JPH0985668A - フローティング機構 - Google Patents

フローティング機構

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JPH0985668A
JPH0985668A JP25094095A JP25094095A JPH0985668A JP H0985668 A JPH0985668 A JP H0985668A JP 25094095 A JP25094095 A JP 25094095A JP 25094095 A JP25094095 A JP 25094095A JP H0985668 A JPH0985668 A JP H0985668A
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JP
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floating
work
disk
fluid pressure
machine
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JP25094095A
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English (en)
Inventor
Kazuhisa Otsuka
和久 大塚
Hisaaki Honma
久昭 本間
Masaru Oda
小田  勝
Kazuaki Shinozuka
一亮 篠塚
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 三次元空間内の多方向への遊動機能を有し、
かつコンパクトで低価格に構成されたフローティング機
構を得ること。 【解決手段】 ベース部30の上下に機械の主部70と
作業部10とに結合されるフランジ部22、24を有
し、ベース部30の遊動室30a内部に転動体42によ
って平面に沿って多方向に遊動自在に支持した遊動ディ
スク40を設け、この遊動ディスク40を複数の方向か
ら引っ張る引張弾性手段48、41を設けて遊動ディス
ク40の遊動により作業部10の遂行する作業の全ての
方向の作業誤差を吸収できる構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械の主部と同主
部に結合されてワーク等に対して所定の作業を遂行する
機械の作業部との間に介挿されて該作業部に対して三次
元空間内の遊動自由度を付与し、同作業部が遂行する据
え付け作業、位置決め作業等における位置ずれやワーク
把持作業時におけるワーク側の寸法誤差による把持誤差
(以下、これらを作業誤差と言う)を吸収することによ
り適正な作業遂行を可能にするためのフローティング機
構に関し、例えば産業用ロボットの機体における手首を
主部とし、この手首に着脱自在に取付けられるロボット
ハンド等のエンドエフェクタを作業部として両者の間に
介挿されることにより、ハンド作業における作業誤差を
吸収するために用いることができるフローティング機構
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりフローティング機構は、自動機
械の作業端部や産業用ロボットのロボット機体における
手首とハンドとの間に介挿されて作業端部やロボットハ
ンドがワークに対して遂行する種々の作業における作業
誤差を吸収するために多用されている。例えば、ロボッ
ト機体の可動部を構成するロボット旋回胴、ロボットア
ーム、ロボット手首、ロボットハンド等が所定のプログ
ラムの教示に従ってワークを搬送して所望の位置に位置
決めしたり、1つのワーク部品を他のワーク部品に据え
付けたり、ワークを工作機械のチャック装置に装着し、
また取り外しする等の種々のロボット作業を無人遂行す
る際に、手首とハンドとの間に介挿されたフローティン
グ機構は、据え付け誤差、位置決め誤差、ワーク自体の
寸法誤差に基づくワーク掴み誤差等の種々の作業誤差を
吸収し、正しいワークを位置決め作業、所定の据え付け
作業、正しいワークの把持等を遂行し得るようにしてい
ることは周知である。
【0003】このような従来から用いられているフロー
ティング機構は、自動機械等の機械の主部に結合される
第1の結合部材と機械の作業部に結合される第2の結合
部材との間に直交二軸方向に動作自由度を供するリニア
ガイド装置(直線案内装置)又は一平面内における第
1、第2の結合部材間の相対的な回転自由度を供する転
動ベアリング装置を介在させるか或いは上記のリニアガ
イド装置、ベアリング装置の組み合わせ装置を介在さ
