JP2010202815A - 耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法、耐水化アルミニウム顔料およびそれを含有する水性インク組成物 - Google Patents

耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法、耐水化アルミニウム顔料およびそれを含有する水性インク組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】水性塗料や水性インクに配合された時の白色化を防止すると共に、金属光沢性に優れた耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法は、(a)シート状基材面に、剥離用樹脂層とアルミニウム層とが順次積層された構造からなる複合化顔料原体を作製する工程と、(b)前記複合化顔料原体から前記シート状基材を剥離して複合化顔料を作製する工程と、(c)前記複合化顔料を破砕してアルミニウム顔料分散液を作製する工程と、を含み、前記工程(b)および前記工程(c)の少なくとも一方の工程は、リン系界面活性剤が添加された有機溶媒中で行われることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法、耐水化アルミニウム顔料およびそれを含有する水性インク組成物に関する。
従来、印刷物上に金属光沢を有する塗膜を形成する手法として、真鍮、アルミニウム微粒子等から作製された金粉、銀粉を顔料に用いた印刷インキや金属箔を用いた箔押し印刷、金属箔を用いた熱転写方式等が用いられている。
近年、印刷におけるインクジェットの応用例が数多く見受けられ、その中の一つの応用例としてメタリック印刷があり、金属光沢を有するインクの開発が進められている。例えば、特許文献1には、アルキレングリコール等の有機溶媒をベースとしたアルミニウム顔料分散液およびそれを含有する非水系インク組成物が開示されている。
その一方で、地球環境面および人体への安全面等の観点から、有機溶媒をベースとした非水系インク組成物よりも水系インク組成物の開発が望まれているという実態がある。
しかしながら、アルミニウム顔料は、水中に分散させると水との反応により水素ガスを発生すると共にアルミナを形成することで白色化し、金属光沢が損なわれるという問題があった。そのため、アルミニウム顔料を含有するインク組成物は、水をほとんど含有しない有機溶媒をベースとしたものにせざるを得なかった。
特開2008−174712号公報
本発明は、水性塗料や水性インクに配合された時の白色化を防止すると共に、金属光沢性に優れた耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法は、
(a)シート状基材面に、剥離用樹脂層とアルミニウム層とが順次積層された構造からなる複合化顔料原体を作製する工程と、
(b)前記複合化顔料原体から前記シート状基材を剥離して複合化顔料を作製する工程と、
(c)前記複合化顔料を破砕してアルミニウム顔料分散液を作製する工程と、を含み、
前記工程(b)および前記工程(c)の少なくとも一方の工程は、リン系界面活性剤が添加された有機溶媒中で行われることを特徴とする。
本発明に係る耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法において、前記工程(b)および前記工程(c)の少なくとも一方の工程は、前記リン系界面活性剤が添加された有機溶媒中で超音波処理する手段を含むことができる。
本発明に係る耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法において、前記工程(b)および前記工程(c)の少なくとも一方の工程は、前記リン系界面活性剤が添加された有機溶媒中に浸漬する手段を含むことができる。
本発明に係る耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法において、前記リン系界面活性剤が添加された有機溶媒中のリン系界面活性剤の濃度は、1質量%〜15質量%であることができる。
本発明に係る耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法において、前記リン系界面活性剤は、リン酸エステル型アニオン性界面活性剤であることができる。
本発明に係る耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法において、前記有機溶媒は、ジエチレングリコールジエチルエーテルまたはトリエチレングリコールモノブチルエーテルであることができる。
本発明に係る耐水化アルミニウム顔料分散液は、上記の耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法により製造されたものである。
