JP2014069383A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属箔の両側に、耐熱性に優れる熱可塑性樹脂基材層が設けられてなり、深絞り成形可能で、かつ形状保持性や耐久性に優れた成形品を得ることができる積層体を提供する。
【解決手段】金属箔(A)の両側に、融点が220℃以上である熱可塑性樹脂基材層(B)と、融点が220℃以上である熱可塑性樹脂基材層(C)とがそれぞれ積層されてなる積層体であって、下記I〜IV式を満たし、
少なくとも一方向の25℃における破断伸度が50%以上であり、かつ破断点強度が100MPa以上である積層体。
0.3≦H/H≦1(I)
0.3≦H/H≦1(II)
0.5<H/H≦1(III)
50≦H+H+H≦120 (IV)
:金属箔(A)の厚み(単位:μm)
:熱可塑性樹脂基材層(B)の厚み(単位:μm)
:熱可塑性樹脂基材層(C)の厚み(単位:μm)
但し、H≦Hとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属箔の両側に、耐熱性に優れる熱可塑性樹脂基材層が設けられてなり、金属箔と熱可塑性樹脂基材層の厚み比が特定範囲である積層体に関し、特に成形加工を施される電池外装用、医薬包装用途などに好適に使用できる積層体に関する。
アルミニウムやステンレスあるいは金、銀、銅といった金属は、それぞれの金属特有の機械的特性、熱的特性、光学的特性、電気的特性、物理的特性を活かして、電気材料、包装材料、装飾材料、建築材料、光学材料などあらゆる用途に幅広く利用されている。中でも、金属のガスバリア性、水蒸気バリア性を利用して、電池外装用、医薬包装用、コンデンサ外装用、食品包装用といった包装用途への適用が進んでいるが、特に電池外装用については高容量化に伴う体積の増加に対するニーズが高いことから、金属箔の深絞成形性が必要である。また、医薬包装用についても、内容物に合わせて成形加工が施されており、金属箔の加工性が重要である。
例えば、電池外装用として、金属箔を成形加工する方法としては、熱可塑性樹脂フィルムとしてポリアミドフィルムを金属箔の片側に積層させ、ポリアミドフィルムの成形に追従させて金属箔を加工する方法が採用されている(例えば特許文献1参照)。また、突き刺し強度の高いポリエステルフィルムを金属箔に積層し、成形性を向上させる積層体が提案されている(例えば特許文献2参照)。さらに、成形加工後の成形品の形状保持性、耐久性を高めるために金属箔の両側にポリアミドフィルムや、ポリエステルフィルムを積層させる構成が提案されている(例えば特許文献3、特許文献4)。
また、医療包装についても、内容物の劣化を防ぐために、金属箔を有する包装形態のニーズが高まっており、内容物の形状に合わせて金属箔の成形性向上と成形後の成形品形状保持性、耐久性の向上が求められている。
特開2006−236938号公報 特開2011−204674号公報 特開2004−327042号公報 特開2011−138793号公報
しかしながら、特許文献1は、ポリアミドフィルムを金属箔の片側に積層しているため、成形後に成形体がポリアミドフィルム側へソリが発生したり、長時間保管時にフィルムと金属箔間でデラミネーションが発生するといった課題があった。
また、特許文献2は、突き刺し強度の高いポリエステルフィルムを金属箔の片側に積層しているが、金属箔の片側のみの積層のため成形性が不十分であり、また、特許文献1同様に成形後に成形体がポリエステルフィルム側へソリが発生するといった課題があった。
特許文献3に記載の積層体は、積層体における金属箔の厚みが、両側に積層されているポリアミドフィルムや、ポリエステルフィルムと比較して、薄い構成となっており、十分な成形性を達成することが困難であり、成形後の耐久性にも課題があった。
また、特許文献4に記載の積層体は、金属箔の両側に積層されているポリアミドフィルムや、ポリエステルフィルムが一般的なものを使用していることから、積層体としての破断伸度、破断点強度が不十分で、深絞り成形性、成形時の耐ピンホール性に関して、満足できるものではなかった。
本発明の課題は上記した問題点を解消することにある。すなわち、金属箔の両側に、耐熱性に優れる熱可塑性樹脂基材層が設けられてなり、深絞り成形可能で、かつ形状保持性や耐久性に優れた成形品を得ることができる積層体を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、以下の構成を有する。
(1)金属箔(A)の両側に、融点が220℃以上である熱可塑性樹脂基材層(B)と、融点が220℃以上である熱可塑性樹脂基材層(C)とがそれぞれ積層されてなる積層体であって、
下記I〜IV式を満たし、
少なくとも一方向の25℃における破断点強度が、100MPa以上である積層体。
0.1≦H/H≦1(I)
0.1≦H/H≦1(II)
0.5<H/H≦1(III)
50≦H+H+H≦200 (IV)
:金属箔(A)の厚み(単位:μm)
:熱可塑性樹脂基材層(B)の厚み(単位:μm)
:熱可塑性樹脂基材層(C)の厚み(単位:μm)
但し、H≦Hとする。
(2)少なくとも一方向の25℃における破断伸度が60%以上であり、かつ破断点強度が120MPa以上である(1)に記載の積層体。
(3)前記熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)が、ポリエステルフィルムである(1)または、(2)に記載の積層体。
(4)前記熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)が、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムである(3)に記載の積層体。
(5)金属箔(A)と熱可塑性樹脂基材層(B)、金属箔(A)と熱可塑性樹脂基材層(C)が、それぞれ厚さ4μm以下の接着層を介して積層されてなる(1)〜(4)に記載の積層体。
(6)熱可塑性樹脂基材(B)、熱可塑性樹脂基材(C)がそれぞれ、熱可塑性樹脂フィルム(B)、熱可塑性樹脂フィルム(C)とからなり、
熱可塑性フィルム(B)と、熱可塑性フィルム(C)の破断点荷重の差の絶対値が2kgf以下である、(1)〜(5)のいずれかに記載の積層体。
(7)熱可塑性樹脂基材(B)、熱可塑性樹脂基材(C)がそれぞれ、熱可塑性樹脂フィルム(B)、熱可塑性樹脂フィルム(C)とからなり、
熱可塑性樹脂フィルム(B)と、熱可塑性樹脂フィルム(C)のいずれにおいても破断点荷重が3.5kgf以上である、(1)〜(6)のいずれかに記載の積層体。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の積層体の熱可塑性樹脂基材層(B)または熱可塑性樹脂基材層(C)にさらに熱可塑性樹脂基材層を構成する樹脂よりも融点の低い熱可塑性樹脂を用いてなる熱可塑性樹脂層(D)を積層してなる積層体。
(9)金属箔(A)が、下記(IV)式を満たすアルミニウム/鉄合金である(1)〜(8)のいずれかに記載の積層体。
10≦H≦100 (IV)
(10)前記、アルミニウム/鉄合金の鉄の含有量が0.5〜1質量%である(9)に記載の積層体。
(11)電池外装用途に用いられる(1)〜(10)のいずれかに記載の積層体。
(12)自動車向け電池外装用途に用いられる(11)に記載の積層体。
(13)医療包装用途に用いられる(1)〜(10)のいずれかに記載の積層体。
(14)錠剤向けプレススルーパッケージ(Press Through Package、以下PTP)包装用途に用いられる(1)〜(10)または(13)のいずれかに記載の積層体。
