JP2014080704A - 改質繊維およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】湿潤時において高い耐摩耗性を有するとともに、高い耐洗濯性を有する改質繊維およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の改質繊維は、精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンまたはレーヨンにエポキシ化合物が結合した改質繊維であって、該エポキシ化合物は、レゾルシノールジグリシジルエーテルおよびハイドロキノンジグリシジルエーテルの少なくともいずれか一方であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、改質繊維およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨン、レーヨンまたは絹繊維にエポキシ化合物が結合された改質繊維およびその製造方法に関する。
絹繊維は独特な光沢感を有し肌触りがよいことで知られ、高級繊維として広く普及している。精製セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンは、絹繊維を模して作られた再生セルロース繊維であり、絹繊維に近い光沢感や肌触りを有している。このような再生セルロース繊維としては、たとえば、レンチング社より販売されている精製セルロース繊維である「テンセル(登録商標)」および「リヨセル(登録商標)」、旭化成せんい株式会社より販売されている銅アンモニアレーヨンである「ベンベルグ(登録商標)」などが代表的である。
絹や再生セルロース繊維は衣類用などに高い利用価値を有するが、その反面、耐薬品性、防しわ性、寸法安定性、耐摩擦性などの特性が低く、繰り返し洗濯されると、湿潤下における摩擦によって繊維のフィブリル化が起こり、風合いが劣化したり、白化現象(以下、白ぼけとも記す)を起こしたりすることが知られている。
このため、上記の特性を改善するため従来から様々な試みがなされている。たとえば、特公昭47−024199号公報(特許文献1)には、中性塩触媒とエポキシ化合物を共存させた一浴中で繊維を処理することによって、高い耐薬品性を有する繊維が得る方法が提案されている。また、塩崎英樹、「ウォッシャブルシルクの現況と将来」、加工技術、1989年、Vol.24、No.2、第74−77頁(非特許文献1)には、絹糸をエチレングリコール系のエポキシ化合物を含有する水溶液中で加熱処理することによって、毛羽立ちの少ない加工絹糸を得る方法が提案されている。
特公昭47−024199号公報
塩崎英樹、「ウォッシャブルシルクの現況と将来」、加工技術、1989年、Vol.24、No.2、第74−77頁
しかしながら、上記非特許文献1においては、具体的なエポキシ化合物は不明であり、上記特許文献1において作製された絹繊維の耐摩擦性も不明である。そして、未だ、精製セルロース繊維、銅アンモニアレーヨン、絹繊維の耐摩擦性を向上させる技術は十分でなく、さらなる技術の開発が進められているのが実情である。
本発明は、上記のような現状に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、湿潤時において高い耐摩耗性を有するとともに、高い耐洗濯性を有する改質繊維およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意検討を重ねたところ、絹フィブロイン内に、2つのエポキシ基を有するエポキシ化合物を架橋させることによって、絹繊維に高い耐摩擦性を付与できることを着想し、この着想に基づき、セルロース繊維およびレーヨンについても検討を行ない、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の改質繊維は、精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンまたはレーヨンにエポキシ化合物が結合した改質繊維であって、該エポキシ化合物は、レゾルシノールジグリシジルエーテルおよびハイドロキノンジグリシジルエーテルの少なくともいずれか一方であることを特徴とする。
また、絹繊維にエポキシ化合物が結合した改質繊維であって、該エポキシ化合物は、レゾルシノールジグリシジルエーテルおよびハイドロキノンジグリシジルエーテルの少なくともいずれか一方である改質繊維も本発明と同様の効果を有する。
ここで、上記改質繊維は、第4級アンモニウム塩をさらに含むことが好ましい。
また、本発明は、上記改質繊維の製造方法にも係わり、該製造方法は、エポキシ化合物を含有する処理液に、精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンまたはレーヨンを浸漬して、該精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンまたはレーヨンに該エポキシ化合物を結合させる工程を含み、該エポキシ化合物は、レゾルシノールジグリシジルエーテルおよびハイドロキノンジグリシジルエーテルの少なくともいずれか一方であることを特徴とする改質繊維の製造方法である。
また、エポキシ化合物を含有する処理液に絹繊維を浸漬して、該絹繊維に該エポキシ化合物を結合させる工程を含み、該エポキシ化合物は、レゾルシノールジグリシジルエーテルおよびハイドロキノンジグリシジルエーテルの少なくともいずれか一方であることを特徴とする改質繊維の製造方法も本発明と同様の効果を有する。
ここで、上記処理液は、第4級アンモニウム塩を含有することが好ましい。
本発明の改質繊維は、高い耐摩耗性を有する繊維であり、特に湿潤時において優れた耐摩耗性を発揮する。また、本発明の改質繊維は、乾燥時と湿潤時との寸法変化が極めて小さく、高い耐洗濯性を有することができる。さらに、本発明の製造方法によれば、上記の特性を有する改質繊維を製造することができる。
なお、本明細書において、耐摩擦性の高さは、繊維の毛羽立ち、白ぼけの生じ難さを示す指標である。絹繊維は、繊維同士の擦れ合い、もみ合いなどによって繊維が割れてフィブリル(小繊維)化し、結果的に毛羽立ち、白ぼけが生じ易いため、耐摩擦性が低い傾向にあるが、絹繊維の耐摩擦性を向上させることによって、毛羽立ち、白ぼけが生じ難くなる。