本発明に係る耐水化アルミニウム顔料分散液において、前記アルミニウム顔料分散液中のアルミニウム顔料は、平板状粒子であり、該平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、該平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/Z>5の条件を満たすことができる。
本発明に係る水性インク組成物は、上記の耐水化アルミニウム顔料分散液を含有する。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
1.耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法
本発明の一実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法は、
(a)シート状基材面に、剥離用樹脂層とアルミニウム層とが順次積層された構造からなる複合化顔料原体を作製する工程と、
(b)前記複合化顔料原体から前記シート状基材を剥離して複合化顔料を作製する工程と、
(c)前記複合化顔料を破砕してアルミニウム顔料分散液を作製する工程と、を含み、
前記工程(b)および前記工程(c)の少なくとも一方の工程は、リン系界面活性剤が添加された有機溶媒中で行われることを特徴とする。
以下、本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法の一例を説明する。
1.1 工程(a)
まず、シート状基材を用意する。シート状基材としては、特に制限されないが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ナイロン66、ナイロン6などのポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートフィルム、ポリイミドフィルムなどの離型性フィルムが挙げられる。これらのうち、ポリエチレンテレフタレートまたはその共重合体が好ましい。
前記シート状基材の厚さは、特に制限されないが、好ましくは10〜150μmである。10μm以上であれば、工程等で取扱い性に問題がなく、150μm以下であれば、柔軟性に富み、ロール化、剥離等に問題がない。
次いで、前記シート状基材面に剥離用樹脂層とアルミニウム層とが順次積層された構造からなる複合化顔料原体を作製する。
前記剥離用樹脂層は、アルミニウム層のアンダーコート層であり、シート状基材面との剥離性を向上させるための剥離性層である。この剥離用樹脂層に用いる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、セルロース誘導体、アクリル酸重合体または変性ナイロン樹脂が好ましい。
前記例示した樹脂の1種または2種以上の混合物の溶液を記録媒体に塗布し乾燥させることにより、剥離用樹脂層を形成することができる。塗布後は、粘度調整剤などの添加剤を添加することもできる。
前記剥離用樹脂層の塗布は、一般的に用いられているグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布、ディップ塗布、スピンコート法などの公知の技術を用いることができる。塗布・乾燥後、必要であればカレンダー処理により表面の平滑化を行うことができる。
剥離用樹脂層の厚さは、特に制限されないが、好ましくは0.5〜50μmであり、より好ましくは1〜10μmである。0.5μm未満では分散樹脂としての量が不足し、50μmを超えるとロール化した場合、アルミニウム層との界面で剥離しやすいものとなってしまう。
前記アルミニウム層としては、単体のアルミニウムだけではなく、アルミニウム合金を用いてもよい。アルミニウム合金を用いる場合、アルミニウムに添加し得る金属元素または非金属元素としては、金属光沢等の機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、銅等が挙げられ、これらの単体またはこれらの合金およびこれらの混合物の少なくとも1種が好適に用いられる。
前記アルミニウム層を積層させる手段としては、真空蒸着、イオンプレーティングまたはスパッタリング法を適用することが好ましい。
前記アルミニウム層の厚さは、20nm以上100nm以下で形成される。これにより、平均厚みが20nm以上100nm以下のアルミニウム顔料が得られる。20nm以上にすることで、反射性、光輝性に優れ、アルミニウム顔料としての性能が高くなり、100nm以下にすることで、見かけ比重の増加を抑え、アルミニウム顔料の分散安定性を確保することができる。
また、前記アルミニウム層は、特開2005−68250号公報に例示されるように、保護層で挟まれていてもよい。該保護層としては、酸化ケイ素層、保護用樹脂層が挙げられる。
