JP2018162097A - 合成樹脂キャップ及びキャップユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】管理しやすい適正な開栓トルク値を得ることができる合成樹脂キャップおよびこの合成樹脂キャップを含むキャップユニットを提供する。【解決手段】第1樹脂の容器口部に螺合する第2樹脂の合成樹脂は、容器口部の筒状側壁の内面に密着してシールを形成するインナーリングを下面に備えた頂板部と、前記頂板部の周縁から降下するとともに、前記筒状側壁の外面に形成された螺子部と螺合する螺条が形成されたスカート壁と、前記頂板部の下面であって前記スカート壁と前記インナーリングとの間に形成された天面コンタクトリングと、を具備し、前記筒状側壁の外面上端には径方向の外側に向かって突出する突出部が形成され、前記合成樹脂キャップが前記容器口部に螺合されるとき、前記天面コンタクトリングが前記突出部に接触することで当該突出部が弾性変形する。【選択図】 図1

Description

本発明は、容器口部を封止する技術に関し、より詳細には合成樹脂キャップ及びキャップユニットに関する。
水やお茶あるいは清涼飲料水などの飲料用容器として、PETボトルなどのボトル容器やスパウト付き紙パック容器など開閉が可能なものが広く使用されている。これらの容器に使用されるキャップとしては、例えば樹脂を射出成形して所望の形状に成形した合成樹脂キャップなどが用いられている。
また、近年では、ゼリー状食品などを可撓性シートによって収容可能なパウチも広く使用されている。かようなパウチの口栓としては、容器本体と熱溶着したスパウトで容器口部を形成し、この容器口部に対して合成樹脂キャップを用いて開栓又は閉栓を行っている。
このようなキャップには、容器口部に打栓によって嵌め込まれるタイプもあるが、容器口部の筒状側壁の外面に形成された螺子部と螺子係合により装着される螺子タイプも多く存在する。
例えば特許文献1乃至特許文献3では、ボトルキャップの頂面板の内壁にインナーリングとコンタクトリングを形成することで液漏れを抑制する螺子嵌合式のボトルキャップが開示されている。
特開平8−40444号公報 実公平5−31078号公報 特許第4393092号
しかしながら上記した特許文献を含む技術では、いまだ市場のニーズを満たしているとは言えず、少なくとも以下に述べる課題が存在する。
すなわち、たしかに容器口部に対するキャップの密封性(シール性)を高めるためには、インナーリングに加えてコンタクトリングを用いることは有効ではある。
しかしながらコンタクトリングが容器口部と接触する部位には摩擦が生じるので、コンタクトリングが容器口部に接触した以降の螺子の増し締めにおいて、開栓トルクが上昇し易いという課題がある。
この点に関しては、キャップの容器口部に対する増し締め角度は、キャップを容器口部へ巻き締める際の品質管理上においても重要であり、従来の構造では適正な開栓トルク値を得るための許容される増し締め角度範囲が狭くなり、その結果としてキャッピング管理が難しくなる虞がある。
上記した課題は、近年のローハイト(主軸方向の高さが小さい)キャップでは特に顕著となるが、管理しやすい適正な開栓トルク値を得ることができるキャップの構造は未だに提案されていない。
従って、本発明の目的の1つは、管理しやすい適正な開栓トルク値を得ることができる合成樹脂キャップおよびこの合成樹脂キャップを含むキャップユニットを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の一形態における合成樹脂キャップは、(1)第1樹脂で形成された容器口部に螺合されるとともに、前記第1樹脂よりも硬度が高い第2樹脂で形成された合成樹脂キャップであって、容器口部の筒状側壁の内面に密着してシールを形成するインナーリングを下面に備えた頂板部と、前記頂板部の周縁から降下するとともに、前記筒状側壁の外面に形成された螺子部と螺合する螺条が形成されたスカート壁と、前記頂板部の下面であって前記スカート壁と前記インナーリングとの間に形成された天面コンタクトリングと、を具備し、前記筒状側壁の外面上端には径方向の外側に向かって突出する突出部が形成され、前記合成樹脂キャップが前記容器口部に螺合されるとき、前記天面コンタクトリングが前記突出部に接触することで当該突出部が弾性変形することを特徴とする。
