本実施形態では、部品搬送装置を備えた電子部品検査装置と、この電子部品検査装置を用いて電子部品を検査する検査方法の特徴的な例について説明する。以下、実施形態について図面に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかわる電子部品検査装置について図1〜図11に従って説明する。図1(a)は、電子部品の構造を示す模式側面図であり、図1(b)及び図1(c)は、電子部品の構造を示す模式平面図である。図1(b)は半導体素子が設置された面を示し、図1(c)は電極が設置された面を示している。
図1に示すように、部品及び障害物としての電子部品1は四角形の基板2を備え、基板2の第1面2aには四角形の半導体チップ3が設置されている。基板2において第1面2aに対して反対側の面を第2面2bとする。第2面2bには電極4が格子状に配置されており、電子部品1はLGA(Land grid array)となっている。基板2内には配線層と絶縁層とが積層して形成され、半導体チップ3は配線層の配線を介して電極4に接続されている。
例えば、電子部品1は小型化、高集積化された部品の1つであって、複数の電子素子が積層された電子部品であっても良い。電子部品1は、POP(パッケージオンパッケージ)構造を有していてもよい。半導体チップ3は種類に特別の制限はなく、シリコンチップのままでもよく、樹脂モールドされたものでもよい。他にも、セラミック等でパッケージされていても良い。また、半導体チップ3のサイズにも制限はなく、小型のチップでもよい。本実施形態では例えば一辺が2mmのチップや、厚みが0.3(mm)のチップを採用している。小型、薄型のICチップの一例としてはWLCSP(Wafer Level Chip Size Package)等があげられる。またこのように小型化された半導体チップ3を有する電子部品1は外形の小型化が進み、電極4の端子間隔が短い微細化が促進されている。
図2は、電子部品検査装置の構成を示す概略斜視図である。図2に示すように、電子部品検査装置5は直方体状の基台6を備えている。基台6の長手方向をY方向とし、水平面においてY方向と直交する方向をX方向とする。そして、鉛直方向を−Z方向とする。
基台6上において図中左側には給材装置7が設置されている。給材装置7の上面には、Y方向に延びる一対の案内レール8が給材装置7のY方向に凸設されている。一対の案内レール8の上側にはステージ9が取付けられている。そのステージ9の直動機構は、例えば案内レール8に沿ってY方向に延びるリニアモーターを備えた直動機構である。そして、この直動機構に所定のステップ数に相対する駆動信号がリニアモーターに入力されると、リニアモーターが前進または後退して、ステージ9が同ステップ数に相当する分だけ、Y方向に沿って往動または復動する。ステージ9のZ方向を向く面は載置面9aであり、載置面9aには電子部品1が載置される。ステージ9には吸引式の基板チャック機構が設置されている。そして、基板チャック機構が電子部品1を載置面9aに固定するようになっている。
基台6において給材装置7のY方向側には検査台10が設置されている。検査台10は電子部品1を検査するときに電気信号を送受信するための検査用ソケットが設置されている台である。
基台6上において検査台10のY方向側には除材装置11が設置されている。除材装置11の上面にはY方向に延びる一対の案内レール12が凸設されている。一対の案内レール12の上側には直動機構を備えたステージ13が取付けられている。ステージ13の直動機構は、給材装置7が備える直動機構と同様の機構を用いることができる。そして、ステージ13は案内レール12に沿って往動または復動する。ステージ13のZ方向を向く面は載置面13aであり、載置面13aには電子部品1が載置される。
基台6の−X方向には略直方体状の支持台14が設置されている。基台6に比べて支持台14はZ方向に高い形状となっている。支持台14においてX方向を向く面にはY方向に延びる一対の案内レール15が支持台14のY方向全幅にわたり凸設されている。案内レール15のX方向側には、一対の案内レール15に沿って移動する直動機構を備えたYステージ16が取付けられている。Yステージ16の直動機構は、給材装置7が備える直動機構と同様の機構を用いることができる。そして、Yステージ16は案内レール15に沿って往動または復動する。
Yステージ16においてX方向を向く面にはX方向に延在する角柱状の腕部17が設置されている。腕部17において−Y方向を向く面にはX方向に延びる一対の案内レール18が腕部17のX方向全幅にわたり凸設されている。一対の案内レール18の−Y方向側には案内レール18に沿って移動する直動機構を備えたXステージ19が取付けられている。Xステージ19の直動機構は、給材装置7が備える直動機構と同様の機構を用いることができる。そして、Xステージ19は案内レール18に沿って往動または復動する。
Xステージ19には昇降装置22が設置されている。昇降装置22は内部に直動機構を備え、直動機構はZステージを昇降させる。そして、Zステージの−Z方向側にはZステージと接続して回転装置23が設置されている。そして、昇降装置22は回転装置23をZ方向に昇降させることができる。昇降装置22の直動機構は、給材装置7が備える直動機構と同様の機構を用いることができる。
回転装置23は回転軸を備え、回転軸には保持部としての保持装置24が接続されている。回転装置23はZ方向を軸にして保持装置24を回動させる。回転装置23はステップモーターまたはサーボモーターと減速装置とを組み合わせて構成され、回転軸を所定の角度に回動させる。サーボモーターのモーターの種類は特に限定されず、ACモーター、DCモーター、コアレスモーター、超音波モーター等を用いることができる。本実施形態では例えば、ステップモーターを採用している。Yステージ16、Xステージ19、昇降装置22、回転装置23等により移動部としてのステージ25が構成されている。
基台6のX方向側には制御部としての制御装置26が設置されている。制御装置26は電子部品検査装置5の動作を制御する機能を備えている。さらに、制御装置26は電子部品1を検査する機能を備えている。制御装置26は入力装置26a及び出力装置26bを備えている。入力装置26aはキーボートや入力コネクター等であり、信号やデータの他に操作者の指示を入力する装置である。出力装置26bは表示装置や外部装置に出力する出力コネクターを備え、信号やデータを他装置へ出力する。さらに、出力装置26bは電子部品検査装置5の状況を操作者に伝達する。
支持台14の上面には警報出力部としての警報装置27が設置されている。警報装置27は発光装置及びスピーカーを備えている。そして、電子部品検査装置5にトラブルが生じたとき、警報装置27は光を射出し警告音を発する。これにより、警報装置27は操作者に異常な状態を知らしめることができる。
図3(a)は、保持装置の構造を示す模式平面図であり、保持装置24を基台6側から見た図である。図3(b)は、保持装置の構造を示す模式側断面図であり、図3(a)のA−A’線に沿う断面を見た図である。図3に示すように、保持装置24は支持基板28を備え、支持基板28は回転装置23の回転軸23aと接続して設置されている。
支持基板28の内部にはY方向に延在する孔状の流路28aが設置されている。流路28aは支持基板28の側面に接続され、流路28aは側面にて図示しない配管と接続されている。配管には図示しない電磁弁を介してポンプ及び真空ポンプと接続されている。そして、ポンプ及び電磁弁を作動させて配管の流路をポンプと接続するとき、流路28a内の圧力を大気圧より高くすることができる。真空ポンプ及び電磁弁を作動させて配管の流路を真空ポンプと接続するとき、流路28a内の圧力を大気圧より低くすることができる。電磁弁を作動させて配管の流路を大気と接続するとき、流路28a内の圧力を大気圧と等しくすることができる。