前記酸化ケイ素層は、酸化ケイ素を含有する層であれば特に制限されるものではないが、ゾル−ゲル法によって、テトラアルコキシシランなどのシリコンアルコキシドまたはその重合体から形成されることが好ましい。シリコンアルコキシドまたはその重合体を溶解したアルコール溶液を塗布し、加熱焼成することにより、酸化ケイ素層の塗膜を形成する。
前記保護用樹脂層としては、分散媒に溶解しない樹脂であれば特に制限されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、セルロース誘導体等を挙げることができる。これらのうち、ポリビニルアルコールまたはセルロース誘導体から形成されることが好ましい。
前記例示した樹脂1種または2種以上の混合物の水溶液を塗布し乾燥させると、前記保護用樹脂層を形成することができる。塗布液には、粘度調整剤などの添加剤を添加することができる。前記酸化ケイ素および樹脂の塗布は、前記剥離用樹脂層の塗布と同様の手法により行われる。
前記保護層の厚さは、特に制限されないが、50〜150μmの範囲が好ましい。50nm未満では機械的強度が不足であり、150nmを超えると強度が高くなりすぎるため粉砕・分散が困難となり、またアルミニウム層との界面で剥離してしまう場合がある。
また、特開2005−68251号公報に例示されるように、前記「保護層」と「アルミニウム層」との間に色材層を有していてもよい。
色材層は、任意の着色複合顔料を得るために導入するものであり、本実施形態に使用するアルミニウム顔料の金属光沢、光輝性、背景隠蔽性に加え、任意の色調、色相を付与できる色材を含有できるものであれば特に制限されるものではない。この色材層に用いる色材としては、染料、顔料のいずれでもよい。また、染料、顔料としては、公知のものを適宜使用することができる。
この場合、色材層に用いられる「顔料」とは、一般的な工学の分野で定義される、天然顔料、合成有機顔料、合成無機顔料等を意味する。
前記色材層の形成方法としては、特に制限されないが、コーティングにより形成することが好ましい。また、色材層に用いられる色材が顔料の場合は、色材分散用樹脂をさらに含むことが好ましく、該色材分散用樹脂としては、顔料と色材分散用樹脂と必要に応じてその他の添加剤等を溶媒に分散または溶解させ、溶液としてスピンコートで均一な液膜を形成した後、乾燥させて樹脂薄膜として作製されることが好ましい。なお、複合化顔料原体の製造において、上記の色材層と保護層の形成がともにコーティングにより行われることが、作業効率上好ましい。
前記複合化顔料原体としては、前記剥離用樹脂層とアルミニウム層との順次積層構造を複数有する層構成も可能である。その際、複数のアルミニウム層からなる積層構造の全体の厚み、すなわち、シート状基材とその直上の剥離用樹脂層を除いた、アルミニウム層−剥離用樹脂層−アルミニウム層、または剥離用樹脂層−アルミニウム層の厚みは5000nm以下であることが好ましい。5000nm以下であると、複合化顔料原体をロール状に丸めた場合でも、ひび割れ、剥離を生じ難く、保存性に優れる。また、顔料化した場合も金属光沢性に優れており好ましいものである。また、シート状基材面の両面に、剥離用樹脂層とアルミニウム層とが順次積層された構造も挙げられるが、これらに制限されるものではない。
1.2 工程(b)
次いで、工程(a)で得られた前記複合化顔料原体から前記シート状基材を剥離して複合化顔料を作製する。前記複合化顔料原体から前記シート状基材を剥離する方法としては、特に限定されないが、前記複合化顔料原体をリン系界面活性剤が添加された有機溶媒中に浸漬する方法、前記複合化顔料原体をリン系界面活性剤が添加された有機溶媒中に浸漬すると同時に超音波処理を行う方法が好ましい。リン系界面活性剤が添加された有機溶媒中で剥離処理を行うことで、複合化顔料に耐水性を付与することができるだけでなく、アルミニウム層の金属光沢性を保持する効果が発現する。なお、本工程(b)および後記工程(c)の少なくとも一方の工程がリン系界面活性剤を添加した有機溶媒中で行われることで、本願発明の効果が得られる。したがって、後記工程(c)がリン系界面活性剤を添加した有機溶媒中で行われる場合には、本工程(b)はリン系界面活性剤を添加していない有機溶媒中で行ってもよい。
リン系界面活性剤としては、リン酸エステル型アニオン性界面活性剤であることが好ましい。リン酸エステル型アニオン性界面活性剤としては、(ジ)ポリオキシエチレンアルキル(C10〜C16)エーテルリン酸、(ジ)ポリオキシエチレンアルキル(C10〜C16)エーテルリン酸モノエタノールアミン、(ジ)ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸等が挙げられる。これらの中でも、アルキル鎖長がC12の(ジ)ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸モノエタノールアミンが特に好ましい。
市販されている(ジ)ポリオキシエチレンアルキル(C10〜C16)エーテルリン酸としては、例えば「プライサーフA−208B(C12)」、「プライサーフA−210D(C10)」(以上、第一工業製薬社製)等が挙げられる。