本発明の積層体は、上記の構成を有することにより、深絞り成形が可能であり、高容量化対応の電池外装用構成体、医療包装用構成体に好適に使用することができる。
本発明の積層体は、ガスバリア性、水蒸気バリア性、強度の観点から、金属箔(A)を有する。
本発明における金属箔(A)を構成する金属は、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル、チタン、錫、銀、金、亜鉛など目的に応じて使用することができる。中でも、成形性、ガスバリア性、水蒸気バリア性、強度、経済性の観点からアルミニウムを含有する箔であることが好ましい。金属箔(A)は、アルミニウム単体であってもよく、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウム、シリコン、リチウム、鉄などが添加されたアルミニウム合金であってもよい。成形性の観点から、本発明における金属箔(A)は、アルミニウム/鉄合金であることが好ましく、前記アルミニウム/鉄合金の鉄の含有量は0.5〜1質量%であることが好ましい。
本発明において、金属箔(A)は、ポリエステルフィルム(B)もしくは、その他の層との密着性を向上させるために、少なくとも片面に化成処理を施すことが好ましい。化成処理の方法としては、クロム酸クロメート処理、リン酸クロメート処理、塗布型クロメート処理、ジルコニウム、チタン、リン酸亜鉛等の非クロム系(塗布型)化成処理、ベーマイト処理等が用いられる。
また、本発明における金属箔(A)は、下記(V)式を満たすことが好ましい。
10≦H≦100 (V) (但し、Hは金属箔(A)の厚み)
<10の場合、ガスバリア性、水蒸気バリア性、強度が不十分となる場合があり、一方、H>100の場合は、強度が高すぎて、十分な成形性が得られない。金属箔(A)は、(V’)を満たせばさらに好ましく、(V”)を満たせば最も好ましい。
20≦H≦80 (V’) (但し、Hは金属箔(A)の厚み)
30≦H≦60 (V”) (但し、Hは金属箔(A)の厚み)。
本発明の積層体は、金属箔(A)の両側に、融点が220℃以上である熱可塑性樹脂基材層(B)、融点が220℃以上である熱可塑性樹脂基材層(C)が設けられてなることが必要である。金属箔(A)の両側に熱可塑性樹脂基材層を積層することで、深絞り追従性、成形後の耐カール性を両立することが可能となる。金属箔(A)の片側のみに熱可塑性樹脂基材層が積層されてなる積層体の場合、成形追従性に限界があり、深絞り形状への対応が難しい。また、成形後に熱可塑性樹脂基材側へ成形体のカールが発生し、電池外装用途や、医薬包装用途へ使用できなくなる場合がある。さらに、成形体が経時で変形するなど耐久性も不十分になってしまう。
また、本発明の積層体の特徴として、金属箔(A)と熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)の厚み比を特定範囲とすることで、深絞り形状への成形追従性、成形後のカールの発生を抑制できる形状保持性、成形後の加熱でのシワ発生、金属箔と熱可塑性樹脂基材層とのデラミネーション発生、経時での変形を両立することができる。このような特性を達成するために、本発明の積層体は、下記I〜IV式を満たすことが必要である。
0.3≦H/H≦1(I)
0.3≦H/H≦1(II)
0.5<H/H≦1(III)
50≦H+H+H≦120 (IV)
:金属箔(A)の厚み(単位:μm)
:熱可塑性樹脂基材層(B)の厚み(単位:μm)
:熱可塑性樹脂基材層(C)の厚み(単位:μm)
但し、H≦Hとする。
I式は、金属箔(A)と熱可塑性樹脂基材(B)層との厚み比率を表しているが、H/Hが0.3未満であると、熱可塑性樹脂基材(B)の金属箔(A)に対する厚み比率が低すぎて、金属箔(A)を十分に成形追従させることが困難となる。一方、H/Hが1より大きくなると、金属箔(A)よりも熱可塑性樹脂基材(B)の方が、厚みが厚くなってしまい、成形後の形状保持性が低下してしまう。本発明の積層体は、I’式を満たせばさらに好ましく、I”式を満たせば最も好ましい。
0.35≦H/H≦0.9(I’)
0.4≦H/H≦0.8(I”)。
本発明のII式においても一式と同様に、H/Hが0.3未満であると、熱可塑性樹脂基材(C)の金属箔(A)に対する厚み比率が低すぎて、金属箔(A)を十分に成形追従させることが困難となる。一方、H/Hが1より大きくなると、金属箔(A)よりも熱可塑性樹脂基材(C)の方が、厚みが厚くなってしまい、成形後の形状保持性が低下してしまう。本発明の積層体は、II’式を満たせばさらに好ましく、II”式を満たせば最も好ましい。
0.35≦H/H≦0.9(II’)
0.4≦H/H≦0.8(II”)。
III式は、熱可塑性樹脂基材(B)層と、熱可塑性樹脂基材(C)層との厚み比率を表しているが、H/Hが0.5以下であると、厚みのバランスが悪く、特に成形後に、積層体にカールが発生する場合がある。本発明の積層体は、III’式を満たせばさらに好ましく、III”式を満たせば最も好ましい。
0.6<H/H≦1(III)’
0.7<H/H≦1(III)”。
IV式は、金属箔(A)、熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)を合わせた層厚みを表しているが、H+H+Hが50μm未満であると、積層体としての厚みが薄すぎて、強度が不十分になってしまう。一方、H+H+Hが200μmを超えると、厚みが厚すぎて、成形性が低下してしまう。本発明の積層体は、IV’式を満たせばさらに好ましく、IV”式を満たせば最も好ましい。
65≦H+H+H≦110 (IV)’
70≦H+H+H≦100 (IV)”。
本発明の積層体は、少なくとも一方向の25℃における破断伸度が50%以上であることが必要である。破断伸度が50%未満の場合は、十分な深絞り追従性が得られない場合がある。ここで、25℃における破断伸度とは、任意の一方向に試験長50mmの矩形型に切り出した積層体サンプルを25℃、63%Rhの条件下で、300mm/分のひずみ速度で引張試験を行った際、積層体を構成している少なくとも一つの層が破断したときの伸度を示す。例えば、金属箔(A)が破断した場合、熱可塑性樹脂基材層(B)や、熱可塑性樹脂基材層(C)が破断していなくても、積層体としては破断したとみなす。深絞り成形性の観点から、少なくとも一方向の25℃における破断伸度は55%以上であれば好ましく、深絞り成形性、工業的観点から60%以上200%以下であれば最も好ましい。
また、本発明の積層体は、少なくとも一方向の25℃における破断点強度が100MPa以上であることが必要である。破断点強度が100MPa未満の場合は、強度不足し、深絞り成形時にピンホールが発生してしまう場合がある。ここで、25℃における破断点強度は、前記破断伸度と同様の試験を行った際の、積層体が破断した時点の強度を示す。深絞り成形時の耐ピンホール性の観点から、破断点強度は110MPa以上であれば好ましく、耐ピンホール性、工業的観点から120MPa以上300MPa以下であれば最も好ましい。
本発明の積層体は、上記したとおり、深絞り成形性と深絞り成形時のピンホール発生を防ぐことが非常に重要であり、少なくとも一方向の25℃における破断伸度が50%以上であり、かつ破断点強度が100MPa以上であることが必要である。さらに、厳しい形状への追従性、耐ピンホール発生を抑制するために、25℃における破断伸度が60%以上であり、かつ破断点強度が120MPa以上であることが好ましい。
