JP2014074127A - 耐水化アルミニウム顔料および水性インク組成物 - Google Patents

耐水化アルミニウム顔料および水性インク組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】水を含む塗料やインクに配合されたときの白色化を抑制でき、優れた金属光沢性を有すると共に、水分散性および貯蔵安定性に優れた耐水化アルミニウム顔料分散液およびこれを含有する水性インク組成物を提供すること。
【解決手段】本発明に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、耐水化アルミニウム顔料と、分散剤と、水系媒体と、を含有し、前記耐水化アルミニウム顔料は、アルミニウム顔料の表面をシリカ膜で被覆し、該シリカ膜の表面の少なくとも一部を有機ケイ素膜で被覆することにより得られたものであり、前記分散剤は、オキシアルキレン基を有する脂肪酸誘導体と、酸価が3mgKOH/g以上50mgKOH/g以下のアクリル系ポリマーと、からなる群より選択される少なくとも1種を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐水化アルミニウム顔料および水性インク組成物に関する。
従来、印刷物上に金属光沢を有する塗膜を形成する手法として、真鍮、アルミニウム微粒子等から作製された金属粉を顔料に用いた印刷インキや金属箔を用いた箔押し印刷、金属箔を用いた熱転写方式等が用いられてきた。
近年、印刷におけるインクジェットへの応用例が数多く見受けられ、その中の一つの応用例としてメタリック印刷があり、金属光沢を有する画像を形成することができるインクの開発が進められている。例えば、特許文献1には、アルキレングリコール等の有機溶剤をベースとしたアルミニウム顔料分散液およびそれを含有する非水系インク組成物が開示されている。
その一方で、地球環境面及び人体への安全面等の観点から、有機溶剤をベースとした非水系インク組成物よりも水を溶媒として含有する水性インク組成物の開発が望まれているという実態がある。しかしながら、アルミニウム顔料を水中に分散させると、水との反応により水素ガスを発生すると共にアルミナを形成して白色化する。これにより、アルミニウム顔料は、金属光沢を損なう場合がある。
このような課題を解決するために、例えば特許文献2には、原料アルミニウム顔料を(1)Si含有化合物、(2)水、(3)親水性有機溶剤及び(4)リン酸及び/又はリン酸塩を必須成分とする反応液に接触させて得られるシリカ被覆アルミニウム顔料が開示されている。このシリカ被覆アルミニウム顔料によれば、水性塗料に配合されたときの貯蔵安定性に優れ、塗膜の光沢性(メタリック感)が悪化することを抑制できる。
特開2008−174712号公報 特開2002−088274号公報
しかしながら、上述の特許文献2に開示されているようなシリカ被覆アルミニウム顔料では、未だ耐水性が十分とはいえなかった。そのため、経時的にシリカ被覆アルミニウム顔料が白化したり、顔料同士の凝集によって顔料と溶剤の分離が進行する等、貯蔵安定性に優れない場合があった。
また、特許文献2に開示されているシリカ被覆アルミニウム顔料が配合された水性インク組成物をインクジェットプリンターに適用した場合、アルミニウム顔料同士が凝集することによってノズルの目詰まりを起こし、インクの吐出安定性が損なわれる場合があった。
このような観点から、水性塗料や水性インク組成物に配合されたときの貯蔵安定性が良好であるだけでなく、水性塗料や水性インク組成物中での分散安定性(以下「水分散性」ともいう。)にも優れるアルミニウム顔料が要求されている。
本発明のいくつかの態様にかかる目的の一つは、水を含む塗料やインクに配合されたときの白色化を抑制でき、優れた金属光沢性を有すると共に、水分散性および貯蔵安定性に優れた耐水化アルミニウム顔料分散液およびこれを含有する水性インク組成物を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る耐水化アルミニウム顔料分散液の一態様は、
耐水化アルミニウム顔料と、分散剤と、水系媒体と、を含有し、
前記耐水化アルミニウム顔料は、アルミニウム顔料の表面をシリカ膜で被覆し、該シリカ膜の表面の少なくとも一部を有機ケイ素膜で被覆することにより得られたものであり、
前記分散剤は、オキシアルキレン基を有する脂肪酸誘導体と、酸価が3mgKOH/g以上50mgKOH/g以下のアクリル系ポリマーと、からなる群より選択される少なくとも1種を含む。
適用例1の耐水化アルミニウム顔料分散液は、水を含む塗料やインクに配合されたときの白色化を抑制でき、優れた金属光沢性を有すると共に、水分散性および貯蔵安定性にとりわけ優れる。
[適用例2]
適用例1において、
前記有機ケイ素膜は、下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を用いて形成されてもよい。
Figure 2014074127
(一般式(1)中、nは1以上3以下の整数を表し、R1はアルキル基またはアシル基を表し、R2はアルキル基を表し、R3は置換基を有してもよい、アルキル基、アリール基またはアルケニル基を表す。)
[適用例3]
適用例2において、
前記一般式(1)中、R3は、
メチル基、
フェニル基、
または、メタクリロキシ基で置換されたプロピル基であることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか1例において、
前記脂肪酸誘導体は、下記一般式(2)で表される化合物であってもよい。
Figure 2014074127
(一般式(2)中、AOはオキシアルキレン基を表し、Rは置換基を有してもよい炭素数5〜30の炭化水素基を表し、nは5〜35の整数を表す。)
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか1例において、
前記アクリル系ポリマーは、ブロック共重合体またはグラフト共重合体であってもよい。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか1例において、
前記アクリル系ポリマーのアミン価は、0mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか1例において、
前記アルミニウム顔料は、1nm以上100nm未満の平均厚みを有し、かつ、0.5μm以上3μm以下の50%平均粒子径を有し、
前記アルミニウム顔料を構成する顔料粒子の形状は、平板状であることができる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれか1例において、
前記シリカ膜は、テトラエトキシシランを用いて形成されてもよい。
[適用例9]
本発明に係る水性インク組成物の一態様は、
適用例1ないし適用例8のいずれか1例に記載の耐水化アルミニウム顔料分散液を含有する。
[適用例10]
適用例9において、
さらに、有機溶剤を含み、
前記有機溶剤の含有量が50質量%以上であることができる。
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。なお、以下の実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
以下、耐水化アルミニウム顔料分散液、耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法、水性インク組成物の順に説明する。
1.耐水化アルミニウム顔料分散液
本発明の一実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、耐水化アルミニウム顔料と、分散剤と、水系媒体と、を含有し、前記耐水化アルミニウム顔料は、アルミニウム顔料の表面をシリカ膜で被覆し、該シリカ膜の表面の少なくとも一部を有機ケイ素膜で被覆することにより得られたものであり、前記分散剤は、オキシアルキレン基を有する脂肪酸誘導体と、酸価が3mgKOH/g以上50mgKOH/g以下のアクリル系ポリマーと、からなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする。
以下、耐水化アルミニウム顔料分散液に含まれる成分について、詳細に説明する。
1.1.耐水化アルミニウム顔料
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液に含まれる耐水化アルミニウム顔料は、アルミニウム顔料の表面をシリカ膜で被覆し、該シリカ膜の表面の少なくとも一部を有機ケイ素膜で被覆することにより得られたものである。
このように、アルミニウム顔料の表面がシリカ膜および有機ケイ素膜の2層で被覆されていることで、アルミニウム顔料の表面をシリカ膜の1層のみで被覆する場合と比べて、得られる耐水化アルミニウム顔料の耐水性が著しく向上する。
<アルミニウム顔料>
本発明において、顔料とは、複数の顔料粒子から構成される顔料粒子の集合体のことをいう。アルミニウム顔料を構成する顔料粒子は、その形状が平板状であることが好ましい。アルミニウム顔料を構成する顔料粒子が平板状であると、良好な金属光沢性が得られやすい点で好ましい。
