JP2014077071A - Led反射板用ラジカル重合性樹脂組成物、前記組成物からなる粒状物、前記粒状物を用いる成形方法、及びled反射板 - Google Patents

Led反射板用ラジカル重合性樹脂組成物、前記組成物からなる粒状物、前記粒状物を用いる成形方法、及びled反射板 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明が解決しようとする課題は、バリ、充填不足等の成形不良を生じにくく、生産性に優れ、反射率、表面光沢性に優れたLED反射板を得るための射出成形用ラジカル重合性樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】
本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物は、ラジカル重合性樹脂、無機充填材、白色顔料を少なくとも含むラジカル重合性樹脂組成物であって、前記ラジカル重合性樹脂組成物の粘度が0.1〜100kPa・sの範囲であることを特徴とする。また、本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物の好ましい実施態様において、前記ラジカル重合性樹脂組成物の粘度が、70℃〜120℃の温度範囲において0.1〜100kPa・sの範囲である事を特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、LED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物、前記組成物からなる粒状物、前記粒状物を用いる成形方法、及びLED反射板に関するものである。
LEDは低消費電力、長寿命、小型化、軽量化、高速応答性等の利点を生かし、数多くの用途に採用されてきており、最近では省エネ製品として、一般家庭用の光源としても急速に普及している。これに伴い、既存の光源から代替されるLEDも大光量、大電流化が進み、放射光、注入電流密度の増加により発熱量が増加する。そのため、LEDに使用される周辺材料の劣化が加速し、高性能、高信頼性の材料が求められている。
反射板はLEDの光を前面に反射し、輝度を向上させるものであり、反射板の材料は、初期の輝度に優れ、反射率が高く、長期間使用しても熱や、光に対して変色が少ないことが要求される。
LEDの普及により更なるLEDの高出力化の検討が行われており、高出力化により反射板材料として使用されている熱可塑性樹脂は、高輝度LEDの強い光やチップ表面の高温化により変色し易く、光の反射効率、LEDの輝度低下が問題となっている。
最近、LED反射板には長期間に渡って高い反射率を保持できる優れた耐熱変色性に加えて、収縮率や写像性で評価される表面の平滑性が求められるようになってきた。
かかる状況下、初期反射率が良好なエポキシ樹脂からなるLED反射板が知られている(例えば特許文献1)。また、部分芳香族ポリアミド樹脂からなる汎用のLED反射板が知られている(例えば特許文献2)。
さらに、不飽和ポリエステル樹脂からなるLED反射板用樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなるLED反射板が知られている(例えば特許文献3)。
特開2006−140207号公報 特開2008−182172号公報 特許第4844699号公報
上記特許文献1においては、これらのエポキシ樹脂は初期反射率、耐熱性が良好であるが、貯蔵安定性、成形後の後処理が難しく、トランスファー成形により生産されるため樹脂組成物タブレット化が必要であり、比較的価格が高いことから汎用のLED反射板として普及されてないという問題がある。また、上記特許文献2においては、部分芳香族ポリアミド樹脂製のLED反射板は、射出成形により生産出来るため、生産性が良好であるが、成形耐熱変色性に乏しく、初期反射率を維持できないため、LEDランプの輝度低下という問題があった。
また、上記特許文献3において、不飽和ポリエステル樹脂は射出成形にて生産できるため生産性は良好であるが、粘度や硬化の速度と成形性や、表面平滑性等の成形品品質への影響については言及されていない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、バリ、充填不足等の成形不良を生じにくいLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、LED反射板用樹脂組成物に使用した場合に種々の観点から多角的に検討を重ねた結果、本発明のラジカル重合性樹脂組成物を見出すに至った。
本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物は、ラジカル重合性樹脂、無機充填材、白色顔料を少なくとも含むラジカル重合性樹脂組成物であって、前記ラジカル重合性樹脂組成物の粘度が0.1〜100kPa・sの範囲であることを特徴とする。
また、本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物の好ましい実施態様において、前記ラジカル重合性樹脂組成物の粘度が、70℃〜120℃の温度範囲において0.1〜100kPa・sの範囲である事を特徴とする。
また、本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物の好ましい実施態様において、前記ラジカル重合性樹脂組成物が不飽和ポリエステル樹脂を含むことを特徴とする。
