JP2019199985A - 高気密性施設の気流制御システム及び気流制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】扉の開閉動作又は挙動や、入退室時の従業者の挙動又は運動等に起因してハザード物質、或いは、塵埃等の汚染物質が非清浄側の室から清浄側の室に流動し又は移動するのを防止する。【解決手段】高気密性施設(B)を構成する非清浄室(C)と清浄室(E)との間の通路開口には、常時閉鎖式の気密性ドア(5)が設置される。清浄室の空気圧は、非清浄室の空気圧よりも高い値に設定される。高気密性施設の気流制御システムは、ドアの近傍において非清浄室の天井部分から下向きに非汚染空気又は清浄空気を吹出す空気供給装置(10)を有する。空気供給装置は、ドアに隣接し且つドア枠を全体的に覆う非清浄室の空間部分(η)に非汚染空気又は清浄空気の下降空気流(30)を形成する。下降空気流は、ドアの開扉時に扉開口を介して非清浄室の空気が清浄室に流動又は移動するのを防止する。【選択図】図3

Description

本発明は、高気密性施設の気流制御システム及び気流制御方法に関するものであり、より詳細には、バイオハザード(生物学的危害)物質、ケミカルハザード物質等の物理的封じ込めや、室内環境の清浄度の維持等のために高い気密性能を要する高気密性施設において、ハザード物質、或いは、塵埃等の汚染物質が非清浄側の室から清浄側の室に流動し又は移動するのを防止する気流制御システム及び気流制御方法に関するものである。
高薬理活性物質等のケミカルハザード物質、病原微生物(真菌、細菌、ウイルス等)等のバイオハザード物質、或いは、遺伝子組み換え体等のハザード物質を取り扱う研究施設、検査施設等においては、研究者、管理者、オペレータ、作業者等の従業者の感染防止対策や、環境汚染対策等のために、管理区画外へのハザード物質の漏出を防止する所謂封じ込め対策が求められる。
例えば、バイオハザード施設においては、バイオハザード物質等が管理区画外に漏出又は拡散するのを確実に阻止すべく、施設の管理・運用において厳格な基準又は規定が定められるばかりでなく(特開2014-171587号公報等)、施設の構造及び設備等の構成に依存した物理的封じ込め等の様々な対策が採られる(特開2009-58191号公報等)。
一般に、バイオハザード物質の開封・操作を実施する実験室等は、取扱物質の生物学的な危険性等に相応してバイオセーフティレベル1〜4(BSL1〜BSL4)に等級化されているが、BSL3又はBSL4のような高度なバイオハザード施設における物理的封じ込め技術は、主として、次のとおり分類し得る。
(1)建築構造及び平面計画等に依存した建築構造的バリア
(2)一方向気流を企図した室間差圧制御(室圧制御)に依るバリア
(3)HEPAフィルター等の排気浄化設備に依る排気濾過処理
(4)廃液滅菌機能を有する廃液処理設備等に依存した廃液滅菌処理
(5)両面オートクレーブ等の滅菌設備に依る実験器具等の滅菌処理
上記室間差圧制御は、バイオハザード物質の開封・操作を実施する室(以下、「バイオハザード室」という。)の室内空気圧を陰圧(負圧)に設定し、バイオハザード物質が室外に漏出、飛散又は拡散するのを防止しようとする技術である。これは、室内空間及び室外空間の間で空気が流入・流出(通気又は漏出)するのを確実に阻止する建築構造的バリアの構築を前提としたものであり、相対的に高圧に設定された室の空気は、例えば、構造体に微小な隙間等が発生した時、或いは、入退室のための扉の開放(開扉)時、或いは、試料等の搬出入のための搬出・搬入経路等の開放時においても高圧室側から低圧室側に空気に向かう一方向の気流が隙間や開口部等に形成されるように制御される。したがって、開扉時には、相対的に高圧に設定された管理区画内の前室(比較的清浄な入退室経路の隣室)からバイオハザード室に流れる一方向気流(即ち、清浄側の空間から非清浄側の空間に流れる一方向気流)が扉開口部に形成され、これにより、エアロゾル化したハザード物質等が前室の側に漏出又は流出する事態を未然に防止し得ると考えられている。また、仮に少量の空気がバイオハザード室から前室の側に逆流したとしても、閉扉後に前室を強制換気して前室を浄化することができるので、これにより、ハザード物質等が管理区画外の環境に漏出又は流出する事態を確実に阻止し得ると考えられている。なお、このような一方向気流を形成する室間差圧制御の技術については、例えば、特開2007-24326号公報、特開2010-107136号公報等に記載されているので、室間差圧制御の具体的な構成、制御態様等についての一般的な説明は、省略する。
バイオハザード施設以外の高気密性施設として、例えば、クラス10000以下又は1000以下の清浄度を有する工業用クリーンルーム、バイオクリーンルーム等のクリーンルームが挙げられる。一般に、このクラスのクリーンルームでは、管理区画外の環境からクリーンルーム内に入室する従業者の身体、衣服等に付着した塵埃等の汚染物質を除去すべく、更衣室、エアーシャワー等の除塵空間又は除塵設備が設けられるとともに、塵埃等を含む空気が室内空間に流入するのを防止すべく、クリーンルームの空気圧が比較的高い陽圧(正圧)に設定される。例えば、構造体に微小な隙間等が発生した時、入退室の際にドアを開閉する際、或いは、試料や資材等の搬入・搬出のために搬入・搬出経路等を開放する際には、バイオハザード室の場合とは逆に、クリーンルーム(高圧室)から隣室(相対的に低圧の前室、隣室、周囲空間等)に向かう一方向の気流が隙間や開口部等に形成される。したがって、開扉時には、クリーンルーム(高圧室)の側から隣室(低圧室)等の側に流れる一方向気流(即ち、清浄側の空間から非清浄側の空間に流れる一方向気流)が扉開口部に形成されるので、クリーンルームの清浄性を阻害する塵埃等の汚染物質が入退室時にクリーンルーム内に流入、移送又は移動する事態は、未然に防止し得る。
このようなクリーンルームにおいて、除塵空間を構成する隣室とクリーンルームとの間に配置すべき扉を省略し、両室を単一の建築空間として構成するための除塵システムが、特開2012-225532号公報(特許文献5)に記載されている。この除塵システムでは、移動中(歩行中)の入室者に付着した塵埃等を強制的に除塵する複合的且つ多数のエアーシャワー式除塵装置が、クリーンルームの入退室通路に設置される。このような構成によれば、クリーンルーム及び隣室の間に扉を設置することなく、清浄性が劣る隣室の空気がクリーンルーム内に流入、移送又は移動するのを阻止し得るかもしれない。
特開2014-171587号公報 特開2009-58191号公報 特開2007-24326号公報 特開2010-107136号公報 特開2012-225532号公報
