以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態のエアシャワ−装置の天部を省略した概略の平面図、図2は、図1の区画室の概略の側面図、図3は、図2のIV−IV線に沿う概略の断面図、図4は、図2のV−V線に沿う概略の断面図である。
この実施形態のエアシャワ−装置1は、図1に示すように入路1aと、退路1bと、制御部7とを備えている。入路1aは、このエアシャワ−装置1が設置される図示しないクリーンルーム等の制限領域の出入り箇所に入る際に通る路であり、この入路1aは、区画室10を備えている。
区画室10は、図1、図2に示すように後側壁10a、前側壁10b、左側壁11a及び右側壁11bと、天部12と、床部13とを備え、これらによって外部と区画されている。後側壁10aには、区画室10に入る入口ドア10cが設けられている。又、前側壁10bには、区画室10から出る出口ドア10dが設けられている。
区画室10の天部12は、この実施形態では、図2、図3に示すように外天井12aと、外天井12aの下方側に距離を隔てて配設された内天井12bとを備えている。
区画室10の床部13は、底壁13bと、底壁13bの上方側に距離を隔てて配設されたグレーティング部13aを備え、グレーティング部13aを介して塵埃や浮遊物類を通せるようになっている。
又、区画室10は、この実施形態では、入口ドア10cから出口ドア10dに向かう方向(図1のX方向)に沿って順に形成された入口エアカーテン領域2、除菌ガス送出領域3、ダウンフロー領域(空気送出領域)4、及び出口仕切室5を備えている。
入口エアカーテン領域2は、除菌ガス送出領域3に微生物類や花粉等が入り込まないようにする領域である。この実施形態では、入口エアカーテン領域2は、入口ドア10cから出口ドア10dに向かう方向の長さが60cm程度に形成されている。
この実施形態の入口エアカーテン領域2は、エアシャワ−装置1に設けられた入口エアカーテン形成機構部によって常時エアカーテンが形成されるようになっている。
入口エアカーテン形成機構部は、図3に示すように入口エアカーテン領域2における内天井12bの上に設置されたエアカーテン用空気送出装置としてのエアカーテン用空気送出ブロア21と、入口エアカーテン領域2における内天井12bに形成されたエアカーテン領域連通部22と、エア循環路23とを備えている。
エアカーテン領域連通部22は、図5に示すように、区画室10の入口エアカーテン領域2と内天井12bの上方とを連通するように、区画室10の内天井12bに穿設されたエアカーテン領域連通孔22aと、エアカーテン領域連通孔22aの上方に付設された第1HEAPフィルタ51aと、エアカーテン領域連通孔22aの下方に付設された気流整流部22bとを備えている。
第1HEAPフィルタ51aは、塵埃や花粉等の浮遊物類を通さないように構成されており、この第1HEAPフィルタ51aで塵埃や花粉等の浮遊物類を回収できるようになっている。
気流整流部22bは、気流の整流性(均一性および直進性)を向上させるためのもので、この実施形態では、3つの多孔板131〜133、すなわち、第1多孔板131と、第2流路における第1多孔板131の下流側に配される第2多孔板132と、第2流路における第2多孔板132の下流側に配される第3多孔板133とを有している。
3つの多孔板131〜133は、エアカーテン領域連通孔22aから流れてくる空気の流れ(以下、「気流」)に対して略直交する面に沿って拡がるような姿勢で互いに平行に、かつ、当該多孔板131〜133の配設方向に互いに所定の間隔を空けて設けられている。
この多孔板同士の間隔は、気流整流部22bの厚みに寄与するものであるので、装置の薄型化という観点からは、できる限り小さい値であることが好ましい。しかし、一方で、当該間隔が狭過ぎると、多孔板に挟まれた空間を空気が横方向(多孔板の拡がる方向)に移動し難くなり、その結果、気流の均一性が低下することになる。従って、多孔板同士の間隔は、例えば55mm〜155mm程度に設定されるのが好ましい。
各多孔板131〜133は、それぞれ、複数の通気用貫通孔131a〜133aを有している。これら複数の通気用貫通孔131a(132a,133a)は、多孔板131(132、133)の全面に亘って所定ピッチで配列するようにして設けられており、互いに同一形状に形成されている。
以下、図6を参照して、この実施形態の気流整流部22bの詳細な構成について、さらに説明する。
気流整流部22bは、図6に示すように、直方体の箱形状のケーシング121と、枠体122と、図略の押えプレートと、上述した3つの多孔板131〜133とで構成されている。
ケーシング121の気流の上流側を向く面(図6では上面)には上流側開口121aが形成されており、ケーシング121の気流の下流側を向く面(図6では下面)には下流側開口121bが形成されている。また、ケーシング121の側面の上流側開口121a寄りの部分には、上記枠体122を挿入するための挿入用開口121cが設けられている。
また、ケーシング121の互いに対向する内側面には、挿入用開口121cから挿入された枠体122を当該ケーシング121内で支持するための一対のレール121d(図6では一方のレールのみを図示している。)が設けられている。
