JP2014074127A - 耐水化アルミニウム顔料および水性インク組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、耐水化アルミニウム顔料と、分散剤と、水系媒体と、を含有し、前記耐水化アルミニウム顔料は、アルミニウム顔料の表面をシリカ膜で被覆し、該シリカ膜の表面の少なくとも一部を有機ケイ素膜で被覆することにより得られたものであり、前記分散剤は、オキシアルキレン基を有する脂肪酸誘導体と、酸価が3mgKOH/g以上50mgKOH/g以下のアクリル系ポリマーと、からなる群より選択される少なくとも1種を含む。
【選択図】なし
Description
本発明に係る耐水化アルミニウム顔料分散液の一態様は、
耐水化アルミニウム顔料と、分散剤と、水系媒体と、を含有し、
前記耐水化アルミニウム顔料は、アルミニウム顔料の表面をシリカ膜で被覆し、該シリカ膜の表面の少なくとも一部を有機ケイ素膜で被覆することにより得られたものであり、
前記分散剤は、オキシアルキレン基を有する脂肪酸誘導体と、酸価が3mgKOH/g以上50mgKOH/g以下のアクリル系ポリマーと、からなる群より選択される少なくとも1種を含む。
適用例1において、
前記有機ケイ素膜は、下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を用いて形成されてもよい。
適用例2において、
前記一般式(1)中、R3は、
メチル基、
フェニル基、
または、メタクリロキシ基で置換されたプロピル基であることができる。
適用例1ないし適用例3のいずれか1例において、
前記脂肪酸誘導体は、下記一般式(2)で表される化合物であってもよい。
適用例1ないし適用例4のいずれか1例において、
前記アクリル系ポリマーは、ブロック共重合体またはグラフト共重合体であってもよい。
適用例1ないし適用例5のいずれか1例において、
前記アクリル系ポリマーのアミン価は、0mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることができる。
適用例1ないし適用例6のいずれか1例において、
前記アルミニウム顔料は、1nm以上100nm未満の平均厚みを有し、かつ、0.5μm以上3μm以下の50%平均粒子径を有し、
前記アルミニウム顔料を構成する顔料粒子の形状は、平板状であることができる。
適用例1ないし適用例7のいずれか1例において、
前記シリカ膜は、テトラエトキシシランを用いて形成されてもよい。
本発明に係る水性インク組成物の一態様は、
適用例1ないし適用例8のいずれか1例に記載の耐水化アルミニウム顔料分散液を含有する。
適用例9において、
さらに、有機溶剤を含み、
前記有機溶剤の含有量が50質量%以上であることができる。
本発明の一実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、耐水化アルミニウム顔料と、分散剤と、水系媒体と、を含有し、前記耐水化アルミニウム顔料は、アルミニウム顔料の表面をシリカ膜で被覆し、該シリカ膜の表面の少なくとも一部を有機ケイ素膜で被覆することにより得られたものであり、前記分散剤は、オキシアルキレン基を有する脂肪酸誘導体と、酸価が3mgKOH/g以上50mgKOH/g以下のアクリル系ポリマーと、からなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする。
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液に含まれる耐水化アルミニウム顔料は、アルミニウム顔料の表面をシリカ膜で被覆し、該シリカ膜の表面の少なくとも一部を有機ケイ素膜で被覆することにより得られたものである。
本発明において、顔料とは、複数の顔料粒子から構成される顔料粒子の集合体のことをいう。アルミニウム顔料を構成する顔料粒子は、その形状が平板状であることが好ましい。アルミニウム顔料を構成する顔料粒子が平板状であると、良好な金属光沢性が得られやすい点で好ましい。
ここで、得られるCV値は、好ましくは60以下であり、より好ましくは50以下であり、特に好ましくは40以下である。CV値が60以下のアルミニウム顔料を選択することで、記録安定性に優れるという効果が得られる。
アルミニウム顔料の表面を被覆するシリカ膜は、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシランなどのテトラアルコキシシランを用いて形成できる。テトラアルコキシシランを用いると、顔料の表面に均一かつ平坦な膜を形成できるという点で好ましい。
シリカ膜の表面の少なくとも一部を被覆する有機ケイ素膜は、下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を用いて形成することが好ましい。