しかしながら、特許文献5に記載された除塵システムは、除塵空間の天井及び壁面から清浄空気を連続的に噴射するとともに、除塵空間の床をグレーチング等の有孔部材によって形成し、従業者の身体、衣服等から払い落とした塵埃等を還気流又は排気流と一緒に床下空間から系外に排出するように構成されたものであり、この種の建築構造は、床面の洗浄・消毒等を要するバイオハザード施設や、高度な清浄度のクリーンルーム等の高気密性施設においては容易に採用し難い。
また、扉を省略し、除塵空間及びクリーンルームを連続的な建築空間として形成した特許文献5のシステム構成は、清浄空気供給系の異常停止時、メンテナンス時又は停電時等に生じ得る清浄空気噴射設備の過渡的な停止等を考慮すると、厳密な物理的封じ込めを要するバイオハザード施設や、高度な清浄度のクリーンルーム等の高気密性施設においては、容易に採用し得ない事情がある。
更に、バイオハザード室とその前室との間に高気密性の扉を配設したバイオハザード施設に関する本発明者等の実験によれば、室圧制御を所望の如く実行し得たとしても、開扉時に発生する扉開口の温度勾配、圧力分布、或いは、開扉時の扉開口に作用する室内空気の対流等の影響により、バイオハザード室の空気が扉開口から前室に漏出する。また、本発明者等の上記実験によれば、バイオハザード室の空気は、扉の開閉挙動に起因して扉に随伴し又は同伴して前室に流動するとともに、バイオハザード室から前室に移動する従業者(衣服、所持物等を含む)に随伴し又は同伴して前室に移動する。これは、人及び扉の後流域に多数の渦流等が形成されることなどに起因すると考えられる。このような原因で前室に移動した空気中のハザード物質は、前室に退室した従業者を前室内に所定時間滞在せしめるとともに、前室を強制換気することにより、前室から更に外部に流出するのを防止し得ると考えられる。しかしながら、本発明者等の上記実験によれば、前室に流入した空気の一部は、前室内に比較的長時間滞留する傾向があり、この種の施設において一般に採用される換気回数の乱流方式換気システムを用いて前室の空気を実質的に完全に新鮮空気又は清浄空気で置換するには、少なくとも10分程度の時間を要する。しかし、このような長時間に亘って従業者を前室に滞在せしめることは、現実には、極めて困難である。また、ハザード物質をリアルタイムでモニタリングし、許容量を超えるハザード物質の漏出を判定又は評価することも、実際には極めて困難である。従って、このような前室の強制換気に依存することなく、扉の開放時にバイオハザード室の空気が前室に流出するのを確実に防止するとともに、ハザード物質が従業者等に随伴し又は同伴して前室に移動するのを確実に阻止する対策が望まれる。
また、同様の現象は、比較的高度な清浄度のクリーンルームの入退室時においても発生し得ると想定される。従って、扉の開放時に前室の空気がクリーンルーム内に流入するのを防止するとともに、前室の空気が従業者等に随伴又は同伴してクリーンルームに移動するのを確実に阻止する対策が望まれる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、気密性ドアを介して区画された清浄側及び非清浄側の各室の間を従業者等が移動するとき、扉の開閉動作又は挙動や、入退室時の従業者の挙動又は運動等に起因してハザード物質、或いは、塵埃等の汚染物質が非清浄側の室から清浄側の室に流動し又は移動するのを防止することができる高気密性施設の気流制御システム及び気流制御方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成すべく、ハザード物質又は汚染物質が存在し又は取り扱われる非清浄室(C)と、該非清浄室よりも清浄な清浄室(E)とを有し、非清浄室と清浄室との間の通路開口に常時閉鎖式の気密性ドア(5)を設けるとともに、清浄室の空気圧を非清浄室の空気圧よりも高い値に設定した高気密性施設(B)に配設され、前記ドアの開扉時に扉開口を介して非清浄室の空気が清浄室に流動又は移動するのを阻止する気流制御システムにおいて、
前記ドアに隣接し且つ該ドアのドア枠を全体的に覆う非清浄室の空間部分(η)に非汚染空気又は清浄空気の下降空気流(30)を形成すべく、前記ドアの近傍に位置する前記非清浄室の天井部分に設けられ、該天井部分から下向きに非汚染空気又は清浄空気を吹出す空気供給装置(10)を有することを特徴とする気流制御システムを提供する。
他の観点より、本発明は、ハザード物質又は汚染物質が存在し又は取り扱われる非清浄室(C)と、該非清浄室よりも清浄な清浄室(E)とを有し、非清浄室と清浄室との間の通路開口に常時閉鎖式の気密性ドア(5)を設けるとともに、清浄室の空気圧を非清浄室の空気圧よりも高い値に設定した高気密性施設(B)における気流制御方法であって、前記ドアの開扉時に扉開口を介して非清浄室の空気が清浄室に流動又は移動するのを阻止する気流制御方法において、
前記ドアの近傍に位置する前記非清浄室の天井部分から下向きに非汚染空気又は清浄空気を吹出し、前記ドアに隣接し且つ該ドアのドア枠を全体的に覆う非清浄室の空間部分(η)に非汚染空気又は清浄空気の下降空気流(30)を形成することを特徴とする気流制御方法を提供する。
本発明の上記構成によれば、ドアに隣接し且つドアのドア枠を全体的に覆う非汚染空気又は清浄空気の空気供給域(η)が、ドア開閉時に形成される扉開口と非清浄室の室内空間との間に形成される。空気供給域は、従業者退室時の従業者の動線上において清浄室の清浄空間と非清浄室の室内空間との間に介在する清浄な緩衝域又は緩衝帯として機能し、これにより、ドアを非清浄室の側から囲むエアバリアが形成される。本発明者等の実験によれば、清浄室の空気圧を非清浄室の空気圧よりも高い値に設定した場合であっても、扉開口の温度勾配、圧力分布、室内空気対流等の影響や、扉の開閉動作又は挙動の影響等により、扉開口の一部において空気の逆流が発生し、非清浄室の室内空気が、扉開口の上部域等を介して清浄室に流出又は漏出する傾向があるが、このような空気供給域をドア近傍に形成することにより、非清浄室の室内空気が扉開口を介して清浄室に流出又は漏出するのを確実に防止し得る。また、本発明者等の実験によれば、退室する従業者の背後(後流域)に多数の渦流が形成され、非清浄室の空気が従業者の移動又は運動に追随し又は同伴して清浄室に流動し又は移動する傾向があるが、上記空気供給域の下降空気流は、このような渦流を吹き払い又は解消するように作用するので、従業者に追随又は同伴して非清浄室の室内空気が清浄室に流出又は漏出するのを確実に防止し得る。なお、「ドアの近傍に位置する」「非清浄室の天井部分」は、非清浄室の室内空間から見てドアの手前且つその上方の建築部分を意味する。これは、必ずしも非清浄室の天井構造体と連続する建築部分に限定されるものではなく、壁面から庇状に室内空間に突出した構造体や、非清浄室の床面に立設された門形又はゲート形の架台又はラックの上部構造体等を包含する概念のものである。