JP2004512414A - 尿素基およびシリル基を有するポリマー、ならびにその製造および使用 - Google Patents
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Abstract
Description
(技術分野)
本発明は、少なくとも1つの尿素基および少なくとも1つのシリル基を含有する化合物を製造する方法(少なくとも1つのアミノ基を含有する化合物とカルバメートを反応させるが、少なくとも1つのアミノ基を含有する化合物またはカルバメートのいずれがシリル基を含有していてもよい)、この方法によって製造された化合物、それらの使用、ならびにこれらの化合物を含有する表面コーティング組成物、フォームおよび接着剤に関する。
【0002】
(背景技術)
シリル基と尿素基の両者を含む有機化合物、特にポリマーは例えばコーティング材や接着剤の分野など、多くの産業部門で用いられる。このような化合物、特にポリマーの利点は特に、親水性物質に疎水性にするとともに結合作用を付与する能力、また、水分作用下で互いに架橋する能力にある。
【0003】
上記の化合物を含有する表面コーティング組成物は疎水面にも親水面にも接着の向上を示す。かかるポリマーを含有する接着剤は例えば親水性物質でも疎水性物質でも、また、互いに極性の異なる物質にも永久結合することができる。
【0004】
従来、尿素基およびシリル基を同時にポリマーに導入することは種々の利用のため困難であった。多くの場合、このような基を導入するには、それらの毒性および水分感受性のためにこのような製品の製造に一般的でなくとも、イソシアネートシランが用いられてきた。また、イソシアネートシランの残基はこのようにして製造された化合物から満足のいくレベルまで除去することができない場合が多いので、その化合物自体またはそれらから製造された製品に残留イソシアネート含量の表示が義務づけられることになる。しかし、このような成分が表示されていると、それらから製造された製品を消費者が受け入れにくくなる。
【0005】
しかし、ここで例として挙げた尿素基とシリル基の間の相互作用に関する問題は基本的にイソシアネート基を用いて得られる構造要素をポリマーへ導入する他の多くの方法にも当てはまる。反応混合物中にイソシアネートが存在すると、望まない生成物が形成されたり、最終製品にイソシアネート含有材料が残留したりして上記の問題が起こることになる。
【0006】
尿素基とアルコキシシリル基の両者を含有するポリエーテルの製造方法は例えばChemical Abstracts 123:171406 (JP 93−185 595の要約)に記載されている。これらの化合物を製造するには、アミノ官能性ポリエーテルを、イソシアネート基を含有するシリル化合物と反応させる。
【0007】
US−A5,886,205は、触媒の存在下でシリル基を含有するカルバミン酸エステルを熱分解することを含んでなる、シリル基含有イソシアネート化合物の製造方法に関するものである。カルバメートと、少なくとも1つのアミノ基を含有する化合物との反応はこの明細書では触れられていない。
【0008】
US−A5,218,133は、塩基性触媒の存在下でアミノシランをジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネートまたはその混合物と反応させて有機カルバミン酸シリルを得る、カルバミン酸シリルまたはシアヌル酸シリルの製造方法に関するものである。この塩基性触媒はその後所望により中和し、残留するアミノシランも中和する。分解触媒を添加し、減圧下で加熱した後にイソシアヌル酸シリルが得られる。しかし、この明細書では、尿素構築要素を含有するシリル化合物がカルバメートとアミノ化合物を反応させる(アミノ化合物またはカルバメートのいずれか、または双方がシリル基を含有する)ことでいかにして得られるかは記載されていない。
【0009】
US−A6,008,396には、カルバメート−有機シランを不活性液媒下でイソシアネート−有機シランへ変換する、イソシアネート−有機シランの製造方法が記載されている。この明細書では尿素基とシリル基の両者を含有する化合物の製造については触れられていない。
【0010】
US−A5,886,205では、シリル基を含有するカルバミン酸エステルを、触媒の存在下、pH値が高くとも8で分解する、シリル基含有イソシアネートの製造方法が記載されている。この明細書でも尿素基とシリル基の両者を含有する化合物の製造については触れられていない。
【0011】
また、イソシアネート基とシリル基を用いて得られる他種の組合せの構造要素は従来多段階、ゆえにコストの高くつく方法でしか得ることができなかった。これは特にイソシアヌレート基とシリル基の両者を含有するポリマーの製造に当てはまることである。このようなポリマーは特にそれらの架橋の点から、結果としての表面コーティング組成物および接着剤の材料特性という点で注目に値するものである。
【0012】
EP−A1006132は、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンポリイソシアネートを用いて製造されたアルコキシシラン含有ラッカー剤に関するものである。この明細書には、例えば、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンの三量体化によって得られるポリイソシアネートとアミノ官能性アルコキシシランの反応反応が記載されている。残念なことに、記載されている反応には、低分子量ジイイソシアネートを多く含有するイソシアヌレートが用いられるという欠点がある。このような低分子量イソシアネートは少なからず毒性の可能性を有している。さらにまた、このようなイソシアネートを用いて製造されたポリマーの架橋は、この明細書に記載のイソシアヌレートが常に官能価が異なる化合物の複雑な混合物であり、3を超える官能価を有するイソシアヌレートが常に存在することから制御が難しい。このような混合物の使用には、使用者にとって、これらのトリイソシアナトトリイソシアヌレート混合物を用いて製造されたポリマーの特性が架橋度を微調整することが難しいという欠点が伴う。この明細書に記載されている化合物のもう1つの欠点としては、用いるイソシアヌレートの構造のために、尿素基またはウレタン基が常にイソシアヌレート基のすぐそばに存在していることである。一般に記載されていることではこれらの官能基が至近距離にあると堅くもろい結合剤となることから、このような配置は柔軟性の高い結合剤の製造を難しくする、あるいはその製造の妨げとなる。
【0013】
さらにまた、ウレタン基は約140℃〜160℃で分解するので、ウレタン基が存在するとそれらの化合物の熱安定性が低くなる。残念なことに、このような挙動は耐熱用途でのこのような化合物の使用の妨げとなる。
【0014】
記載されている化合物のもう1つの欠点としては、イソシアネート基を含有するイソシアヌレートが製造しにくいことである。架橋の危険性は変換が高まるほど高くなるので、イソシアネートのイソシアヌレートへの三量体化は相当する架橋点よりも低い度合いでしか行うことができない。はじめに架橋に用いたイソシアネートと生成物として得られたイソシアネート基含有イソシアヌレートは後に煩雑な蒸留工程で分離しなければならない。蒸留後、留去したイソシアネートは三量体化工程に戻す。このような方法の量的/時間的収率は複雑な分離工程のために低いものとなる。
【0015】
従って、少なくとも1つの尿素基と1つのシリル基を含有するポリマーが得られ、上記のような欠点が避けられる方法が必要である。さらに、上記のようないずれの欠点も伴わない、イソシアヌレート基、尿素基およびシリル基を含有するポリマーが必要である。
【0016】
(発明の開示)
(発明が解決しようとする技術的課題)
本発明が取り組む問題は、少なくとも1つの尿素基および少なくとも1つのシリル基を含有する化合物の製造方法、その方法によって製造される化合物、少なくとも1つの尿素基および少なくとも1つのシリル基を含有するポリマー、そのようなポリマーの製造方法、ならびに表面コーティング組成物、フォームまたは接着剤における本発明の方法によって製造される化合物および本発明の化合物の使用によって解決される。
【0017】
(その解決方法)
よって、本発明は第一に、少なくとも1つのアミノ基を含有する化合物およびカルバメートを、反応体として1つのシリル基を有する少なくとも1つの反応体と反応させる、少なくとも1つの尿素基および少なくとも1つのシリル基を含有する化合物の製造方法に関する。
【0018】
本明細書において「ウレア基」とは、一般式I:
【化1】
[式中、R8は水素であり、R9は水素、1〜24個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基、6〜24個の炭素原子を有し、所望により置換されていてもよいアリール基、アルキルまたはアリールシリル基である。]
に相当する構造要素であるものとする。置換基R9はまたエステル基、ケト基、アミノ基または水酸基などの1以上の置換基を含んでいてもよい。置換基R9は好ましくは水素、または1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基であり、特に好ましくは水素である。
【0019】
本明細書において「シリル基」とは、一般式II:
【化2】
[式中、R1〜R6は互いに独立に、1〜約24個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和炭化水素基、4〜約24個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和シクロアルキル基、または6〜約24個の炭素原子を有するアリール基を表し、n、mおよびjは各々0〜3の整数であり(m+n+j=3)、aは0〜3の整数であり、bは0〜2の整数であり、cは0〜8の整数である。]
に相当する化合物であるものとする。
【0020】
本発明の第1の実施形態では、一般式IIに相当するシリル基含有化合物を少なくとも1つの反応体として用いる。好適な化合物は特に一般式III:
【化3】
[式中、R1〜R6、a、b、c、n、mおよびjは上記定義の通りであり、R7は1〜約44個の炭素原子を有し、所望により置換されていてもよいアルキレン基、6〜約24個の炭素原子を有し、所望により置換されていてもよいシクロアルキレン基、または6〜約24個の炭素原子を有し、所望により置換されていてもよいアリーレン基であり、Zはアミノ基またはカルバメート基である。]
に相当する化合物である。好適な置換基としては例えばチオエーテル、メルカプト、アミノ、エステル、アミド、ニトロもしくはエーテル基などの官能基、またはそれら2種以上の混合物が挙げられる。
【0021】
本明細書において「カルバメート基」とは、一般式IV:
【化4】
[式中、置換基R10は1〜約10個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和アルキル基、約6〜約24個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和シクロアルキル基、または6〜約24個の炭素原子を有するアリール基である。]
に相当する構造要素であるものとする。
【0022】
本発明の好ましい実施形態では、Zがアミノ基である、一般式IIに相当する化合物を少なくとも1つの反応体として用いる。このような化合物は本明細書ではアミノシランとも呼ばれる。
【0023】