また、浴比とは、繊維の重量(g)に対する処理液(ml)の比を示す指標である。たとえば、5gの絹繊維を100mlの処理液中で処理する場合、その浴比は1:20となり、5gの絹繊維を200mlの処理液中で処理する場合、その浴比は1:40となる。すなわち、1:20の浴比は、1:40の浴比の場合よりも、絹繊維の重量に対する処理液の液量が少なく、1:20の浴比は1:40の浴比よりも低いことになる。
また、重量比率について、たとえば、物質Aが5gであり、物質Bが0.5gの場合、物質Aに対する物質Bの重量比率は、物質Bの重量/物質Aの重量×100で算出され、その値は10%となる。
実験例1において作製された絹縮緬の摩擦試験後の表面状態を示す図である。 実験例1において作製された絹縮緬の洗濯試験後の表面状態を示す図である。 実験例2において作製された絹縮緬の摩擦試験後の表面状態を示す図である。 実験例2において作製された絹縮緬の洗濯試験後の表面状態を示す図である。 比較実験例1において作製された絹縮緬の摩擦試験後の表面状態を示す図である。 比較実験例1において作製された絹縮緬の洗濯試験後の表面状態を示す図である。 実験例3において作製された絹羽二重6匁の摩擦試験後の表面状態を示す図である。 実験例4において作製された絹羽二重6匁の摩擦試験後の表面状態を示す図である。 比較実験例2において作製された絹羽二重6匁の摩擦試験後の表面状態を示す図である。 実験例13において作製された絹紡績糸を用いた編地の摩擦試験後の表面状態を示す図である。 実験例13において作製された絹紡績糸用いた編地の103法に基づく洗濯試験後の表面状態を示す図である。 比較実験例7において作製された絹紡績糸用いた編地の摩擦試験後の表面状態を示す図である。 比較実験例7において作製された絹紡績糸用いた編地の103法に基づく洗濯試験後の表面状態を示す図である。 実施例1において作製された処理済み精製セルロース繊維の耐フィブリル性試験後の短繊維の状態を示す図である。 実施例2において作製された処理済み精製セルロース繊維の耐フィブリル性試験後の短繊維の状態を示す図である。 比較例1の精製セルロース繊維の耐フィブリル性試験後の短繊維の状態を示す図である。 比較例2において作製された処理済み精製セルロース繊維の耐フィブリル性試験後の短繊維の状態を示す図である。 比較例3において作製された処理済み精製セルロース繊維の耐フィブリル性試験後の短繊維の状態を示す図である。 実施例3において作製された処理済み銅アンモニアレーヨンの耐フィブリル性試験後の短繊維の状態を示す図である。 比較例4の銅アンモニアレーヨンの耐フィブリル性試験後の短繊維の状態を示す図である。 参考例1において作製された処理済み絹繊維の耐フィブリル性試験後の短繊維の状態を示す図である。 比較参考例1の絹繊維の耐フィブリル性試験後の短繊維の状態を示す図である。
以下、本発明の改質繊維について詳細に説明する。
<改質繊維>
本発明の改質繊維は、精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンまたはレーヨンにエポキシ化合物が結合された改質繊維であることを特徴とする。また、絹繊維にエポキシ化合物が結合された改質繊維も本発明の改質繊維と同様に優れた特性を示す。
≪精製セルロース繊維≫
本発明の改質繊維の母材となる精製セルロース繊維とは、再生セルロース繊維の一種であり、木材パルプ等を有機溶剤等に溶解させ、フィルターでろ過したのち、不純物を取り除いて紡糸して得られる繊維である。代表的なものに、「テンセル(登録商標)」や「リヨセル(登録商標)」がある。精製セルロース繊維は、原料セルロースの化学的分解による誘導体化を経ないため、強度面で優れている。また、本発明の改質繊維の母材には、精製セルロースの代わり、天然セルロースを用いても良い。天然セルロース繊維とは、たとえば、綿、麻などである。
≪銅アンモニアレーヨン≫
本発明の改質繊維の母材となる銅アンモニアレーヨンとは、再生繊維の一種であり、綿花のリンターから採取した綿を銅アンモニア溶液(シュバイツァー溶液)に溶解させ、フィルターでろ過したのち、不純物を取り除いて紡糸して得られる繊維である。代表的なものに「ベンベルグ(登録商標)」がある。また、本発明の改質繊維の母材には、レーヨンを用いることもできる。
≪絹繊維≫
改質繊維の母材には絹繊維を用いることもできる。絹繊維には、絹織物、絹編物、絹糸、絹紡績糸、絹短繊維などが含まれる。また、絹織物には、平織、綾織のほか、撚りによって立体構造を有する縮緬などの繊維構造体が含まれる。
ここで、上記の精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンおよびレーヨンにも、織物、編物、長繊維糸、紡績糸、短繊維などが含まれるものとし、織物には、平織、綾織のほか、撚りによって立体構造を有する縮緬などの繊維構造体が含まれるものとする。
≪エポキシ化合物≫
エポキシ化合物は、下記化学式(1)に示すレゾルシノールジグリシジルエーテル(以下、「RDGE」とも記す。)、および下記化学式(2)に示すハイドロキノンジグリシジルエーテル(以下、「HDGE」とも記す。)の少なくともいずれか一方である。すなわち、改質絹繊維は、RDGEおよびHDGEのいずれかが結合していてもよく、両方が結合されていてもよい。
本発明の改質繊維は、高い耐摩擦性を有することができる。また、繊維に対するエポキシ化合物の重量比率が0.7%以上であれば、十分に高い耐摩擦性を有することができ、より好ましくは1.8%以上である。また、繊維に対するエポキシ化合物の重量比率が5%以下であっても、十分に高い耐摩擦性を有することができるため、繊維に過剰なエポキシ化合物を結合させることによる風合いの低下などを抑制することができる。
本発明の改質繊維において、RDGEおよび/またはHDGEの上記重合比率が、他のエポキシ化合物、たとえば、上記特許文献1に記載されるエポキシ化合物の繊維に対する重合比率よりも顕著に低いにも関わらず、高い耐摩擦性を有する理由の詳細は明確ではないが、本発明者らは、その理由を以下のように推測している。
すなわち、改質される繊維が絹繊維である場合には、RDGEおよびHDGEは1分子内に2つのエポキシ基を有するため、絹フィブロイン内に架橋することができる。したがって、上記重合比率が低くても、すなわち、改質繊維におけるエポキシ化合物の結合量が少なくても、絹フィブロインの構造を十分に強固にすることができ、結果的に高い耐摩擦性を付与できる。また、RDGEおよびHDGEは分子内にフェニル基を有するために、絹フィブロイン内において、化学的に同種の構造を有するチロシン基により多く結合することができ、結果的に、効率よく絹フィブロインの構造を安定化させることができる。