枠体122は、断面コの字状に形成されている。この枠体122の気流の上流側を向く面(図6では上面)には上流側開口122aが形成されており、枠体122の気流の下流側を向く面(図3では下面)には下流側開口122bが形成されている。
多孔板131〜133には、それぞれ、当該多孔板131〜133を囲む補強枠123〜125が取り付けられている。
第1多孔板131は、補強枠123が枠体122の上流側開口122aを有する上面にビス等によって固定されることによって枠体122の上面に取り付けられる。また、第2多孔板132は、補強枠124が枠体122の下流側開口122bを有する下面にビス等によって固定されることによって枠体122の下面に取り付けられる。
そして、枠体122が挿入用開口121cからケーシング121内に挿入されることにより、ケーシング121の内部空間の上部および中央部に多孔板131,132がそれぞれセットされる。なお、第1多孔板131は、ケーシング121の上流側開口121aを通して外部に表出している。
また、第3多孔板133は、補強枠125がケーシング121の下流側開口121bを有する下面にビス等によって固定されることによってケーシング121の下面に取り付けられる。
また、図略の押えプレートは、挿入用開口121cを塞ぐようにケーシング121の側面に取り付けられるものであり、枠体122がケーシング121から抜け落ちるのを防ぐために設けられている。
なお、補強枠123〜125を省略して、多孔板131〜133を単体でケーシング121あるいは枠体122に取り付けることもできる。
また、ケーシング121や枠体122の厚み方向の寸法(図5では上下方向の寸法)を変えることで、多孔板131〜133同士の間隔を調整することが可能である。
このように構成された気流整流部22bを、多孔板131〜133がエアカーテン領域連通孔22aから流れてくる気流(以下、この気流の流れる方向を「気流方向」と呼ぶ。)に対して略直交するような姿勢で気流方向の下流側に設けることで、エアカーテン領域連通孔22aから流れてくる気流が3つの多孔板131〜133の各通気用貫通孔131a〜133aを順に通過し、これによって当該気流が整流される。
次に、エアカーテン形成機構部のエア循環路23について説明する。エア循環路23は、図3に示すように、入口エアカーテン領域2におけるグレーティング部13aの下方側から、左側壁11aの内側に形成された内路23aを通って内天井12bの上方側に延されるようにして形成されている。
エアカーテン用空気送出ブロア21は、エア循環路23に設置されている。そして、このエアカーテン用空気送出ブロア21によって、空気は、エアカーテン領域連通部22から入口エアカーテン領域2を通ってグレーティング部13aに向かって送出され、更に、グレーティング部13aからエア循環路23を回って、エアカーテン領域連通部22に循環される。
この実施形態では、エアカーテン用空気送出ブロア21は、風速2m/秒程度の速さで入口エアカーテン領域2に空気を送出するように設定されている。
尚、エアカーテン用空気送出ブロア21は、例えばターボファン、軸流ファン、FFU(ファンフィルタユニット)のフィルタを省略したもの、あるいは、シロッコファン等でもよく、適宜変更できる。
次に、除菌ガス送出領域3について説明する。除菌ガス送出領域3は、図1、図2に示すように除菌ガスが送出される領域である。この実施形態では、除菌ガス送出領域3は、
入口ドア10cから出口ドア10dに向かう方向の長さが300cm程度に形成されている。
又、この実施形態では、除菌ガス送出領域3は、エアシャワ−装置1に設けられた除菌ガス送出機構部によって除菌ガスが送出されるとともに、それに加えて、エアシャワ−装置1に設けられた加圧空気送出機構部によって加圧空気(エアシャワー)が送出される。以下に、加圧空気送出機構部及び除菌ガス送出機構部について順次説明する。
加圧空気送出機構部は、図4に示すように、第1流路3a、3bと、第1流路3a、3bに設置された加圧空気送り込み装置としての加圧空気送り用ブロア33とを備えている。
この第1流路は、この実施形態では、区画室10の除菌ガス送出領域3における左側壁11aの内側に配設された左第1流路3aと、区画室10の除菌ガス送出領域3における右側壁11bの内側に配設された右第1流路3bとの2つを備えている。これらの左右の第1流路3a、3bは、ほぼ左右対称に配設され、ほぼ同一構成を採っている。従って、以下に、左第1流路3aについてのみ説明し、右第1流路3bの説明を省略する。
左第1流路3aは、第2HEAPフィルタ51bを備え、塵埃や浮遊物類を、この第2HEAPフィルタ51で回収できるようになっている。この第2HEAPフィルタ51bは、上述のエアカーテン形成機構部の第1フィルタ51aと同構成のものである。
又、左第1流路3aは、その一端側に、加圧空気(エアシャワー)を形成する複数の噴出ノズル32を備えている。これらの噴出ノズル32は、左側壁11aの内側に設けられた内側壁30に、加圧空気を区画室10の除菌ガス送出領域3に噴出可能に取り付けられており、これらの噴出ノズル32を介して左第1流路3aと区画室10の除菌ガス送出領域3とが連通されている。
また、左第1流路3aは、その他端側に、加圧空気送り用ブロア33が設置されており、この加圧空気送り用ブロア33によってエアが左第1流路3aを通って区画室10の除菌ガス送出領域3内に送り込まれるようになっている。この実施形態では、加圧空気送り用ブロア33によって噴出ノズル32から加圧空気が20m/秒〜30m/秒の速さで区画室10の除菌ガス送出領域3内に送出されるようになっている。