また、上記した(1)に記載の合成樹脂キャップにおいては、(2)前記合成樹脂キャップが前記容器口部から開栓されたとき、当該突出部の前記弾性変形が解除されることが好ましい。
また、上記した(1)又は(2)に記載の合成樹脂キャップにおいては、(3)前記天面コンタクトリングが前記突出部と接触する位置は、前記径方向に関して前記突出部の根元よりも外側であることが好ましい。
また、上記した(1)〜(3)のいずれかに記載の合成樹脂キャップにおいては、(4)前記容器口部は、前記突出部と前記螺子部との間には前記径方向に関して内側に窪んだ肉抜き部を有することが好ましい。
また、上記した(1)〜(4)のいずれかに記載の合成樹脂キャップにおいては、(5)前記突出部は、前記径方向に関し、前記螺子部と当該突出部との間における前記筒状側壁の外面よりも外側に突出することが好ましい。
また、上記した(1)〜(5)のいずれかに記載の合成樹脂キャップにおいては、(6)前記突出部は、前記インナーリングが前記筒状側壁の内面に密着するシールポイントよりも上方に配置されることが好ましい。
また、上記した(1)〜(6)のいずれかに記載の合成樹脂キャップにおいては、(7)前記第1樹脂は低密度ポリエチレンであり、前記第2樹脂は高密度ポリエチレンであることが好ましい。
さらに上記課題を解決するため、本発明の一形態におけるキャップユニットは、前記容器口部としてのスパウトと、上記した(1)〜(7)のいずれかに記載の合成樹脂キャップと、を備えることを特徴とする。
本発明の合成樹脂キャップ及びキャップユニットによれば、天面コンタクトリングが容器口部に接触した以降の増し締めにおいても過大な開栓トルクが生じてしまうことを抑制し、その結果、適正な開栓トルク値を得るための許容される増し締め角度範囲を広くすることができる。
実施形態に係るキャップユニット100の外観正面図である。 キャップユニット100のうち容器口部10Aの外観正面図(半断面)及びその一部拡大図である。 キャップユニット100のうち合成樹脂キャップ20の外観正面図(半断面)である。 キャップユニット100の断面構造を説明する模式図である。 容器口部10Aに合成樹脂キャップ20が嵌合されるときの状態遷移を説明する模式図である。 変形例1に係る容器口部10Bを示す正面図である。 変形例2に係る容器口部10Cを示す正面図である。
以下、本発明を好適に実施するための実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、以下の説明中において適宜X方向、Y方向、およびZ方向をそれぞれ規定したが、本発明の権利範囲を減縮するものでないことは言うまでもない。
なお、以下で詳述する本発明の特徴事項以外の事項については、例えば特許第4393092号などの公知のキャップ構造を適宜参照してもよい。
[キャップユニット]
図1は、本実施形態に係るキャップユニット100を示している。
同図のとおり、キャップユニット100は、容器口部10Aと、合成樹脂キャップ20とを含んで構成されている。
容器口部10Aは、例えば飲食物や薬品などの内容物を収容する容器から内容物が注出される部位である。この容器口部10Aは、例えば内容物が収容される容器本体と一体構造となっていてもよいし、当該容器本体とは別体となっていてもよい。また、かような容器としては、例えば樹脂製のボトルや紙製のパックなど、本実施形態の容器口部10Aが適用可能な限りにおいて種々の公知の容器を適用してもよい。
