JP2013177529A - インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】光輝性画像の光輝性を一層向上させることができると共に、インクジェット記録装置を構成する部材に光輝性顔料が付着し難いインク組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係るインク組成物は、(A)光輝性顔料と、(B1)硫黄原子及び窒素原子を含有する化合物または(B2)塩素原子を含有する化合物と、(C)水と、を含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、インク組成物、特に光輝性顔料を含み、光輝性に優れた画像を形成することが可能なインク組成物に関する。
従来、印刷物上に光輝性を有する画像(以下「光輝性画像」という。)を形成する手法としては、真鍮、アルミニウム粒子、銀粒子等から作製された金粉、銀粉を顔料に用いた印刷インキや金属箔を用いた箔押し印刷、金属箔を用いた熱転写方式等が用いられてきた。
近年、印刷におけるインクジェット方式への応用例が数多く見受けられ、その中の一つの応用例として、メタリック印刷がある。例えば、特許文献1には、金属コロイド、界面活性剤及び水を含むインクジェット用インクが開示されている。
特開2007−297423号公報
ところで、従来の光輝性画像の光輝性を向上させる技術としては、光輝性顔料の形状や大きさを制御することによりその配向性を高める観点から検討する技術が大半を占めていた。すなわち、化学的なアプローチにより光輝性画像の光輝性を向上させる技術についてはあまり検討されていない。
一方、従来の光輝性顔料を含有するインク組成物をインクジェット記録装置に適用すると、インクジェット記録装置を構成する部材(例えば、SUS、ポリプロピレン、変性ポリフェニレンエーテル、ブチルゴム等)に光輝性顔料が付着する場合があった。そうすると、長期間の使用により該部材が変形または破損するなどしてインクジェット記録装置の故障を招く場合があった。
本発明に係る幾つかの態様は、前記課題の少なくとも一部を解決することで、化学的なアプローチにより光輝性画像の光輝性を一層向上させることができるインク組成物を提供するものである。
また、本発明に係る幾つかの態様は、前記課題の少なくとも一部を解決することで、インクジェット記録装置を構成する部材に光輝性顔料が付着し難いインク組成物を提供するものである。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係るインク組成物の一態様は、
(A)光輝性顔料と、(B1)硫黄原子及び窒素原子を含有する化合物または(B2)塩素原子を含有する化合物と、(C)水と、を含む。
適用例1のインク組成物によれば、記録媒体上に記録される光輝性画像の光輝性を一層向上させることができる。また、適用例1のインク組成物によれば、インクジェット記録装置を構成する部材に光輝性顔料が付着し難くなり、光輝性顔料が該部材に付着することによる変形または記録装置の動作不良を防止できる。
[適用例2]
適用例1のインク組成物において、
前記(B1)硫黄原子及び窒素原子を含有する化合物がアミノ基を有することができる。
[適用例3]
適用例1のインク組成物において、
前記(B1)硫黄原子及び窒素原子を含有する化合物が、チオシアン酸、チオシアン酸塩、チオシアン酸誘導体、システイン、システイン酸、システイン酸塩、システイン誘導体、メチオニン、メチオニン酸、メチオニン酸塩、メチオニン誘導体、及びアミノエチルスルホン酸よりなる群から選択される少なくとも1種であることができる。
[適用例4]
適用例1のインク組成物において、
前記(B2)塩素原子を含有する化合物がアルカリ金属又はアルカリ土類金属との塩であることができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例のインク組成物において、
前記(A)光輝性顔料が銀を含有する粒子からなることができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例のインク組成物において、
前記(A)光輝性顔料1モル当量に対して、前記(B1)成分または前記(B2)成分を0.02モル以上1.0モル以下含有することができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか一例のインク組成物は、ステンレス、ポリプロピレン、変性ポリフェニレンエーテル、ブチルゴムから選択される一種以上の材料を備えたインクジェット記録装置に用いることができる。
[適用例8]
本発明に係る記録装置の一態様は、適用例1ないし適用例7のいずれか一例のインク組成物を備えたことを特徴とする。
以下に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
1.インク組成物
本実施の形態に係るインク組成物は、(A)光輝性顔料と、(B1)硫黄原子及び窒素原子を含有する化合物または(B2)塩素原子を含有する化合物と、(C)水と、を含む。以下、本実施の形態に係るインク組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