アルミニウム顔料は、粒子像分析装置により得られる顔料粒子の投影画像の面積から求めた円相当径の50%平均粒子径R50(以下、単に「R50」ともいう。)が、0.5μm以上3μm以下であり、かつ、1nm以上100nm未満の厚み(Z)を有することが好ましい。アルミニウム顔料のR50および厚み(Z)が上記範囲内にあることで、金属光沢性および印字安定性が良好となる。
「円相当径」とは、粒子像分析装置を用いて得られる該顔料粒子の投影画像の面積と同じ面積を持つ円と想定したときの当該円の直径である。例えば、顔料粒子の投影画像が多角形である場合、その投影画像を円に変換して得られた当該円の直径を、その顔料粒子の円相当径という。
本実施形態に係るアルミニウム顔料のR50のより好ましい態様としては、0.5μm以上1.5μm以下である。R50が上記範囲内にあることで、記録安定性がより一層良好となる場合がある。
アルミニウム顔料を構成する顔料粒子の投影画像の面積円相当径は、粒子像分析装置を用いて測定することができる。粒子像分析装置としては、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100、FPIA−3000、FPIA−3000S(以上、シスメックス株式会社製)等が挙げられる。なお、円相当径の平均粒子径は、個数基準の粒子径である。
また、アルミニウム顔料を構成する顔料粒子の粒度分布(CV値)は、下記式(A)より求めることができる。
CV値=粒度分布の標準偏差/粒子径の平均値×100 ・・・(A)
ここで、得られるCV値は、好ましくは60以下であり、より好ましくは50以下であり、特に好ましくは40以下である。CV値が60以下のアルミニウム顔料を選択することで、記録安定性に優れるという効果が得られる。
また、アルミニウム顔料を構成する顔料粒子の投影画像の面積より求めた円相当径の最大粒子径は、3μm以下であることが好ましい。最大粒子径が3μm以下のアルミニウム顔料を用いると、インクジェット記録装置に用いた際に、ノズル開口部やインク流路における目詰を効果的に抑制できる。
本実施形態に係るアルミニウム顔料の厚み(Z)のより好ましい態様としては、5nm以上50nm以下、より好ましくは5nm以上30nm以下である。厚み(Z)が上記範囲内にあることで、アルミニウム顔料の表面にシリカ膜および有機ケイ素膜を形成しても、金属光沢性が損なわれずに良好となる傾向がある。
厚み(Z)は、例えば電子顕微鏡を用いて、顔料粒子の断面を観察することにより測定できる。電子顕微鏡には、透過型電子顕微鏡(TEM、JEOL JEM-2000EX)、電界放射走査型電子顕微鏡(FE−SEM、Hitachi S-4700)、走査透過電子顕微鏡(STEM、日立ハイテクノロジー株式会社製「HD−2000」)などを用いることができる。なお、厚み(Z)とは、平均厚みを意味し、具体的には、アルミニウム顔料を構成する顔料粒子を10個選択して、それらを個々に測定した場合の厚みの算術平均値のことをいう。
<シリカ膜>
アルミニウム顔料の表面を被覆するシリカ膜は、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシランなどのテトラアルコキシシランを用いて形成できる。テトラアルコキシシランを用いると、顔料の表面に均一かつ平坦な膜を形成できるという点で好ましい。
また、上記のテトラアルコキシシランの中でも、加水分解速度が速く、アルミニウム顔料との密着性に優れているという点から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランを用いることがより好ましく、テトラエトキシシランを用いることが特に好ましい。
シリカ膜の厚みは、好ましくは3nm以上20nmであることが好ましく、より好ましくは3nm以上10nm以下であり、特に好ましくは1nm以上9nm以下である。シリカ膜の厚みが上記範囲内、とりわけ前記下限値以上であると、耐水化アルミニウム顔料の耐水性が良好となり、前記下限値以下であれば、金属光沢性の低下を抑制しつつ耐水性を良好とすることができる。
なお、シリカ膜の厚みは、アルミニウム顔料の厚み方向において、アルミニウム顔料の一方の面に形成されたシリカ膜の厚みを指す。また、シリカ膜の厚みは、電子顕微鏡(例えば、TEM、STEM、SEM、FE−SEM)を用いて、耐水化アルミニウム顔料の断面を観察することにより測定できる。
<有機ケイ素膜>
シリカ膜の表面の少なくとも一部を被覆する有機ケイ素膜は、下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を用いて形成することが好ましい。
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を用いると、一般式(1)中の−OR基の加水分解により生成したシラノール基がシリカ膜に強固に結合しつつ、シラノール基同士の縮合により緻密な膜を形成できる。このように、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を用いて得られる有機ケイ素膜は、シリカ膜に対する密着性に優れつつ、緻密な膜であるので、耐水化アルミニウム顔料の貯蔵安定性をより優れたものとすることができる。
Figure 2014074127
一般式(1)中、nは1以上3以下の整数を表し、R1はアルキル基またはアシル基を表し、R2はアルキル基を表し、R3は置換基を有してもよい、アルキル基、アリール基またはアルケニル基を表す。
nは、1以上3以下の整数を表すが、2以上3以下であることが好ましく、3であることがより好ましい。nが2以上であると、得られる有機ケイ素膜の緻密性を向上できたり、シリカ膜との密着性の向上できたりする場合がある。
1がアルキル基である場合には、炭素数1以上5以下(より好ましくは炭素数1以上3以下)のアルキル基を用いることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基等の直鎖または分岐を有するアルキル基が挙げられる。
1がアシル基である場合には、炭素数1以上6以下(より好ましくは炭素数1以上3以下)のアシル基を用いることが好ましく、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カプロイル基等が挙げられる。
以上述べたR1の中でも、加水分解速度を向上させるという観点から、炭素数1以上3以下のアルキル基であることが特に好ましい。
2のアルキル基としては、有機ケイ素化合物の加水分解速度を向上する等の観点から、炭素数1以上3以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基等)を用いることが好ましい。
一般式(1)中に、R1が2以上存在する場合には、同一でも異なっていてもよく、R2が2以上存在する場合には、同一でも異なっていてもよい。
3がアルキル基である場合には、炭素数1以上5以下のアルキル基(より好ましくは炭素数1以上3以下)を用いることが好ましく(ただし、R3が置換基を有する場合には、置換基に含まれる炭素の数を含まない)、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基等の直鎖または分岐を有するアルキル基が挙げられる。
3がアリール基である場合には、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基等が挙げられる。
3がアルケニル基である場合には、ビニル基、プロペニル基、3−ブテニル基、3−ペンテニル基、3−ヘキセニル基等が挙げられる。
また、R3は、例えば、アルケニル基、グリシジルエーテル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基等の置換基で置換されていてもよい。具体的には、置換基を有するアルキル基、置換基を有するアリール基、または置換基を有するアルケニル基とは、各基の水素原子の一部が置換基で置換されていることをいう。
なお、R3は、窒素原子を有していないことが好ましい。R3が窒素原子を有していると、耐水化アルミニウム顔料の酸化を促進させたり、耐水化アルミニウム顔料を凝集させたりする等の不具合が生じる場合があるためである。
以上述べたR3の中でも、より好ましくは、置換基を有していないアルキル基、置換基を有していないアリール基、メタクリロキシ基で置換されたアルキル基であり、より一層
好ましくは、置換基を有していないメチル基、置換基を有していないフェニル基、メタクリロキシ基で置換されたプロピル基であり、特に好ましくは、置換基を有していないフェニル基、メタクリロキシ基で置換されたプロピル基である。これにより、耐水化アルミニウム顔料分散液の貯蔵安定性を一層向上できたり、記録される画像の金属光沢性を一層向上できたりする場合がある。
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、これらの中でも、好ましくはメチルトリメトキシシラン、トリエトキシフェニルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランであり、より好ましくはトリエトキシフェニルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランである。
