JP2014063802A - レーザーダイシングシート−剥離シート積層体、レーザーダイシングシートおよびチップ体の製造方法 - Google Patents

レーザーダイシングシート−剥離シート積層体、レーザーダイシングシートおよびチップ体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保管された状態にあるレーザーダイシングシート−剥離シート積層体を取り出す際に不具合が生じにくい当該積層体、その積層体から剥離シートを剥離してなるレーザーダイシングシート、およびそのレーザーダイシングシートを用いて板状部材を個片化してチップ体を製造するチップ体の製造方法を提供する。
【解決手段】レーザーダイシングシート10を第1のシート1、第1のシート1の一方の面に積層された第2のシート2、および第1のシートの他方の面に積層された粘着剤層3を備えた構成とし、第1のシートはレーザーを透過させやすい構成する一方、第2のシート2を、その第1のシート1に対向する側と反対側の面の、剥離シート11の剥離面と反対側の面に対する剥離力が50mN/50mm以下となるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体ウエハなどの板状部材をダイシングするダイシング工程においてレーザー光を用いる場合に使用されるダイシングシートであるレーザーダイシングシート、そのレーザーダイシングシートと剥離シートとの積層体であるレーザーダイシングシート−剥離シート積層体およびそのレーザーダイシングシートを用いて板状部材を個片化して得られるチップ体の製造方法に関する。
半導体ウエハは表面に回路が形成された後、ウエハの裏面側に研削加工を施し、ウエハの厚さを調整する裏面研削工程およびウエハを所定のチップサイズに個片化するダイシング工程が行われる。
近年の電子機器筐体のサイズダウンや多積層チップを用いた半導体装置の需要の増加にともない、その構成部材である半導体チップの薄型化が進められている。このため、従来350μm程度の厚みであったウエハを、50〜100μmあるいはそれ以下まで薄くすることが求められるようになった。
脆質部材であるウエハは、薄くなるにつれて、加工や運搬の際、破損する危険性が高くなる。このような極薄ウエハは、高速回転するダイシングブレードにより切断されると、半導体ウエハの特に裏面側にチッピング等が生じ、チップの抗折強度が著しく低下する。
このため、レーザー光を半導体ウエハの内部に照射して選択的に改質部を形成させながらダイシングラインを形成して改質部を起点として半導体ウエハを切断する、いわゆるステルスダイシング法が提案されている(特許文献1)。ステルスダイシング法によれば、レーザー光を半導体ウエハの内部に照射して改質部を形成後、極薄の半導体ウエハを基材と粘着剤層とからなる粘着シートに貼付し、粘着シートをエキスパンドすることで、ダイシングラインに沿って半導体ウエハを分割(ダイシング)し、半導体チップを歩留まりよく生産することができる。
上記のような、ダイシング工程において加工手段としてレーザーが用いられる場合もあれば、ダイシング工程の際に半導体ウエハなどの板状部材を正確にアライメントするためのツールとしてもレーザーが用いられる場合もある。これらの場合のような、ダイシング工程においてレーザー光を用いる場合に使用されるダイシングシート(本明細書において、「レーザーダイシングシート」ともいう。)は、その使用にあたりこのレーザーダイシングシートをレーザーが透過するため、レーザーに対する優れた透過性を有していなければならない。
かかる要求に応えるために、例えば、特許文献2には、基材樹脂フィルムと、前記基材樹脂フィルム上に粘着剤層が形成された粘着シートであって、400〜1100nmの波長領域における平行光線透過率が80%以上であるウエハ貼着用粘着シートが開示され、当該シートの好ましい一態様では、基材樹脂フィルムの粘着剤層が形成された面の反対側の面の算術平均粗さRaが、0.1〜0.3μmであることとされている。
特許第3762409号公報 特開2012−15236号公報
特許文献2に開示されるように、基材樹脂フィルムの粘着剤層が形成された面の反対側の面を平滑面とすることは、レーザーダイシングシートにとってダイシング加工性を高めるなどの利点を有する。しかしながら、レーザーダイシングシートの基材における粘着剤層に対向する側と反対側の面(本明細書において「基材背面」ともいう。)を平滑面とすると、次のような問題が生じることが明らかになった。
すなわち、一般的に、レーザーダイシングシートの粘着剤層は、ダイシング工程に使用されるまでの間、その基材に対向する側と反対側の面(使用時に板状部材が貼付される面)に剥離シートの剥離面が貼付されて、粘着剤層の汚染や劣化が生じないようにされている。こうして得られたレーザーダイシングシートと剥離シートとの積層体であるレーザーダイシングシート−剥離シート積層体(本明細書において「DR積層体」ともいう。)は、様々な形態で保管される。例えば、複数のレーザーダイシングシートが長尺の剥離シートの剥離面に当該剥離シートの長尺方向に平行な方向に並んで積層されてなる長尺体の形態で保管される場合もあれば、この長尺体が長尺方向に巻き取られて巻取体の形態で保管される場合もある。また、例えば1枚のレーザーダイシングシートが1枚の剥離シートに貼付されてなるDR積層体を何層も重ねて得られるスタック体の形態で保管される場合もある。
DR積層体が巻取体やスタック体の形態で保管されると、DR積層体のレーザーダイシングシートの基材背面と、そのDR積層体に最近位の別のDR積層体における剥離シート剥離面とは反対側の面(本明細書において「剥離シート裏面」ともいう。)とが接した状態となる。保管状態によっては(具体的には、巻取体の巻き取り力が強い場合や、スタック体が積層方向に加圧された場合などが例示される。)、このDR積層体の基材背面と、当該背面に接する別のDR積層体の剥離シート裏面との密着性が高まることがあった。
この密着性が高まったときの問題について、長尺体の形態を有するDR積層体がそのレーザーダイシングシートが内側になるように巻き取られた巻取体を一具体例として説明する。この巻取体からDR積層体を繰り出すときには、最外層にある剥離シートが引っ張られ、その剥離シートの内周側(巻芯側)に位置する剥離面に貼付するレーザーダイシングシートも、この最外周の剥離シートとともに巻取体から繰り出されることによって、繰り出し作業が正常に行われる。しかしながら、基材背面と、巻取体において一回り内周側に位置するDR積層体の剥離シート裏面との密着性が高い場合には、本来繰り出されるべきレーザーダイシングシートが、そのレーザーダイシングシートの粘着剤側の面と最外周の剥離シートの剥離面との界面で剥離してしまう。その結果、レーザーダイシングシートは最外周の剥離シートとともに繰り出されずに、一層内周側に位置するDR積層体の剥離シート裏面上に残留する。
かかる事態が生じると、繰り出されたDR積層体はレーザーダイシングシートがはぎとられているため、その後のレーザーダイシングシートと板状部材との貼付作業を実施することができなくなる。さらに、DR積層体の剥離シート裏面に付着した状態のレーザーダイシングシートは、その後の剥離シートの巻き取り作業の作業性を著しく低下させる可能性がある。具体的には、剥離シートの巻取のためのピンチローラに巻き付いてしまうことが例示され、このような場合には巻取体の形態のDR積層体の繰り出し作業を停止しなければならない。以下、このような不具合を「DR積層体供給不良」ともいう。
スタック体の形態のDR積層体でも同様のDR積層体供給不良は生じ得る。剥離シートの下層側にレーザーダイシングシートが貼付されているDR積層体のスタック体の場合には、上記の巻取体の形態のDR積層体の場合と同様に、剥離シートをつかんでDR積層体をめくり出したときに、剥離シートだけがめくり出され、レーザーダイシングシートはスタック体に残留する問題が生じ得る。剥離シートの上層側にレーザーダイシングシートが貼付されているDR積層体のスタック体の場合には、剥離シートをつかんでDR積層体をめくり出したときに、一層下側のDR積層体のレーザーダイシングシートも一緒にめくり出される問題が生じ得る。