好ましくは、置換基を有していないメチル基、置換基を有していないフェニル基、メタクリロキシ基で置換されたプロピル基であり、特に好ましくは、置換基を有していないフェニル基、メタクリロキシ基で置換されたプロピル基である。これにより、耐水化アルミニウム顔料分散液の貯蔵安定性を一層向上できたり、記録される画像の金属光沢性を一層向上できたりする場合がある。
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、分散剤を含有する。分散剤の機能としては、耐水化アルミニウム顔料の水分散性を向上させて、耐水化アルミニウム顔料の凝集を抑制することが挙げられる。
分散剤として使用される脂肪酸誘導体は、オキシアルキレン基を有する。オキシアルキレン基を有する脂肪酸誘導体としては、下記一般式(2)で表される化合物を用いることが好ましい。下記一般式(2)で表される化合物は、有機ケイ素膜の表面および内部の少なくとも一方に導入されて、耐水化アルミニウム顔料の水分散性を向上(すなわち、耐水化アルミニウム顔料同士の凝集を抑制)させることができる。
分散剤として使用されるアクリル系ポリマーは、酸価が3mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることを特徴とする。酸価が上記範囲内にあるアクリル系ポリマーは、有機ケイ素膜やシリカ系膜の表面に吸着して、電気的反発作用や立体障害作用により、水系媒体中に存在する顔料粒子同士の凝集を抑制することができる。
下であることが好ましく、0mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であることがより好ましい。アミン価が上記範囲内にあると、水系媒体中における耐水化アルミニウム顔料の分散性や、耐水化アルミニウム顔料分散液の貯蔵安定性を一層向上できる場合がある。
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、水系媒体を含有する。
できる。水系媒体の含有量が上記範囲内、とりわけ40質量部以上であると、環境負荷の低減という点や、取り扱いが容易な範囲の粘度に設定できるという点から好ましい。また、水系媒体の含有量が上記範囲内、とりわけ50質量部以下であることで、耐水化アルミニウム顔料と水との反応によるガスの発生や、耐水化アルミニウム顔料の白色化等を低減できる場合がある。
<有機溶剤>
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、有機溶剤を含有してもよい。
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、塩基性触媒を含有してもよい。塩基性触媒は、シリカ膜を形成する際や、有機ケイ素膜を形成する際に用いることができる。
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤を添加することで、耐水化アルミニウム顔料の水分散性を向上できる場合がある。
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、第三級アミンを含有してもよい。第三級アミンは、立体障害効果やpH調製作用により、耐水化アルミニウム顔料の分散性を向上できる場合がある。
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、緩衝液を含有してもよい。緩衝液を含有することで、分散液のpHの振れ幅が小さくなり、pHを所望の範囲に保つことができる。これにより、アルミニウム顔料と水系媒体との反応に伴うガスの発生や、耐水化アルミニウム顔料の溶出等、分散液のpHに起因して生じる不具合を抑制できる場合がある。
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、耐水化アルミニウム顔料と水系媒体との反応を抑制したり、耐水化アルミニウムの溶出を抑制するという観点から、pHが5.0以上8.5以下であることが好ましく、7.0以上8.5以下であることがより好ましい。これにより、耐水化アルミニウム顔料分散液の貯蔵安定性を向上できる場合がある。
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液によれば、アルミニウム顔料の表面がシリカ膜で被覆され、該シリカ膜の表面の少なくとも一部が有機ケイ素膜で被覆されることにより、耐水性が付与されるので、水性塗料や水性インク組成物に配合されたときの白色化を防止でき、優れた金属光沢性を有している。また、上述した分散剤を用いるため、水分散性及び貯蔵安定性に優れた耐水化アルミニウム顔料分散液となる。