また、この実施形態では、加圧空気送り用ブロア33の側方における内側壁30には、吸引用孔30aが設けられている。そして、加圧空気送り用ブロア33は、区画室10内のエアを吸引用孔30aから吸引してエアを左第1流路3aに沿って第2HEAPフィルタ51b側に送り、その第2HEAPフィルタ51bを通して噴出ノズル32から区画室10の除菌ガス送出領域3内に送出させる。
なお、この加圧空気送り込み装置も、加圧空気送り用ブロア33から構成されるものに限らず、例えばターボファン、軸流ファン、FFU(ファンフィルタユニット)のフィルタを省略したもの、あるいは、シロッコファン等でもよく、適宜変更できる。
除菌ガス送出機構部は、第2流路3cと、除菌ガス発生装置としての二酸化塩素ガス発生装置8と、除菌ガス送出領域3における内天井12bに形成された除菌ガス送出領域連通部35とを備えている。
この第2流路3cは、この実施形態では、除菌ガスを空気と共に流して区画室10の除菌ガス送出領域3内に送り込むようになっており、図4に示すように、区画室10の除菌ガス送出領域3における内天井12bの上方側に形成されたガス送り路3dと、区画室10の除菌ガス送出領域3におけるグレーティング部13aの下方側から、左第1流路3aと左側壁11aとの間の部分に形成された循環路3eとを備えている。
ガス送り路3dは、その上流側となる一端側に、ガス送り込み装置としてのガス送り用ブロア34を備えている。この実施形態では、ガス送り用ブロア34によって、区画室10の除菌ガス送出領域3に除菌ガスを空気と共に送り込むようになっている。
この実施形態では、除菌ガスは、ガス送り用ブロア34によって0.5m/秒程度で除菌ガス送出領域3に送出されるようになっている。
なお、このガス送り込み装置も、ブロア34から構成されるものに限らず、例えばターボファン、軸流ファン、FFU(ファンフィルタユニット)のフィルタを省略したもの、あるいは、シロッコファン等でもよく、適宜変更できる。
循環路3eは、その下流側となる一端側がガス送り路3dに連通され、その上流側となる他端側が区画室10の除菌ガス送出領域3におけるグレーティング部13aに連通されており、グレーティング部13aから区画室10の下方側に出た除菌ガスを再度ガス送り路3dに流して循環させることができるように構成されている。
また、このように構成された第2流路3cに、二酸化塩素ガス発生装置8が連結されており、第2流路3cに二酸化塩素ガス発生装置8から発生した二酸化塩素ガスを流すことができるようになっている。
この二酸化塩素ガス発生装置8から発生する二酸化塩素ガスは、除菌ガスとしてのもので、二酸化塩素分子による特異な酸化作用によって各種のバクテリア、細菌、カビ等の微生物類を殺菌、消毒、脱臭等を果たす機能を有する。この実施形態では、二酸化塩素ガス発生装置8として、市販されているリスパス(商品名;大幸薬品株式会社製)が用いられている。
尚、除菌ガスは、二酸化塩素ガスから構成される形態のものに限らず、バクテリア、細菌、カビ等を分解除去し、または殺菌等し得るものであればよく、例えばオゾンガス、あるいは、正イオンと負イオンとからなるイオン等でもよい。従って、除菌ガス発生装置として、例えばオゾンガスを発生するオゾンガス発生装置、または正イオンと負イオンとを発生させるイオン発生装置等を用いることができる。
除菌ガス送出領域連通部35は、図2、図5に示すように、区画室10の除菌ガス送出領域3と内天井12bの上方とを連通するように、区画室10の内天井12bに穿設された除菌ガス送出領域連通孔35aと、除菌ガス送出領域連通孔35aの上方に付設された第3HEAPフィルタ51cと、除菌ガス送出領域連通孔35aの下方に付設された気流整流部35bとを備えている。これらの除菌ガス送出領域連通孔35a、第3HEAPフィルタ51c、及び気流整流部35bは、エアカーテン領域連通部22におけるエアカーテン領域連通孔22a、第1HEAPフィルタ51a、及び気流整流部22bのそれぞれと同構成を採っている。
次に、区画室10のダウンフロー領域4について説明する。このダウンフロー領域4は、除菌ガスを送ることなく空気を送出する領域であり、送出される空気によって衣服等に付着した除菌ガスの成分や除菌ガスの臭い等を除去する。
この実施形態では、ダウンフロー領域4は、前後方向の長さが300cm程度に形成されている。そして、このダウンフロー領域4は、エアシャワ−装置1に設けられたダウンフロー形成機構部によって、ダウンフロー領域4に空気が送出される。
ダウンフロー形成機構部は、図2に示すように、空気導入路40と、ダウンフロー領域連通部41と、空気送り込み装置としてのダウンフロー用ブロア42と、空気排出路43とを備えている。
空気導入路40は、その一端側が区画室10の外に配設され、その他端側が区画室10のダウンフロー領域4における内天井12bの上方位置に配設されている。空気導入路40は、その中間部に、空気流量調整可能な第1外気導入用ダンパー43aを備えている。