本発明の積層体の少なくとも一方向の25℃における破断伸度が50%以上であり、かつ破断点強度が100MPa以上とする方法は、特に限定されないが、前記熱可塑性樹脂基材(B)、熱可塑性樹脂基材(C)がそれぞれ、熱可塑性樹脂フィルム(B)、熱可塑性樹脂フィルム(C)とからなり、熱可塑性樹脂フィルム(B)と、熱可塑性樹脂フィルム(C)のいずれにおいても破断点荷重が3.5kgf以上であることが好ましい。破断点荷重を3.5kgf以上とすることで、加工が難しいとされる形状に成形する際にも、積層体のピンホール発生を抑制することが可能となる。熱可塑性樹脂フィルム(B)および、熱可塑性樹脂フィルム(C)の破断点荷重は、4kgf以上であればさらに好ましい。
また、本発明の積層体の少なくとも一方向の25℃における破断伸度が50%以上であり、かつ破断点強度が100MPa以上とする方法として、前記熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)が、それぞれ熱可塑性樹脂フィルム(B)、熱可塑性樹脂フィルム(C)からなり、熱可塑性樹脂フィルム(B)と、熱可塑性樹脂フィルム(C)のいずれにおいても190℃、10分間の熱処理における熱収縮率が、長手方向、幅方向ともに5%以上とすることも好ましい。熱可塑性樹脂フィルム(B)と、熱可塑性樹脂フィルム(C)の190℃、10分間の熱処理における熱収縮率は、長手方向、幅方向ともに5.5%以上であればさらに好ましく、6%を超えれば最も好ましい。
本発明では、金属箔(A)の両側に、融点が220℃以上である熱可塑性樹脂基材層(B)と、融点が220℃以上である熱可塑性樹脂基材層(C)とをそれぞれ積層させることによって、金属箔(A)単体や、金属箔(A)の片側のみに、融点が220℃以上である熱可塑性樹脂基材層を積層された積層体と比較して、高い破断点強度を示し、成形時のピンホール発生抑制効果が非常に高い積層体である。
本発明の積層体に用いられる熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)は、耐熱性の観点から、融点が220℃以上であることが必要である。より好ましくは、融点が230℃以上であり、240℃以上300℃以下であれば最も好ましい。本発明における融点とは、示差走査熱量測定(DSC)による1stRunにおける結晶融解ピーク温度のことを指し、結晶融解ピークが複数ある場合は、熱流の絶対値が最も大きい温度を結晶融解ピーク温度とする。
融点が220℃以上の樹脂としては、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレートといったポリエステル系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612といったポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂などが挙げられる。これらの中でも成形後の長期安定性、経済性の観点から、ポリエステル系樹脂が好ましく用いられる。
本発明の積層体において、成形後の長期安定性、経済性の観点から、熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)は、ポリエステルフィルムであることが好ましい。
本発明において、ポリエステルフィルムを構成するポリエステルとは、主鎖における主要な結合をエステル結合とする高分子化合物の総称である。そして、ポリエステル樹脂は、通常ジカルボン酸あるいはその誘導体とグリコールあるいはその誘導体を重縮合反応させることによって得ることができる。ここで、ジカルボン酸単位(構造単位)あるいはジオール単位(構造単位)とは、重縮合によって除去される部分を除かれた2価の有機基を意味し、以下の一般式で表される。
ジカルボン酸単位(構造単位): −CO−R−CO−
ジオール単位(構造単位): −O−R’―O−
(ここで、R、R’は二価の有機基。RとR’は同じであっても異なっていてもよい。)。
なお、トリメリット酸単位やグリセリン単位など3価以上のカルボン酸、あるいは、アルコール、並びに、それらの誘導体についての単位(構造単位)の意味についても同様である。
本発明に用いるポリエステルを与える、グリコールあるいはその誘導体としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジヒドロキシ化合物、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコールなどの脂環族ジヒドロキシ化合物、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族ジヒドロキシ化合物、並びに、それらの誘導体が挙げられる。
また、本発明に用いるポリエステルを与えるジカルボン酸あるいはその誘導体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、パラオキシ安息香酸などのオキシカルボン酸、並びに、それらの誘導体を挙げることができる。ジカルボン酸の誘導体としてはたとえばテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸2−ヒドロキシエチルメチルエステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、ダイマー酸ジメチルなどのエステル化物を挙げることができる。
本発明の熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)を構成するポリエステルフィルムは、成形性、強度、経済性の観点から、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
ここで、ポリエチレンテレフタレートフィルムとは、グリコールあるいはその誘導体として、エチレングリコールからなり、ジカルボン酸あるいはその誘導体としては、テレフタル酸から構成されてなるポリエステルフィルムである。なお、本発明の目的を損なわない程度であれば、その他のグリコールあるいはその誘導体及び、ジカルボン酸あるいはその誘導体を共重合させてもよい。具体的には、グリコール成分あるいはその誘導体として、エチレングリコールが90モル%以上、より好ましくは、95モル%以上、最も好ましくは98モル%以上である。また、ジカルボン酸成分あるいはその誘導体としては、テレフタル酸が90モル%以上、より好ましくは95モル%以上、最も好ましくは98モル%以上である。
本発明において、熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)がポリエステルフィルムである場合、本発明の積層体の少なくとも一方向の25℃における破断伸度が50%以上であり、かつ破断点強度が100MPa以上を達成するために、ポリエステルフィルムは、いずれにおいても面配向係数が、0.161以上0.178であることが好ましい。当該ポリエステルフィルムの面配向係数を0.161以上0.178以下とすることで、積層体としての破断伸度、破断点強度を高くすることができる。ここで、面配向係数とは、アッベ屈折計を用いて、フィルム面に平行な任意の一方向の屈折率(n)、同面内にあって該方向に直交する方向の屈折率(n)、厚み方向の屈折率(nZD)を測定し、下記式から算出される。
fn=(n+n)/2−nZD
本発明におけるポリエステルフィルムの面配向係数は、0.162以上0.176以下であればさらに好ましく、0.163以上0.174以下であれば最も好ましい。