支持基板28の−Z方向側には2つの単体保持装置29が設置されている。図中では見やすくするために1つの単体保持装置29が記載されている。尚、支持基板28に設置される単体保持装置29の数は2つに限定されない。単体保持装置29の数は1つでも良く、3つ以上でも良い。電子部品検査装置5の大きさや使用状況に合わせて設定してもよい。単体保持装置29は押圧部及び傾斜部としての押圧部30、加熱部31、吸着部32及び検出部33等から構成されている。
押圧部30は支持基板28と接して設置された有底角筒状の第1支持体34を備えている。第1支持体34は四角板34bに角筒34cが接続した形状となっている。そして、四角板34bが支持基板28に接し角筒34cが支持基板28から突出するように設置されている。支持基板28と接する四角板34bの中央には孔34aが設置され、孔34aは流路28aと連通している。
第1支持体34の角筒34cの−Z方向側には隔膜35が設置されている。隔膜35はダイアフラムとも称される。隔膜35の材料は弾性があり伸縮により劣化し難い材料が好ましい。隔膜35材料にはたとえば、ゴムやばね用金属を用いることができる。詳しくはゴムではシリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴムを用いることができる。金属では鉄合金、ベリリウム銅合金等を用いることができる。隔膜35は四角板であり、隔膜35にはZ方向に変形し易いように環状の凹凸が形成されていてもよい。
隔膜35の−Z方向側には第2支持体36が設置されている。第2支持体36は四角板36bに角筒36cが設置された有底角筒状の形状であり、四角板36bの中央に円形の孔36aが設置されている。第2支持体36の角筒36cと第1支持体34の角筒34cとで隔膜35の外周を挟むように設置され、第2支持体36の角筒36cは第1支持体34の角筒34cに固定されている。
第1支持体34と隔膜35とに囲まれた圧力室37は外気と遮断されている。そして、流路28a及び孔34aを通過して空気が供給または排出される。圧力室37内の空気の圧力が高くなると隔膜35が−Z方向に突出し、空気の圧力が低くなると隔膜35がZ方向に凹むようになっている。これにより、押圧部30は隔膜35が移動する直動機構となっている。
隔膜35の−Z方向側の中央には加熱部31を支持する加熱部支持体38が設置されている。そして、隔膜35が±Z方向に移動するとき加熱部支持体38は隔膜35と連動して移動する。加熱部支持体38は円柱形をなし外周に沿って環状の凹部38aが形成されている。そして、第2支持体36の四角板36bの中央に位置する孔に加熱部支持体38が挿入され、凹部38aに四角板36bの孔36aが入り込んでいる。凹部38aのZ方向の幅は第2支持体36の四角板36bの厚みより長くなっており、凹部38aの幅と四角板36bの厚みとの差の距離の間で加熱部支持体38が移動することができる。そして、凹部38aと四角板36bとが加熱部支持体38の移動範囲を規制する。第1支持体34、隔膜35、第2支持体36及び加熱部支持体38等により押圧部30が構成されている。
加熱部支持体38の−Z方向側には四角形の断熱板41が設置され、断熱板41の−Z方向側には直方体状の加熱体42が設置されている。加熱体42は外装部42bを備え、外装部42bの内部にはヒーター42aが設置されている。ヒーター42aは通電により発熱する抵抗体を備え、抵抗体にはニクロム線、導電性セラミック、炭素繊維等を用いることができる。抵抗体は図示しない配線により駆動回路に接続されている。外装部42bは熱伝導性の良い材質により形成されている。外装部42bの材質は例えばアルミニウム合金を用いることができる。断熱板41及び加熱体42等により加熱部31が構成されている。
加熱体42の−Z方向側には略直方体状の吸着部本体43が設置されている。吸着部本体43の−Z方向側の面に第1凹部43aが設置され、第1凹部43aに第2凹部43bが設置されている。第1凹部43aは平面形状が四角形であり電子部品1の外形より大きな形状となっている。そして、第1凹部43aの深さは電子部品1より浅くなっており、電子部品1は第1凹部43aに設置可能になっている。
第2凹部43bは第1凹部43aの中央に位置し、第2凹部43bの中央には凸部43cが形成されている。吸着部本体43の内部には流路43dが形成されており、流路43dの一端は凸部43cの中央に位置している。そして、流路43dの他端は吸着部本体43の側面に位置し、配管44と接続されている。配管44は図示しない電磁弁を介して真空ポンプと接続されている。この電磁弁は配管44の圧力を負圧と大気圧とで切り替えることが可能になっている。
凸部43cには吸盤45が設置され、吸盤45の中央には流路43dと連通する孔45aが設置されている。第1凹部43aに電子部品1が配置されるとき、吸盤45が電子部品1に接触する。そして、吸盤45と電子部品1とに囲まれた空間が外気と遮断される。そして、真空ポンプを作動して電磁弁が配管44内の気圧を負圧にするとき、流路43d及び孔45aを介して吸盤45と電子部品1とに囲まれた空間の空気が吸引される。これにより、吸盤45と電子部品1とに囲まれた空間が外気に対して負圧となる。そして、電子部品1が吸着部本体43に吸着される。このようにして保持装置24は電子部品1を保持する。
電磁弁が配管44内の気圧を大気圧にするとき、電子部品1は吸盤45から離脱する。吸着部32は吸着部本体43及び吸盤45等により構成され、吸着部32は電子部品1を吸着する真空チャックとなっている。吸着部32が電子部品1を吸着するとき、電子部品1は第1凹部43aの−Z方向側の面に接触する。これにより、加熱部支持体38と電子部品1とのZ方向の距離は再現性良く同じ距離になる。
第1支持体34の角筒34cの側面において4つの角には光センサー46が設置され、加熱部31の側面において4つの角には遮蔽部としての遮蔽板47が設置されている。光センサー46には凹部46aが設置され、凹部46aには遮蔽板47が抜き差し可能に挿入されている。加熱部31が±Z方向に移動するとき、遮蔽板47は加熱部31と連動して移動する。これにより、凹部46aに挿入される遮蔽板47の長さが変わる。従って、光センサー46は凹部46aに挿入される遮蔽板47の長さを検出することにより、加熱部31の移動量を検出することができる。そして、光センサー46及び遮蔽板47等により検出部33が構成され、検出部33は保持装置24の4つ角に設置されている。電子部品1が吸着部32に設置されるとき、遮蔽板47の動作は電子部品1のZ方向への動作と連動する。従って、検出部33は電子部品1がZ方向に移動する移動量を4か所で検出することが可能となっている。
図4は保持装置の動作を説明するための模式断面図である。図4(a)は、吸着部32が−Z方向に移動している状態を示し、図4(b)は、吸着部32が+Z方向に移動している状態を示す。図4(c)は、吸着部32が斜めに傾いた状態を示す。図4(a)に示すように、流路28aを介して圧力室37に空気を送って気圧を上げるとき圧力室37の体積が膨張する。これにより、加熱部支持体38が−Z方向に移動し、加熱部支持体38の移動と連動して遮蔽板47が−Z方向に移動する。そして、遮蔽板47が光センサー46の凹部46aに挿入される長さが短くなる。
図4(b)に示すように、流路28aを介して圧力室37から空気を抜いて気圧を下げるとき圧力室37の体積が縮小する。これにより、加熱部支持体38が+Z方向に移動し、加熱部支持体38の移動と連動して遮蔽板47が+Z方向に移動する。そして、遮蔽板47が光センサー46の凹部46aに挿入される長さが長くなる。
図4(c)に示すように、圧力室37には空気が充填されている。隔膜35は弾性を有しているので加熱部支持体38は斜めに傾斜することが可能になっている。そして、吸着部32に設置された電子部品1に外部応力が作用して傾斜するとき、加熱部31及び加熱部支持体38も電子部品1と連動して傾斜する。加熱部支持体38が傾くことが可能な角度の範囲は第2支持体36の四角板36bの厚みと加熱部支持体38の凹部38aの幅の差により限定される。