このように容器本体と一体構造の容器口部10Aとしては、例えばPETボトルなどのボトル容器の口部などが挙げられる。一方で容器本体と別体の容器口部10Aとしては、例えばパウチや紙製容器に熱溶着されるスパウトなどが挙げられる。
以下では、容器口部10Aの一例としてスパウトを、容器本体として紙製容器をそれぞれ例示して説明を継続するが、本発明はこの形態に限られるものではない。
合成樹脂キャップ20は、第1樹脂で形成された容器口部10Aに螺合される機能を有するとともに、この第1樹脂よりも硬度が高い第2樹脂で形成されている。
ここで、第1樹脂及び第2樹脂としては、上記のとおり第2樹脂のほうが第1樹脂よりも硬い限りにおいて公知の種々の樹脂が適用できる。かような樹脂としては、例えば低密度PE(ポリエチレン)、高密度PE、PP(ポリプロピレン)、あるいはPEとPPの混合樹脂などが例示される。
非限定的な一例として、本実施形態に好適な第1樹脂と第2樹脂の組み合わせを以下の表1に示す。
[容器口部]
次に図2を参照して、本実施形態における容器口部10Aの詳細な構造について説明する。なお、図2(1)は容器口部10Aの外観正面図(半断面)であり、図2(2)は図2(1)におけるP部を拡大した一部拡大図である。
本実施形態における容器口部10Aは、一例として、容器本体とは分離して形成された合成樹脂のスパウトである。この容器口部10Aは、図2(1)に示すとおり、筒状側壁11、フランジ部12とを含んで構成されている。
筒状側壁11は、その内部が中空となって内容物が注出される内面11aを備えた筒状の部位である。一方で筒状側壁11の外面11bには螺子部11cが形成されており、この螺子部11cは、キャップ閉栓時に後述する合成樹脂キャップ20の螺条22aと螺合する。
螺子部11cは、本実施形態では、いわゆる多条螺子となっている。例えば水などが内容物の場合には、イージーオープン性の観点などから多条螺子が用いられることが多い。なお、本実施形態では螺子部11cとして3条螺子が用いられているが、この形態に限られず1条螺子や2条螺子などとなっていてもよい。
また、本実施形態では、筒状側壁11の外面上端には径方向の外側(図2ではX方向)に向かって突出する突出部11dが形成されている。この突出部11dは、筒状側壁11の開口端部に設けられており、後述する合成樹脂キャップ20の天面コンタクトリング23と接触可能となっている。
この突出部11dは、本実施形態では、筒状側壁11の外面上端から水平に外側へ延びた形状となっている。しかしながら、突出部11dの頂面側(Z方向上側の面)は、筒状側壁11の外面上端から水平に延びてもよいし、先端がZ方向下側に垂れ下がるような曲面となっていてもよいし、あるいは先端がZ方向上側に傾斜するような曲面となっていてもよい。
また、この突出部11dのZ方向における厚みについては、後述する肉抜き部11eが形成された部位における筒状側壁11のX方向の厚みよりも小さい厚さであることが好ましい。いずれにしても、この突出部11dのZ方向における厚みは、天面コンタクトリング23が接触した後で突出部11dが撓む(弾性変形する)ことが可能な範囲で適宜設定してもよい。
また、この突出部11dの径方向外側への突出量(径方向における根元からの大きさ)については、螺子部11cのネジ山の外径よりも突出しないことが好ましい。また、この突出部11dは、螺子部11cのネジ谷の外径よりも突出してもよい。
ここで、突出部11dの根元とは、突出部11dが突出する筒状側壁11の外面11b付近を言い、突出部11dの先端とは径方向外側に延びた先を言う。
また、この突出部11dは、径方向に関し、螺子部11cと当該突出部11dとの間における筒状側壁11の外面よりも外側に突出することが好ましい。例えば図2(1)における突出部11dの場合では、螺子部11cと当該突出部11dとの間には肉抜き部11eが形成されており、この肉抜き部11eの底(筒状側壁11の外面)よりも径方向外側に突出する形態となっている。