本発明は、このような巻取体やスタック体の形態にあるDR積層体にDR積層体供給不良が生じる可能性を低減させることができるレーザーダイシングシート、このレーザーダイシングシートと剥離シートとの積層体であるレーザーダイシングシート−剥離シート積層体(DR積層体)、およびそのレーザーダイシングシートを用いて板状部材を個片化してチップ体を製造するチップ体の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者らが検討したところ得た知見は概略以下のとおりである。DR積層体が備えるレーザーダイシングシートを、使用時までは剥離シートが、剥離面が対向した状態で貼付され、使用時に板状部材が貼付される面を有する粘着剤層と、粘着剤層の上記の貼付面と反対側の面に積層され、その粘着剤層に対向する側と反対側の面の一部(本明細書において、面の一部を「領域」ともいう。)が使用時にレーザーの入射面となる第1のシートと、第1のシートの粘着剤層に対向する側と反対側の面における使用時にレーザーが照射されない領域に積層された第2のシートとを備える構成とした。これにより、この第2のシートにおける第1のシートに対向する側と反対側の面(レーザーダイシングシートの基材背面の一部に相当する。)の、DR積層体が備える剥離シートの剥離シート裏面に対する密着性を適切に制御することができる。具体的には、第2のシートの第1のシートに対向する側と反対側の面の、剥離シートの剥離面と反対側の面に対する剥離力が50mN/50mm以下となるようにすることによって、上記のDR積層体供給不良が生じにくくなることを見出した。
かかる知見に基づき完成された本発明は、第1に、第1のシート、前記第1のシートの一方の面に積層された第2のシート、および前記第1のシートの他方の面に積層された粘着剤層を備えたレーザーダイシングシートと、前記レーザーダイシングシートの前記粘着剤層側の面にその剥離面が対向するように積層された剥離シートとを備えたレーザーダイシングシート−剥離シート積層体であって、前記第1のシートは、23℃におけるヤング率が30MPa以上600MPa以下であって、前記第1のシートの一方の面の算術平均粗さRaが0.1μm未満であり、前記第2のシートは平面視形状が環状であり、前記第1のシートの一方の面における平面視で前記第2のシートに囲まれ前記第2のシートが積層されていない環内露出領域は、前記レーザーダイシングシートの使用時にレーザーが照射される領域を含み、前記剥離シートの剥離面は、前記レーザーダイシングシートが積層されていない領域を有し、前記第2のシートの一方の面上に前記剥離シートの剥離面と反対側の面を載置して得られる重積体について、40℃、相対湿度80%の環境下にて前記試験用剥離シートの剥離面側から19.6Nの荷重を1時間印加し、さらに23℃、相対湿度50%の環境下にて無荷重の状態で1時間静置し、静置後の前記重積体の前記試験用剥離シートを180°引き剥がししたときに測定される剥離力が、50mN/50mm以下であることを特徴とする、レーザーダイシングシート−剥離シート積層体を提供する(発明1)。
レーザーダイシングシートの基材背面を、算術平均粗さRaが小さいものと剥離シート裏面に対する密着性が低くなるように調整されたものとの2種類のシートによって構成することにより、レーザーダイシングシートの基材背面と剥離シートの裏面との密着性が過度に高まってこれらが剥離しにくくなるという問題を生じにくくすることが実現される。
上記発明(発明1)において、前記第1のシートは、少なくともレーザーダイシングシートの使用時にレーザーが照射される部分について、前記波長1064nmにおける直線透過率が80%以上であるとともに、波長1064nmにおける位相差が100nm以下であることが好ましい(発明2)。かかる特性を有する場合には、ステルスダイシングのように、使用時に第1のシートを透過したレーザーを板状部材内で集光させたときに、照射したレーザーのエネルギーが効率的に板状部材内に伝達され、ダイシング加工がより適切に行われやすくなる。
上記発明(発明1,2)において、前記第2のシートにおける前記第1のシートに対向する側と反対側の面は、算術平均粗さRaが0.3μm以上であることが好ましい(発明3)。このようにレーザーダイシングシートの基材背面のうち第2のシートから構成される領域を粗な面とすることにより、上記の剥離力を50mN/50mm以下とすること容易となる。
上記発明(発明1から3)において、前記第2のシートにおける前記第1のシートに対向する側と反対側の面は、ポリエステル系フィルムの面からなることが好ましい(発明4)。レーザーダイシングシートの基材背面のうち第2のシートから構成される領域をポリエステル系フィルムからなる面とすることにより、上記の剥離力を50mN/50mm以下とすること容易となる。ポリエステル系フィルムは、芳香族化合物を含有する樹脂材料を含むため比較的剛直であるため、剥離シートの裏面に対する密着性が高まりにくいが、このような材料は、レーザー光、特にステルスダイシングの際に用いられる1064nmの光を吸収するため、基材が単層であるレーザーダイシングシートにおける基材構成材料として使用することは困難であった。
上記発明(発明1から4)において、前記剥離シートは、剥離剤を塗布したポリエステルフィルムであることが好ましい(発明5)。ポリエステルフィルムは比較的剛直な材料であるから剥離シートの基材としても好ましい材料であるが、粘着剤に対する離型性を有さないため、ポリエステルフィルムの一方の面に剥離剤を塗布して剥離層を形成し、この剥離層からなる面を剥離シートの剥離面とすることが好ましい。
上記発明(発明1から5)において、前記剥離シートは長尺体からなり、前記レーザーダイシングシートはその複数枚が前記剥離シートの長尺方向に互いに離間して配置され、長尺方向に巻き取られた巻取体の形態を有することが好ましい(発明6)。このような形態の場合には保管時の取り扱い性に優れ、使用の際に剥離作業を自動化しやすい。
本発明は、第2に、上記の発明(発明1から6)のいずれかに係るレーザーダイシングシート−剥離シート積層体から前記剥離シートを剥離して得られるレーザーダイシングシートであって、前記粘着剤層の前記第1のシートに対向する側と反対側の面における前記第1のシートの前記環内露出領域と平面視で重複する領域は、前記レーザーダイシングシートの使用時に板状部材が貼付される領域を含むことを特徴とするレーザーダイシングシートを提供する(発明7)。
このようなレーザーダイシングシートは、使用時に貼付された板状部材に対して、レーザーダイシングシートを透過するようにレーザを照射した際に、レーザーが散乱したり位相の均一性が低下したりするなどの問題が生じにくい。
上記発明(発明7)において、前記第1のシートの前記環内露出領域の平面視での内接円の半径は、前記板状部材が貼付される領域の平面視での外接円の半径よりも2mm以上大きいことが好ましい(発明8)。環内露出領域と板状部材とが係る関係を有することにより、レーザーダイシングシートに板状部材を貼付する際の作業性が高まり、平面視で環内露出領域に含まれない領域を有するように板状部材が貼付される可能性がより低減される。
本発明は、第3に、上記発明(発明7,8)のいずれかに係るレーザーダイシングシートの前記粘着剤層における前記第1のシートに対向する側と反対側の面の所定の領域に、前記板状部材を貼付し、前記レーザーダイシングシートの前記第1のシートの前記環内露出領域を入射面として前記第1のシートおよび前記粘着剤層を透過して前記板状部材へと至るように、レーザーを照射し、前記レーザーを照射した後の前記板状部材が貼付している前記レーザーダイシングシートを主面内方向に伸長させることにより、前記板状部材を個片化して、チップ体を得ることを特徴とするチップ体の製造方法を提供する(発明9)。