本発明の積層体は、金属箔(A)と熱可塑性樹脂基材層(B)、金属箔(A)と熱可塑性樹脂基材層(C)とが、それぞれ厚さ4μm以下の接着層を介して積層されてなることが好ましい。金属箔(A)と熱可塑性樹脂基材層(B)、金属箔(A)と熱可塑性樹脂基材層(C)間に接着層を有しないと、接着強度が不十分となり、積層体として使用できない場合がある。一方、接着層の厚みが4μmを超える場合は、接着層の影響で、成形後の長期安定性耐久性が低下してしまう場合があるため、好ましくない。金属箔(A)と熱可塑性樹脂基材(B)、金属箔(A)と熱可塑性樹脂基材(C)は、厚さ3μm以下の接着層を介して積層されていればより好ましく、厚さ2μm以下の接着層を介して積層されていればさらに好ましく、経済性を考慮すると、厚さ0.05μm以上1μm以下の接着層を介して積層されていれば、最も好ましい。
本発明における接着層の組成は、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、エチレン・ビニルアセテート系接着剤、尿素系接着剤、ポリウレタン系接着剤などが挙げられるが、取り扱い性、硬化性、接着強度の観点からポリウレタン系接着剤が好ましく用いられる。
また、極性基を含有するオレフィン系樹脂も好ましく用いられる。極性基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミド基、エステル基、ヒドロキシル基等を挙げることができ、オレフィン系樹脂に極性基を含有させる方法としては、極性基を有する不飽和化合物をグラフトおよび/または共重合させる方法などが挙げられる。極性基を有する不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、マレイン酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル等を挙げることができる。ここで、オレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体といった各種ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体といった各種ポリプロピレン系樹脂、メチルペンテンポリマー等のポリオレフィン系樹脂を用いることができる。また、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などのα−オレフィンモノマーからなる重合体、該α−オレフィンモノマーからなるランダム共重合体、該α−オレフィンモノマーからなるブロック共重合体なども使用することができる。 このような不飽和化合物による変性ポリオレフィン樹脂としては、例えば、三洋化成製“ユーメックス”、三井化学製“アドマー”、三菱化学製“モディック”、アルケマ製“オレバック”、“ロタダー、東洋化成製“トーヨータック”などの各種樹脂が挙げられる。また、樹脂の酸化分解により変性された変性ポリオレフィン樹脂としては、三洋化成製“ビスコール”、“サンワックス”などが挙げられる。また、金属箔(A)との密着性をさらに向上させるために、金属によりナトリウム、カリウム、亜鉛、マグネシウムなどの金属イオンで架橋構造を形成させたアイオノマーも好ましく用いることができる。
本発明の接着層として、極性基を有するオレフィン系樹脂を適用する場合、接着強度の観点から、架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤としては、オキサゾリン、エポキシ、メラミン、イソシアネート、カルボジイミドなどの熱架橋性化合物が好ましく用いられる。
本発明の積層体に用いられる熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)はそれぞれ、熱可塑性樹脂フィルム(B)、熱可塑性樹脂フィルム(C)からなり、熱可塑性樹脂フィルム(B)と、熱可塑性フィルム(C)の破断点荷重の差の絶対値が2kgf以下であることが好ましい。熱可塑性樹脂フィルム(B)と、熱可塑性樹脂フィルム(C)の破断点荷重の差の絶対値を2kgf以下とすることで、熱可塑性樹脂フィルム(B)と熱可塑性樹脂フィルム(C)の成形時の伸長度に差が生じないので、深絞り形状への追従性、成形後の成形体のソリ発生を抑制することができるため好ましい。熱可塑性樹脂フィルム(B)、熱可塑性樹脂(C)の破断点荷重の差の絶対値を2kgf以下とする方法は特に限定されないが、例えばフィルム厚みを合わせ、また使用する熱可塑性樹脂の種類を合わせることが好ましい。また、熱可塑性樹脂の種類を合わせ、さらに熱可塑性樹脂フィルム(B)、熱可塑性樹脂フィルム(C)の面配向係数を合わせることで、破断点荷重の差の絶対値を2kgf以下に制御することが可能となる。熱可塑性樹脂フィルム(B)と熱可塑性樹脂フィルム(C)の破断点荷重の差の絶対値は1kgf以下であればさらに好ましく、0.5kgf以下であれば最も好ましい。
本発明の積層体は、熱可塑性樹脂基材層(B)または(C)にさらにこれらの熱可塑性樹脂基材層を構成してなる熱可塑性樹脂よりも融点が低い熱可塑性樹脂を用いた熱可塑性樹脂層(D)を積層してなることが好ましい。融点は、示差走査熱量計(セイコー電子工業製、RDC220)を用い、JIS K7121−1987、JIS K7122−1987に準拠して測定および、解析を行う。熱可塑性樹脂基材(B)、熱可塑性樹脂基材(C)、熱可塑性樹脂層(D)をそれぞれ5mg、サンプルに用い、1stRunとして、25℃から20℃/分で300℃まで昇温した際のDSC曲線より得られた吸熱ピークの頂点の温度を1stRunの結晶融解ピーク温度(融点)とした。結晶融解ピークが複数ある場合は、熱流の絶対値が最も大きい温度を結晶融解ピーク温度としてこれを融点とする。ここで、本発明の熱可塑性樹脂層(D)に明確な融点が認められない場合は、熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)を構成してなる熱可塑性樹脂の融点よりも、ガラス転移温度が低い場合も含まれる。ガラス転移温度は、融点と同様に測定を行い、ガラス状態からゴム状態への転移に基づく比熱変化を読み取り、JIS K7121−1987(9.3ガラス転移温度の求め方)に基づいて求める。なお、ガラス転移温度が複数存在する場合は、最も高温側のものを本発明のガラス転移温度とする。
本発明の積層体の積層構成は、熱可塑性樹脂基材層(B)/接着層/金属箔(A)/接着層/熱可塑性樹脂基材層(C)/接着層/熱可塑性樹脂層(D)または、熱可塑性樹脂基材(C)/接着層/金属箔(A)/接着層/熱可塑性樹脂基材層(B)/接着層/熱可塑性樹脂層(D)からなることが好ましい。熱可塑性樹脂層(D)は、シーラント層として用いられることを目的としており、ヒートシール性を有することが好ましい。本発明の熱可塑性樹脂(D)は、優れたヒートシール性と耐熱性を両立するために、融点が80℃以上220℃未満であることが好ましく、100℃以上200℃以下であればさらに好ましく、120℃以上190℃以下であれば最も好ましい。また、本発明の熱可塑性樹脂層(D)に明確な融点が認められない場合は、ガラス転移温度が80℃以上220℃未満であることが好ましく、100℃以上200℃以下であればさらに好ましく、120℃以上190℃以下であれば最も好ましい。上記の好ましい融点範囲を満たす樹脂層(D)としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合体等のエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン、 エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等のプロピレン系樹脂、メチルペンテン樹脂、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル単量体と共重合し得るエチレン、プロピレン、酢酸ビニル、塩化アリル、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルエーテル等と塩化ビニルとの共重合体及びこれらの混合物等の塩化ビニル系樹脂が好ましく用いられる。