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、例えば以下の製造方法により得ることができる。なお、本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法は、以下の例に限定されるものではない。
有機溶剤中にアルミニウム顔料を分散させたアルミニウム顔料分散液を準備する工程(a)と、
前記アルミニウム分散液中にテトラエトキシシラン(以下「TEOS」ともいう。)を添加して、前記アルミニウム顔料の表面にシリカ膜を形成する工程(b)と、
前記アルミニウム分散液中に有機ケイ素化合物を添加して、前記シリカ膜の表面の少なくとも一部に有機ケイ素膜を形成する工程(c)と、
前記有機溶剤の少なくとも一部を除去する工程(d)と、
分散剤を含有する水溶液を添加する工程(e)と、
を含む。
工程(a)は、有機溶剤中にアルミニウム顔料を分散させたアルミニウム顔料分散液を準備する工程である。
ることが好ましい。5000nm以下であると、複合化顔料原体をロール状に丸めた場合でも、ひび割れ、剥離を生じ難く、保存性に優れる。また、顔料化した場合も金属光沢性に優れており好ましい。また、シート状基材面の両面に、剥離用樹脂層とアルミニウム層とが順次積層された構造も挙げられるが、これらに制限されるものではない。
工程(b)は、前記アルミニウム分散液中にTEOSを添加して、前記アルミニウム顔料の表面にシリカ膜を形成する工程である。TEOSを添加して十分に攪拌することにより、アルミニウム顔料の表面に存在する水酸基とTEOS由来のシラノール基とが加水分解縮合して、アルミニウム顔料の表面にシリカ膜が形成される。アルミニウム顔料の表面にシリカ膜が形成されることで、アルミニウム顔料と水とが直接接触することを抑制できるため、アルミニウム顔料に耐水性を付与することができる。
工程(c)は、前記アルミニウム分散液中に上述の有機ケイ素化合物(好ましくは上記一般式(1)の有機ケイ素化合物)を添加して、前記シリカ膜の表面の少なくとも一部に有機ケイ素膜を形成する工程である。アルミニウム顔料がシリカ膜および有機ケイ素膜の
2層で被覆されるので、アルミニウム顔料の耐水性が一層向上する。
工程(d)は、前記有機溶剤の少なくとも一部を除去する工程である。
工程(e)は、上記分散剤および水系媒体を添加する工程である。このようにして、耐水化アルミニウム顔料が分散剤によって水中に分散した耐水化アルミニウム顔料分散液を得ることができる。
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法は、上記工程(e)の後に、エージングする工程を含んでいてもよい。
本実施形態に係る水性インク組成物は、前述の耐水化アルミニウム顔料分散液を含有することを特徴とする。本実施形態に係る水性インク組成物は、水分散性に優れる前述の耐水化アルミニウム顔料を含有するので、インクジェットプリンターに適用した場合においても耐水化アルミニウム顔料同士が凝集することによるノズルの目詰まりが抑制される。これにより、インクの吐出安定性が良好となる。本願発明において「水性インク組成物」とは、溶媒として水を30質量%以上、好ましくは40質量%以上含有するインク組成物のことをいう。水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を紫外線照射または過酸化水素添加などにより滅菌処理した水は、長期間に亘りカビやバクテリアの発生を抑制することができるので好ましい。
系界面活性剤は、記録媒体等の被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えば、オルフィンE1010、STG、Y(以上、日信化学工業株式会社製)、サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、Air
Products and Chemicals Inc.製)が挙げられる。ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK−347、BYK−348(以上、ビックケミー・ジャパン株式会社製)等が挙げられる。さらに、水性インク組成物には、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などのその他の界面活性剤を含有することもできる。
他に、上記のアルカンジオール、ピロリドン誘導体等が挙げられる。
以下、本発明を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
4.1.1.実施例1
<工程(a)>