また、本明細書において、バイオハザード施設やケミカルハザード施設等の気流制御を発明の対象とする場合には、「清浄」は、生物学的汚染又は化学的汚染の可能性が低く、相対的に高い室内空気圧に設定された条件、状態又は環境を意味し、「非清浄」は、生物学的汚染又は化学的汚染の可能性が高く、相対的に低い室内空気圧に設定された条件、状態又は環境を意味し、他方、クリーンルーム施設の気流制御を発明の対象とする場合には、「清浄」は、所定体積の空気中に含まれる所定粒子サイズの塵埃の数が少なく、相対的に高い室内空気圧に設定された条件、状態又は環境を意味し、「非清浄」は、所定体積の空気中に含まれる所定粒子サイズの塵埃の数が多く、相対的に低い室内空気圧に設定された条件、状態又は環境を意味する。このような意味において、上記「清浄室」及び「非清浄室」は、相対的に「清浄」な室及び相対的に「非清浄」な室であり、上記「非汚染空気」又は「清浄空気」は、生物学的又は化学的に汚染されていない空気(ハザード施設)、或いは、少なくとも「清浄室」の空気と同等の清浄度を有する空気(クリーンルーム施設)である。
本発明の好適な実施形態によれば、上記非清浄室は、ハザード物質の漏出を防止する物理的な封じ込め対策を要するバイオハザード室(C)であり、上記清浄室は、該バイオハザード室に入退室するために設けられ、ハザード物質又は汚染物質が管理区画外の建築空間又は外部環境に移動し又は拡散するのを防止する前室(E)であり、上記高気密性施設は、バイオハザード施設(B)である。好ましくは、上記空気供給装置は、高性能フィルター及び空気循環ファンを内蔵し、上記天井部分の天井構造体によって支持されたファンフィルターユニット(12)を有する。更に好ましくは、上記非汚染空気又は清浄空気は、上記清浄室の空気の清浄度と同等又は該空気よりも清浄な空気であり、清浄空気の吹出し流速は、0.2m/s以上(例えば、0.3m/s)の流速に設定される。
好ましくは、上記下降空気流が作用する空気供給域(η)を平面視において少なくとも部分的に区画し又は囲繞する垂れ壁(11)が上記天井部分に設けられる。更に好ましくは、上記下降空気流が作用する空気供給域を少なくとも部分的に区画し又は囲繞するように配置された空気噴射ノズル(17)が上記垂れ壁と関連して配設される。空気噴射ノズルは、上記非汚染空気又は清浄空気の吹出し流速よりも高い吹出し流速を有する非汚染空気又は清浄空気の高速空気流(31)を下方に吐出し又は噴流する。高速空気流は、非清浄室の空気が下降空気流に誘引されるのを防止するとともに、退室する従業者の背後(後流域)の渦流を効果的に吹き払うエアーカーテン(エアカーテン)として機能し、従業者等に追随又は同伴して非清浄室の室内空気が清浄室に流出又は漏出するのを防止する。
本発明の好適な実施形態において、気流制御システムは、空気供給装置の作動を制御する給気流制御装置(20)と、非清浄室に配置され且つ上記ドアに対する従業者の開扉要求を検出する退室時開扉要求検出装置(21)と、給気流制御装置の制御下に上記ドアを選択的に施錠し又は解錠する扉開閉制御装置(26)とを有する。給気流制御装置は、退室時開扉要求検出装置が従業者の開扉要求を検出したときに空気供給装置を起動する退室時起動手段(S1,S2)と、退室時開扉要求検出装置が開扉要求を検出した後、所定時間経過時に扉開閉制御装置によって上記ドアを解錠する退室時解錠制御手段(S2〜S4)とを有する。従って、非清浄室の従業者が退室時開扉要求検出装置により開扉要求を明示したとき、空気供給装置が起動し、所定時間経過後、上記ドアが解錠する。なお、本明細書において、非清浄室から清浄室への室間移動を「退室」といい、清浄室から非清浄室への室間移動を「入室」という。従って、バイオハザード施設やケミカルハザード施設等の気流制御を発明の対象とする場合には、バイオハザード室等から前室への移動は、「退室」であり、前室からバイオハザード室等への移動は、「入室」であり、他方、本発明をクリーンルーム施設に適用する場合には、前室からクリーンルームへの移動は、「退室」であり、クリーンルームから前室への移動は、「入室」である。
好ましくは、気流制御システムは、清浄室に配置され且つ従業者の退室完了を検出する退室検出装置(23)を更に有する。給気流制御装置は、退室検出装置が従業者の退室完了を検出したときに空気供給装置の作動を停止する退室時停止手段(S5,S7)を有する。従って、従業者が非清浄室から実質的に完全に退室すると、空気供給装置の作動は停止する。
所望により、気流制御システムは、清浄室に配置され且つ上記ドアに対する従業者の開扉要求を検出する入室時開扉要求検出装置(23)を更に有する。給気流制御装置は、入室時開扉要求検出装置が従業者の開扉要求を検出したときに空気供給装置を起動する入室時起動手段(S2,S10)と、入室時開扉要求検出装置が従業者の開扉要求を検出した後、所定時間経過時に扉開閉制御装置によって上記ドアを解錠する入室時解錠制御手段(S2〜S4)とを有する。従って、清浄室の従業者が入室時開扉要求検出装置により開扉要求を明示したとき、空気供給装置が起動し、所定時間経過後に上記ドアが解錠する。
所望により、気流制御システムは、非清浄室に配置され且つ従業者の入室完了を検出する入室検出装置(21)を更に有する。給気流制御装置は、入室検出装置が従業者の入室完了を検出したときに空気供給装置の作動を停止する入室時停止手段(S7,S11)を有する。従って、従業者が非清浄室に実質的に完全に入室すると、空気供給装置の作動は停止する。
望ましくは、上記給気流制御装置は、扉開閉制御装置が上記ドアの解錠後にドアの開閉を検出したとき、空気供給装置の作動を停止する給気流停止手段(S6,S7)を有する。従って、従業者が非清浄室から退室し又は非清浄室に入室してドアを閉鎖すると、空気供給装置の作動は停止する。所望により、給気流停止手段(S6,S7)は、退室時停止手段及び/又は入室時停止手段の検出結果と関連して空気供給装置の作動を停止(S5,S11)するように構成しても良い。
本発明の気流制御システム及び気流制御方法によれば、気密性の扉を介して区画された清浄側及び非清浄側の各室の間を従業者等が移動するとき、扉の開閉動作又は挙動や、入退室時の従業者の挙動又は運動等に起因してハザード物質、或いは、塵埃等の汚染物質が非清浄側の室から清浄側の室に流動し又は移動するのを防止することができる。