また、本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物の好ましい実施態様において、前記ラジカル重合性樹脂組成物が結晶性不飽和ポリエステル樹脂を含むことを特徴とする。
また、本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物の好ましい実施態様において、前記ラジカル重合性樹脂組成物において、140〜180℃の温度範囲におけるゲル化時間が5〜120秒の範囲である事を特徴とする。
また、本発明の粒状物は、本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物からなることを特徴とする。
また、本発明の射出成形方法は、本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物からなる粒状物を140〜180℃で加熱硬化させることを特徴とする。
また、本発明のLED反射板は、本発明の射出成形方法に得られることを特徴とする。
本発明によれば、バリ、充填不足等の成形不良を生じにくく、生産性に優れ、反射率、表面光沢性に優れたLED反射板を得るための射出成形用ラジカル重合性樹脂組成物を得ることができるという有利な効果を奏する。
図1は、ゲル化時間を測定するための、差動トランス位置と時間との関係を示す図である。差動トランス式位置センサーを下型(可動側)に備えたプレス金型の下型中央部に樹脂組成物を置いた後、直ちに金型を上昇させて型締めし、加熱加圧成形を行う際の差動トランス位置と時間との関係を示している。直線1は型締め速度に相当する。金型内の樹脂組成物の流動につれて作動トランスの動きは遅くなり、一定の厚みとなった時点で差動トランスはいったん停止するが、硬化の進展に伴い硬化収縮が始まるため、差動トランスの位置が上昇し始める。この段階で得られるS字カーブの変曲点における接線が直線2である。硬化が終了すると作動トランスの位置は一定となる。この段階で得られるS字カーブの変曲点における接線が直線3である。直線1と直線2との交点4から直線2と直線3との交点5との間の時間をゲル化時間とした。
本発明のラジカル重合性樹脂組成物は、少なくともラジカル重合性樹脂、無機充填材、白色顔料を含み、粘度が0.1〜100kPa・sの範囲であることを特徴とする。本発明のラジカル重合性樹脂組成物は、主として、射出成形に用いることが可能である。通常の射出成形では樹脂組成物を一定量溜めることができるホッパー内に樹脂組成物を充填し、自重でホッパーからスクリュー内に樹脂組成物が供給される。そのため、樹脂組成物は常温で固体状を呈することが必要である。一般的に成形品形状の自由度の高さや生産性の高さが射出成形法の特長であるが、ラジカル重合性樹脂を含む熱硬化性樹脂の場合は、樹脂組成物の溶融粘度が低いため、低い射出圧で成形できることも特長である。一方、硬化速度の増大、すなわちサイクルタイムの短縮が射出成形法における熱硬化性樹脂の課題とされている。本発明のラジカル重合性樹脂組成物は射出成形に適した粘度を有し、さらには適度な硬化速度を有することから射出成形用樹脂組成物として好適に使用できる。
本発明において、ラジカル重合性樹脂として、不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸を付加した変性(メタ)アクリレートを挙げることができる。
不飽和ポリエステルは、不飽和多塩基酸、飽和多塩基酸及びグリコール類を公知の脱水縮合反応によりせしめ、通常、5〜40mg―KOH/gの酸価を有することができる。
不飽和多塩基酸類としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、グルタコン酸等を挙げることができる。
飽和多塩基酸類としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘット酸、テトラブロム無水フタル酸等を挙げることができる。
グリコール類としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAプロピレンオキシド化合物、シクロヘキサンジメタノール、ジブロムネオペンチルグリコール等を挙げることができる。
本発明における不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和ポリエステルと共重合性単量体及び/又は共重合性多量体を混合して得ることができる。共重合性単量体及び/又は共重合性多量体は、通常、樹脂組成物の調製時に他の材料と共に樹脂に混合されるが、樹脂組成物調製に先立って樹脂と混合しても良い。
本発明において、不飽和ポリエステル樹脂と混合される共重合性単量体としては、例えばビニル基を有するスチレンモノマー、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレンなどのビニル芳香族化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビニル、ベオバモノマー(シェル化学社製)などのビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