ダウンフロー領域連通部41は、区画室10のダウンフロー領域4と内天井12bの上方とを連通するように、区画室10の内天井12bに穿設されたダウンフロー領域連通孔41aと、ダウンフロー領域連通孔41aの上方に付設された第4HEAPフィルタ51dと、ダウンフロー領域連通孔41aの下方に付設された気流整流部41bとを備えている。これらのダウンフロー領域連通孔41a、第4HEAPフィルタ51d、及び気流整流部41bは、エアカーテン領域連通部22におけるエアカーテン領域連通孔22a、第1HEAPフィルタ51a、及び気流整流部22bのそれぞれと同構成を採っている。
ダウンフロー用ブロア42は、区画室10の外部に設置されて空気導入路40の一端側に連結されており、外気をダウンフロー領域連通部41から区画室10のダウンフロー領域4におけるグレーティング部13aに向かって送出することにより、外気を区画室10のダウンフロー領域4に上から下に送出する。この実施形態では、外気をダウンフロー領域4に、0.5m/秒〜1.0m/秒程度の速度で送出するようになっている。
又、この実施形態では、ダウンフロー用ブロア42は、全熱交換機78を介して外気を供給するようになっており、全熱交換機78によって外気を適宜な温度にコントロールしつつ供給できるようになっている。
空気排出路43は、区画室10のダウンフロー領域4におけるグレーティング部13aの下方側から区画室10の外部に導出されている。又、空気排出路43は、空気流量調整可能な第1外気排出用ダンパー43bを備えている。
次に、出口仕切室5について説明する。この出口仕切室5は、ダウンフロー領域4とこの出口仕切室5とを仕切った仕切りドア50を備えている。この実施形態では、出口仕切室5は、仕切りドア50と出口ドア10dとの距離が60cm程度になるように形成されている。
又、この実施形態の出口仕切室5は、エアシャワ−装置1に設けられた出口エアカーテン形成機構部によって、出口仕切室5内にエアカーテンが形成されるようになっている。
出口エアカーテン形成機構部は、出口仕切室5における内天井12bの上に設置された室エアカーテン用空気送出装置としての出口エアカーテン用ブロア51と、その内天井12bに形成された出口仕切室連通部52と、エア循環路55とを備えている。
出口仕切室連通部52は、上述のエアカーテン領域連通部22と同構成を採っている。詳しくは、出口仕切室5と内天井12bの上方とを連通するように、内天井12bに穿設された出口仕切室連通孔52aと、出口仕切室連通孔52aの上方に付設された第5HEAPフィルタ51eと、出口仕切室連通孔52aの下方に付設された気流整流部52bとを備えている。これらの第5HEAPフィルタ51e及び気流整流部52bは、上述のエアカーテン領域連通部22の第1HEAPフィルタ51a、気流整流部22bのそれぞれと同構成を採るものである。
エア循環路55は、図示しないが、上述の入口エアカーテン領域2に形成されたエア循環路23と同様に、出口仕切室5におけるグレーティング部13aの下方側から、左側壁11aの内側に形成された内路を通って内天井12bの上方側に延されるようにして形成されている。
出口エアカーテン用ブロア51は、エア循環路55に設置されている。そして、この出口エアカーテン用ブロア51によって、空気は、出口仕切室連通部52からグレーティング部13aに向かって送出され、更に、グレーティング部13aからエア循環路55を回って出口仕切室連通部52に循環される。
この実施形態では、出口エアカーテン用ブロア51は、風速2m/秒程度の速さで出口仕切室5に空気を送出するように設定されている。
尚、この出口エアカーテン用ブロア51についても、例えばターボファン、軸流ファン、FFU(ファンフィルタユニット)のフィルタを省略したもの、あるいは、シロッコファン等でもよく、適宜変更できる。
又、この実施形態の出口仕切室5は、エアシャワ−装置1に設けられた外気送出機構部によって、出口仕切室5に外気が送出される。
外気送出機構部は、外気導入路53と、外気送り込み装置と、外気排出路54とを備えている。外気導入路53は、その下流側となる一端側が区画室10の外に配設されている。この実施形態では、外気導入路53は、上述のダウンフロー形成機構部の空気導入路40と合流されている。
又、外気導入路53の上流側となる他端側は、出口仕切室5における内天井12bの上方位置に配設されている。又、外気導入路53は、その中間部に、空気流量調整可能な第2外気導入用ダンパー53aを備えている。
外気送り込み装置は、外気導入路53の一端側に連結されている。この実施形態では、上述のダウンフロー用ブロア42が外気送り込み装置を兼ねている。
外気排出路54は、出口仕切室5におけるグレーティング部13aの下方側から外部に導出されている。この実施形態では、外気排出路54は、上述のダウンフロー形成機構部の空気排出路43と合流されている。
又、外気排出路54は、その中間部に、空気流量調整可能な第2外気排気用ダンパー54aを備えている。
次に、退路1bについて説明する。退路1bは、制限領域の出入り箇所から退室する際に通る路である。この実施形態の退路1bは、入路1aと略平行に直線状に配設されており、左右の側壁101a、101bと、退路入ドア11eと、退路出ドア11fとを備え、これらによって略密閉空間とされている。なお、この実施形態では、入路1aの右側壁11bが退路1bの右側壁101bを兼ねている。