また、改質される繊維が、精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンおよびレーヨンである場合には、分子内の水酸基などの官能基が基点となって、RDGEおよびHDGEが有する2つのエポキシ基により、架橋されるものと考えられる。架橋によって、繊維内部のフィブリル同士が結束し、フィブリル間に存在する微細な溝が埋められる。これにより、摩擦が加わった際に、繊維が裂けて複数のフィブリルに分離する起点が減少するため、結果として、耐摩耗性を向上させることができる。
≪第4級アンモニウム塩≫
本発明の改質繊維は、第4級アンモニウム塩を有することによって、耐摩耗性をさらに高めることができる。ここで、第4級アンモニウム塩としては、クロロヒドリン基を有する第4級アンモニウム塩、エポキシ基を有する第4級アンモニウム塩、トリアジン基を有する第4級アンモニウム塩、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミンを挙げることができる。たとえば、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルメチルアンモニウムクロライド、モノクロロエチルジエチルアミン、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドなどを用いることができる。また、ポリ第4級アンモニウム塩などであってもよい。これらのうち、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドおよび2,3−グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
本発明者らは、本発明の改質繊維が上記のエポキシ化合物とともに、第4級アンモニウム塩を含むことによって、さらに高い耐摩耗性を発現し得ることを知見している。このような効果が得られる機序の詳細は不明であるが、第4級アンモニウム塩の存在により、エポキシ化合物による架橋が促進されるとともに、フィブリル間の水素結合や分子間力が高まり、フィブリルの結束がさらに強固となって、繊維がフィブリルに分割され難くなっているものと推測している。
以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。
<改質繊維の製造方法>
本発明の製造方法は、RDGEおよびHDGEの少なくともいずれか一方のエポキシ化合物を含有する処理液に繊維を浸漬して、繊維にエポキシ化合物を結合させる工程を含む。
処理液は、製造コストの低さ、取扱いの容易性から、水を用いることが好ましい。処理液には、上記のエポキシ化合物が含有されるが、エポキシ化合物が処理液中により均一に分散するように、有機溶媒、乳化剤などの分散剤中にエポキシ化合物を分散させたものを用いて、処理液を調製してもよい。この場合、たとえば、乳化剤とエポキシ化合物を混合した混合物に徐々に水を加えて、水中に乳化剤とエポキシ化合物を分散させていくことによって、処理液を調製することができる。
分散剤には、エポキシ化合物の絹繊維への結合反応を阻害しない材料を用いることが好ましい。たとえば、ディスパーVG(明成化学工業株式会社製)、サイゾール2EX(第一工業製薬株式会社製)、BK57NM(日華化学工業株式会社製)などの乳化剤を用いることができる。また、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの有機溶媒を用いることができる。なお、処理液には、エポキシ化合物の繊維への結合反応を阻害しない範囲で、意図しない他の物質が混入しても良い。
処理液中のエポキシ化合物の添加量は特に制限されないが、本発明者らは、処理中のエポキシ化合物の濃度が3%owf(処理液中に含有されるエポキシ化合物の重量を処理液中に浸漬される繊維構造体の重量で割った値の百分率)という低い濃度であっても、高い耐摩擦性を有する改質繊維を歩留まりよく製造できることを知見している。
したがって、処理液に浸漬される繊維の重量に基づいて、その重量の3%以上の重量のエポキシ化合物を含む処理液を準備することが好ましい。これにより、改質繊維を効率よく製造でき、さらに、エポキシ化合物の使用量を適切に制限できることによって、製造コストを低減することができる。
また、上記処理液は、第4級アンモニウム塩をさらに含むことが好適である。処理液中の第4級アンモニウム塩の添加量は、1g/l以上15g/l以下であることが好ましい。第4級アンモニウム塩を該範囲で含むことにより、エポキシ化合物による架橋が促進されるため、エポキシ化合物の使用量を削減することができるとともに、相乗効果によって耐摩耗性をさらに高めることができる。添加量が1g/l未満であると、上記の効果が得られ難い傾向にあり好ましくなく、15g/lを超過すると仕上がった改質繊維の染色速度が速くなり染めムラなどの不具合が生じるため好ましくない。ここで、処理液に第4級アンモニウム塩を含ませる方法は特に制限されず、たとえば、上記のエポキシ化合物と分散剤とを含む処理液に直接投入してもよいし、予め水などの溶媒に分散させたのち、該分散液を上記の処理液に投入して攪拌してもよい。
上記処理液に浸漬する繊維としては、上記のように、織物、編物、長繊維糸、紡績糸、短繊維のいずれを用いてもよい。たとえば、織物、編物を上記処理液に浸漬させて、改質繊維を作製した場合、織物、編物などの改質繊維を用いて衣類などの各種製品を効率的に製造することができる。また、たとえば、長繊維糸、紡績糸、短繊維などを浸漬させて、改質繊維を作製した場合、この改質繊維を用いて織物、編物を作製することができる。このように作製された織物、編物は、高い耐摩擦性を有するだけでなく、さらに、縮み難いという特性を有することができることを本発明者らは知見している。
また、処理液に浸漬させる繊維の浴比は、特に制限されず、たとえば、1:5以上にすることができる。特に、処理液に浸漬させる繊維が、編物または織物である場合には、処理時の製造トラブルを避けるために、繊維の浴比を1:15以上にすることが好ましく、1:30以上にすることがより好ましく、1:50以上にすることがさらに好ましい。これにより、処理液中で編物または織物と処理槽とが擦れ合うこと、および編物または織物自体が擦れ合うことを抑制できるため、毛羽立ちや白ぼけの発生を抑制しながら、改質繊維を製造することができる。ただし、製造効率、製造コスト、およびエポキシ化合物の結合反応の速度の観点からは、織物、編物、長繊維糸、紡績糸、短繊維のいずれの繊維を用いる場合であっても、その浴比を低く設定することが好ましい。