有機ケイ素膜の厚みは、好ましくは0.05nm以上10nmであることが好ましく、より好ましくは0.1nm以上7nm以下であり、特に好ましくは0.3nm以上5nm以下である。有機ケイ素膜の厚みが上記範囲内、とりわけ前記下限値以上であると、耐水化アルミニウム顔料の耐水性が良好となり、前記下限値以下であれば、金属光沢性の低下を抑制しつつ耐水性を良好とすることができる。
なお、有機ケイ素膜の厚みは、アルミニウム顔料の厚み方向において、アルミニウム顔料の一方の面に形成された有機ケイ素膜の厚みを指す。有機ケイ素膜の厚みの測定は、シリカ膜と同様の方法で行うことができる。
1.2.分散剤
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、分散剤を含有する。分散剤の機能としては、耐水化アルミニウム顔料の水分散性を向上させて、耐水化アルミニウム顔料の凝集を抑制することが挙げられる。
分散剤は、オキシアルキレン基を有する脂肪酸誘導体と、酸価が3mgKOH/g以上50mgKOH/g以下のアクリル系ポリマーと、からなる群より選択される少なくとも1種を含む。
<脂肪酸誘導体>
分散剤として使用される脂肪酸誘導体は、オキシアルキレン基を有する。オキシアルキレン基を有する脂肪酸誘導体としては、下記一般式(2)で表される化合物を用いることが好ましい。下記一般式(2)で表される化合物は、有機ケイ素膜の表面および内部の少なくとも一方に導入されて、耐水化アルミニウム顔料の水分散性を向上(すなわち、耐水化アルミニウム顔料同士の凝集を抑制)させることができる。
Figure 2014074127
式(2)中、AOはオキシアルキレン基を表し、Rは置換基を有してもよい炭素数5〜30の炭化水素基を表し、nは5〜35の整数を表す。
一般式(2)において、AOはオキシアルキレン基を表す。オキシアルキレン基の中でも、オキシエチレン基(−OCH2CH2−)、オキシプロピレン基(−OCH2CH2CH2−または−OCH2CH(CH3)−)が好ましい。AOは、オキシエチレン基のみであってもよく、オキシプロピレン基のみであってもよいし、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基の両者を含んでいてもよい。AOがオキシエチレン基及びオキシプロピレン基の両者を含む場合、その構成比率や配列は特に制限されない。
上記一般式(2)において、nは5〜35の整数を表すが、6〜25の整数であることが好ましく、8〜19の整数であることがより好ましい。nが前記範囲にあることで、親水性と疎水性のバランスが良好となるため、上記一般式(2)で表される化合物の水に対する溶解性が良好になると共に、界面活性作用を効果的に発現させることができる。界面活性作用を効果的に発現させることができれば、上記一般式(2)で表される化合物を有機ケイ素膜の表面及び内部の少なくとも一方へ導入させやすくすることができる。
上記一般式(2)において、Rが表す炭化水素基は直鎖であっても分岐鎖であってもよい。また、Rが表す炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましい。また、Rが表す炭化水素基は置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、イミノ基、シアノ基、アゾ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基、ハロゲン等が挙げられる。中でも、置換基はヒドロキシ基であることが好ましい。
Rが表す炭化水素基は1以上の不飽和結合を有することが好ましく、その不飽和結合が炭素−炭素二重結合であることがより好ましい。Rが表す炭化水素基中の不飽和結合の位置及び数は特に限定されない。詳細なメカニズムは明らかではないが、Rが表す炭化水素基が1以上の不飽和結合を有することにより、耐水化アルミニウム顔料の水分散性を一層向上できることが判明した。
上記一般式(2)において、Rが表す炭化水素基の炭素数は5〜30であるが、10〜24が好ましく、15〜20がより好ましく、16〜18が特に好ましい。
上記一般式(2)で表される化合物を含む市販品としてはBYKシリーズ(ビックケミージャパン株式会社製)が挙げられる。
上記一般式(2)で表される化合物の好適な具体例を挙げる。好適な具体例としては、リシノール酸を原料としてオキシエチレン基を付加した下記式(3)の化合物、リノール酸を原料としてオキシエチレン基を付加した下記式(4)の化合物、リノレン酸を原料としてオキシエチレン基を付加した下記式(5)の化合物、ステアリン酸を原料としてオキシエチレン基を付加した下記式(6)の化合物が挙げられる。なお、下記式において、nは5〜35の整数を表すが、6〜25の整数であることが好ましく、8〜19の整数であることがより好ましい。
Figure 2014074127
Figure 2014074127
Figure 2014074127
Figure 2014074127
上記一般式(2)で表される化合物の含有割合は、耐水化アルミニウム顔料1質量部に対して、0.05質量部以上2.5質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上2質量部以下であることがより好ましい。上記一般式(2)で表される化合物の含有割合が前記範囲にあると、耐水化アルミニウム顔料の水分散性を向上させる効果が得られやすい。
有機ケイ素膜の表面及び内部の少なくとも一方に上記一般式(2)で表される化合物が導入されているか否かの判断は、例えば、X線光電子分光法(以下、「XPS」ともいう)による元素分析や、1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトル、31P−NMRスペクトルによる化合物の同定等の手段により判断することができる。
XPSは、X線の照射により試料から放出される光電子のエネルギーを測定する分光法である。光電子は、大気中ではすぐに分子と衝突して散乱されてしまうため、装置を真空にしておく必要がある。また、固体試料の奥深くで放出された光電子は、試料内で散乱されて表面から脱出することができない。したがって、XPSは、試料表面からのみの光電子を測定することになるので、表面分析法として有効である。XPSでは、試料表面からおおよそ数nm以内の範囲を分析することができる。
<アクリル系ポリマー>
分散剤として使用されるアクリル系ポリマーは、酸価が3mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることを特徴とする。酸価が上記範囲内にあるアクリル系ポリマーは、有機ケイ素膜やシリカ系膜の表面に吸着して、電気的反発作用や立体障害作用により、水系媒体中に存在する顔料粒子同士の凝集を抑制することができる。
分散剤として使用されるアクリル系ポリマーの酸価は、3mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であるが、5mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることが好ましく、7mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることがより好ましい。酸価が上記範囲内にあるアクリル系ポリマーを用いると、水系媒体中における耐水化アルミニウム顔料の分散性、耐水化アルミニウム顔料の光沢性を向上させることができる。
本発明における酸価とは、分散剤1g中の酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウム(KOH)のmg数のことをいう。
上記のアクリル系ポリマーのアミン価は、0mgKOH/g以上30mgKOH/g以
下であることが好ましく、0mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であることがより好ましい。アミン価が上記範囲内にあると、水系媒体中における耐水化アルミニウム顔料の分散性や、耐水化アルミニウム顔料分散液の貯蔵安定性を一層向上できる場合がある。
本発明におけるアミン価とは、分散剤1g中に含まれる塩基性窒素を中和するのに要する過塩素酸と当量の水酸化カリウムのmg数のことをいう。
上記のアクリル系ポリマーは、ブロック共重合体またはグラフト共重合体であることが好ましい。ブロック共重合体およびグラフト共重合体は、第1のモノマー種を主体とする第1のセグメント、第2のモノマー種を主体とする第2のセグメント等、モノマー種毎に少なくとも2以上のセグメントを有する。このような場合、第1のセグメントを構成するモノマー種として顔料に親和性のあるものを選択し、第2のセグメントを構成するモノマー種として顔料以外の成分(水系媒体等)に親和性のあるものを選択することが好ましい。こうすることで、第1のセグメントが顔料に優先的に吸着するので、第2のセグメントを顔料表面から離れた位置に配置できる。これにより、耐水化アルミニウム顔料に対するアクリル系ポリマーの吸着性を向上させつつ、水系媒体中の耐水化アルミニウム顔料の分散性を向上できる。