1.1.(A)光輝性顔料
本実施の形態に係るインク組成物は、(A)光輝性顔料を含有する。(A)光輝性顔料としては、特に制限されないが、下記の製造方法により製造される光輝性顔料を使用することができる。
本明細書において、光輝性とは、例えば、得られる画像の鏡面光沢度(日本工業規格(JIS)Z8741を参照。)によって特徴付けられる性質のことを指す。例えば、光輝性の種類としては、光を鏡面反射するような光輝性や、いわゆるマット調の光輝性などがあり、それぞれ、例えば鏡面光沢度の高低によって特徴付けることができる。
本実施の形態に係る光輝性インクは、(A)光輝性顔料を含有する。(A)光輝性顔料としては、媒体に付着されたときに光輝性を呈しうるものであれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、および銅からなる群より選択される1種または2種以上の合金(以下「金属粒子」という。)や、パール光沢を有するパール顔料を挙げることができる。パール顔料の代表例としては、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔、酸塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料が挙げられる。また、(A)光輝性顔料は、水との反応を抑制するための表面処理が施されていてもよい。インクに(A)光輝性顔料を含有させることで、優れた光輝性を有する画像を形成することができる。(A)光輝性顔料としては、良好な光輝性を確保する観点から、金属粒子であることが好ましい。これらの中でも、銀またはアルミニウムを含有する粒子であることが好ましく、銀を含有する粒子であることがより好ましい。
金属粒子の平均粒径は、特に制限されないが5〜500nmであることが好ましく、10〜200nmであることがより好ましく、10〜80nmであることが特に好ましい。金属粒子の平均粒径が前記範囲にあると、個々の金属粒子の粒状感が目立たない、滑らかな光輝性を有する画像を形成することができる。また、水中における金属粒子の分散安定性が良好となり、インクジェット記録ヘッドのノズル目詰まり等を防止できる。
金属粒子の平均粒径は、波長が一定であるレーザー光を粒子に当てて、その散乱光強度のパターンから粒子径および粒度分布を解析する「レーザー法」により測定することができる。このレーザー法を測定原理とする装置としては、例えば日機装株式会社製の「マイクロトラックUPA」等が挙げられる。
なお、(A)光輝性顔料の含有量(固形分)は、インク組成物100質量%中、0.5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上10質量%以下であることが特に好ましい。(A)光輝性顔料の含有量が前記範囲であると、インク組成物の保存安定性が良好となると共に、インクジェット記録装置のノズルからの吐出安定性が良好となる。
アルミニウムを含有する粒子については、球状粒子、平板状(リーフ状)粒子等のどのような形状でも良いが、高い光輝性を有する観点より平板状の形状が好ましい。アルミニウムを含有する粒子は、例えば以下のようにして製造することができる。
まず、シート状基材面に剥離用樹脂層とアルミニウムまたはアルミニウム合金層(以下、単に「アルミニウム層」という)とが、順次積層された構造からなる複合化顔料原体を用意する。
前記シート状基材としては、特に制限されないが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ナイロン66、ナイロン6等のポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートフィルム、ポリイミドフィルム等の離型性フィルムが挙げられる。これらのうち、ポリエチレンテレフタレートまたはその共重合体が好ましい。
前記シート状基材の厚さは、特に制限されないが、好ましくは10〜150μmである。10μm以上であれば、工程等で取扱い性に問題がなく、150μm以下であれば、柔軟性に富み、ロール化、剥離等に問題がない。
前記剥離用樹脂層は、アルミニウム層のアンダーコート層であり、シート状基材面との剥離性を向上させるための剥離層である。この剥離用樹脂層に用いる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、セルロース誘導体、アクリル酸重合体または変性ナイロン樹脂が好ましい。
前記例示した樹脂の1種または2種以上の混合物の溶液をシート状基材に塗布し乾燥させることにより、剥離用樹脂層を形成することができる。塗布後は、粘度調整剤等の添加剤を添加してもよい。
前記剥離用樹脂層の塗布は、一般的に用いられているグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布、ディップ塗布、スピンコート法等の公知の技術を用いることができる。塗布・乾燥後、必要であればカレンダー処理により表面の平滑化を行ってもよい。
剥離用樹脂層の厚さは、特に制限されないが、好ましくは0.5〜50μmであり、より好ましくは1〜10μmである。0.5μm未満では後述する分散樹脂としての量が不足し、50μmを超えるとロール化した場合、アルミニウム層との界面で剥離しやすいものとなってしまう。