吸着部32が傾いて吸着部32の+X方向側が−X方向側に対して+Z方向に移動する。このとき、+X側の遮蔽板47は光センサー46の凹部46aに深く入り込み、−X側の遮蔽板47は光センサー46の凹部46aに浅く入り込む。検出部33は保持装置24の+X方向側と−X方向側との両方に設置されているので、Y方向を回転中心とする傾きを検出部33が検出することができる。そして、吸着部32の+X方向側が+Z方向に移動する移動量を第1変位とし、吸着部32の−X方向側が+Z方向に移動する移動量を第2変位とする。このとき、制御装置26は検出部33が検出する第1変位及び第2変位を入力する。そして、第1変位と第2変位との平均値を演算することにより、吸着部32の中央がZ方向に移動した距離を検出することができる。
図5(a)は、検査用ソケットの構造を示す模式平面図であり、図5(b)は、検査用ソケットの構造を示す模式側断面図である。図5(c)は、保持装置により電子部品が配置された検査用ソケットを説明するための模式側断面図である。図5(a)及び図5(b)に示すように、移動場所及び検査部としての検査用ソケット50は直方体の基台51を備え、基台51の中央には平面形状が四角形の凹部51aが設置されている。検査用ソケット50は検査台10に設置して用いられる。
凹部51aにはプローブ52が格子状に配置され、プローブ52の配置は電子部品1の電極4と同じ配置となっている。プローブ52は針状電極52aと針状電極52aをZ方向に付勢するコイルばね52bが設置されている。プローブ52は制御装置26と電気的に接続されている。尚、検査用ソケット50が備える電極はプローブ52に限らず電子部品1の電極の形態に合わせた電極にしてもよい。例えば、検査する電子部品がQFP(Quad Flat Package)のときには板バネを電極にするのが好ましい。
凹部51aにはプローブ52の配列の±X側と±Y側との4か所に高さ制限ピン51bが設置されている。高さ制限ピン51bは円柱状のピンであり突出する高さが針状電極52aより低い形状となっている。
4つの高さ制限ピン51bのZ側の面を通る平面と電子部品1の第2面2bとが平行とならない場合がある。このとき、押圧部30の隔膜35は弾力性があるので加熱部支持体38が傾くことができる。そして、電子部品1は傾いて高さ制限ピン51bのZ側の面に接触することができる。つまり、押圧部30は電子部品1の移動場所の形状に合わせて電子部品1を傾かせることができる。
図5(c)に示すように、保持装置24の吸着部32が電子部品1を吸着して、ステージ25が保持装置24を移動する。そして、電子部品検査装置5は電子部品1をプローブ52と対向する場所に移動する。そして、押圧部30が電子部品1をプローブ52に押圧する。これにより、電子部品1は高さ制限ピン51bと接触しプローブ52の針状電極52aは高さ制限ピン51bの高さまで押圧される。そして、電子部品1の電極4とプローブ52とが所定の接触圧にて接触するので、接触抵抗を少なくすることができる。
図6(a)は、検出部の構造を示すブロック図であり、図6(b)及び図6(c)は、検出部の出力を説明するための図である。図6(a)に示すように検出部33は制御装置26と接続する入出力端子53を備えている。入出力端子53と接続して入出力インターフェイス54が設置され、入出力インターフェイス54は入出力端子53から入力した通信用の信号を変換して検出部33を駆動する制御信号データにする。入出力インターフェイス54と接続してD/A変換部55(Digital/Analog)が設置され、入出力インターフェイス54はD/A変換部55に制御信号データを出力する。D/A変換部55は制御信号データを駆動電圧信号に変換する。D/A変換部55と接続して発光部駆動回路56が設置されている。発光部駆動回路56は駆動電圧信号を入力して駆動電圧信号に応じた駆動電力を光センサー46に供給する。
光センサー46には発光部としての発光ダイオード57が設置されている。発光ダイオード57は駆動電力に応じた輝度の光58を射出する。従って、発光ダイオード57は制御装置26の指令に対応する輝度の光58を射出する。発光ダイオード57が射出する光58は第1導光板61を照射する。光58は第1導光板61内にて進路を変えて凹部46aに向かって進行する。凹部46aを挟んで第1導光板61と対向する場所には第2導光板62が設置されている。凹部46aには遮蔽板47が位置しており凹部46aを通過する光58の一部を遮蔽する。遮蔽板47は電子部品1と連動して動作し、電子部品1に応じて光58を遮蔽する。そして、遮蔽板47は凹部46aを通過する光58を変化させる。
凹部46aを通過した光58は第2導光板62を照射し、第2導光板62にて進行方向を変える。そして、第2導光板62を通過した光58の進行方向には受光部としてのフォトトランジスター63が設置されている。フォトトランジスター63は第2導光板62を通過した光58を受光する。フォトトランジスター63は受光した光58の光量に応じた電流信号を出力する。フォトトランジスター63に接続して受光部駆動回路64が設置され、受光部駆動回路64はフォトトランジスター63が出力する電流信号を電圧信号に変換した後で増幅する。
受光部駆動回路64と接続してA/D変換部65(Analog/Digital)が設置され、A/D変換部65は入出力インターフェイス54と接続されている。A/D変換部65は受光部駆動回路64が出力する電圧信号をデジタルデータに変換して入出力インターフェイス54に出力する。A/D変換部65が出力するデータはフォトトランジスター63が受光した光58の光量に対応したデータとなっている。入出力インターフェイス54は入出力端子53を介してデジタルデータを制御装置26に送信する。遮蔽板47が凹部46aに入る長さを遮蔽量66とする。遮蔽量66が大きい程フォトトランジスター63に到達する光58が小さくなる。
図6(b)において、横軸は遮蔽量66を示し、図中右側は左側より大きくなっている。縦軸は受光部駆動回路64が出力する電圧を示し、図中上側が下側より高い電圧を示す。そして、遮蔽量電圧相関線67は遮蔽量66に対応する受光部駆動回路64が出力する電圧を示している。遮蔽量電圧相関線67が示すように遮蔽量66と電圧とは負の相関を有している。遮蔽量66が減少するときフォトトランジスター63が受光する光量が大きくなる。そして、受光部駆動回路64が出力する電圧が高くなる。そして、受光部駆動回路64が出力する電圧と遮蔽量電圧相関線67とを用いて遮蔽量66を演算することができる。
図6(c)において、横軸は遮蔽量66を示し、図中右側は左側より大きくなっている。縦軸は電子部品1が−Z方向に移動する移動量を示し、図中上側が下側より大きくなっている。そして、遮蔽量移動量相関線68は遮蔽量66に対応する電子部品1の移動量を示している。遮蔽量66は、電子部品1が−Z方向に移動する移動量と反比例する関係にある。従って、遮蔽量66から電子部品1の移動量を演算することができる。遮蔽量66は電子部品1の移動量と対応するので、フォトトランジスター63が受光する光58の光量を検出することにより電子部品1の移動量を検出することが可能となっている。
図7は、電子部品検査装置の電気制御ブロック図である。図7において、電子部品検査装置5は電子部品検査装置5の動作を制御する制御部としての制御装置26を備えている。そして、制御装置26はプロセッサーとして各種の演算処理を行うCPU(中央演算処理装置)69と、各種情報を記憶するメモリー70とを備えている。
ステージ駆動装置71、押圧部30、加熱部31、吸着部32、検出部33は入出力インターフェイス72及びデータバス73を介してCPU69に接続されている。さらに、給材装置7、検査用ソケット50、除材装置11、入力装置26a、出力装置26b、警報装置27も入出力インターフェイス72及びデータバス73を介してCPU69に接続されている。