このようなブロック共重合体またはグラフト共重合体のアクリル系ポリマーは、公知の重合方法、例えば原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)、およびニトロキシドを介したラジカル重合(NMP)等のリビング重合(コントロール重合)によって得ることができる。中でもコントロール重合によって得られるアクリル系ポリマーが好ましい。
本発明においてアクリル系ポリマーとは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの少なくとも一種をモノマーとして使用することによって得られるポリマーのことをいう。また、本明細書において、アクリル系ポリマーの原料となるモノマーのうち、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルを、アクリル系モノマーと称する場合がある。
上記のアクリル系ポリマーは、上記のアクリル系モノマーに加えて、従来公知のモノマーを用いて重合することができる。
上記のアクリル系ポリマーの含有割合は、耐水化アルミニウム顔料1質量部に対して、0.05質量部以上2.5質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上2質量部以下であることがより好ましい。上記のアクリル系ポリマーの含有割合が前記範囲にあると、耐水化アルミニウム顔料の水分散性を向上させる効果が得られやすい。
1.3.水系媒体
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、水系媒体を含有する。
水系媒体は、水を主成分とする媒体であればよい。水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を紫外線照射または過酸化水素添加などにより滅菌処理した水は、長期間に亘りカビやバクテリアの発生を抑制することができるので好ましい。
耐水化アルミニウム顔料分散液中における水系媒体の含有量は、例えば、耐水化アルミニウム顔料1質量部に対して、20質量部以上80質量部以下、より好ましくは30質量部以上60質量部以下、より一層好ましくは40質量部以上50質量部以下であることが
できる。水系媒体の含有量が上記範囲内、とりわけ40質量部以上であると、環境負荷の低減という点や、取り扱いが容易な範囲の粘度に設定できるという点から好ましい。また、水系媒体の含有量が上記範囲内、とりわけ50質量部以下であることで、耐水化アルミニウム顔料と水との反応によるガスの発生や、耐水化アルミニウム顔料の白色化等を低減できる場合がある。
1.4.その他の成分
<有機溶剤>
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、有機溶剤を含有してもよい。
有機溶剤としては、水系媒体との相溶性の観点から、極性有機溶剤であることが好ましい。極性有機溶剤としては、例えばアルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、フッ化アルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等)、グリコールエーテル類(トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどのアルキレングリコールモノエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのアルキレングリコールジエーテル等)等が挙げられる。
これらの中でも、アルミニウム顔料の分散安定性に優れるという観点から、多価アルコール類およびグリコールエーテル類の少なくとも1種を用いることが好ましい。
有機溶剤を含有する場合には、その含有量は、耐水化アルミニウム顔料1質量部に対して、好ましくは20質量部以上80質量部以下、より好ましくは40質量部以上70質量部以下である。有機溶剤の含有量が上記範囲内、とりわけ50質量部以上であると、耐水化アルミニウム顔料と水との反応によるガスの発生や、耐水化アルミニウム顔料の白色化等を低減できる場合がある。
<塩基性触媒>
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、塩基性触媒を含有してもよい。塩基性触媒は、シリカ膜を形成する際や、有機ケイ素膜を形成する際に用いることができる。
塩基性触媒としては、例えばアンモニア、トリアルキルアミン、エタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、尿素、コリン、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
<界面活性剤>
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤を添加することで、耐水化アルミニウム顔料の水分散性を向上できる場合がある。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性、両性界面活性剤、高分子界面活性剤等、公知の界面活性剤のいずれも用いることができる。
<第三級アミン>
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、第三級アミンを含有してもよい。第三級アミンは、立体障害効果やpH調製作用により、耐水化アルミニウム顔料の分散性を向上できる場合がある。
第三級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、N,N−ジエチル−2−アミノエタノール等のヒドロキシルアミンが挙げられる。これらの中でも、水分散性を一層向上できる点でトリエタノールアミン、トリプロパノールアミンが好ましく、水分散性に加えて貯蔵安定性を向上できる点でトリエタノールアミンがより好ましい。
<緩衝液>
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、緩衝液を含有してもよい。緩衝液を含有することで、分散液のpHの振れ幅が小さくなり、pHを所望の範囲に保つことができる。これにより、アルミニウム顔料と水系媒体との反応に伴うガスの発生や、耐水化アルミニウム顔料の溶出等、分散液のpHに起因して生じる不具合を抑制できる場合がある。
緩衝液としては、耐水化アルミニウム顔料分散液のpHが5.0以上8.5以下の範囲に保つことができるものであれば、従来公知の緩衝液をいずれも使用することができ、例えば4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、モルホリノエタンスルホン酸(MES)、カルバモイルメチルイミノビス酢酸(ADA)、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、コラミン塩酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、アセトアミドグリシン、トリシン、グリシンアミド、ビシン等のグッドバッファー、リン酸緩衝液、トリス緩衝液などが挙げられる。
1.5.物性
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、耐水化アルミニウム顔料と水系媒体との反応を抑制したり、耐水化アルミニウムの溶出を抑制するという観点から、pHが5.0以上8.5以下であることが好ましく、7.0以上8.5以下であることがより好ましい。これにより、耐水化アルミニウム顔料分散液の貯蔵安定性を向上できる場合がある。
1.6.作用効果
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液によれば、アルミニウム顔料の表面がシリカ膜で被覆され、該シリカ膜の表面の少なくとも一部が有機ケイ素膜で被覆されることにより、耐水性が付与されるので、水性塗料や水性インク組成物に配合されたときの白色化を防止でき、優れた金属光沢性を有している。また、上述した分散剤を用いるため、水分散性及び貯蔵安定性に優れた耐水化アルミニウム顔料分散液となる。
2.耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、例えば以下の製造方法により得ることができる。なお、本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法は、以下の例に限定されるものではない。
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法は、
有機溶剤中にアルミニウム顔料を分散させたアルミニウム顔料分散液を準備する工程(a)と、
前記アルミニウム分散液中にテトラエトキシシラン(以下「TEOS」ともいう。)を添加して、前記アルミニウム顔料の表面にシリカ膜を形成する工程(b)と、
前記アルミニウム分散液中に有機ケイ素化合物を添加して、前記シリカ膜の表面の少なくとも一部に有機ケイ素膜を形成する工程(c)と、
前記有機溶剤の少なくとも一部を除去する工程(d)と、
分散剤を含有する水溶液を添加する工程(e)と、
を含む。
以下、各工程について詳細に説明する。
2.1.工程(a)