好適なアミノシランとしては、例えばN−(α−メチルジメトキシシリルメチル)−アミン、N−(α−トリメトキシシリルメチル)−アミン、N−(α−ジエチルメトキシシリルメチル)−アミン、N−(α−エチルジメトキシシリルメチル)−アミン、N−(α−メチルジエトキシシリルメチル)−アミン、N−(α−トリエトキシシリルメチル)−アミン、N−(α−エチルジエトキシシリルメチル)−アミン、N−(β−メチルジメトキシシリルエチル)−アミン、N−(β−トリメトキシシリルエチル)−アミン、N−(β−エチルジメトキシシリルエチル)−アミン、N−(β−メチルジエトキシシリルエチル)−アミン、N−(β−トリエトキシシリルエチル)−アミン、N−(β−エチルジエトキシシリルエチル)−アミン、N−(γ−メチルジメトキシシリルプロピル)−アミン、N−(γ−トリメトキシシリルプロピル)−アミン、N−(γ−エチルジメトキシシリルプロピル)−アミン、N−(γ−メチルジエトキシシリルプロピル)−アミン、
【0024】
N−(γ−トリエトキシシリルプロピル)−アミン、N−(γ−エチルジエトキシシリルプロピル)−アミン、N−(4−メチルジメトキシシリルブチル)−アミン、N−(4−トリメトキシシリルブチル)−アミン、N−(4−トリエチルシリルブチル)−アミン、N−(4−ジエチルメトキシシリルブチル)−アミン、N−(4−エチルジメトキシシリルブチル)−アミン、N−(4−メチルジエトキシシリルブチル)−アミン、N−(4−トリエトキシシリルブチル)−アミン、N−(4−ジエチルエトキシシリルブチル)−アミン、N−(4−エチルジエトキシシリルブチル)−アミン、N−(5−メチルジメトキシシリルペンチル)−アミン、N−(5−トリメトキシシリルペンチル)−アミン、N−(5−トリエチルシリルペンチル)−アミン、N−(5−エチルジメトキシシリルペンチル)−アミン、N−(5−メチルジエトキシシリルペンチル)−アミン、N−(5−トリエトキシシリルペンチル)−アミン、N−(5−ジエチルエトキシシリルペンチル)−アミン、N−(5−エチルジエトキシシリルペンチル)−アミン、N−(6−メチルジメトキシシリルヘキシル)−アミン、
【0025】
N−(6−トリメトキシシリルヘキシル)−アミン、N−(6−エチルジメトキシシリルヘキシル)−アミン、N−(6−メチルジエトキシシリルヘキシル)−アミン、N−(6−トリエトキシシリルヘキシル)−アミン、N−(6−エチルジエトキシシリルヘキシル)−アミン、N−[γ−トリス−(トリメトキシシロキシ)シリルプロピル]−アミン、N−[γ−トリス(トリメトキシシロキシ)シリルプロピル]アミン、N−(γ−トリメトキシシロキシジメチルシリルプロピル)−アミン、N−(γ−トリメチルシロキシジメトキシシリルプロピル)−アミン、N−(γ−トリエトキシシロキシジエチルプロピル)−アミン、N−(γ−トリエトキシシロキシジエトキシシリルプロピル)−アミン、N,N−ブチル−(γ−トリメトキシシリルプロピル)−アミン、N,N−ブチル−(γ−トリエトキシシリルプロピル)−アミン、N,N−フェニル−(γ−トリメトキシシリルプロピル)−アミン、
【0026】
N,N−フェニル−(γ−トリエトキシシリルプロピル)−アミン、N,N−シクロヘキシル−(γ−トリメトキシシリルプロピル)−アミン、N,N−エチル−(γ−トリメトキシシリルプロピル)−アミン、ジエチル−N−(トリメトキシシリルプロピル)−アスパルテート、ジエチル−N−(トリエトキシシリルプロピル)−アスパルテート、N,N−エチル−(γ−ジメトキシメチルシリルプロピル)−アミン、N,N−エチル−(γ−トリメトキシシリルイソブチル)−アミン、N,N−ビス−(トリメトキシプロピル)−アミン、N,N−エチル−(γ−トリメトキシシリルイソブチル)−アミン、N,N−エチル−(α−トリメトキシシリルメチル)−アミン、ジブチル−N−(トリメトキシシリルプロピル)−アスパルテート、ジブチル−N−(トリエトキシシリルプロピル)−アスパルテート、N,N−(β−アミノプロピル)−(γ−トリメトキシシリルプロピル)−アミン、N,N−ジ−(トリメトキシシリルプロピル)−エチレンジアミン、テトラ−(トリメトキシシリルプロピル)−エチレンジアミンおよびN,N−エチル−(β−トリメトキシシリルエチル)−アミン、もしくはN−[γ−トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]−アミン、またはそれら2種以上の混合物が挙げられる。
【0027】
さらに、パラメーターcによって特徴付けられる繰り返し単位が一般式V:
【化5】
(式中、cが1〜約6の値である)
に相当する繰り返し単位である、一般式IIIに相当するアミノシランもまた本発明に従って使用できる。
【0028】
Zが一般式IVに相当するカルバメート基である一般式IIIに相当するカルバメートシランもまた本発明に従い反応体として用いるのに好適である。
【0029】
一般式IIIに相当するカルバメートシランは、例えばアミノシランをジアルキルもしくはジアリールカーボネートもしくはピロカーボネート、あるいはそれら2種以上の混合物と反応させることによって得ることができる。このような反応は通常、塩基性触媒の存在下で行われる。しかし、基本的には、カルバメートシランの製造、例えばアミノシランとクロロギ酸エステルの反応またはイソシアナトシランとアルコールの反応に好適なものである限り、カルバメートの製造のために知られている他のいずれの方法を用いてもよい。
【0030】
好適なカーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート、ジイソペンチルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチル−2−ブトキシエチルカーボネート、ビス−(2−クロロエチル)−カーボネート、ジフェニルカーボネート、ビス−(o,m−クロロフェニル)−カーボネート、ビス−(o,p−クロロフェニル)−カーボネート、ビス−(ジクロロフェニル)−カーボネート、ビス−(トリクロロフェニル)−カーボネートもしくはビス−(o−,m−,p−トリル)−カーボネート、またはそれら2種以上の混合物が挙げられる。
【0031】
ジメチルカーボネート、ジエチルもしくはジプロピルカーボネートもしくはピロカーボネート、あるいはそれらの2種以上の混合物を用いて製造されたカルバメートシランが好ましく本発明のに従って用いられる。
【0032】
好適なジアルキルピロカーボネートとしては、例えば、ジメチルピロカーボネート、ジエチルピロカーボネート、またはジ−tert−ブチルピロカーボネートがある。アミノシランと有機カーボネートとの間の反応は例えば化学量の反応体を用いて行えばよい。しかし、また、アミノシラン1モル当たり約0.05〜約1の過剰量の有機カーボネートを用いることもでき、それが好ましい場合が多い。例えばアミノシラン1モル当たり約0.1〜約0.4モルの過剰量のカーボネートを用いた場合に良好な結果を得ることができる。例えば分子量が約200を超える、または約500を超えるような比較的高分子量のシランの場合、または立体障害アミノ基を有するアミノシランの場合にはもっと過剰なカーボネートを用いる必要がある場合がある。
【0033】
アミノシランとカーボネートとの間の反応は通常、塩基性触媒によって触媒される。強塩基性触媒を用いるのが好ましい。好適な塩基性触媒としては、例えば、一価アルコールとアルカリ金属との反応によって得られるアルカリ金属アルコキシドがある。好適なアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウムまたはカリウムがあり、好適な一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールまたはブタノールがある。好適な強塩基触媒としては、特に、ナトリウムメタノレート、ナトリウムエタノレート、ナトリウムプロパノレート、ナトリウムtert−ブタノレート、カリウムメタノレート、カリウムエタノレート、カリウムプロパノレートまたはカリウムtert−ブタノレートなどがある。
【0034】
反応の際の触媒の量は用いるカーボネートおよびアミノシランに対して約0.01〜約2重量%である。
【0035】
アミノシランと有機カーボネートの間の反応はやや発熱反応である。通常このアミノシランと有機カーボネートは、反応温度が約10〜約120℃の範囲、例えば約20〜約80℃の範囲、または約25〜約60℃の範囲に留まるように、塩基性触媒の存在下で互いに反応させる。このような範囲内の温度の安定は、例えば、冷水、氷浴、ドライアイス浴などの典型的な冷却手段により、または反応体を加える速度を調節することにより達成できる。この反応は通常、常圧下、不活性ガス雰囲気中で行う。
【0036】
反応が完了したところで、反応混合物に残留している触媒および過剰なアミノシランを、中和剤を添加することで中和する。好適な中和剤としては、例えば、無水塩酸、無水リン酸などの無機酸、または氷酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、オレイン酸、マレイン酸、ギ酸、コハク酸などの有機酸が挙げられる。氷酢酸などの有機弱酸、または無水リン酸、例えば超リン酸もしくはポリリン酸、または存在する場合にはその無水物などの無機酸が中和に用いるのに好ましい。触媒および過剰なアミンの双方が結合することから、対応する酸の無水物を用いるのが特に適している。反応産物は典型的な公知の方法で分離すればよい。沈殿した塩を例えばシリカゲルや適切な濾紙で分離した後、減圧または昇温、あるいはその双方によって揮発性成分を除去するのが特に好適である。
【0037】
一般式IIIに相当する特に好適なカルバメートシランとしては、例えば、メチル−N−(α−メチルジメトキシシリルメチル)−カルバメート、メチル−N−(α−トリメトキシシリルメチル)−カルバメート、メチル−N−(α−エチルジメトキシシリルメチル)−カルバメート、メチル−N−(α−メチルジエトキシシリルメチル)−カルバメート、メチル−N−(α−トリエトキシシリルメチル)−カルバメート、メチル−N−(β−メチルジメトキシシリルエチル)−カルバメート、メチル−N−(β−トリメトキシシリルエチル)−カルバメート、メチル−N−(β−ジエチルメトキシシリルエチル)−カルバメート、メチル−N−(β−エチルジメトキシシリルエチル)−カルバメート、メチル−N−(β−メチルジエトキシシリルエチル)−カルバメート、メチル−N−(β−トリエトキシシリルエチル)−カルバメート、メチル−N−(β−エチルジエトキシシリルエチル)−カルバメート、メチル−N−(γ−メチルジメトキシシリルプロピル)−カルバメート、
【0038】
メチル−N−(γ−トリメトキシシリルプロピル)−カルバメート、メチル−N−(γ−エチルジメトキシシリルプロピル)−カルバメート、メチル−N−(γ−メチルジエトキシシリルプロピル)−カルバメート、メチル−N−(γ−トリエトキシシリルプロピル)−カルバメート、メチル−N−(γ−エチルジエトキシシリルプロピル)−カルバメート、メチル−N−(4−トリメトキシシリルブチル)−カルバメート、メチル−N−(4−エチルジメトキシシリルブチル)−カルバメート、メチル−N−(4−メチルジエトキシシリルブチル)−カルバメート、メチル−N−(4−トリエトキシシリルブチル)−カルバメート、メチル−N−(4−エチルジエトキシシリルブチル)−カルバメート、メチル−N−(5−メチルジメトキシシリルペンチル)−カルバメート、メチル−N−(5−トリメトキシシリルペンチル)−カルバメート、メチル−N−(5−エチルジメトキシシリルペンチル)−カルバメート、メチル−N−(5−メチルジエトキシシリルペンチル)−カルバメート、
【0039】