本発明の積層体は、電池外装用途に用いられることが好ましい。電池外装には、電池性能維持のために、水蒸気の進入を防ぐ水蒸気バリア性、電解液で膨潤しない耐電解液性、高容量化へのニーズに対応する深絞成形性、成形後に積層体の形状が維持される長期安定性が求められる。
本発明の積層体は、金属箔(A)を有していることから、水蒸気バリア性に優れており、さらに、金属箔(A)の両側に融点が220℃以上である熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)が設けられてなるので、耐電解液性、深絞成形性、さらに成形後の積層体の長期安定性にも優れることから、電池外装用途へ適用することで、非常に優れた電池外装成形体を得ることが可能である。
本発明の積層体は、上記した通り、水蒸気バリア性、耐電解液性、深絞成形性、成形後の長期安定性に優れるため、使用環境が過酷である自動車向け電池外装用途に特に好ましく用いることができる。
また、本発明の積層体は、医療包装用途に用いられることも好ましい。医療包装は、内容物の劣化を防ぐために、ガスバリア性、水蒸気バリア性が必要であり、様々な形状の内容物に対応できるような深絞成形性、長期間保管でも形状が安定する長期安定性のニーズが高まっている。
本発明の積層体は、金属箔(A)を有していることから、ガスバリア性、水蒸気バリア性に優れており、さらに、金属箔(A)の両側に融点が220℃以上である熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)が設けられてなるので、深絞成形にも対応が可能であり、さらに長期安定性にも優れていることから、医薬包装用途へ適用することで、非常に優れた医療包装用成形体を得ることができる。
本発明の積層体は、上記した通り、水蒸気バリア性、深絞成形性、長期安定性に優れるため、より形状が成形に厳しく、長期保管される錠剤向けPTP包装用途に特に好ましく用いることができる。
[特性の測定方法]
積層体等の特性の測定方法は以下のとおりである。
(1)各層の厚み
積層体をエポキシ樹脂に包埋し、積層体断面をミクロトームで切り出す。該断面を透過型電子顕微鏡(日立製作所製TEM H7100)で5000倍の倍率で観察し、各層の厚みを求める。
(2)融点、ガラス転移温度
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、RDC220)を用い、JIS K7121−1987、JIS K7122−1987に準拠して測定および、解析を行った。熱可塑性樹脂基材(B)、熱可塑性樹脂基材(C)を5mg、サンプルに用い、1stRunとして、25℃から20℃/分で300℃まで昇温した際のDSC曲線より得られた吸熱ピークの頂点の温度を1stRunの結晶融解ピーク温度(融点)とした。結晶融解ピークが複数ある場合は、熱流の絶対値が最も大きい温度を結晶融解ピーク温度(融点)とした。また、同様の条件にて得られたDSC曲線より、ガラス状態からゴム状態への転移に基づく比熱変化を読み取り、JIS K7121−1987(9.3ガラス転移温度の求め方)に基づいて求めた。なお、ガラス転移温度が複数存在する場合は、最も高温側のものを本発明のガラス転移温度とする。
(3)ポリエステルの組成
ポリエステル樹脂またはポリエステルフィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解し、H−NMRおよび13C−NMRを用いて各モノマー残基や副生ジエチレングリコールについて含有量を定量する。
(4)破断点荷重
25℃、63%Rhの条件下で、熱可塑性樹脂フィルム(B)、熱可塑性樹脂フィルム(C)を任意の一方向および、該方向に直交する方向に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出し、サンプルとする。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いてクロスヘッドスピード300mm/分、幅10mm、試験長(チャック間距離)50mmとして、熱可塑性樹脂フィルム(B)、熱可塑性樹脂フィルム(C)の任意の一方向、および該方向に直交する方向ついて、引張試験を行い、破断したときの荷重を読み取る。各測定はそれぞれの方向に5回ずつ行い、その平均値を採用する。
(5)破断伸度、破断点強度
25℃、63%Rhの条件下で、積層体を任意の一方向および、該方向に直交する方向に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出し、サンプルとする。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いてクロスヘッドスピード300mm/分、幅10mm、試験長(チャック間距離)50mmとして、積層体の任意の一方向、および該方向に直交する方向について、引張試験を行い、破断したとき伸度を破断伸度とした。また、破断した際の積層体にかかる荷重を読み取り、試験前の資料の断面積(積層体厚み×10mm)で除した値を破断点強度とする。各測定はそれぞれの方向に5回ずつ行い、伸度の高い方向の値の破断伸度、破断点強度を採用した。
(6)190℃、10分間熱処理後における熱収縮率
ポリエステルフィルムを長手方向、幅方向それぞれ幅10mm、長さ150mmの短冊状に切りだし、長さ方向の両端から25mm内側に幅方向と平行な線を引き、2本の平行線間の距離L0を正確に測定した。次いでその短冊状のサンプルを190℃の熱風オーブン中にて10分間熱処理を行い、冷却後2本の平行線間L1を測定した。測定には万能投影機(V−16A(Nikon製))を用い、1μmの単位まで測定した。熱処理前の寸法と熱処理後の寸法から下記式にて収縮率(%)を求めた。
熱収縮率(%)=((L0−L1)/L0)×100
なお、長手方向、幅方向各10サンプル測定を行い、それぞれの平均値をもってその方向の熱収縮率とした。
(7)成形性
積層体を、150mm×80mmの大きさに切り出し、40mm×60mmの矩形状の雄型(R:2mm)とこの雄型とのクリアランスが0.5mmの雌型(R:2mm)からなる金型に、積層体をセットし、プレス成形(加圧:0.1MPa)を行った。雄型のプレス押込み高さを、5mmから1mmずつ上げていき、10mm高さまでテストを実施し、下記の基準で評価を行った。
なお、積層体が熱可塑性樹脂(D)層を有する場合は、熱可塑性樹脂(D)層側が雄型側になるように積層体をセットし、熱可塑性樹脂(D)層を有さない場合は、熱可塑性樹脂基材(B)層側が雄型側になるように積層体をセットした。
◎:10mmで成形できた(破損なし)
○:7mm以上10mm未満で破損が発生
△:5mm以上7mm未満で破損が発生
×:5mmで破損が発生。
(8)形状保持性
(7)に記載の成形性評価で破損せずに成形できた高さ(例えば、成形高さ7mmまで成形できて、成形高さ8mmで破損が発生した場合は、成形高さ7mmを採用)の成形体を型から取りだした際の形状保持性を下記の基準で評価を行う。