せ、第2結合部材を作業部に結合してワークに対して機
械から所望の作業を遂行するとき、種々の作業誤差を吸
収するようにした構成を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来のフ
ローティング機構は、リニアガイド装置又はベアリング
装置の単体により形成し、機械の主部と作業部との間に
介挿する場合、或いは両者を上下に組合わせた組合体に
より形成したフローティング機構を機械の主部と作業部
との間に介挿する場合にも前者では、一平面内での平行
遊動、或いは回転遊動を許容するのみであり、十分に作
業誤差を吸収できない欠点がある。他方、後者では、両
機構の組み合わせ遊動を許容することにより、作業誤差
の吸収性能は改善するものの、機械主部と作業部との間
に大型かつ大重量のフローティング機構が介在すること
により、狭小な作業領域では使用が困難になる等の機械
の作動上で制限を生ずると言う不利があり、更に、機械
要素の多数、用いられることからフローティング機構自
体がコスト高になる不利がある。
【0005】加えて、リニアガイド装置やベアリング装
置に求心用バネを有する機構では、機械主部と作業部と
の間に介挿させて遊動作用を遂行させる際に、調整作業
が多岐に渡り、従って調整に多大の作業時間を費やす不
利がある。また、遊動時のフローティング力の調整や位
置調整に工具を用いる必要があるために、自動的にフロ
ーティング力を所望に応じて調整する等が不可能である
と言う欠点も有している。
【0006】加えて従来のフローティング機構では、例
えば機械の主部と作業部とが相対的に傾斜するような遊
動作用を遂行することが不可能であり、フローティング
機能上で平面内での直交二軸方向の遊動や縦軸回りの回
転のみに制限される。故に、機能的に制限があり、より
有効なフローティング機構の開発、提供が要請されてい
る。
【0007】依って本発明の主目的は、従来のフローテ
ィング機構を改善し、三次元空間内における遊動自由度
を向上させ得る新規なフローティング機構を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、比較的少数の構造部品
によって構成され、かつ機械の主部に対する作業部の遊
動自由度を三次元空間における多方向に確保し、従って
低コストでありながら、作業誤差の吸収性能を向上させ
ることが可能なフローティング機構を提供せんとするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的に
鑑みて、機械の主部と該主部に結合されてワーク等に対
して所定の作業を遂行する機械の作業部との間に介挿さ
れ、該作業部に対して三次元空間内の遊動自由度を付与
するフローティング機構において、前記機械の主部に結
合する結合機枠を備えた筐体構造のベース部と、前記ベ
ース部の上下支持板間に複数の転動体を介して挟持され
る遊動ディスクと該遊動ディスクに一体遊動可能に配設
されると共に前記機械の作業部に結合される取付けフラ
ンジ部とを備えて形成されたフローティング部と、前記
筐体構造のベース部の内周域に対して前記フローティン
グ部の遊動ディスクを該ベース部の略中心部に保持する
ように少なくとも三方向から該遊動ディスクに引っ張る
ように設けられる引張弾性手段とを少なくとも具備して
構成されフローティング機構を提供するものである。こ
のような転動体および引張弾性手段を備えたフローティ
ング機構は、機械主部に対して作業部を1つの平面内に
おける他方向の直線変位や回転変位に加えて平面からの
傾き遊動をも含む三次元空間内で多数の自由度による遊
動変位を許容し、従ってロボットハンド等の機械作業部
が遂行する作業における作業誤差の吸収性能を従来に比
較的して格段に向上させることができるのである。
【0009】なお、好ましくは、上述のフローティング
機構における引張弾性手段は、上記ベース部の内周域の
離間した三位置に各一端を枢着し、上記フローティング
部の遊動ディスクの周辺三位置に各他端が枢着された少
なくとも3つの流体圧シリンダと、該3つの流体圧シリ
ンダから前記フローティング部の遊動ディスクに作用す
る引張力を各個別に増減調節する流体圧調節手段とを具
備して構成する。
【0010】このような構成とすれば、フローティング
部の遊動ディスクに作用する引張弾性手段の弾性力を自
動的に外部指令信号の印加によって調節し、機械主部に
対する作業部のフローティング作用(遊動作用)を所定
のワーク作業に対して最適化することが可能となる。な
お、上記のベース部の内周域の三位置は相互に等間隔に
配設されることが好ましく、また遊動ディスクの三位置