また、上記工程において、繊維が浸漬された処理液に、繊維へのエポキシ化合物の結合を促進するための触媒を添加しながら、処理液を加熱することが好ましい。これにより、エポキシ化合物の結合反応の速度をより大きくすることができ、また、高い結合効率で繊維にエポキシ化合物を結合させることができる。
触媒としては、たとえば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、四塩化スズ、三フッ化ホウ素、アミン、チオシアン酸塩などを用いることができる。なかでも、RDGEやHDGEに対する高い触媒能を有する点で、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムといったアルカリ性触媒を用いることが好ましい。処理液中における触媒の濃度は特に限定されず、適宜調製することができる。たとえば、処理液中のエポキシ化合物の濃度(mol)の5倍以上10倍以下の触媒を含有することが好ましく、6倍以上9倍以下の触媒を含有することがより好ましく、8倍の触媒を含有することがさらに好ましい。
加熱方法は、特に制限されず、たとえば、室温(25℃)の処理液を徐々に50℃〜80℃まで昇温させるような加熱方法でもよく、処理液の温度を50℃〜80℃の所定の温度に維持するような加熱方法でもよい。なお、加熱時間も特に制限されず、たとえば、30分以上180分以下とすることができる。
上記製造方法によれば、絹繊維を構成する絹フィブロインにRDGEおよびHDGEの少なくとも一方を結合させることができる。RDGEおよび/またはHDGEが結合した改質絹繊維は、高い耐摩擦性を有し、毛羽立ちや白ぼけが発生し難いという優れた特性を有する。すなわち、上記製造方法によれば、高い耐摩擦性を有する改質絹繊維を製造することができる。
また、上記の製造方法によれば、精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンまたはレーヨンをエポキシ化合物によって架橋させることによって、上記の絹繊維と同様に、高い耐摩擦性を有する改質繊維を製造することができる。また、上記の処理液が第4級アンモニウム塩をさらに含むことによって、耐摩擦性をさらに向上させることができる。
このように、上記製造方法によれば、高い浴比であっても、処理を行うことができるため、工程中に繊維が摺れることを効果的に抑制することができ、もって、毛羽立ちや白ぼけの発生を抑制することができる。また、上述のように、RDGEおよびHDGEの繊維への結合効率が高いため、少ないエポキシ化合物の使用量で効率的なエポキシ化合物の結合が可能となり、結果的に、製造コストを低減させることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、これらの実施例は本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
[実験(1)改質絹縮緬の製造および評価]
まず、改質絹縮緬を製造し、耐摩擦性を評価した。
(実験例1)
まず、0.25gのRDGE(デナコールEX201;ナガセケムテックス株式会社製)と、0.5gの分散剤(ディスパーVG;明成化学株式会社製)とをよく練り合わせ、この練物を撹拌槽に収納した。そして、練物に水を徐々に加えて、乳化分散させることによって、RDGEを含有する処理液を準備した。なお、用いた水の総量は200mlであった。次に、5gの絹縮緬(長浜ちりめん株式会社製)を準備した処理液に浸漬した。なお、絹縮緬の目付けは、150g/m2であった。エポキシ化合物の絹縮緬への結合を均一にするために、絹縮緬が浸漬された処理液を撹拌した。
そして、1.25gの24%水酸化ナトリウム水溶液を50mlの水で希釈した希釈水酸化ナトリウム水溶液を、撹拌される処理液に徐々に添加しながら、処理液の温度を25℃から60℃まで昇温させた。その後、処理液の温度を60℃に維持しながら、処理液をさらに60分撹拌し続けた。
上記処理により、RDGEが結合した絹縮緬が作製された。この絹縮緬を、水による洗浄、2g/lの二亜チオン酸ナトリウム水溶液(Na224)による洗浄、温水による洗浄、水による洗浄の順で各洗浄処理を行った後、乾燥させて、処理済絹縮緬を作製した。なお、2枚の処理済絹縮緬を作製した。
(実験例2)
まず、0.7gのDMFに0.25gのHDGE(デナコールEX203;ナガセケムテックス株式会社製)を溶解した溶解物と、1.7gの分散剤(ディスパーVG;明成化学株式会社製)とをよく練り合わせ、この練物を撹拌槽に収納した。そして、実験例1と同様の方法により、処理液を準備した。上記以外は、実験例1と同様の方法により、処理済絹縮緬を作製した。なお、2枚の処理済絹縮緬を作製した。
(比較実験例1)
RDGEおよび分散剤を用いなかった以外は、実験例1と同様の方法により、絹縮緬を処理した。すなわち、比較実験例1では、実験例1および2と同様に、絹縮緬に対して浸漬処理、洗浄処理などを行ったが、絹縮緬へのエポキシ化合物の結合は行なわなかった。なお、2枚の処理済絹縮緬を作製した。
(青色染色処理)
後述の摩擦試験において、白ぼけの発生の観察が容易となるように、実験例1、2および比較実験例1で作製された処理済絹縮緬を1枚ずつ青色に染色した。具体的には、下記配合の染色液Aに処理済絹縮緬を浸漬して、60℃で60分間撹拌することによって、染色処理を行った。染色処理後の各処理済絹縮緬を、ノニオン活性剤(ECB−50;大日精化工業株式会社製)を3g/l含む洗浄液に浸漬して、60℃で30分間撹拌洗浄した。そして、撹拌洗浄後の各処理済絹縮緬を、温水による洗浄、水による洗浄の順に洗浄処理した後、乾燥させた。
[染色液A]
Sumifix Brill Blue R(住化ケムテックス株式会社製):7%owf
ニューボンMRW(日華化学株式会社製) :1%owf
無水硫酸ナトリウム :40g/l
炭酸ナトリウム :4g/l
(黒色染色処理)
後述の洗濯試験において、白ぼけの発生の観察が容易となるように、実験例1、2および比較実験例1で作製された処理済絹縮緬を1枚ずつ黒色に染色した。具体的には、下記配合の染色液Bに処理済絹縮緬を浸漬して、70℃で60分間撹拌することによって、染色処理を行った。染色処理後の各処理済絹縮緬を、ノニオン活性剤(ECB−50;大日精化工業株式会社製)を5g/l含む洗浄液に浸漬して、60℃で30分間撹拌洗浄した。そして、撹拌洗浄後の各処理済絹縮緬を、温水による洗浄、水による洗浄の順に洗浄処理した後、乾燥させた。
[染色液B]
Funder Riactive Black BG(住化ケムテックス株式会社製):15%owf
ニューボンMRW(日華化学株式会社製) :1%owf