前記剥離用樹脂層にアルミニウム層を積層させる手段としては、真空蒸着、イオンプレーティングまたはスパッタリング法を適用することが好ましい。
また、前記アルミニウム層は、特開2005−68250号公報に例示されるように、保護層で挟まれていてもよい。該保護層としては、酸化ケイ素層、保護用樹脂層が挙げられる。
前記酸化ケイ素層としては、酸化ケイ素を含有する層であれば特に制限されるものではないが、ゾルゲル法によってテトラアルコキシシラン等のシリコンアルコキシドまたはその重合体から形成されたものであることが好ましい。シリコンアルコキシドまたはその重合体を溶解したアルコール溶液を塗布し、加熱焼成することにより、酸化ケイ素層の塗膜を形成することができる。
前記保護用樹脂層としては、分散媒に溶解しない樹脂であれば特に制限されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、セルロース誘導体等が挙げられる。これらのうち、ポリビニルアルコールまたはセルロース誘導体から形成されることが好ましい。前記例示した樹脂1種または2種以上の混合物の水溶液を塗布し乾燥させると、前記保護用樹脂層を形成することができる。塗布液には、粘度調整剤等の添加剤を添加することができる。前記酸化ケイ素および樹脂の塗布は、前記剥離用樹脂層の塗布と同様の手法により行われる。
前記保護層の厚さは、特に制限されないが、50〜150nmの範囲が好ましい。50nm未満では機械的強度が不足であり、150nmを超えると強度が高くなりすぎるため粉砕・分散が困難となり、またアルミニウム層との界面で剥離してしまう場合がある。
また、特開2005−68251号公報に例示されるように、前記「保護層」と「アルミニウム層」との間に色材層を有していてもよい。
色材層は、任意の着色複合顔料を得るために導入するものであり、本実施の形態に使用するアルミニウム粒子の金属光沢、光輝性、背景隠蔽性に加え、任意の色調、色相を付与できる色材を含有できるものであれば特に制限されるものではない。この色材層に用いる色材としては、染料、顔料のいずれでもよい。また、染料、顔料としては、公知のものを適宜使用することができる。
この場合、色材層に用いられる「顔料」とは、一般的な工学の分野で定義される、天然顔料、合成有機顔料、合成無機顔料等を意味する。
前記色材層の形成方法としては、特に制限されないが、コーティングにより形成することが好ましい。また、色材層に用いられる色材が顔料の場合は、色材分散用樹脂をさらに含むことが好ましく、該色材分散用樹脂としては、顔料と、色材分散用樹脂と、必要に応じてその他の添加剤等と、を溶媒に分散または溶解させ、溶液としてスピンコートで均一な液膜を形成した後、乾燥させて樹脂薄膜として作製されることが好ましい。なお、複合化顔料原体の製造において、前記の色材層と保護層の形成がともにコーティングにより行われることが、作業効率上好ましい。
前記複合化顔料原体としては、前記剥離用樹脂層とアルミニウム層との順次積層構造を複数有する層構成も可能である。その際、複数のアルミニウム層からなる積層構造の全体の厚み、すなわち、シート状基材とその直上の剥離用樹脂層を除いた、アルミニウム層−剥離用樹脂層−アルミニウム層・・・剥離用樹脂層−アルミニウム層の厚みは5000nm以下であることが好ましい。5000nm以下であると、複合化顔料原体をロール状に丸めた場合でも、ひび割れ、剥離を生じ難く、保存性に優れる。また、顔料化した場合においても光輝性に優れており好ましい。また、シート状基材面の両面に、剥離用樹脂層とアルミニウム層とが順次積層された構造も挙げられるが、これらに制限されるものではない。
次いで、前記複合化顔料原体を有機溶媒中で、前記複合化顔料原体のシート状基材面と剥離用樹脂層との界面を境界として剥離し、それを粉砕または微細化処理することにより、粗大粒子を含むアルミニウム粒子分散液を調製する。さらに、得られたアルミニウム粒子分散液をろ過し粗大粒子を除去することで、アルミニウム粒子分散液を得ることができる。
前記有機溶媒としては、アルミニウム粒子の分散安定性を損なわないものであれば制限されないが、極性有機溶媒であることが好ましい。極性有機溶媒としては、例えば、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、フッ化アルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)等が挙げられる。
以上例示した極性有機溶媒の中でも、常温常圧下で液体であるアルキレングリコールモノエーテルまたはアルキレングリコールジエーテルであることがより好ましい。
アルキレングリコールモノエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
アルキレングリコールジエーテルとしては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
これらの中でも、アルミニウム粒子の分散安定性に優れる観点から、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルであることがさらに好ましい。また、アルミニウム粒子の光輝性を確保する観点から、ジエチレングリコールジエチルエーテルであることが特に好ましい。