工程(a)は、有機溶剤中にアルミニウム顔料を分散させたアルミニウム顔料分散液を準備する工程である。
まず、シート状基材面に剥離用樹脂層とアルミニウム又はアルミニウム合金層(以下、単に「アルミニウム層」という)とが、順次積層された構造からなる複合化顔料原体を用意する。
シート状基材としては、特に制限されないが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ナイロン66、ナイロン6等のポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートフィルム、ポリイミドフィルム等の離型性フィルムが挙げられる。これらのうち、ポリエチレンテレフタレート又はその共重合体が好ましい。
シート状基材の厚さは、特に制限されないが、好ましくは10μm以上150μm以下である。10μm以上であれば、工程等で取扱い性に問題がなく、150μm以下であれば、柔軟性に富み、ロール化・剥離等に問題がない。
剥離用樹脂層は、アルミニウム層のアンダーコート層であり、シート状基材面との剥離性を向上させるための剥離性層である。この剥離用樹脂層に用いる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、セルロース誘導体、アクリル酸重合体又は変性ナイロン樹脂が好ましい。
上記例示した樹脂の1種又は2種以上の混合物の溶液をシート状基材に塗布し乾燥させることにより、剥離用樹脂層を形成することができる。塗布後は、粘度調整剤等の添加剤を添加することもできる。
剥離用樹脂層の塗布は、一般的に用いられているグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布、ディップ塗布、スピンコート法等の公知の技術を用いることができる。塗布・乾燥後、必要であればカレンダー処理により表面の平滑化を行うことができる。
剥離用樹脂層の厚さは、特に制限されないが、好ましくは0.5μm以上50μm以下であり、より好ましくは1μm以上10μm以下である。0.5μm未満では分散樹脂としての量が不足し、50μmを超えるとロール化した場合、顔料層との界面で剥離しやすいものとなってしまう。
アルミニウム層を積層させる手段としては、真空蒸着、イオンプレーティング又はスパッタリング法を適用することが好ましい。
また、アルミニウム層は、特開2005−68250号公報に例示されるように、保護層で挟まれていてもよい。該保護層としては、酸化ケイ素層、保護用樹脂層が挙げられる。
酸化ケイ素層は、酸化ケイ素を含有する層であれば特に制限されるものではないが、ゾル−ゲル法によって、テトラアルコキシシラン等のシリコンアルコキシド又はその重合体から形成されることが好ましい。シリコンアルコキシド又はその重合体を溶解したアルコール溶液を塗布し、加熱焼成することにより、酸化ケイ素層の塗膜を形成することができる。
保護用樹脂層としては、分散媒に溶解しない樹脂であれば特に制限されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、セルロース誘導体等を挙げることができる。これらのうち、ポリビニルアルコール又はセルロース誘導体から形成されることが好ましい。上記例示した樹脂1種又は2種以上の混合物の水溶液を塗布し乾燥させると、保護用樹脂層を形成することができる。塗布液には、粘度調整剤等の添加剤をさらに添加することができる。酸化ケイ素及び樹脂の塗布は、剥離用樹脂層の塗布と同様の手法により行われる。
保護層の厚さは、特に制限されないが、50nm以上150nm以下の範囲が好ましい。50nm未満では機械的強度が不足であり、150nmを超えると強度が高くなりすぎるため粉砕・分散が困難となり、またアルミニウム層との界面で剥離してしまう場合がある。
また、米国特許7303619号公報に例示されるように、複合化顔料原体は保護層とアルミニウム層との間に色材層を有していてもよい。
色材層は、任意の着色複合顔料を得るために導入するものであり、本実施形態に使用するアルミニウム顔料の金属光沢、光輝性、背景隠蔽性に加え、任意の色調、色相を付与できる色材を含有できるものであれば特に制限されるものではない。この色材層に用いる色材としては、染料及び顔料のいずれでもよい。また、染料及び顔料としては、公知のものを適宜使用することができる。
かかる場合、色材層に用いられる「顔料」とは、一般的な工学の分野で定義される、天然顔料、合成有機顔料、合成無機顔料等を意味する。
色材層の形成方法としては、特に制限されないが、コーティングにより形成することが好ましい。また、色材層に用いられる色材が顔料の場合は、色材分散用樹脂をさらに含むことが好ましく、該色材分散用樹脂としては、顔料と色材分散用樹脂と必要に応じてその他の添加剤等を溶媒に分散または溶解させ、溶液としてスピンコートで均一な液膜を形成した後、乾燥させて樹脂薄膜として作製されることが好ましい。なお、複合化顔料原体の製造において、上記の色材層と保護層の形成がともにコーティングにより行われることが作業効率上好ましい。
複合化顔料原体としては、剥離用樹脂層とアルミニウム層との順次積層構造を複数有する層構成も可能である。その際、複数のアルミニウム層からなる積層構造の全体の厚み、すなわち、シート状基材とその直上の剥離用樹脂層を除いた、アルミニウム層−剥離用樹脂層−アルミニウム層又は剥離用樹脂層−アルミニウム層の厚みは5000nm以下であ
ることが好ましい。5000nm以下であると、複合化顔料原体をロール状に丸めた場合でも、ひび割れ、剥離を生じ難く、保存性に優れる。また、顔料化した場合も金属光沢性に優れており好ましい。また、シート状基材面の両面に、剥離用樹脂層とアルミニウム層とが順次積層された構造も挙げられるが、これらに制限されるものではない。
次いで、複合化顔料原体を有機溶剤中で、複合化顔料原体のシート基材面と剥離用樹脂層との界面を境界として、複合化顔料原体から剥離し、それを粉砕または微細化処理することにより、粗大粒子を含む分散液が得られる。さらに、得られた分散液をろ過し粗大粒子を除去することで、平板状の顔料粒子から構成されるアルミニウム顔料を有機溶剤中に分散させた分散液を得ることができる。
有機溶剤は、上記「1.4.その他の成分」で挙げたものを用いることができる。
シート状基材からの剥離処理法としては、特に制限されないが、複合化顔料原体を液体中に浸漬することによりなされる方法や、液体中に浸漬すると同時に超音波処理を行い剥離処理と剥離した複合化顔料の粉砕処理を行う方法が好ましい。
上記のようにして得られた平板状の顔料粒子から構成されるアルミニウム顔料は、剥離用樹脂層が保護コロイドの役割を有し、有機溶剤中での分散処理を行うだけで安定な分散液を得ることが可能である。
上記の工程により得られた分散液中のアルミニウム顔料を構成する顔料粒子は、その形状が平板状となる。アルミニウム顔料を構成する顔料粒子が平板状であると、特に良好な金属光沢性が得られやすい点で好ましい。
ここで、「平板状の顔料粒子」とは、顔料粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、略平坦な面(X−Y平面)を有し、かつ、厚み(Z)が略均一である粒子をいう。また、平板状とは、例えば、鱗状、リーフ状、平板状等の形状を包含する概念である。
上記の工程により得られたアルミニウム顔料は、R50が0.5μm以上3μm以下であり、1nm以上100nm未満の厚み(Z)を有する。アルミニウム顔料のR50および厚み(Z)が上記範囲内にあることで、金属光沢性および印字安定性が良好となる。
なお、上記の工程により得られたアルミニウム顔料分散液に含まれるアルミニウム顔料を洗浄する工程を別途設けてもよい。アルミニウム顔料の洗浄には、前述した有機溶剤を用いることができる。
上記の工程により得られたアルミニウム顔料分散液には、前述の剥離用樹脂層が含まれていたり、剥離用樹脂層がアルミニウム顔料に付着している場合がある。剥離用樹脂層に含まれる成分は、後述するTEOSとアルミニウム顔料との反応を阻害する場合がある。そのため、アルミニウム顔料を洗浄することによって、剥離用樹脂層の成分を除去して、後述するTEOSとアルミニウム顔料との反応性を向上させることができる。
アルミニウム顔料の洗浄方法としては、特に限定されるものではないが、例えば以下の方法により行うことができる。
まず、上記のアルミニウム顔料分散液から有機溶剤の少なくとも一部を除去する。有機溶剤の除去は、ろ過、遠心沈降又は遠心分離等の操作により、有機溶剤とアルミニウム顔料とを分離してアルミニウム顔料分散液に含まれる有機溶剤を除去する。
次に、アルミニウム顔料に洗浄用の有機溶剤を加えて、有機溶剤中にアルミニウム顔料を分散させた後、洗浄用の有機溶剤を除去する。なお、アルミニウム顔料を洗浄用の有機溶剤に分散させて洗浄用の有機溶剤を除去する操作は、複数回行ってもよい。
その後、アルミニウム顔料に前述した有機溶剤を加えて分散させることによって、洗浄されたアルミニウム顔料を含有するアルミニウム顔料分散液を得ることができる。
2.2.工程(b)