メチル−N−(5−トリエトキシシリルペンチル)−カルバメート、メチル−N−(5−エチルジエトキシシリルペンチル)−カルバメート、メチル−N−(6−トリメトキシシリルヘキシル)−カルバメート、メチル−N−(6−エチルジメトキシシリルヘキシル)−カルバメート、メチル−N−(6−トリエトキシシリルヘキシル)−カルバメート、メチル−N−(6−エチルジエトキシシリルヘキシル)−カルバメート、メチル−N−[γ−トリス−(トリメトキシシロキシ)シリルプロピル]−カルバメート、エチル−N−(α−メチルジメトキシシリルメチル)−カルバメート、エチル−N−(α−トリメトキシシリルメチル)−カルバメート、エチル−N−(α−メチルジエトキシシリルメチル)−カルバメート、エチル−N−(α−トリエトキシシリルメチル)−カルバメート、エチル−N−(α−エチルジエトキシシリルメチル)−カルバメート、エチル−N−(β−メチルジメトキシシリルエチル)−カルバメート、エチル−N−(β−トリメトキシシリルエチル)−カルバメート、
【0040】
エチル−N−(β−エチルジメトキシシリルエチル)−カルバメート、エチル−N−(β−ジメチルエトキシシリルエチル)−カルバメート、エチル−N−(β−メチルジエトキシシリルエチル)−カルバメート、エチル−N−(β−トリエトキシシリルエチル)−カルバメート、エチル−N−(γ−トリメトキシシリルプロピル)−カルバメート、エチル−N−(γ−エチルジメトキシシリルプロピル)−カルバメート、エチル−N−(γ−メチルジエトキシシリルプロピル)−カルバメート、エチル−N−(γ−トリエトキシシリルプロピル)−カルバメート、エチル−N−(γ−エチルジエトキシシリルプロピル)−カルバメート、エチル−N−(4−メチルジメトキシシリルブチル)−カルバメート、エチル−N−(4−トリメトキシシリルブチル)−カルバメート、エチル−N−(4−エチルジメトキシシリルブチル)−カルバメート、エチル−N−(4−メチルジエトキシシリルブチル)−カルバメート、
【0041】
エチル−N−(4−トリエトキシシリルブチル)−カルバメート、エチル−N−(4−エチルジエトキシシリルブチル)−カルバメート、エチル−N−(5−メチルジメトキシシリルペンチル)−カルバメート、エチル−N−(5−トリメトキシシリルペンチル)−カルバメート、エチル−N−(5−エチルジメトキシシリルペンチル)−カルバメート、エチル−N−(5−トリエトキシシリルペンチル)−カルバメート、エチル−N−(5−エチルジエトキシシリルペンチル)−カルバメート、エチル−N−(6−メチルジメトキシシリルヘキシル)−カルバメート、エチル−N−(6−トリメトキシシリルヘキシル)−カルバメート、エチル−N−(6−エチルジメトキシシリルヘキシル)−カルバメート、エチル−N−(6−メチルジエトキシシリルヘキシル)−カルバメート、エチル−N−(6−トリエトキシシリルヘキシル)−カルバメート、エチル−N−[γ−トリス−(トリメトキシシロキシ)シリルプロピル]−カルバメート、
【0042】
メチル−N−[γ−トリス(トリメトキシシロキシ)シリルプロピル]−カルバメート、メチル−N−(γ−トリメトキシシロキシジメチルシリルプロピル)−カルバメート、メチル−N−(γ−トリメチルシロキシジメトキシシリルプロピル)−カルバメート、メチル−N−[γ−トリス(トリエトキシシロキシ)シリルプロピル]−カルバメート、メチル−N−(γ−トリエトキシシロキシジエチルプロピル)−カルバメート、メチル−N−(γ−トリエトキシ−シロキシジエトキシシリルプロピル)−カルバメート、メチル−N−[γ−トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]カルバメートおよびメチル−N−[6−トリス(トリエトキシシロキシ)シリルヘキシル]−カルバメート、エチル−N−[γ−トリス(トリメトキシシロキシ)シリルプロピル]−カルバメート、エチル−N−(γ−トリメトキシシロキシジメチルシリルプロピル)−カルバメート、エチル−N−(γ−トリメチルシロキシジメトキシシリルプロピル)−カルバメート、エチル−N−[γ−トリス(トリエトキシシロキシ)シリルプロピル]−カルバメート、エチル−N−(γ−トリエトキシシロキシジエチルプロピル)−カルバメート、エチル−N−(γ−トリエトキシシロキシジエトキシシリルプロピル)−カルバメート、エチル−N−[γ−トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]−カルバメートおよびエチル−N−[6−トリス(トリエトキシシロキシ)シリルヘキシル]−カルバメートがある。
【0043】
本発明の方法では、少なくとも1つのアミノ基を含有する化合物、および少なくとも1つのカルバメート基を含有する化合物、1つのシリル基を含有する少なくとも1種の化合物を互いに反応させる。示されている変数では、すなわちZがアミノ基であるか、Zがカルバメート基である場合には、上記一般式IIIの化合物は対応する必要条件を満たす。よって、本発明の方法により、一般式IIIに相当する2つの化合物を互いに反応させることで(記載の化合物のうち一方が1つのアミノ基がアミノ基を含有し、一方が1つのカルバメート基を含有する)1つの尿素基と2つのシリル基を含む化合物を製造することができる。しかし、本発明によれば、反応体の一方がシリル基を含まなくともよい。
【0044】
好適な反応体は、例えば一般式VI:
【化6】
[式中、Zはすでに定義した通りであり、pは1〜約1,000の有理数であり、R11は2〜約44個の炭素原子を有し、所望により置換されていてもよい直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和アルキル基、6〜約44個の炭素原子を有し、所望により置換されていてもよい飽和もしくは不飽和シクロアルキル基、6〜約44個の炭素原子を有し、所望により置換されていてもよいアリール基、イソシアヌレート環、または少なくとも約150の分子量を有するポリマーである。]
に相当する構造を有する。
【0045】
本発明のもう1つの実施形態では、本発明の方法の少なくとも1種の反応体として、Zがアミノ基である、一般式VIに相当する化合物を用いる。一般式VIに相当する化合物においてZがアミノ基であれば、反応混合物中には、Zがカルバメート基である一般式IIIに相当する少なくとも1種の他の反応体が存在しなければならない。
【0046】
本発明の方法でZがアミノ基である、一般式VIに相当する化合物を用いる場合、置換基R11は例えば、1〜約44個の炭素原子を有し、所望により置換されていてもよい直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和アルキル基である。好適なアルキル基は例えば3〜約20個の炭素原子長を有する。このアルキル基が置換されていれば、一般式VIに相当する化合物はモノアルキルアミンとなる。好適なモノアルキルアミンとしては、例えば、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、および約100個までの炭素原子を有するそのより高次の直鎖または分枝した同族体があり、ここでアミノ基は末端またはアルキル基内部のいずれの場所に位置していてもよい。
【0047】
本発明によれば、置換基R11は置換アルキル基であってもよい。好適な置換基としては、例えば、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン基、リン酸基および記載の酸基に対応するエステルがある。
【0048】
本発明のもう1つの実施形態では、置換基R11は2以上のZ基を有し、すなわちpは2以上である。
【0049】
よって、本発明のもう1つの実施形態では、反応混合物は反応体として、例えば、2以上のアミノ基を有する化合物VIを含めばよい。このような化合物の好適なものとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、1,12−ジアミノドデカン、二量体脂肪酸から誘導されたジアミンもしくは三量体脂肪酸から誘導されたトリアミン、または記載の化合物の2種以上の混合物が上げられる。
【0050】
本発明のもう1つの実施形態では、R11は6〜約24個の炭素原子を有し、所望により置換されていてもよい飽和もしくは不飽和アルキル基であってもよい。対応するシクロアルキル基としては、置換基としてすでに上記された置換基を有するものでもよい。特に、このシクロアルキル基は1以上の他のアミノ基を含んでもよい。好適なシクロアルキル化合物としては、例えば、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、1,4−シクロヘキシルジアミン、4,4−ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビス−(アミノメチル)−シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)−シクロヘキサン、および水素化トルエンジアミン(1−メチル−2,4,−ジアミノシクロヘキサン、1−メチル−2,6−diアミノシクロヘキサンなど)などが挙げられる。
【0051】
本発明のもう1つの実施形態では、用いる一般式VIの化合物は、置換基R11が、6〜約24個の炭素原子を有し、所望により置換されていてもよいアリール基であるアミンであってもよい。好適な置換基としてはすでに前述した置換基である。一般式VIに相当する特に好適なアリール化合物としては、例えば、アニリン、1,4−ジアミノベンゼン、アミノトルエン、m−もしくはp−フェニレンジアミン、ジアミノビフェニル、p−メトキシアニリン、p−クロロアニリン、o−、m−もしくはp−トルイジン、2,4−キシリデン、2,4−および2,6−トルエンジアミンならびに相当する混合物、4,4’−ジフェニレンジアミン、メチレン−ビス−(アニリン)(4,4’−メチレンビス−(アニリン)、2,4’−メチレン−ビス−(アニリン)、4,4’−オキシ−ビス−(アニリン)、4,4’−カルボニル−ビス−(アニリン)、4,4’−スルホニル−ビス−(アニリン)を含む)、またはナフチルジアミン、あるいは記載の化合物2種以上の混合物が挙げられる。
【0052】
本発明のもう1つの実施形態では、用いる一般式VIの化合物は、置換基R11が所望により置換されていてもよいイソシアヌレートであるアミンであってもよい。特に好適な化合物は、1,3,5−トリスアミノアルキル、シクロアルキルおよびアリールイソシアヌレートである。例として以下のものが挙げられる:1,3,5−トリス−(6−アミノヘキシル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリス(6−アミノプロピ)−イソシアヌレート、1,3,5−トリス(6−アミノエチル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリス−(3−アミノフェニル)−イソシアヌレートおよび1,3,5−トリス−(4−メチル−3−アミノフェニル)−イソシアヌレート。また、記載の化合物2種以上の混合物を用いてもよい。
【0053】
本発明のもう1つの実施形態は、R11が官能基Zとして少なくとも1つのカルバメ上記基の1つを表す、一般式VIに相当する化合物の使用を特徴とする。これらのような化合物は、上記アミノ化合物を、すでに本明細書に記載されたような有機カーボネートまたはピロカーボネートと反応させることにより得ることができる。このような化合物としては、例えば、カルバメート基を1つだけ含有する化合物がある。しかし、2以上のカルバメート基を含有する化合物も本発明の方法で用いることができる。一般式VIの化合物として1以上のカルバメート基を含有する化合物を用いる場合には、本発明の方法において、Zがアミノ基である、一般式IIIの少なくとも1種の化合物を使用しなければならない。
【0054】