かかる製造方法によれば、レーザーダイシングシートを透過して入射したレーザー光によって板状部材の内部に適切に改質部が形成されるため、レーザーダイシングシートを伸長させるエキスパンド工程によってその改質部の部分で板状部材が破断されることがより安定的に生じる。それゆえ、本発明に係る製造方法によれば、チップ体を歩留まり高く製造することが可能となる。
本発明に係るDR積層体が備えるレーザーダイシングシートでは、使用時にレーザーが照射される領域は、第1のシートの粘着剤層に対向する側と反対側の面から構成されている。このため、ダイシング工程においてレーザーを照射したときにレーザー光が散乱する問題が生じにくい。その一方で、本発明に係るDR積層体が備えるレーザーダイシングシートは、使用前のDR積層体が積層された状態(具体的には、巻取体の形態にある場合やスタック体の形態にある場合が例示される。)においてDR積層体の剥離シート裏面に接する面が、主として、剥離シート裏面に対する密着性が低くなるように設定された第2のシートの第1のシートに対向する側と反対側の面(第2のシートの背面)となる。このため、あるDR積層体をその第2のシートの背面に剥離シート裏面が接するように配置されていた剥離シートから引き剥がしたときに、DR積層体が第2のシートの背面とその剥離シート裏面との間で剥離せずに、レーザーダイシングシートの粘着剤層と剥離シートの剥離面との間で剥離してしまう可能性が低減されている。したがって、本発明に係るDR積層体は、巻取体やスタック体の形態であっても、DR積層体供給不良が生じにくい。
本発明の一実施形態に係るレーザーダイシングシート−剥離シート積層体(DR積層体)の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るレーザーダイシングシート−剥離シート積層体(DR積層体)が巻取体の形態をなし、この巻取体からDR積層体が繰り出されている状態を概念的に示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るレーザーダイシングシート−剥離シート積層体(DR積層体)の複数がスタック体の形態をなしている状態を概念的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る巻取体からDR積層体が繰り出されて、長尺の剥離シートに貼付しているレーザーダイシングシートの1枚を取り出そうとする直前の状態を概念的に示す部分断面図である。 本実施形態に係るレーザーダイシングシートの第2のシートにおける第1のシートに対向する側と反対側の面の剥離シートの剥離シート裏面に対する密着性を評価する方法を概念的に示す断面図であり、(a)はSUS製平板上に第2のシートが積層されその第2のシート上に剥離シートが重ねられてなる重積体を概念的に示す断面図であり、(b)はこの重積体に荷重を加えている状態を概念的に示す断面図である。 本実施形態に係るレーザーダイシングシートの粘着剤層に板状部材およびリングフレームが貼付された状態を概念的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
1.レーザーダイシングシート−剥離シート積層体
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係るレーザーダイシングシート−剥離シート積層体(DR積層体)100は、第1のシート1、第1のシート1の一方の面に積層された第2のシート2、および第1のシートの他方の面に積層された粘着剤層3を備えるレーザーダイシングシート10と、レーザーダイシングシート10の粘着剤層3側の面にその剥離面が対向するように積層された剥離シート11とを備える。以下の説明では、第1のシート1および第2のシート2を基材と総称する場合もある。
(1)第1のシート
本実施形態に係るDR積層体100が備えるダイシングシート10の第1のシート1は、ダイシング工程においてレーザーを透過させる機能を有し、ダイシング工程の後に行われるエキスパンド工程などにおいて破断しない限り、その構成材料は特に限定されない。通常は樹脂系の材料を主材とするフィルムから構成される。そのフィルムの具体例として、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム等のポリエチレンフィルム、延伸若しくは無延伸のポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、およびその水添加物または変性物等からなるフィルムが用いられる。またこれらの架橋フィルム、共重合体フィルムも用いられ、中でもエキスパンド性を考慮すると、ポリ塩化ビニルフィルムが好ましい。上記の基材は1種単独でもよいし、さらにこれらを2種類以上組み合わせた積層フィルムであってもよい。
第1のシート1は、上記の樹脂系材料を主材とするフィルム内に、顔料、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、フィラー等の各種添加剤が含まれていてもよい。こうした添加剤の含有量は特に限定されないが、第1のシート1が所望の機能を発揮し、平滑性や柔軟性を失わない範囲に留めるべきである。前述のように第1のシート1の一方の面は、その一部が、使用時にレーザーの入射面となるため、入射したレーザーの直線透過率を低減させるような材料(顔料、フィラーなど)を含有しないことが好ましい。
粘着剤層3がエネルギー線の照射により重合する材料を含む場合であって、重合させるために照射するエネルギー線として紫外線を用いる場合には、第1のシート1は紫外線に対して透過性を有することが好ましい。なお、上記のエネルギー線として電子線を用いる場合には第1のシート1は電子線に対する透過性を有していることが好ましい。
また、第1のシート1における粘着剤層3が積層される側の面には、粘着剤層3を構成する粘着剤との密着性を向上するために、コロナ処理を施したり、プライマー層を設けたりしてもよい。
第1のシート1の23℃におけるヤング率は、30MPa以上600MPa以下であり、50MPa以上500MPa以下であることが好ましく、100MPa以上400MPa以下であることがより好ましい。23℃におけるヤング率が30MPa以上600MPa以下であるである第1のシート1は、エキスパンド工程の際に均一に伸長されやすいため、ステルスダイシング法を採用した場合に、レーザーダイシングシート10上の板状部材が適切に切断されなかったり板状部材が切断されてなるチップ体の整列方向にばらつきが生じたりする不具合が生じにくい。
また、第1のシート1の破断伸度は、23℃、相対湿度50%のときに200mm/分で延伸させることにより測定した値として50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、100%以上であることが特に好ましい。ここで、破断伸度はJIS K7161:1994(ISO 527−1:1993)に準拠した引張り試験における、試験片破壊時の試験片の長さの元の長さに対する伸び率である。上記の破断伸度が50%以上である第1のシート1は、エキスパンド工程の際に破断しにくいため、レーザーダイシングシート10上の板状部材が適切に切断されなかったり板状部材が分割されてなるチップ体が脱落したりする不具合が生じにくい。
第1のシート1の平面視形状(主面の法線に平行な方向から見た形状)は、被加工物である半導体ウエハなどの板状部材をレーザーダイシングシート10の粘着剤層3側の面の中心を含む領域に貼付したときに、その周囲に、運搬などの際に用いるリングフレームに貼付される領域が十分に確保され、かつ、これらの半導体ウエハに貼付された領域とリングフレームに貼付された領域との間に、適切な領域が確保され、エキスパンド工程においてリングフレームを引き落とす際の支点となる治具を取りつけ、その治具と半導体ウエハを個片化して得られた複数のチップ体との間に伸長後も平面視である程度(数mmから数cm)の間隙が設定されるような形状であれば、特に限定されない。通常は、第1のシート1の平面視形状はリングフレームの内周が作る形状に対応して円に近い形状とされる。