ステージ駆動装置71はXステージ19、Yステージ16、昇降装置22、回転装置23を駆動する装置である。ステージ駆動装置71がこれらのステージ及び装置を駆動することにより、保持装置24を所望の位置で所望の角度に移動して停止させることが可能になっている。
メモリー70は、RAM、ROM等といった半導体メモリーや、ハードディスク、DVD−ROMといった外部記憶装置を含む概念である。機能的には、電子部品検査装置5の動作の制御手順が記述されたプログラムソフト74を記憶する記憶領域や、電子部品1の形状や電極4の位置の座標データであるワーク属性データ75を記憶するための記憶領域が設定される。他にも、検査用ソケット50の位置や高さの座標データ、電特検査に用いるデータ等のデータである検査関連データ76を記憶するための記憶領域が設定される。さらに、電子部品1を検査用ソケット50に押圧するときに電子部品1の移動量を判定するのに用いる異常判定データ77を記憶するための記憶領域が設定される。他にも、CPU69のためのワークエリアやテンポラリーファイル等として機能する記憶領域やその他各種の記憶領域が設定される。
CPU69は、メモリー70内に記憶されたプログラムソフト74に従って、電子部品1を検査用ソケット50に移動して電気特性を検査するための制御を行うものである。具体的な機能実現部としてXステージ19、Yステージ16、昇降装置22、回転装置23の移動と停止を制御するステージ制御部80を有する。ステージ制御部80はXステージ19、Yステージ16、昇降装置22、回転装置23が出力する位置情報を入力する。そして、ステージ制御部80は保持装置24の位置を検出し、保持装置24を所望の場所へ移動することができる。
他にも、CPU69は押圧部30の圧力室37の圧力を制御する押圧制御部81を有する。押圧制御部81は押圧部30と流路28aを介して接続された電磁弁、ポンプ及び真空ポンプの作動を制御する。そして、押圧制御部81は押圧部30を制御することにより、電子部品1を検査用ソケット50へ押圧する制御を行う。また、押圧制御部81は押圧部30を制御することにより、電子部品1を検査用ソケット50から離す制御も行う。さらに、CPU69は吸着部32を制御する吸引制御部82を有する。吸引制御部82は配管44を介して吸着部32に接続された電磁弁及び真空ポンプの作動を制御する。真空ポンプは吸着部32から空気を吸引して吸着部32の内部を減圧する。そして、吸引制御部82は電子部品1を吸着部32に吸着させて保持する制御と、吸着部32から電子部品1を離脱させる制御を行う。
他にも、CPU69は検出部33の受光部駆動回路64が出力する電圧値を用いて電子部品1の移動量を演算する演算部としての移動量演算部83を有する。移動量演算部83は遮蔽量66に所定の定数を積算及び加算して電子部品1の移動量を演算する。
他にも、CPU69は移動量演算部83が演算する電子部品1の移動量を用いて電子部品1の重なった状態か否かを判定する判定部84を有する。判定部84は異常判定データ77の1つである判定値をメモリー70から入力する。次に、判定部84は電子部品1の移動量と判定値とを比較する。そして、電子部品1の移動量が判定値より小さいとき判定部84は電子部品1の重なった異常状態であると判定する。
他にも、CPU69は判定部84が異常状態の判定したときに警報装置27を作動させる警報制御部85を有する。さらに、電子部品1に出力した電気信号に対応して電子部品1が出力する電気信号を入力して電子部品1を検査する検査部としての電特検査部86を有する。他にも、給材装置7及び除材装置11の動作を制御する除給材制御部87を有する。さらに、加熱部31の作動と温度を制御する加熱制御部88を有する。
尚、本実施形態では、上記の各機能がCPU69を用いてプログラムソフトで実現することとしたが、上記の各機能がCPU69を用いない単独の電子回路(ハードウェア)によって実現できる場合には、そのような電子回路を用いることも可能である。そして、電子部品検査装置5の内、検査台10、給材装置7、除材装置11、加熱部31、電特検査部86、除給材制御部87、加熱制御部88を除いた部分の装置が部品搬送装置5aとなっている。つまり、部品搬送装置5aは電子部品1を移動する部分の装置であり、部品搬送装置5aに電気特性を検査する部分の機能を加えた装置が電子部品検査装置5である。
(検査方法)
次に、上述した電子部品検査装置5を用いて、電子部品1の電気特性を検査する検査方法について図8〜図11にて説明する。図8は、検査作業を示すフローチャートである。図9〜図11は、検査作業における検査方法を説明するための模式図である。
図8に示すフローチャートにおいて、ステップS1は、給材工程に相当する。この工程は、保持装置24の移動範囲に給材装置7が電子部品1を移動する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2はワーク移動工程に相当する。この工程は、保持装置24が電子部品1を保持しステージ25が保持装置24を移動する工程である。このとき、電子部品1は保持装置24と共に移動する。次にステップS3に移行する。ステップS3はワーク押圧工程に相当する。この工程は、押圧部30が電子部品1を検査用ソケット50に押圧する工程である。次にステップS4に移行する。
ステップS4は、2枚重ね判断工程に相当する。この工程では検出部33を遮蔽板47が遮蔽する遮蔽量66に対応する電圧信号を検出部33が出力する。そして、移動量演算部83が遮蔽量66から電子部品1の移動量を演算する。そして、判定部84が移動量と判定値とを比較して電子部品1が2枚重ねとなっているか判定する工程である。2枚重ねであると判定したときはステップS8に移行する。電子部品1が重なっていないと判定したときはステップS5に移行する。ステップS5は、電特検査工程に相当する。この工程は、電子部品1に検査用の電気信号を入力し電子部品1の出力信号を用いて電子部品1の電気特性を検査する工程である。次に、ステップS6に移行する。ステップS6は、ワーク移動工程に相当する。この工程は、ステージ25が保持装置24を移動させることにより電子部品1を除材装置11に移動する工程である。次にステップS7に移行する。ステップS7は、除材工程に相当する。この工程は、ステージ13が電子部品1を次工程が行われる場所に移動する工程である。ステップS7にて検査工程が終了する。ステップS8は、警報工程に相当する。この工程は、警報装置27が光及び警告音を発して電子部品1が重なった異常状態となっていることを操作者に知らせる工程である。以上の工程により電子部品1を検査する検査工程が終了する。
次に、図9〜図11を用いて、図8に示したステップと対応させて、電子部品1を搬送して電気特性を検査する方法を詳細に説明する。図9(a)及び図9(b)はステップS1の給材工程に対応する図である。図9(a)に示すように、ステップS1において、ステージ9が−Y方向側にて待機している。そして、操作者がステージ9の載置面9aに電子部品1を載置する。電子部品1を載置するのは人に限らず給材ロボットや加工装置でも良い。このとき、電子部品1は第1面1aをZ方向に向けて載置される。
次に、図9(b)に示すように、除給材制御部87の指令により給材装置7はステージ9を案内レール8に沿ってY方向の所定の場所に移動させる。ステージ9が移動した場所は待機場所であり、保持装置24が移動可能な場所となっている。
図9(c)及び図9(d)はステップS2のワーク移動工程に対応する図である。図9(c)に示すように、ステップS2において、ステージ制御部80がステージ駆動装置71にステージ25を駆動させる。そして、ステージ25は保持装置24を電子部品1と対向する場所に移動させる。次に、昇降装置22が保持装置24を下降させて吸着部32の吸盤45を電子部品1に接触させる。続いて、吸引制御部82は真空ポンプと電磁弁を駆動させて吸着部32の吸盤45と電子部品1とに囲まれた空間を減圧させる。これにより、電子部品1が吸着部32に吸着される。