前記シート状基材からの剥離処理法としては、特に制限されないが、前記複合化顔料原体を液体中に浸漬することによりなされる方法や、液体中に浸漬すると同時に超音波処理を行い剥離処理と剥離した複合化顔料の粉砕処理を行う方法が好ましい。
前記のようにして得られたアルミニウム粒子は、剥離用樹脂層が保護コロイドの役割を有し、有機溶媒中での分散処理を行うだけで安定な分散液を得ることが可能である。
以上の工程により得られたアルミニウム粒子の形状は、特に限定されないが、良好な光輝性を有する観点から、平板状粒子であることが好ましい。平板状粒子とは、アルミニウム粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、略平坦な面(X−Y平面)を有し、且つ、厚み(Z)が略均一である粒子をいう。より詳しくは、該アルミニウム粒子の略平坦な面(X−Y平面)の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5μm以上3μm以下であって、且つ、厚み(Z)が5nm以上30nm以下であることを満たすものをいう。なお、厚みZとは、平均厚みを意味し、前記測定を10回行った平均値とする。
円相当径とは、アルミニウム粒子の略平坦な面(X−Y平面)を、該アルミニウム粒子の投影面積と同じ投影面積を持つ円と想定したときの当該円の直径である。例えば、アルミニウム粒子の略平坦な面(X−Y平面)が多角形である場合、その多角形の投影面を円に変換して得られた当該円の直径を、そのアルミニウム粒子の円相当径という。
前記平板状粒子の略平坦な面(X−Y平面)の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径(R50)は、良好な光輝性および印字安定性を確保する観点から、好ましくは0.5μm以上3μm以下であり、より好ましくは0.75μm以上2μm以下である。
前記平板状粒子の略平坦な面(X−Y平面)の面積より求めた円相当径の最大粒子径は、10μm以下であることが好ましい。最大粒子径を10μm以下にすることで、インクジェット記録装置のノズルや、インク流路内に設けられた異物除去フィルター等に該平板状粒子が目詰まりすることを防止することができる。
前記平板状粒子の平面上の長径X、短径Y、円相当径は、粒子像分析装置を用いて測定することができる。粒子像分析装置としては、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100、FPIA−3000、FPIA−3000S(以上、シスメックス株式会社製)が挙げられる。
前記平板状粒子の粒度分布(CV値)は、下記式(3)より求めることができる。
CV値=粒度分布の標準偏差/粒子径の平均値×100 …(3)
ここで、得られるCV値は、好ましくは60以下であり、より好ましくは50以下であり、特に好ましくは40以下である。CV値が60以下の平板状粒子を選択することで、印字安定性に優れるという効果が得られる。
前記厚み(Z)は、光輝性を確保する観点から、好ましくは5nm以上30nm以下であり、より好ましくは10nm以上25nm以下である。
本実施の形態に係る金属顔料は、前記例示した金属粒子の他にも種々の金属粒子を用いることができる。例えば、(a)溶解したアルミニウムを霧状に吹き出し形成された球状アルミニウム粒子、(b)ポリオレフィンフィルム等の基材フィルムに、金属蒸着薄膜層を形成し金属蒸着体とし、該金属蒸着薄膜層形成の前および/または後に金属蒸着薄膜層と基材フィルムとの間に適性密着度を付与し、その後金属蒸着体を延伸し、金属蒸着薄膜層を基材フィルムから剥離し必要に応じて破砕することによって得られる金属箔粉等が挙げられる。
1.2.(B1)成分および(B2)成分
本実施の形態に係るインク組成物は、(B1)硫黄原子及び窒素原子を含有する化合物または(B2)塩素原子を含有する化合物を含む。(B1)成分または(B2)成分を添加することにより、記録媒体上に記録される光輝性画像の光輝性を一層向上させることができる。また、インクジェット記録装置を構成する部材に(A)光輝性顔料が付着し難くなり、(A)光輝性顔料が該部材に付着することによる変形または記録装置の動作不良を防止できる。なお、(B1)成分または(B2)成分を「含む」には、(B1)成分または(B2)成分がイオン化してインク中に存在している場合も「含む」に該当する。
本願発明者らは、光輝性を上昇させる効果を有する添加剤について鋭意検討を行った結果、(B1)硫黄原子及び窒素原子を含有する化合物または(B2)塩素原子を含有する化合物を添加した場合に、光輝性を上昇させる効果のあることが判明した。また、インクジェット記録装置を構成する部材(SUS(ステンレス)、ポリプロピレン、変性ポリフェニレンエーテル、ブチルゴム等)に光輝性顔料が付着しても水で洗浄することで容易に除去できる効果も認められた。インクジェット記録装置の構成する部材のうち、SUS、ポリプロピレン、変性ポリフェニレンエーテル、ブチルゴム等は光輝性顔料の付着が多い傾向にあり、一方で、クロロプレンゴム等は光輝性顔料の付着が少ない傾向にある。しかし、本願発明を適用することによって、SUS、ポリプロピレン、変性ポリフェニレンエーテル、ブチルゴム等に対する光輝性顔料の付着を良好に防止する事が出来る。上述の部材は、インク組成物が接触する箇所に用いられているのが好ましい。インク組成物が接触する箇所としては、例えばヘッド、カートリッジ又はチューブ内の流路、ヘッドのノズルプレート、ヘッド内のインクを吸引する機構、未使用時のヘッドのノズルを覆って保湿する機構等が挙げられる。