も対応して等間隔に離間した位置に選定されることが好
ましい。
【0011】また、本発明によれば、上記フローティン
グ部の遊動ディスクを、上記ベース部に対して所定の中
心位置に機械的に強制位置決めするセンタリング手段を
更に具備した構成とし、機械の主部、作業部を一位置か
ら他の位置へ移動する過程等では、遊動ディスクをセン
タリングして該主部と作業部との間を暫時的に拘束し得
るようにすることが好ましい。
【0012】更に、上記フローティング部の遊動ディス
クと当接、離反自在に設けられ、当接時に該遊動ディス
クの遊動を阻止するロック手段を上記のベース部に設け
て遊動ディスクを任意の姿勢のまま一時的に拘束するこ
とを可能にすることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す好
ましい実施形態に従って更に詳細に説明するが、同添付
図面において、図1は本発明に係るフローティング機構
をロボット機体のハンドの前段に配設した例を示す正面
図、図2は、同図1の2−2矢視方向から見た平面図、
図3は、図1に示したフローティング機構の構成を詳示
した断面図、図4は、図3の4−4線による平面図、図
5は、同フローティング機構を産業用ロボットのロボッ
ト機体における吸着作用ハンドと手首との間に介挿、配
設して具備した状態を示すロボット機体の外観斜視図、
図6は、流体圧シリンダを用いて引張弾性手段、センタ
リング手段、ロック手段を構成した場合の流体回路図、
図7は他の実施形態を示す図4と同様の平面図である。
【0014】先ず、図1および図2を参照すると、本発
明に実施形態に係るフローティング機構20がロボット
機体におけるエンドエフェクタを形成するロボットハン
ド10の前段に設けられる場合の構成を示している。こ
の場合のロボットハンド10は上部にフローティング機
構20に結合されるフランジ構造部12を有し、このフ
ランジ構造部12の下方にハンドベース板14を有し、
該ハンドベース板14に吸着盤16が枢動ブラケット1
5を介して多数、各独立に保持されることにより、ワー
ク等を吸着作用により把持することが可能な吸着ハンド
を形成しているものである。
【0015】このような吸着ハンドとして形成されたロ
ボットハンド10が図示されていないロボット手首の先
端にフローティング機構20を介して結合され、ロボッ
ト機体のプログラム動作に応じて例えば、ワーク(図示
なし)を把持して一位置から他の位置へ搬送して該他の
位置にワークを荷下ろしする等の作業を遂行するときに
は、ワークを吸着盤16を介して吸着、把持する。そし
て、この場合には、ワークの表面に段差面が有る場合、
或いはワーク表面が傾斜状態に成っている等の諸条件応
じて複数の吸着盤16が種々、異なる姿勢をとることに
より、ワーク表面の状態に追従し、適正な吸着作用を発
揮する必要がある。その場合には、フローティング機構
20が有効に機能して吸着ハンドから成るロボットハン
ド10がフローティング機構20と共に姿勢を遊動変位
させて夫々の吸着盤16をワークの表面に適正に吸着さ
せるように作用するのである。
【0016】さて、フローティング機構20は、ロボッ
ト手首(図1、2に図示なし)に結合される機枠構造の
フランジ部22を上方に具備し、またロボットハンド1
0のフランジ結合部12との結合部を形成する取付けフ
ランジ部24を下方に突出させたベース部30を具備
し、このベース部30の内部に遊動機構を形成する後述
の遊動ディスク、引張弾性手段、センタリング手段、ロ
ック手段等が配設されており、図1のベース部30にお
けるフランジ部22の下方にはこれらのセンタリング手
段とロック手段のアクチュエータを形成するシリンダ5
2、62が立設されている様子が示されている。
【0017】ここで、図3、図4を参照すると、フロー
ティング機構20のベース部30は上記の機枠構造のフ
ランジ部22を上面に取り付けた支持ベース板32と、
この支持ベース板32の下方に設けられた、例えば円筒
形状を有する周壁34と、この周壁34の下方の開口を
閉鎖するように取付られた、中心部に開口36を有した
蓋状支持板38とを具備して構成され、ベース部30の
内部には図4に明示されるように、遊動室30aが形成
されている。
【0018】さて、遊動室30aの内部の略中央位置に
は円板形状をした適宜の厚みを有する遊動ディスク40
が設けられ、この遊動ディスク40は既述の取付けフラ
ンジ部24と結合棒24aを介して一体に形成されてい
る。遊動ディスク40は、上下面40a、40bを有
し、これらの上下面40a、40bを有した遊動ディス
ク40がベース部30の支持ベース板32と蓋状支持板