さらにまた、アミノ基およびカルバメート基の両者を含有する一般式VIの化合物も本発明に従って用いてよい。このような化合物は例えば1を超えるアミノ化合物を含有する上記の種の化合物を有機カーボネートと、対応する化学量比、例えば1:1以下のモル比で反応させることにより得ることができる。
【0055】
本発明のもう1つの実施形態では、式VIの置換基R11はポリマーである。
【0056】
本発明の好ましい実施形態では、用いるポリマーはポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリラクトン、ポリエチレンイミン、ポリ尿素、ポリオレフィンおよびポリオキサゾリドンからなる群から選択されるポリマーである。
【0057】
本明細書において「ポリマー」とは、少なくとも150、好ましくはそれより高い、例えば少なくとも約500、800または少なくとも約1,000の分子量を有する化合物であるもとする。
【0058】
本発明に従って一般式VIの化合物として用いるのに好適なポリマーとしては、例えば、官能基Zを1つだけ含みうる。しかし、本発明において官能基数が1を超える、例えば少なくとも約2、3、4、5またはそれ以上の場合も等しく可能であり、好ましい。
【0059】
本発明によれば、一般式VIの数pは1〜約1,000の有理数である。一般式VIに相当するポリマーの官能基Zの数pは、官能基Zの数を一般式VIの分子混合物の平均値とすると、整数とは異なる値をとってもよく、分子当たりの官能基数はポリマー化学でしばしば見られるように様々である。このような変動は例えばポリマー−類似体反応におけるポリマーの官能価によって起こりうる。
【0060】
本発明の好ましい実施形態では、pの数は約1.5〜約10の値、より詳しくは約1.8〜約5の値、最も詳しくは約1.9〜約3の値をとる。
【0061】
本発明の方法では、官能基Zはポリマー鎖R11の末端に位置しても側鎖として位置してもよい。官能基Zの数が1未満であるとき、2以上の官能基はいずれもポリマー鎖のもっぱら末端に位置しても、もっぱら側鎖として位置しても、末端および側鎖に位置してもよい。
【0062】
本発明によれば、好適なポリマーR11は、例えば、少なくとも1つのオレフィン不飽和二重結合を含有する化合物を重合することによって得られるポリマーである。好適なポリマーとしては例えばポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルエステル、ポリビニルエーテル、ポリオレフィンまたはポリスチレンが挙げられる。
【0063】
R11として好適なポリマーの分子量(Mn)は好ましくは約300〜約1,000,000の範囲、より好ましくは約500〜約300,000の範囲、最も好ましくは約1,000〜約30,000の範囲である。
【0064】
例えば、ポリマーに典型的に適用される測定条件下での、標準品としてポリスチレンを基にしたゲル浸透クロマトグラフィーによって求められるポリマーの分子量分布はモノモーダルである必要はない。好適なポリマーはまたバイモーダルあるいはそれ以上の分布を有しうる。
【0065】
本明細書で用いる「ポリアクリレート」または「ポリアクリレート」とは、特に断りのない限り、以下、アクリル酸のポリマーもしくはコポリマーならびに/またはその誘導体にも、また、メタクリル酸のポリマーもしくはコポリマーならびに/またはその誘導体にも当てはまる。
【0066】
ポリアクリレートはアクリル酸および/またはメタクリル酸、および/またはアクリル酸および/またはメタクリル酸の誘導体、例えばそのエステルと、個々の一価または多価アルコール、またはその2種以上の混合物の形態とを公知の方法で重合させる、例えばラジカル重合、イオン重合または金属触媒重合させることで製造することができる。
【0067】
本発明によれば、ポリアクリレートとしてホモポリマーおよびコポリマーの双方を用いることができる。対応するアクリレートまたはメタクリレートの他、好適なコポリマーとしては、例えば、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデおよび/またはブタジエンが挙げられる。
【0068】
ポリアクリレートの製造に好適なモノマーとしては、特に、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸 tert−ブチル、アクリル酸 ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、またはアクリル酸ラウリル、およびその対応するメタクリル酸エステルが挙げられる。重合中、さらなるモノマーとしてアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドまたはメタクリルアミドを少量添加してもよい。
【0069】
所望により、1以上の官能基を含有する他のアクリレートおよび/またはメタクリレートが重合中に存在してもよい。これらのものとしては例えば、マレイン酸、イタコン酸、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレートまたはプロピレングリコールメタクリレートが挙げられる。
【0070】
対応する官能基Zは、例えば共重合反応においてR11を形成するモノマーに組み込まれるアミノ基を含有するモノマーを適宜官能化したものを用いてポリマーへ導入すればよい。しかし、これらのポリマーには、好適なポリマー−類似体反応における重合の後に官能基Zを与えてもよい。対応する反応は当業者に公知である。
【0071】
ポリマーにアミノ基を導入するのに適したモノマーとしては、例えば、2−アミノエチルアクリルアミド、2−アミノエチルメタクリルアミド、3−アミノプロピルアクリルアミド、3−アミノプロピルメタクリルアミドおよびアリールアミンが挙げられる。
【0072】
官能基Zとしてアミノ基を含有するポリマーを次に、ポリマー−類似体反応で、官能基Zとしてカルバメート基を含有する一般式VIに相当する化合物へと変換すればよい。例えば有機カーボネートによる対応するポリマー−類似体反応は、すでに上記したスキームによって行うことができる。
【0073】
対応するポリマーが1を超えるアミノ基を含有する場合、アミノ基のカルバメート基への変換は完全に行うこともできるし、部分的にだけ行うこともできる。
【0074】
さらにまた、本発明によれば、R11としてポリエステルを用いてもよい。好適なポリエステルは酸成分とアルコール成分の重縮合、より詳しくはポリカルボン酸または2種以上のポリカルボン酸混合物とポリオールまたは2種以上のポリオール混合物の重縮合による公知の方法で得ることができる。
【0075】
R11として使用できるポリエステルの製造のための、本発明に好適なポリカルボン酸としては、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族(araliphatic)、芳香族または複素環式親化合物に基づくものであってよく、少なくとも2つのカルボキン酸基の他、所望により重縮合反応では反応しない1以上の置換基、例えばハロゲン原子またはオレフィン不飽和二重結合を含んでもよい。重縮合にとっては、これらの遊離カルボン酸はそれらの無水物(存在すれば)、C1−5一価アルコールとのエステル、またはそれら2種以上の混合物で置換されていてもよい。
【0076】
好適なポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グルタル酸、無水グルタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラクロロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水グルタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ギ酸、二量体脂肪酸、または三量体脂肪酸、記載のポリカルボン酸の2種以上の混合物が挙げられる。この反応混合物には所望により少量の一官能性脂肪酸が存在してもよい。
【0077】
一般式VIに対応する化合物においてR11として使用できるポリエステルまたはポリカーボネートを製造するためには種々のポリオールがジオールとして使用できる。このようなポリオールの例としては1分子当たり2〜4個のOH基を含む脂肪族ポリオールが挙げられる。これらのOH基は第一級および第二級OH基のいずれでもよい。好適な脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−2,3−ジオール、ブテン−1,4−ジオール、ブチン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、および異性ペンタンジオール、ペンテンジオールもしくはペンチンジオール、またはそれら2種以上の混合物、ヘキサン−1,6−ジオールおよび異性ヘキサンジオール、ヘキセンジオールもしくはヘキシンジオール、またはそれら2種以上の混合物、ヘプタン−1,7−ジオールおよび異性ヘプタン、ヘプテンもしくはへプチンジオール、オクタン−1,8−ジオール、および異性オクタン、オクテン、オクチンジオール、および記載の化合物のより高次の同族体もしくは異性体(なお、これらは、一度にCH2基1個ずつ炭化水素鎖を段階的に伸張させること、または炭素鎖へ分枝を導入すること、あるいはそれら2種以上の混合による公知の方法で得られる)。
【0078】
他の好適なポリオールとしては、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの比較的官能価の高いアルコール、またはソルビトールなどの糖アルコール、またはグルコース、および記載の物質それ自体または記載の化合物2種以上を互いに混合したオリゴマーエーテル、例えば約2〜約4の重合度を有するポリグリセロールが挙げられる。比較的官能価の高いアルコールでは、平均して少なくとも2つのOH基が完全に残っている限り、1以上のOH基が、1〜約20個の炭素原子を含む一塩基性カルボン酸でエステル化されていてもよい。
官能価が2を超える記載のアルコールは純粋な形態で用いてもよいし、可能であればそれらの合成過程で得られる技法上の混合物の形態で用いてもよい。
【0079】
低分子量多官能性アルコールとアルキレンオキシドとの反応生成物、いわゆるポリエステルポリオールはまた、ポリエステルの製造のためのポリオール成分として使用してもよい。R11として好適なポリエステルの製造に用いられるポリエステルポリオールは好ましくはポリオールとアルキレンオキシドとの反応によって得られる。このアルキレンオキシドは好ましくは2〜約4個の炭素原子を含む。好適なポリエーテルポリオールとしては、例えば、上記のようなエチレングリコール、プロピレングリコール、異性ブタンジオールもしくはヘキサンジオール、またはそれら2種以上の混合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくはブチレン、またはそれら2種以上の混合物との反応生成物が挙げられる。他の好適なポリエーテルポリオールとしては、グリセロール、トリメチロールエタンもしくはトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールまたは糖アルコール、あるいはそれら2種以上の混合物と上記のアルキレンオキシドとの反応生成物があり、ポリエーテルポリオールが形成される。記載の反応から得られる約100〜約3,000、好ましくは約200〜約2,000の範囲の分子量(Mn)を有するポリエーテルポリオールが特に好適である。記載のポリエーテルポリオールを重縮合反応で上記のポリカルボン酸と反応させて、ポリマーR11として用いるのに好適なポリエステルを形成してもよい。
【0080】
