JP2014077064A - 活性エネルギー線硬化性コーティング用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式(I)で表される化合物(A)と
W−Xa−Y−Zb−SiR2 c−(OR1)3-c (I)
(式中、Wはエチレン性不飽和二重結合を有する基を示し、Xはメチレン基またはアルキレンオキサイド基単位を示し、aは2〜8の整数であり、環構造を含んでいてもよい。Yは2価の官能基を示し、その構造中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでいてもよい。Zはメチレン基を示し、bは2〜5の整数である。R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基を示し、cは0〜2の整数である。)と光重合開始剤(B)成分と、光酸発生剤(C)成分と、チオール化合物(D)とを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
【選択図】 なし
Description
一般式(I)で表される分子内にエチレン性不飽和二重結合と加水分解性シリル基を有する化合物(A)成分と
W−Xa−Y−Zb−SiR2 c−(OR1)3-c (I)
(式中、Wはエチレン性不飽和二重結合を有する基を示し、Xはメチレン基またはアルキレンオキサイド基単位を示し、aは2〜8の整数であり、環構造を含んでいてもよい。Yは2価の官能基を示し、その構造中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでいてもよい。Zはメチレン基を示し、bは2〜5の整数である。R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基を示し、cは0〜2の整数である。)と光重合開始剤(B)と、光酸発生剤(C)と、チオール化合物(D)とを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物(請求項1)。
前記化合物(A)におけるWが(メタ)アクリロイル基である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物(請求項2)。
前記化合物(A)におけるYがウレタン基、チオウレタン基、尿素基、エーテル基からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または2の一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物(請求項3)。
前記化合物(A)100重量部に対して、チオール化合物(D)を5〜200重量部含有することを特徴とする請求項1から3の一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物(請求項4)。
チオール化合物(D)が、加水分解性シリル基を有するチオール化合物であることを特徴とする請求項1から4の一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物(請求項5)。
チオール化合物(D)が、一分子中に2個以上のチオール基を有する化合物であることを特徴とする請求項1から5の一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物(請求項6)。
前記光酸発生剤(C)が、芳香族スルホニウム塩若しくは芳香族ヨードニウム塩であることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物(請求項7)。
前記光酸発生剤(C)のカウンターアニオンが、フルオロフォスフォネート系若しくはフルオロスルフォネート系であることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物(請求項8)。
請求項1〜8の何れか一項に記載の硬化性組成物を含有するプラスチック用活性エネルギー線硬化性組成物(請求項9)。
請求項1〜8の何れか一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物を塗装した塗装体(請求項10)。
請求項1〜8の何れか一項に記載の硬化性組成物を含有する活性エネルギー線ハードコート用硬化性組成物(請求項11)。
請求項1〜8の何れか一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物を基材に塗布し、活性エネルギー線を照射する塗膜の製造方法(請求項12)。
(A)分子内にエチレン性不飽和二重結合と加水分解性シリル基を有する化合物
本発明の分子内にエチレン性不飽和二重結合と加水分解性シリル基を有する化合物は(A)一般式(I)で表される構造を有する化合物である。
W−Xa−Y−Zb−SiR2 c−(OR1)3-c (I)
(式中、Wはエチレン性不飽和二重結合を有する基を示し、Xはメチレン基またはアルキレンオキサイド基単位を示し、aは2〜8の整数であり、環構造を含んでいてもよい。Yは2価の官能基を示し、その構造中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでいてもよい。Zはメチレン基を示し、bは2〜5の整数である。R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基を示し、cは0〜2の整数である。)。
加水分解性シリル基含有イソシアナート化合物(a)としては、下記一般式(II)で表されるアルコキシシリル基とイソシアナート基を一分子中に有する化合物が有用である。