工程(b)は、前記アルミニウム分散液中にTEOSを添加して、前記アルミニウム顔料の表面にシリカ膜を形成する工程である。TEOSを添加して十分に攪拌することにより、アルミニウム顔料の表面に存在する水酸基とTEOS由来のシラノール基とが加水分解縮合して、アルミニウム顔料の表面にシリカ膜が形成される。アルミニウム顔料の表面にシリカ膜が形成されることで、アルミニウム顔料と水とが直接接触することを抑制できるため、アルミニウム顔料に耐水性を付与することができる。
工程(b)における加水分解縮合の反応温度は、好ましくは10℃以上150℃以下、より好ましくは20℃以上130℃以下である。反応温度が前記範囲、とりわけ前記下限値以上であると加水分解縮合の反応速度が遅くなり過ぎず良好なものとなり、前記上限値以下であれば安全上の問題がなく容易に反応させることができる。
工程(b)における加水分解縮合の反応時間は、好ましくは0.5時間以上200時間以下、より好ましくは1時間以上180時間以下である。
TEOSの添加量は、シリカ膜の厚みが0.5nm以上10nm以下、好ましくは1nm以上9nm以下、より好ましくは2nm以上8nm以下、特に好ましくは5nmとなるような量を計算して決定すればよい。シリカ膜の厚みが10nmを超えると、金属光沢性が低下することがあるからである。
より具体的には、TEOSの添加量は、アルミニウム顔料1質量部に対して、0.2質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上4質量部以下であることがより好ましく、1質量部以上3質量部以下であることが特に好ましい。TEOSの添加量が上記範囲内、とりわけ下限を下回らずにあることで、アルミニウム顔料の表面に存在する水酸基を十分に加水分解縮合できる。また、TEOSの添加量が上記範囲内、とりわけ上限を超えずにあることで、未反応のTEOSにより形成された独立したシリカ粒子が、アルミニウム顔料分散液を白濁化させることを抑制できる。
なお、工程(b)では、TEOSの添加後、さらに塩基性触媒を添加して加水分解縮合を促進させてもよい。塩基性触媒としては、上記「1.4.その他の成分」で挙げたものを用いることができる。その中でも、アンモニアが特に好ましい。
塩基性触媒の添加量は、アルミニウム顔料10質量部に対して、好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.1質量部以下である。塩基性触媒の添加量が上記範囲内であると、アルミニウム顔料分散液の粘度の上昇や、アルミニウム顔料分散液中のアルミニウム顔料の凝集を抑制できる場合がある。
2.3.工程(c)
工程(c)は、前記アルミニウム分散液中に上述の有機ケイ素化合物(好ましくは上記一般式(1)の有機ケイ素化合物)を添加して、前記シリカ膜の表面の少なくとも一部に有機ケイ素膜を形成する工程である。アルミニウム顔料がシリカ膜および有機ケイ素膜の
2層で被覆されるので、アルミニウム顔料の耐水性が一層向上する。
なお、本明細書において、アルミニウム顔料の表面をシリカ膜で被覆し、該シリカ膜の表面の少なくとも一部を有機ケイ素膜で被覆することにより得られたものを、「耐水化アルミニウム顔料」ともいう。
例えば、上記一般式(1)の有機ケイ素化合物を用いた場合には、当該有機ケイ素化合物を添加して十分に攪拌することにより、シリカ膜の表面に存在する水酸基と一般式(1)中の有機化合物に由来するシラノール基とが加水分解縮合して、シリカ系膜の表面の少なくとも一部にシリカ膜が形成される。
工程(c)における加水分解縮合の反応温度は、好ましくは10℃以上150℃以下、より好ましくは20℃以上130℃以下である。反応温度が前記範囲、とりわけ前記下限値以上であると加水分解縮合の反応速度が遅くなり過ぎず良好なものとなり、前記上限値以下であれば安全上の問題がなく容易に反応させることができる。
工程(c)における加水分解縮合の反応時間は、好ましくは0.5時間以上200時間以下、より好ましくは1時間以上180時間以下である。
有機ケイ素化合物の添加量は、有機ケイ素膜の厚みが0.05nm以上10nm以下、好ましくは0.1nm以上7nm以下、より好ましくは0.3nm以上5nm以下、特に好ましくは1nmとなるような量を計算して決定すればよい。シリカ膜および有機ケイ素膜の厚みの合計が10nmを超えると、金属光沢性が低下する場合があるためである。
より具体的には、有機ケイ素化合物の添加量は、アルミニウム顔料1質量部に対して、0.1質量部以上3質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上1質量部以下であることがより好ましく、0.2質量部以上0.5質量部以下であることが特に好ましい。有機ケイ素化合物の添加量が上記範囲内にあることで、シリカ膜の表面に存在する水酸基を十分に加水分解縮合できる。
2.4.工程(d)
工程(d)は、前記有機溶剤の少なくとも一部を除去する工程である。
有機溶剤の少なくとも一部を除去する手段としては、特に限定されるものではないが、例えばろ過、遠心沈降、遠心分離等の操作により行うことができる。具体的には、前記操作によって、工程(b)で得られた耐水化アルミニウム顔料と、これ以外の成分(主に有機溶剤)とを分離することにより、有機溶剤の少なくとも一部を除去することができる。
2.5.工程(e)
工程(e)は、上記分散剤および水系媒体を添加する工程である。このようにして、耐水化アルミニウム顔料が分散剤によって水中に分散した耐水化アルミニウム顔料分散液を得ることができる。
工程(e)では、分散剤を水系媒体に予め溶解させたものを添加してもよいし、分散剤および水系媒体を個別に添加してもよい。
また、工程(e)では、上記「1.4.その他の成分」で挙げた第三級アミン、緩衝液等を添加してもよい。これらの成分は、水系媒体に予め溶解させたものを添加してもよいし、水系媒体の添加前後に個別に添加してもよい。
2.6.その他の工程
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法は、上記工程(e)の後に、エージングする工程を含んでいてもよい。
エージングとは、得られた耐水化アルミニウム顔料分散液を、1日以上14日以下(より好ましくは3日以上7日以下)の期間、30℃以上80℃以下(より好ましくは40℃以上70℃以下)の温度で加熱することをいう。
耐水化アルミニウム顔料分散液をエージングすると、耐水化アルミニウム顔料の表面におけるシリカ膜の形成されていない部分が酸化する。これにより、耐水化アルミニウム顔料分散液の金属光沢性が僅かに低下する場合があるが、酸化した部分が保護膜となって、耐水化アルミニウム顔料分散液の経時的な耐水性の低下を抑制できる場合がある。これにより、耐水化アルミニウム顔料分散液の貯蔵安定性が向上することがある。
3.水性インク組成物
本実施形態に係る水性インク組成物は、前述の耐水化アルミニウム顔料分散液を含有することを特徴とする。本実施形態に係る水性インク組成物は、水分散性に優れる前述の耐水化アルミニウム顔料を含有するので、インクジェットプリンターに適用した場合においても耐水化アルミニウム顔料同士が凝集することによるノズルの目詰まりが抑制される。これにより、インクの吐出安定性が良好となる。本願発明において「水性インク組成物」とは、溶媒として水を30質量%以上、好ましくは40質量%以上含有するインク組成物のことをいう。水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を紫外線照射または過酸化水素添加などにより滅菌処理した水は、長期間に亘りカビやバクテリアの発生を抑制することができるので好ましい。
本実施形態に係る水性インク組成物中の耐水化アルミニウム顔料の濃度は、水性インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.1〜5.0質量%、さらに好ましくは0.1〜3.0質量%、より好ましくは0.25〜2.5質量%、特に好ましくは0.5〜2.0質量%である。
本実施形態に係る水性インク組成物は、第三級アミン、樹脂類、界面活性剤、アルカンジオール、多価アルコール、ピロリドン誘導体等、pH調整剤、緩衝液等を添加することができる。
第三級アミンは、耐水化アルミニウム顔料の水分散性及び貯蔵安定性を向上するという機能を備える。第三級アミンには、上記「1.4.その他の成分」で挙げたものと同様のものを用いることができる。
樹脂類は、耐水化アルミニウム顔料を記録媒体上に強固に定着させる機能を有する。樹脂類としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、塩化ビニリデンの単独重合体もしくは共重合体、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、天然樹脂等が挙げられる。なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれの形態でも用いることができる。
界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤又はポリシロキサン系界面活性剤を含有することが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤及びポリシロキサン