その一方で、チオシアン酸ナトリウムと同じように、金属イオンと塩を形成するキレート剤であるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を添加した場合には、インク組成物中で(A)光輝性顔料が凝集して分離する傾向が認められた。
また、炭酸水素ナトリウムを添加したインク組成物を用いて、記録媒体上に光輝性画像を形成した場合、炭酸水素ナトリウムを添加しない場合と比較して光輝性が低下することが判明した。
さらに、窒素原子を有するトリメチルグリシンを添加したインク組成物を用いて、記録媒体上に光輝性画像を形成しても、トリメチルグリシンを添加しない場合と比較して光輝性に有意な差が認められなかった。
前記(B1)成分は、アミノ基を有することが好ましく、アミノ酸又はアミノ酸誘導体であることが好ましい。硫黄原子及び窒素原子を有する化合物としては、例えば、チオシアン酸、チオシアン酸塩、チオシアン酸誘導体、システイン、システイン酸、システイン酸塩、システイン誘導体、メチオニン、メチオニン酸、メチオニン酸塩、メチオニン誘導体、及びアミノエチルスルホン酸等を挙げることができ、これらの中から選択される少なくとも1種を使用することができる。これらの中でも、上述の効果が特に優れている点でチオシアン酸塩が好ましく、チオシアン酸ナトリウムが最も好ましい。
前記(B2)塩素原子を有する化合物としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属との塩が好ましく、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等が好適である。中でも、塩化ナトリウムが最も好ましい。
本実施の形態に係るインク組成物において、前記(B1)成分または前記(B2)成分の含有割合は、前記(A)光輝性顔料1モル当量に対して、0.02モル以上1.0モル以下であることが好ましく、0.03モル以上0.5モル以下であることがより好ましく、0.04モル以上0.4モル以下であることが特に好ましい。(B1)成分または(B2)成分の含有割合が前記範囲にあると、インク組成物中における(A)光輝性顔料の分散安定性を損なうことなく、光輝性を一層向上させる効果が得られやすい。また、インクジェット記録装置を構成する部材に対する(A)光輝性顔料の付着抑制効果が得られやすい。
1.3.(C)水
本実施の形態に係るインク組成物は、(C)水を含有する。(C)水を含有することにより、前記(B1)成分または前記(B2)成分をインク組成物中に完全に溶解させることができる。また、(C)水を含有することによって、インクジェット記録装置を構成する部材に(A)光輝性顔料が付着し難くなる効果が発現する。本実施の形態に係るインク組成物中の(C)水の含有割合は、50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましい。
前記(C)水としては、特に限定されないが、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水が好ましい。特に、これらの水を、紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間に亘ってカビやバクテリアの発生が防止されるので好ましい。(A)光輝性顔料の分散の妨げにならない程度であれば、水にはイオン等が存在してもよい。
1.4.その他の成分
本実施の形態に係るインク組成物には、必要に応じて、以下に例示するような保湿剤、樹脂、界面活性剤、防腐剤、pH調整剤等を別途添加してもよい。
<保湿剤>
保湿剤としては、グリセロール類、グリコール類、糖質等が挙げられる。これらの保湿剤によれば、インクの乾燥によるノズルの目詰まりを防止したり、光輝性画像の光輝性を一層高めたりすることができる。
グリセロール類としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、C1〜10のアルキルグリセリルエーテル、C1〜10のアルキルジグリセリルエーテル、C1〜10のアルキルトリグリセリルエーテル等が挙げられる。これらのグリセロール類の中でも、画像の光輝性をより向上できる点で、グリセリン、トリメチロールプロパンが好ましい。
グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらのグリコール類の中でも、画像の光輝性度をより向上できる点で、1,2−ヘキサンジオール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールが好ましい。