38とに適宜のリテイナー手段(保持手段)を介して転
動自在に保持されている鋼球によって形成された複数の
転動体42の間に挟持されており、これによって同遊動
ディスク40は1つの平面内の座標系で多方向に自由に
遊動可能に保持されている。
【0019】他方、ベース部30の上下支持板32、3
8の間に形成された遊動室30a内には上記の周壁34
の内面に取着された保持ブラケット47aに一端48a
が枢着、支持され、他端48bが遊動ディスク40の外
周40cの一点に保持ブラケット47bを介して枢着、
支持された流体圧シリンダ48が設けられ、本実施形態
では略等間隔(120°間隔)に3つの流体圧シリンダ
48が設けられた構成を有している。
【0020】これらの流体圧シリンダ48はベース部3
0の周壁からそれぞれシリンダ軸線に沿った3方向に遊
動ディスク40を引き寄せる引張力を付与する引張弾性
手段として設けられ、一般的には、一つの平面内におい
て1点で交叉する3方向に沿って遊動ディスク40に引
張力を付与している。また、これらの流体圧シリンダ4
8は、内部に圧力流体の供給を受けることにより弾性的
に遊動ディスク40を上記シリンダ軸線方向に引き寄せ
る構造を具備しており、後述のように、内部への供給流
体の圧力値を加減調節することにより引張力を加減調節
することも可能に形成されている。
【0021】このように遊動ディスク40は、既述のご
とく複数の転動体42によって平面内を遊動自在に挟持
された状態に設けられ、かつ同時に3つの方向から引張
弾性力を受けた状態に保持されている。従って、遊動デ
ィスク40は、一つの平面内における遊動が可能である
と共に同平面に対して上下遊動、傾き遊動も可能であ
り、更に、流体圧シリンダ48の枢着構造に基づいて同
遊動ディスク40の中心に立てた軸線回りに一定量の遊
動回転も許容される構成される。つまり、遊動ディスク
40は、三次元空間内で引張弾性手段を形成する3つの
流体圧シリンダ48の弾性作用によって許容される動作
範囲内で、ベース部30の遊動室30a内において最初
に設定された初期姿勢位置または後述するセンタリング
位置を中心にして回動も可能で、結局は全ての方向に遊
動可能な多方向動作自由度を備え、従って遊動ディスク
40と一体に遊動する取付けフランジ部24を介してロ
ボットハンド10等の機械の作業部に対し、ワークを作
業対象にした位置決め作業、据え付け作業、ワーク把
持、搬送作業、および工作機械のチャック装置に対する
ワークの着脱作業等の各種の作業時に必要、十分な作業
誤差吸収機能を付与することができるのである。
【0022】なお、図3に明示するように、遊動ディス
ク40は、その片面、例えば上面40aの適宜箇所に凹
所40dが予め形成されており、この凹所40dにセン
タリング手段のアクチュエータを形成する流体圧シリン
ダ52によって突出、後退作動される位置決めピン52
aを係合、離脱せしめ、以て遊動ディスク40をセンタ
リング位置又は初期設定位置に一時的に拘束することが
可能に形成されている。勿論、流体圧シリンダ52は、
外部の圧力流体供給源からの圧力流体の供給を制御する
ことにより、適宜に位置決めピン52aを遊動ディスク
40の凹所40dに係合、離脱させることができる。つ
まり、上記の流体圧シリンダ52、遊動ディスク40の
上面に形成された凹所40d、位置決めピン52a等に
よってセンタリング手段が形成されているのである。勿
論、センタリング手段は遊動ディスク40の下面40b
側や周面40cを利用して初期設定姿勢位置に一時的に
拘束する構成とすることも可能であることは容易に理解
できよう。
【0023】他方、遊動ディスク40は、その上下面4
0a、40bの一方の面、図示例では上面40aにロッ
ク棒62aを流体圧シリンダ62から成るアクチュエー
タによって当接または離反せしめ得る構成として設ける
ことにより、遊動ディスク40を一時的にロックするこ
とも可能に設けられている。即ち、このように遊動ディ
スク40を介して取付けフランジ24をロックすること
により該取付けフランジ24を介して遊動ディスク40
と結合された機械の作業部、例えばロボットハンド10
を一定姿勢状態に保持させることができるのである。こ
のように一定姿勢状態に保持させ得ることが可能である
ことから、吸着ハンド構造のロボットハンド10がワー
クを吸着盤16(図1参照)で吸着、把持した際に把持
姿勢をそのままロック(保持状態にする)することが可
能となり、把持したワークを搬送する場合等に効果的に
用いることができる。
【0024】なお、ロック棒62a、アクチュエータを
成す流体圧シリンダ62等によって構成されるロック手
段において、ロック棒62aの下端面は遊動ディスク4