このように本実施形態では、筒状側壁11の外面11bのうち螺子部11cと突出部11dとの間には肉抜き部11eが形成されている。この肉抜き部11eは、外面11bから内側(筒状側壁11の中心方向)に向かって底面11eが窪んだ凹状となるように欠かれた部位である。
従って容器口部10Aは、突出部11dと螺子部11cとの間に径方向に関して内側に窪んだ肉抜き部11eを有していると言える。
なお、図2(2)に示すように、上記した肉抜き部11eを設けた場合においては、突出部11dの根元11dと肉抜き部11eの上端部11eとが一致することが好ましい。
また、上記した肉抜き部11eを設けた場合においては、突出部11dのZ方向の厚み(突出方向(X方向)における平均厚み、又は突出部11dの任意の個所におけるZ方向の厚み)は、肉抜き部11eの上端部11eにおけるX方向の厚みよりも小さいことが好ましい。
一方で、上記した肉抜き部11eを設けない場合においては、突出部11dのZ方向の厚み(突出方向(X方向)における平均厚み、又は突出部11dの任意の個所におけるZ方向の厚み)は、突出部11dの根元11dにおけるX方向の厚みよりも小さいことが好ましい。
なお、肉抜き部11eの形成方法としては、例えば容器口部10Aを形成する射出成形時に同時に形成されるようにしてもよいし、射出成形後に一部を削り取って肉抜き部11eを形成してもよい。
また、肉抜き部11eの深さ(X方向に関する凹部の深さ)については、特に制限はなく、天面コンタクトリング23が接触した後で突出部11dが撓む(弾性変形する)ことが可能な範囲で適宜設定してもよい。
また、肉抜き部11eのZ方向の大きさは、キャップの増し締めを行った際に、弾性変形した突出部11dが肉抜き部11eの下面11eに接触しない寸法であることが好ましい。
なお、後述する変形例で説明するとおり、肉抜き部11eは形成されていなくともよい。
フランジ部12は、上記した容器本体と熱溶着される部位であり、例えば溶着面12aに対して紙製容器(樹脂が被覆された紙容器など)やパウチなどの容器本体の一部が密着される。なお、容器本体とフランジ部12の溶着態様に特に制限はなく、公知の溶着態様を適用してもよい。例えば、フランジ部12の上面(Z方向上側)で容器本体と溶着されてもよいし、下面で溶着されてもよいし、あるいはZ方向に長さのある場合は側面で容器本体と溶着される形態であってもよい。
[合成樹脂キャップ]
次に図3を参照して、本実施形態における合成樹脂キャップ20の詳細な構造について説明する。
図示されるとおり、この合成樹脂キャップ20は、頂板部21、スカート壁22、及び天面コンタクトリング23を少なくとも含んで構成されている。
頂板部21は、容器口部10Aの筒状側壁11の内面11aに密着してシールを形成するインナーリング21bを下面21aに備えている。さらに本実施形態では、頂板部21の下面21aのうち、インナーリング21bよりも外側であってスカート壁22よりも内側にはアウターリング24が形成されていてもよい。
スカート壁22は、頂板部21の周縁から降下するとともに、筒状側壁11の外面11bに形成された螺子部11cと螺合する螺条22aを有するように形成されている。なお、図3に示すとおり、このスカート壁22の外面には、例えば軸方向(Z方向)に延在するナール部(いわゆる縦リブ、ローレットなどともいう)が周方向(θz方向)に亘って複数形成されていてもよい。
天面コンタクトリング23は、頂板部21の下面21aであってスカート壁22とインナーリング21bとの間で垂下するように形成されている。そして後述するとおり、合成樹脂キャップ20が容器口部10Aに螺合されるとき、この天面コンタクトリング23が突出部11dに接触することで当該突出部11dなどが弾性変形することになる。一方で合成樹脂キャップ20が容器口部10Aから開栓されたときは、当該突出部11dの弾性変形が解除されて閉栓前の状態に戻ることになる。
