JP2014071935A - 固体酸化物形燃料電池用電解質支持型セル、並びに、それに用いられる電解質シート及びそれを備えた固体酸化物形燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固体酸化物形燃料電池用電解質支持型セル1は、電解質シート11と、電解質シート11の一方の主面上であって、電解質シート11の周縁部以外の領域に配置された燃料極12と、電解質シート11の他方の主面上であって、電解質シート11の周縁部以外の領域に配置された空気極13とを備える。レーザー光学式三次元形状測定装置を使用し、電解質シート11の周縁部表面にレーザー光を照射してその反射光を三次元解析することにより求められる、電解質シート11の燃料極12又は空気極13が形成されている領域のシート面を基準とする電解質シート11の周縁部高さにおいて、電解質シート周縁端の高さ(h1)と、周縁端から3mm内側の位置における高さ(h2)との差(Δh)の最大値が50μm以下である。
【選択図】図1
Description
電解質シートと、
前記電解質シートの一方の主面上であって、前記電解質シートの周縁部以外の領域に配置された燃料極と、
前記電解質シートの他方の主面上であって、前記電解質シートの周縁部以外の領域に配置された空気極と、
を備え、
レーザー光学式三次元形状測定装置を使用し、前記電解質シートの前記周縁部表面にレーザー光を照射してその反射光を三次元解析することにより求められる、前記電解質シートの前記燃料極又は前記空気極が形成されている領域のシート面を基準とする前記電解質シートの周縁部高さにおいて、前記電解質シート周縁端の高さ(h1)と、当該周縁端から3mm内側の位置における高さ(h2)との差(Δh)の最大値が50μm以下である、
SOFC用電解質支持型セルを提供する。
本発明のSOFC用電解質支持型セルの実施形態について、具体的に説明する。
本発明のSOFCの実施形態について説明する。本実施形態のSOFCは、実施の形態1で説明したSOFC用電解質支持型セル1を備えている。本実施形態のSOFCは、例えば、積層されて互いに直列接続(スタック化)された複数のSOFC用セルを備えている。このとき、隣接するSOFC用セルを互いに電気的に接続すると同時に、マニホールドを介して燃料極と空気極とにそれぞれ燃料ガスと酸化剤ガスとを適正に分配する目的で、セル間に金属またはセラミックスからなるセパレータが配置される。なお、セパレータは、インターコネクタとも呼ばれる。
6モル%スカンジア安定化ジルコニア粉末(第一稀元素社製、商品名「6ScSZ」、比表面積:11m2/g、平均粒子径:0.5μm、以下「6ScSZ」と記す。)100質量部に対して、メタアクリレート系共重合体(数平均分子量:100,000、ガラス転位温度:−8℃、固形分濃度:50質量%)からなるバインダーを固形分換算で17質量部、可塑剤としてジブチルフタレート3質量部を、トルエン/イソプロパノール(質量比:3/2)の混合溶剤と共にナイロンポットに投入し、60rpmで20時間ミリングして原料スラリーを調製した。このスラリーを減圧脱泡容器へ移し、3.99kPa〜21.3kPaに減圧して濃縮・脱泡し、粘度が2.5Pa・sの塗工用スラリーとした。
(1)トルエンによる端面処理
得られた上記6ScSZグリーンシートを、PETフィルムを貼り付けた支持板上に載置した。グリーンシートの4辺の端面のうちの1辺の端面と支持板の端面とが同一面になるように、グリーンシートの位置を調整した。次いで、グリーンシートの周縁端の上面側の全角部(グリーンシート上面と、グリーンシートの厚さ方向の面(グリーンシート端面)とが交わるコーナー部)を、トルエンを浸み込ませた市販の紙タオルでグリーンシートの一方の頂点から他方の頂点に同じ方向で2回擦りつけて、トルエンによる端面処理を行った。この操作を、グリーンシートの他の3辺の端面についても同様に行った後、支持板上のグリーンシートを裏返して、グリーンシートの周縁端の下面側の4辺についても同様にトルエン処理を行った。このようにして、トルエンで端面処理された6ScSZグリーンシート(6ScSZ−TG)を30枚得た。
得られた上記6ScSZグリーンシートを、PETフィルムを貼り付けた支持板上に載置した。グリーンシートの4辺の端面のうちの1辺の端面と支持板の端面が同一面になるように、グリーンシートの位置を調整した。次いでグリーンシートの周縁端の上面側の全角部を、800rpmで回転する静電処理されたナイロンブラシ(繊維径:約0.03mm、繊維長:約10mm)を用いて、上記と同様にグリーンシートの一方の頂点から他方の頂点に同じ方向で2回擦りつけて、ブラシによる端面処理を行った。この操作を他の3辺の端面についても同様に行った後、支持板上のグリーンシートを裏返してグリーンシートの周縁端の下面側の4辺についても同様にブラシ処理を行った。このようにして、ブラシで端面処理された6ScSZグリーンシート(6ScSZ−BG)を30枚得た。