また、トリアリルシアヌレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジアリルテトラブロムフタレート、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどの2官能以上の共重合性単量体を用いることができる。さらに、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の常温にて固体状の2官能以上の共重合性単量体を用いることができる。これらの共重合性単量体は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明におけるエポキシ(メタ)アクリレートは、1分子中に2個以上のグリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂にアクリル酸またはメタクリル酸を付加反応させて得られる分子末端にエポキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレートである。エポキシアクリレートを共重合性単量体及び/又は共重合性多量体に溶解したエポキシアクリレート樹脂でもよい。上記1分子中に2個以上のグリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等、あるいはこれらの誘導体からのビスフェノール型エポキシ樹脂、ビキシレノールおよびその誘導体からのビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノールおよびその誘導体からのビフェノール型エポキシ樹脂、あるいはナフタレンおよびその誘導体からのナフタレン型エポキシ樹脂、さらにはノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を混合して使用することができる。共重合性単量体及び/又は共重合性多量体は、上記した不飽和ポリエステル樹脂に使用されると同様の共重合性単量体及び/又は共重合性多量体を使用することができる。
また本発明におけるウレタン(メタ)アクリレートは、ポリアルコールおよび/またはポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールとジイソシアネートとを反応させて分子末端をイソシアネートとを反応させてイソシアネート化し、これにアルコール性水酸基を有するアクリレートまたはメタクリレートを反応させるか、または先ずアルコール性水酸基を有するアクリレートまたはメタクリレートとイソシアネートとをイソシアネート基を残してポリアルコールおよび/またはポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールとを反応させて得られる分子末端にアクリレートまたはメタクリレートの二重結合を有するウレタンアクリレートである。ウレタンメタクリレートを、例えばスチレン、ジエチレングリコールジメタクリレートなどの共重合性単量体及び/又は共重合性多量体に溶解したウレタンアクリレート樹脂でもよい。これらは単独で、または2種以上の混合物で使用することができる。
また本発明におけるポリエステル(メタ)アクリレートは、ポリエステルポリオールとアクリル酸あるいはメタクリル酸とのエステル化、あるいは酸末端ポリエステルとグリシジル基を有するアクリレートまたはメタクリレートとの反応により得られる分子末端にアクリレートまたはメタクリレートの二重結合を有するポリエステルアクリレート、またはポリエステルメタクリレートである。ポリエステルアクリレート、またはポリエステルメタクリレートを例えばスチレン、ジエチレングリコールジメタクリレートなどの共重合性単量体及び/又は共重合性多量体に溶解したポリエステルアクリレート、またはポリエステルメタクリレート樹脂でもよい。これらは単独で、または2種以上の混合物で使用することができる。
また本発明におけるポリエーテル(メタ)アクリレートは、ポリエーテルポリオールとアクリル酸あるいはメタクリル酸とのエステル化、あるいは酸末端ポリエーテルとグリシジル基を有するアクリレートまたはメタクリレートとの反応により得られる分子末端にアクリレートまたはメタクリレートの二重結合を有するポリエステルアクリレート、またはポリエステルメタクリレートである。ポリエステルアクリレート、またはポリエステルメタクリレートを例えばスチレン、ジエチレングリコールジメタクリレートなどの共重合性単量体及び/又は共重合性多量体に溶解したポリエステルアクリレート、またはポリエステルメタクリレート樹脂でもよい。これらは単独で、または2種以上の混合物で使用することができる。
本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物は、成形性、耐熱試験後反射率という観点から、前記ラジカル重合性樹脂は、組成物全量に対して10〜35重量%とすることができ、前記無機充填材と前記白色顔料の配合量の合計量は、組成物全量に対して50〜80重量%とすることができ、初期反射率、耐熱試験後反射率という観点から、前記無機充填材と前記白色顔料の配合量の合計量に占める前記白色顔料の割合は10〜50重量%とすることができる。
本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物において用いられる無機充填材として、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、マイカが挙げられるが、これらのうち炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムが反射率の観点から好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