次に、ステージ制御部80はステージ駆動装置71に昇降装置22を駆動させて、保持装置24を上昇させる。続いて、ステージ制御部80がステージ駆動装置71にステージ25を駆動させる。そして、図9(d)に示すように、ステージ制御部80は保持装置24を検査用ソケット50と対向する場所に移動して下降させる。検査用ソケット50が設置された場所が電子部品1の移動場所である。このとき、電子部品1が検査用ソケット50の高さ制限ピン51bとの距離が所定の距離になるまで電子部品1を検査用ソケット50に接近させる。このとき、回転装置23が保持装置24を回転させて電子部品1と吸着部32との角度を合わせてもよい。
図10(a)はステップS3のワーク押圧工程、ステップS4及びステップS5の電特検査工程の2枚重ね判断工程に対応する図である。図10(b)はステップS3のワーク押圧工程及びステップS4の2枚重ね判断工程に対応する図である。図10(a)は正常な状態を示し吸着部32と検査用ソケット50との間に1つの電子部品1が配置された図である。図10(b)は異常な状態を示し吸着部32と検査用ソケット50との間に2つの電子部品1が配置された図である。
図10(a)に示すように、ステップS3において、押圧制御部81は押圧部30を駆動して電子部品1を高さ制限ピン51bに押圧する。押圧部30は電子部品1を傾斜させることができるので、電子部品1は4つの高さ制限ピン51bと接触する。プローブ52の針状電極52aは高さ制限ピン51bより所定の長さが押されて収縮する。そして、コイルばね52bにより所定の力で針状電極52aが電子部品1の電極4を押圧する。これにより、プローブ52は電子部品1と確実に接触し接触抵抗を小さくすることができる。
押圧部30が電子部品1を検査用ソケット50に押圧するとき、電子部品1が検査用ソケット50に向かって移動する。これと連動して遮蔽板47が凹部46aから抜ける方向に移動する。そして、遮蔽量66が小さくなる。検査用ソケット50に1枚の電子部品1が設置されたときの遮蔽量66を第1遮蔽量66aとする。
図10(b)に示すように、基台51に2つの電子部品1が設置される異常状態となることがある。電子部品1を検査用ソケット50に押圧し検査を行った後で電子部品1を検査用ソケット50から移動する。そして、保持装置24が検査用ソケット50から離れるときに、電子部品1が吸着部32から離れて検査用ソケット50に残されることがある。残された電子部品1は検査における障害物となる。その後で保持装置24が別の電子部品1を吸着して検査用ソケット50に移動する。そして、保持装置24が電子部品1を検査用ソケット50に押圧する。このとき、検査用ソケット50には以前に検査した障害物としての電子部品1が残されているので、2つの電子部品1が重なった異常状態となる。
押圧部30が電子部品1を検査用ソケット50に押圧するとき、高さ制限ピン51b上には2つの電子部品1が重なって配置されている。これにより、吸着部32が保持する電子部品1は高さ制限ピン51bまで到達しない。そして、電子部品1と連動する遮蔽板47の移動量は電子部品1が1枚のときより短くなるので、遮蔽量66が大きくなる。検査用ソケット50に2枚の電子部品1が設置されたときの遮蔽量66を第2遮蔽量66bとする。第2遮蔽量66bは第1遮蔽量66aより大きくなっている。
図10(c)及び図10(d)はステップS4の2枚重ね判断工程に対応する図である。図10(c)において、横軸は遮蔽量66を示し、縦軸は受光部駆動回路64が出力する電圧を示す。第1遮蔽量66aのときに受光部駆動回路64が出力する電圧を第1電圧90とし、第2遮蔽量66bのときに受光部駆動回路64が出力する電圧を第2電圧91とする。移動量演算部83は検出部33から受光部駆動回路64が出力する電圧信号をデジタル化したデータを入力する。そして、移動量演算部83は遮蔽量電圧相関線67を用いて遮蔽量66を演算する。例えば、入力した電圧信号が第1電圧90のときは遮蔽量66の演算結果が第1遮蔽量66aとなり、入力した電圧信号が第2電圧91のときは遮蔽量66の演算結果が第2遮蔽量66bとなる。
次に、移動量演算部83は遮蔽量66を用いて電子部品1が−Z方向に移動した移動量を演算する。図10(d)において、横軸は遮蔽量66を示し、縦軸は電子部品1が−Z方向に移動する移動量を示す。そして、移動量演算部83は遮蔽量移動量相関線68と遮蔽量66とを用いて移動量を演算する。遮蔽量66が第1遮蔽量66aのときの移動量を第1移動量92とし、遮蔽量66が第2遮蔽量66bのときの移動量を第2移動量93とする。そして、第1移動量92と第2移動量93との間の値に判定値としての移動量判定値94が設定されている。
判定部84は移動量が移動量判定値94より大きいは正常であり複数の電子部品1が重なっていないと判断する。そして、判定部84は移動量が移動量判定値94より小さいときは異常であり複数の電子部品1が重なっていると判断する。つまり、判定部84は電子部品1の移動量と移動量判定値94とを比較して正常状態と異常状態との判定を行っている。
電子部品1が重なっている異常状態になっていると判定部84が判定したとき、ステップS8の警報工程に移行する。ステップS8では、判定部84が警報制御部85に異常状態となっていることを伝達する。そして、警報制御部85は警報装置27を駆動して光を射出し警告音を発する。これにより、操作者は異常状態となっていることを認知し、検査用ソケット50から重なった電子部品1を除去する。
図10(a)に示すように、ステップS5において、電子部品1はプローブ52を介して制御装置26と電気的に接続される。制御装置26に属する電特検査部86はプローブ52を介して電子部品1に検査信号を出力する。電子部品1は検査信号を入力し、検査信号に応答して応答信号を電特検査部86に出力する。電特検査部86はメモリー70から検査関連データ76を入力し応答信号を評価する。このようにして電特検査部86は検査信号の出力と応答信号の評価とを繰り返して電子部品1の検査を行う。
図11(a)及び図11(b)はステップS6のワーク移動工程に対応する図である。図11(a)に示すように、ステップS6においてステージ制御部80はステージ駆動装置71に昇降装置22を駆動させて、保持装置24を上昇させる。続いて、ステージ制御部80はステージ駆動装置71にステージ25を駆動させて保持装置24を除材装置11のステージ13と対向する場所に移動させる。そして、図11(b)に示すように、ステージ制御部80はステージ駆動装置71に昇降装置22を駆動させて、保持装置24をステージ13と対向する場所で下降させる。次に、吸引制御部82は電磁弁を駆動させて吸着部32の吸盤45と電子部品1とに囲まれた空間の気圧を大気圧にする。これにより、電子部品1が吸着部32から離脱し、ステージ13の載置面13aに載置される。
図11(c)及び図11(d)はステップS7の除材工程に対応する図である。図11(c)及び図11(d)に示すように、ステップS7において、除給材制御部87の指令により除材装置11はステージ13を案内レール12に沿ってY方向の所定の場所に移動させる。そして、操作者がステージ13の載置面13aから電子部品1を移動する。電子部品1を移動するのは人に限らず給材ロボットや加工装置でも良い。以上の工程により電子部品を検査する検査工程が終了する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、押圧部30が電子部品1を検査用ソケット50に押圧し、検出部33が電子部品1の移動量を検出する。押圧部30が電子部品1を検査用ソケット50に押圧するとき、正常状態では電子部品1が高さ制限ピン51bに接するまで移動する。一方、異常状態では電子部品1が障害物である設置済の電子部品1に接するまで移動する。電子部品1は障害物に阻まれているので高さ制限ピン51bまで到達できない。このとき、異常状態では正常状態に比べて電子部品1の移動量が電子部品1の厚みだけ短くなる。判定部84は電子部品1の移動量と判定値とを比較する。そして、検査用ソケット50に設置済の電子部品1が在る異常状態となっているかを判定する。従って、電子部品検査装置5は電子部品1の検査用ソケット50に電子部品1がある異常状態を検出することができる。そして、電子部品1の撮影画像を用いて検査用ソケット50に電子部品1が残留しているか否かを判定するのが難しいときにも検査用ソケット50に電子部品1が残留しているか否かを判定できる。