図1は、バイオハザード施設の全体構成を概略的に示す建築物の部分縦断面図である。 図2は、バイオハザード施設の全体構成を概略的に示す建築物の部分平面図である。 図3は、バイオハザード室、前室及び準備室の構成を概略的に示すバイオハザード施設の部分斜視図である。 図4は、図1〜図3に示すバイオハザード施設の部分平面図である。 図5は、図1〜図3に示すバイオハザード施設の部分縦断面図である。 図6は、気流制御システムの制御態様を概略的に示すフローチャートである。 図7は、清浄空気供給装置の使用形態を示す縦断面図であり、非清浄室の従業者が退室時にドアを開扉操作する過程が示されている。 図8は、清浄空気供給装置の使用形態を示す縦断面図であり、従業者が扉開口を通過する過程が示されている。 図9は、清浄空気供給装置の使用形態を示す縦断面図であり、清浄室に移動した従業者がドアを閉扉する過程が示されている。 図10は、清浄空気供給装置の使用形態を示す縦断面図であり、清浄室の従業者が準備室側のドアを開扉操作する過程が示されている。 図11は、本発明に係る清浄空気供給装置を使用した実証試験の試験結果を示す線図である。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1及び図2は、バイオハザード施設の全体構成を概略的に示す建築物の部分縦断面図及び部分平面図である。
図1には、床構造体F、屋根構造体R、内壁Wi及び外壁Woを有する鉄筋コンクリート構造の建築物Aが示されている。建築物A内のバイオハザード施設Bは、前述の高気密性施設を構成する。バイオハザード施設Bは、バイオハザード室C、バッファエリアD及び上部設備空間(インタースティシャルスペース)Iを含む。鉛直支柱Mの上端部が屋根構造体Rに支持される。上部設備空間Iの中間床構造体Nが鉛直支柱Mの下端部によって天井構造体2の上方域に水平に懸架される。本実施形態では、バイオハザード施設Bは、建築物Aの一部を構成するにすぎないが、建築物A全体をバイオハザード施設Bとして構成することも可能である。
バイオハザード室Cは、乾式工法の壁構造体1と、乾式工法の天井構造体2とによって区画される。天井構造体2は、中間床構造体Nから垂下する吊りボルトKと、吊りボルトKによって中間床構造体Nの下側に懸架されたシステム天井部材J及び天井面材(建築内装面材)を含む。中間床構造体Nと天井構造体2との間の空間は、天井裏プレナムチャンバλを構成する。壁構造体1は、角形鋼管からなる鋼製間柱3の両側面に建築内装面材を固定してなる乾式工法の間仕切壁である。壁構造体1は、床構造体F上に立設され、屋根構造体Rまで垂直(鉛直)に延びる。壁構造体1の建築内装面材と天井構造体2の建築内装面材とは、廻り縁部材を含む天井及び壁の気密接合構造1aによって気密に接合される。
図2に示す如く、壁構造体1は、XY方向に延び、X方向及びY方向に延びる。壁構造体1X、1Yの室内側壁面を構成する建築内装面材は、壁隅部(コーナ部)において壁同士の気密接合構造1bによって気密に接続される。天井・壁及び壁・壁の気密接合構造1a、1bの構成は、本出願人の出願に係る特願2016-126110号の明細書及び図面に詳細に記載されているので、特願2016-126110号の明細書・図面(特開2017-227099号公報)を引用することにより、更なる詳細な説明を省略する。
図2に示す如く、バイオハザード室Cは、入退室用のドア5を備える。図2には、退室経路OTが実線矢印で示され、入室経路INが破線矢印で示されている。前室Eは、ドア6を介して更衣室等の準備室Gに連続する。ドア5、6は、隣室間の通路開口を手動開閉操作により選択的に開閉する高気密性扉及びドア枠からなる。この種の高気密性ドアは、扉及びドア枠の間の隙間をゴム又はエラストマー製パッキン等の弾力的又は弾性的部材によって気密処理したエアータイトドアとして知られ、バイオハザード施設、クリーンルーム施設等の高気密性施設において一般に使用される高気密性建具である。ドア5、6は、常時は、閉扉状態を維持し、入退室時等に過渡的に通路開口を開放するように運用される常時閉鎖式のドアである。
バイオハザード室C、前室E、準備室G及びバッファエリアDの室内空気圧(室圧)は、バイオハザード施設特有の室間差圧制御により制御される。通常は、バイオハザード室Cの空気が入・退室経路IN、OTを介してバッファエリアDの側に漏出するのを防止すべく、バイオハザード室Cの室圧が最も低圧に設定される。例えば、バイオハザード室C、前室E、準備室G及びバッファエリアDの室圧は夫々、−60Pa、−45Pa、−30Pa及び−15Paに設定される。バイオハザード室Cは、前述の非清浄室を構成し、前室Eは、前述の清浄室を構成する。なお、バッファエリアDの室圧は、大気圧相当の圧力に設定しても良い。
図3、図4及び図5は、バイオハザード室C、前室E及び準備室Gの構成を概略的に示すバイオハザード施設の部分斜視図、部分平面図及び部分縦断面図である。
図3に示す如く、ファンフィルターユニット7(以下、「FFU7」という。)がバイオハザード室C、前室E及び準備室Gの天井構造体2に組み込まれる。FFU7は、バイオハザード施設Bの空調換気設備の空気循環系を構成する。一般に、ファンフィルターユニットは、HEPAフィルター等の高性能フィルター(図示せず)を内蔵するとともに、空気循環ファン(図示せず)を内蔵する。FFU7は、系外から供給された外気等の新鮮空気や、天井裏プレナムチャンバに循環した室内空気等を浄化し、清浄空気又は非汚染空気(以下、「清浄空気」という。)を天井面の給気口から下方に吹出す。
図2及び図4に示す如く、バイオハザード施設Bの空気循環系は、室内空気の排気又は還気流路を構成する排気フィルターユニット8を有する。空気循環系は又、バイオハザード施設Bの空調換気設備を構成する新鮮空気供給系及び排気系の各流路(図示せず)を含む。排気フィルターユニット8の吸込口8aが、バイオハザード室C、前室E及び準備室Gの壁面下部域に夫々配設される。排気フィルターユニット8は、HEPAフィルター等の高性能フィルターを内蔵し、吸込口8aを介して吸引した還気(室内空気)を部分的に系外に排気するとともに、還気の残部を天井裏プレナムチャンバλ(λ1〜λ3)に循環するように構成される。各FFU7は、天井裏プレナムチャンバλ(λ1〜λ3)に還流し又は供給された還気及び新鮮空気を吸引し、新鮮空気及び還気を浄化して天井面の給気口から下方に吹出し、図3及び図5に矢印で示す下降給気流(ダウンフロー)Faを各室C、E、Gの室内空間に形成する。所望により、新鮮空気供給系及び排気系の各流路(図示せず)、FFU7及び排気フィルターユニット8を空気搬送ダクト又は配管等によって相互連結することも可能である。なお、空気循環系及び新鮮空気供給系は、一般的な空調システムと同様、冷却器、加熱器、加湿器等の調温・調湿手段を備えるが、調温・調湿手段に関する説明は、省略する。