市販されている(ジ)ポリオキシエチレンアルキル(C10〜C16)エーテルリン酸モノエタノールアミンとしては、例えば「プライサーフM−208B(C12)」(第一工業製薬社製)等が挙げられる。
市販されている(ジ)ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸としては、例えば「プライサーフAL」(第一工業製薬社製)等が挙げられる。
リン系界面活性剤のHLB値は、3〜20、好ましくは8以上、より好ましくは13以上である。
有機溶媒としては、アルミニウム顔料の分散安定性を損なわず、前記リン系界面活性剤との相溶性に優れているものであればよいが、極性有機溶媒であることが好ましい。極性有機溶媒としては、例えば、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、フッ化アルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)等が挙げられる。
以上例示した極性有機溶媒の中でも、常温常圧下で液体であるアルキレングリコールモノエーテルまたはアルキレングリコールジエーテルであることがより好ましい。
アルキレングリコールモノエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
アルキレングリコールジエーテルとしては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
これらの中でも、リン系界面活性剤との相溶性に優れる観点から、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルであることがさらに好ましい。また、アルミニウム顔料の光沢性および耐水性を付与する観点から、ジエチレングリコールジエチルエーテルであることが特に好ましい。
リン系界面活性剤が添加された有機溶媒中のリン系界面活性剤の濃度は、好ましくは1〜15質量%であり、より好ましくは5〜15質量%であり、特に好ましくは5〜10質量%である。リン系界面活性剤の濃度が前記範囲未満であると、アルミニウム顔料に耐水性を付与する効果が不足し、経時的にアルミニウム顔料が白色化する傾向がある。一方、リン系界面活性剤の濃度が前記範囲を超えると、アルミニウム顔料の金属光沢性が低下すると共に、耐水性も低下する傾向がある。
1.3 工程(c)
次いで、前記工程(b)で得られた複合化顔料を破砕してアルミニウム顔料分散液を作製する。前記複合化顔料を破砕してアルミニウム顔料分散液を作製する方法としては、特に限定されないが、前記複合化顔料原体をリン系界面活性剤が添加された有機溶媒中に浸漬する方法、前記複合化顔料原体をリン系界面活性剤が添加された有機溶媒中に浸漬すると同時に超音波処理を行う方法が好ましい。リン系界面活性剤が添加された有機溶媒中で破砕処理を行うことで、破砕されたアルミニウム顔料に耐水性を付与することができるだけでなく、金属光沢性を保持する効果が発現する。なお、前記工程(b)および本工程(c)の少なくとも一方の工程がリン系界面活性剤を添加した有機溶媒中で行われることで、本願発明の効果が得られる。したがって、前記工程(b)がリン系界面活性剤を添加した有機溶媒中で行われる場合には、本工程(c)はリン系界面活性剤を添加していない有機溶媒中で行ってもよい。リン系界面活性剤を添加した有機溶媒については、前記工程(b)で説明したものと同じものを使用することができる。
以上の工程により得られたアルミニウム顔料分散液は、粗大粒子を含んでいるため、さらにろ過して粗大粒子を除去することで、粒径の揃ったアルミニウム顔料を含有するアルミニウム顔料分散液を得ることができる。
2.耐水化アルミニウム顔料
本実施形態に係る耐水化アルミニウム顔料は、上述した製造工程を経て得られるものである。上記工程により得られた耐水化アルミニウム顔料は、十分な耐水性が付与されているため、水中に分散させても水との反応により水素ガスを発生すると共にアルミナを形成することで白色化するといった反応が起こりにくい。また、該アルミニウム顔料分散液を水中に分散させたものは、映り込んだ物体が良好に判別できる程の鏡面光沢性を有している。
上記工程により得られたアルミニウム顔料分散液中のアルミニウム顔料の形状は、平板状粒子であって、該平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、該平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/Z>5の条件を満たすものである。
ここで、「平板状粒子」とは、略平坦な面(X−Y平面)を有し、かつ、厚み(Z)が略均一である粒子をいう。平板状粒子はアルミニウム蒸着膜を破砕して作製されたものであるため、略平坦な面と、略均一な厚みのアルミニウム粒子を得ることができる。したがって、この平板状粒子の長径をX、短径をY、厚みをZと定義することができる。