系界面活性剤は、記録媒体等の被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えば、オルフィンE1010、STG、Y(以上、日信化学工業株式会社製)、サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、Air
Products and Chemicals Inc.製)が挙げられる。ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK−347、BYK−348(以上、ビックケミー・ジャパン株式会社製)等が挙げられる。さらに、水性インク組成物には、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などのその他の界面活性剤を含有することもできる。
アルカンジオールは、記録媒体等の被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。アルカンジオールとしては、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール等の炭素数が4以上8以下の1,2−アルカンジオールであることが好ましい。これらの中でも炭素数が6以上8以下の1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールは、記録媒体への浸透性が特に高いためより好ましい。
多価アルコールは、例えば、水性インク組成物をインクジェット記録装置に適用した場合に、水性インク組成物の乾燥を抑制し、インクジェット記録ヘッド部分における水性インク組成物の目詰まりを防止することができる。多価アルコールとしては、上記「1.4.その他の成分」で挙げたものと同様のものを用いることができる。
ピロリドン誘導体としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
緩衝液は、水性インク組成物のpHの振れ幅を小さくすることができ、pHを所望の範囲に保つことができる。緩衝液としては、上記「1.4.その他の成分」で挙げたものと同様のものを用いることができる。
また、水性インク組成物は、水溶性ロジン等の定着剤、安息香酸ナトリウム等の防黴剤・防腐剤、アロハネート類等の酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレート剤、酸素吸収剤等の添加剤を含有させることができる。これらの添加剤は、1種単独で用いることもできるし、もちろん2種以上組み合わせて用いることもできる。
水性インク組成物に含まれる有機溶剤の含有量は、水系インク組成物の全質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。有機溶剤の含有量が50質量%以上であると、耐水化アルミニウム顔料と水との反応によるガスの発生や、耐水化アルミニウム顔料の腐食等を低減できる場合がある。また、有機溶剤の含有量が80質量%以下であると、環境負荷の低減等の観点から好ましい。ここで、有機溶剤としては、上述の「1.4.その他の成分」で挙げた有機溶剤の
他に、上記のアルカンジオール、ピロリドン誘導体等が挙げられる。
水性インク組成物の20℃における粘度は、好ましくは2mPa・s以上10mPa・s以下であり、より好ましくは3mPa・s以上5mPa・s以下である。水性インク組成物の20℃における粘度が前記範囲内にあると、ノズルから水性インク組成物が適量吐出され、水性インク組成物の飛行曲がりや飛散を一層低減することができるため、インクジェット記録装置に好適に使用することができる。
水性インク組成物のpHは、5.0以上8.5以下であることが好ましく、6以上8.5以下であることがより好ましく、7以上8.5以下であることが特に好ましい。水性インク組成物のpHが上記範囲内にあると、耐水化アルミニウム顔料と水系媒体との反応を抑制できたり、被覆膜やアルミニウム顔料の溶出を抑制することができる。これにより、水性インク組成物の耐水性を向上でき、貯蔵安定性を優れたものにできる。
水性インク組成物は、その用途は特に限定されず、例えば、筆記具、スタンプ、記録計、ペンプロッター、インクジェット記録装置等に適用することができる。
4.実施例
以下、本発明を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
4.1.耐水化アルミニウム顔料分散液
4.1.1.実施例1
<工程(a)>
膜厚100μmのPETフィルム上に、セルロースアセテートブチレート(ブチル化率35〜39%、関東化学株式会社製)3.0質量%及びジエチレングリコールジエチルエーテル(日本乳化剤株式会社製)97質量%からなる樹脂層塗工液をバーコート法によって均一に塗布し、60℃、10分間乾燥することで、PETフィルム上に樹脂層薄膜を形成した。次いで、真空蒸着装置(「VE−1010型真空蒸着装置」、株式会社真空デバイス製)を用いて、上記の樹脂層上に平均膜厚20nmのアルミニウム蒸着層を形成した。次いで、上記方法にて形成した積層体を、ジエチレングリコールジエチルエーテル中、VS−150超音波分散機(アズワン株式会社製)を用いて、剥離・微細化・分散処理を同時に行い、積算の超音波分散処理時間が12時間であるアルミニウム顔料分散液を作製した。得られたアルミニウム顔料分散液を、開き目5μmのSUSメッシュフィルターにてろ過処理を行い、粗大粒子を除去した。次いで、ろ液を丸底フラスコに入れ、ロータリーエバポレーターを用いてジエチレングリコールジエチルエーテルを留去した。これにより、アルミニウム顔料分散液を濃縮し、その後、そのアルミニウム顔料分散液の濃度調整を行い、5.0質量%のアルミニウム顔料分散液を得た。
<工程(b)>
次いで、得られたアルミニウム顔料分散液100質量部をビーカーに投入し、これにテトラエトキシシラン(TEOS)10.4質量部、塩基性触媒である1mol/Lアンモニア水2質量部を添加して、7日間室温で攪拌することにより加水分解縮合させた。これにより、表面にシリカ膜が形成されたアルミニウム顔料を含有する第1のアルミニウム顔料分散液を得た。
<工程(c)>
次に、第1のアルミニウム顔料分散液中に、有機ケイ素化合物(3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン)1.65質量部を添加して、7日間室温で攪拌することにより加水分解縮合させた。このようにして、アルミニウム顔料の表面がシリカ膜で被覆され
、シリカ膜の表面が有機シリカ膜で被覆されたアルミニウム顔料(耐水化アルミニウム顔料)を含有する第2のアルミニウム顔料分散液を得た。
<工程(d)>
次いで、それを遠心分離(10,000rpm、60分間)し、その上澄み液である第2のアルミニウム顔料分散液中に含まれる有機溶剤(ジエチレングリコールジエチルエーテル)の一部を除去して、第3のアルミニウム顔料分散液を得た。
<工程(e)>
次いで、下記一般式(3)で表される化合物をイオン交換水に完全に溶解させて得られた水溶液を第3のアルミニウム顔料分散液に添加して、1日間室温で攪拌した。このようにして、実施例1に係る耐水化アルミニウム顔料分散液を得た。実施例1の耐水化アルミニウム顔料分散液の組成を表1に示す。
Figure 2014074127
4.1.2.実施例2〜6、比較例1および2
実施例2〜4に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、表1に記載されている分散剤に代えた以外は、実施例1と同様にして得られた。実施例5および6に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、表1に記載されている有機ケイ素化合物に代えた以外は、実施例1と同様にして得られた。
また、比較例1に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、工程(c)を行わなかった(すなわち、有機ケイ素膜を形成しなかった)以外は、実施例1と同様にして得られた。比較例2に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、分散剤を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして得られた。
なお、表1において、略称または商品名で記載した成分は以下の通りである。
・一般式(3)で表される化合物(オキシアルキレン基を有する脂肪酸誘導体、後述の製造方法により生成)
・ポリマー1:酸価20mgKOH/g、アミン価20mgKOH/g、コントロール重合のアクリル系ポリマー
・ポリマー2:酸価7mgKOH/g、アミン価7mgKOH/g、コントロール重合のアクリル系ポリマー
・ポリマー3:酸価10mgKOH/g、アミン価0mgKOH/g、コントロール重合のアクリル系ポリマー
上記一般式(3)で表される化合物は、次のようにして得られた。まず、リシノール酸1モルを出発原料に用い、酸触媒として硫酸0.1モル存在下、ポリエチレングリコール1000(平均分子量1000)1モル当量との縮重合を行った。Arガス雰囲気下、70℃48時間反応を行い、生成物を高速液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製