第1のシート1の主面のうち、使用時にレーザーが照射される側の面(以下、「背面」ともいう。)の表面粗さは、レーザーの透過性を高める観点から、少なくとも使用時にレーザーが照射される領域(以下、「レーザー照射領域」ともいう。)について、算術平均粗さRaが0.1μm以下である。ここで、算術平均粗さRaは、接触式表面粗さ計により測定された、JIS B0601:2001に準拠した特性であり、以下において同様である。かかる表面粗さの条件を満たす場合には、レーザーが第1のシート1内で散乱されにくく、第1のシート1の直線透過率が低下しにくい。第1のシート1は、ステルスダイシングに用いられる光源の波長1064nmにおける直線透過率を80%以上とすることが、ダイシング工程の加工品質および加工精度を高める観点から好ましく、90%以上とすることがより好ましい。第1のシート1の背面のレーザー照射領域における算術平均粗さRaを上述した範囲内の値とすることで直線透過率をかかる範囲に調整しやすくなり、さらに0.08μm以下とすることが好ましい。算術平均粗さRaが小さくなるほど、レーザーの透過性は高まるため、第1のシート1の背面のレーザー照射領域における算術平均粗さRaは、小さければ小さいほど好ましく、その下限は特に限定されない。第1のシート1の背面を構成する部材の製造上の制限などにより、通常、この算術平均粗さRaは0.01μm程度が下限となる。第1のシート1の背面の算術平均粗さRaの調整は公知の方法により行うことができ、たとえば押出し成型により第1のシート1を与えるフィルムを製造する場合に、冷却ロールの表面形状を転写させることにより行うことができ、延伸フィルムである第1のシート1を与えるフィルムの製造において、フィルムの材料に添加する充填材の量やサイズの変更により行うことができ、液状物をキャストし、硬化させてフィルムを得る場合にはキャストに用いる工程フィルムの粗さを調整することにより行うことができる。
第1のシート1の厚さはレーザーダイシングシート10が前述のダイシング工程やエキスパンド工程において適切に機能できる限り、限定されない。過度に薄い場合には、製造過程や使用時に破断しやすくなることが懸念される。一方、第1のシート1は、ステルスダイシングに用いられる光源の波長1064nmにおける位相差を100nm以下とすることが、ダイシング工程の加工品質および加工精度を高める観点から好ましいところ、第1のシート1が過度に厚い場合には、第1のシート1の材質を調整しても、上記の位相差を100nm以下とすることが困難となることが懸念される。したがって、第1のシート1の厚さは20μm以上150μm以下であることが好ましく、40μm以上100μm以下であることより好ましく、50μm以上90μm以下であることが特に好ましい。
(2)粘着剤層
粘着剤層3は、従来より公知の種々の粘着剤により形成され得る。このような粘着剤としては、何ら限定されるものではないが、例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル等の粘着剤が用いられる。また、エネルギー線重合型や加熱発泡型、水膨潤型の粘着剤も用いることができる。エネルギー線(紫外線、電子線等)重合型粘着剤としては、特に紫外線重合型粘着剤を用いることが好ましい。
以下、エネルギー線重合型粘着剤について、アクリル系粘着剤を例として具体的に説明する。
アクリル系粘着剤は、粘着剤組成物から形成される粘着剤層に十分な粘着性および造膜性(シート加工性)を付与するためにアクリル系重合体(A)を含有し、またエネルギー線重合性化合物(B)を含有する。エネルギー線重合性化合物(B)は、またエネルギー線重合性基を含み、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合し、粘着剤組成物の粘着力を低下させる機能を有する。また、上記成分(A)および(B)の性質を兼ね備えるものとして、これらに代えて主鎖または側鎖に、エネルギー線重合性基が結合されてなるエネルギー線重合型重合体(以下、成分(AB)と記載する場合がある)を用いてもよい。このようなエネルギー線重合型粘着性重合体(AB)は、粘着性・造膜性付与機能とエネルギー線重合性とを兼ね備える性質を有する。
アクリル系重合体(A)としては、従来公知のアクリル系重合体を用いることができる。アクリル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、10万〜200万であることが好ましく、30万〜150万であることがより好ましい。また、分子量分布(Mw/Mn、Mnは数平均分子量)は1.0〜10であることが好ましく、1.0〜3.0であることがより好ましい。また、アクリル系重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−70〜30℃、さらに好ましくは−60〜20℃の範囲にある。
上記アクリル系重合体(A)を形成するためのモノマーとなる(メタ)アクリル酸エステルの具体例として、(メタ)アクリル酸エステルの具体例として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート;シクロアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、イミドアクリレート等の環状骨格を有する(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。このほか、上記アクリル系重合体(A)を形成するためのモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリロニトリルなども例示される。また、上記アクリル系重合体(A)は、酢酸ビニル、スチレン、ビニルアセテートなどが共重合されていてもよい。
エネルギー線重合性化合物(B)は、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合する化合物である。このエネルギー線重合性化合物の例としては、エネルギー線重合性基を有する低分子量化合物(単官能、多官能のモノマーおよびオリゴマー)が挙げられ、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジシクロペンタジエンジメトキシジアクリレート、イソボルニルアクリレートなどの環状脂肪族骨格含有アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシ変性アクリレート、ポリエーテルアクリレート、イタコン酸オリゴマーなどのアクリレート系化合物が用いられる。このような化合物は、分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有し、通常は、分子量が100〜30000、好ましくは300〜10000程度である。
一般的には成分(A)100重量部に対して、成分(B)は10〜400重量部、好ましくは30〜350重量部程度の割合で用いられる。
上記成分(A)および(B)の性質を兼ね備えるエネルギー線重合型粘着性重合体(AB)は、主鎖または側鎖に、エネルギー線重合性基が結合されてなる。
エネルギー線重合型重合体(AB)の主骨格は特に限定はされず、上述のアクリル系重合体(A)と同じものとすることができる。
エネルギー線重合型重合体(AB)の主鎖または側鎖に結合するエネルギー線重合性基は、たとえばエネルギー線重合性の炭素−炭素二重結合を含む基であり、具体的には(メタ)アクリロイル基等を例示することができる。エネルギー線重合性基は、アルキレン基、アルキレンオキシ基、ポリアルキレンオキシ基を介してエネルギー線重合型粘着性重合体に結合していてもよい。
エネルギー線重合型重合体(AB)の重量平均分子量(Mw)は、10万〜200万であることが好ましく、30万〜150万であることがより好ましい。また、分子量分布(Mw/Mn、Mnは数平均分子量)は1.0〜10であることが好ましく、1.0〜3.0であることがより好ましい。また、エネルギー線重合型重合体(AB)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−70〜30℃、より好ましくは−60〜20℃の範囲にある。