「円相当径」は、アルミニウム粒子の略平坦な面(X−Y平面)を、該アルミニウム粒子の投影面積と同じ投影面積を持つ円と想定したときの当該円の直径である。例えば、アルミニウム粒子の略平坦な面(X−Y平面)が多角形である場合、その多角形の投影面を円に変換して得られた当該円の直径を、そのアルミニウム粒子の円相当径という。
前記平板状粒子の略平坦な面(X−Y平面)の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50は、良好な金属光沢性および印字安定性を確保する観点から、好ましくは0.5μm〜3μmであることが好ましく、0.75μm〜2μmであることがより好ましい。R50が0.5μm未満の場合には、金属光沢が不足することがある。一方、R50が3μmを超える場合、印字安定性が低下することがある。
また、前記円相当径の50%平均粒子径R50と厚みZとの関係においては高い金属光沢を確保する観点からは、R50/Z>5である。R50/Zが5以下の場合は、金属光沢が不足するという問題がある。
前記平板状粒子の略平坦な面(X−Y平面)の面積より求めた円相当径の最大粒子径は、10μm以下であることが好ましい。最大粒子径を10μm以下にすることで、インクジェット記録装置のノズルや、インク流路内に設けられた異物除去フィルター等に該平板粒子が目詰まりすることを防止することができる。
前記平板状粒子の平面上の長径X、短径Y、円相当径は、粒子像分析装置を用いて測定することができる。粒子像分析装置としては、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100、FPIA−3000、FPIA−3000S(以上、シスメックス株式会社製)が挙げられる。
前記平板状粒子の粒度分布(CV値)は、下記式(1)より求めることができる。
CV値=粒度分布の標準偏差/粒子径の平均値×100 …(1)
ここで、得られるCV値は、好ましくは60以下であり、より好ましくは50以下であり、特に好ましくは40以下である。CV値が60以下の平板状粒子を選択することで、印字安定性に優れるという効果が得られる。
また、上記工程により得られたアルミニウム顔料分散液は、剥離用樹脂層が保護コロイドの役割を有するため、有機溶媒中での破砕処理を行うだけで安定な分散液を作製することが可能である。また、該顔料を用いた水性インク組成物においては、前記剥離用樹脂層由来の樹脂は、紙等の記録媒体に対する接着性を付与する機能も担う。
3.水性インク組成物
本実施形態に係る水性インク組成物は、上記の耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法によって製造されたアルミニウム顔料分散液を含有することを特徴とする。本明細書において、「水性インク組成物」とは、溶媒として水を70質量%以上含有するインク組成物のことをいう。水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を紫外線照射または過酸化水素添加などにより滅菌処理した水は、長期間に亘りカビやバクテリアの発生を抑制することができるので好ましい。
本実施形態に係る水性インク組成物中のアルミニウム顔料の濃度は、水性インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.1〜3.0質量%、より好ましくは0.25〜2.5質量%、特に好ましくは0.5〜2.0質量%である。
本実施形態に係る水性インク組成物は、必要に応じて、有機溶媒、樹脂類、界面活性剤、多価アルコール、酸化防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤等を添加することができる。
本実施形態に係る水性インク組成物の20℃における粘度は、好ましくは2〜10mPa・sであり、より好ましくは3〜5mPa・sである。水性インク組成物の20℃における粘度が上記範囲内にあると、インクジェット記録装置にさらに好適となり、ノズルから組成物が適量吐出され、組成物の飛行曲がりや飛散を一層低減することができる。
4.実施例
4.1 実施例1
膜厚100μmのPETフィルム上に、セルロースアセテートブチレート(ブチル化率35〜39%、関東化学社製)3.0質量%およびジエチレングリコールジエチルエーテル(日本乳化剤社製)97質量%からなる樹脂層塗工液をバーコート法によって均一に塗布し、60℃、10分間乾燥することで、PETフィルム上に樹脂層薄膜を形成した。
次いで、真空蒸着装置(「VE−1010型真空蒸着装置」、真空デバイス社製)を用いて、上記の樹脂層上に平均膜厚20nmのアルミニウム蒸着層を形成した。