LC−20AP)を用いて精製することによって、下記一般式(3)表される化合物Aを得た。化合物の同定はNMR(日本電子株式会社製 JNM−ECS400)、FT-IR(デジラボ社製 FTS7000)、ESI-MS(マイクロマス社製 Q-Tof)
にて行ったところ、下記一般式(3)におけるnが8〜19となる化合物を含んだ分子量分布を有する混合物であることが判明した。
4.1.3.評価試験
<分散性の評価>
10μmのフィルター(MILIPORE社製、MITEX MEMBRANE FILTERS(型番:LCWPO4700))に対して、上記で得られた耐水化アルミニウム顔料分散液がどれだけ通過するかにより、水分散性を評価した。分散性の評価基準は、以下の通りである。評価試験の結果を表1に併せて示す。
「A」・・・・フィルター通過量が50mL以上
「B」・・・・フィルター通過量が30mL以上50mL未満
「C」・・・・フィルター通過量が10mL以上30mL未満
「D」・・・・フィルター通過量が10mL未満
<貯蔵安定性の評価>
サンプル瓶に上記で得られた耐水化アルミニウム顔料分散液を10mL加え、密栓して25℃恒温下に静置した。その経時変化を目視により観察することで、耐水化アルミニウム顔料分散液の貯蔵安定性を評価した。貯蔵安定性の評価基準は、以下の通りである。評価試験の結果を表1に併せて示す。
「A」・・・100日後の時点において白色化及び分離せず
「B」・・・30日後の時点において白色化及び分離せず
「C」・・・30日未満で白色化又は分離
<光沢性の評価>
上記で得られた耐水化アルミニウム顔料分散液のいずれか1種を印画紙(「PM写真用紙(光沢)型番:KA450PSK」、セイコーエプソン株式会社製)に滴下・塗布して、室温で1日間乾燥させた。得られたサンプルを目視及び走査型電子顕微鏡(S−4700、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、以下「SEM」ともいう。)により観察することで、耐水化アルミニウム顔料の光沢性を評価した。耐水化アルミニウム顔料の光沢性の評価基準は、以下の通りである。評価試験の結果を表1に併せて示す。
「A」・・・光沢性が良好(金属光沢性に優れており、鏡面光沢を有する。)
「B」・・・光沢性がやや良好(金属光沢性に優れているが、ややマット調である。)
「C」・・・光沢性が不良(金属光沢性がなく、黒ずんだ灰色を呈している。)
4.1.4.評価結果
表1に、実施例1〜6及び比較例1および2で得られた耐水化アルミニウム顔料分散液の水分散性、貯蔵安定性、光沢性の評価試験の結果を示す。なお、表1中の数値の単位は、「質量%」である。
Figure 2014074127
表1の結果によれば、実施例1〜6の耐水化アルミニウム顔料分散液は、水分散性及び貯蔵安定性が良好となり、記録物の光沢性にも優れていることが判明した。
比較例1の耐水化アルミニウム顔料分散液は、水分散性および貯蔵安定性が著しく低下することが判明した。比較例1の耐水化アルミニウム顔料は、シリカ膜を有しているが、有機ケイ素膜を有していないため、シリカ系膜の表面または内部に、オキシアルキレン基を有する脂肪酸誘導体が導入されにくかったためと考えられる。また、有機ケイ素膜を有していないため、貯蔵安定性が低下したものと考えられる。
比較例2の耐水化アルミニウム顔料分散液は、水分散性および貯蔵安定性が著しく低下することが判明した。比較例1の耐水化アルミニウム顔料分散液には、上記の分散剤が含まれていないため、耐水化アルミニウム顔料が凝集してしまい、凝集による顔料の沈降に伴って顔料と溶媒が分離した。
4.2.水性インク組成物
4.2.1.水性インク組成物の調製
以下の組成となるように、耐水化アルミニウム顔料分散液、1,2−ヘキサンジオール、ウレタン樹脂(商品名「レザミン D1060」、大日本精化工業株式会社製)、プロピレングリコール、2−ピロリドン、オルフィンE1010(日信化学工業株式会社製、アセチレングリコール系界面活性剤)、トリエタノールアミン、イオン交換水を混合、攪拌した。
<水性インク組成物Aの組成>
実施例1の耐水化アルミニウム顔料分散液(固形分) 1.5質量%
1,2−ヘキサンジオール 5質量%
ウレタン樹脂 0.1質量%
ジエチレングリコールジエチルエーテル 1質量%
プロピレングリコール 50質量%
2−ピロリドン 5質量%
オルフィンE1010 1質量%
トリエタノールアミン 0.4質量%
イオン交換水 残分
合計 100質量%
<水性インク組成物Bの組成>
実施例2の耐水化アルミニウム顔料分散液(固形分) 1.5質量%
1,2−ヘキサンジオール 5質量%
ウレタン樹脂 0.1質量%
ジエチレングリコールジエチルエーテル 1質量%
プロピレングリコール 50質量%
2−ピロリドン 5質量%
オルフィンE1010 1質量%
トリエタノールアミン 0.4質量%
イオン交換水 残分
合計 100質量%
4.2.2.評価試験
インクジェットプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジに上記の水性インク組成物を充填したインクカートリッジを作製した。次に、得
られたインクカートリッジをインクジェットプリンターPX−G930のブラック列に装着し、これ以外のノズルには市販のインクカートリッジを装着した。なお、ブラック列以外に装着した市販のカートリッジは、ダミーとして用いるものであり、本実施例の評価では使用しないので、本発明の効果に関与するものではない。
次に、上記のプリンターを用いて、ブラック列に装着された上記の水性インク組成物を吐出して、吐出状態を目視にて確認することで、吐出安定性の評価をした。
4.2.3.評価結果
上記の水性インク組成物AおよびBともに、プリンターのノズルから問題なく吐出できることが確認できた。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (10)

  1. 耐水化アルミニウム顔料と、分散剤と、水系媒体と、を含有し、
    前記耐水化アルミニウム顔料は、アルミニウム顔料の表面をシリカ膜で被覆し、該シリカ膜の表面の少なくとも一部を有機ケイ素膜で被覆することにより得られたものであり、
    前記分散剤は、オキシアルキレン基を有する脂肪酸誘導体と、酸価が3mgKOH/g以上50mgKOH/g以下のアクリル系ポリマーと、からなる群より選択される少なくとも1種を含む、耐水化アルミニウム顔料分散液。
  2. 請求項1において、
    前記有機ケイ素膜は、下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を用いて形成される、耐水化アルミニウム顔料分散液。
    Figure 2014074127
    (一般式(1)中、nは1以上3以下の整数を表し、R1はアルキル基またはアシル基を表し、R2はアルキル基を表し、R3は置換基を有してもよい、アルキル基、アリール基またはアルケニル基を表す。)
  3. 請求項2において、
    前記一般式(1)中、R3は、
    メチル基、
    フェニル基、
    または、メタクリロキシ基で置換されたプロピル基である、耐水化アルミニウム顔料分散液。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
    前記脂肪酸誘導体は、下記一般式(2)で表される化合物である、耐水化アルミニウム顔料分散液。
    Figure 2014074127
    (一般式(2)中、AOはオキシアルキレン基を表し、Rは置換基を有してもよい炭素数5〜30の炭化水素基を表し、nは5〜35の整数を表す。)
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
    前記アクリル系ポリマーは、ブロック共重合体またはグラフト共重合体である、耐水化アルミニウム顔料分散液。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    前記アクリル系ポリマーのアミン価は、0mgKOH/g以上30mgKOH/g以下である、耐水化アルミニウム顔料分散液。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
    前記アルミニウム顔料は、1nm以上100nm未満の平均厚みを有し、かつ、0.5μm以上3μm以下の50%平均粒子径を有し、
    前記アルミニウム顔料を構成する顔料粒子の形状は、平板状である、耐水化アルミニウム顔料分散液。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
    前記シリカ膜は、テトラエトキシシランを用いて形成される、耐水化アルミニウム顔料分散液。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の耐水化アルミニウム顔料分散液を含有する、水性インク組成物。
  10. 請求項9において、
    さらに、有機溶剤を含み、
    前記有機溶剤の含有量が50質量%以上である、水性インク組成物。
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