糖質としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース等の単糖類;マルトース、スクロース、セロビオース、ラクトース、トレハロース、イルマルトース、ゲンチオビース等の二糖類;ゲンチアノース、ラフィノース、パノース等の三糖類;その他の多糖類;糖アルコール等が挙げられる。糖質としては、市販されているHS−500(株式会社林原商事製)等の還元澱粉糖化物(糖アルコールを含む混合物)を用いてもよい。
前記例示した保湿剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。前記保湿剤の添加量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは5質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは8質量%以上18質量%以下である。
<樹脂>
樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、フルオレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル系樹脂等の公知の樹脂や、ポリオレフィンワックス等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの樹脂は、(A)光輝性顔料の記録媒体に対する定着性や耐擦性を向上させたり、インク組成物における(A)光輝性顔料の分散安定性を向上させたりすることができる。前記樹脂の添加量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下である。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリシロキサン系界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、インクの記録媒体への濡れ性を高めることで浸透性を向上させることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オール等が挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えばオルフィンE1010、STG、Y(以上、日信化学株式会社製)、サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、Air Products and Chemicals Inc.製)が挙げられる。ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500(ビックケミー・ジャパン株式会社製)等が挙げられる。さらに、本実施の形態に係るインク組成物には、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等のその他の界面活性剤を別途添加してもよい。
前記界面活性剤の添加量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.01質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上2質量%以下である。
<防腐剤>
防腐剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジンチアゾリン−3−オン(ICI社製のプロキセルCRL、プロキセルBND、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)等が挙げられる。前記防腐剤の添加量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.1質量%以上2質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以上1質量%以下である。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリン等のアミン類およびそれらの変成物;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の無機塩類;水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウム等)が挙げられる。
特に銀粒子を含有するインク組成物の場合、pHは8以上であることが好ましく、8以上10以下であることがより好ましい。銀粒子含有インク組成物のpHを8以上の塩基性とすることで、インクのpH変化、銀粒子の凝集等の点で保存安定性を向上できる。
1.5.インク組成物の物性及び用途
本実施の形態に係るインク組成物は、良好な記録品質とインクジェット用インクとしての信頼性とのバランスの観点から、20℃における表面張力が20mN/m以上50mN/mであることが好ましく、25mN/m以上40mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面張力の測定は、自動表面張力計CBVP−Z(協和界面科学社製)を用いて、20℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