エネルギー線重合型重合体(AB)は、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等の官能基を含有するアクリル系重合体と、該官能基と反応する置換基およびエネルギー線重合性炭素−炭素二重結合を1分子毎に1〜5個を有する重合性基含有化合物とを反応させて得られる。かかるアクリル系重合体は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等の官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体と、前述した成分(A)を構成するモノマーとから共重合することで得られる。また、該重合性基含有化合物としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタ−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート、アリルイソシアネート、グリシジル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸等が挙げられる。かかる製法により得られたエネルギー線重合型重合体(AB)においては、上述のエネルギー線重合型重合体(AB)の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、ガラス転移温度(Tg)は、重合性基含有化合物と反応させる前のアクリル系重合体のものを指す。
エネルギー線重合性化合物(B)またはエネルギー線重合型重合体(AB)には、光重合開始剤を併用することが好ましい。光重合開始剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、チタノセン化合物、チオキサントン化合物、パーオキサイド化合物等の光開始剤、アミンやキノン等の光増感剤などが挙げられ、具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどが例示できる。光重合開始剤の併用により、エネルギー線として紫外線を用いる場合に、光重合開始剤を配合することにより照射時間、照射量を少なくすることができる。この光重合開始剤の配合量は特に限定されないが、エネルギー線重合性化合物(B)およびエネルギー線重合型粘着性重合体(AB)の合計100質量部(固形分、以下同じ)に対して、0.5質量部以上10質量部以下とすることが好ましい。
さらに、粘着剤組成物には、各種物性を改良するため、必要に応じ、その他の成分(架橋剤等)が含まれていてもよい。架橋剤としては、有機多価イソシアナート化合物、有機多価エポキシ化合物、有機多価イミン化合物等があげられる。この架橋剤の配合量は特に限定されないが、アクリル系重合体(A)およびエネルギー線重合型重合体(AB)の合計100質量部に対して、0.2質量部以上10質量部以下とすることが好ましい。
上記のようなアクリル系重合体(A)およびエネルギー線重合性化合物(B)を含むアクリル系粘着剤または、エネルギー線重合型粘着性重合体(AB)を含むアクリル系粘着剤は、エネルギー線照射により重合する。エネルギー線としては、電離放射線、すなわち、X線、紫外線、電子線などが挙げられる。これらのうちでも、比較的照射設備の導入の容易な紫外線が好ましい。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、取り扱いのしやすさから波長200〜380nm程度の紫外線を含む近紫外線を用いればよい。紫外線量としては、エネルギー線重合性化合物(B)の種類や粘着剤層3の厚さに応じて適宜選択すればよく、通常50〜500mJ/cm程度であり、100〜450mJ/cmが好ましく、200〜400mJ/cmがより好ましい。また、紫外線照度は、通常50〜500mW/cm程度であり、100〜450mW/cmが好ましく、200〜400mW/cmがより好ましい。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、UV−LEDなどが用いられる。
電離放射線として電子線を用いる場合には、その加速電圧については、エネルギー線重合性化合物(B)の種類や粘着剤層3の厚さに応じて適宜選定すればよく、通常加速電圧10〜1000kV程度であることが好ましい。また、照射線量は、エネルギー線重合性化合物(B)が適切に重合する範囲に設定すればよく、通常10〜1000kradの範囲で選定される。電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
粘着剤層3の厚さは、好ましくは1μm以上15μm以下、さらに好ましくは2μm以上10μm以下、特に好ましくは3μm以上8μmの範囲である。粘着剤層3が過度に厚い場合には、第1のシート1の材質や厚さを制御しても、使用時に第1のシート1と粘着剤層3との積層体を透過して板状部材に到達するレーザーの強度や位相の均一性を所望の範囲とすることが困難となることもある。また、本発明に係るレーザーダイシングシート−剥離シート積層体をステルスダイシング法に用いる場合には、粘着剤層3が厚いとエキスパンド時の基材の変形が半導体ウエハに伝播しがたくなり、半導体ウエハの分割に不具合を生じる懸念がある。粘着剤層3が過度に薄い場合には、粘着剤層が使用時に板状部材を適切に固定できなくなることもある。
(3)剥離シート
本実施形態に係るDR積層体100は、レーザーダイシングシート10の粘着剤層3の第1のシート1に対向する側と反対側の面(使用時に板状部材が貼付される面)に、その使用時まで粘着剤層を保護するために剥離シート11が積層されている。
上記の目的を果たすことができる限り、剥離シート11を構成する材料は任意であり、プラスチックフィルムからなる支持フィルムに剥離剤を塗布したものが例示される。プラスチックフィルムの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、およびポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンフィルムが挙げられる。これらのうちでも、伸縮性が小さく、寸法安定性、平滑性に優れるポリエステルフィルムが好ましい。剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系などを用いることができるが、これらの中で、安価で安定した性能が得られるシリコーン系が好ましい。上記の剥離シート11の支持フィルムをなすプラスチックフィルムが単独で剥離シートとして機能してもよい。すなわち、この支持フィルムの面から剥離面が構成されていてもよい。支持フィルムがポリエステルフィルムである場合には、通常そのままでは粘着剤に対する離型性を有しないため、剥離剤を塗布して剥離面とすることが好ましい。あるいは、上記の剥離シート11のプラスチックフィルムからなる支持フィルムに代えて、グラシン紙、コート紙、上質紙などの紙基材または紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙を用いてもよい。剥離シート11の厚さについては特に制限はないが、通常20μm以上250μm以下程度である。
剥離シート11の形状も特に限定されないが、剥離シート11からレーザーダイシングシート10を剥離することが容易となるように、通常、剥離シート11の剥離面には、レーザーダイシングシート10の粘着剤層3側の面が貼付されていない領域が設けられている。
剥離シート11の具体的形状の一例として、長尺形状が挙げられる。この場合におけるDR積層体100の形態の具体例は、複数のレーザーダイシングシート10が、剥離シート11の長尺方向に互いに離間して、剥離シート11の剥離面に貼付されてなる形態である。このとき、DR積層体100は長尺体のままで保管してもよいが、図2に示すように、DR積層体100の長尺方向の一方の端部を芯材Cに固定して巻き取り、巻取体100Aの形態で保管してもよい。図2は、そのような巻取体100Aの形態にあるDR積層体100が繰り出されている状態を概念的に示す斜視図である。