なお、天面コンタクトリング23の高さ(頂板部21からの高さ)は、例えばインナーリング21aやアウターリング24よりも低くなるように設定されている。
また、本実施形態の合成樹脂キャップ20においては、スカート壁22の下端で破断可能なブリッジを介して開封履歴明示バンド(TEバンド)25が設けられていてもよい。かような場合には、合成樹脂キャップ20が初めて容器口部10Aから開栓されたときは、このTEバンド25は容器口部10Aの収容溝11g内に残留することとなる。
次に、図4及び図5を参照して、容器口部10Aに合成樹脂キャップ20が嵌合されるときの状態およびその遷移の態様について説明する。
合成樹脂キャップ20を容器口部10Aに閉栓していくとき、合成樹脂キャップ20をθz方向の閉栓方向(例えば時計回り)に回転させるとスカート壁22の螺条22aが容器口部10Aの螺子部11cと螺合していく。
螺条22aが螺子部11cに対して螺合を続けると、図4に示すとおり、合成樹脂キャップ20の天面コンタクトリング23が容器口部10Aの突出部11dに接触する。本実施形態では、この接触した状態から更に合成樹脂キャップ20を所定の角度だけ閉栓方向に回転させることで増し締めを行う。
なお本実施形態では、この接触した状態から更に閉栓方向に合成樹脂キャップ20を回す所定の角度を「増し締め角」とも称するが、開栓トルクを上昇させずこの増し締め角を適正の範囲に収めることが、製造品質を向上させる点で重要な因子となる。
そこで本実施形態では、増し締めを行う際における開栓トルクの上昇を抑制すべく、天面コンタクトリング23が接触した突出部11dは弾性変形し、且つ、合成樹脂キャップが突出部11dから離脱した際(開栓するとき)には突出部11dの弾性変形が解除されるように構成した。
図5(1)には、容器口部10Aに合成樹脂キャップ20が嵌合されるときの状態遷移を示す。
まず同図(a)に示すとおり、容器口部10Aに対して合成樹脂キャップ20を閉栓する際は、例えばθz方向の時計回りに合成樹脂キャップ20を回転させる。このとき、未だ天面コンタクトリング23が突出部11dに接触してはいないが、インナーリング21bの下方の最大外径部は筒状側壁11の内面11aに密接し、シールポイントSPを形成する。
次いで同図(a)から(b)の状態に遷移すると、天面コンタクトリング23が突出部11dに接触する。
このとき、天面コンタクトリング23が突出部11dと接触する位置は、径方向(図5における断面ではX方向)に関して突出部11dの根元よりも外側であることが好ましい。
また本実施形態では、天面コンタクトリング23が突出部11dと接触する位置は、肉抜き部11eの底面11eよりも径方向に関して外側であることが好ましい。
さらに本実施形態では、天面コンタクトリング23が突出部11dと接触するとき、突出部11dは、インナーリング21bが筒状側壁11の内面11aに密着するシールポイントSPよりも上方に配置されていることが好ましい。換言すれば、突出部11dは、筒状側壁11における螺子部11cの上端(螺子が形成される領域の上端)よりも上方に配置されていることが好ましい。更に、インナーリング21bのシールポイントSPは、高さ方向(Z方向)において肉抜き部11eよりも下方に配置されていることが好ましく、それに加えてシールポイントSPは、高さ方向(Z方向)において突出部11dよりも螺子部11cに近い配置形態となっていてもよい。
これにより、上記した弾性変形がシールポイントSPを形成する部位に影響を与えず、シール状態を適正に維持することが可能となっている。
なお、天面コンタクトリング23が突出部11dと接触した際に、本実施形態ではアウターリング24は突出部11dとは接触せず互いに所定距離だけ離間した位置関係となっている。これにより、アウターリング24と突出部11dとが接触することによって発生する開栓トルクの上昇が抑制される。
このように、本実施形態のアウターリング24は、例えば大きな衝撃がキャップユニット100に加わった時など、天面コンタクトリング23が突出部11dに対して過大に横ズレした際の保護壁としても機能している。