また、同様の観点から、本実施の形態に係るインク組成物の20℃における粘度は、2mPa・s以上15mPa・s以下であることが好ましく、2mPa・s以上10mPa・s以下であることがより好ましい。なお、粘度の測定は、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、20℃の環境下で、Shear Rateを10〜1000に上げていき、Shear Rate200時の粘度を読み取ることにより測定することができる。
本実施の形態に係るインク組成物の用途は、特に制限されないが、インクジェット記録装置を構成する部材に(A)光輝性顔料が付着することを防止できるため、インクジェット記録装置に好適である。インクジェット記録装置としては、例えば電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、インクジェットヘッドに蓄えたインクを断続的に吐出して記録媒体表面に文字や記号を記録する方法(ピエゾ方式);インクジェットヘッドに蓄えたインクを吐出部分に極めて近い箇所で急速に加熱し泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出することで記録媒体表面に文字や記号を記録する方法(バブル方式)等を記録手段とするものが挙げられる。本実施の形態に係るインク組成物は、ピエゾ方式を記録手段とするインクジェット記録装置に特に好適である。
ピエゾ方式で用いられるインクジェットヘッドは、アクチュエータユニットと吐出口ユニットとをエポキシ系接着剤で接着してから、ポリプロピレン等の樹脂を射出成形して作られたケースヘッドに接着して構成される。アクチュエータユニットは、連通口の形成された連通プレート、圧力室の形成されたプレート、SUS等からなる振動板となるプレート、そしてアクチュエータから構成される。この連通口や圧力室の形成されたプレートは、変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の材料が使用される。また、吐出口ユニットには、ブチルゴム、クロロプレンゴム等のエラストマーが使用される。
本実施の形態に係るインク組成物は、(B1)成分または(B2)成分を含有することにより、上述のインクジェット記録装置を構成する部材(SUS、ポリプロピレン、変性ポリフェニレンエーテル、ブチルゴム等)に(A)光輝性顔料が付着することを効果的に抑制することができる。これにより、長期間の使用により該部材が変形または記録装置の動作不良を防止できる。
1.6.インク組成物の調製方法
本実施の形態に係るインク組成物は、上記の各成分を適当な方法で分散・混合することよって製造することができる。上記の各成分を十分に攪拌した後、目詰まりの原因となる粗大粒子および異物を除去するためにろ過を行って目的のインク組成物を得ることができる。
2.実施例
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
2.1.(A)光輝性顔料の調製
ポリビニルピロリドン(重量平均分子量10000)1000gをプロピレングリコール500gに溶解して第1溶液を得た。次に、銀前駆体である硝酸銀128gを、プロピレングリコール500mlに溶解して第2溶液を得た。次に、第1溶液と第2溶液とを120℃で90分間、混合して銀前駆体を還元させ、生成した銀粒子の表面にポリビニルピロリドンを吸着させた。そして形成された銀粒子(銀コロイド粒子)を遠心分離によって分離し、分離した銀粒子を水に固形分濃度が20質量%となるように分散させた。得られた銀粒子の平均粒径は、35nmであった。なお、銀粒子の平均粒径は「マイクロトラックUPA」(日機装株式会社製)を用いて測定した。測定条件は、屈折率を0.2−3.9i、溶媒(水)の屈折率を1.333、測定粒子形状を球形、とした。
2.2.インク組成物の調製
表1〜表2に示す成分を表1〜表2に示す配合量で仕込み、これらを十分に混合撹拌した。その後、孔径5μmの金属フィルターにてろ過し、真空ポンプを用いて脱気処理をした。このようにして、表1〜表2に示す各インク組成物を得た。なお、表1〜表2に記載されている濃度の単位は質量%であり、銀粒子の行については固形分換算濃度を表している。
表1〜表2に示した各成分は、以下の通りである。
・チオシアン酸ナトリウム(シグマ・アルドリッチ社製)
・塩化ナトリウム(商品名「塩化ナトリウム[一般有機合成用]」、東京化成工業株式会社製)
・システイン(商品名「L−システイン」、東京化成工業株式会社製)
・アミノエチルスルホン酸(商品名2-アミノエチルスルホン酸」、東京化成工業株式会社製)
・炭酸水素ナトリウム(東京化成工業株式会社製)
・エチレンジアミン酸四酢酸(アルドリッチ社製)
・トリメチルグリシン(商品名「アミノコート」、旭化成ケミカルズ株式会社製)
・グリセリン(商品名「DGグリセリン」、アデカクリーンエイド株式会社製)
・1,2−ヘキサンジオール(三菱ガス化学株式会社製)
・サーフィノール465(Air Products and Chemicals Inc.製、アセチレングリコール系界面活性剤)
・トリエタノールアミン(ナカライテスク株式会社製)
2.3.評価試験
2.3.1.光沢性評価