対応する官能基Zを有するポリマーR11の官能基化は公知の方法で行うことができる。カルボン酸基を末端基として含むポリエステルは官能基化に特に好適である。これらのようなポリエステルは例えばポリマー−類似体反応でポリアミンと反応させて、ポリエステルが末端アミノ基を含むようにすればよい。ポリマー−類似体反応においてポリエステルがアミノ基を供給する場合、例えば末端カルボン酸基、または側鎖および末端アミノ基(これらは次にポリアミンで官能基化してアミノ官能性ポリエステルが形成される)を含むポリエステルを使用することもできる。
【0081】
官能基Zとしてアミノ基を含有するポリエステルは、次にポリマー−類似体反応で、官能基Zとしてカルバメート基を含む一般式VIに相当する化合物へと変換することができる。例えば有機カーボネートを用いる、対応するポリマー−類似体反応は、すでに上記で述べたスキームで行うことができる。
【0082】
ポリエーテルポリオールもポリマーR11として好適である。好適なポリエーテルポリオールは通常、少なくとも2つの反応性水素原子を含む出発化合物とアルキレンまたはアリーレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、テトラヒドロフラン、またはエピクロロ肥土リン、あるいはそれら2種以上の混合物とを反応させることによって得られる。
【0083】
好適な出発化合物としては、例えば、水、エチレングリコール、1,2− もしくは1,3−プロピレングリコール、1,4−もしくは1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、グリセロール、トリメチロール、プロパン、ヘキサン−1,2,6−トリオール、ブタン−1,2,4−トリオール、トリメチロール、エタン、ペンタエリスリトール、マンニトール、ソルビトール、メチルグリコシド、糖類、フェノール、イソノニルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、1,2,2−もしくは1,1,2−トリス−(ヒドロキシフェニル)−エタン、アンモニア、メチルアミン、エチレンジアミン、テトラ−もしくはヘキサメチレンジアミン、トリエタノールアミン、アニリン、フェニレンジアミン、2,4−および2,6−ジアミノトルエン、ならびにアニリンとホルムアルデヒドを縮合することで得られるポリフェニルポリメチレンポリアミンが挙げられる。
【0084】
ビニルポリマーによって修飾されたポリエーテルポリオールもポリマーR11として用いるのに好適である。このような生成物は、例えばスチレンもしくはアクリロニトリルまたはそれらの混合物をポリエーテルの存在下で重合させることによって得られる。
【0085】
ポリエーテルポリオールは公知の方法で官能基化される。例えば、通常のポリエーテルポリオールは、文献から公知の方法を用いて、末端OH基とアンモニアまたは第一級アミンとを反応させることによって対応するポリエーテルアミンへと変換してもよい。
【0086】
対応するポリエーテルポリオールは例えばJEFFAMIN(登録商標)など、種々の組成物として市販されている。例えば、二官能性ポリプロピレングリコールを基にしたジェファミン(Jeffamin)D230、D400およびD2000タイプ、三官能性ポリプロピレングリコールを基にしたT403、T3000およびT5000タイプ、二官能性ポリエチレングリコールを基にしたED600、ED900、ED2001およびED6000タイプ、一官能性ポリプロピレングリコールを基にしたM300、M600、M1000およびM2070タイプが挙げられる。
【0087】
好適なアミノ官能性ポリエーテルは、ポリマー−類似体官能基化により、官能基Zとしてカルバメート基を含有するポリマーへと変換することができる。
【0088】
また、ポリアセタールもポリマーR11として用いるのに好適である。ポリアセタールは、グリコール、例えばジエチレングリコールまたはヘキサンジオールとホルムアルデヒドを反応させることで得られる化合物であると理解される。本発明の目的に好適なポリアセタールはまた、環状アセタールを重合させることによって得ることができる。ポリアセタールの官能基Zによる官能基化にはポリエステルに関する記載の上記の知見が当てはまる。
【0089】
また、ポリカーボネートもポリマーR11として用いるのに好適である。ポリカーボネートは、例えば、上記のポリオール、より詳しくは、プロピレングリコール、ブタン−1,4−ジオールもしくはヘキサン−1,6−ジオールなどのジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコール、あるいはそれら2種以上の混合物と、ジアリールカーボネート、例えばジフェニルカーボネートまたはホスゲンとを反応させることによって得ることができる。ポリカーボネートの官能基Zによる官能基化にはポリエステルに関する記載の上記の知見が当てはまる。
【0090】
また、ポリラクトンもポリマーR11として用いるのに好適である。好ましいポリラクトンとしては一般式HO−(CH2)z−COOH(式中、zは1〜約20までの数である)を有する化合物から誘導されるものがある。例としては、ε−カプロラクトン、β−−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトンもしくはメチル−ε−カプロラクトン、またはそれら2種以上の混合物が挙げられる。ポリラクトンの官能基Zによる官能基化にはポリエステルに関する記載の上記の知見が当てはまる。
【0091】
また、ポリエチレンイミンもポリマーR11として用いるのに好適である。好ましいポリエチレンイミンはエチレンイミンの重合反応によって得ることができ、約300〜約100,000の分子量を有する。
【0092】
また、本発明によれば、ポリアミドもポリマーR11として用いるのに好適である。好適なポリアミドは例えば上記のジカルボン酸を対応するジアミンとを反応させることによって得ることができる。好適なジアミンとしては、例えば、約32〜約200g/モルの分子量を有し、少なくとも2つの第一級アミン基、または2つの第二級アミン基、あるいは1つの第一級アミン基と1つの第二級アミン基を含むものが挙げられる。このようなジアミンの例としては、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノヘキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジアミン、IPDA)、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、アミノエチルエタノールアミン、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、または所望により少量の、ジエチレントリアミンもしくは1,8−ジアミノ−4−アミノメチルオクタンなどのジアミンが挙げられる。また、ε−カプロラクタムなどのラクタム、または11−アミノウンデカン酸などのアミノカルボン酸からも合成可能である。
【0093】
本発明の方法で使用できる一般式VIの化合物の分子量は好ましくは約300〜約 1,000,000の範囲である。一般式VIの化合物としてポリマー用いる場合には、分子量が約500〜約300,000、より詳しくは約1,000〜約30,000の範囲のポリマーを用いるのが好ましい。
【0094】
一般式VIに相当する化合物としてポリエステルを用いる場合には、分子量が約300〜約100,000、例えば、約500〜約50,000の範囲、または約1,000〜約30,000の範囲であることが好ましい。
【0095】
一般式VIに相当する化合物としてポリエーテルを用いる場合には、分子量が約300〜約100,000、例えば約500〜約50,000の範囲、または約1,000〜約30,000の範囲、例えば約3,000〜約20,000の範囲、または約4,000〜約8,000、または約12,000の範囲であることが好ましい。
【0096】
本発明の一般式VIに相当するポリマーとして使用できるポリカーボネート、ポリラクトン、ポリエチレンイミンまたはポリアミドの好適な分子量は約300〜約 50,000の範囲、より詳しくは約1,000〜約30,000の範囲であることが好ましい。
【0097】
本発明のもう1つの実施形態では、一般式VIに相当する化合物は官能基としての官能基Zの他、一般式IIに相当する1以上のシリル基を含みうる。
【0098】
本発明によれば、本発明の方法は、少なくとも1つのアミノ基を含有する化合物と、シリル基を有する少なくとも1つの反応体カルバメートとを反応させることによって行う。従って、本発明のもう1つの可能な実施形態は、例えばそのうち一方の化合物がアミノ基を有し、他方がカルバメート基を有する一般式IIIに相当する2つの化合物を互いに反応させることを特徴とする。本発明のもう1つの実施形態では、反応体の一方がアミノ基を有し、他方の反応体がカルバメート基を有する限り、例えば一般式IIIに相当する1つの化合物を一般式VIに相当する1つの化合物と反応させるか、または一般式VIに相当する2つの化合物を互いに反応させる。記載した2つの化合物を反応させる他、本発明によれば、一般式IIIまたは一般式VIに相当する3以上の異なる化合物を反応させることもできるし、一般式IIIに相当する2以上の異なる化合物の混合物を一般式VIに相当する1以上の化合物と反応させることもできるし、あるいは一般式VIに相当する2以上の化合物の混合物を一般式IIIに相当する化合物と反応させることもできる。
【0099】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の方法が基にする反応は触媒の存在下で起こる。好適な触媒としては、例えば一般式VIIに
M(OR12)x (VII)
[式中、Mはアルミニウム、チタン、マグネシウムまたはジルコニウムからなる群から選択される金属であり、R12は同一であっても異なっていてもよく、1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分枝炭化水素基を表し、xは2、3または4の値を有する。]で示される化合物がある。好適な触媒としては、例えば、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、マグネシウムアルコキシドおよびジルコニウムアルコキシドがある。特に好適な触媒としては、例えば、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリsec.ブトキシド、アルミニウムトリtert−ブトキシド、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)ブトキシド、チタン(IV)2−エチルヘキソキシド、ジルコニウム(IV)エトキシド、ジルコニウム(IV)プロポキシド、ジルコニウム(IV)ブトキシド、ジルコニウム(IV)イソプロポキシド、ジルコニウム(IV)tert−ブトキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、マグネシウムブトキシド、マグネシウムプロポキシドまたはマグネシウムフェノキシドがある。
【0100】
本発明の方法にその他の好適な触媒としては錫化合物があり、より詳しくはジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ビス−(2−エチルヘキサノエート)などの有機錫カルボキシレート、またはジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジブロミド、ジブチル錫ジクロリド、ジtert−ブチル錫ジクロリド、ジメチル錫ジブロミド、ジメチル錫ジクロリド、ジフェニル錫ジクロリド、または錫オクトエートなど、その他の有機錫化合物がある。記載の触媒のうちジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキシドおよびジブチル錫ジアセテートが好ましい。
