JP2010005713A - パレタイズロボット用ハンドとこれを用いたパレタイズ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で軽量なハンド部のままで積載時の枠部乗り上げ等の異常状態を検知できるパレタイズロボット用ハンドを提供する。
【解決手段】ワーク1の上部を把持し、パレット2上の所定の枠内に移載するためのパレタイズロボット用ハンドであって、ワークの上部を把持する把持装置16と、把持装置を所定の距離内で上下動可能に吊り下げ、パレタイズロボットのハンド取付部10に取付けられた吊り下げフレーム20と、吊り下げフレームに対する把持装置の上下動及び傾動を検出する着地状態検出装置30とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、機器あるいは梱包物等のワークを把持し移動させ所定のガイド枠を有するパレットに載せるためのパレタイズロボット用ハンドとこれを用いたパレタイズ方法に関する。
ロボットを用いて位置ずれを防止するための枠あるいは凹部を有する搬送用のパレットにワークを正しく所定の位置に収める作業がある。この搬送用のパレットは搬送時の振動吸収、ワークを傷つけないなどの必要性から木材等で作成されることが多く、精度良く作成することが困難である。そのためこの作業においてパレットが正しい位置にセットされないことにより、あらかじめ設定された所定の位置にロボットがワークを移動させ開放しても枠部に乗り上げるなどの異常を生じ、正しく積載できない場合が生ずる。
この場合の処理として、ロボットがワークをそのまま開放する、あるいは異常を検知してエラーとしての警報を出すなどの処理がある。
特許文献1ではそのような事態に対処するため、ロボットハンドのワーク把持部の上方にそれぞれ独立して変位可能な複数の直動シリンダーを設置し、ワーク積載時の直動シリンダーの変位量等から積載異常を検知するシステムを実現している。
以下、図9により従来のロボットハンドを説明する。図において50はロボットのハンド取付部、51a〜51bは伸縮可能に設定した直動シリンダーでその変位量も検知可能となっているもの、53は移動、積載されるワークである。ワーク53は、乗る台または同様なワークとの積層時に位置決めするための嵌合凸部(インロー54)を有する。
図9のロボットハンドは、積載時において、直動シリンダー51a〜51bがそれぞれ独立に伸縮動作を行い、その変位量を検知することで嵌合部の乗り上げが発生しているかどうかを検出する。
特許第3769892号公報、「パレタイズハンド機構の位置補正方法」
上述した従来技術においては変位量を検知するために使用する複数の直動シリンダー機構は駆動部も含めると大掛かりなものとなり、把持部のスペース、重量が増加する。それに伴いハンド部が大型化し、さらにそれを駆動させるロボット機構そのものも大型化し、装置の制作費とともにその運転のためのエネルギーも増加し、大きな負担となっていた。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、小型で軽量なハンド部のままで積載時の枠部乗り上げ等の異常状態を検知でき、作動の停止頻度を減少しロバスト性を高めることができるパレタイズロボット用ハンドとこれを用いたパレタイズ方法を提供することにある。
本発明によれば、ワークの上部を把持し、パレット上の所定の枠内に移載するためのパレタイズロボット用ハンドであって、
ワークの上部を把持する把持装置と、
該把持装置を所定の距離内で上下動可能に吊り下げ、パレタイズロボットのハンド取付部に取付けられた吊り下げフレームと、
該吊り下げフレームに対する把持装置の上下動及び傾動を検出する着地状態検出装置とを備えた、ことを特徴とするパレタイズロボット用ハンドが提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記着地状態検出装置は、前記吊り下げフレームに設けられ、把持装置の複数の計測点の上下動をそれぞれ独立に検出する複数の変位センサを有する。
前記変位センサは、把持装置の各計測点の上下動をオンまたはオフの2値状態で検知する。
また、本発明によれば、ワークの上部を把持する把持装置と、該把持装置を所定の距離内で上下動可能に吊り下げパレタイズロボットのハンド取付部に取付けられた吊り下げフレームと、該吊り下げフレームに対する把持装置の上下動及び傾動を検出する着地状態検出装置とを備えたパレタイズロボット用ハンドを用い、
