JP2014069828A - 包装容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前記容器口部の先端の内周面には、環状の切欠き4が形成されることにより段差部が形成されており、前記キャップ10のインナーリング11の外周面には、該口部の該雄螺条に該雌螺条を螺合せしめて該口部に該キャップを装着した状態において、容器口部内面と密着するシール部11aが形成されていると共に、該シール部11aよりも下方に、容器軸方向に対して傾斜角の異なる上部案内面11b及び下部案内面11cから成る2つの外周面が形成されており、該下部案内面11cの傾斜角が上部案内面11bの傾斜角よりも大きいことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
プリフォームの生産工程においては、プリフォームはコンテナへの集積や輸送等に賦されるため、プリフォーム同士がぶつかり合い、プリフォームに傷がつく場合がある。プリフォームは、検査機によって不具合品を除去した後ボトル生産工程に供給されるが、微小な傷の場合には検出されずに、ボトル生産工程に供給される。
またプリフォームの段階で傷がついてなくても、輸送時にボトル同士がぶつかる等によって、容器口部先端に傷がつく場合もある。
従って、従来は、内容物として炭酸飲料等を充填する耐圧性ボトルにおいては、キャップシェルに粘性の高い材料を使用した中栓を組合わせて成る2ピースキャップを使用し、ボトル口部先端に傷が存在した場合でも、密封性を損なうことが防止されていた。
しかしながら、このような2ピースキャップは、キャップシェルとは異なる材料で中栓を別途成形し、更にこれら組合わせて成るものであるため、生産性に劣ると共に経済性の面からも充分満足するものではない。
しかしながら、上記特許文献1のように、下方が容器内方に向って屈曲していると、インナーリングによりキャップの傾きを抑制することが困難になり、その結果、キャップが傾いた状態で挿入されることになり、キャッピングに際して、シール部が容器口部内周面に接触するおそれが生じ、キャッピング性の点で未だ充分満足するものではなかった。
本発明の他の目的は、ワンピースキャップを適用可能であり、生産性及び経済性に優れた包装容器を提供することである。
1.前記下部案内面の下方に、更に容器の下方かつ内方に向くテーパ面及び該テーパ面の下端に弧状の先端部が形成されており、前記テーパ面が位置決め用の案内部を構成すること、
2.前記下部案内面の下端に弧状の先端部が形成されており、前記下部案内面が位置決め用の案内部を構成すること、
3.前記上部案内面の軸方向長さが、前記容器の環状の切欠きの軸方向長さよりも長いこと、
が好適である。
またキャップのインナーリングのシール部よりも下方に、容器軸方向に対して傾斜角の異なる上部案内面及び下部案内面から成る2つの外周面が形成されていることにより、キャッピングの際に、これらの案内面が位置決め用の案内部として作用し、キャップの傾きを抑制して、容器口部に確実にセンタリングすることができ、キャップの容器口部への螺合が進むことにより、容器軸方向に対して比較的大きな傾斜角を有する下部案内面によってインナーリングが容器内方への大きく撓むことにより、シール部も内方に撓ませることが可能になり、インナーリングのシール部が、傷が形成されているおそれのある環状切欠きの側壁に接触することが有効に防止されている。
更に、本発明の包装容器に用いられるキャップにおいては、キャップシェルにインナーリングが直接形成されたワンピースタイプのキャップにおいても、効率よく密封性及びキャッピング性を確保できるため、生産性及び経済性に優れている。
図1に示すように、容器1は、前述した通り、口部先端2の内周面2aに環状の切欠き3が形成されていることが重要な特徴であり、この特徴以外は、従来公知の容器の形態を採用することができる。
図1に示す具体例において、容器口部先端2の上部2bは平坦面を形成し、外周面2cに、後述するキャップのアウターリング17と密着する外方に突出する環状突起4が形成されており、容器口部先端2の内周面2aには環状切欠き3が形成され、後述するキャップのインナーリング11が環状切欠き3の下方の内周面2aと密着し、インナーリング11とアウターリング17によりキャップの密封性が確保されている。また容器口部外周面の環状突起4の下部には、雄螺条5が形成され、更にその下方には、後述するキャップのタンパーエビデントバンドと係合する係合部6が形成されている。
図1〜3に示す具体例において、キャップ10は、頂板部12及び頂板部12から垂下するスカート部13から成るキャップ本体、及びスカート部下端に破断可能な橋絡部14,14・・・を介して一体に形成されたタンパーエビデントバンド15から成っている。頂板部12の内面には、容器口部の内周面2aと密着するインナーリング11、容器口部先端上面2bと密着する環状小突起16、及び容器口部外周面2cに形成された環状突起4と密着するアウターリング17が形成されている。
尚、図1〜6に示す具体例においては、インナーリング11の下部案内面11cの下方には、容器内方に向くテーパ面11d及びこのテーパ面11dの下端に弧状の先端部11eが形成されている。この態様においては、テーパ面11dが位置決め用の案内部として利用され、位置決め完了後、容器軸方向に対して比較的傾斜角度の大きい下部案内面11cによってインナーリングが大きく内方に撓むことから、更にキャップの螺合が進んだ際にもシール部11aが環状切欠きの側壁3bに接触して傷付くことがないのである。またインナーリング11の外周面の先端部11eが弧状になっていることにより、インナーリング11が容器口部にスムーズに挿入されるため、キャッピング時の位置決めがより容易になる。