【0101】
その他の好適な触媒としては、アンチモン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、クロム、マンガン、モリブデン、タングステン、または鉛からなる群から選択される少なくとも1つの金属を含む化合物がある。記載の金属の酸化物、ハロゲン化物、カルボン酸塩、リン酸塩、または有機金属化合物が特に好適である。特に好適な触媒の例としては、酢酸鉄、安息香酸鉄、ナフテン酸鉄、アセチルアセトン酸鉄、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、およびアセチルアセトン酸マンガンが挙げられる。
【0102】
本発明の方法で用いる触媒量は約0.01〜約0.5重量%の範囲、より詳しくは約0.05〜約0.2重量%の範囲である。
【0103】
本発明の方法は好ましくはpH約2〜約12、より詳しくはpH約5〜約9、例えばpH約5.5〜約8.5で行われる。
【0104】
本発明の方法は溶媒の不在下でも、または有機溶媒中でも行える。好適な有機溶媒は少なくとも約100℃、混合物のそれより高い沸点を有するものである。好適な溶媒としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジデシルフタレート、ジドデシルフタレート、およびポリ塩基性カルボン酸のその他の同族エステルが挙げられる。他の好適な有機溶媒としてはリン酸エステル、例えば、塩素化リン酸エステル、また、ジベンジルトルエン、トリフェニルメタン、フェニルナフタレン、ビフェニル、ジエチルビフェニルまたはトリエチルビフェニルがある。基本的に、反応体に対して不活性である限り、十分高い沸点を有するいずれの溶媒でも使用してよい。
【0105】
本発明の好ましい実施形態において、溶媒は本発明の化合物を含む次の段階の組成で、例えば可塑剤として用いられる溶媒であることから、プレポリマーに残留してもよい。
【0106】
本反応は混合物の約50〜約300℃の温度、より詳しくは約50〜約250℃の温度で行うのが好ましい。好適な反応温度は特に約80〜約220℃、または約190℃までの範囲である。
【0107】
反応時間は、用いる温度および触媒によって約0.1〜約10時間の間である。本発明の好ましい実施形態では、反応条件は反応時間が約0.5〜約1.5時間の間となるように選択する。反応の進行は、例えば反応混合物のアミン価をモニタリングすることによって追跡することができる。反応はアミン価が約5以下の値、例えば1以下の値、より詳しくは0.5以下の値となるまで続けるのが好ましい。
【0108】
反応の完了時、すなわち必要なアミン価に達したら、反応混合物を冷却する。必要な反応管理に応じ、例えば低分子量アルコールなどの揮発しやすい成分または使用溶媒が真空除去されるように冷却時に減圧してもよい。
【0109】
上記の反応体は本発明の方法において種々のモル比で用いてよい。基本的にはいずれのアミノ基とカルバメート基の比率を用いてもよいが、好ましい実施形態では、アミノ基とカルバメート基の比率はほぼ約1:1になるように選択する。こうすれば実質的に全てのアミノ基がカルバメート基を確実に反応する。
【0110】
本発明のもう1つの実施形態は、カルバメート基を有する反応体が少なくとも2つのカルバメート基を有する反応を行うことを特徴とする。この場合、本発明のもう1つの実施形態は、カルバメート基とアミノ基の比率は1以下、例えば約0.1〜約0.99、または約0.3〜約0.9、または約0.4〜約0.8であることを特徴とする。
【0111】
基本的には、少なくとも2つのカルバメート基を含有する好適な反応体は一般式VIに相当する、少なくとも2つのカルバメート基を有するいずれの反応体であってもよい。好適な化合物はすでに記載したようにして、例えば少なくとも2つのアミノ基を有する上記の化合物から製造しうる。
【0112】
しかし、本発明の好ましい実施形態では、少なくとも2つのカルバメート基を含有する反応体としてポリマーを用いる。
【0113】
少なくとも2つのカルバメート基を含有する好適なポリマーは、すでに記載したように上記で述べた少なくとも2つのアミノ基を含有するポリマーから製造することができる。
【0114】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも2つのカルバメート基を含有するポリマーとして、少なくとも1つのエーテル基を含有するポリマーを用いる。本発明のもう1つの好ましい実施形態では、ポリエーテルまたはポリアミドまたはポリ尿素、あるいはそれら2種以上の混合物を少なくとも2つのカルバメート基を含有するポリマーとして用いる。
【0115】
本発明によれば、少なくとも2つのカルバメート基を含有する化合物またはかかる化合物の2種以上の混合物の反応体として、1つのアミノ基を含有する化合物または2つ以上のアミノ基を含有する化合物を用いる。しかし、好ましい実施形態では、アミノ基を1しか含まない化合物が用いられる。
【0116】
本発明によれば、アミノ基を含有する反応体は少なくとも好ましくは1以上のシリル基を含む。本発明の好ましい実施形態では、反応体として、少なくとも2つのカルバメート基を含有するポリマーまたはかかるポリマーの2種以上の混合物、およびアミノシランまたは2種以上のアミノシランの混合物を用いる。
【0117】
少なくとも2つのカルバメート基を含有する化合物またはその2種以上の混合物と1以上のアミノ基を含有する化合物との間の本発明の反応が、カルバメート基に対するアミノ基の比が1未満であるように行う場合、本発明の方法は好ましくは三量体触媒の存在下で行う。本発明の方法が基づく反応では、三量体触媒の存在下でイソシアヌレート基が形成される。
【0118】
本発明によれば、本発明の反応(熱分解/三量体化反応)は例えば反応混合物がカルバメート基を含まなくなるまで行えばよい。しかし、本発明のもう1つの実施形態では、不完全反応である。本明細書において「不完全反応」とは、反応混合物に存在するカルバメート基が全てが反応するわけではない反応、すなわち反応生成物中にカルバメート基が残留する反応であるものとする。基本的には、本発明の方法のこの変法は少なくとも1つの反応体が少なくとも1つのカルバメート基を有する反応体のいずれの組合せにも好適である。しかし、この変法は反応体の1つが少なくとも2つのカルバメート基を含む場合に特に有利である。
【0119】
従って本発明はまた、少なくとも1つの尿素基、少なくとも1つのアルコキシシリル基および少なくとも1つのカルバメート基を含有するポリマーにも関する。本発明のもう1つの実施形態では、このポリマーはさらに例えば1以上のイソシアヌレート基を含んでいてもよい。
【0120】
この反応は当業者に公知の技術、例えば触媒毒を添加するか、温度を下げることによって容易に終了させることができる。
【0121】
残留するカルバメート基の影響としては、反応生成物が完全に反応した生成物よりも粘度が低いということであるので、接着剤やシーラントの結合剤としての使用が容易である。さらにまた、カルバメート基は150℃を超える温度で分解してイソシアネート基を生じ、三量体化またはアロファネート化によってさらに架橋できることから、残留カルバメート基はさらに熱活性化接着剤およびシーラントの這う号に使用できる。
【0122】
三量体化触媒は当業者ならば関連文献(例えば、Laas et al., J. prakt. Chem. 336 (1994), pp.192−196、ならびに米国特許第5,218,133号(Union Carbide)、米国特許第4,412,073号(Rhone−Poulenc)、米国特許第5,260,436号(Iowa)、米国特許第5,837,796号(Bayer)および米国特許第4,124,545号(Bayer)などの種々の特許出願参照)。好適な三量体化触媒としては例えば、カルバメート基とアミノ基の反応に関してすでに上記に記載した触媒がある。その他の好適な三量体化触媒としては、有機酸のアルカリ金属塩またはリン酸のアルカリ金属塩、およびカルバメート基と反応しないアミンがある。有機酸のアルカリ金属塩の例としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、オレイン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸などのナトリウム、カリウム、リチウムまたはセシウム塩が挙げられる。リン酸のアルカリ金属塩の例としては、例えば、オルトリン酸三ナトリウム、オルトリン酸三カリウムまたはオルトリン酸二カリウムなど、オルトリン酸二ナトリウムまたはオルトリン酸二カリウムなどのアルカリ金属オルトリン酸酸塩が挙げられる。三量体化触媒として好適なアミンとしては、例えば、N,N−ジメチルドデシルアミン、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]−オクタン(DABCO)などの第三級アミンがある。また、記載の化合物2種以上の混合物も好適である。
【0123】
本発明の好ましい実施形態では、三量体化触媒として有機錫化合物、より詳しくはジブチル錫ラウレート、アルミニウムトリイソプロピレート、鉄(III)アセチルアセトネートのいずれか、または記載の触媒の混合物を用いる。熱分解と三量体化を同時に触媒する触媒としては例えばアルミニウムトリイソプロピレートが特に好ましい。
【0124】
本発明の方法によれば、イソシアヌレート構造を含むポリマーとは対照的に1つのみのイソシアヌレート基、3つの尿素基および3つのシリル基、またはカルバメート基とアミノ基の比が適宜選択される場合には数個のトリイソシアヌレート基と対応する数の尿素基およびシリル基を含有するポリマーを製造することができる。しかし、1を超えるイソシアヌレート基を含有するポリマーの場合、2つのイソシアヌレート基の間に、イソシアネート基とイソシアネート反応性化合物との反応によって得られる他の構造要素は存在しない。
【0125】
従って本発明はまた、少なくとも1つのイソシアヌレート構造要素および少なくとも1つのアルコキシシリル基を含有するポリマーにも関する。そのポリマーが1を超えるイソシアヌレート構造要素を含む場合には、そのポリマー中の少なくとも2つのイソシアヌレート構造要素の間にイソシアネート基とイソシアネート反応性官能基との反応によって形成しうる構造要素は存在しないか、あるいは2つのイソシアヌレート基に間にある構造は少なくとも300の分子量を有するかである。
【0126】
本明細書において「2つのイソシアヌレート基に間にある構造」とは共有結合原子鎖であるものとする。本発明のポリマーは1つのみのイソシアヌレート構造要素と少なくとも1つの尿素基と少なくとも1つのアルコキシシリル基か、あるいは1を超えるイソシアヌレート構造要素と少なくとも1つの尿素基と少なくとも1つのアルコキシシリル基かのいずれかを含む。本発明のポリマーが1を超えるイソシアヌレート構造要素を含む場合には、それは種々の必要条件を満たすものでなければならない。そのポリマーの少なくとも2つのイソシアヌレート構造要素の間にイソシアネート基とイソシアネート反応性官能基との反応によって得られる構造要素は存在しない、すなわち、少なくとも2つのイソシアヌレート基の間にはウレタン基、尿素基またはオキサゾリドン基は存在しない。
【0127】