(2)本実施形態によれば、検出部33では発光ダイオード57が光58を射出し、発光ダイオード57が射出した光58をフォトトランジスター63が受光する。発光ダイオード57やフォトトランジスター63は温度の変動に対して鈍感である。従って、検査用ソケット50付近で加熱部31が発熱するときにも電子部品1の移動量を検出することができる。
(3)本実施形態によれば、押圧部30が検査用ソケット50の傾斜に合わせて電子部品1を傾かせる。そして、検出部33は保持装置24に4か所設置され、1つの電子部品1の4か所の移動量を検出する。これにより、検出部33は電子部品1が傾いているときにも電子部品1の中央の移動量を検出することができる。従って、検査用ソケット50が傾斜しているときにも正常状態と異常状態とを判定することができる。
(4)本実施形態によれば、判定部84が正常状態と異常状態とを判定する。そして、判定した結果により警報装置27が光や警報音を発する。従って、検査用ソケット50にすでに電子部品1が設置されているときには、操作者が異常状態を検知し異常状態に応じた対応をすることができる。
(5)本実施形態によれば、押圧部30は隔膜35が設置された圧力室37を備えている。圧力室37の圧力を変えることにより隔膜35が変形するので、押圧部30は電子部品1を押圧することができる。そして、隔膜35は圧力室37に対して一部分を突出させることができるため電子部品1を斜めにして押圧することができる。そして、電子部品検査装置5は押圧部30とは別に電子部品1を斜めにする機構を備えるときに比べて簡易な構造にすることができる為製造し易い構造にすることができる。
(6)本実施形態によれば、保持装置24は2つの電子部品1を保持することが可能となっており、押圧部30は電子部品1を個別に押圧する。これにより、2つの電子部品1がそれぞれ個別に押圧される。そして、検出部33は各電子部品1の移動量を検出する。従って、電子部品検査装置5は複数の電子部品1を同時に移動するので生産性良く電子部品1を移動することができる。そして、正常状態となっているか否かを電子部品1毎に判定することができる。
(7)本実施形態によれば、検出部33は凹部46aと遮蔽板47とが摺動することなく、遮蔽板47の移動量を検出している。従って、検出部33は機械的にすり減ることがない為、高寿命にすることができる。
(8)本実施形態によれば、押圧部30が電子部品1を検査用ソケット50に押圧し、検出部33が移動量を検出している。本実施形態の方法以外に検査用ソケット50の側面にセンサーを設置して電子部品1の重なりを検出する方法がある。この方法では電子部品1が薄いときにはセンサーを設置する場所を確保し難い。この方法に比べて本実施形態の方法では電子部品1が薄いときにも電子部品1の重なりを検出することができる。
検査用ソケット50の側面にセンサーをつける構造ではセンサーを設置する場所が必要となるのでソケット間の距離を長くする必要がある。本実施形態では一対の検査用ソケット50の間にセンサーを設置しない構造であり、ソケット間距離を短くすることができる。従って、検査用ソケット50を設置する場所の面積を小さくすることができる。
(第2の実施形態)
次に、電子部品検査装置の一実施形態について図12の保持装置の構造を示す模式平面図を用いて説明する。
本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、検出部33の設置数が異なる点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、図12(a)に示すように、電子部品検査装置97が備える保持部としての保持装置98には1つの電子部品1に対して検出部33が2つ設置されている。そして、検出部33は電子部品1の対角となる場所に設置されている。従って、電子部品1がX方向に傾斜するときにもY方向に傾斜するときにも検出部33は電子部品1の中心の移動量を検出することができる。
また、図12(b)に示すように、電子部品検査装置99が備える保持部としての保持装置100には1つの電子部品1に対して検出部33が3つ設置されている。そして、検出部33は、電子部品1のX方向側の辺では±Y方向の端に設置され−X方向の辺では中央に設置されている。従って、電子部品1がX方向に傾斜するときにもY方向に傾斜するときにも検出部33は電子部品1の中心の移動量を検出することができる。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、電子部品検査装置97では検出部33は保持装置24に2か所設置され、1つの電子部品1の対角に位置する場所の2か所の移動量を検出する。これにより、検出部33は電子部品1が傾いているときにも電子部品1の中央の移動量を検出することができる。従って、検査用ソケット50が傾斜しているときにも正常状態と異常状態とを判定することができる。
(2)本実施形態によれば、電子部品検査装置99では検出部33は保持装置24に3か所設置され、1つの電子部品1の±X方向側の辺の移動量と±Y方向側の辺の移動量を検出する。これにより、検出部33は電子部品1が傾いているときにも電子部品1の中央の移動量を検出することができる。従って、検査用ソケット50が傾斜しているときにも正常状態と異常状態とを判定することができる。
(第3の実施形態)
次に、電子部品検査装置の一実施形態について図13の電子部品検査装置の構造を示す模式平面図を用いて説明する。図13はカバーを外した図となっている。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、給材装置及び除材装置の構造が異なる点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、図13に示すように、電子部品検査装置としての部品検査装置111は長方形の板状の基台112を備えている。基台112の平面視で基台112の直交する2辺が延在する方向をX方向とY方向とし、鉛直方向を−Z方向とする。部品検査装置111は主に電子部品を検査する検査部111aと検査部111aに部品を搬送する部品搬送装置としての搬送部111bとから構成されている。
基台112上のX方向側にはX方向に長く延在する6つのベルトコンベアが設置されている。ベルトコンベアは−Y方向側から順に第1コンベア113、第2コンベア114、第3コンベア115、第4コンベア116、第5コンベア117、第6コンベア118となっている。第1コンベア113は給材用のベルトコンベアであり、第1コンベア113上にはトレイ119が載置されている。トレイ119は仕切板により5行5列のマトリックス状に区画されており、各区画には部品としての電子部品120が載置されている。従って、トレイ119は直交する2方向に配列して電子部品120を載置することが可能になっている。
第2コンベア114及び第3コンベア115は空のトレイ119を置く場所となっており、第4コンベア116は不良と判定された電子部品120を格納するトレイ119を置く場所となっている。そして、第5コンベア117及び第6コンベア118は良品と判定された電子部品120を格納するトレイ119を置く場所となっている。