次いで、上記方法にて形成した積層体を、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸モノエタノールアミン(商品名「プライサーフM−208B」、第一工業製薬社製)を5質量%となるように添加したジエチレングリコールジエチルエーテル中で、VS−150超音波分散機(アズワン社製)を用いて、剥離・微細化・分散処理を同時に行い、積算の超音波分散処理時間が12時間であるアルミニウム顔料分散液を作製した。
得られたアルミニウム顔料分散液を、開き目5μmのSUSメッシュフィルターにてろ過処理を行い、粗大粒子を除去した。次いで、ろ液を丸底フラスコに入れ、ロータリーエバポレーターを用いてジエチレングリコールジエチルエーテルを留去した。これにより、アルミニウム顔料分散液を濃縮し、その後、そのアルミニウム顔料分散液の濃度調整を行い、5質量%のアルミニウム顔料分散液Aを得た。
4.2 実施例2
実施例1における「ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸モノエタノールアミン(商品名「プライサーフM−208B」、第一工業製薬社製)を5質量%となるように添加したジエチレングリコールジエチルエーテル」に代えて、「ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸モノエタノールアミン(商品名「プライサーフM−208B」、第一工業製薬社製)を10質量%となるように添加したジエチレングリコールジエチルエーテル」を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム顔料分散液Bを得た。
4.3 実施例3
実施例1における「ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸モノエタノールアミン(商品名「プライサーフM−208B」、第一工業製薬社製)を5質量%となるように添加したジエチレングリコールジエチルエーテル」に代えて、「ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸モノエタノールアミン(商品名「プライサーフM−208B」、第一工業製薬社製)を15質量%となるように添加したジエチレングリコールジエチルエーテル」を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム顔料分散液Cを得た。
4.4 実施例4
実施例1における「ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸モノエタノールアミン(商品名「プライサーフM−208B」、第一工業製薬社製)を5質量%となるように添加したジエチレングリコールジエチルエーテル」に代えて、「ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸モノエタノールアミン(商品名「プライサーフM−208B」、第一工業製薬社製)を1質量%となるように添加したジエチレングリコールジエチルエーテル」を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム顔料分散液Dを得た。
4.5 実施例5
実施例1における「ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸モノエタノールアミン(商品名「プライサーフM−208B」、第一工業製薬社製)を5質量%となるように添加したジエチレングリコールジエチルエーテル」に代えて、「ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸(商品名「プライサーフA−208B」、第一工業製薬社製)を5質量%となるように添加したジエチレングリコールジエチルエーテル」を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム顔料分散液Eを得た。
4.6 実施例6
実施例1における「ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸モノエタノールアミン(商品名「プライサーフM−208B」、第一工業製薬社製)を5質量%となるように添加したジエチレングリコールジエチルエーテル」に代えて、「ポリオキシエチレンアルキル(C10)エーテルリン酸(商品名「プライサーフA−210D」、第一工業製薬社製)を5質量%となるように添加したジエチレングリコールジエチルエーテル」を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム顔料分散液Fを得た。
4.7 実施例7