例えば一般式VIに相当する化合物として置換基R11において、イソシアネート基とイソシアネート基反応性化合物との反応によって得られる構造を有しない少なくとも1つのカルバメート基を含有する化合物を用いる場合に、対応する本発明のポリマーが得られる。実質的にすでに上記で述べた全てのポリマーが好適である。
【0128】
本明細書において「分子量」とは、標準としてポリエステルをもとに、特定のポリマーに典型的な条件下でGPCによって測定された分子量に当てはまる。
【0129】
本発明のポリマーは少なくとも2つのカルバメート基を含有するプレポリマーまたはかかるプレポリマー2種以上の混合物と、少なくとも1つのアミノ基を含有するアルコキシシランとの反応(なお、カルバメート基とアミノ基のモル比は1未満である)によって製造することができる。
【0130】
従って本発明はまた、少なくとも2つのカルバメート基を含有するプレポリマーまたはかかるプレポリマー2種以上の混合物と、少なくとも1つのアミノ基を含有するアルコキシシランとの反応(なお、カルバメート基とアミノ基のモル比は1未満である)によって得られるポリマーにも関する。
【0131】
本明細書において「プレポリマー」とは少なくとも2つの官能基Z(この少なくとも2つの官能基Zはカルバメート基である)を含む一般式VIに相当する化合物であるものとする。本発明のプレポリマーは少なくとも約150多くて約1,000,000、好ましくは少なくとも500〜約50,000の範囲、例えば約1,000〜50,000の範囲の分子量を有する。
【0132】
本発明の方法および本発明のポリマーによって製造される化合物は例えば塗料または同様のコーティング剤系などの表面コーティング組成物用、また接着剤、シーラントおよびフォーム用として好適である。
【0133】
従って本発明はまた、表面コーティング組成物、シーラント、接着剤、例えば感圧性接着剤または熱溶融型接着剤、集成または絶縁フォームの製造のための本発明の方法または本発明のポリマーによって製造される化合物の使用にも関する。
【0134】
本発明はまた、本発明の方法によって製造されるポリマーまたは本発明のポリマーを少なくとも含有する表面コーティング組成物または接着剤にも関する。
【0135】
本発明の好ましい実施形態では、表面コーティング組成物または接着剤はシリル基の架橋を触媒する架橋触媒またはかかる触媒2種以上の混合物を含有する。
【0136】
好適な架橋触媒としては、例えばトリエチレンジアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルイミノイソプロピルアミンまたはビス−(ジメチルアミノプロピル)−N−イソプロパノールアミンなどのアミノ化合物、またはジモルホリノジエチルエーテルが挙げられる。その他の好適な触媒としては、コバルトネフテネート、ジブチル錫ラウレート、錫メルカプチド、二塩化錫、ジルコニウムテトラオクテート、アンチモンジオクテート、鉛ジオクテート、金属−より詳しくは鉄−アセチルアセトネートなどの有機または無機重金属化合物に基づくものがある。シラノールの縮合を促進する公知の触媒はいずれも特に好適である。このような触媒の例としては、有機錫、有機チタン、有機ジルコニウムまたは有機アルミニウム化合物が挙げられる。このような化合物の例としては、錫オクトエート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス−(ジオクチルピロホスフェート)−チタネート、ビス−(ジオクチルピロホスフェート)−オキシアセテートチタネート、テトラブチルジルコネート、テトラキス−(アセチルアセトナト)−ジルコニウム、テトライソブチルジルコネート、ブトキシトリス−(アセチルアセトナト)−ジルコニウム、トリス−(エチルアセトアセタト)−アルミニウムが挙げられる。ジブチル錫アルキルマレエートまたはジアルキル錫ラウレートなどのジブチル錫アルキルアルキルエステルが特に好適であり、より詳しくはジブチル錫ビス−エチルマレエート、ジブチル錫ビス−ブチルマレエート、ジブチル錫ビス−オクチルマレエート、ジブチル錫ビス−オレイルマレエート、ジブチル錫ビス−アセチルアセテート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ビス−トリエトキシシリケートおよびその触媒活性のある誘導体が好適である。記載の触媒は個々に用いてもよいし、2種以上の混合物の形で用いてもよい。
【0137】
架橋触媒はシリル基の重量に対して例えば0.01%〜約2%の量で、好ましくは0.05%〜約0.5%の量で用いればよい。
【0138】
本発明のもう1つの実施形態では、本発明の表面コーティング組成物または本発明の接着剤はさらに添加剤を含んでもよい。好適な添加剤としては、例えば、粘着付与剤、可塑剤、流動性添加剤、抗酸化剤、UV安定剤、染料、顔料、接着促進剤、乾燥剤、難燃剤、気泡調節剤、噴射ガスまたは増量剤がある。
【0139】
本発明の化合物またはそれらから製造された組成物の貯蔵安定性は例えば反応性シランによって高めることができる。好適な反応性シランとしては、例えば、水をトラップするのに好適なテトラメトキシシラン、トリメトキシメチルシランまたはトリメトキシビニルシランがある。このような化合物の含量は、反応性シランを全量として含有する混合物または2種以上の反応性シランの混合物に対して3重量%を超えてはならない。
【0140】
好適な難燃剤としては例えば通常のリン含有化合物のいずれであってもよく、より詳しくはリン元素、ホスフェート、ホスホネート、例えばトリエチルホスフェートまたはトリクロロプロピルホスフェートである。これらのような化合物は可塑性と粘度調節性を併せ持ちうる。その他の好適な難燃剤としては、例えば、ジフェニルクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジメチルメタンホスホネートなどがある。また、クロロパラフィンも難燃剤として使用できる。ハロゲン化ポリエステルまたはポリエーテルポリオール、例えば市販の臭素化ポリエーテルポリオールも好適である。例えば本発明のポリマーにハロゲン化ポリエステルまたはポリエーテルポリオールを配合してもよい。
【0141】
フォームの製造に好適な組成物中に本発明の化合物、特に本発明のポリマーが存在すれば、これらの組成物は例えば気泡調節剤または噴射剤あるいはその両者を含んでもよい。用いる気泡調節剤は通常シリコーンベースの化合物である。本発明の好ましい実施形態では、気泡調節剤として液体の架橋性ポリブタジエン、シリコーンオイルまたはパラフィンオイルを用いる。本発明の好ましい実施形態では、安定剤として市販のシリコーン安定剤を用いる。
【0142】
本発明の化合物をフォームの製造に用いる場合には、加圧容器(エアゾル缶)で使用者に供給するのが好ましい。本発明の化合物を含有する組成物は、エアゾル缶から本発明の結合剤または結合剤組成物を吐出する少なくとも1種の噴射剤をさらに含む。好適な噴射剤としては、例えば、低沸点フルオロカーボン、炭化水素、またはエーテル、あるいはそれら2種以上の混合物がある。フルオロカーボンR124、R125、R134a、R142b、R143およびR152a、R227、純粋な炭化水素プロパン、ブタンおよびイソブタンおよびジメチルエーテルは単独であってもそれら2種以上の混合物の形であっても特に好ましい。また、CO2、N2OまたはN2も噴射剤として存在していてもよい。これらのガスのいずれの組合せも可能である。エアゾル缶製剤に関しては組成物全量に対して5〜40重量%、より詳しくは5 〜20重量%の噴射ガス含量が好ましい。エアゾル缶および加圧容器に関する関連の国家規制に応じ(そのような規制が存在する場合には)、加圧容器の空間に対する容積が約8〜10バールの圧力となるように、通常条件下で凝縮しないガス含量を判断しなければならない。本発明の化合物の架橋の際にはCO2は放出されないので、吐出および発泡の双方にとって十分な噴射ガスが存在していなければならない。
【0143】
用いる粘度調節剤は、例えば炭化水素樹脂、より詳しくはC5もしくはC9樹脂、またはC5樹脂修飾C9樹脂がある。その他の好適な粘度調節剤としては、純粋な炭化水素モノマーに基づく樹脂、例えばスチレン、α−メチルスチレンおよびビニルトルエンの混合物の重合から得られる樹脂がある。記載の炭化水素樹脂は部分的に水素化してもよいし、完全に水素化してもよい。
【0144】
また、例えば木材および、例えば製紙の際に得られる液体ロジンから得られるロジンガムなどの天然樹脂も粘度調節剤として用いるのに好適である。これらの天然樹脂は上記の形態で粘度調節剤として用いられるが、対応する多価アルコールでエステル化した後にペンタエリスリトールエステル、グリセロールエステル、ジエチレングリコールエステル、トリエチレングリコールエステルまたはメチルエステルとして用いてもよい。
【0145】
また、ポリテルペン樹脂も好適な粘度調節剤である。テルペンはそれらの天然溶媒からオレオレジン酸を分離する際に得られ、重合してポリテルペン樹脂とすることができる。また、フェノール変性によってポリテルペン樹脂から得られるテルペン/フェノール樹脂も粘度調節剤としても用いるのに好適である。
【0146】
さらにまた、本発明の接着剤は添加剤として安定剤または抗酸化剤を含んでもよい。これらは一般に、フェノール、立体障害高分子量フェノール、多価フェノール、硫黄およびリン含有フェノールまたはアミンを含む。好適な安定剤としては例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンメチルエーテル、2,3−(ジtert−ブチル)−ヒドロキノン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−ベンゼン、ペンタエリスリトールテトラキス−3−(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、4,4−メチレン−ビス−(2,6−ジtert−ブチルフェノール)、4,4−チオビス−(6−tert−ブチル−o−クレゾール)、2,6−ジtert−ブチルフェノール、6−(4−ヒドロキシフェノキシ)−2,4−ビス−(n−オクチルチオール)−1,3,5−トリアジン、ジ−n−オクタデシル−3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2−(n−オクチルチオ)−エチル−3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、およびソルビトールヘキサ−[3−(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、およびp−ヒドロキシジフェニルアミンまたはN,N’−ジフェニレンジアミンまたはフェノチアジンが挙げられる。
【0147】
本発明の表面コーティング組成物または本発明の接着剤はさらに、安息香酸可塑剤、リン酸可塑剤、液体樹脂誘導体または植物もしくは動物油などの可塑剤を含んでもよい。好適な可塑剤としては、例えば、全水酸基の約50〜約95%がエステル化されているスクロールベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエートおよび/またはジエチレングリコールベンゾエート;リン酸可塑剤、例えば、t−ブチルフェニルジフェニルホスフェート;ポリエチレングリコールおよびそれらの誘導体、例えば、ポリ(エチレングリコール)のジフェニルエステル;液体樹脂誘導体、例えば水素化樹脂のメチルエステル;植物および動物油、例えば、脂肪酸のグリセロールエステル、およびそれらの重合生成物が挙げられる。
【0148】
また、フタル酸に基づく可塑剤、特にアルキルフタレートも好適である。
【0149】
本発明の表面コーティング組成物または本発明の接着剤はさらに、二酸化チタンなどの染料;石膏、タルク、クレーなどの増量剤、および顔料を含んでもよい。