次いで同図(b)から(c)の状態に遷移すると、増し締めが行われて突出部11dが弾性変形する。
これにより、増し締めが行われたとしても、天面コンタクトリング23と突出部11dとの間に生じる摩擦力は過度に増大せず、開栓トルクの上昇が抑制されることとなる。
また、増し締めが行われる際には、天面コンタクトリング23と突出部11dとの接触に起因して螺条22aと螺子部11cとの間で生じる径方向の圧力も上昇する。特に本実施形態では多条ねじが用いられていることから、増し締め角度が大きくなると一条ねじと比較して螺条22aと螺子部11cとの間で生じる開栓トルクも上昇しやすい。
これに対して本実施形態によれば、増し締め時に突出部11dが弾性変形可能であるので、天面コンタクトリング23と突出部11dとの間でも過大な圧力は生じず、これが起因して開栓トルクが上昇してしまうことも抑制できる。
なお、図5(2)に示すように、本実施形態の天面コンタクトリング23は、頂板部21から垂下する形状が高さ方向(Z方向)に関して非対称となっていてもよい。より具体的には、天面コンタクトリング23は、突出部11dと接触する箇所よりも内側が、その外側よりも斜めに傾斜していてもよい。
また、この水平方向に対する勾配の角度を勾配角αとすると、この勾配角αは例えば30〜80度であることが好ましい。このように本実施形態では天面コンタクトリング23の形状をZ方向に関して非対称として内側面を傾斜させることで、増し締めの際に突出部11dや筒状側壁11を弾性変形しやすくしている。
なお図5(1)(b)に示す状態以降は、シールポイントSPに加えて、突出部11dと天面コンタクトリング23との接触部でもシールが形成される。
以上説明したとおり、本実施形態では、増し締めの際に天面コンタクトリング23に接触した突出部11dが弾性変形し、開栓の際には突出部11dから天面コンタクトリング23が離脱することでこの弾性変形が解除される構成となっている。
特に水系飲料や紙パック系飲料などはクイックオープン性が求められることから、多条ねじが用いられて螺子のリード角が立っていることがある。この場合、どうしても増し締め角度当たりの開栓トルクが高くなりやすいが、キャップの高さを充分に確保できない場合もあり、適正な増し締め角は維持つつも出来るだけ開栓トルクは低くしたい。
この点、例えばキャップに滑剤を入れることなども想定できるが、例えば内容物が牛乳の場合などは、乳等省令に規定される厳しい要件を満たすべくキャップに滑剤を入れることができない。
このように従来の構造では増し締め角度を維持しつつ開栓トルクの上昇を抑えることは極めて困難であったが、本実施形態によれば開栓トルクの上昇が抑制されて適正な増し締め角を実現することが可能となった。
上記した実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、実施形態に適宜適用が可能な変形例について説明する。なお、以下の各変形例において上記した実施形態と機能が共通する構成は、同じ参照番号を付して適宜その説明を省略する。
<変形例1>
図6は、変形例1に係る容器口部10Bの模式図である。
この変形例1が上述した実施形態と異なる点は、主として、肉抜き部11eが拡大している点である。したがって、上記した実施形態と機能・作用が共通する構成は、同じ参照番号を付してその説明を省略する(以下の変形例2でも同様)。
同図に示すように、変形例1の肉抜き部11eは、突出部11dと螺子部11cとの間を埋めるように形成されている。換言すれば、変形例1の肉抜き部11eにおけるZ方向の大きさは、上記した実施形態における肉抜き部11eのそれよりも大きい。
なお、変形例1における肉抜き部11eの底の大きさ(Z方向の大きさ)は、螺子部11cのネジ谷の大きさ(Z方向の大きさ)と同じ程度であってもよい。