0の上面40aに密着可能な面形状を有することが望ま
しく、従ってロック棒62aの下端面が平坦面に形成さ
れるときは、遊動ディスク40が水平姿勢状態に復帰さ
れたときに、ディスク上面40aの平坦な表面に該下端
面が当接して、密着するような構成にすれば良い。
【0025】ここで、図5を参照すると、上述したフロ
ーティング機構20を産業用多関節型ロボットのロボッ
ト機体における手首70と吸着ハンドとして形成された
ロボットハンド10との間に介挿し、同ロボットハンド
10によってワーク(図示なし)を吸着把持して例え
ば、一位置から他位置へ搬送して所定の姿勢に積み上げ
る等の作業を遂行する場合の構成が示されている。
【0026】この図5の構成において、産業用多関節ロ
ボット100はロボット制御装置90とロボット機体8
0とにより構成され、後者の多関節型ロボット機体80
の動作がロボット制御装置90に教示、格納された制御
プログラムに従って遂行される。多関節型ロボット機体
80は上述した手首70の後方に垂直面内で関節軸回り
に旋回動作する第1、第2のロボットアーム72、74
を備え、第1ロボットアーム72はロボット胴84の上
端に水平軸心回りに旋回可能に枢着された構造を有して
いる。また、ロボット胴84は、ベース部82に対して
垂直軸線回りに旋回可能に設けられている。なお、ロボ
ット手首70の先端に介挿されるフローティング機構2
0やロボットハンド10に具備された種々の流体アクチ
ュエータ手段等はロボット機体80の周囲又は機体内部
を通して圧力流体等の作動媒体が適宜の供給管を介して
供給されるように構成され、また種々の制御弁等はロボ
ット制御装置90からの制御信号ラインを経て作動制御
される構成がとられることは多関節型産業用ロボットに
おける周知の構成と同様である。
【0027】上述した産業用多関節型ロボット100の
ロボットハンド10がワークの吸着把持と搬送を行う過
程では、吸着ハンド型のロボットハンド10の吸着盤1
6が例えば、外表面に段差形状を有したワークを吸着把
持するとき、ロボット機体側のロボット胴84、第1、
第2のロボットアーム72、74およびロボット手首7
0等の関節動作に従ってロボットハンド10をワーク表
面に押圧すると、フローティング機構20の遊動機能を
利用してロボットハンド10はワークの表面形状に追従
して吸着盤16をワーク表面に押付け、同ワークを吸
着、把持することが可能であり、同時にワークの形状誤
差をフローティング機構20において吸収することによ
り、正確にワーク把持を遂行することができるのであ
る。
【0028】なお、上述のワークの形状誤差を吸収する
ばかりでなく、ワークを搬送した位置で、例えば、所定
の容器内に収納するとき、容器開口を介してワークを荷
下ろしする際の開口位置に対するワークの降下位置ずれ
等もフローティング機構20の遊動ディスク40が遊動
作用を行って吸収し、適正に容器内部にワークを荷下ろ
しすることができるのである。
【0029】なお、ワークの荷下ろし後にロボットハン
ド10が初期位置に帰還する際にはフローティング機構
20におけるロック手段の流体圧シリンダ62でロック
棒62aを突出、当接させて遊動ディスク40をロック
すれば、フラ付きのない状態でロボットハンド10を初
期位置に向けて移送することができる。更に、初期位置
に帰還した際に、フローティング機構20のセンタリン
グ手段における流体圧シリンダ52を作動させて位置決
めピン52aを遊動ディスク40に当接させることによ
り、該遊動ディスク40をセンタリングすれば、次のワ
ークを吸着、把持する際の初期姿勢を一定の姿勢に安定
的に設定することが可能となり、作業の正確な進行を保
証することが可能となる。
【0030】上述の説明は、本発明の実施形態に係るフ
ローティング機構20の作業誤差吸収機能の幾つかのみ
を説明したもので、その他、例えば、第1のワークをロ
ボットハンド10で把持して第2のワークの孔部に組み
入れる等の据え付け作業に当たっては、第1のワークと
第2のワークとの据え付け時の位置ずれ(作業誤差)を
フローティング機構20の遊動ディスク40が弾性的に
遊動することにより、第1のワークを第2のワークの孔
部に円滑に組み入れることが可能となる。
【0031】ここで、図6を参照して引張弾性手段を形
成する3つの流体圧シリンダ48、センタリング手段の
アクチュエータを形成する流体圧シリンダ52、ロック
手段のアクチュエータを形成する流体圧シリンダ62の
具体的な流体作動システムに就いて以下に詳述する。図
6において、フローティング機構20の引張弾性手段を
構成する3つの流体圧シリンダ48は夫々、対応配設さ