無水硫酸ナトリウム :50g/l
炭酸ナトリウム :20g/l
(摩擦実験)
学振型摩擦堅牢度試験機((株)大栄科学精機製作所製)を用いて、青色に染色された各処理済絹縮緬の摩擦試験を行った。具体的には、布重量と同量の水を含ませた綿布からなる摩擦布を用いて、100gの荷重をかけながら、処理済絹縮緬に対して100往復摩擦布をスライドさせた。摩擦試験後、処理済絹縮緬の摩擦面における毛羽立ちおよび白ぼけを、マイクロスコープで200倍に拡大観察することによって確認した。
(洗濯試験)
家庭用電気洗濯機(東芝アプライアンス株式会社製)を用いて、JIS L 0217 103法に従って、黒色に染色された各処理済絹縮緬の洗濯試験を行った。具体的には、まず、家庭用電気洗濯機に処理済絹縮緬を投入し、負荷布としてポリエステルからなる布を投入した。次に、処理済絹縮緬の浴比が1:50になるように、家庭用電気洗濯機に45℃の水を加えて、さらに、3g/lのポリオキシエチレンアルキルエーテル系中性洗剤(アクロン;ライオン株式会社製)を投入して、50分間洗濯試験を行ない、その後平干しして乾燥させた。洗濯試験後、処理済絹縮緬の表面における毛羽立ちおよび白ぼけを、マイクロスコープで200倍に拡大観察することによって確認した。
(結果)
実験例1で作製された処理済絹縮緬について、摩擦試験後の表面状態を図1に、洗濯試験後の表面状態を図2に示す。また、実験例2で作製された処理済絹縮緬について、摩擦試験後の表面状態を図3に、洗濯試験後の表面状態を図4に示す。また、比較実験例1で作製された処理済絹縮緬について、摩擦試験後の表面状態を図5に、洗濯試験後の表面状態を図6に示す。なお、各図は、各処理済絹縮緬の表面をマイクロスコープを用いて200倍に拡大した映像を撮影したものである。
図1、2と図5、6とを比較すると、図1、2において、毛羽立ちや白ぼけが観察されないのに対し、図5、6では、毛羽立ちや白ぼけが観察された。この結果から、RDGEを絹縮緬に結合させることによって、絹縮緬の耐摩擦性が向上したことがわかった。同様に、図3、4においても、毛羽立ちや白ぼけが観察されなかった。この結果から、エポキシ化合物として、HDGEを絹縮緬に結合させることによって、絹縮緬の耐摩擦性が向上したことがわかった。
[実験(2)改質絹羽二重6匁の製造および評価]
(実験例3)
5gの絹縮緬(長浜ちりめん株式会社製)の代わりに、5gの絹羽二重6匁((有)紺野機業場(福島県)製)を用いた以外は、実験例1と同様の方法により、処理済絹羽二重6匁を作製した。なお、絹羽二重6匁の目付けは20g/m2であった。
(実験例4)
5gの絹縮緬(長浜ちりめん株式会社製)の代わりに、5gの上記絹羽二重6匁を用いた以外は、実験例2と同様の方法により、処理済絹羽二重6匁を作製した。
(比較実験例2)
5gの絹縮緬(長浜ちりめん株式会社製)の代わりに、5gの上記絹羽二重6匁を用いた以外は、比較実験例1と同様の方法により、処理済絹羽二重6匁を作製した。
(青色染色処理および摩擦試験)
実験例3、4および比較実験例2で作製された処理済絹羽二重6匁を、上記と同様の青色染色処理の方法によって青色に染色し、その後、上記と同様の摩擦試験を行った。
(結果)
実験例3で作製された処理済絹羽二重6匁について、摩擦試験後の表面状態を図7に示す。実験例4で作製された処理済絹羽二重6匁について、摩擦試験後の表面状態を図8に示す。比較実験例2で作製された処理済絹羽二重6匁について、摩擦試験後の表面状態を図9に示す。なお、各図は、各処理済絹羽二重6匁の表面を200倍に拡大して撮影した映像である。
図7、8と図9とを比較すると、図7、8において、毛羽立ちや白ぼけが観察されないのに対し、図9では、毛羽立ちや白ぼけが観察された。この結果から、RDGEを絹羽二重6匁に結合させることによって、絹羽二重6匁の耐摩擦性が向上したことがわかった。
[実験(3)エポキシ化合物の検討]
上記実験(1)および実験(2)により、RDGEおよびHDGEを絹縮緬、絹羽二重6匁などの絹繊維構造体に結合させることによって、絹繊維構造体の耐摩擦性が向上することがわかった。そこで、RDGEおよびHDGEの上記効果を、他のエポキシ化合物を結合させた場合と比較した。
(実験例5)
0.4gのRDGE(デナコールEX201;ナガセケムテックス株式会社製)と、0.5gの分散剤(ディスパーVG;明成化学株式会社製)とをよく練り合わせた以外は、実験例1と同様の方法により、処理済絹縮緬を作製した。
(実験例6)
0.7gのDMFに0.4gのHDGE(デナコールEX203;ナガセケムテックス株式会社製)を溶解した以外は、実験例2と同様の方法により、処理済絹縮緬を作製した。
(比較実験例3)
RDGEの代わりに、0.4gのジエチレングリコールジグリシジルエーテル(エポライト100E;共栄社化学株式会社製)を用いた以外は、実験例1と同様の方法により、処理済絹縮緬を作製した。
(比較実験例4)
RDGEの代わりに、0.4gのグリセロールポリグリシジルエーテル(デナコールEX313;ナガセケムテックス株式会社製)を用いた以外は、実験例1と同様の方法により、処理済絹縮緬を作製した。なお、当該グリセロールポリグリシジルエーテルは、グリセロールジグリシジルエーテルおよびグリセロールトリグリシジルエーテルが混在してなる。
(比較実験例5)
RDGEの代わりに、0.4gの1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(デナコールEX212;ナガセケムテックス株式会社製)を用いた以外は、実験例1と同様の方法により、処理済絹縮緬を作製した。
(比較実験例6)
RDGEの代わりに、0.4gの水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル(エポライト4000;共栄社油脂化学工業社製)を用いた以外は、実験例1と同様の方法により、処理済絹縮緬を作製した。
(青色染色処理および摩擦試験)
実験例5、6および比較実験例3〜6で作製された処理済絹縮緬を、上記と同様の青色染色処理の方法によって青色に染色し、その後、上記と同様の摩擦試験を行い、マイクロスコープを用いて、処理済絹縮緬の摩擦された表面を観察した。
(結果)
実験例5および実験例6で作製された処理済絹縮緬の摩擦試験後の表面には、毛羽立ちおよび白ぼけは観察されなかった。これに対し、比較実験例3〜6で作製された処理済絹縮緬の摩擦試験後の表面には毛羽立ちおよび白ぼけが観察された。この結果から、RDGEやHDGEが結合された絹縮緬は、従来のエポキシ化合物が結合された絹繊維よりも高い耐摩擦性を有することがわかった。