◎:型の形状を保持できている
○:一部、形状が崩れているもののほぼ型の形状を保持できている。
△:形状が若干崩れているものの型の形状を保持できている。
×:ほとんど型の形状が保持できていない。
(9)耐ピンホール性
(7)に記載の成形性評価で破損せずに成形できた高さ(例えば、成形高さ7mmまで成形できて、成形高さ8mmで破損が発生した場合は、成形高さ7mmを採用)において、成形テストを30回実施し、各成形体について暗室にて、フナテック製透過光検査ランプを用いて、ピンホールの発生状況を目視にて判定し、成形体30個中、ピンホールが発生していた成形体の個数をカウントした。
(10)成形後のカール性
(7)に記載の成形方法にて成形した積層体を、成形直後に水平なガラス台に置いた後のカール性について、下記の基準で評価を行う。
◎:浮き上がり高さが10mm未満であるもの。
○:浮き上がり高さが10mm以上20mm未満であるもの。
△:浮き上がり高さが20mm以上30mm未満であるもの。
×:浮き上がり高さが30mm以上であるもの。
(11)長期安定性
(7)に記載の成形方法にて成形した積層体を、成形直後に水平なガラス台に置いた後のカール性について評価を行った後、同じ積層体を長期保管(温度23℃、湿度65%条件下で240時間保管)し、その後に水平なガラス台に置いた後のカール性について評価を行い、下記の基準で評価を行う。
◎:長期保管後の浮き上がり高さと、成形直後の浮き上がり高さの差が5mm未満であるもの。
○:長期保管後の浮き上がり高さと、成形直後の浮き上がり高さの差が5mm以上10mm未満であるもの。
△:長期保管後の浮き上がり高さと、成形直後の浮き上がり高さの差が10mm以上15mm未満であるもの。
×:長期保管後の浮き上がり高さと、成形直後の浮き上がり高さの差が15mm以上であるもの。
以下に本発明の積層体の具体的製造例を記載する。
金属箔(A)、熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)、熱可塑性樹脂層(D)として、下記のものを用いた。
(1)金属箔(A)
AL−I 25μm アルミニウム含有率99質量%、鉄含有率1質量%のアルミニウム/鉄合金。
AL−II 40μm アルミニウム含有率99質量%、鉄含有率1質量%のアルミニウム/鉄合金。
AL−III 150μm アルミニウム含有率99質量%、鉄含有率1質量%のアルミニウム/鉄合金。
(2)熱可塑性樹脂基材層(B)、(C)
PET−I 12μm ポリエチレンテレフタレートフィルム
(融点:255℃、破断点荷重:3.4kgf)。
PET−II 16μm ポリエチレンテレフタレートフィルム
(融点:255℃、破断点荷重:3.9kgf)。
PET−III 16μm ポリエチレンテレフタレートフィルム
(融点:255℃、破断点荷重:4.5kgf)。
PET−IV 25μm ポリエチレンテレフタレートフィルム
(融点:255℃、破断点荷重:4.7kgf)。
PET−V 25μm ポリエチレンテレフタレートフィルム
(融点:255℃、破断点荷重:7.1kgf)。
PET−VI 30μm ポリエチレンテレフタレートフィルム
(融点:255℃、破断点荷重:8.2kgf)。
PA−I 15μm ポリアミド6フィルム
(融点:225℃、破断点荷重:2.9kgf)。
PA−II 25μm ポリアミド6フィルム
(融点:225℃、破断点荷重:6.0kgf)。
(3)熱可塑性樹脂層(D)
PP−I 40μm ポリプロピレンフィルム(融点:175℃)
PP−II 60μm ポリプロピレンフィルム(融点:175℃)
PP−III 80μm ポリプロピレンフィルム(融点:175℃)
PVC−I 40μm ポリ塩化ビニルフィルム(融点:観測されず、ガラス転移温度:82℃)

また、以下に述べる実施例や比較例にて得られた積層体について、以下の方法にて評価した。
(実施例1)
金属箔(A)としてAL−IIを、熱可塑性樹脂基材層(C)としてPET−Iを、熱可塑性樹脂基材層(B)としてPET−Iを、熱可塑性樹脂層(D)としてPP−Iを使用し、以下に述べる方法にて熱可塑性樹脂基材層(C)/接着層/金属箔(A)/接着層/熱可塑性樹脂基材層(B)/接着層/熱可塑性樹脂層(D)積層構成を有する積層体を得た。
まず、AL−IIの両面に化成処理としてリン酸クロメート処理を行った。次に、PET−Iの片面にコロナ放電処理(E値=40W・分/m)を行い、コロナ処理面にウレタン系の接着剤をドライ厚み3μmとなるように)を塗布し、リン酸クロメート処理を行ったAL−IIの両面にドライラミネートにより積層した。さらに、PP−Iフィルムの片面にコロナ放電処理(E値=40W・分/m)を行い、コロナ処理面にウレタン系の接着剤をドライ厚み3μmとなるようにを塗布し、コロナ処理面がPET−I側に位置するようにし、PET−I/接着層/AL−II/接着層/PET−I/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例2)
熱可塑性樹脂基材層(C)としてPET−IIを使用した以外は、実施例1と同様にして、PET−II/接着層/AL−II/接着層/PET−I/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例3)
熱可塑性樹脂基材層(B)としてPET−IIを使用した以外は、実施例2と同様にして、PET−II/接着層/AL−II/接着層/PET−II/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例4)
熱可塑性樹脂基材層(C)としてPET−IIIを使用した以外は、実施例3と同様にして、PET−III/接着層/AL−II/接着層/PET−II/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例5)
熱可塑性樹脂基材層(B)としてPET−IIIを使用した以外は、実施例4と同様にして、PET−III/接着層/AL−II/接着層/PET−III/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例6)
熱可塑性樹脂基材層(C)としてPET−IVを使用した以外は、実施例5と同様にして、PET−IV/接着層/AL−II/接着層/PET−III/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例7)
熱可塑性樹脂基材層(B)としてPET−IVを使用した以外は、実施例6と同様にして、PET−IV/接着層/AL−II/接着層/PET−IV/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例8)
熱可塑性樹脂基材層(B)としてPET−V、熱可塑性樹脂基材層(C)としてPET−Vを使用した以外は、実施例7と同様にして、PET−V/接着層/AL−II/接着層/PET−V/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例9)
熱可塑性樹脂基材層(C)としてPET−VIを使用した以外は、実施例8と同様にして、PET−VI/接着層/AL−II/接着層/PET−V/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例10)
熱可塑性樹脂基材層(B)としてPET−VIを使用した以外は、実施例8と同様にして、PET−VI/接着層/AL−II/接着層/PET−VI/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例11)