又、退路1bは、退路用仕切りドア102を備え、退路用仕切りドア102によって、退路出ドア11f側の退路用エアカーテン室103と、退路入ドア11e側の退路室104とに仕切られている。
この退路用エアカーテン室103は、退路用エアカーテン形成機構部によって、エアカーテンが形成されるようになっている。この退路用エアカーテン形成機構部は、入路1aの区画室10の入口エアカーテン領域2にエアカーテンを形成するエアカーテン形成機構部と略同構成を採っている。
詳しくは、図3を参照して説明すると、退路用エアカーテン形成機構部は、退路用エアカーテン室103における内天井112bの上に設置された退路エアカーテン用空気送出ブロア321と、内天井312bに形成されたエアカーテン領域連通部322と、エア循環路323とを備えている。
次に、制御部7について説明する。この実施形態の制御部7は、エアシャワー装置1に設けられたガス濃度検出センサ74a及び第1〜第10検出センサ91〜99a並びに出口仕切室圧検出センサ76a、76b、ダンパーの夫々と通信可能に接続されているとともに、二酸化塩素ガス発生装置8と通信可能に接続されている。
そして、この実施形態の制御部7は、図7に示すように、ドア制御部70と、ガス送り込み制御部71と、加圧空気送り込み制御部72と、ダウンフロー制御部73と、出口仕切室制御部74と、ガス濃度制御部75と、室圧制御部76とを備えている。
ドア制御部70は、エアシャワ−装置1に設けられた第1検出センサ91〜第10検出センサ99aが人または物品を検出すると、その検出情報をそれらから受信し、その受信した情報に基づいて、各ドア50を開閉制御する。
ガス送り込み装置制御部71は、二酸化塩素ガス発生装置8及びガス送り用ブロア34を作動開始及び作動停止させるよう制御する。
加圧空気送り込み装置制御部72は、加圧空気送り用ブロア33を作動開始、作動停止するよう制御する。
ダウンフロー制御部73は、第1外気導入用ダンパー43a及び第1外気排出用ダンパー43bを開閉するよう制御する。
出口仕切室制御部74は、出口エアカーテン用ブロア51を作動停止させて第2外気導入用ダンパー53a及び第2排気用ダンパー54aを開放するよう制御する。また、第2外気導入用ダンパー53a及び第2排気用ダンパー54aを閉めて出口エアカーテン用ブロア51を作動開始させるよう制御する。
ガス濃度制御部75は、ガス濃度検出センサ74aが検出した区画室10における除菌ガス送出領域3のガス濃度情報に基づいて区画室10のガス濃度を制御する。
この実施形態では、除菌ガス送出領域3のガス濃度が0.06ppmよりも低くなると、二酸化塩素ガス発生装置8を、二酸化塩素ガスの量を通常よりも多く流すように制御する。また、ガス濃度が0.3ppmを超えると二酸化塩素ガス発生装置8の作動を停止するよう制御するとともに、区画室10の除菌ガス送出領域3に配設された第3外気導入用ダンパー36及び第3排気用ダンパー37に開信号を送信して開放させるように制御する。
又、この実施形態では、図示しない緊急ボタンが押圧操作された場合も、ガス濃度制御部75は、第3外気導入用ダンパー36及び第3排気用ダンパー37に開信号を送信して開放させるように制御する。
室圧制御部76は、出口仕切室5の室圧を、このエアシャワ−装置1が設置される制限領域の室圧よりも低くなるように制御する。又、室圧制御部76は、ダウンフロー領域4の室圧を、出口仕切室5の室圧よりも低くなるように制御する。
この実施形態では、制限領域の室圧は20Pa(パスカル)程度に設定され、出口仕切室5の室圧は10〜15Pa(パスカル)に設定され、又、ダウンフロー領域4の室圧は、5〜10Pa(パスカル)に設定される(制限領域の室圧>出口仕切室5の室圧>ダウンフロー領域4の室圧≧区画室の外部)。
より詳しくは、室圧制御部76は、出口仕切室5に設けられた出口仕切室圧検出センサ76aが検出した出口仕切室の室圧情報をその出口仕切室圧検出センサ76aから受信し、その受信した室圧情報と予め設定された設定室圧範囲(この実施形態は、10〜15Pa)とに基いて、出口仕切室圧情報が設定室圧範囲内にないとの判定をした場合に、出口仕切室5における右側壁11bに設けられた微差圧調整ダンパー77によって設定室圧範囲に調整される。
又、室圧制御部76は、ダウンフロー領域4に設けられたダウンフロー領域室圧検出センサ76bが検出したダウンフロー領域4の室圧情報をそのダウンフロー領域室圧検出センサ76bから受信し、その受信した室圧情報と予め設定された設定室圧範囲(この実施形態は、5〜10Pa)とに基いて、ダウンフロー領域4の室圧情報が設定室圧範囲内にないとの判定をした場合に、第1外気排出用ダンパー43bに空気流量調整を行わせて設定室圧範囲に調整させる。
又、この実施形態におけるエアシャワ−装置1は、図1に示すように区画室10の入口ドア10cの外側に、靴底洗浄装置110が付設されているとともに、その靴底洗浄装置110と入口ドア10cとの間に、吸水マット111が付設されている。
この実施形態における靴底洗浄装置110は、図8に示すように薬液を貯留した薬液層110aと、薬液層110aの上面に設置された格子状の歩行部110bと、歩行部110bに配設された複数の回転ローラ110cとを備えている。
これらの回転ローラ110cは、ベルト110dと連動可能に連結されており、ベルト110dがモータ110eの駆動力によって駆動すると、それに伴って回転ローラ110cがそれぞれ回転するようになっている。そして、その回転に際し、歩行部110bを歩行している歩行者の靴底を薬液で洗浄する。