第1コンベア113〜第6コンベア118と対向する場所にはトレイ搬送部121が設置されている。トレイ搬送部121は第1コンベア113〜第6コンベア118をまたいで設置された門型のトレイ搬送支持部122を備えている。トレイ搬送支持部122はY方向に長い形状であり、トレイ搬送支持部122の−X方向側にはY方向に延在するレール123が設置されている。レール123の−X方向側にはレール123に沿って移動するトレイ移動ステージ124が設置されている。トレイ搬送支持部122の内部にはトレイ移動ステージ124を移動させる直動機構が設置されている。
トレイ移動ステージ124の−X方向側の面にはトレイ把持支持部125を介してトレイ把持部126が設置されている。トレイ把持部126は昇降装置と真空チャックとを備えている。真空チャックは吸盤を備え、吸盤が配管により真空ポンプと接続されている。そして、昇降装置は真空チャックを昇降させる機能を備えている。昇降装置が真空チャックを下降して真空チャックの吸盤をトレイ119に接触させる。そして、吸盤とトレイ119との間を真空にすることで真空チャックはトレイ119を把持する。その後、昇降装置がトレイ119を上昇させることによりトレイ119が第1コンベア113から離れて、トレイ移動ステージ124がトレイ119をY方向に移動可能となる。
第1コンベア113〜第6コンベア118の−X方向側には部品除給材部130が設置されている。部品除給材部130は基台112上に設置された門型の部品搬送支持部131を備えている。部品搬送支持部131は基台112に立設された一対の支柱部131aと支柱部131a間に架橋された架橋部材131bから構成されている。架橋部材131bの基台112側の面にはY方向に延在するレールが設置されている。そして、架橋部材131bのレールに懸架して直方体状の給材Yステージ133及び除材Yステージ134が設置されている。架橋部材131bには直動機構が内蔵され、この直動機構が給材Yステージ133及び除材Yステージ134をY方向に往復移動させる。
給材Yステージ133の基台112側にはX方向に延在する第1支持梁135が設置され、第1支持梁135にはX方向に延在するレールが設置されている。そして、第1支持梁135のレールに懸架して直方体状の給材Xステージ137が設置されている。第1支持梁135には直動機構が内蔵され、この直動機構が給材Xステージ137をX方向に往復移動させる。給材Xステージ137の基台112側には給材部品把持部138が設置され、給材部品把持部138は昇降装置及び真空チャックを備えている。
給材部品把持部138では昇降装置が真空チャックを下降して真空チャックの吸盤を電子部品120に接触させる。そして、吸盤と電子部品120との間を真空にすることにより真空チャックは電子部品120を把持する。その後、昇降装置が電子部品120を上昇させることにより給材Yステージ133及び給材Xステージ137が電子部品120をX方向及びY方向に移動することができる。
同様に、除材Yステージ134の基台112側にはX方向に延在する第2支持梁140が設置され、第2支持梁140の基台112側にはX方向に延在するレールが設置されている。そして、第2支持梁140のレールに懸架して直方体状の除材Xステージ141が設置されている。第2支持梁140には直動機構が内蔵され、この直動機構が除材Xステージ141をX方向に往復移動させる。除材Xステージ141の基台112側には除材部品把持部142が設置され、除材部品把持部142は昇降装置及び真空チャックを備えている。
除材部品把持部142では昇降装置が真空チャックを下降して真空チャックの吸盤を電子部品120に接触させる。そして、吸盤と電子部品120との間を真空にすることにより真空チャックは電子部品120を把持する。その後、昇降装置が電子部品120を上昇させることにより除材Yステージ134及び除材Xステージ141が電子部品120をX方向及びY方向に移動することができる。
部品搬送支持部131の−X方向には基台112上に移動場所及び検査部としての検査用ソケット144が設置されている。検査用ソケット144は電子部品120を検査する場所である。検査用ソケット144には電子部品120の外形形状とほぼ同じ形状の凹部が形成され、この凹部に電子部品120が設置可能になっている。そして、凹部には電子部品120の端子と電気的に接触可能なプローブが設置されている。検査用ソケット144には4つの凹部が設置され、4つの電子部品120を同時に検査することができる。
検査用ソケット144のX方向には検査用ソケット144と部品搬送支持部131との間に一対のレール145が設置されている。レール145はY方向に延在して設置され、レール145上にはレール145に沿って移動する第1シャトルステージ146が設置されている。基台112には一対のレール145の間に直動機構が内蔵され、この直動機構が第1シャトルステージ146をY方向に往復移動させる。尚、レール145の間の直動機構にはトレイ移動ステージ124を駆動する直動機構と同様の機構を用いることができる。
第1シャトルステージ146のZ方向を向く面には電子部品120を設置するための凹部147が8個設置されている。このうち4個の凹部147は第1シャトルステージ146の−Y方向側に配置され、この凹部147を給材用凹部147aとする。残りの4個の凹部147は第1シャトルステージ146のY方向側に配置され、この凹部147を除材用凹部147bとする。除材用凹部147bが検査用ソケット144の隣りに位置するとき、基台112の平面視で給材用凹部147aは給材部品把持部138が移動可能な場所に位置する。同様に、給材用凹部147aが検査用ソケット144の隣りに位置するとき、基台112の平面視で除材用凹部147bは除材部品把持部142が移動可能な場所に位置する。
検査用ソケット144の−X方向には検査用ソケット144と基台112の端との間に一対のレール150が設置されている。レール150はY方向に延在して設置され、レール150上にはレール150に沿って移動する第2シャトルステージ151が設置されている。基台112には一対のレール150の間に直動機構が内蔵され、この直動機構が第2シャトルステージ151をY方向に往復移動させる。
第2シャトルステージ151のZ方向を向く面には電子部品120を設置するための凹部152が8個設置されている。このうち4個の凹部152は第2シャトルステージ151の−Y方向側に配置され、この凹部152を給材用凹部152aとする。残りの4個の凹部152は第2シャトルステージ151のY方向側に配置され、この凹部152を除材用凹部152bとする。除材用凹部152bが検査用ソケット144の隣りに位置するとき、基台112の平面視で給材用凹部152aは給材部品把持部138が移動可能な場所に位置する。同様に、給材用凹部152aが検査用ソケット144の隣りに位置するとき、基台112の平面視で除材用凹部152bは除材部品把持部142が移動可能な場所に位置する。
第1シャトルステージ146及び第2シャトルステージ151と対向する場所には部品押圧装置153が設置されている。部品押圧装置153は第1シャトルステージ146及び第2シャトルステージ151をまたいで設置された門型の押圧支持部154を備えている。押圧支持部154はX方向に長い形状であり、押圧支持部154のY方向側にはX方向に延在するレール155が設置されている。
レール155のY方向側にはレール155に沿って移動するステージとしてのXステージ156が設置されている。押圧支持部154の内部にはXステージ156を移動させる直動機構が設置されている。
Xステージ156のY方向側には保持部としての保持装置157が設置され、保持装置157は第1の実施形態における保持装置24と同様な構造となっている。保持装置157は4つの昇降装置及び単体保持装置29を備え、単体保持装置29は押圧部30、加熱部31、吸着部32及び検出部33を備えている。従って、保持装置157は4つの電子部品120を1度に保持することができる。