実施例1における「ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸モノエタノールアミン(商品名「プライサーフM−208B」、第一工業製薬社製)を5質量%となるように添加したジエチレングリコールジエチルエーテル」に代えて、「ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸(商品名「プライサーフAL」、第一工業製薬社製)を5質量%となるように添加したジエチレングリコールジエチルエーテル」を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム顔料分散液Gを得た。
4.8 比較例1
実施例1における「ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸モノエタノールアミン(商品名「プライサーフM−208B」、第一工業製薬社製)を5質量%となるように添加したジエチレングリコールジエチルエーテル」に代えて、「ポリビニルピロリドン(商品名「ピッツコールK−30L」、第一工業製薬社製)を5質量%となるように添加したジエチレングリコールジエチルエーテル」を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム顔料分散液Hを得た。
4.9 比較例2
実施例1における「ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸モノエタノールアミン(商品名「プライサーフM−208B」、第一工業製薬社製)を5質量%となるように添加したジエチレングリコールジエチルエーテル」に代えて、「ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(商品名「ノイゲンTDS−80」、第一工業製薬社製)を5質量%となるように添加したジエチレングリコールジエチルエーテル」を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム顔料分散液Iを得た。
4.10 評価試験
4.10.1 耐水性評価試験
上記工程により得られたアルミニウム顔料分散液A〜Iのいずれか1種を水中に滴下して濃度が1質量%となるように調製し、25℃恒温下に静置した。その経時変化を目視により観察することで、アルミニウム顔料分散液の耐水性を評価した。アルミニウム顔料分散液の耐水性の評価基準は、以下のとおりである。
AA:30日以上白色化しなかった。
A :15日〜29日で白色化した。
B :5日〜14日で白色化した。
C :4日以内に白色化した。
4.10.2 光沢性評価試験
上記工程により得られたアルミニウム顔料分散液A〜Iのいずれか1種を水中に滴下して濃度が1質量%となるように調製した。これを印画紙(「PM写真用紙(光沢)型番:KA450PSK」、セイコーエプソン社製)に滴下・塗布して、室温で1日間乾燥させた。得られたサンプルを目視で観察することで、アルミニウム顔料の光沢性を評価した。アルミニウム顔料の光沢性の評価基準は、以下のとおりである。
AA:鏡面光沢(映り込んだ物体が良好に判別でき、鮮鋭性がある。)
A :光沢(金属光沢感は感じられるが、鮮鋭性がない。)
B :マット調(つや消し調の金属光沢がある。)
C :灰色調(金属光沢は感じられず、灰色として観察される。)
4.10.3 評価結果
表1に、上記工程により得られたアルミニウム顔料分散液A〜Iの耐水性および光沢性の評価試験の結果を示す。
Figure 2010202815
表1によれば、実施例1のアルミニウム顔料分散液Aは、剥離・微細化・分散処理をリン系界面活性剤(プライサーフM−208B)が5質量%となるように添加されたジエチレングリコールジエチルエーテル中で行うことにより、優れた耐水性および光沢性が付与された。
実施例2のアルミニウム顔料分散液Bは、剥離・微細化・分散処理をリン系界面活性剤(プライサーフM−208B)が10質量%となるように添加されたジエチレングリコールジエチルエーテル中で行うことにより、優れた耐水性および光沢性が付与された。
実施例3のアルミニウム顔料分散液Cは、剥離・微細化・分散処理をリン系界面活性剤(プライサーフM−208B)が15質量%となるように添加されたジエチレングリコールジエチルエーテル中で行うことにより、耐水性および光沢性が付与された。しかしながら、アルミニウム顔料分散液Cは、アルミニウム顔料分散液AやBと比較すると、耐水性および光沢性がやや低下することが分かった。
実施例4のアルミニウム顔料分散液Dは、剥離・微細化・分散処理をリン系界面活性剤(プライサーフM−208B)が1質量%となるように添加されたジエチレングリコールジエチルエーテル中で行うことにより、耐水性および光沢性が付与された。しかしながら、アルミニウム顔料分散液Dは、アルミニウム顔料分散液AやBと比較すると、特に耐水性が低下することが分かった。
実施例5のアルミニウム顔料分散液Eは、剥離・微細化・分散処理をリン系界面活性剤(プライサーフA−208B)が5質量%となるように添加されたジエチレングリコールジエチルエーテル中で行うことにより、耐水性および光沢性が付与された。しかしながら、アルミニウム顔料分散液Eは、アルミニウム顔料分散液Aと比較すると、耐水性および光沢性が低下することが分かった。