膜厚100μmのPETフィルム上に、セルロースアセテートブチレート(ブチル化率35〜39%、関東化学株式会社製)3.0質量%及びジエチレングリコールジエチルエーテル(日本乳化剤株式会社製)97質量%からなる樹脂層塗工液をバーコート法によって均一に塗布し、60℃、10分間乾燥することで、PETフィルム上に樹脂層薄膜を形成した。次いで、真空蒸着装置(「VE−1010型真空蒸着装置」、株式会社真空デバイス製)を用いて、上記の樹脂層上に平均膜厚20nmのアルミニウム蒸着層を形成した。次いで、上記方法にて形成した積層体を、ジエチレングリコールジエチルエーテル中、VS−150超音波分散機(アズワン株式会社製)を用いて、剥離・微細化・分散処理を同時に行い、積算の超音波分散処理時間が12時間であるアルミニウム顔料分散液を作製した。得られたアルミニウム顔料分散液を、開き目5μmのSUSメッシュフィルターにてろ過処理を行い、粗大粒子を除去した。次いで、ろ液を丸底フラスコに入れ、ロータリーエバポレーターを用いてジエチレングリコールジエチルエーテルを留去した。これにより、アルミニウム顔料分散液を濃縮し、その後、そのアルミニウム顔料分散液の濃度調整を行い、5.0質量%のアルミニウム顔料分散液を得た。
次いで、得られたアルミニウム顔料分散液100質量部をビーカーに投入し、これにテトラエトキシシラン(TEOS)10.4質量部、塩基性触媒である1mol/Lアンモニア水2質量部を添加して、7日間室温で攪拌することにより加水分解縮合させた。これにより、表面にシリカ膜が形成されたアルミニウム顔料を含有する第1のアルミニウム顔料分散液を得た。
次に、第1のアルミニウム顔料分散液中に、有機ケイ素化合物(3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン)1.65質量部を添加して、7日間室温で攪拌することにより加水分解縮合させた。このようにして、アルミニウム顔料の表面がシリカ膜で被覆され
、シリカ膜の表面が有機シリカ膜で被覆されたアルミニウム顔料(耐水化アルミニウム顔料)を含有する第2のアルミニウム顔料分散液を得た。
次いで、それを遠心分離(10,000rpm、60分間)し、その上澄み液である第2のアルミニウム顔料分散液中に含まれる有機溶剤(ジエチレングリコールジエチルエーテル)の一部を除去して、第3のアルミニウム顔料分散液を得た。
次いで、下記一般式(3)で表される化合物をイオン交換水に完全に溶解させて得られた水溶液を第3のアルミニウム顔料分散液に添加して、1日間室温で攪拌した。このようにして、実施例1に係る耐水化アルミニウム顔料分散液を得た。実施例1の耐水化アルミニウム顔料分散液の組成を表1に示す。
実施例2〜4に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、表1に記載されている分散剤に代えた以外は、実施例1と同様にして得られた。実施例5および6に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、表1に記載されている有機ケイ素化合物に代えた以外は、実施例1と同様にして得られた。
・ポリマー1:酸価20mgKOH/g、アミン価20mgKOH/g、コントロール重合のアクリル系ポリマー
・ポリマー2:酸価7mgKOH/g、アミン価7mgKOH/g、コントロール重合のアクリル系ポリマー
・ポリマー3:酸価10mgKOH/g、アミン価0mgKOH/g、コントロール重合のアクリル系ポリマー
LC−20AP)を用いて精製することによって、下記一般式(3)表される化合物Aを得た。化合物の同定はNMR(日本電子株式会社製 JNM−ECS400)、FT-IR(デジラボ社製 FTS7000)、ESI-MS(マイクロマス社製 Q-Tof)
にて行ったところ、下記一般式(3)におけるnが8〜19となる化合物を含んだ分子量分布を有する混合物であることが判明した。
<分散性の評価>
10μmのフィルター(MILIPORE社製、MITEX MEMBRANE FILTERS(型番:LCWPO4700))に対して、上記で得られた耐水化アルミニウム顔料分散液がどれだけ通過するかにより、水分散性を評価した。分散性の評価基準は、以下の通りである。評価試験の結果を表1に併せて示す。
「B」・・・・フィルター通過量が30mL以上50mL未満
「C」・・・・フィルター通過量が10mL以上30mL未満
「D」・・・・フィルター通過量が10mL未満
サンプル瓶に上記で得られた耐水化アルミニウム顔料分散液を10mL加え、密栓して25℃恒温下に静置した。その経時変化を目視により観察することで、耐水化アルミニウム顔料分散液の貯蔵安定性を評価した。貯蔵安定性の評価基準は、以下の通りである。評価試験の結果を表1に併せて示す。
「B」・・・30日後の時点において白色化及び分離せず
「C」・・・30日未満で白色化又は分離