平均粒径55μmの不定形アルミナ粒子(昭和電工社製、商品名「Al−15」)100質量部に対して、上記グリーンシートの作製で用いた溶媒と同様の溶媒40質量部、分散剤2.5質量部を添加して、粉砕しつつ混合した。さらに同様のバインダー15質量部、可塑剤2質量部を混合してスラリーを作製し、当該スラリーを用いて、グリーンシートの作製と同様にして厚さ280μmの長尺アルミナグリーンテープを得た。さらに当該グリーンテープを直刃で切断して約160mm角のアルミナ系グリーンシートを得た。このグリーンシートを1580℃で3時間焼成することにより、気孔率が35%で、約130mm角、厚さ260μmの多孔質アルミナスペーサーを得た。
前記の端面無処理のグリーンシート(6ScSZ−CG)と上記多孔質アルミナスペーサーと用いて、スペーサーを下にして交互に5枚重ね、さらにその上部にスペーサーを載置して積層体とした。得られた6組の積層体をそれぞれアルミナ/シリカ系の棚板の上に載置し、バッチ式焼成炉へ挿入して1420℃で3時間焼成し、約100mm角で厚さが約170μmの電解質シート(6ScSZ−CS)を計30枚作製した。同様に、端面処理されたグリーンシート(6ScSZ−TG及び6ScSZ−BG)と、上記多孔質アルミナスペーサーと用いて、約100mm角で厚さが約170μmの、6ScSZ−TGを用いた電解質シート(6ScSZ−TS)30枚と、同じく約100mm角で厚さが約170μmの、6ScSZ−BGを用いた電解質シート(6ScSZ−BS)30枚とを作製した。
電解質シート(6ScSZ−CS、6ScSZ−TS及び6ScSZ−BS)を用い、各電解質シートの一方の面に燃料極、他方の面に空気極を形成して、SOFC用電解質支持型セルをそれぞれ10枚作製した。
前記3種の単セル(6ScSZ−CC、6ScSZ−TC及び6ScSZ−BC)について、それぞれ5枚のセルの4辺について、1辺あたり任意の10箇所の周縁端と当該周縁端から3mm内側の位置の位置との表面形状を、レーザー光学式非接触三次元形状測定装置(UBM社製商品名「UBC−14型」マイクロフォーカス エキスパート)を用いて測定した。この装置の主な仕様は、光源は半導体レーザー(780nm)、スポット系1μm、垂直分離能0.01μmであった。ここでは、0.1mmのピッチで表面形状を測定して、燃料極又は空気極が形成されている領域のシート面を基準とする電解質シートの各周縁端の高さ(h1)と、当該周縁端から3mm内側の位置における高さ(h2)を求めて、それらの差(Δh)の最大の値をバリ高さとした。それぞれの単セル5枚のバリ高さを表1に示す。
前記3種の単セル(6ScSZ−CC、6ScSZ−TC及び6ScSZ−BC)それぞれ5枚と、疑似インターコネクタとして100mm角で3mm厚さの表面が平滑で平行度を保ったステンレス板(SUS304)6枚とを用いて、ステンレス板が最上部と最下部になるように交互に積み重ねてそれぞれ3組の積層体(6ScSZ−5CS、6ScSZ−5TS及び6ScSZ−5BS)とした。各積層体を、万能材料試験機(インストロン社製、4301型)の試料台に置き、0.02MPaの荷重をクロスヘッド速度0.05mm/分で付加し、10分保持後の各セルの割れ状況を目視で観察した。結果を表1に示す。
11 電解質シート
11a 電解質シートの周縁端
12 燃料極
13 空気極
Claims (5)
- 電解質シートと、
前記電解質シートの一方の主面上であって、前記電解質シートの周縁部以外の領域に配置された燃料極と、
前記電解質シートの他方の主面上であって、前記電解質シートの周縁部以外の領域に配置された空気極と、
を備え、
レーザー光学式三次元形状測定装置を使用し、前記電解質シートの前記周縁部表面にレーザー光を照射してその反射光を三次元解析することにより求められる、前記電解質シートの前記燃料極又は前記空気極が形成されている領域のシート面を基準とする前記電解質シートの周縁部高さにおいて、前記電解質シート周縁端の高さ(h1)と、当該周縁端から3mm内側の位置における高さ(h2)との差(Δh)の最大値が50μm以下である、
固体酸化物形燃料電池用電解質支持型セル。 - 前記電解質シートの周縁端の少なくとも一部が、円弧状の曲面を有する、
請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池用電解質支持型セル。 - 前記円弧状の曲面が、2μm〜100μmの曲率半径を有する、
請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池用電解質支持型セル。 - 請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池用電解質支持型セルに用いられる電解質シートであって、
前記電解質シートの周縁端の少なくとも一部が、円弧状の曲面を有する
電解質シート。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載の固体酸化物形燃料電池用電解質支持型セルを備えた固体酸化物形燃料電池。
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