前記無機充填材は平均粒子径が0.1〜50μmの範囲、好ましくは0.1〜20μmの範囲で使用することができる。平均粒子径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置によるメジアン径、あるいは幾何平均値の測定により求められる。ただし、採用する算出方法により平均粒子径が異なる場合がある。
また、本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物において用いられる白色顔料として、酸化チタン、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛が挙げられる。本発明においては、これらの白色顔料のなかでも、反射率という観点から、特に酸化チタンを好適に用いることができる。酸化チタンとしては、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルサイト型酸化チタンを挙げることができる。これらの中でも熱安定性に優れたルチル型酸化チタンを好適に用いることができる。本発明の目的を損なわない限りにおいて、いかなる処理剤で表面処理された酸化チタンも用いることができる。
また、本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物において用いられる白色顔料の平均粒子径は、反射率という観点から、好ましくは2.0μm以下、より好ましくは0.01〜1.0μm、さらに好ましくは0.1〜0.5μmとすることができる。平均粒子径は電子顕微鏡を使用した一次粒子の測定により求められる。なお、白色顔料の平均粒子径が大きい場合には良好な成形性が得られず高い反射率を得られない虞がある。
本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物は、粘度が0.1〜100kPa・sの範囲であることを特徴とする。粘度が0.1kPa・s未満であると、金型内の流動性が良過ぎるために過充填となりやすく、バリ等の成形不良が発生する虞がある。粘度が100kPa・sを超えると、金型内の流動性が悪く、充填不足等の成形不良が発生する虞がある。
一般に、ラジカル重合性樹脂を含む熱硬化性樹脂の射出成形においては、加熱されたシリンダー内でスクリューにより樹脂組成物が可塑化され、溶融状態の樹脂組成物が金型内に射出されることにより成形される。
不飽和ポリエステル樹脂等のラジカル重合性樹脂組成物の射出成形においては、樹脂組成物が金型末端部まで充填された後にラジカル重合(ゲル化)反応が始まり、硬化により成形品が十分な強度に達した後に金型から取り出すことが必要となるため、樹脂組成物の溶融粘度と重合反応の速度との調整が重要となる。
溶融粘度が低い樹脂組成物は金型内の流動性が良好であるが、過充填となりやすく、バリ等の成形不良が発生する虞がある。一方、溶融粘度が高い樹脂組成物は金型内の流動性が悪く、樹脂組成物が成形品末端まで到達する前に重合反応が開始することにより充填不足等の成形不良が発生する虞がある。
本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物の更に好ましい実施態様において、前記LED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物の70℃〜120℃の温度範囲における粘度が0.1〜100kPa・sの範囲である。温度が70℃より低い場合は樹脂組成物が溶融しないため、射出成形が困難となる。仮に射出成形が出来ても、樹脂組成物の粘度が高くて樹脂組成物が金型端部まで充填しない虞がある。一方、120℃よりも高い場合は成形中にシリンダー内で硬化反応が発生し連続成形が困難となる場合がある。また、仮に射出成形が出来ても、金型中に射出した樹脂組成物が逆流、樹脂組成物が金型端部まで充填しない虞がある。金型端部まで充填させるために、射出容量を増やすと樹脂組成物の粘度が低くいため成形時にバリが大きくなる虞がある。以上に述べた理由から、前記LED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物は70℃〜120℃の温度範囲において0.1〜100kPa・sの範囲の粘度とすることが好ましい。
本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物の好ましい実施態様において、前記LED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物は不飽和ポリエステル樹脂を含む。
本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物の更に好ましい実施態様において、前記LED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物は結晶性不飽和ポリエステル樹脂を含む。