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基を示し、cは0〜2の整数である。)。
加水分解性シリル基含有アミン化合物(b)としては、上記一般式(II)で表されるアルコキシシリル基とアミノ基を一分子中に有する化合物が有用である。またアミノ基は、イソシアナート基やグリシジル基との反応に使用するため、1級若しくは2級のアミノ基が好ましい。
加水分解性シリル基含有チオール化合物(c)としては、上記一般式(II)で表されるアルコキシシリル基とチオール基を一分子中に有する化合物が有用である。
アルコール性水酸基含有エチレン性不飽和化合物(d)としては、ビニル基やアリル基、(メタ)アクリロイル基を有するアルコール性水酸基化合物が有用である。
モノイソシアナート含有エチレン性不飽和化合物(e)としては、入手のしやすさなどからα,β−エチレン性不飽和モノイソシアネートが有用である。
グリシジル基含有エチレン性不飽和化合物(f)としては、ビニル基やアリル基、(メタ)アクリロイル基を有するグリシジル基化合物が有用である。
本発明における(B)成分である光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインモノメチルエ−テル、ベンゾインイソプロピルエ−テル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタ−ル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレ−ト、エチルフェニルグリオキシレ−ト、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。IRGACURE184やIRGACURE819などのIRGACUREシリーズやDAROCUR1173やDAROCUR TPOなどのDAROCURシリーズ(以上、BASF社製)、KAYACURE DETX−S、KAYACURE CTXなどのKAYACUREシリーズ(以上、日本化薬社製)、TAZ−101、TAZ−110などのTAZシリーズ(以上、みどり化学社製)等が市販されている。
本発明における(C)成分である光酸発生剤は、活性エネルギー線に暴露されることにより酸を発生する化合物であり、たとえばトルエンスルホン酸または四フッ化ホウ素などの強酸、スルホニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩またはセレニウム塩などのオニウム塩類;鉄−アレン錯体類;シラノール−金属キレート錯体類;ジスルホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジスルホニルメタン類、スルホニルベンゾイルメタン類、イミドスルホネート類、ベンゾインスルホネート類などのスルホン酸誘導体;有機ハロゲン化合物類など、特開平5−134412号公報に示される放射線の照射により酸を発生する化合物があげられる。
本発明における(D)成分であるチオール化合物は、活性エネルギー線照射の際に、(A)成分に対してエンチオール反応を起こすため、強靭な塗膜が形成されると考えられる。
(D)成分の具体例としては、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン化合物や前記(c)の記載の加水分解性シリル基含有チオール化合物等、また一分子中に2個以上のチオール基を有する化合物として、1,2−エタンジチオール、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、ジペンタエチスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)等が挙げられる。
(エチレン性不飽和二重結合と加水分解性シリル基を有する化合物(A))
(合成例1)
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロ−トを備えた反応器に表1の(a)成分と(d)成分および溶剤、メトキノンを仕込み、撹拌しながら窒素ガスを導入して75℃に昇温した。その後、75℃に保持したまま8時間反応を続けた。IRでイソシアネートのピークが消失したことを確認した。50℃まで温度を下げたのち脱水剤を配合、撹拌して化合物(A−1)を得た。
同様にして、表1の(a)〜(e)成分および溶剤、メトキノンを仕込み、IRにて2100cm-1付近のイソシアネート由来のピークが消失したことを確認し、化合物(A−2〜6)を得た。ブレンマーAE90は、日油(株)製のポリエチレングリコールモノアクリレートである。
表2に示すように(A)成分に対して、(B)成分、(C)成分およびその他成分を加え、攪拌機を用いて1000rpmで3分間混合し、コーティング用樹脂組成物を得た。
DAROCUR1173:BASF社製 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
IRGACURE184:BASF社製 1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン
CPI−100P:サンアプロ(株)製 トリアリールスルホニウム・PF6塩のプロピレンカーボネート溶液
CPI−101A:サンアプロ(株)製 トリアリールスルホニウム・SbF6塩のプロピレンカーボネート溶液
カレンズMTNR1:昭和電工(株)製 1,3,5−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン
PMMAフィルム(SD009 125μm(株)カネカ製)に、表2で作製したコーティング用樹脂組成物をバーコーターを用いて、乾燥膜厚が約10μmとなるように塗布し、80℃で2分間溶剤除去のため乾燥した。次いで、空気中で無電極ランプバルブ(Light Hammmer:フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製)を用い、240mWで、波長310〜390nmの積算光量が500mJ/cm2となるように活性エネルギー線を照射することで硬化させ、試験片とした。
・硬度
照射7日後にJIS K5600に準拠して、鉛筆硬度を評価した。
・耐擦傷性
照射7日後に消しゴム摩耗試験機((株)光本製作所製)を用い、スチールウール#0000に500g/cm2の荷重をかけて500回往復させ、塗膜に残った傷の本数を観察し、下記の基準で評価した。
5:正面から見て傷が全くない
4:正面から見て数本の傷がある
3:数本から10本以内の浅い傷がある
2:傷が10本以上若しくは深い傷がある
1:深い傷がたくさんある若しくは塗膜が削り取られている
・耐衝撃性
照射7日後の試験板に直径17.5mmで重さが22gの鋼球を落下し、試験板の外観を目視観察した。鋼球を落下する高さを変更し、クラックが発生しなかった高さを評価した。
・柔軟性
照射7日後に、塗工した面を内側にして鉄芯に巻き付け、塗装板の状態を観察した。
○:φ=10mmの鉄芯に巻き付けて変化なし
△:φ=15mmの鉄芯に巻き付けて変化なし
×:φ=15mmの鉄芯に巻き付けたとき塗膜が割れた
・耐候性
サンシャインウエザオメーター(SWOM スガ試験機(株)製)を用いて耐候性試験を実施した。
○:2000Hrでクラックの発生や艶の低下などの変化なし
△:2000Hrで一部クラックが発生した
×:2000Hr以内に全体にクラックの発生や艶低下等、外観上著しい変化があった。
・耐薬品性
照射7日後に、表2に示す薬品をスポットし、80℃で1時間静置した後、脱脂綿で拭取り塗膜の状態を観察した。
○:変化なし
△:スポット跡が残る
×:塗膜が膨潤(溶解)している
コパトーン、ニベアとしては、下記のものを使用した。
コパトーン:コパトーンSPF50
ニベア :ニベアSPF47。
Claims (12)
- 一般式(I)で表される分子内にエチレン性不飽和二重結合と加水分解性シリル基を有する化合物(A)成分と
W−Xa−Y−Zb−SiR2 c−(OR1)3-c (I)
(式中、Wはエチレン性不飽和二重結合を有する基を示し、Xはメチレン基またはアルキレンオキサイド基単位を示し、aは2〜8の整数であり、環構造を含んでいてもよい。Yは2価の官能基を示し、その構造中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでいてもよい。Zはメチレン基を示し、bは2〜5の整数である。R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基を示し、cは0〜2の整数である。)と光重合開始剤(B)と、光酸発生剤(C)と、チオール化合物(D)とを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。 - 前記化合物(A)におけるWが(メタ)アクリロイル基である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記化合物(A)におけるYがウレタン基、チオウレタン基、尿素基、エーテル基からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または2の一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記化合物(A)100重量部に対して、チオール化合物(D)を5〜200重量部含有することを特徴とする請求項1から3の一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- チオール化合物(D)が、加水分解性シリル基を有するチオール化合物であることを特徴とする請求項1から4の一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- チオール化合物(D)が、一分子中に2個以上のチオール基を有する化合物であることを特徴とする請求項1から5の一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記光酸発生剤(C)が、芳香族スルホニウム塩若しくは芳香族ヨードニウム塩であることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記光酸発生剤(C)のカウンターアニオンが、フルオロフォスフォネート系若しくはフルオロスルフォネート系であることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 請求項1〜8の何れか一項に記載の硬化性組成物を含有するプラスチック用活性エネルギー線硬化性組成物。
- 請求項1〜8の何れか一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物を塗装した塗装体。
- 請求項1〜8の何れか一項に記載の硬化性組成物を含有する活性エネルギー線ハードコート用硬化性組成物。
- 請求項1〜8の何れか一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物を基材に塗布し、活性エネルギー線を照射する塗膜の製造方法。
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