ワークの上部を把持し、パレット上の所定の枠内に移載し、吊り下げフレームに対する把持装置の上下動及び傾動を検出し、ワークの着地状態を判断する、ことを特徴とするパレタイズロボット用ハンドを用いたパレタイズ方法が提供される。
上述した本発明の装置および方法によれば、着地状態検出装置により、吊り下げフレームに対する把持装置の上下動及び傾動を検出できるので、大掛かりな装置を使わずにワークが枠、あるいは凹部を有するパレットの所定の位置に納まった状態か、ずれを生じて枠に乗り上げている、または凹部を外れて乗り上げている状態かの検知が可能となり、正規に積載が完了したか否かの判別が、非常に簡易で軽量な装置で実現できる。
また、位置ずれが生じてワークが傾いている場合、複数のセンサでワークの傾きの方向を検知でき、その結果ずれ方向も判別できる。従って、ずれ量をあらかじめ設定した量だけ修正してのリトライを自動的に行うことも可能となり、作動の停止頻度を減少しロバスト性を高めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は本発明の第1実施形態の主要部の横断面図である。図2は図1のA−A断面である。なお図2において、左右対称及び上下対称であることから、両図より容易に立体形状が理解できる。
図1において、本発明のパレタイズロボット用ハンドは、把持装置16、吊り下げフレーム20、および着地状態検出装置30を備える。
把持装置16は、ワーク1の上部を把持する。
吊り下げフレーム20は、図示しないパレタイズロボットのハンド取付部10に取付けられ、把持装置16を所定の距離内で上下動可能に吊り下げる。ハンド取付部10は、パレタイズロボットにより、上下、前後、および左右に移動可能に設定されている。
着地状態検出装置30は、吊り下げフレーム20に対する把持装置16の上下動及び傾動を検出するようになっている。
この例において、吊り下げフレーム20は、互いに連結された上側フレーム21と下側フレーム22からなる。
ハンド取付部10の下面には上側フレーム21が連結されている。この上側フレーム21は箱型の形状をなし、内部に後述するリミットセンサ33a〜33d等を保持し、保護している。
下側フレーム22は、上側フレーム21に図示しないボルト等で固着され後述する吊下部34aから34dの円柱部とゆるく嵌合する穴部22a〜22dを有する。
着地状態検出装置30は、吊り下げフレーム20に設けられ、把持装置16の複数(この例では4つ)の計測点の上下動をそれぞれ独立に検出する複数の変位センサを有する。複数の変位センサは、この例では把持装置16の4つの計測点の上下動をオンまたはオフの2値状態で検知するリミットセンサ33a〜33dである。
リミットセンサ33a〜33dは、上側フレーム21の所定の位置に固定され、L字形状でその構成は発光素子と光電センサからなりL字の内部に物体が入り込むとその光路を遮断しオンからオフに切り替わる構成となっている。
なお、この例では計測点の上昇時にオフ(OFF)、下降時にオン(ON)であるが、本発明はこれに限定されず、逆に作動させてもよい。
吊下部34a〜34dは、上部に四角形状の張り出し部を有する円柱で、下側フレーム22の穴部22a〜22dのそれぞれに対応する位置に入り込み、通常は張り出し部が下側フレーム22と接触している。
バネ15は、下側フレーム22と把持装置16の間に作用する圧縮バネであり、通常は吊下部34a〜34dの上部四角形上部の下端と吊り下げフレーム22の上面とが接触するように作用し、図示しないロボットアームが下降し後述するワーク1がパレット2に当接したときに縮んでフレーム吊り下げ部と把持装置16が相対的に移動することを許容するように設定している。
把持装置16は、吊下部34a〜34dにねじ等で固定され吊り下げられている。把持装置16は、この例では電磁石を内蔵し、図示しない制御装置から同じく図示しないケーブルを通して通電することにより磁性体のワークを吸着し、搬送が終わったところで通電を解除することでワークを開放する構成になっている。
ワーク1は、この例では磁性体よりなる被搬送物であり、例えば機械装置、工作物あるいは内部に物を収納した箱などである。
パレット2は、ワーク1を遠方への輸送などに使用する台であり、輸送中の荷崩れなどを防止するため位置決め用の枠部2aあるいは凹部2bを有している。