非晶性不飽和ポリエステルと結晶性不飽和ポリエステルとの違いを述べると以下の通りである。すなわち、結晶性不飽和ポリエステルと常温にて液体状の共重合性単量体からなる結晶性不飽和ポリエステル樹脂は、常温にて固体状であり、結晶性不飽和ポリエステル樹脂の融点以上で低粘度な液体状である。ところが、非晶性不飽和ポリエステルと常温にて液体状の共重合性単量体からなる非晶性不飽和ポリエステル樹脂は、常温にて液体状である。
射出成形可能であり、一般的なスチレンモノマー等の共重合性単量体を使用している不飽和ポリエステル樹脂組成物としては常温にて湿式のBMCが知られている。BMCは非晶性不飽和ポリエステル樹脂を使用しており、(a)BMCを射出成形する場合、成形機内に押し込むプランジャー等の付帯設備が必要、(b)塊状であるため取り扱い性、無定形であることから作業性に劣る、(c)湿式であるため貯蔵安定性に劣る、などの改善点が挙げられる。
射出成形可能であり、常温にて固体状の非晶性不飽和ポリエステル樹脂組成物は、非晶性不飽和ポリエステルに常温にて固体状の共重合性単量体、共重合性多量体、及び使用可能な範囲において液体状の共重合性単量体を使用して上記(a)〜(c)の課題を解決している。一方、結晶性不飽和ポリエステルは常温にて液体状、または固体状の共重合性単量体、及び共重合性多量体を任意の範囲で組み合わせることが可能である。
本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物において、樹脂組成物の粘度が高くなる小粒子径の白色顔料、無機充填材を使用できるという観点から、不飽和ポリエステル樹脂として、常温にて液体状、または固体状の共重合性単量体、及び共重合性多量体を任意の範囲で組み合わせること可能な結晶性不飽和ポリエステル樹脂を好適に使用することができる。
また、本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物において、造粒性や貯蔵安定性に優れるという観点から、不飽和ポリエステル樹脂として常温にて固体状の結晶性不飽和ポリエステル樹脂を好適に使用することができる。
本発明において、不飽和多塩基酸としてフマル酸、飽和多塩基酸としてイソフタル酸やテレフタル酸が使用され、結晶性という観点から、グリコールとして主成分にエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールを使用した結晶性不飽和ポリエステルが好適に用いられる。
本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物の好ましい実施態様において、前記LED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物の140℃〜180℃の温度範囲におけるゲル化時間が5〜120秒の範囲である。前記LED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物の140℃〜180℃の温度範囲におけるゲル化時間が5秒未満であると、金型キャビティー内に充填される前に樹脂組成物のゲル化が起こるため、金型表面を十分に転写できなく表面平滑性に乏しい成形品しか得られない虞がある。前記LED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物の140℃〜180℃の温度範囲におけるゲル化時間が120秒を超えると、硬化時間を長くせざるを得なくなることから、生産性に乏しく、汎用の反射板として普及しない虞がある。
すなわち、品質の優れた成形品を得るためには、ゲル化時間等の硬化速度の調整も重要である。ゲル化時間が短か過ぎると樹脂組成物は金型キャビティー内に充填される前に樹脂組成物のゲル化が起こるため、金型表面を十分に転写できなく表面平滑性に乏しい成形品しか得られない虞がある。一方、樹脂組成物のゲル化時間が長過ぎると硬化時間を長くせざるを得なくなることから、生産性に乏しく、汎用の反射板として普及しない虞がある。
本発明の好ましい実施態様は、前記LED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物を(金型温度)140℃〜180℃で加熱硬化させる射出成形方法である。金型温度が140℃未満であると、硬化速度が遅いため硬化時間を長くせざるを得なくなることから生産性に劣り、汎用の反射板として普及しない虞がある。金型温度が180℃を超えると、硬化速度が速いため末端部が充填不足となり易く製品が得られない虞がある。
LED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物においては、強化材を配合することができる。強化材を用いることにより、優れた強度特性、寸法安定性を有するLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物とすることができる。
強化材としては、通常、BMC、SMC(シート・モールディング・コンパウンド)等のFRP(ファイバー・レインフォースド・プラスチックス)に用いられる不飽和ポリエステル樹脂組成物の強化材として使用されるガラス繊維が用いられるが、ガラス繊維に限定されず、それ以外のものも用いることができる。ガラス繊維以外に用いられる強化材として、カーボン繊維、ウィスカ等の無機繊維、アラミド繊維やポリプロピレン繊維等の有機繊維を挙げることができるが、好ましくは、アラミド繊維やポリプロピレン繊維である。