剥離シート11の具体的形状の別の一例として、長尺ではない形状が挙げられる。この場合におけるDR積層体100の形態の具体例は、剥離シート11に1枚のレーザーダイシングシート10が貼付されてなる形態である。このとき、DR積層体100は、図3に示すように、その複数枚が、DR積層体100の厚さ方向に積層されたスタック体100Bの形態で保管してもよい。そのようなスタック体100Bの形態にあるDR積層体100を概念的に示す断面図を図3に示す。
(4)第2のシート
本実施形態に係るDR積層体100が備えるレーザーダイシングシート10の第2のシート2は、第1のシート1の一方の面、具体的には、第1のシート1の粘着剤層3に対向する側と反対側の面(背面)上に積層される。
第2のシート2は、平面視形状が環状である。第2のシート2の平面視形状が環状であることで、レーザーダイシングシート10の総厚みの厚い部分が平面視において偏って分布しがたくなる。その結果、厚い部分の偏在に起因して、DR積層体100を積み重ねた際に傾きが生じたり、偏在している厚い部分の痕跡がDR積層体100に残ったりするという事態を避けることが容易となる。ここで、環状とは、平面視(視点方向が主面の法線に平行な方向であることを意味する。)で完全な環状でなく、部分的に不連続となった形状(例えばC字形状)であってもよい。平面視で環状の内側の領域、つまり、平面視で第2のシート2に囲まれ第2のシート2が存在しない領域は、第1のシート1の背面が露出している。本明細書において、第1のシート1の背面におけるこの領域を「環内露出領域」ともいう。環内露出領域は、レーザーダイシングシート10の使用時にレーザーが照射される領域(レーザー照射領域)を含む。
第2のシート2の第1のシート1に対する固定方法は特に限定されない。図1に示されるように、第2のシート2がベースフィルム21と接着剤層22とを備える構造を有し、その接着剤層21によって第2のシート2と第1のシート1とは固定されていてもよい。あるいは、これらのシートは熱融着のような方法で互いに直接接するように固定されていてもよい。
第2のシート2は平面視形状が環状であるため、上記のように、DR積層体100が巻取体100Aやスタック体100Bの形態をしている場合であっても、その巻取体100Aやスタック体100BからDR積層体100(巻取体100Aの場合にはDR積層体100の一部、スタック体100Bの場合には1枚のDR積層体100)を取り出す作業を行った際に、DR積層体100におけるレーザーダイシングシート10が剥離シート11から剥がれてしまう不具合(DR積層体供給不良)が生じにくい。
この点について、DR積層体100が巻取体100Aの形態をしている場合を具体例として、詳しく説明する。
図4は、巻取体100AからDR積層体100が繰り出されて、長尺の剥離シート11に貼付しているレーザーダイシングシート10の1枚を剥離可能な状態にする直前の状態を概念的に示す部分断面図である。なお、図4に示される巻取体100Aは、長尺体の形態をなすDR積層体100が、巻取体100Aの巻芯Cの回転中心により近位な側(内周側)にレーザーダイシングシート10が配置され、巻取体100Aの巻芯Cの回転中心により遠位な側(外周側)に剥離シート11が配置されるように、巻き取りが行われたものである。
本実施形態に係るDR積層体100では、巻取体100AからDR積層体100の繰り出しが行われると、最外周の剥離シート11aと、最外周の剥離シート11aの剥離面にその粘着剤層3側の面が貼付されるレーザーダイシングシート10と、最外周の剥離シート11aよりも一回り内周側の剥離シート11b(その剥離面と反対側の面(剥離シート裏面)は、レーザーダイシングシート10の第2のシート2側の面(基材背面)に接するように配置されている。)とからなる重積体において、レーザーダイシングシート10と剥離シート11bとの界面で剥離が生じ、適切に、レーザーダイシングシート10を剥離可能な状態とすることができる。
これは、次に説明するように、レーザーダイシングシート10の第2のシート2における第1のシート1に対向する側と反対側の面(以下、「第2のシート2の背面」ともいう。)の剥離シート11bの剥離シート裏面に対する密着性が適切に制御されているためである。具体的には、第2のシート2の一方の面上に剥離シート11bの剥離面と反対側の面を載置して得られる重積体について、40℃、相対湿度80%の環境下にて剥離シート11bの剥離面側から19.6Nの荷重を1時間印加し、さらに23℃、相対湿度50%の環境下にて無荷重の状態で1時間静置し、静置後の前記重積体の剥離シート11bを180°引き剥がししたときに測定される剥離力が、50mN/50mm以下である。
上記の剥離力を測定する試験の詳細について説明する。なお、レーザーダイシングシート10の第2のシート2および剥離シート11bは、これに代えて同材質の試験用シートを用いても剥離力に実質的な差異はないため、かかる試験用シートを用いた試験方法を説明する。まず、第2のシート2と同材質の試験用第2のシートおよび剥離シート11と同材質の試験用剥離シートを用意する。次に、図5(a)に示されるように、第2のシート2の第1のシート1に対向する側と反対側の面(第2のシート2の背面)に相当する試験用第2のシート51の一方の面、具体的にはベースフィルム511からなる面51aが露出するように、試験用第2のシート51を固定する。図5(a)では、試験用第2のシート51の接着剤層512によって、SUS製平板50に対して試験用第2のシート51は固定されている。続いて、試験用第2のシート51の一方の面51a上に試験用剥離シート52の剥離面と反対側の面52aを載置して重積体53を得る。
この重積体53について、図5(b)に示されるように、40℃、相対湿度80%の環境下にて試験用剥離シート52の剥離面側から19.6Nの荷重を印加し、この状態で1時間置く。その後、荷重を除去し、さらに23℃、相対湿度50%の環境下にて無荷重の状態で1時間静置する。そして、この静置後の重積体53の試験用剥離シート52を180°引き剥がしながら剥離力を測定し、測定された剥離力によって密着性を評価する。以下、この剥離力を「剥離力A」ともいう。
本実施形態に係るDR積層体100が備えるレーザーダイシングシート10の第2のシート2に対応する試験用第2のシート51と本実施形態に係るDR積層体100が備える剥離シート11に対応する試験用剥離シート52とを用いた場合には、この剥離力Aは50mN/50mm以下となる。この剥離力Aが50mN/50mm以下であることにより、巻取体100AからDR積層体100を繰り出した際に、レーザーダイシングシート10と内周側の剥離シート11bとの界面で剥離が生じることが安定的に実現される。
この剥離力Aが50mN/50mm超の場合には、レーザーダイシングシート10と内周側の剥離シート11bとの界面で剥離よりも、レーザーダイシングシート10と外周側の剥離シート11aとの界面での剥離が生じる可能性が高まる。このような剥離が生じると、DR積層体100は適切に繰り出されず、レーザーダイシングシート10が内周側の剥離シート11bの外周側の面(剥離シート裏面)上に残留してしまう。このDR積層体供給不良が生じると、長尺体のDR積層体100は、その剥離シート11側の面にレーザーダイシングシート10が粘着剤層3を表出させた状態で存在することになり、剥離シート11を巻き取る際に通過するローラ(例えばピンチローラ)など繰り出しのための設備内の部品にこの粘着剤層3が付着するといった重大な不具合が生じる危険性が高まる。
このようなDR積層体供給不良が生じる可能性をより安定的に低減させる観点から、上記の剥離力Aは、45mN/50mm以下であることが好ましく、40mN/50mm以下であることがより好ましい。上記の剥離力Aの下限は、DR積層体供給不良が生じる可能性を低減させる観点からは設定されない。
上記の剥離力Aを50mN/50mm以下とするための手法は特に限定されない。具体例を挙げれば次のとおりである。
(第1の例)