図3に示す如く、従業者がドア5を開扉して退室する際、バイオハザード室C及び前室Eの室内空間は、開扉時に形成されるドア5の通路開口(以下、「扉開口」という。)を介して相互連通する。前室Eの室圧がバイオハザード室Cよりも高く設定されているので、理論的には、前室Eからバイオハザード室Cに向かって流れる一方向気流αが扉開口全域に形成される筈である。しかしながら、現実には、バイオハザード室Cから前室Eに向かって流れる逆方向空気流βが扉開口の上部域に形成される傾向がある。また、後述する如く、従業者の背後に形成される後流域の渦流γ(及び乱流等)、或いは、扉の挙動により扉の背後又は縁部近傍に発生する渦流又は乱流等(図示せず)の影響により、エアロゾル化したバイオハザード室Cのハザード物質(汚染物質)が、扉や従業者に随伴又は同伴してバイオハザード室Cから前室Eに流動又は移動する傾向がある。このような経路で前室Eに流動又は移動したハザード物質は、従業者を前室Eに滞在せしめた状態で前室Eを強制換気し、前室Eの汚染空気を清浄空気で希釈することにより、或る程度まで除去し得る。しかしながら、エアロゾル化したハザード物質を実質的に完全に除去するように前室Eの汚染空気を希釈するには、後述する如く、少なくとも10分の時間を要するので、この時間を短縮し、或いは、扉開口を介してハザード物質が前室Eに流動又は移動するのを実質的に完全に防止する物理的封じ込め対策を採用することが望まれる。
このような観点より、本実施形態に係るバイオハザード施設Bは、ドア5の近傍においてバイオハザード室Cの天井部分に配設された清浄空気供給装置10を備える。清浄空気供給装置10は、図3〜図5に示す如く、バイオハザード室Cの従業者が退室時に常に通過する清浄空気供給域ηをその直下に形成する。清浄空気供給域ηは、ドア5の開扉時に形成される逆方向空気流β(図3)を清浄空気により形成するとともに、従業者の背後(後流域)に発生した渦流γ又は乱流等を解消し、更には、扉の挙動に起因してハザード物質が前室Eに流動又は移動するのを防止するように作用し又は機能する。
清浄空気供給装置10は、平面視(図4)において清浄空気供給域ηを部分的に囲繞するように延在する垂れ壁11と、垂れ壁11の内側に配置されたファンフィルターユニット12(以下、「FFU12」という。)と、垂れ壁11の近傍から斜め下方に清浄空気を噴射する清浄空気噴射ノズル17とを有する。清浄空気供給装置10は又、壁面の適所に配置された非接触式ドアスイッチ21、23(以下、「ドアスイッチ21、23」という。)と、ドアスイッチ21、23の作動に相応してFFU12の作動及び停止を制御し且つドア5、6の開扉を選択的に禁止又は許可するための制御ユニット20(図4に概念的に示す。)とを備える。制御ユニット20は、前述の給気流制御装置を構成する。ドアスイッチ21は、前述の退室時開扉要求検出装置及び入室検出装置を構成する。ドアスイッチ23は、前述の入室時開扉要求検出装置及び退室検出装置を構成する。
垂れ壁11は、図4に破線で示す如く、FFU12の二面を囲繞するとともに、壁構造体1X、1Yの壁面と協働して清浄空気供給域ηを画成する。垂れ壁11の下端11aは、図5に示すように概ねドア5と同等の高さ、或いは、ドア5の上枠よりも若干上方に位置決めされる。床面4を基準とした下端11aの高さ寸法は、例えば、2.1〜2.4mの範囲内に設定される。
図5に示す如く、清浄空気供給装置10は、天井面を構成する天井板15を有する。天井板15及びFFU12は、天井構造体2の天井面材2aと同様、吊りボルトK及びシステム天井部材Jによって支持される。
FFU12は、概ね天井板15の天井面レベルで開口する吹出口16を有する。FFU12は、FFU7と同じく、天井裏の給気プレナムチャンバλ1の空気を内蔵ファン(図示せず)の吸引圧力下に吸引し、内蔵フィルター(図示せず)によって浄化し、図5に矢印で示す清浄空気流30を吹出口16から下方に吹出す。吹出口16の吹出し空気流速は、好ましくは、0.2m/s以上の速度、例えば、0.3m/sに設定される。FFU12は、清浄空気の一部を分流する横引きダクト18を備える。横引きダクト18は、垂れ壁11の近傍において下側に屈曲し、縦ダクト19として下方に延び、清浄空気噴射ノズル17に連続する。従って、FFU12の給気(清浄空気)の一部は、ダクト18、19を介して清浄空気噴射ノズル17に供給され、清浄空気噴射ノズル17は、比較的高速の清浄空気流31を室内空間に噴流する。
清浄空気噴射ノズル17は、清浄空気噴流31をバイオハザード室Cの室内空間に向かって斜め下方に差し向けるように傾斜しており、清浄空気噴流31の中心軸線の傾斜角度は、好ましくは、鉛直方向に対して10〜45度の範囲内の角度、例えば、20度又は30度に設定される。また、空気噴射ノズル17の空気流速は、好ましくは、0.75〜2.0m/sの範囲内の速度、例えば、1.0m/sに設定される。清浄空気噴射ノズル17は、図4に破線で示すように垂れ壁11の下端部に沿って連続的に延在し、従って、清浄空気供給域ηを囲む清浄空気噴流31のエアーカーテンがバイオハザード室Cに形成される。
図4に示す如く、ドアスイッチ21は、清浄空気供給域ηの外側(室内側)において壁面に配置される。また、ドアスイッチ23は、ドア5のドア枠近傍において前室Eの壁面に配置される。ドアスイッチ21、23は、従業者が手指等をスイッチ正面(感知面)に接近させる動作や、手指等をスイッチ正面にかざす動作を光学的に検知し、ON/OFF信号を外部に出力する光学的センサからなる。ドアスイッチ21、23のON/OFF信号は、二点鎖線で示す制御信号線を介して制御ユニット20(図4に概念的に示す)に入力される。制御ユニット20は更に、FFU12の作動制御部24に接続され、FFU12の起動及び停止を制御する。制御ユニット20は又、二点鎖線で示す制御信号線を介してドア5、6の電気錠制御部26、27に接続され、ドア5、6のロック(施錠)又はアンロック(解錠)を遠隔制御する。電気錠制御部26、27は、前述の扉開閉制御装置を構成する。
図6は、制御ユニット20が実行するFFU12の制御態様を概略的に示すフローチャートである。図7〜図10は、清浄空気供給装置10の使用形態を段階的に示す縦断面図である。以下、図6〜図10を参照して清浄空気供給装置10の作動について説明する。
バイオハザード室C内の従業者が退室する際、従業者は、図5に破線で示す如く、ドアスイッチ21に手指を接近させ、ドアスイッチ21は、ON信号を制御ユニット20に出力する。図6に示す如く、制御ユニット20は、FFU12を作動(起動)させ且つ第1内蔵タイマーを始動させ(S2)、所定時間経過後にドア5を解錠し且つドア6を施錠する(S3,S4)。第1内蔵タイマーの設定時間(タイムアップ時間)は、清浄空気流30及び清浄空気噴流31が安定的又は定常的に形成される時間(例えば、約10〜20秒の範囲内の時間)に設定される。
従業者は、図7に示すようにドア5に接近するが、従業者の背後に形成された渦流γ(図4及び図5)等は、清浄空気流30及び清浄空気噴流31によって吹き払われるので、エアロゾル状又は微粉状のハザード物質が従業者に追随又は同伴して移動又は流動するのを防止することができる。