ガラス繊維としては、珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラスを原料とするEガラス(電気用無アルカリガラス)、Cガラス(化学用含アルカリガラス)、Aガラス(耐酸用ガラス)、Sガラス(高強度ガラス)等のガラス繊維を挙げることができ、これらを長繊維(ロービング)、短繊維(チョップドストランド)としたものを用いることができる。さらに、これらのガラス繊維は表面処理を施したものを用いることもできる。
これらの中でも、成形品の大きさ、形状の観点から短繊維(チョップドストランド)を用いることが好ましい。本発明において用いられる強化材の好ましい繊維長は1.5〜13mmの範囲であり、繊維径は6〜15μmの範囲である。
LED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物には、重合開始剤として、通常不飽和ポリエステル樹脂組成物に用いられる加熱分解型の有機過酸化物や重合禁止剤を用いることができる。
有機過酸化物としては、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド等を挙げることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、成形条件、貯蔵安定性という観点から、10時間半減期温度が100℃以上の有機過酸化物を用いることが好ましく、具体的にはジクミルパーオキサイドを好適に用いることができる。
重合禁止剤としてはハイドロキノン、モノメチルエーテルハイドロキノン、トルハイドロキノン、ジ−t−4−メチルフェノール、モノメチルエーテルハイドロキノン、フェノチアジン、t−ブチルカテコール、パラベンゾキノン、ピロガロール等のキノン類、2,6−ジーt−ブチルーp−クレゾール、2,2−メチレンービスー(4−メチルー6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリスー(2−メチルー4−ヒドロキシー5−t−ブチルフェニル)ブタン等のフェノール系化合物を挙げることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物には、樹脂組成物の流動性や、LED反射板としたときの反射率を阻害しない範囲において、他の無機充填材を適宜配合することができる。
これらのものとしては、酸化物及びその水和物、無機発泡粒子、シリカバルーン等の中空粒子等を挙げることができる。
本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物には離型剤が用いられる。離型剤としては、一般に熱硬化性樹脂に用いられる脂肪酸系、脂肪酸金属塩系、鉱物系等のワックス類を用いることができ、特に、耐熱変色性に優れた脂肪酸系、脂肪酸金属塩系のものを好適に用いることができる。
これらの離型剤としては、具体的にはステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウムを挙げることができる。これらの離型剤は単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、これらの配合成分以外に、ラジカル重合性樹脂組成物の硬化条件を調整するための硬化触媒及び重合禁止剤、着色剤、増粘剤、その他有機系添加剤、無機系添加剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物は、各成分を配合して、ミキサー、ブレンダー等を用いて十分均一に混合した後、加熱加圧可能な混練機、押し出し機等にて調製し、造粒して製造することができる。
また、本発明の粒状物は、本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物からなることを特徴とする。本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物よりなる粒状物は、該組成物を粉砕して得られる粉体であっても良く、ペレット状であっても良い。
また、本発明のLED反射板は、本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物よりなる粒状物を成形してなることを特徴とする。LED反射板は、常法により、種々の熱硬化性樹脂組成物の成形方法により成形することができる。
また、本発明のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物は、乾式で、かつ溶融時の熱安定性が良好なため、成形方法として、射出成形法、射出圧縮成形法、トランスファー成形法等の溶融加熱成形法を好適に用いることができる。これらの中でも射出成形機を用いた射出成形法が特に好適である。
以下、実施例により本発明の一実施態様についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(LED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物の製造例)
実施例1〜11、比較例1〜3
表1に示す実施例1〜11のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物、表2に示す比較例1〜4のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物は、下記表1、及び表2に記載の配合量にて配合し、加圧加熱可能な混練機を用いて均一に調製した後、調製物を押し出し機に投入して造粒し、樹脂組成物を作製した。
