JP7286436B2 - 容器の樹脂製口部 - Google Patents
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Description
TEバンドによる開封明示機能は、最初に開封するためにキャップを旋回するとキャップ本体は上昇するが、TEバンドは容器口部と係合し、その上昇が抑制されている結果、破断可能な弱化部が破断して、TEバンドはキャップ本体から切り離されて容器口部側に残り、キャップ本体のみが容器口部から取り除かれることにより、キャップが一旦開封されたものであることが明示されるという機能である。
外周面には前記キャップに形成された前記雌螺子部と係合する雄螺子部が形成されている樹脂製口部において、
前記雄螺子部には軸方向に延びるベント部を形成するための切欠きが形成されており、
前記雄螺子部の始点から螺子の形成方向に向かって最初に形成されるベント部には、最上段の雄螺子部に形成される切欠きが他の切欠きに比して切欠きの深さが少ない又は切欠きが形成されていない部位が存在し、
前記キャップによって密封されると、前記部位の上下方向高さ位置の内面にて前記インナーリングの外面が接触せしめられる、ことを特徴とする樹脂製口部が提供される。
本発明の樹脂製口部は、
1.容器がポリエチレンテレフタレートから成り、非結晶であること、
2.容器が溶着部及び口部から成るスパウトであること、
が好適である。
また本発明の容器口部においては、容易な手段で効率よく所期のシールブレイク角度を実現することが可能であり、ベント機能を損なうことがないと共に、成形性にも優れている。
本発明は、内面にこのような凹凸が形成されない樹脂製容器の口部を提供するものであり、これにより、シールブレイクが想定されたシールブレイク角度で起こり、初期開封においてシールブレイクが確実にブリッジブレイクよりも後に生じるようになる。
図1において、全体を1で示す樹脂製の容器口部は、外面に雄螺子部2が形成されている。また雄螺子部2よりも下方には、後述するTEバンドに形成されたフラップ片と係合する係合用突起3が形成されている。
また全体を10で示すキャップは、頂板部11及びこの頂板部11の周縁から垂下するスカート部12から成るキャップ本体10aと、このキャップ本体と弱化部17を介して一体に成形されたTEバンド20から成っている。頂板部11には、容器口部1の内面1aと接触して密封性を確保するインナーリング13、容器口部の外面1bと接触するアウターリング14、インナーリング13とアウターリング14の間に形成され、容器口部先端1cと接触するコンタクトリング15が形成されている。またスカート部12には、容器口部に形成された雄螺子部2と係合する雌螺子部16が形成されている。TEバンド20の内面には、下端から上方に延びる複数のフラップ片21が形成されている。
このときインナーリング13の容器口部内面1aに接触する位置は、後述する図3のベント部30aの切り欠き31bの上方にある上段のネジ部2aの近傍に相当する位置にある。
開封のためにキャップ10の旋回を開始すると、図1(B)に示すように、キャップ10の上昇に伴い、コンタクトリング15が容器口部先端1cから離れると共にアウターリング14も容器口部外面1bから離れ始めるが、インナーリング13により容器の密封性が確保されている。またTEバンド20はキャップ10の上昇に伴い上昇して、フラップ片21の先端が係合用突起3の下面に当接する。
更にキャップ10が旋回されると、図1(C)に示すように、TEバンド20のフラップ片21が容器口部の係合用突起3に係止し、TEバンド20はキャップ本体10aの上昇に追従できないため、破断可能な弱化部17が破断される(ブリッジブレイク)。この状態においては、アウターリング14は容器口部と接触していないが、インナーリング13が容器口部内面1aと接触して密封性を確保している。従って、この時点以前にインナーリング13が接触する容器内面1aに凹凸が形成されてしまうと、確実な密封を確保できないおそれがある。
更にキャップ10を旋回すると、図1(D)に示すように、インナーリング13も容器口部内面1aと接触しなくなり、この時点で容器の密封性は解除される(シールブレイク)。