従業者は、図8及び図9に示すようにドア5の扉開口を介して退室し、前室Eに移動すると、従業者は、ドアスイッチ23(図4)に手指を接近させ又はかざし、ドアスイッチ23は、ON信号を制御ユニット20に出力する。図6に示す如く、制御ユニット20は、ドア5の電気錠制御部26の信号を検出してドア5の閉扉を確認すると(S5,S6)、FFU12を停止させ且つ第2内蔵タイマーを始動し(S7)、所定時間経過後にドア5を施錠し且つドア6を解錠する(S8,S9)。第2内蔵タイマーの設定時間(S8)は、安定的又は定常的な空気対流が前室Eに形成される時間(例えば、約10〜20秒の範囲内の時間)に設定される。図10に示す如く、従業者は、ドア6の解錠後、ドア6を介して前室Eから準備室Gに移動し、準備室Gを介してバイオハザード施設Bの管理区画外に移動することができる。
次に、従業者がバイオハザード室Cに入室する際に実行されるFFU12等の制御に関し、図6を参照して説明する。
準備室Gの従業者は、ドア6を開閉操作して前室Eに移動し、ドアスイッチ23(図4)に手指を接近させ又はかざすと、ドアスイッチ23は、ON信号を制御ユニット20に出力する。図6に示す如く、制御ユニット20は、ドアスイッチ23のON信号を検出(S10)すると、FFU12を作動(起動)させ且つ第1内蔵タイマーを始動させ(S2)、所定時間経過後にドア5を解錠し且ドア6を施錠する(S3,S4)。前述のとおり、第1内蔵タイマーの設定時間は、清浄空気流30及び清浄空気噴流31が安定的又は定常的に形成される時間(例えば、約10〜20秒の範囲内の時間)に設定される。
従業者は、ドア5を開閉操作して前室Eからバイオハザード室Cに入室し、ドアスイッチ21に手指を接近させ、ドアスイッチ21は、ON信号を制御ユニット20に出力する。制御ユニット20は、ドア5の電気錠制御部26の信号を検出し且つドア5の閉鎖を確認すると(S11,S6)、FFU12を停止させ且つ第2内蔵タイマーを始動させ(S7)、所定時間経過後にドア5を施錠し且つドア6を解錠する(S8,S9)。前述のとおり、第2内蔵タイマーの設定時間(S8)は、安定的又は定常的な空気対流が前室Eに形成される時間(例えば、約10〜20秒の範囲内の時間)に設定される。
図11は、清浄空気供給装置10の作用に関する本発明者等の試験結果を示す線図である。図11を参照して清浄空気供給装置10の作用について説明する。
本発明者等は、バイオハザード室Cを使用した本発明の気流制御システムの実証試験を実施するとともに、バイオハザード室Cを使用した従来技術の比較試験とを実施した。これらの試験において、本発明者等は、エアロゾル化したハザード物質を模擬する粒径0.5μmの標準粒子をバイオハザード室Cの室内空間に持続的に発生させた。バイオハザード室Cの空気圧は、前室Eの空気圧よりも低圧に設定され、バイオハザード室C及び前室Eの圧力差は、15Paに設定された。また、前室Eの換気回数は、10回/hに設定された。図11(A)及び図11(B)の各線図には、バイオハザード室C及び前室Eの微粒子濃度(微粒子径0.5〜0.7μm)のバックグラウンドレベルLC、LEが示されている。本発明者等は、バックグラウンドレベルLC、LEの空調運転状態において、バイオハザード室C内の従業者がドア5を開閉操作して前室Eに移動する際に生じるバイオハザード室C及び前室Eの微粒子濃度の時間変化を計測した。図11(A)及び図11(B)の各線図には、バイオハザード室Cの微粒子濃度(微粒子径0.5〜0.7μm)の時間変化が破線で示され、前室Eの微粒子濃度(微粒子径0.5〜0.7μm)の時間変化が実線で示されている。
先ず、本発明者等は、清浄空気供給装置10を停止状態に保持することにより、従来技術における扉開閉時のハザード物質の漏出又は漏洩状態を模擬した比較試験を実施した。この比較試験において、ドア5を開放した際に生じるバイオハザード室C及び前室Eの微粒子濃度の時間変化が測定された。比較試験の試験結果が、図11(A)に示されている。図11(A)に示す如く、ドア5の開扉後に前室Eの微粒子濃度が急激に上昇した。前室Eの微粒子濃度は、ドア5の閉扉時までバイオハザード室Cの微粒子濃度と概ね同等の値を維持した。前室Eの微粒子濃度は、ドア5の閉扉後に徐々に低下し、約15分後にバックグラウンドレベルLEの範囲内に低下した。なお、この試験において、前室Eの換気回数は、10回/hに設定された。
また、本発明者等は、可視化用のトレーサ粒子(オイルミスト)をマーカとして空気に混入して空気流動場の流体方向及び流体速度等を計測するPIV(Particle Image Velocimetry)可視化計測技術を用い、バイオハザード室Cのドア5近傍の空間における可視化空気流の運動をCCDカメラによって撮像し、この空間における空気流の方向及び速度を分析した。この結果、ドア5に向かって移動する従業者の後流域に渦流γ(図4及び図5)が形成され、この渦流の影響により、バイオハザード室Cの空気が従業者に追随し又は同伴して前室Eに移動することが判明した。これに類似した空気の運動は、ドア5の扉の開閉挙動によっても生じ、バイオハザード室Cの空気は、扉の開閉運動にも追随し又は同伴して前室Eに移動する。
この比較試験の試験結果は、清浄空気供給装置10を備えない従来技術に関し、以下の課題を示すものである。
(1)ドア5を開放状態にすると、扉開口部の一方向気流を維持することができず、バイオハザード室Cの空気が前室Eに比較的多量に流入し、バイオハザード室C及び前室Eの汚染度は、比較的短時間で概ね同等のレベルに達する。
(2)バイオハザード室Cの従業者が退室する際、バイオハザード室Cの空気に浮遊したハザード物質が圧力変動、空気対流等の影響でドア5の開閉時の扉開口から前室Eに漏出又は流出し得る。
(3)バイオハザード室Cの従業者が退室する際、従業者及び扉の運動又は挙動に追随又は同伴した空気によって、ハザード物質が前室Eに漏出又は流出し得る。
(4)前室Eの換気回数を10回/h程度に設定した場合、前室Eの空気中のハザード物質を前室Eの換気によって実質的に完全に除去するには、少なくとも10分の時間を要する。
本発明者等は、本発明の実証試験として、清浄空気供給装置10を作動し、上記比較試験と同様、ハザード物質の漏出又は漏洩状態を計測した。この実証試験の試験結果が、図11(B)に示されている。図11(B)に示す如く、ドア5を開扉状態に放置した場合においても、バイオハザード室C及び前室Eの微粒子濃度は夫々、バックグラウンドレベルLC、LEの範囲内の値を維持する。従って、ドア5を開放状態で放置しても、バイオハザード室Cの空気が前室Eに流入することはなく、前室Eの汚染を確実に防止することができる。なお、図11(B)に示す如く、本発明者等は、この実証試験において、おおよそ時刻T+20minから時刻T+30minの間の時間(約10分間)、清浄空気供給装置10を停止してドア5は開扉状態に放置したが、この場合には、前述の比較実験と同様、ドア5の開扉後に前室Eの微粒子濃度が上昇し、前室Eの微粒子濃度は、バイオハザード室Cの微粒子濃度と同等の値に達した。