図1は、把持装置16にワーク1が吸着された状態で搬送パレット2の真上に位置決めされた状態を示す。なお、図1ではリミットセンサ33c〜33d、吊下部34c〜34dは表現されていないが、図1のA−A断面である図2を参照すれば本実施例の全体構成が理解できる。
次に本発明の実際の動作フローを図に沿って説明する。
図3は、本発明の動作を説明するフロー図である。
この図において、最初にステップ100で図示しないロボットアームを移動させ、所定の位置に置いてあるワーク1を把持装置16で把持してワークを所定のパレットの上方に移動させる。所定に位置に到達したならばステップ101に移行しワーク1を下降させる。
それと同時にステップ102に移行し、ステップ101と常にループしながら動作する。すなわち、ワークを下降させながら、リミットセンサ33a〜33dの出力を監視し、センサがオンからオフに変わる地点を検出する。リミットセンサ33a〜33dのいずれかがオンからオフに変わった時点でステップ103に移行する。
ステップ103では、さらにワークをパレット2とワーク1の底面との平行度などのアライメント誤差があらかじめ設定して閾値を超えない範囲で下降させ停止させる。次にステップ104に移行し全てのリミットセンサ33a〜33dの出力を検出する。
次にステップ105において全てのリミットセンサ33a〜33dの出力がオフとなっているかどうかを判定し、全てがオフであればステップ106へそうでない場合にはステップ107へと移行する。
ステップ106では正常に積み込みが完了したとして把持装置16の通電を遮断しワーク1を開放して終了動作へ移行する。
ステップ107ではワーク1を把持したまま図示しないロボットアームを上昇させ、ステップ108へ移行する。ステップ108では図示しない制御装置で修正方向をステップ104で得られたリミットセンサ33a〜33dの出力から判定し、あらかじめ設定した修正量だけワークを水平方向に移動させステップ101に移行し、再度同様な動作で繰り返す。
次に、本発明の重要なポイントであるワーク1がパレット2上に下降した状態すなわちステップ103からステップ105に対応する状態を図によって説明する。
図4は、第1実施形態の積載時にずれを生じた場合の説明図である。この図は、図示しないアームの動作によりパレット2上にワーク1を降ろした状態であるが、パレット2とワーク1に位置のずれが生じてワーク1がパレット2の枠部2aに乗り上げた状態を示している。
この図でワーク1の右側がパレット2の枠部2aに乗り上げ傾いている。そのため把持装置16も同様に傾き吊下部34bが下側フレーム22の上端より持ち上がり支持フレーム上側21に固着したリミットセンサ33bの光路を遮り、リミットセンサ33bはオンからオフに変化する。
このとき吊下部34aは傾くのみで下側フレーム22との位置関係は変わらず、したがってリミットセンサ33aはオンのままとなっている。この状態で片側のリミットセンサ33aがオンのままでもう一方のリミットセンサ33bがオフになったことから傾きを検知し、図示しない制御装置が積載異常と判断する。
なお、それ以降の動作については警告を出して停止する、あるいは傾き方向がわかっているのでその反対方向に所定量移動させてリトライするなどの処理が考えられる。
図5は図4と同様であるが、図示しないアームの動作によりパレット上に正しくワーク1がパレット2に積載を完了した状態を示している。
ハンド取付部10が図示しないロボットアームで下降され、ワーク1がパレット2上に正しく着地し、ワーク1、把持装置16及び吊下部34が動きを止めてからもハンド取付部10と一体となった下側フレーム22は下降を続け、吊下部34と相対的に傾かずに移動する。
その結果、吊下部34の上部の四角形状部がリミットセンサ33a〜33dまでの光路をほぼ同時に遮り、リミットセンサ33a〜33dまでがオンからオフに変化する。
この状態で図示しない制御装置は積載完了と判断し、把持装置16への通電を遮断しワーク1を開放した後、図示しないアームを上昇させる。
図6は本発明の第2実施形態図であり、第1実施形態で用いたリミットセンサ33a〜33dの代わりに感圧センサ39a〜39dを使用した例である。
図7は図6のA−A断面を示す図である。他の部分は図1、図2と共通であるので説明は省略する。
図6、図7において、感圧センサ39a〜39dは、下側フレーム22の上面に固着され、吊下部34a〜34dの上部四角形部がその上面に当接している。通常ワークを吊り下げている状態ではワーク1、把持装置16、吊下部34a〜34dまでの重量とバネ15の圧縮反力を4個の感圧センサ39a〜39dで分散して受けている。この状態で各感圧センサ39a〜39dはオンとなっている。