第1の例として、第2のシート2の第1のシート1に対向する側と反対側の面(第2のシート2の背面)の表面粗さを制御することが挙げられる。第2のシート2の背面の表面粗さを大きくする、つまり粗な面とすることによって、第2のシート2の背面と剥離シート11の剥離シート裏面との真実接触面積を小さくすることができ、このとき、剥離力Aは低下する。
第2のシート2の背面の表面粗さをどの程度に設定すれば、上記の剥離力Aが50mN/50mm以下に制御されるかは、第2のシート2の背面を構成するベースフィルムの材質、剥離シート裏面を構成する剥離シート11の支持フィルムの材質および剥離シート裏面の表面粗さ、保管状態において重なり合うDR積層体100同士の加圧力などによって変動するため、確定的に規定することはできない。ただし、第2のシート2の背面の算術平均粗さRaが0.3μm以上であれば、剥離力Aを50mN/50mm以下とすることがより安定的に実現される。特に、第2のシート2の背面を構成するベースフィルムがポリオレフィンのような比較的剛直さに劣る材料からなる場合であっても、その背面の算術平均粗さRaが0.3μm以上である第2のシート2を用いることにより、剥離力Aを50mN/50mm以下に制御することがより安定的に実現される。第2のシート2の背面の算術平均粗さRaの調整は、第1のシート1の背面の算術平均粗さRaの調整と同様の方法で行うことができ、また、サンドブラスト処理等の粗面化処理により調整してもよい。
上述の第1のシートの背面の算術表面粗さRaについて見たように、レーザーダイシングシートのレーザー照射領域を構成する材料として、算術表面粗さRaが大きい材料を用いることは困難である。使用時にレーザーが照射される側の面の算術表面粗さRaを、レーザーの透過性とDR積層体供給不良の防止を両立できるような、大きすぎず、小さすぎない程度に調整することも考えられるが、結局いずれの性能も不十分となる結果を生じかねない。しかしながら、本実施形態に係るレーザーダイシングシート10は、第2のシート2を備えることにより、本例のように、レーザー照射領域を構成する材料として使用時にレーザーが照射される側の面の算術表面粗さRaが大きい材料を用いることなく、レーザーダイシングシート10におけるレーザー照射領域を含む面と同じ側の面に、算術表面粗さRaが大きい面を設けることを実現し、その結果としてDR積層体供給不良が生じにくくすることを実現している。
(第2の例)
第2の例として、第2のシート2の第1のシート1に対向する側と反対側の面(第2のシート2の背面)を構成する材料、具体的には、図1に示される第2のシート2ではベースフィルム21を構成する材料の種類を選択することが挙げられる。一般的な傾向として、当該材料は剛直な材料であることが好ましい。そのような特性を有し、市場からの入手が容易でかつ安価な材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル系材料が例示され、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)が特性、入手容易性およびコストのバランスに優れ、好ましい。
一般的に、樹脂系材料は、これに含有される重合体に芳香族化合物に由来する構成単位を含ませることにより、剛直な特性を有することができる。しかしながら、そのような芳香族化合物含有樹脂系材料は、レーザーの吸収率、特に1064nmにおけるレーザーの吸収率が高い。このため、レーザーダイシングシートのレーザー照射領域を構成する材料として芳香族化合物含有樹脂系材料を用いることは困難である。しかしながら、本実施形態に係るレーザーダイシングシート10は、第2のシート2を備えることにより、本例のように、レーザー照射領域を構成する材料として芳香族化合物含有樹脂系材料を用いることなく、レーザーダイシングシート10におけるレーザー照射領域を含む面と同じ側の面に芳香族化合物含有樹脂系材料からなる材料の面を設けることを実現し、その結果としてDR積層体供給不良が生じにくくすることを実現している。
第1の例、第2の例のいずれにおいても、剥離シート11を構成する材料を適宜に選択することによって、剥離力Aを50mN/50mm以下に制御することがさらに安定的に実現される。
第2のシート2の厚さは特に限定されないが、過度に薄い場合にはエキスパンド工程で第2のシート2が破断することが懸念され、過度に厚い場合にはエキスパンド工程でリングフレームの引き落としが適切に行われなくなることが懸念される。したがって、第2のシート2の厚さは、10μm以上100μm以下とすることが好ましく、15μm以上60μm以下とすることがより好ましく、20μm以上40μm以下とすることが特に好ましい。
第2のシート2の平面視で外周側縁部と第1のシート1の平面視で外周側縁部との位置関係は特に限定されない。第1のシート1の外側面と第2のシート2の外側面とがほぼ連続して一の面を形成していていもよいし、第1のシート1の外側面よりも第2のシート2の外側面の方が、第2のシートの主面内方向外向きに突出していてもよいし、その逆の関係であってもよい。ただし、第2のシート2の外側面よりも第1のシート1の外側面の方が平面視で過度に突出し、その結果、DR積層体100が使用前の保管状態において、第1のシート1の突出部分における粘着剤層3に対向する側と反対側の面(背面)が、別のDR積層体100が備える剥離シート11の剥離シート裏面に接する状態となると、この部分で第1のシート1の背面と剥離シート11の剥離シート裏面とが強く密着して、DR積層体供給不良を引き起こすことが懸念される。したがって、第2のシート2の外側面よりも第1のシート1の外側面の方が平面視で突出する場合には、このような問題が生じないようにするべきである。具体的には、この場合における突出幅は数mm以内とすることが好ましい。
2.レーザーダイシングシート
本発明の一実施形態に係るレーザーダイシングシート10は、上記の本実施形態に係るDR積層体100から、剥離シート11を剥離させることによって得られる。
本実施形態に係るレーザーダイシングシート10の第1のシート1は、第2のシート2が平面視で環状であることにより、その第2のシート2が積層される側の面は、第2のシート2に囲まれ第2のシートが積層されていない領域である環内露出領域を有する。そして、粘着剤層3の面における第1のシート1の環内露出領域に平面視で重なる領域は、半導体ウエハなどの板状部材が貼付される領域を含む。
板状部材が貼付される領域が平面視で環内露出領域外に位置する部分を有すると、その部分では、第2のシート2を構成する材料によっては(具体的にはベースフィルム21がPETからなる場合が例示される。)、板状部材にレーザーが照射されない不具合が生じるおそれが生じる。したがって、板状部材が貼付される領域は、平面視でその全体が環内露出領域内に位置することが好ましい。このような関係をより安定的に実現する観点から、環内露出領域の平面視での内接円の直径は、上記の板状部材が貼付される領域の平面視での外接円の直径よりも2mm以上大きいことが好ましい。
3.DR積層体の製造方法
本実施形態に係るDR積層体100の製造方法は特に限定されない。公知の塗布方法、貼付方法、切断方法(ハーフカットを含む。)、剥離方法などを適宜組み合わせて製造すればよい。以下に、第2のシート2が図1に示されるような構造を有する場合の製造方法の一例を示す。