熱可塑性樹脂基材層(C)としてPET−VIを使用した以外は、実施例5と同様にして、PET−VI/接着層/AL−II/接着層/PET−III/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例12)
金属箔(A)としてAL−Iを使用した以外は、実施例7と同様にして、PET−IV/接着層/AL−I/接着層/PET−IV/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例13)
熱可塑性樹脂基材層(B)としてPA−I、熱可塑性樹脂基材層(C)としてPA−Iを使用した以外は、実施例1と同様にして、PA−I/接着層/AL−II/接着層/PA−I/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例14)
熱可塑性樹脂基材層(B)としてPA−II、熱可塑性樹脂基材層(C)としてPA−IIを使用した以外は、実施例1と同様にして、PA−II/接着層/AL−II/接着層/PA−II/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例15)
熱可塑性樹脂基材層(B)としてPET−IVを使用した以外は、実施例14と同様にして、PET−IV/接着層/AL−II/接着層/PA−I/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例16)
金属箔(A)としてAL−IIを、熱可塑性樹脂基材層(B)としてPET−IVを、熱可塑性樹脂基材層(C)としてPET−IVを、熱可塑性樹脂層(D)としてPP−Iを使用し、以下に述べる方法にて熱可塑性樹脂基材層(C)/接着層/金属箔(A)/接着層/熱可塑性樹脂基材層(B)/接着層/熱可塑性樹脂層(D)積層構成を有する積層体を得た。
まず、AL−IIの両面に化成処理としてリン酸クロメート処理を行った。次に、PET−IVの片面に酸変性オレフィン+メラミン系の接着剤(ドライ厚み0.8μm)が塗布されたフィルムを、リン酸クロメート処理を行ったAL−IIの両面にラミネーターを用いて加熱圧着(180℃、0.3MPa、2m/min)させることで積層させ、積層体を得た。さらに、PP−Iフィルムの片面にコロナ放電処理(E値=40W・分/m)を行い、コロナ処理面にウレタン系の接着剤(東洋モートン社製、AD−502、CAT10L、酢酸エチルを質量比15:1.5:25、ドライ厚み3μm)を塗布し、コロナ処理面がPET−IV側に位置するようにし、PET−IV/接着層/AL−II/接着層/PET−IV/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例17)
金属箔(A)としてAL−IIを、熱可塑性樹脂基材層(B)としてPET−IVを、熱可塑性樹脂基材層(C)としてPET−IVを、熱可塑性樹脂層(D)としてPP−Iを使用し、以下に述べる方法にて熱可塑性樹脂基材層(C)/接着層/金属箔(A)/接着層/熱可塑性樹脂基材層(B)/接着層/熱可塑性樹脂層(D)積層構成を有する積層体を得た。
まず、AL−IIの両面に化成処理としてリン酸クロメート処理を行った。次に、PET−IVの片面に酸変性オレフィン+メラミン系の接着剤(ドライ厚み1.9μm)が塗布されたフィルムを、リン酸クロメート処理を行ったAL−Iの両面にラミネーターを用いて加熱圧着(180℃、0.3MPa、2m/min)させることで積層させ、積層体を得た。さらに、PP−Iフィルムの片面にコロナ放電処理(E値=40W・分/m)を行い、コロナ処理面にウレタン系の接着剤(東洋モートン社製、AD−502、CAT10L、酢酸エチルを質量比15:1.5:25、ドライ厚み3μm)を塗布し、コロナ処理面がPET−IV側に位置するようにし、PET−IV/接着層/AL−II/接着層/PET−IV/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例18)
熱可塑性樹脂(D)としてPP−IIを使用した以外は、実施例7と同様にして、PET−IV/接着層/AL−II/接着層/PET−IV/接着層/PP−IIの構成の積層体を得た。
(実施例19)
熱可塑性樹脂(D)としてPP−IIIを使用した以外は、実施例7と同様にして、PET−IV/接着層/AL−II/接着層/PET−IV/接着層/PP−IIIの構成の積層体を得た。
(実施例20)
熱可塑性樹脂(D)としてPVC−Iを使用した以外は、実施例7と同様にして、PET−IV/接着層/AL−II/接着層/PET−IV/接着層/PVC−Iの構成の積層体を得た。
(実施例21)
AL−IIの表面処理をベーマイト処理に変更した以外は、実施例7と同様にして、PET−IV/接着層/AL−II/接着層/PET−IV/接着層/PP−IIの構成の積層体を得た。
(実施例22)
熱可塑性樹脂基材層(B)としてPET−IVとし、熱可塑性樹脂基材層(C)としてPET−IIIを使用した以外は、実施例6と同様にして、PET−III/接着層/AL−II/接着層/PET−IV/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例23)
金属箔(A)としてAL−IIを、熱可塑性樹脂基材層(C)としてPET−IIIを、熱可塑性樹脂基材層(B)としてPET−IIIを、熱可塑性樹脂層(D)としてPP−Iを使用し、以下に述べる方法にて熱可塑性樹脂基材層(B)/接着層/金属箔(A)/接着層/熱可塑性樹脂基材層(C)/接着層/熱可塑性樹脂層(D)積層構成を有する積層体を得た。
まず、AL−IIの両面に化成処理としてリン酸クロメート処理を行った。次に、PET−Iの片面にコロナ放電処理(E値=40W・分/m)を行い、コロナ処理面にウレタン系の接着剤(東洋モートン社製、AD−502、CAT10L、酢酸エチルを質量比15:1.5:25、ドライ厚み4.5μm)を塗布し、リン酸クロメート処理を行ったAL−IIの両面にドライラミネートにより積層した。さらに、PP−Iフィルムの片面にコロナ放電処理(E値=40W・分/m)を行い、コロナ処理面にウレタン系の接着剤(東洋モートン社製、AD−502、CAT10L、酢酸エチルを質量比15:1.5:25、ドライ厚み4.5μm)を塗布し、コロナ処理面がPET−III側に位置するようにし、PET−III/接着層/AL−II/接着層/PET−III/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例24)
熱可塑性樹脂基材層(C)と金属箔(A)間の接着層および、熱可塑性樹脂基材層(B)と金属箔(A)間の接着層として酢酸ビニル系の接着剤を用いた以外は実施例3と同様にして、PET−II/接着層/AL−II/接着層/PET−II/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(実施例25)
熱可塑性樹脂基材層(C)と金属箔(A)間の接着層および、熱可塑性樹脂基材層(B)と金属箔(A)間の接着層としてポリエステル系の接着剤を用いた以外は実施例3と同様にして、PET−II/接着層/AL−II/接着層/PET−II/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(比較例1)
熱可塑性樹脂基材層(C)としてPET−VIを使用した以外は、実施例1と同様にして、PET−VI/接着層/AL−II/接着層/PET−I/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(比較例2)