吸水マット111は、歩行部110bで靴底に付着した薬液を吸水し得るように構成されている。
以上のように構成されたエアシャワ−装置1は、例えばクリーンルーム等のコンタミネーションコントロールが行なわれている制限領域の出入り箇所、或いは微生物類や花粉等の持ち込みを制限する制限領域の出入り箇所に、出口ドア10d及び退路入ドア11eを隣接させるようにして設置されて使用される。
次に、このエアシャワ−装置1の動作について説明する。まず、エアシャワ−装置1が設置された制限領域の出入り箇所に入る場合から説明する。尚、エアシャワ−装置1は、このエアシャワ−装置1に設けられた作動スイッチの作動によって、入口エアカーテン領域2のエアカーテン用空気送出ブロア21、出口仕切り室5の出口エアカーテン用ブロア51及び退路用エアカーテン室103の退路エアカーテン用空気送出ブロア121が作動し、入口エアカーテン領域2、出口仕切り室5及び退路用エアカーテン室103の夫々にエアカーテンが形成された状態になっている。
人或いは物品(以下、人)が制限領域に入る場合は、靴底洗浄装置110の歩行部110bを歩いて吸水マット111にいく。歩行部110bを歩く際、靴底が薬液で洗浄され、靴底に付着した菌等が落とされる。又、吸水マット111で、薬液が落とされる。
そして、人が吸水マット111上までくると、制御部7は、人が入口ドア10cの近くにきたとの判定を入口ドア10cの外側に設置された第1検出センサ91の検出に基づいて行う(図9、ステップS1)。尚、ステップS1において、制御部7は、人が入口ドア10cの近くにきていないとの判定をした場合は、近くに来るのを待つ。
そして、制御部7は、人が入口ドア10cの近くにきたとの判定を行った場合、入口ドア10cを開けるとともに、二酸化塩素ガス発生装置8を作動させ、ガス送り用ブロア34を作動開始させて区画室10の除菌ガス送出領域3に除菌ガスを空気と共に送り入れる(図9、ステップS2)。
又、その入口ドア10cを開ける際は、仕切りドア50が閉まっていることを条件にして入口ドア10cを開ける。これにより、例えば入口ドア10cと仕切りドア50とが同時に開放した場合のように入口ドア10c側から出口ドア10dに空気が流れて区画室10内の菌や花粉或いは区画室外の菌や花粉が出口ドア10d側に流れるようなことを防止できる。
又、入口ドア10cが開いても、入口エアカーテン領域2でエアカーテンガが成されているため、除菌ガス送出領域3に区画室外の菌や花粉が入ることを抑えることができる。
そして、人が入口エアカーテン領域2にくると、制御部7は、人が入口エアカーテン領域2にきたとの判定を入口エアカーテン領域2に設置された第2検出センサ92の検出に基づいて行う(図9、ステップS3)。尚、ステップS3において、制御部7は、人が入口エアカーテン領域2にきていないとの判定をした場合は、来るのを待つ。
又、制御部7は、人が入口エアカーテン領域2にきたとの判定を行った場合、入口ドア10cを閉めさせる(図9、ステップS4)。
更に、人が除菌ガス送出領域3に入ると、制御部7は、人が除菌ガス送出領域3にきたとの判定を除菌ガス送出領域3に設置された第3検出センサ92aの検出に基づいて行う(図9、ステップS5a)。尚、ステップS5aにおいて、制御部7は、人が除菌ガス送出領域3にきていないとの判定をした場合は、来るのを待つ。
そして、制御部7は、人が除菌ガス送出領域3にきたとの判定を行った場合、加圧空気送り用ブロア33に作動開始信号を送信して作動開始させる(図9、ステップS5b)。
これにより、噴出ノズル32から除菌ガス送出領域3に送り込まれた加圧空気によって、除菌ガス送出領域3の人の衣服や物品に付着した塵埃や微生物類、更には花粉を衣服や物品から吹き飛ばしてその一部を下方の吸引用孔30aから第1流路3a、3bに入れ、第2HEAPフィルタ51bに付着させることができる。なお、第1流路3a、3bに入らない塵埃や微生物類は、グレーティング部13aから循環路3eに入り、ガス送り用ブロア34の作動によって循環路3eからガス送り路3dに入って第3HEAPフィルタ51cに付着する。
又、除菌ガス送出領域3では、除菌ガスが0.3m/秒〜0.5m/秒程度の送り速度で内天井12bから下方側に送出されているため、除菌ガス送出領域3の人の衣服や物品に上記加圧空気でも未だ付着している微生物類にかけることができ、微生物類を死滅等させることができる。又、上記加圧空気で衣服や物品から吹き飛ばして浮遊している微生物類にかけて死滅等させてグレーティング部13aに落とすことができる。
また、気流整流部22bに除菌ガスを通して送り込むため、除菌ガスを十分に整流しながら除菌ガス送出領域3に送り入れることができ、除菌ガス送出領域3の全体に万遍なく除菌ガスを送り入れることができる。従って、除菌ガス送出領域3の微生物類を、より一層、効率よく死滅等させることができる。
死滅等させた塵埃や微生物類の一部あるいは花粉は、グレーティング部13aから循環路3eに入れ、循環路3eからガス送り路3dに入れて第3HEAPフィルタ51cに付着させることができる。
又、制御部7は、加圧空気送り用ブロア33に作動開始信号を送信してから設定時間経過後、加圧空気送り用ブロア33を作動停止させるとともに、二酸化塩素ガス発生装置8を作動停止させ、ガス送り用ブロア34を作動停止させる(図9、ステップS5c)。