得られたラジカル重合性樹脂組成物は射出成形機(住友重機械工業(株)製 120トン 熱硬化性射出成形機)により、金型温度165℃・硬化時間60秒の条件で、試験片を作製した。金型は引張、曲げ、圧縮、衝撃試験用テストピースと平板を取得できるファミリーモールドを用いた。成形した試験片について下記記載の方法により物性評価を行いそれぞれ表1、及び表2に示した。
配合成分としては以下のものを用いた。
(1)ラジカル重合性樹脂
1.不飽和ポリエステル1:結晶性不飽和ポリエステル(日本ユピカ製 T−855)
2.不飽和ポリエステル2:非晶性不飽和ポリエステル(日本ユピカ製 ユピカ8552)
3.エポキシアクリレート:エポキシアクリレート(日本ユピカ製 V−774)
4.共重合性単量体1:スチレンモノマー(旭化成(株)製)
5.共重合性多量体:ジアリルフタレートプレポリマー(ダイソー(株)製
ダップポリマー)
(2)白色顔料
1.白色顔料:酸化チタン(ルチル型酸化チタン 平均粒子径0.2μm)(石原産業(株)製 CR−60)
(3)無機充填材
1.無機充填材1:炭酸カルシウム(平均粒子径2μm)
(4)添加剤
1.強化材:ガラス繊維(日東紡(株)製 CS 3 PE−908)
2.離型剤:ステアリン酸亜鉛(日油(株)製 GF−200)
3.重合開始剤:ジクミルパーオキサイド(日油(株)製 パークミルD)
(1)保存形状安定性
表1に示す実施例1〜11、及び表2に示す比較例1〜3のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物2kgを共重合性単量体が気散しないPE(ポリエチレン)/PET(ポリエチレンテレフタレート)の多層フィルムからなる袋に詰め、更に20cm角容器に樹脂組成物が入った袋を設置し、容器内の樹脂組成物全面に10kgの荷重を加え、50℃の熱風乾燥機内に2週間保管して樹脂組成物の形状確認を行なった。その結果を表1、及び表2に示す。変形しなかったものを○、僅かに変形したものを△、変形したものを×とした。但し、前記基準をクリアせずとも、所望の用途、要求される品質等によっては条件が適合する場合もあるので、一つの目安として検討すればよいものである。
(2)樹脂組成物粘度
表1に示す実施例1〜11、及び表2に示す比較例1〜3のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物をBMC粘度測定機(日本ユピカ製 BMC−100T)を用いて粘度を測定した。ラジカル重合性樹脂組成物50gを90℃の試料ポットに投入し、ピストンを下ろし、3分間保持する。その後、ピストンを一定速度(50mm/min)で下ろし試料ポットの底部中央に設けられた直径4mm×L10mmのモノホールから樹脂組成物を流出させる。この時に押し込みピストンにかかる荷重から粘度を算出した。その結果を表1、及び表2に示す。粘度が高く測定できない樹脂組成物は測定を中止した。
(3)ゲル化時間
表1に示す実施例1〜11、及び表2に示す比較例1〜3のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物を差動トランス式位置センサーが備えられた金型を用いてゲル化時間を測定した。155℃に設定したプレス金型の中央部に240gの樹脂組成物を置いた後、直ちに金型を上昇して締めて加熱加圧成形を行った。記録計より図0001に示すような金型の変位―時間曲線を得た。(直線1は型締め速度に相当する。金型内の樹脂組成物の流動につれて作動トランスの動きは遅くなり、一定の厚みとなった時点で差動トランスはいったん停止するが、硬化の進展に伴い硬化収縮が始まるため、差動トランスの位置が上昇し始める。この段階で得られるS字カーブの変曲点における接線が直線2である。硬化が終了すると作動トランスの位置は一定となる。この段階で得られるS字カーブの変曲点における接線が直線3である。直線1と直線2との交点4から直線2と直線3との交点5との間の時間をゲル化時間とした。)図より得られたゲル化時間の値を表1、及び表2に示す。
(4)充填性
表1に示す実施例1〜11、及び表2に示す比較例1〜3のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物を金型温度165℃・硬化時間60秒(硬化時間は射出時間と保圧時間の合計)の条件において成形性を評価した。その結果を表1、及び表2に示す。樹脂組成物が金型キャビティ末端部まで充填したものを○、金型キャビティ末端部まで充填しないものも×とした。
(5)バリの長さ
表1に示す実施例1〜11、及び表2に示す比較例1〜3のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物を金型温度165℃・硬化時間60秒(硬化時間は射出時間と保圧時間の合計)の条件において成形し、金型に設けられたエアベント以外のバリの長さを測定した。評価方法は金型の固定側・可動側の隙間内を流れて生じた樹脂バリの長さの最大値をノギスで求めた。その結果を表1、及び表2に示す。目標とするバリの長さは10mmとし、10mm以下を良、10mmを超えるものを不良とした。
(6)成形サイクル
表1に示す実施例1〜11、及び表2に示す比較例1〜3のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物を金型温度165℃・硬化時間60秒(硬化時間は射出時間と保圧時間の合計)の条件において、成形サイクルを評価した。その結果を表1、及び表2に示す。連続成形が可能であり、良品が得られた試験片を○、スプルーの硬化が不十分であり連続成形ができなかったものを×とした。