従って、ドア5に隣接し且つドア5のドア枠を全体的に覆う清浄空気供給域ηを清浄空気供給装置10によって形成することにより、バイオハザード室Cの室内空気がドア5の開閉時に前室Eに流出又は漏出するのを確実に防止することができる。また、清浄空気供給域ηの下降空気流30は、従業者の後流域に発生する渦流γ(図4及び図5)を吹き払い又は解消するように作用するので、従業者に追随又は同伴して非清浄室の室内空気が清浄室に流出又は漏出する事態を未然に防止し得る。更に、清浄空気噴射ノズル17の清浄空気流31は、バイオハザード室Cの空気が下降空気流30に誘引されるのを防止するとともに、退室する従業者の背後(後流域)の渦流γを効果的に吹き払うエアーカーテンとして機能し、従業者に追随又は同伴して従業者の後流域に発生する渦流を吹き払い又は解消するように作用する。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において種々の変更又は変形が可能であり、かかる変更又は変形例も又、本発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態は、バイオハザード施設に関するものであるが、クリーンルーム等の他の機能・用途の高気密性施設の気流制御システム又は気流制御方法において本発明の上記構成を適用して良い。
また、上記実施形態は、FFUを清浄空気供給装置の主要構成機器として採用した構成のものであるが、例えば、空調設備の清浄空気供給系ダクトを分岐し、分岐ダクトにブースターファン等の補助送風機を介装してなる清浄空気供給装置の如く、任意の構成の空調・換気装置又は設備によって清浄空気供給装置を構成しても良い。
更に、上記実施形態においては、清浄空気供給装置をバイオハザード室の天井構造体に組込んだ構成を採用しているが、清浄空気供給装置を頂部に組付け又は組込んだ門形又はゲート形の架台又はラック等をユニット式にドア近傍に配置し、或いは、ドア枠上方の壁面から庇状に室内側に突出した構造体を使用して清浄空気供給装置をドア枠の上方域に配設することも可能である。
また、上記実施形態では、手指等の動作を光学的に検出する非接触型光学的センサをドアスイッチとして使用しているが、光電方式、光線反射方式、超音波方式、タッチ方式等の各種形式のセンサをドアスイッチとして適所に配設しても良い。
本発明は、高気密性施設の気流制御システム及び気流制御方法に適用される。本発明は殊に、バイオハザード(生物学的危害)物質、ケミカルハザード物質等の物理的封じ込めや、室内環境の清浄度の維持等のために高い気密性能を要する高気密性施設において、ハザード物質、或いは、塵埃等の汚染物質が非清浄側の室から清浄側の室に流動し又は移動するのを防止する気流制御システム及び気流制御方法に適用される。
本発明によれば、気密性の扉を介して区画された清浄側及び非清浄側の各室の間を従業者等が移動するとき、扉の開閉動作又は挙動や、入退室時の従業者の挙動又は運動等に起因してハザード物質、或いは、塵埃等の汚染物質が非清浄側の室から清浄側の室に流動し又は移動するのを確実に防止することができるので、その実用的効果は、顕著である。
1(1X、1Y) 壁構造体
2 天井構造体
5 ドア(気密性ドア)
8 排気フィルターユニット
10 清浄空気供給装置
11 垂れ壁
12 ファンフィルターユニット(FFU)
15 天井板
16 吹出口
17 清浄空気噴射ノズル
18 横引きダクト
19 縦ダクト
20 制御ユニット(給気流制御装置)
21 非接触式ドアスイッチ(退室時開扉要求検出装置、入室検出装置)
23 非接触式ドアスイッチ(入室時開扉要求検出装置、退室検出装置)
24 ファンフィルターユニット(FFU)の作動制御部
26 電気錠制御部(扉開閉制御装置)
α 一方向気流
β 逆方向空気流
γ 渦流
η 清浄空気供給域
λ(λ1〜λ3) 天井裏プレナムチャンバ
A 建築物
B バイオハザード施設(高気密性施設)
C バイオハザード室(非清浄室)
D バッファエリア
E 前室(清浄室)
F 床構造体
G 準備室
I 上部設備空間
J システム天井部材
K 吊りボルト
M 鉛直支柱
N 中間床構造体
IN 入室経路
OT 退室経路

Claims (20)

  1. ハザード物質又は汚染物質が存在し又は取り扱われる非清浄室と、該非清浄室よりも清浄な清浄室とを有し、非清浄室と清浄室との間の通路開口に常時閉鎖式の気密性ドアを設けるとともに、清浄室の空気圧を非清浄室の空気圧よりも高い値に設定した高気密性施設に配設され、前記ドアの開扉時に扉開口を介して非清浄室の空気が清浄室に流動又は移動するのを阻止する気流制御システムにおいて、
    前記ドアに隣接し且つ該ドアのドア枠を全体的に覆う非清浄室の空間部分に非汚染空気又は清浄空気の下降空気流を形成すべく、前記ドアの近傍に位置する前記非清浄室の天井部分に設けられ、該天井部分から下向きに非汚染空気又は清浄空気を吹出す空気供給装置を有することを特徴とする気流制御システム。
  2. 前記非清浄室は、ハザード物質の漏出を防止する物理的封じ込め対策を要するバイオハザード室であり、前記清浄室は、該バイオハザード室に入退室するために設けられ、ハザード物質又は汚染物質が管理区画外の建築空間又は外部環境に移動し又は拡散するのを防止する前室であり、前記高気密性施設は、バイオハザード施設であることを特徴とする請求項1に記載の気流制御システム。
  3. 前記空気供給装置は、高性能フィルター及び空気循環ファンを内蔵し、前記天井部分の天井構造体によって支持されたファンフィルターユニットを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の気流制御システム。
  4. 前記空気供給装置を少なくとも部分的に囲むように前記非清浄室の天井部分に配置された垂れ壁を有し、該垂れ壁は、前記下降空気流が作用する空気供給域を平面視において少なくとも部分的に区画し又は囲繞するように延在することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の気流制御システム。
  5. 非清浄室の空気が前記下降空気流に誘引されるのを防止すべく、非汚染空気又は清浄空気の高速空気流を下方に吐出又は噴流する空気噴射ノズルを更に有し、該ノズルの空気流噴射速度は、前記下降空気流の吹出し速度よりも高速に設定され、前記ノズルは、前記下降空気流が作用する空気供給域を平面視において少なくとも部分的に区画し又は囲繞するように配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の気流制御システム。