本発明においては、このような問題を解決するために、初期開封のためにキャップを旋回する際に、上述した図1(B)のアウターシール解除後から図1(D)のシールブレイクよりも前の旋回角度で、インナーリングが接触する容器口部内面に、このような凹凸が形成されることを抑制する。
図2は、雄螺子部に軸方向のベント部を形成するため切欠きが形成された、従来の樹脂製容器の口部の一例を示す側面図であり、容器口部の雄螺子部2の始点4はキャップ(図示せず)の雌螺子部との係合始点であり、螺子の形成方向(始点4から容器口部の周方向且つ軸方向下方に向かって雄螺子部の終点5に至る方向)に向かって最初に形成されるベント部30aは、図2における上段の雄螺子部2a及び下段の雄螺子部2bにそれぞれ切欠き31a,31bが設けられて軸方向に延びるベント部30aを形成している。この容器口部には、図示されたベント部30a,30b以外にも、図示されていないベント部が2つあり、合計4つのベント部が形成されている。
尚、容器から解放される内圧(気体)は、切欠きによる軸方向のベント部のみならず、隣接する雄螺子部の間も流通することから、ベント部30aの最上段の雄螺子部2aに形成されるべきに切欠きが形成されていない場合であっても、隣接するベント部30bから解放される内圧(気体)が、雄螺子部2aと2bの間を通って、ベント部30aを構成する切欠き31bからも流通するため、図2の切欠き31aの切欠きが形成されていなくても、ベント機能は十分確保できる。
ポリエステルボトルとして一般的な容器であるPCO-1881ボトルにおいては、前述した図1(A)の密封状態から図1(B)の状態までの旋回で約150度、図1(B)の状態から図1(C)の状態までの旋回で約60度、図1(C)の状態から図1(D)のシールブレイクの状態に至るまでが約80度に形成されており、雄螺子部の始点から螺子の形成方向に向かって最初に形成されるベント部30aを形成する最上段の雄螺子部に形成されるべき切欠きを形成しないことによって、アウターシール解除後からシールブレイクよりも前の旋回角度において、容器内面が平滑に形成され、インナーリングによる密封を確実に行うことができる。
樹脂製容器としては、ベント部を有する口部であることから、内容物として炭酸飲料等の自生圧力を有する飲料に使用される容器や、非炭酸飲料等の内容物充填後ヘッドスペースを窒素置換して使用される容器等を例示することができる。このような容器としては二軸延伸ブロー成形によるポリエステル製容器、特にポリエチレンテレフタレートから成り、口部が結晶化されていない耐圧性ボトルであることが好適であるが、結晶化されるボトルであってもよい。
またスパウトとしては、パウチ等の包装体に溶着固定される溶着部及び口部から成り、口部の外面に雄螺子部及びベント部が形成されているスパウトを例示でき、口部に本発明の容器口部形状を好適に適用できる。
このため、シールブレイク時に内圧開放が必要な、炭酸飲料等を充填するための耐圧性容器や、窒素置換により容器内圧が微陽圧となる容器等の口部形状として好適に使用できる。
Claims (3)
- 頂板部及び該頂板部周縁から垂下するスカート部から成り、前記頂板部の内面にはインナーリングが形成されており、前記スカート部の内周面には雌螺子部が形成されており、前記スカート部の下端には、破断可能な弱化部を介してタンパーエビデントバンドが形成されている樹脂製キャップが適用される容器の樹脂製口部であって、
外周面には前記キャップに形成された前記雌螺子部と係合する雄螺子部が形成されている樹脂製口部において、
前記雄螺子部には軸方向に延びるベント部を形成するための切欠きが形成されており、
前記雄螺子部の始点から螺子の形成方向に向かって最初に形成されるベント部には、最上段の雄螺子部に形成される切欠きが他の切欠きに比して切欠きの深さが少ない又は切欠きが形成されていない部位が存在し、
前記キャップによって密封されると、前記部位の上下方向高さ位置の内面にて前記インナーリングの外面が接触せしめられる、ことを特徴とする樹脂製口部。 - 前記樹脂製口部は容器がポリエチレンテレフタレートから成り、非結晶である請求項1記載の樹脂製口部。
- 前記容器は溶着部及び口部から成るスパウトである請求項1記載の樹脂製口部。
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