また本変形例1では、肉抜き部11eの深さは一様であり底面はZ方向に沿って垂下しているが、この態様に限られるものではない。例えば肉抜き部11eの底面がZ方向と交差するように斜めに垂下していてもよいし、肉抜き部11eの底が二段の底(多段底)となっているなど異なる深さの底面となっていてもよい。
<変形例2>
図7は、変形例2に係る容器口部10Cの模式図である。
この変形例2が上述した実施形態や変形例1と異なる点は、主として、筒状側壁11に肉抜き部11eが形成されていない点である。
すなわち、同図に示すとおり、変形例2においては、突出部11dと螺子部11cとの間には肉抜き部11eが形成されず、当該領域は螺子部11cのネジ谷と同じ外径となっている。したがって本実施形態では、天面コンタクトリング23が突出部11dと接触する位置は、筒状側壁11の外面11bよりも外側となっていると言える。
この変形例2によっても、増し締め時には天面コンタクトリング23と接触した突出部11dが弾性変形することとなり、これによって開栓トルクの上昇が抑制される。
また、この変形例2によれば、肉抜き部11eは形成されないため、開栓トルクの上昇は抑制しつつも、更に筒状側壁11の剛性を高いまま維持することが可能となっている。
以上説明したように、本発明の合成樹脂キャップとキャップユニットは、適正な増し締め角を維持しつつ開栓トルクの上昇を抑制可能な構造を提供するのに適している。
100 キャップユニット
10A、10B、10C 容器口部
11 筒状側壁
12 フランジ部
20 合成樹脂キャップ
21 頂板部
22 スカート壁
23 天面コンタクトリング
24 アウターリング
25 TEバンド

Claims (8)

  1. 第1樹脂で形成された容器口部に螺合されるとともに、前記第1樹脂よりも硬度が高い第2樹脂で形成された合成樹脂キャップであって、
    容器口部の筒状側壁の内面に密着してシールを形成するインナーリングを下面に備えた頂板部と、
    前記頂板部の周縁から降下するとともに、前記筒状側壁の外面に形成された螺子部と螺合する螺条が形成されたスカート壁と、
    前記頂板部の下面であって前記スカート壁と前記インナーリングとの間に形成された天面コンタクトリングと、を具備し、
    前記筒状側壁の外面上端には径方向の外側に向かって突出する突出部が形成され、
    前記合成樹脂キャップが前記容器口部に螺合されるとき、前記天面コンタクトリングが前記突出部に接触することで当該突出部が弾性変形する合成樹脂キャップ。
  2. 前記合成樹脂キャップが前記容器口部から開栓されたとき、当該突出部の前記弾性変形が解除される請求項1に記載の合成樹脂キャップ。
  3. 前記天面コンタクトリングが前記突出部と接触する位置は、前記径方向に関して前記突出部の根元よりも外側である請求項1又は2に記載の合成樹脂キャップ。
  4. 前記容器口部は、前記突出部と前記螺子部との間には前記径方向に関して内側に窪んだ肉抜き部を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の合成樹脂キャップ。
  5. 前記突出部は、前記径方向に関し、前記螺子部と当該突出部との間における前記筒状側壁の外面よりも外側に突出する請求項1〜4のいずれか一項に記載の合成樹脂キャップ。
  6. 前記突出部は、前記インナーリングが前記筒状側壁の内面に密着するシールポイントよりも上方に配置される請求項1〜5のいずれか一項に記載の合成樹脂キャップ。
  7. 前記第1樹脂は低密度ポリエチレンであり、前記第2樹脂は高密度ポリエチレンである請求項1〜6のいずれか一項に記載の合成樹脂キャップ。
  8. 前記容器口部としてのスパウトと、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の合成樹脂キャップと、
    を備えるキャップユニット。
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