  6. 前記空気供給装置の作動を制御する給気流制御装置(20)と、前記非清浄室に配置され且つ前記ドアに対する従業者の開扉要求を検出する退室時開扉要求検出装置(21)と、前記給気流制御装置の制御下に前記ドアを選択的に施錠し又は解錠する扉開閉制御装置(26)とを有し、前記給気流制御装置は、前記退室時開扉要求検出装置が従業者の開扉要求を検出したときに前記空気供給装置を起動する退室時起動手段(S1,S2)と、前記退室時開扉要求検出装置が開扉要求を検出した後、所定時間経過時に前記扉開閉制御装置に前記ドアを解錠せしめる退室時解錠制御手段(S2〜S4)とを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の気流制御システム。
  7. 前記清浄室に配置され且つ従業者の退室完了を検出する退室検出装置(23)を更に有し、前記給気流制御装置は、前記退室検出装置が従業者の退室完了を検出したときに前記空気供給装置の作動を停止する退室時停止手段(S5,S7)を有することを特徴とする請求項6に記載の気流制御システム。
  8. 前記清浄室に配置され且つ前記ドアに対する従業者の開扉要求を検出する入室時開扉要求検出装置(23)を更に有し、前記給気流制御装置は、前記入室時開扉要求検出装置が従業者の開扉要求を検出したときに前記空気供給装置を起動する入室時起動手段(S2,S10)と、前記入室時開扉要求検出装置が従業者の開扉要求を検出した後、所定時間経過時に前記扉開閉制御装置に前記ドアを解錠せしめる入室時解錠制御手段(S2〜S4)とを有することを特徴とする請求項6又は7に記載の気流制御システム。
  9. 前記非清浄室に配置され且つ従業者の入室完了を検出する入室検出装置(21)を更に有し、前記給気流制御装置は、前記入室検出装置が従業者の入室完了を検出したときに前記空気供給装置の作動を停止する入室時停止手段(S7,S11)を有することを特徴とする請求項8に記載の気流制御システム。
  10. 前記給気流制御装置は、前記扉開閉制御装置が前記ドアの解錠後に該ドアの開閉を検出したとき、前記空気供給装置の作動を停止する給気流停止手段(S6,S7)を有することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の気流制御システム。
  11. ハザード物質又は汚染物質が存在し又は取り扱われる非清浄室と、該非清浄室よりも清浄な清浄室とを有し、非清浄室と清浄室との間の通路開口に常時閉鎖式の気密性ドアを設けるとともに、清浄室の空気圧を非清浄室の空気圧よりも高い値に設定した高気密性施設における気流制御方法であって、前記ドアの開扉時に扉開口を介して非清浄室の空気が清浄室に流動又は移動するのを阻止する気流制御方法において、
    前記ドアの近傍に位置する前記非清浄室の天井部分から下向きに非汚染空気又は清浄空気を吹出し、前記ドアに隣接し且つ該ドアのドア枠を全体的に覆う非清浄室の空間部分に非汚染空気又は清浄空気の下降空気流を形成することを特徴とする気流制御方法。
  12. 前記非清浄室は、ハザード物質の漏出を防止する物理的封じ込め対策を要するバイオハザード室であり、前記清浄室は、該バイオハザード室に入退室するために設けられ、ハザード物質又は汚染物質が管理区画外の建築空間又は外部環境に移動し又は拡散するのを防止する前室であり、前記高気密性施設は、バイオハザード施設であることを特徴とする請求項11に記載の気流制御方法。
  13. 前記非汚染空気又は清浄空気は、前記清浄室の空気の清浄度と同等若しくは該清浄室の空気よりも清浄な空気であり、前記非汚染空気又は清浄空気の吹出し流速は、0.2m/s以上の流速に設定されることを特徴とする請求項11又は12に記載の気流制御方法。
  14. 前記下降空気流が作用する空気供給域を平面視において少なくとも部分的に区画し又は囲繞する垂れ壁を前記天井部分に形成することを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の気流制御方法。
  15. 前記下降空気流が作用する空気供給域を少なくとも部分的に区画し又は囲繞するように配置された空気噴射ノズルを設け、前記下降空気流の吹出し流速よりも高い吹出し流速を有する非汚染空気又は清浄空気の高速空気流を該ノズルから下方に吐出又は噴流し、前記非清浄室の空気が前記下降空気流に誘引されるのを防止することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の気流制御方法。
  16. 前記下降空気流を吹出す空気供給装置の作動を制御する給気流制御装置(20)と、前記非清浄室に配置され且つ前記ドアに対する従業者の開扉要求を検出する退室時開扉要求検出装置(21)と、前記給気流制御装置の制御下に前記ドアを選択的に施錠し又は解錠する扉開閉制御装置(26)とを設け、前記非清浄室の従業者が前記退室時開扉要求検出装置により開扉要求を明示したときに、前記給気流制御装置によって前記空気供給装置を起動(S1,S2)するとともに、前記開扉要求から所定時間経過したときに、前記扉開閉制御装置によって前記ドアを解錠(S2〜S4)することを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載の気流制御方法。
  17. 前記清浄室に配置され且つ従業者の退室完了を検出する退室検出装置(23)を更に設け、該退室検出装置によって従業者の退室完了を検出したときに前記空気供給装置の作動を停止(S5,S7)することを特徴とする請求項16に記載の気流制御方法。
  18. 前記清浄室に配置され且つ前記ドアに対する従業者の開扉要求を検出する入室時開扉要求検出装置(23)を更に設け、前記清浄室の従業者が前記入室時開扉要求検出装置により開扉要求を明示したときに、前記給気流制御装置によって前記空気供給装置を起動(S2,S10)するとともに、前記開扉要求から所定時間経過したときに、前記扉開閉制御装置によって前記ドアを解錠(S2〜S4)することを特徴とする請求項16又は17に記載の気流制御方法。
  19. 前記非清浄室に配置され且つ従業者の入室完了を検出する入室検出装置(S21)を更に設け、該入室検出装置によって従業者の入室完了を検出したときに前記空気供給装置の作動を停止(S7,S11)することを特徴とする請求項18に記載の気流制御方法。
  20. 前記給気流制御装置は、前記扉開閉制御装置が前記ドアの解錠後に該ドアが開放し且つ閉鎖したことを検出すると、前記空気供給装置の作動を停止(S6,S7)することを特徴とする請求項16乃至19のいずれか1項に記載の気流制御方法。
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