光沢性評価サンプルの作製は、表1〜表2に記載の実施例、比較例および参考例に係るインク組成物が充填されたカートリッジを搭載したインクジェットプリンターPX−G930(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて行った。
上記のプリンターのノズルからインク組成物の液滴を吐出させて、写真用紙<光沢>(セイコーエプソン株式会社より入手)に対して1440×1440dpiの解像度で印刷を行った。印刷パターンは、それぞれのインク組成物について、Duty40%、Duty60%、Duty80%、Duty100%のそれぞれのパターンとした。これらを光沢性評価サンプルとした。
本明細書において、「Duty値」とは、下式で算出される値である。
Duty(%)=(実吐出ドット数/(縦解像度×横解像度))×100
(式中、「実吐出ドット数」は単位面積当たりの実吐出ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。)
得られた各光沢性評価サンプルについて、光沢度計(日本電色工業株式会社製、商品名「GlossMeter型番VGP5000」)を用いて、JIS Z8741:1997に準じて「60°正反射光沢度」を測定した。各光沢性評価サンプルについて「60°正反射光沢度」の測定を3回ずつ行い、その実測値の平均値を求めた。得られた平均値を表1〜表2に併せて記載した。
2.3.2.部材への付着性評価
上記で得られた各インク組成物をポリ容器に入れ、そこにインクジェット記録装置を構成する各部材(SUS、ポリプロピレン、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム)を浸漬させた後、密栓した。これを恒温槽で約70℃に保ちながら、1週間保存した。その後、ポリ容器から各部材を取り出し、イオン交換水で軽く洗浄した。このときの各部材における光輝性顔料の付着状態を目視で観察することにより、各部材への付着性を評価した。なお、付着性評価の評価基準は以下の通りである。評価結果を表1〜表2に併せて記載した。
A:ほとんど付着していない。
B:わずかに付着している(薄い色)。
C:かなり付着している(濃い色)。
D:付着が激しい。
Figure 2013177529
Figure 2013177529
2.4.評価結果
表1に示す(B1)成分又は(B2)成分を添加した実施例1〜9によれば、(B1)成分または(B2)成分を添加していない参考例と比較して、光輝性画像の光輝性が有意に向上していることが理解できる。また、実施例1〜3によれば、インクジェット記録装置を構成する部材に対する(A)光輝性顔料の付着抑制効果についても明らかに向上していることが理解できる。
これに対して、表2に示す(B1)成分及び(B2)成分以外の成分を添加した比較例1〜6によれば、(B1)成分または(B2)成分を添加していない参考例と比較して、光輝性画像の光輝性が同等以下となっていることが理解できる。
以上の実施例及び比較例より、本願発明に係るインク組成物の有利な効果が実証されたといえよう。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (8)

  1. (A)光輝性顔料と、
    (B1)硫黄原子及び窒素原子を含有する化合物または(B2)塩素原子を含有する化合物と、
    (C)水と、
    を含む、インク組成物。
  2. 前記(B1)硫黄原子及び窒素原子を含有する化合物がアミノ基を有する、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記(B1)硫黄原子及び窒素原子を含有する化合物が、チオシアン酸、チオシアン酸塩、チオシアン酸誘導体、システイン、システイン酸、システイン酸塩、システイン誘導体、メチオニン、メチオニン酸、メチオニン酸塩、メチオニン誘導体、及びアミノエチルスルホン酸よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のインク組成物。
  4. 前記(B2)塩素原子を含有する化合物がアルカリ金属又はアルカリ土類金属との塩である、請求項1に記載のインク組成物。
  5. 前記(A)光輝性顔料が銀を含有する粒子からなる、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のインク組成物。
  6. 前記(A)光輝性顔料1モル当量に対して、前記(B1)成分または前記(B2)成分を0.02モル以上1.0モル以下含有する、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のインク組成物。
  7. ステンレス、ポリプロピレン、変性ポリフェニレンエーテル、ブチルゴムから選択される一種以上の材料を備えたインクジェット記録装置に用いることを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のインク組成物。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載のインク組成物を備えた記録装置。
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