そして、人がダウンフロー領域4まで歩いてくると、制御部7は、人がダウンフロー領域4にきたとの判定を、ダウンフロー領域4に設置された第4検出センサ93の検出に基づいて行う(図10、ステップS6)。尚、ステップS6において、制御部7は、人がダウンフロー領域4にきていないとの判定をした場合は、来るのを待つ。
そして、制御部7は、人がダウンフロー領域4にきたとの判定を行った場合、第1外気導入用ダンパー43a及び第1外気排出用ダンパー43bを開放させて外気をダウンフロー領域4に、0.5m/秒〜1.0m/秒程度の送り速度で内天井12bから下方側に送り入れる(図10、ステップS7)。
これにより、ダウンフロー領域4にきた人の衣服や物品に空気をかけることができ、除菌ガス送出領域3で人の髪や衣服等に付着した除菌ガス成分が未だ残存している場合でも確実に払い落とすことができる。又、その際、外気をダウンフロー領域4に送り入れるため、除菌ガス成分等の臭いを確実に落とすことができる。
更に、人がダウンフロー領域4を進んで仕切りドア50の近くまでくると、制御部7は、人が仕切りドア50の近くまできたとの判定をダウンフロー領域4における仕切りドア50近傍に設置された第5検出センサ94の検出に基づいて行う(図10、ステップS8)。尚、ステップS8において、制御部7は、人が仕切りドア50の近くにきていないとの判定をした場合は、来るのを待つ。
そして、制御部7は、人が仕切りドア50の近くにきたとの判定を行った場合、仕切りドア50を開ける(図10、ステップS9)。尚、ステップS9において、制御部7は、人が仕切りドア50の近くにきていないとの判定をした場合は、来るのを待つ。
この場合も、制御部7は、入口ドア10cが閉まっていることを条件に仕切りドア50をあける。これにより、入口ドア10c側から出口ドア10d側に空気が流れて区画室内の菌や花粉或いは区画室外の菌や花粉が出口ドア10d側に流れるおそれの少ないものにできる。
又、仕切りドア50が開いた状態では、出口仕切室5は、出口エアカーテン用ブロア51等によってエアカーテンが形成されているため、ダウンフロー領域4から出口仕切室5に菌等が入り込むことが防止される。しかも、ダウンフロー領域4の室圧が出口仕切室5の室圧よりも低くなるように制御されているため、ダウンフロー領域4から出口仕切室5に空気が流れ込み難く、ダウンフロー領域4から出口仕切室5に菌等が入り込むことが確実に防止される。
人が出口仕切室5に入ると、制御部7は、人が出口仕切室5に入ったとの判定を出口仕切室5に設置された第6検出センサ95の検出に基づいて行う(図10、ステップS10)。尚、ステップS10において、制御部7は、人が出口仕切室5に入っていないとの判定をした場合は、入って来るのを待つ。
そして、制御部7は、人が出口仕切室5に入ってきたとの判定を行った場合、仕切りドア50を閉める(図10、ステップS11)。
又、制御部7は、仕切りドア50を閉めた後、直ちに出口エアカーテン用ブロア51を作動停止させるとともに、第2外気導入用ダンパー53a及び第2排気用ダンパー54aに開信号を送信して開放させて出口仕切室5に外気を2m/秒程度の風速で入れさせる(図11、ステップS12)。
又、制御部7は、第2外気導入用ダンパー53a及び第2排気用ダンパー54aに開信号を送信してから設定時間経過後(この実施形態では、2秒後)、第2外気導入用ダンパー53a及び第2排気用ダンパー54aを閉めさせる(図11、ステップS13)。
又、略同時に、制御部7は、出口エアカーテン用ブロア51を作動開始させてエアカーテンを形成させるとともに、出口ドア10dを開放させる(図11、ステップS13)。
その際、出口ドア10dが開放しても、エアカーテンによって出口仕切室5の空気が外に流れ難いものにできる。しかも、出口仕切室5の室圧が制限領域の室圧よりも低く設定されているため、出口仕切室5の空気がより一層、制限領域に流れ難いものにできる。従って、出口ドア10dが制限領域の出入り箇所と隣接していても、出口仕切室5の空気が出入り箇所から制限領域内に入り込むおそれの少ないものにできる。
その後、人が出口仕切室5から出て行くと、制御部7は、人が出口仕切室5から出たとの判定を第6検出センサ95の人の不検出に基づいて行う(図11、ステップS14)。尚、ステップS14において、制御部7は、人が出口仕切室5から出ていないとの判定をした場合は、出て行くのを待つ。又、制御部7は、出口エアカーテン用ブロア51が作動開始した後は、出口仕切室圧検出センサ76aによる出口仕切室5の室圧情報が設定室圧範囲内にない状態になると、第1外気排出用ダンパー43bに空気流量調整を行わせて設定室圧範囲に調整させる。
そして、制御部7は、人が出口仕切室5から出ていったとの判定を行った場合、出口ドア10dを閉める(図11、ステップS15)。
次に、制限領域の出入り箇所から出る場合について説明する。制限領域の出入り箇所から出てきた人が退路入ドア11eに近づくと、制御部7は、人が退路入ドア11eの近くにきたとの判定を、退路入ドア11eの外側に設置された第7検出センサ96の検出に基づいて行う(図12、ステップS21)。尚、ステップS21において、制御部7は、人が退路入ドア11eの近くにきていないとの判定をした場合は、来るのを待つ。