また、比較実験例3〜6で用いられたエポキシ化合物は、特許文献1や非特許文献1において、絹繊維を改質する効果があるとされているエポキシ化合物であるにも関わらず、本検討において、摩擦試験後に毛羽立ちおよび白ぼけが観察された。その理由の1つとして、たとえば、以下のことが考えられる。
すなわち、本検討において、処理液中での絹縮緬の浴比は1:40〜1:50と高く、また、処理液中におけるエポキシ化合物の濃度も8%owfと低く、溶液に対する濃度も2g/lと低い。このような処理条件の場合、比較実験例3〜6で用いられたエポキシ化合物は十分に絹縮緬の絹フィブロインに結合することができず、結果的に、作製された改質絹縮緬は耐摩擦性を有することができない。
[実験(4)エポキシ化合物添加量の検討]
上記実験(3)の結果から、RDGEやHDGEのエポキシ化合物の絹繊維への結合効率が高いことが分かった。なお、エポキシ化合物の結合効率とは、改質絹繊維に結合したエポキシ化合物の重量を、絹繊維を浸漬する前の処理液中に含有されていたエポキシ化合物の重量で割った値の百分率である。また、絹繊維にRDGEやHDGEが結合することによって、他のエポキシ化合物が結合する場合よりも高い耐摩擦性を有することが分かった。そこで、以下の検討を行った。
具体的には、処理液中に含有させるRDGEの重量を、それぞれ0.15g、0.25g、0.35gとした各処理液を用いて、実験例1と同様の方法により、処理済絹縮緬を作製した(実験例7〜9)。また、RDGEの重量を0.5g、0.6g、0.7gとした各処理液を用い、5gの24%水酸化ナトリウム水溶液を50mlの水で希釈した希釈水酸化ナトリウム水溶液を用いた以外は、実験例1と同様の方法により、処理済絹縮緬を作製した(実験例10〜12)。
そして、各処理済絹縮緬の重量を測定し、各処理済絹縮緬の重量増加率を算出した。なお、RDGEを添加せずに、実験例1と同様の方法により処理済絹縮緬を作製した場合にも、処理済絹縮緬の重量がわずかに減少した。これは、絹縮緬の精練が完全ではなく、上記処理を経ることによって、各絹縮緬中の残存セリシンが除去されたことによる。したがって、RDGEを含有しない処理液で処理した処理済絹縮緬の重量変化率を0%としてブランク補正した上で、各重量増加率を算出した。
結果を表1に示す。表1において、準備された処理液中に含有されるRDGEの重量(g)、準備された処理液中に含有されるRDGEの絹縮緬に対する濃度(%owf)、絹縮緬の重量増加率(%)、およびRDGEの結合効率(%)を左から順に示す。なお、絹縮緬の重量増加率は、処理後の絹縮緬の重量を処理に用いた絹縮緬の重量で割った値の百分率をブランク補正したものである。
また、参考実験例1〜5として、特許文献1に記載される実施例1〜5の結果に基づいて算出された絹繊維の重量増加率(%)およびエポキシ化合物の結合効率(%)を表2に示す。
表1を参照し、処理液中のRDGEの濃度が3%owfという低い値であっても、26%という高い結合効率でRDGEが絹縮緬に結合することがわかった。また、処理液中のRDGEの濃度を5%owf以上とすることにより、絹縮緬へのRDGEの結合効率がさらに向上することがわかった。これに対し、表2を参照すると、160%owfという高い濃度でエポキシ化合物を用いて処理されているにもかかわらず、処理後の絹繊維に対するエポキシ化合物の結合効率は10%未満であることが理解される。このことから、RDGEおよびHDGEを用いて絹繊維を改質させることによって、エポキシ化合物の効率的な利用が可能となり、これにより、製造効率の向上、製造コストの低減が可能となることがわかった。
また、表1を参照し、エポキシ化合物としてRDGEを用いて処理された絹縮緬は、5%以下という比較的低い重量増加率であっても、高い耐摩擦性を有するのに対し、表2を参照し、他のエポキシ化合物を用いて処理された絹繊維は、8.3%以上と比較的高い重量増加率であるにもかかわらず、耐摩擦性は低かった。このことから、エポキシ化合物として、RDGEを用いることによって、他のエポキシ化合物を用いる場合よりも少ない結合量で、高い耐摩擦性を付与できることが理解される。したがって、RDGEが結合された改質絹繊維は、過剰にエポキシ化合物を結合させることによる絹繊維の風合いの低下を抑制することができることがわかった。
また、処理液に対する触媒(水酸化ナトリウム)の量が5g/l、20g/lと少ない場合であっても、RDGEは高い結合効率で絹縮緬に結合することがわかった。したがって、エポキシ化合物としてRDGEを用いることにより、製造コストを低減することができる。また、触媒の使用量が低いことにより、作製される改質絹繊維中に取り込まれる、および/または付着する触媒の量が低減される。したがって、触媒が絹繊維に付着することに起因する絹繊維の風合いの低下を抑制することができる。
[実験(5)改質絹紡績糸の製造および評価]
上記実験(1)〜(4)において、絹織物を用いて検討を行った。これに対し、実験(5)では、絹紡績糸を用いて検討を行った。なお、絹紡績糸とは、絹短繊維を紡績したものである。
(実験例13)
まず、25gのRDGE(デナコールEX201;ナガセケムテックス株式会社製)と、50gの分散剤(ディスパーVG;明成化学株式会社製)とをよく練り合わせ、この練物に水を徐々に加えて、乳化分散させることによって、RDGEを含有する処理液を準備した。なお、用いた水の総量は500mlであった。次に、番手MC2/60の500gの絹紡績糸(SPCC;泗陽絹紡厰製)を染色チューブに巻いて、チーズ染色機にセットした。次に、このチーズ染色機に4000mlの水を循環させながら、上記処理液を徐々に添加した。
そして、25gの24%水酸化ナトリウム水溶液を500mlの水で希釈した希釈水酸化ナトリウム水溶液を、チーズ染色機に徐々に添加しながら、処理液の温度を25℃から60℃まで昇温させた。その後、処理液の温度を60℃に維持しながら、処理液をさらに60分循環させた。
上記処理により、RDGEが結合した絹紡績糸が作製された。この絹紡績糸を、水による洗浄、2g/lの亜ジチオン酸ナトリウム水溶液(Na224)による洗浄、温水による洗浄、水による洗浄の順で各洗浄処理を行った後、乾燥させて、処理済絹紡績糸を作製した。
(比較実験例7)
RDGEおよび分散剤を用いず、チーズ染色機に循環させる水の量と、用いた24%水酸化ナトリウム水溶液の量とを変更した以外は、実験例13と同様の方法により、処理済絹紡績糸を作製した。具体的には、比較実験例7において、チーズ染色機に5000mlの水を循環させながら、5gの24%水酸化ナトリウムを直接チーズ染色機に徐々に添加させた。