【0150】
これらの添加剤は単独で存在してもよいし、記載の物質2種以上の混合物の形で存在してもよい。添加物の存在量は約20重量%(表面コーティング組成物全量に対して、または接着剤全量に対して)を超えないようにする。好適な量は例えば、約0.1〜約15重量%、または約1〜約10重量%である。本発明の好ましい実施形態では、添加剤は例えば約2、3、4、5、7または9重量%の量で用いる。
【0151】
好適な表面コーティング組成物または接着剤は例えばほぼ以下の組成を有する。
基本組成:
フォーム:
40−80重量%のプレポリマー
10−25重量%の可塑剤または難燃剤
0−5重量%の発泡安定剤
0−2重量%の触媒
0−5重量%のその他の添加剤
10−25重量%の噴射ガス
【0152】
1. シーラントおよび集成接着剤
25−50重量%のプレポリマー
25−50重量%の増量剤
0−25重量%の添加剤
>1重量%の触媒
【0153】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1
51.7gのオクチルアミン、94.8gのメチル−N−(トリメトキシシリルプロピル)−メチルカルバメートおよび0.1gのジブチル錫ジラウレートを窒素で180℃まで加熱した。3時間後、アミン価が153〜<10となった。室温まで冷却した後、白色固体が得られた。
【0154】
実施例2
メチル−N−(トリメトキシシリルプロピル)−カルバメートによるジェファミン(Jeffamin)T5000のシリル化
385.0gのジェファミンT5000(末端アミノ基を有するプロポキシル化グリセロール、分子量約5,000、アミン価:27.5)を1リットル溶の三頸フラスコへ計りとり、圧力20ミリバール下、約100℃で乾燥させた。窒素でパージした後、57.1gのN−(トリメトキシシリルプロピル)−メチルカルバメートおよび0.1gのジブチル錫ジラウレートを加え、全体を窒素で190℃まで加熱した。1時間内にアミン価は2.5となった。室温まで冷却した後、粘度約100Pas(ブルックフィールドRVT、スピンドル6, 5r.p.m.)の透明な液体が得られた。
この液体に0.2%のジブチル錫ジアセトネートを加えた後、方形モールドに厚さ2mmに流し込み、相対湿度50%/23℃で1週間保存して完全に固化させた。
完全に固化した後、無色で軟質の弾性のあるポリマーフィルムが得られた。
【0155】
比較例1
3−イソシアナトプロピルトリメトキシシランによるジェファミンD4000のシリル化
1,000gのジェファミンD4000(α,ω−アミノポリプロピレングリコール、分子量約4,000、アミン価:28)に、106gの3−イソシアナトプロピルトリメトキシシランを20分間にわたって滴下した(15℃まで昇温)。イソシアナトシランの添加が完了してから1時間後ではイソシアネートは検出できなかった。粘度5,000mPasの無色透明の液体が得られた。
この液体に0.2%ジブチル錫ジラウレートを加えた後、方形モールドに厚さ2mmに流し込み、相対湿度50%/23℃で1週間保存して完全に固化させた。
適用24時間後、粗フィルム(触媒は0.1重量%ジブチル錫ビス−(2,4−ペンタンジオネート))の表面は若干粘着性があった。
【0156】
実施例3
メチル−N−(トリメトキシシリルプロピル)−カルバメートシリルによるジェファミンD4000のシリル化
200.0gのジェファミンD4000を0.5リットル用の三頸フラスコに計りとり、約100℃/20ミリバールで乾燥させた。窒素でパージした後、25.6gのN−(トリメトキシシリルプロピル)−メチルカルバメートおよび0.1gのジブチル錫ジラウレートを加え、全体を窒素下で180℃まで加熱した。1時間内にアミン価は0.5となった。<150℃まで冷却した後、混合物を真空下(約20ミリバール)でゆっくり室温まで冷却した。粘度9,000mPas(ブルックフィールドRVT、スピンドル6、20r.p.m.)の透明黄色の液体が得られた。
適用24時間後、粗フィルム(触媒は0.1重量%ジブチル錫−ビス−(2,4−ペンタンジオネート))は軟質で弾性があり、粘着性のないものとなった。
【0157】
実施例4
メチル−N−(トリメトキシシリルプロピル)−カルバメートによるポリアミドのシリル化
窒素下、150.0gのマクロメット(Macromelt)TPX 22−405(末端アミノ基を有するポリアミド)を融解し、この融解物に0.15gのジブチル錫ジラウレートおよび4.4gのN−(トリメトキシシリルプロピル)−メチルカルバメートを加えて攪拌した。次にこの混合物を180〜190℃まで2時間加熱した。<150℃まで冷却した後、混合物を真空下(約20ミリバール)でゆっくり室温まで冷却した。
透明黄色の固体が得られた。
【0158】
比較例2
3−イソシアナトプロピルトリメトキシシランによる二量体脂肪酸およびエチレンジアミンのポリアミドのシリル化
80℃で攪拌しながら100gのポリアミドに24.5gの3−イソシアナトプロピルトリメトキシシランを滴下した(約20℃まで昇温)。イソシアナトシランの添加が終了してから1時間後ではイソシアネートは検出できなかった。黄褐色でやや曇りのあるワックス様物質(70±5℃で融解)が得られた。この透明黄色の粗フィルム(触媒は0.15重量%ジブチル錫−ビス−(2,4−ペンタンジオネート))は硬く、弾性がなかった。
【0159】
実施例5
メチル−N−(トリメトキシシリルプロピル)−カルバメートによる二量体脂肪酸およびエチレンジアミンのポリアミドのシリル化
100℃下、100gのポリアミドに21.0gのメチル−N−(トリメトキシシリルプロピル)−カルバメートおよび0.15gのジブチル錫ジラウレートを加えて攪拌し、得られた混合物を180℃で1時間攪拌した。次に真空(約20ミリバール)下、室温までゆっくり冷却した。黄褐色でやや曇りのあるワックス様物質(70±5℃で融解)が得られた。透明黄色の粗フィルム(触媒は0.15重量%ジブチル錫−ビス−(2,4−ペンタンジオネート))は比較例2と同様の特性を有していた。
【0160】
実施例6
ジェファミンD2000とポリオキシプロピレンジカルバメートとの反応と、続いての3−アミノプロピル トリメトキシシランの存在下における熱分解
100gの無水ジメチルカーボネートに、2gの30%メタノール性メチル化ナトリウム溶液を攪拌滴下した後、250gのジェファミンD2000を攪拌しながら30分間にわたって滴下した。カルバメートとの反応は75℃で5時間にわたって行ったところ、90%を超える収率が得られた。次にメチル化ナトリウムを0.6gの酢酸で中和し、塩を濾去し、溶媒を留去した。
次に、この精製ジカルバメートと44.8gの3−アミノプロピルトリメトキシシランおよび0.3gのジブチル錫ジラウレートを混合し、得られた混合物を実施例3のように180〜190℃で反応させ、シリル化プレポリマーを形成した。
【0161】
実施例7
ビス−(トリメトキシシリルプロピル)−アミンの存在下における1,6−(ジ−N−メチルカルバメート)−ヘキサンの熱分解
100gの1,6−(ジ−N−メチルカルバメート)−ヘキサン、73.2gのビス−(トリメトキシシリルプロピル)−アミンおよび0.17gのジブチル錫ジラウレートを0.25リットル溶の三頸フラスコに計りとり、混合物を窒素下190℃で激しく攪拌しながら加熱した。30分後、減圧(300ミリバール)とした。さらに30分後、約20ミリバールまで減圧し、混合物を室温までゆっくり冷却した。
黄褐色の軟質樹脂が得られた。
Claims (20)
- 少なくとも1つの尿素基および少なくとも1つのシリル基を含有する化合物の製造方法であって、少なくとも1つのアミノ基を含有する化合物とカルバメートを、反応体として1つのシリル基を有する少なくとも1つの反応体とともに反応させる、方法。
- 上記反応が触媒の存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
- カルバメートとしてカルバミン酸メチルまたはカルバミン酸エチルが用いられる、請求項1または2に記載の方法。
- 触媒として有機塩基および有機金属化合物からなる群から選択される触媒が用いられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1つの反応体として少なくとも1つのポリマーが用いられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 用いるポリマーが、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリラクトン、ポリエチレンイミン、ポリ尿素、ポリオレフィンおよびポリオキサゾリドンからなる群から選択されるポリマーである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも2つのカルバメート基を含有する少なくとも1つの反応体が用いられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも2つのカルバメート基を含有する反応体がポリマーである、請求項7に記載の方法。
- 三量体化触媒の存在下で行われる、請求項7または8に記載の方法。
- 反応体の反応が全てのカルバメート基が完全に反応するまでは継続されない、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 反応後にシリル基、尿素基およびカルバメート基を含有する少なくとも1つの化合物が存在する、請求項1〜10のいずれか一項に記載に方法。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法によって得られるポリマー。
- 少なくとも1つのイソシアヌレート構造要素、少なくとも1つの尿素基および少なくとも1つのアルコキシシリル基を含有するポリマーであって、1つを超えるシアヌレート構造要素を含む場合には、そのポリマーの少なくとも2つのイソシアヌレート構造要素間にはイソシアネート基とイソシアネート反応性官能基との反応によって得られる構造要素が存在しないか、あるいは2つのイソシアヌレート基間にある構造が少なくとも300の分子量を有する、ポリマー。
- 少なくとも1つの尿素基、少なくとも1つのアルコキシシリル基および少なくとも1つのカルバメート基を含有するポリマー。
- 少なくとも1つのイソシアヌレート基を含有する、請求項14に記載のポリマー。
- 少なくとも2つのカルバメート基を含有するプレポリマーまたは2種類以上のかかるプレポリマーの混合物と、少なくとも1つのアミノ基を含有するアルコキシシランを反応させることにより得られるポリマー(ただし、アミノ基に対するカルバメート基のモル比は1未満である)。
- 上記反応が全てのカルバメート基が完全に反応するまでは継続されない、請求項16に記載のポリマー。
- 表面コーティング組成物、シーラント、接着剤、集成フォームまたは絶縁フォームの製造のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法によって製造された化合物、または請求項12〜17のいずれか一項に記載のポリマーの使用。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法によって製造された少なくとも1種のポリマー、または請求項12〜17のいずれか一項に記載のポリマーを含有する表面コーティング組成物、シーラント、接着剤、集成フォームまたは絶縁フォーム。
- 少なくとも1種の架橋触媒を含有する、請求項19に記載の表面コーティング組成物、シーラント、接着剤、集成フォームまたは絶縁フォーム。
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