そして、制御部7は、人が退路入ドア11eの近くにきたとの判定を行った場合、退路入ドア11eを開ける(図12、ステップS22)。
その後、人が退路入ドア11eから退路室104に入ると、人が退路室104に入ったとの判定を、退路室104に設置された第8検出センサ97の検出に基づいて行う(図12、ステップS23)。尚、ステップS23において、制御部7は、人が退路室104に入っていないとの判定をした場合は、入ってくるのを待つ。
そして、制御部7は、人が退路室104に入ったとの判定を行った場合、退路入ドア11eを閉める(図12、ステップS24)。
その後、人が退路室104を進んで退路用仕切りドア102に近づくと、制御部7は、人が退路用仕切りドア102の近くにきたとの判定を退路室104における退路用仕切りドア102の近傍に設置された第9検出センサ98の検出に基づいて行う(図12、ステップS25)。尚、ステップS25において、制御部7は、人が退路用仕切りドア102の近くにきていないとの判定をした場合は、来るのを待つ。
そして、制御部7は、人が退路用仕切りドア102の近くにきたとの判定を行った場合、退路用仕切りドア102を開ける(図12、ステップS26)。この場合も、退路入ドア11eが閉まっていることを条件に退路用仕切りドア102を開ける。
その後、人が退路用エアカーテン室103に入ると、制御部7は、人が退路用エアカーテン室103に入ったとの判定を退路用エアカーテン室103に設置された第10検出センサ99の検出に基づいて行う(図13、ステップS27)。尚、ステップS27において、制御部7は、人が退路用エアカーテン室103に入っていないとの判定をした場合は、入って来るのを待つ。
そして、制御部7は、人が退路用エアカーテン室103に入ったとの判定を行った場合、退路用仕切りドア102を閉める(図13、ステップS28)。又、制御部7は、退路用仕切りドア102が閉まってから設定時間経過後(この実施形態では、2秒後)、退路出ドア11fを開ける(図13、ステップS29)。
その際、退路エアカーテン用空気送出ブロア121等によって退路用エアカーテン室103にエアカーテンが形成されているため、外部から菌や花粉が退路1bに入るようなことを防止できる。
その後、人が退路用エアカーテン室103から出て行くと、制御部7は、人が退路用エアカーテン室103から出たとの判定を退路出ドア11fの外側に設置された第10検出センサ99aの検出に基づいて行う(図13、ステップS30)。尚、ステップS30において、制御部7は、人が退路用エアカーテン室103から出ていないとの判定をした場合は、出るのを待つ。
そして、制御部7は、人が退路用エアカーテン室103から出たとの判定を行った場合、退路出ドア11fを閉める(図13、ステップS31)。
尚、上記実施形態では、入路1aと退路1bとは、直線状に形成されたが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。例えば図14に示すように、エアシャワー装置200の入路200aにおけるダウンフロー領域204及び出口仕切室205を、除菌ガス送出領域203の側方側に配設することにより、入路200aを平面視でほぼ直角に折れ曲がった屈曲状のL字状に形成する。
そして、退路200bを、平面視において、その入路200aにおけるL状の内側に配設するようにしてもよい。このように形成すれば、エアシャワー装置200の全体を先の実施形態のものよりも小型化でき、設置面積の小さいものにできる。
又、この場合において、この図14に示すように、退路200bを平面視でほぼ直角に折れ曲がった屈曲状のL字状に形成し、平面視において、そのL字状の内側に、二酸化塩素ガス発生装置208を設置するようにしてもよく、これにより、より一層、設置面積の小さいものにできる。
又、上記実施形態では、入口エアカーテン領域2と退路用エアカーテン室103とは互いに仕切られるように形成されたが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
例えば図14に示すように、入口エアカーテン領域202と退路用エアカーテン室303とは互いに連通するように形成されてもよい。さらには、入口エアカーテン領域202と退路用エアカーテン室303とが連通される場合には、1つのブロアで入口エアカーテン領域202と退路用エアカーテン室303とに同時にエアカーテンを形成するようにしてもよい。
又、上記実施形態では、入口エアカーテン領域2と除菌ガス送出領域3との境界、及び除菌ガス送出領域3とダウンフロー領域4との境界に、仕切りドアが設けられていないが、それらの境界の一方又は両方に仕切りドアが設けられた形態のものであってもよく、適宜変更して実施できる。
又、上記実施形態では、除菌ガス送出領域3は、除菌ガスと共に加圧空気が同時に送出されるように構成されているがこの形態のものに限らず、例えば除菌ガス送出領域3は、加圧空気が送出されないように構成されてもよく、適宜変更できる。
又、除菌ガス送出領域3に、除菌ガスと共に加圧空気が送出される場合において、加圧空気が送出された後に除菌ガスが送出されるようにしても良い。
又、除菌ガス送出領域3を、加圧空気が送出されるエアシャワー領域と、エアシャワー領域の出口ドア側に配設されて除菌ガスが送出される除菌ガス専用送出領域とに分けてもよく、適宜変更できる。