れた3つの電気式圧力制御弁101を介して同一の流体
圧供給ライン102に接続されており、上記3つの電気
式圧力制御弁101は各々が独立にロボット制御装置9
0(図5参照)から入力されるフローティング圧力信号
(フローティング1圧力信号〜フローティング3圧力信
号)に応じて流体圧シリンダ48に対する供給流体圧を
制御し、その結果、3つの流体圧シリンダ48が遊動デ
ィスク40に付与する引張力を制御し得る構成となって
いる。
【0032】なお、各流体圧シリンダ48の帰還流体圧
は圧力流体の帰還ライン103に連通している。この場
合に、ロボット制御装置90から各流体圧シリンダ48
に印加されるフローティング圧力信号値に従って電気式
圧力制御弁101は比例的に流体圧力を加減調節するこ
とが可能であり、従って、遊動ディスク40に付与され
る引張張力を加減調節することによって同遊動ディスク
40をベース部30の遊動室30a内部で適宜に位置調
節を行うことが可能となる。依って、所要に応じてフロ
ーティング機構20に結合されたロボットハンド10の
精密な位置調整等を遂行することも可能となる。
【0033】又、3つの流体圧シリンダ48による引張
力を共通的に増減すれば、遊動ディスク40に付与する
弾性引張張力を増減させ、該遊動ディスク40の遊動作
用上の剛性をロボットハンドが遂行する作業種に従って
増減調節することもできる。例えば、軟質のワークに対
する処理作業においては、遊動作用上の剛性を低減させ
るように調節することも可能であり、逆に、硬質金属ワ
ーク等の処理作業では遊動作用上の剛性を増強調節する
ことも可能となるのである。
【0034】この際に、流体圧シリンダ48の作動桿の
突出量を検出するリミットスイッチ等の適宜の検出手段
を設けておけば、流体圧シリンダ48のオーバーストロ
ークを検出してロボット制御装置90に検出値をフィー
ドバックし、流体圧シリンダ48の過剰なストローク動
作を抑止する安全手段を構成するようにしても良い。他
方、センタリング手段の流体圧シリンダ52およびロッ
ク手段の流体圧シリンダ62は周知のソレノイド弁10
5、106を介して流体圧供給ライン102と流体圧帰
還ライン104に結合されており、ロボット制御装置9
0から入力されるセンタリング信号に従ってソレノイド
弁105を切替えて流体圧シリンダ52に対する圧力流
体の供給、排出を制御する構成を有している。もちろ
ん、同流体圧シリンダ52に流体圧が供給されると位置
決めピン52a(図3参照)が遊動ディスク40の凹所
40dに係入してセンタリング作用(位置決め作用)を
行う。逆に流体圧を排出することにより、センタリング
解除を行うことができる。
【0035】同様に、ロック手段の流体圧シリンダ62
は、ソレノイド弁106がロボット制御装置90からの
フローティング(遊動)ロック信号の印加に従って切替
え動作することにより、ロック作用及びロック解除を行
う構成を有し、ロック作用時にはロック棒62a(図3
参照)が遊動ディスク40の上面40aに当接してロッ
クを施すのである。
【0036】以上の説明から明らかなように、本発明に
よるフローティング機構を産業用ロボットのロボット機
体や種々の自動機等の機械における主部(手首部等)と
作業部(ロボットハンド等)との間に介挿すれば、三次
元空間における全ての方向に同フローティング機構の遊
動ディスクが遊動可能であり、故に、作業部が所定の作
業を遂行する過程で作業誤差を効果的に吸収することが
できるのである。
【0037】図7は、上述した実施形態を簡単化して遊
動ディスク40を3つの流体圧シリンダ48により引張
る構成に代えて3つの均等なバネ手段41、例えば、3
つのコイルばねにより引っ張る構成とした場合を図示し
ている。このようなバネ手段41を用いた構成によれ
ば、ロボットハンド10等の機械の作業部が常に一定の
作業を遂行し、所定の作業誤差だけを吸収すれば良い等
の簡単な構成が要請されるときには、引張力の調整機能
は不要となり、安価に効果的なフローティング機構を構
成することができる。もちろん、遊動ディスク40は上
下に配設された複数の転動体42で挟持される構成は、
上述した実施形態と同じであることから、三次元空間内
における全ての方向に遊動して作業誤差の吸収を遂行し
得ることは同様であることが理解できよう。
【0038】
【発明の効果】以上、本発明によれば、機械の主部と作
業部との間に介挿されてフローティング機能を遂行する
フローティング機構として三次元空間の全ての方向への
遊動機能を有した機構として構成されるために従来のフ
ローティング機構に比較して多様の作業誤差を吸収する
ことが可能てあり、かつ、比較的少数かつ安価な構造部