実施例6のアルミニウム顔料分散液Fは、剥離・微細化・分散処理をリン系界面活性剤(プライサーフA−210D)が5質量%となるように添加されたジエチレングリコールジエチルエーテル中で行うことにより、耐水性および光沢性が付与された。しかしながら、アルミニウム顔料分散液Fは、アルミニウム顔料分散液Aと比較すると、耐水性および光沢性が低下することが分かった。
実施例7のアルミニウム顔料分散液Gは、剥離・微細化・分散処理をリン系界面活性剤(プライサーフAL)が5質量%となるように添加されたジエチレングリコールジエチルエーテル中で行うことにより、耐水性および光沢性が付与された。しかしながら、アルミニウム顔料分散液Gは、アルミニウム顔料分散液Aと比較すると、耐水性および光沢性が低下することが分かった。
比較例1のアルミニウム顔料分散液Hは、剥離・微細化・分散処理をポリビニルピロリドン(ピッツコールK−30L)が5質量%となるように添加されたジエチレングリコールジエチルエーテル中で行ったが、耐水性および光沢性は全く付与されなかった。
比較例2のアルミニウム顔料分散液Iは、剥離・微細化・分散処理をポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(ノイゲンTDS−80)が5質量%となるように添加されたジエチレングリコールジエチルエーテル中で行ったが、耐水性および光沢性は全く付与されなかった。
以上の結果より、剥離・微細化・分散処理をリン系界面活性剤が添加されたジエチレングリコールジエチルエーテル中で行うことにより、アルミニウム顔料に耐水性および光沢性を付与できることが分かった。また、リン系界面活性剤の種類や濃度によって、アルミニウム顔料に耐水性または光沢性を付与する能力が異なることが分かった。特に、剥離・微細化・分散処理をポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸モノエタノールアミン(プライサーフM−208B)が5〜10質量%となるように添加されたジエチレングリコールジエチルエーテル中で行うことで、アルミニウム顔料に優れた耐水性および光沢性を付与できることが分かった。

Claims (9)

  1. (a)シート状基材面に、剥離用樹脂層とアルミニウム層とが順次積層された構造からなる複合化顔料原体を作製する工程と、
    (b)前記複合化顔料原体から前記シート状基材を剥離して複合化顔料を作製する工程と、
    (c)前記複合化顔料を破砕してアルミニウム顔料分散液を作製する工程と、を含み、
    前記工程(b)および前記工程(c)の少なくとも一方の工程は、リン系界面活性剤が添加された有機溶媒中で行われることを特徴とする、耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記工程(b)および前記工程(c)の少なくとも一方の工程は、前記リン系界面活性剤が添加された有機溶媒中で超音波処理する手段を含む、耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法。
  3. 請求項1において、
    前記工程(b)および前記工程(c)の少なくとも一方の工程は、前記リン系界面活性剤が添加された有機溶媒中に浸漬する手段を含む、耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
    前記リン系界面活性剤が添加された有機溶媒中のリン系界面活性剤の濃度は、1質量%〜15質量%である、耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
    前記リン系界面活性剤は、リン酸エステル型アニオン性界面活性剤である、耐水化アルミニウム顔料分散液の製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
    前記有機溶媒は、ジエチレングリコールジエチルエーテルまたはトリエチレングリコールモノブチルエーテルである、耐水化アルミニウム顔料の製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の製造方法により製造された、耐水化アルミニウム顔料分散液。
  8. 請求項7に記載のアルミニウム顔料分散液中のアルミニウム顔料は、平板状粒子であり、該平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、該平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/Z>5の条件を満たす、耐水化アルミニウム顔料分散液。
  9. 請求項7または請求項8に記載の耐水化アルミニウム顔料分散液を含有する、水性インク組成物。
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