上記で得られた耐水化アルミニウム顔料分散液のいずれか1種を印画紙(「PM写真用紙(光沢)型番:KA450PSK」、セイコーエプソン株式会社製)に滴下・塗布して、室温で1日間乾燥させた。得られたサンプルを目視及び走査型電子顕微鏡(S−4700、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、以下「SEM」ともいう。)により観察することで、耐水化アルミニウム顔料の光沢性を評価した。耐水化アルミニウム顔料の光沢性の評価基準は、以下の通りである。評価試験の結果を表1に併せて示す。
「B」・・・光沢性がやや良好(金属光沢性に優れているが、ややマット調である。)
「C」・・・光沢性が不良(金属光沢性がなく、黒ずんだ灰色を呈している。)
表1に、実施例1〜6及び比較例1および2で得られた耐水化アルミニウム顔料分散液の水分散性、貯蔵安定性、光沢性の評価試験の結果を示す。なお、表1中の数値の単位は、「質量%」である。
4.2.1.水性インク組成物の調製
以下の組成となるように、耐水化アルミニウム顔料分散液、1,2−ヘキサンジオール、ウレタン樹脂(商品名「レザミン D1060」、大日本精化工業株式会社製)、プロピレングリコール、2−ピロリドン、オルフィンE1010(日信化学工業株式会社製、アセチレングリコール系界面活性剤)、トリエタノールアミン、イオン交換水を混合、攪拌した。
実施例1の耐水化アルミニウム顔料分散液(固形分) 1.5質量%
1,2−ヘキサンジオール 5質量%
ウレタン樹脂 0.1質量%
ジエチレングリコールジエチルエーテル 1質量%
プロピレングリコール 50質量%
2−ピロリドン 5質量%
オルフィンE1010 1質量%
トリエタノールアミン 0.4質量%
イオン交換水 残分
合計 100質量%
実施例2の耐水化アルミニウム顔料分散液(固形分) 1.5質量%
1,2−ヘキサンジオール 5質量%
ウレタン樹脂 0.1質量%
ジエチレングリコールジエチルエーテル 1質量%
プロピレングリコール 50質量%
2−ピロリドン 5質量%
オルフィンE1010 1質量%
トリエタノールアミン 0.4質量%
イオン交換水 残分
合計 100質量%
インクジェットプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジに上記の水性インク組成物を充填したインクカートリッジを作製した。次に、得
られたインクカートリッジをインクジェットプリンターPX−G930のブラック列に装着し、これ以外のノズルには市販のインクカートリッジを装着した。なお、ブラック列以外に装着した市販のカートリッジは、ダミーとして用いるものであり、本実施例の評価では使用しないので、本発明の効果に関与するものではない。
上記の水性インク組成物AおよびBともに、プリンターのノズルから問題なく吐出できることが確認できた。
Claims (10)
- 耐水化アルミニウム顔料と、分散剤と、水系媒体と、を含有し、
前記耐水化アルミニウム顔料は、アルミニウム顔料の表面をシリカ膜で被覆し、該シリカ膜の表面の少なくとも一部を有機ケイ素膜で被覆することにより得られたものであり、
前記分散剤は、オキシアルキレン基を有する脂肪酸誘導体と、酸価が3mgKOH/g以上50mgKOH/g以下のアクリル系ポリマーと、からなる群より選択される少なくとも1種を含む、耐水化アルミニウム顔料分散液。 - 請求項2において、
前記一般式(1)中、R3は、
メチル基、
フェニル基、
または、メタクリロキシ基で置換されたプロピル基である、耐水化アルミニウム顔料分散液。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
前記アクリル系ポリマーは、ブロック共重合体またはグラフト共重合体である、耐水化アルミニウム顔料分散液。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
前記アクリル系ポリマーのアミン価は、0mgKOH/g以上30mgKOH/g以下である、耐水化アルミニウム顔料分散液。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
前記アルミニウム顔料は、1nm以上100nm未満の平均厚みを有し、かつ、0.5μm以上3μm以下の50%平均粒子径を有し、
前記アルミニウム顔料を構成する顔料粒子の形状は、平板状である、耐水化アルミニウム顔料分散液。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
前記シリカ膜は、テトラエトキシシランを用いて形成される、耐水化アルミニウム顔料分散液。 - 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の耐水化アルミニウム顔料分散液を含有する、水性インク組成物。
- 請求項9において、
さらに、有機溶剤を含み、
前記有機溶剤の含有量が50質量%以上である、水性インク組成物。
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