品(例えば鋼球、市販の流体圧シリンダ、バネ手段等)
を用いた小規模形のフローティング機構が得られるの
で、フローティング機構自体を高性能でありながら、安
価に製造することが可能となる効果を得ることができ
る。
【0039】しかも、フローティング機構の遊動ディス
クに付与される引張張力を外部制御信号に従って加減調
節することが可能であり、故に遊動ディスクの遊動性能
を機械の作業部が遂行する作業種に合わせて適正なレベ
ルに調節することもでき、故に、調節機能を保有したフ
ローティング機構を実現し、得ることができたのであ
る。
【0040】また、センタリング手段やロック手段を具
備することにより、フローティング機構の遊動ディスク
を所要に応じて所定位置に位置決め拘束したり、或いは
任意の位置でロックする等の多機能を保有せしめること
ができるので、フローティング機構の機能上の有効性を
一段と向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフローティング機構をロボット機
体のハンドの前段に配設した例を示す正面図である。
【図2】図1の2−2矢視方向から見た平面図である。
【図3】図1に示したフローティング機構の構成を詳示
した断面図である。
【図4】図3の4−4線による平面図である。
【図5】同フローティング機構を産業用ロボットのロボ
ット機体における吸着作用ハンドと手首との間に介挿、
配設して具備した状態を示すロボット機体の外観斜視図
である。
【図6】流体圧シリンダを用いて引張弾性手段、センタ
リング手段、ロック手段を構成した場合の流体回路図で
ある。
【図7】他の実施形態を示す図4と同様の平面図であ
る。
【符号の説明】
10…ロボットハンド 20…フローティング機構 22…フランジ部 24…取付けフランジ部 30…ベース部 30a…遊動室 34…周壁 40…遊動ディスク 42…転動体 48…流体圧シリンダ 52…流体圧シリンダ 52a…位置決めピン 62…流体圧シリンダ 62a…ロック棒 70…ロボット手首 90…ロボット制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田 勝 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内 (72)発明者 篠塚 一亮 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械の主部と該主部に結合されてワーク
    等に対して所定の作業を遂行する機械の作業部との間に
    介挿され、該作業部に対して三次元空間内の遊動自由度
    を付与するフローティング機構において、 前記機械の主部に結合する結合機枠を備えた筐体構造の
    ベース部と、 前記ベース部の上下支持板間に複数の転動体を介して挟
    持される遊動ディスクと該遊動ディスクに一体遊動可能
    に配設されると共に前記機械の作業部に結合される取付
    けフランジ部とを備えて形成されたフローティング部
    と、 前記筐体構造のベース部の内周域に対して前記フローテ
    ィング部の遊動ディスクを該ベース部の略中心部に保持
    するように少なくとも三方向から該遊動ディスクに引っ
    張るように設けられる引張弾性手段と、 を少なくとも具備して構成され、前記フローティング部
    の遊動に従って前記機械の主部と作業部との間で作業誤
    差の吸収作用を行うことを特徴とするフローティング機
    構。
  2. 【請求項2】 前記引張弾性手段は、前記ベース部の内
    周域の離間した三位置に各一端を枢着し、前記フローテ
    ィング部の遊動ディスクの周辺三位置に各他端が枢着さ
    れた少なくとも3つの流体圧シリンダと、該3つの流体
    圧シリンダから前記フローティング部の遊動ディスクに
    作用する引張力を各個別に増減調節する流体圧調節手段
    とを具備して構成された請求項1記載のフローティング
    機構。
  3. 【請求項3】 前記フローティング部の遊動ディスク
    を、前記ベース部に対して所定の中心位置に機械的に強
    制位置決めするセンタリング手段を更に具備した請求項
    1に記載のフローティング機構。
  4. 【請求項4】 前記フローティング部の遊動ディスクと
    当接、離反自在に設けられ、当接時に該遊動ディスクの
    遊動を阻止するロック手段を更に具備したことを特徴と
    する請求項1に記載のフローティング機構。
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