図4は、キャップ10が容器1の口部に供給され、位置決めされている状態を示す図である。すなわち、キャップ10は、インナーリング11の弧状先端部11e及びテーパ面11dを案内として、容器口部先端の内周面2aに形成された環状切欠き3の端部3aに接触しながら、容器口部の内部にインナーリングが進入し、下部案内面11cが容器口部の環状切欠き3に係止し、図4に示す状態になる。この状態では、キャップと容器口部の中心が合致しており、キャッピングに際しての位置決め(センタリング)が完了する。
尚、環状切欠き3の側壁3bは、プリフォームやボトルの輸送の際等に傷がつきやすい箇所を示している。
即ち、図5に示すように、上部案内面11bの上端が環状切欠き3の端部3aの位置にある場合でも、環状切欠き3の存在によりシール部11aは容器口部に接触していない。従って、この状態では、環状切欠きの側壁3bに傷が形成されていたとしてもシール部11aに傷がつくことはない。
尚、図6に示す状態から図1に示す状態に移行する間においてもシール部11aは環状切欠き3の側壁3bには接触しないので、側壁3bに傷が形成されていたとしてもシール部に傷がつくことはない。
また図1〜6を用いて説明した態様では、下部案内面の下方に更にテーパ面及び弧状先端部が形成されており、弧状先端部の存在により容器口部に供給されたキャップのインナーリングの容器口部への挿入が容易になり、テーパ面の存在によりキャップのセンタリングを容易且つ確実に行うことができ、位置決めが容易になる。
尚、テーパ面がない態様においても、インナーリング外周面の先端は弧状になっていることが、インナーリングを容器口部内に確実に挿入することができるので好ましい。
またキャップのインナーリング全体の軸方向長さは、キャップの大きさによって一概に規定することができないが、口径が28mm程度の容器に適用されるキャップにおいては、一般に3〜6mmの範囲にある。
本発明においては、上部案内面の軸方向長さL2(図1参照)が、上記環状切欠きの軸方向長さL1よりも長いことが好適である。すなわち上部案内面の軸方向長さL2が環状切欠きの軸方向長さL1よりも短いと、インナーリングが容器内方に急激に撓んで、シール部の径方向位置が外側に変化して、容器口部先端に接触するおそれが生じる。
上部案内面の軸方向長さL2は、環状切欠きの軸方向長さL1の1.5〜3.0倍であることが好適である。また上部案内面の軸方向に対する傾斜は、上部案内面の軸方向長さにもよるが、0.5〜15.0°の範囲にあることが好ましく、上部案内面の軸方向長さL2が短い場合には、上記傾斜角が小さいことが望ましい。
一方下部案内面は、インナーリング1を容器内方への大きく撓ませることにより、シール部11aも内方に撓ませ、環状切欠きの側壁3bに接触しないようにすることが好ましいことから、軸方向に対する傾斜が、20〜70°の範囲にあることが好ましく、その軸方向長さは、0.01〜0.50mmの範囲にあることが好適である。
インナーリングのキャップ頂板部からシール部までの部分は、容器口部との密着性を高めるために、下方に行くに従って径方向外方に傾斜していることが好ましく、図2及び3に示すように、インナーリングの内周面は、頂板部内面からシール部に対応する位置までは傾斜面を形成し、シール部に対応する位置から下端まではストレートの、軸方向断面の形状がくの字形状であることが成形時の金型の型抜きの点で好ましい。
また容器口部の内径はインナーリングのシール部における外径よりも0.2〜0.9mm程度小さく、締め代を有しており、これにより包装容器の密封性が確保されている。
尚、インナーリングのシール部における外径は、環状切欠きの内径と同程度あるいは大きくして締め代を大きく取っても、センタリング後の下部傾斜面11cによって容器内方に寄せるように撓むので、側壁3に接触して傷付く虞がない。
また本発明の包装容器に使用されるキャップは、インナーリングを有する限り、どのようなプラスチックキャップであってもよいが、生産性及び経済性の観点から、頂板部内面から直接インナーリングが形成されているワンピースタイプのプラスチックキャップを使用することが好ましい。このようなプラスチックキャップは、これに限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂を射出成形、圧縮成形等従来公知の方法により成形することができる。
またワンピースタイプのキャップにより高い密封性を維持できるため、生産性及び経済性が要求される大量生産される汎用容器に好適に使用される。
Claims (4)
- 円筒形状の口部を有し、該口部の外周面に雄螺条を備えた容器と、
該容器口部の該雄螺条に螺合される雌螺条が形成されているキャップであって、頂板部と該頂板部の周縁から垂下する円筒形のスカート部とを具備し、該頂板部の内面には、該容器口部の内周面と密着するインナーリングを備えて成るキャップとから成る包装容器において、
前記容器口部の先端の内周面には、環状の切欠きが形成されることにより段差部が形成されており、
前記キャップのインナーリングの外周面には、該口部の該雄螺条に該雌螺条を螺合せしめて該口部に該キャップを装着した状態において、容器口部内面と密着するシール部が形成されていると共に、該シール部よりも下方に、容器軸方向に対して傾斜角の異なる上部案内面及び下部案内面から成る2つの外周面が形成されており、該下部案内面の傾斜角が上部案内面の傾斜角よりも大きいことを特徴とする包装容器。 - 前記下部案内面の下方に、更に容器の下方かつ内方に向くテーパ面及び該テーパ面の下端に弧状の先端部が形成されており、前記テーパ面が位置決め用の案内部を構成する請求項1記載の包装容器。
- 前記下部案内面の下端に弧状の先端部が形成されており、前記下部案内面が位置決め用の案内部を構成する請求項1記載の包装容器。
- 前記上部案内面の軸方向長さが、前記容器の環状の切欠きの軸方向長さよりも長い請求項1乃至3の何れかに記載の包装容器。
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