により、処理済絹縮緬を作製した。
RDGEの代わりに、0.4gのジエチレングリコールジグリシジルエーテル(エポライト100E;共栄社化学株式会社製)を用いた以外は、実験例1と同様の方法により、処理済絹縮緬を作製した。
RDGEの代わりに、0.4gのグリセロールポリグリシジルエーテル(デナコールEX313;ナガセケムテックス株式会社製)を用いた以外は、実験例1と同様の方法により、処理済絹縮緬を作製した。なお、当該グリセロールポリグリシジルエーテルは、グリセロールジグリシジルエーテルおよびグリセロールトリグリシジルエーテルが混在してなる。
RDGEの代わりに、0.4gの1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(デナコールEX212;ナガセケムテックス株式会社製)を用いた以外は、実験例1と同様の方法により、処理済絹縮緬を作製した。
RDGEの代わりに、0.4gの水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル(エポライト4000;共栄社油脂化学工業社製)を用いた以外は、実験例1と同様の方法により、処理済絹縮緬を作製した。
実験例5、6および比較実験例3〜6で作製された処理済絹縮緬を、上記と同様の青色染色処理の方法によって青色に染色し、その後、上記と同様の摩擦試験を行い、マイクロスコープを用いて、処理済絹縮緬の摩擦された表面を観察した。
実験例5および実験例6で作製された処理済絹縮緬の摩擦試験後の表面には、毛羽立ちおよび白ぼけは観察されなかった。これに対し、比較実験例3〜6で作製された処理済絹縮緬の摩擦試験後の表面には毛羽立ちおよび白ぼけが観察された。この結果から、RDGEやHDGEが結合された絹縮緬は、従来のエポキシ化合物が結合された絹繊維よりも高い耐摩擦性を有することがわかった。
上記実験(3)の結果から、RDGEやHDGEのエポキシ化合物の絹繊維への結合効率が高いことが分かった。なお、エポキシ化合物の結合効率とは、改質絹繊維に結合したエポキシ化合物の重量を、絹繊維を浸漬する前の処理液中に含有されていたエポキシ化合物の重量で割った値の百分率である。また、絹繊維にRDGEやHDGEが結合することによって、他のエポキシ化合物が結合する場合よりも高い耐摩擦性を有することが分かった。そこで、以下の検討を行った。
上記実験(1)〜(4)において、絹織物を用いて検討を行った。これに対し、実験(5)では、絹紡績糸を用いて検討を行った。なお、絹紡績糸とは、絹短繊維を紡績したものである。
まず、25gのRDGE(デナコールEX201;ナガセケムテックス株式会社製)と、50gの分散剤(ディスパーVG;明成化学株式会社製)とをよく練り合わせ、この練物に水を徐々に加えて、乳化分散させることによって、RDGEを含有する処理液を準備した。なお、用いた水の総量は500mlであった。次に、番手MC2/60の500gの絹紡績糸(SPCC;泗陽絹紡厰製)を染色チューブに巻いて、チーズ染色機にセットした。次に、このチーズ染色機に4000mlの水を循環させながら、上記処理液を徐々に添加した。
RDGEおよび分散剤を用いず、チーズ染色機に循環させる水の量と、用いた24%水酸化ナトリウム水溶液の量とを変更した以外は、実験例13と同様の方法により、処理済絹紡績糸を作製した。具体的には、比較実験例7において、チーズ染色機に5000mlの水を循環させながら、5gの24%水酸化ナトリウムを直接チーズ染色機に徐々に添加させた。
次に、チーズ染色機を用い、上記実験例13および比較実験例7で作製された処理済絹紡績糸に対し、黒色染色処理を行った。なお、黒色染色処理には上記染色液Bを用いた。染色処理後、筒編み機(針本数180本;丸善産業株式会社製)を用いて、幅10cm×長さ30cmの編地を作製した。その後、上記と同様の摩擦試験を行い、マイクロスコープを用いて、編地の表面を観察した。また、JIS L 0217 103法に従って、上記と同様の方法により各編地を30回洗濯し、洗濯後の各編地の表面を、マイクロスコープを用いて観察した。
実験例13で作製された処理済絹紡績糸を用いた編地について、摩擦試験後の表面状態および洗濯試験後の表面状態をそれぞれ図10および図11に示す。比較実験例7で作製された処理済絹紡績糸を用いた編地について、摩擦試験後の表面状態および洗濯試験後の表面状態をそれぞれ図12および図13に示す。なお、各図は、各処理済紡績絹糸を用いた編地の表面を200倍に拡大して撮影した映像である。