ワーク1が下降しパレット2に当接すると吊下部34a〜dのいずれかの加圧力が無くなりオンからオフに変化する。図1と異なる点は、一般的に感圧センサは、リミットセンサよりもセンサがオンからオフに変わるのに吊下部34a〜dと吊り下げフレーム22との相対移動が少なくて済むことがある。したがって、上側フレーム21と吊下部34a〜34dの上部とのクリアランスが少なくでき、より小型にできる。
図8は本発明の第3実施形態図であり、(A)は把持状態、(B)は正常着地状態、(C)は乗り上げ着地状態(傾き小)、(D)はは乗り上げ着地状態(傾き大)をそれぞれ示している。
この例では、リミットセンサ33c〜33d(図では33a,33bのみを示す)は、それぞれ上下方向に複数(図では3つづつ)が直列に配置されている。この場合、リミットセンサ33c〜33dは、好ましくは磁気、光などの非接触型であるのがよい。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
図8(A)の把持状態では、リミットセンサ33c〜33dは全てOFF状態にある。
図8(B)の正常着地状態では、リミットセンサ33c〜33dは同時にON状態となる。
図8(C)の乗り上げ着地状態(傾き小)では、下部のセンサ(図でリミットセンサ33bの一番下のセンサ)のみが反応し、傾き角の大きさ(傾き小)を検出できる。
図8(D)の乗り上げ着地状態(傾き大)では、上部のセンサ(図でリミットセンサ33bの一番上のセンサ)まで反応し、傾き角の大きさ(傾き大)を検出できる。
従って、この実施形態により、傾き角の大きさを検出することができる。
以上本発明の具体的実施形態を3つ示したが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。たとえば着地を検知するセンサは磁気を検知するものでも良いし、物理的に動作する接触式のセンサでも良いことは言うまでも無い。
本発明の第1実施形態の主要部の横断面図である。 図1のA−A断面である。 本発明の実施例の動作フローを説明する図である。 第1実施形態の積載時にずれを生じた場合の説明図である。 第1実施形態の積載時に位置ずれなく積載を完了した場合の説明図である。 本発明の第2実施形態の主要部の横断面図である。 図6のA−A断面を示す図である。 本発明の第3実施形態の主要部の横断面図である。 従来のロボット用ハンドの側面図である。
符号の説明
1 ワーク、 2 パレット、
10 ハンド取付部、15 バネ、
16 把持装置、
20 吊り下げフレーム、
21 上側フレーム22 下側フレーム、
30 着地状態検出装置、
33a〜33d リミットセンサ、
34a〜34d 吊下部
39a〜39d 感圧センサ

Claims (4)

  1. ワークの上部を把持し、パレット上の所定の枠内に移載するためのパレタイズロボット用ハンドであって、
    ワークの上部を把持する把持装置と、
    該把持装置を所定の距離内で上下動可能に吊り下げ、パレタイズロボットのハンド取付部に取付けられた吊り下げフレームと、
    該吊り下げフレームに対する把持装置の上下動及び傾動を検出する着地状態検出装置とを備えた、ことを特徴とするパレタイズロボット用ハンド。
  2. 前記着地状態検出装置は、前記吊り下げフレームに設けられ、把持装置の複数の計測点の上下動をそれぞれ独立に検出する複数の変位センサを有する、ことを特徴とする請求項1に記載のパレタイズロボット用ハンド。
  3. 前記変位センサは、把持装置の各計測点の上下動をオンまたはオフの2値状態で検知する、ことを特徴とする請求項2に記載のパレタイズロボット用ハンド。
  4. ワークの上部を把持する把持装置と、該把持装置を所定の距離内で上下動可能に吊り下げパレタイズロボットのハンド取付部に取付けられた吊り下げフレームと、該吊り下げフレームに対する把持装置の上下動及び傾動を検出する着地状態検出装置とを備えたパレタイズロボット用ハンドを用い、
    ワークの上部を把持し、パレット上の所定の枠内に移載し、吊り下げフレームに対する把持装置の上下動及び傾動を検出し、ワークの着地状態を判断する、ことを特徴とするパレタイズロボット用ハンドを用いたパレタイズ方法。
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