(黒色染色処理、摩擦試験および洗濯試験)
次に、チーズ染色機を用い、上記実験例13および比較実験例7で作製された処理済絹紡績糸に対し、黒色染色処理を行った。なお、黒色染色処理には上記染色液Bを用いた。染色処理後、筒編み機(針本数180本;丸善産業株式会社製)を用いて、幅10cm×長さ30cmの編地を作製した。その後、上記と同様の摩擦試験を行い、マイクロスコープを用いて、編地の表面を観察した。また、JIS L 0217 103法に従って、上記と同様の方法により各編地を30回洗濯し、洗濯後の各編地の表面を、マイクロスコープを用いて観察した。
(結果)
実験例13で作製された処理済絹紡績糸を用いた編地について、摩擦試験後の表面状態および洗濯試験後の表面状態をそれぞれ図10および図11に示す。比較実験例7で作製された処理済絹紡績糸を用いた編地について、摩擦試験後の表面状態および洗濯試験後の表面状態をそれぞれ図12および図13に示す。なお、各図は、各処理済紡績絹糸を用いた編地の表面を200倍に拡大して撮影した映像である。
図10、11と図12、13とを比較すると、図10、11において、毛羽立ちや白ぼけが観察されないのに対し、図12、13では毛羽立ちや白ぼけが観察された。この結果から、RDGEを絹紡績糸に結合させ、これを用いて編地を作製した場合に、編地の耐摩擦性が向上したことがわかった。
また、実験例13および比較実験例7で作製された各編地に対し、布重量と同量の水を含ませた綿布からなる摩擦布を用いて、100gの荷重をかけながら、処理済絹縮緬に対して200往復摩擦布をスライドさせた後の編地の表面を観察した。この場合にも、100往復スライドさせた場合と同様に、実験例13で作製された編地には、毛羽立ちや白ぼけが観察されなかったのに対し、比較実験例7で作製された編地には、毛羽立ちや白ぼけが観察された。
(寸法安定性試験(1))
次に、実験例13で作製された処理済紡績糸であって、黒色染色処理後の処理済紡績糸を用い、以下の作成条件に従って編地を作成した。
編機 :横編機14ゲージ(株式会社島精機製作所)
編組織 :天竺
編地サイズ:25cm×50cm(縦×横)
そして、JIS L 0217 103法に従って、編地を10回洗濯し、洗濯後の編地の寸法の変化を測定した。寸法の変化は、洗濯前の編地の縦方向に関する40cm幅の両端、および横方向に関する20cm幅の両端に白糸を縫い付けることによって印を付けて、洗濯後にその印の位置間の長さを測定することによって観察した。洗濯前後の編地の寸法を表3に示す。
表3を参照し、実験例13の編地は、洗濯処理前後でその寸法に大きな変化はなく、安定していることが分かった。したがって、処理済紡績糸を用いて編地を作製することにより、該編地を用いて、耐摩擦性が高く、また、寸法安定性も高い製品を提供することができることがわかった。
[実験(6)改質セルロース繊維および改質レーヨンの製造および評価]
精製セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンを用いて本発明の製造方法によって改質された繊維を製造し、耐フィブリル性および寸法安定性を評価した。
(実施例1)
まず、精製セルロース繊維として、レンチング社より販売されている「テンセル(登録商標)」(タイター:1.4dtex、繊維長さ:38mm)を準備した。
次いで、5g(5.0owf%)のRDGE(デナコールEX201;ナガセケムテックス株式会社製)と、5g(5.0owf%)の分散剤(ディスパーVG;明成化学株式会社製)とをよく練り合わせ、この練物を液循環式染色機(オーバーマイヤー染色機)の撹拌槽に収納した。そして、練物に水を徐々に加えて、乳化分散させることによって、RDGEを含有する処理液を準備した。なお、用いた水の総量は1000mlであった。さらに、該処理液に、10g(10g/l)の第4級アンモニウム塩(カチオノンKCN;3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドおよび2,3−グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドを主成分とする第4級アンモニウム塩;一方社油脂工業株式会社製)を加えて攪拌し、均一に分散させた。次いで、該処理液に、100gの精製セルロース繊維を浸漬した。
そして、8g(8g/l)の24%水酸化ナトリウム水溶液を50mlの水で希釈した希釈水酸化ナトリウム水溶液を、撹拌される処理液に3回に分けて添加し、処理液の温度を25℃から80℃まで昇温させた。その後、処理液の温度を80℃に維持しながら、処理液をさらに45分撹拌し続けた。
上記処理により、RDGEが結合した精製セルロース繊維が作製された。該繊維を、水によって洗浄した後、4g/lの二亜チオン酸ナトリウム水溶液(Na224)を用いて60℃で10分洗浄した。さらに2g/lの酢酸水溶液を用いて60℃で10分洗浄した後、最後に水による洗浄を行ない、脱水、乾燥させて、処理済み精製セルロース繊維を作製した。
(実施例2)
実施例1において、処理液に第4級アンモニウム塩(カチオノンKCN)を加えない以外は、実施例1と同様にして、処理済み精製セルロース繊維を作製した。
(比較例1)
比較例1として、レンチング社より販売されている「テンセル(登録商標)」(タイター:1.4dtex、繊維長さ:38mm)を無処理のまま用いた。
(比較例2)
実施例1において、処理液にRDGE(デナコールEX201)および分散剤(ディスパーVG)を加えない以外は、実施例1と同様にして、処理済み精製セルロース繊維を作製した。
(比較例3)
比較例2において、第4級アンモニウム塩(カチオノンKCN)の処理液への添加量を50g/Lとする以外は、比較例2と同様にして、処理済み精製セルロース繊維を作製した。
(実施例3)
銅アンモニアレーヨンとして、旭化成せんい株式会社より販売されている「ベンベルグ(登録商標)」(タイター:1.4dtex、繊維長さ:38mm)を準備し、実施例1において、精製セルロース繊維を銅アンモニアレーヨンとする以外は、実施例1と同様にして、処理済み銅アンモニアレーヨンを作製した。
(比較例4)
比較例4として、旭化成せんい株式会社より販売されている「ベンベルグ(登録商標)」(タイター:1.4dtex、繊維長さ:38mm)を無処理のまま用いた。
(参考例1)
絹繊維として、シルクスライバーA1(楓樹;浙江省桐郷河山偉業紡織有限責任公司製)を準備し、実施例1において、精製セルロース繊維を絹繊維とする以外は、実施例1と同様にして、処理済み絹繊維を作製した。
(比較参考例1)