保持装置157では昇降装置が吸着部32を下降して吸着部32の吸盤45を電子部品120に接触させる。そして、吸盤45と電子部品120との間を真空にすることにより真空チャックは電子部品120を把持する。その後、昇降装置が電子部品120を上昇させた後、Xステージ156が電子部品120をX方向に移動する。
そして、部品押圧装置153は第1シャトルステージ146の給材用凹部147aから検査用ソケット144に電子部品120を移動する。そして、保持装置157の押圧部30は電子部品120を検査用ソケット144に押圧する。そして、検出部33が電子部品120の移動量を検出する。このとき、電子部品120の端子がプローブに押圧されるので、端子とプローブとは確実に電気的に接続される。この状態が維持され電子部品120の電特検査が行われる。そして、電子部品120の電特検査が終了した後、部品押圧装置153は電子部品120を第1シャトルステージ146の除材用凹部147bに移動する。同様の手順で、保持装置157は第2シャトルステージ151に載置された電子部品120を検査用ソケット144まで移動し、電子部品120を検査用ソケット144に押圧することにより電特検査を補助する。
第1シャトルステージ146、第2シャトルステージ151及び部品押圧装置153の搬送機構は所定の処置が施される位置へ搬送する。この所定の処置とは、電子部品120を検査用ソケット144に入れる為に電子部品120の向きを変えて電子部品120を検査用ソケット144に挿入し電子部品120に検査電流を入れて検査する等の処置である。搬送部111bは、主に、ICテストハンドラーに用いられるものであり、単純に、ICをベルトコンベアで搬送する装置ではない。
基台112の−X方向側には電特検査装置160が設置されている。電特検査装置160は検査用ソケット144に設置されたプローブと接続されている。そして、電特検査装置160は電子部品120と電気信号の交信を行い、電子部品120の電気特性の良否判定を行う装置である。基台112のX方向側には制御部161が設置されている。制御部161は部品検査装置111の動作を制御する装置である。制御部161には情報表示装置161a及び情報入力装置161bが搭載されている。情報表示装置161aは液晶表示装置等の表示装置であり、操作者に知らせる情報を表示する装置である。情報入力装置161bはキーボードやマウスパッド等の装置であり、操作者が制御部161に指示する内容を入力するための装置である。さらに、情報入力装置161bは外部機器と交信してデータを入力する機能を備えている。
制御部161は第1の実施形態の移動量演算部83、判定部84及び警報制御部85の機能を備えている。そして、押圧部30が電子部品120を検査用ソケット144に押圧し、検出部33及び移動量演算部83が電子部品120の移動量を検出する。そして、判定部84は電子部品120が重なった異常状態となっているか否かを判定する。異常状態のときには警報制御部85が警報出力部としての警告灯162を駆動して操作者に異常状態であることを知らせる。
基台112のX方向側且つY方向側の角には警告灯162が設置されている。警告灯162は検査用ソケット144に複数の電子部品120が重なって設置されたときに、点滅して操作者に注意を促す装置である。部品検査装置111はZ方向側にカバー163が設置されている。カバー163は光を透過する樹脂により形成され、カバー163を通して内部を観察可能になっている。そして、カバー163は部品検査装置111に塵や埃が侵入することを防止している。
検査用ソケット144はヒーターを備え、電子部品120を加熱することが可能となっている。これにより、電子部品120を所定の温度で検査することができる。そして、検査用ソケット144及び部品押圧装置153を囲んで仕切板165が設置されている。仕切板165が検査用ソケット144の周囲から熱が放散することを抑制する。これにより、電子部品120を加熱する熱が検査用ソケット144の周囲に留まるようになっている。検出部33は熱の影響を受け難い構造となっているので、品質良く電子部品120の移動量を検出することができる。
部品検査装置111のうち検査用ソケット144及び電特検査装置160が検査部111aを構成する。そして、部品検査装置111のうち電子部品120をトレイ119と検査用ソケット144との間で搬送する各ステージ及びコンベアが搬送部111bを構成する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、押圧部30が電子部品120を検査用ソケット144に押圧し、検出部33が電子部品120の移動量を検出する。これにより、判定部84は検査用ソケット144に残留した電子部品120に重ねて電子部品120を設置する異常状態となっているかを判定している。従って、電子部品120を撮影して撮影画像を用いて検査用ソケット144に電子部品120が残留しているか否かを判定するのが難しいときにも検査用ソケット144に電子部品120が残留しているか否かを判定できる。
(2)本実施形態によれば、部品検査装置111は第1コンベア113〜第6コンベア118を備え、多数の電子部品120を設置することができる。従って、電子部品120の給材と除材との準備作業を生産性良く行うことができる。
(3)本実施形態によれば、検査用ソケット144はヒーターを備え、電子部品120を加熱することが可能となっている。これにより、検出部33には熱が伝導する。そして、検出部33は熱の変動に鈍感な構造となっている。従って、検査用ソケット144が加熱されても検出部33は電子部品120の移動量を検出することができる。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、検出部33に発光ダイオード57とフォトトランジスター63とを用いて遮蔽板47に遮られない光の光量を検出した。検出部33は他の方法を用いて電子部品1の移動量を検出しても良い。例えば、コイルと磁性体との距離を検出する磁気センサーやひずみゲージを用いたプッシュゲージを用いてもよい。他にも、2枚の導電体の板の間に電圧をかけて静電容量を検出する静電センサーを用いても良い。他にも、発光部、反射部及び受光センサーとの距離を三角測量法にあてはめることにより発光部と反射部との距離を検出する光センサーを用いてもよい。装置の検出精度や装置の大きさを考慮して選択しても良い。
(変形例2)
前記第1の実施形態では、押圧部30に光センサー46が設置され、加熱部31に遮蔽板47が設置された。これに限らず、押圧部30に遮蔽板47が設置され、加熱部31に光センサー46が設置されても良い。設計し易い構造を選択しても良い。
(変形例3)
前記第1の実施形態では、押圧部30と吸着部32との間に加熱部31が設置された。単体保持装置29を加熱しなくても良いときには加熱部31を省いても良い。構造の要素を減らすことができるので、電子部品検査装置5を製造し易くすることができる。
(変形例4)
前記第1の実施形態では、検査用ソケット50に残された電子部品1を障害物とした。障害物は電子部品1に限らず検査用ソケット50に残された物を対象とすることができる。そして、電子部品1以外の障害物による不具合を排除することができる。
(変形例5)
前記第1の実施形態では、押圧部30は圧力室37と隔膜35とを組み合わせた構造にした。電子部品1を傾斜させる必要がない場合には、押圧部30はシリンダーにしても良い。入手し易い部品にて構成することができるので、電子部品検査装置5を製造し易くすることができる。
(変形例6)
前記第1の実施形態では、受光部駆動回路64が出力する電圧から移動量演算部83が電子部品1の移動量を演算した。これに限らず、受光部駆動回路64が出力する電圧を用いて直接異常状態の判断を行っても良い。電圧から移動量を変換する工程が削減されるので、判断する時間を短くすることができる。