金属箔(A)としてAL−Iを使用した以外は、実施例10と同様にして、PET−VI/接着層/AL−I/接着層/PET−VI/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(比較例3)
熱可塑性樹脂基材層(B)としてPET−IIIを使用した以外は、比較例2と同様にして、PET−VI/接着層/AL−I/接着層/PET−III/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(比較例4)
金属箔(A)としてAL−Iを使用した以外は、実施例1と同様にして、PET−I/接着層/AL−I/接着層/PET−I/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(比較例5)
金属箔(A)としてAL−IIを、熱可塑性樹脂基材層(B)としてPET−VIを使用し、以下に述べる方法にて熱可塑性樹脂基材層(B)/接着層/金属箔(A)/接着層/熱可塑性樹脂層(D)積層構成を有する積層体を得た。
まず、AL−IIの両面に化成処理としてリン酸クロメート処理を行った。次に、PET−VIの片面にコロナ放電処理(E値=40W・分/m)を行い、コロナ処理面にウレタン系の接着剤(東洋モートン社製、AD−502、CAT10L、酢酸エチルを質量比15:1.5:25、ドライ厚み3μm)を塗布し、リン酸クロメート処理を行ったAL−IIの表面にドライラミネートにより積層した。さらに、PP−Iフィルムの片面にコロナ放電処理(E値=40W・分/m)を行い、コロナ処理面にウレタン系の接着剤(東洋モートン社製、AD−502、CAT10L、酢酸エチルを質量比15:1.5:25、ドライ厚み3μm)を塗布し、コロナ処理面がリン酸クロメート処理を行ったAL−II側に位置するようにし、PET−VI/接着層/AL−II/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(比較例6)
金属箔(A)としてAL−IIIを使用した以外は、実施例10と同様にして、PET−VI/接着層/AL−III/接着層/PET−VI/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(比較例7)
熱可塑性樹脂基材層(B)としてPET−I、熱可塑性樹脂基材層(C)としてPET−Iを使用した以外は、比較例6と同様にして、PET−I/接着層/AL−III/接着層/PET−I/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(比較例8)
熱可塑性樹脂基材層(C)としてPET−IIIを使用した以外は、比較例7と同様にして、PET−III/接着層/AL−III/接着層/PET−I/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
(比較例9)
熱可塑性樹脂基材層(B)としてPET−V、熱可塑性樹脂基材層(C)としてPET−Iを使用した以外は、比較例8と同様にして、PET−I/接着層/AL−III/接着層/PET−V/接着層/PP−Iの構成の積層体を得た。
Figure 2014069383
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なお、表中において、「ad」は接着層を表す。
本発明の積層体は、本発明の積層体は、金属箔(A)の両側に、融点が220℃以上である熱可塑性樹脂基材層(B)、融点が220℃以上である熱可塑性樹脂基材層(C)が設けられてなり、 金属箔(A)と熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)の厚み比および、合計厚みを特定範囲とすることで、深絞り形状への成形追従性、成形後の形状保持性、成形時の耐ピンホール性、成形後の耐カール性を達成するために、電池外装用途、および医薬包装用途に好ましく用いることができる。

Claims (14)

  1. 金属箔(A)の両側に、融点が220℃以上である熱可塑性樹脂基材層(B)と、融点が220℃以上である熱可塑性樹脂基材層(C)とがそれぞれ積層されてなる積層体であって、
    下記I〜IV式を満たし、
    少なくとも一方向の25℃における破断伸度が50%以上であり、かつ破断点強度が100MPa以上である積層体。
    0.3≦H/H≦1(I)
    0.3≦H/H≦1(II)
    0.5<H/H≦1(III)
    50≦H+H+H≦120 (IV)
    :金属箔(A)の厚み(単位:μm)
    :熱可塑性樹脂基材層(B)の厚み(単位:μm)
    :熱可塑性樹脂基材層(C)の厚み(単位:μm)
    但し、H≦Hとする。
  2. 少なくとも一方向の25℃における破断伸度が60%以上であり、かつ破断点強度が120MPa以上である請求項1に記載の積層体。
  3. 前記熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)が、ポリエステルフィルムである請求項1または、2に記載の積層体。
  4. 前記熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)が、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項3に記載の積層体。
  5. 金属箔(A)と熱可塑性樹脂基材層(B)、金属箔(A)と熱可塑性樹脂基材層(C)が、それぞれ厚さ4μm以下の接着層を介して積層されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 熱可塑性樹脂基材(B)、熱可塑性樹脂基材(C)がそれぞれ、熱可塑性樹脂フィルム(B)、熱可塑性樹脂フィルム(C)とからなり、
    熱可塑性フィルム(B)と、熱可塑性フィルム(C)の破断点荷重の差の絶対値が2kgf以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の積層体。
  7. 熱可塑性樹脂基材層(B)、熱可塑性樹脂基材層(C)がそれぞれ、熱可塑性樹脂フィルム(B)、熱可塑性樹脂フィルム(C)とからなり、
    熱可塑性樹脂フィルム(B)と、熱可塑性樹脂フィルム(C)のいずれにおいても破断点荷重が3.5kgf以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の積層体の熱可塑性樹脂基材層(B)または熱可塑性樹脂基材層(C)にさらに熱可塑性樹脂基材層を構成する樹脂よりも融点の低い熱可塑性樹脂を用いてなる熱可塑性樹脂層(D)を積層してなる積層体。
  9. 金属箔(A)が、下記(IV)式を満たす
    アルミニウム/鉄合金である請求項1〜8のいずれかに記載の積層体。
    10≦H≦100 (IV)
  10. 前記、アルミニウム/鉄合金の鉄の含有量が0.5〜1質量%である請求項9に記載の積層体。
  11. 電池外装用途に用いられる請求項1〜10のいずれかに記載の積層体。
  12. 自動車向け電池外装用途に用いられる請求項11に記載の積層体。
  13. 医療包装用途に用いられる請求項1〜10のいずれかに記載の積層体。
  14. 錠剤向けプレススルーパッケージ包装用途に用いられる請求項1〜10または13のいずれかに記載の積層体。
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