次に、実験例13で作製された処理済紡績糸であって、黒色染色処理後の処理済紡績糸を用い、以下の作成条件に従って編地を作成した。
編機 :横編機14ゲージ(株式会社島精機製作所)
編組織 :天竺
編地サイズ:25cm×50cm(縦×横)
そして、JIS L 0217 103法に従って、編地を10回洗濯し、洗濯後の編地の寸法の変化を測定した。寸法の変化は、洗濯前の編地の縦方向に関する40cm幅の両端、および横方向に関する20cm幅の両端に白糸を縫い付けることによって印を付けて、洗濯後にその印の位置間の長さを測定することによって観察した。洗濯前後の編地の寸法を表3に示す。
精製セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンを用いて本発明の製造方法によって改質された繊維を製造し、耐フィブリル性および寸法安定性を評価した。
まず、精製セルロース繊維として、レンチング社より販売されている「テンセル(登録商標)」(タイター:1.4dtex、繊維長さ:38mm)を準備した。
実施例1において、処理液に第4級アンモニウム塩(カチオノンKCN)を加えない以外は、実施例1と同様にして、処理済み精製セルロース繊維を作製した。
比較例1として、レンチング社より販売されている「テンセル(登録商標)」(タイター:1.4dtex、繊維長さ:38mm)を無処理のまま用いた。
実施例1において、処理液にRDGE(デナコールEX201)および分散剤(ディスパーVG)を加えない以外は、実施例1と同様にして、処理済み精製セルロース繊維を作製した。
比較例2において、第4級アンモニウム塩(カチオノンKCN)の処理液への添加量を50g/Lとする以外は、比較例2と同様にして、処理済み精製セルロース繊維を作製した。
銅アンモニアレーヨンとして、旭化成せんい株式会社より販売されている「ベンベルグ(登録商標)」(タイター:1.4dtex、繊維長さ:38mm)を準備し、実施例1において、精製セルロース繊維を銅アンモニアレーヨンとする以外は、実施例1と同様にして、処理済み銅アンモニアレーヨンを作製した。
比較例4として、旭化成せんい株式会社より販売されている「ベンベルグ(登録商標)」(タイター:1.4dtex、繊維長さ:38mm)を無処理のまま用いた。
絹繊維として、シルクスライバーA1(楓樹;浙江省桐郷河山偉業紡織有限責任公司製)を準備し、実施例1において、精製セルロース繊維を絹繊維とする以外は、実施例1と同様にして、処理済み絹繊維を作製した。
比較参考例1として、シルクスライバーA1(楓樹;浙江省桐郷河山偉業紡織有限責任公司製)を無処理のまま用いた。
上記のようにして作製された実施例1、2および参考例1ならびに比較例1〜4および比較参考例1の繊維の耐フィブリル性を評価するため、以下の試験を行なった。
次いで、実施例1、2および参考例1、ならびに比較例1、4および比較参考例1の繊維の寸法安定性を評価するため、以下の試験を行なった。
Claims (4)
- 精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンまたはレーヨンにエポキシ化合物が結合した改質繊維であって、
前記エポキシ化合物は、レゾルシノールジグリシジルエーテルおよびハイドロキノンジグリシジルエーテルの少なくともいずれか一方である、改質繊維。 - 第4級アンモニウム塩をさらに含む、請求項1に記載の改質繊維。
- エポキシ化合物を含有する処理液に、精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンまたはレーヨンを浸漬して、前記精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンまたはレーヨンに前記エポキシ化合物を結合させる工程を含み、
前記エポキシ化合物は、レゾルシノールジグリシジルエーテルおよびハイドロキノンジグリシジルエーテルの少なくともいずれか一方である、改質繊維の製造方法。 - 前記処理液は、第4級アンモニウム塩を含有する、請求項3に記載の改質繊維の製造方法。
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