比較参考例1として、シルクスライバーA1(楓樹;浙江省桐郷河山偉業紡織有限責任公司製)を無処理のまま用いた。
(耐フィブリル性試験)
上記のようにして作製された実施例1、2および参考例1ならびに比較例1〜4および比較参考例1の繊維の耐フィブリル性を評価するため、以下の試験を行なった。
まず、上記の実施例1の繊維を切断して、3.0mm以下の長さの複数の短繊維を得た。次いで、複数の短繊維3.3gを計量し、500mlの水ともに、家庭用ミキサー(ピュアブラックTMシリーズ;株式会社テスコム製)に投入した。次いで、家庭用ミキサーで2分間攪拌し、その後10分間放置した。同様の攪拌および放置の動作を繰り返し、合計12回の動作を行なった。
次いで、ミキサー内の水500mlを加えた後、ミキサー内の短繊維および水をポリ容器に移した。次いで、該ポリ容器の注ぎ口を、ナイロンメッシュシート(メッシュ幅80μm)で完全に覆って固定した後、該ポリ容器を倒立させて、50秒間のうちに内部から流出する水の量を計測した。
ここで、50秒間で流出する水の量は、ミキサーで攪拌された短繊維の耐フィブリル性の指標とすることができる。湿潤下での摩擦によってフィブリル化が起こると、発生した小繊維がメッシュを通過せず、目詰まりするようになるため、一定時間内に流出する水の量は減少する。したがって、上記の試験において、流出する水の量が多いほど、耐フィブリル性が優れていることを示している。
以上の試験を、実施例2および参考例1、ならびに比較例1〜4および比較参考例1についても同様に行なった。その結果を表4に示す。
表4から明らかなように、本発明の製造方法により得られた実施例の改質繊維は、比較例に比して、優れた耐フィブリル性を有している。
比較例1〜3の結果から、第4級アンモニウム塩の添加量を増加させることにより、精製セルロース繊維の耐フィブリル性は向上するが、エポキシ化合物と結合している実施例1の耐フィブリル性には及ばない。また、実施例1および2の結果から、エポキシ化合物とともに第4級アンモニウム塩を用いることにより、精製セルロース繊維の耐フィブリル性がさらに向上することがわかる。なお、比較例3は耐フィブリル性が向上しているものの、染色性が大幅に劣化しており、実用性に乏しい。
同様に、実施例2と比較例4の結果および参考例1と比較参考例1の結果から、銅アンモニアレーヨン、絹繊維についても、本発明の製造方法によって改質することにより、耐フィブリル性を顕著に向上することがわかる。
また、上記の耐フィブリル性試験後の短繊維を乾燥させてマイクロスコープで800倍に拡大して撮影した画像を、図14〜図22に示す。
図14〜図22から明らかなように、実施例の改質繊維では、フィブリル(小繊維)の発生が極めて少ない。これに対し、比較例の繊維では、フィブリルの発生が認められる。また、図14と図15の比較により、エポキシ化合物とともに第4級アンモニウム塩を用いることによってフィブリルの発生をさらに抑制できることがわかる。
(寸法安定性試験(2))
次いで、実施例1、2および参考例1、ならびに比較例1、4および比較参考例1の繊維の寸法安定性を評価するため、以下の試験を行なった。
まず、JIS L 1013:2010「化学繊維ステープル試験方法」(8.7.1「標準時試験」)に準拠して、実施例1の繊維の乾燥時の伸び率Sd(%)を測定した。なお、測定時の環境は、20℃、相対湿度60%とした。
次いで、JIS L 1013:2010「化学繊維ステープル試験方法」(8.7.2「湿潤時試験」)に準拠して、実施例1の繊維の湿潤時の伸び率Sh(%)を測定した。なお、測定時の水温は、20℃とした。
そして、次式:ΔS(%)=Sh(%)−Sd(%)により、ΔSを算出した。ここで、ΔSは、繰り返し洗濯が行なわれた際の寸法安定性(すなわち、耐洗濯性)の指標である。ΔSが小さいほど、乾燥時と湿潤時とで伸び率に変化が小さく、繰り返し洗濯や乾燥を行なっても寸法が安定していることを示している。
以上の試験を、実施例3および参考例1、ならびに比較例1、4および比較参考例1についても同様に行なった。結果を表5に示す。
表5より明らかなように、エポキシ化合物が結合した実施例の繊維は、比較例の繊維に比し、ΔSが極めて小さく、寸法安定性に優れている。すなわち、高い耐洗濯性を有している。
以上より、本発明の改質繊維は、精製セルロース繊維または銅アンモニアレーヨンにエポキシ化合物が結合した改質繊維であって、該エポキシ化合物は、レゾルシノールジグリシジルエーテルおよびハイドロキノンジグリシジルエーテルの少なくともいずれか一方であることを以って、高い耐摩耗性と耐洗濯性とを兼備する改質繊維であることが確認できた。また、該改質繊維に、第4級アンモニウム塩が結合することにより、耐摩耗性および耐洗濯性はさらに向上することが確認できた。そしてこの事実は、改質繊維の母材が天然セルロース繊維またはレーヨンであっても同様の効果が得られることを示すものである。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、各実施の形態および実施例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。
また、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、繊維製品の耐摩擦性および耐洗濯性を向上させるために、広く利用することができる。

Claims (4)

  1. 精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンまたはレーヨンにエポキシ化合物が結合した改質繊維であって、
    前記エポキシ化合物は、レゾルシノールジグリシジルエーテルおよびハイドロキノンジグリシジルエーテルの少なくともいずれか一方である、改質繊維。
  2. 第4級アンモニウム塩をさらに含む、請求項1に記載の改質繊維。
  3. エポキシ化合物を含有する処理液に、精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンまたはレーヨンを浸漬して、前記精製セルロース繊維、天然セルロース繊維、銅アンモニアレーヨンまたはレーヨンに前記エポキシ化合物を結合させる工程を含み、
    前記エポキシ化合物は、レゾルシノールジグリシジルエーテルおよびハイドロキノンジグリシジルエーテルの少なくともいずれか一方である、改質繊維の製造方法。
  4. 前記処理液は、第4級アンモニウム塩を含有する、請求項3に記載の改質繊維の製造方法。
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