(7)初期反射率
表1に示す実施例1〜11、及び表2に示す比較例1〜3の試験片を紫外可視近赤外分光光度計((株)島津製作所製 UV−3100PC)を用いて反射率測定波長が450nmで反射率を測定した。その結果を表1、及び表2に示す。目標とする初期反射率は90%とし、90%以上を良、90%未満を不良とした。但し、前記厳格な基準をクリアせずとも、所望の用途、要求される品質等によっては、90%未満でも条件が適合する場合もあるので、一つの目安として検討すればよいものである。
(8)耐熱試験後反射率
表1に示す実施例1〜11、及び表2に示す比較例1〜3の試験片を150℃に温調した熱風乾燥機内で1000時間保管し、紫外可視近赤外分光光度計((株)島津製作所製 UV−3100PC)を用いて反射率測定波長は450nmで行い、反射率を測定した。その結果を表1、及び表2に示す。目標とする耐熱試験後反射率は80%とし、80%以上を良、80%未満を不良とした。但し、前記厳格な基準をクリアせずとも、所望の用途、要求される品質等によっては、80%未満でも条件が適合する場合もあるので、一つの目安として検討すればよいものである。
(9)60°光沢率
表1に示す実施例1〜11、及び表2に示す比較例1〜3の試験片を写像性測定器(日本電色工業(株) VGS−300A)を用いて測定した。その結果を表1、及び表2に示す。目標とする光沢率は40%とし、40%以上を良、40%未満を不良とした。但し、前記厳格な基準をクリアせずとも、所望の用途、要求される品質等によっては、40%未満でも条件が適合する場合もあるので、一つの目安として検討すればよいものである。
<評価結果>
表1に示すように総合的に判断した結果、本発明におけLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物の配合量範囲を満足する実施例1〜11は、表2に示すラジカル重合性樹脂組成物に比べて、優れた効果を示すことが判明した。
比較例1はジアリルフタレートプレポリマーとスチレンモノマーを使用したラジカル重合性樹脂組成物である。樹脂組成物の粘度が高いため、測定装置の過負荷となり粘度を測定することができなかった。成形において、樹脂組成物の粘度が高いため、樹脂組成物がテストピース末端部まで到達しなく、試験片を得ることができなかった。
比較例2は非晶性不飽和ポリエステルにスチレンモノマーとジアリルフタレートプレポリマーを使用したラジカル重合性樹脂組成物である。樹脂含有量が多い樹脂組成物は耐熱試験後反射率が低下した。また、樹脂組成物の保存形状安定性では変形を確認した。
比較例3は非晶性不飽和ポリエステルにスチレンモノマーとジアリルフタレートプレポリマーを使用したラジカル重合性樹脂組成物である。無機充填材が多い樹脂組成物は粘度が高いため、測定装置の過負荷となり粘度を測定することができなかった。また、樹脂組成物の粘度が高いため、樹脂組成物がテストピース末端部まで到達しなく、試験片を得ることができなかった。更に、樹脂組成物の保存形状安定性では僅かに変形を確認した。
表1に示すように総合的に判断した結果、本発明におけLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物の請求範囲を満足する実施例1〜11は、表2に示すラジカル重合性樹脂組成物に比べて、優れた効果を示すことが判明した。

Claims (8)

  1. ラジカル重合性樹脂、無機充填材、白色顔料を少なくとも含むラジカル重合性樹脂組成物であって、前記ラジカル重合性樹脂組成物の粘度が0.1〜100kPa・sの範囲であることを特徴とするLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物。
  2. 前記ラジカル重合性樹脂組成物の粘度が、70℃〜120℃の温度範囲において0.1〜100kPa・sの範囲である事を特徴とする請求項1記載のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物。
  3. 前記ラジカル重合性樹脂組成物が不飽和ポリエステル樹脂を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物。
  4. 前記ラジカル重合性樹脂組成物が結晶性不飽和ポリエステル樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜3項のいずれか1項に記載のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物。
  5. 前記ラジカル重合性樹脂組成物において、140〜180℃の温度範囲におけるゲル化時間が5〜120秒の範囲である事を特徴とする請求項1〜4項のいずれか1項に記載のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物からなる粒状物。
  7. 請求項6に記載のLED反射板用ラジカル重合性樹脂組成物からなる粒状物を140〜180℃で加熱硬化させる射出成形方法。
  8. 請求項7に記載の射出成形方法に得られることを特徴とするLED反射板。
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