剥離シート11の剥離面上に、粘着剤層3を形成するための粘着剤組成物を塗布し、得られた塗膜を乾燥して、粘着剤層3を得る。塗布方法は任意であり、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、スリットコーター、ナイフコーターなどが例示される。乾燥方法も任意であり、例えば80〜120℃程度で数分間加熱することによって行ってもよいし、大気中に放置する風乾でもよい。こうして得られた粘着剤層3の剥離シート11に対向する側と反対側の面に第1のシート1を与える樹脂系フィルムを貼付して、剥離シート11、粘着剤層3、および第1のシート1を与える樹脂系フィルムがこの順に積層された第1の積層体を得る。一方、第2のシート2のベースフィルム21を与える樹脂系フィルム(以下「ベース用フィルム」ともいう。)および工程フィルムを用意し、工程フィルム上に接着剤層22を形成するための接着剤組成物を塗布する。なお、この塗布方法は上記の粘着剤組成物を塗布する場合と同様、特に限定されない。得られた塗膜を乾燥する(この乾燥方法も、上記の粘着剤組成物の塗膜を乾燥する場合と同様、特に限定されない。)。次いで、ベース用フィルムにおける第2のシート2の一部となったときに第1のシート1に対向する側の面に、工程フィルム上に形成された、接着剤層22を貼り合わせ、ベース用フィルム、接着剤層22を与える塗膜および工程フィルムが積層された接着シートを得る。この接着シートのベース用フィルム側の面から、第1のシートに形成されるべき環内露出領域と同形状に、ベース用フィルムおよび接着剤層22を与える塗膜をハーフカットによって切断し、環内露出領域と同形状の部分を除去する。そして、接着シートから工程フィルムを除去し、第1の積層体の第1のシート1を与える樹脂系フィルム側の面と、接着シートの接着剤層22側の面とを貼合して、DR積層体100の原反を得る。
次に、DR積層体100の原反のベース用フィルム側の面から、ベース用フィルム、接着剤層22および第1のシート1を与える樹脂系フィルムをハーフカットによって切断し、不要な部分を除去して、レーザーダイシングシート10の外部形状を切り出す。こうして剥離シート11上に、レーザーダイシングシート10が積層されたDR積層体100が得られる。なお、接着剤層22および必要に応じ粘着剤層3が適切な密着性を有するように、加熱、養生などの処理をさらに行ってもよい。
4.チップ体の製造方法
以下、本実施形態に係るDR積層体100から剥離シート11を剥離して得られるレーザーダイシングシート10を用いて、チップ体を製造する方法の一例を説明する。
まず、レーザーダイシングシート10の粘着剤層3における第1のシート1に対向する側と反対側の面の所定の領域に、板状部材を貼付する。この所定の領域とは、前述のように、平面視で環内露出領域と重なる部分である。板状部材としては、半導体ウエハ、ガラス基板、セラミック基板、FPC等の有機材料基板、精密部品等の金属系材料からなる部材などが例示される。また、板状部材が半導体ウエハなどであって回路がすでに形成されている場合には、回路が形成された面が粘着剤層3に対向するように貼付されてもよいし、回路が形成されていない裏面が粘着剤層3に対向するように貼付されてもよい。なお、リングフレームを用いる場合には、この板状部材の貼付に合わせて、レーザーダイシングシート10の粘着剤層3にリングフレームを貼付すればよい。図6は、このようにして、レーザーダイシングシート10の粘着剤層3に板状部材61およびリングフレーム62が貼付された状態を概念的に示す断面図である。
次に、レーザーダイシングシート10の第1のシート1の環内露出領域を入射面として第1のシート1および粘着剤層3を透過して板状部材61へと至るように、レーザーを照射する。この際、板状部材61の内部にてレーザーが集光されるように照射することが、第1のシート1や粘着剤層3に与えるダメージが少ないため、好ましい。レーザー光源は、波長および位相が揃った光を発生させる装置であり、レーザー光の種類としては、パルスレーザー光を発生するNd−YAGレーザー、Nd−YVOレーザー、Nd−YLFレーザー、チタンサファイアレーザーなど多光子吸収を起こすものを挙げることができる。レーザー光の波長は、800〜1100nmが好ましく、1064nmがさらに好ましい。
板状部材61内部に照射されたレーザー光によって、板状部材61の切断予定ラインに沿ってその内部に改質部が形成され、ダイシングラインとなる。ひとつの切断予定ラインをレーザー光が走査する回数は1回であっても複数回であってもよい。好ましくは、レーザー光の照射位置と、回路間の切断予定ラインの位置をモニターし、レーザー光の位置合わせを行いながら、レーザー光の照射を行う。このときの位置合わせのために別途レーザー光を照射してもよい。
こうしてレーザー照射が終了したら、レーザー照射後の板状部材が貼付しているレーザーダイシングシート10をエキスパンド装置などを用いてシートの主面内方向外向きに伸長させる。このレーザーダイシングシート10の伸長に合わせて板状部材に引張力が加えられ、この引張力によって板状部材内の改質部が脆性破壊する。その結果、板状部材61はダイシングラインに沿って切断されて個片化し、その分割されてなる個片のそれぞれとしてチップ体が得られる。
レーザーダイシングシート10の伸長方法は、個片化すべき板状部材61の種類、板状部材61の内部に形成された改質部の構造・組成などに応じて適宜設定すればよいが、通常、5〜600mm/分の速度で5〜50mm程度伸長される場合が多い。得られたレーザーダイシングシート10上のチップ体71は、ピックアップ工程の実施によって個別に取り出されてもよいし、その前に破砕粉等を除去するための洗浄工程などが実施されてもよい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)粘着剤層を形成するための塗工用組成物の調製
アクリル系共重合体(2−エチルヘキシルアクリレート/酢酸ビニル/アクリル酸/メチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=23.5/70/1/5/0.5(質量比)、Mw=60万、Mw/Mn=6.0、Tg=3℃)100重量部に対し、エネルギー線重合性化合物として、ポリプロピレングリコール(Mw=700)、イソホロンジイソシアネートおよび2−ヒドロキシプロピルアクリレートの共重合体からなる2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(Mw=4000)80重量部、光重合開始剤(BASF社製「イルガキュア184」)3重量部およびイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製「コロネートL」)2重量部を配合(すべて固形分換算による配合比)し、粘着剤層を形成するための塗工用組成物とした。
(2)第1のシートを与える樹脂系フィルムの用意
次の特性を有する厚さ80μmであって長尺のポリ塩化ビニルフィルムを、第1のシートを与える樹脂系フィルムとして用意した。
表面の算術平均粗さRa:0.03μm
波長1064nmにおける直線透過率:92%
波長1064nmにおける位相差:32nm
ヤング率:280MPa
(3)第1の積層体の作製
ポリエチレンテレフタレートフィルムを支持フィルムとし、厚さ38μmであって長尺の剥離シート(リンテック社製「SP−PET3811」)の剥離面上に、上記の調製した粘着剤層を形成するための塗工用組成物を、乾燥後の厚さが5μmとなるように塗布した。得られた塗膜を100℃で1分間乾燥して、剥離シートと粘着剤層との積層体を得た。この積層体の粘着剤層側の面に、第1のシートを与える樹脂系フィルムの一方の面(上記の、表面の算術平均粗さRaを有する面と反対側の面)を貼付し、第1の積層体を得た。
(4)接着シートの作製
アクリル系共重合体(ブチルアクリレート/アクリル酸=90/10(質量比)、Mw=80万)の100質量部およびイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製「コロネートL」)を配合(すべて固形分換算による配合比)し、接着剤層を形成するための塗工用組成物とした。
厚さ38μmであって長尺のポリエチレンテレフタレートフィルム(表面の算術平均粗さRa:0.02μm)を第2のシートのベースフィルムを与える樹脂系フィルム(ベース用フィルム)として用意した。また、工程フィルムとして、剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製「SP−PET381031」)を用意し、工程フィルムの剥離面に、上記の接着剤層を形成するための塗工用組成物を、乾燥後の厚さが5μmとなるように塗布し、得られた塗膜を100℃で1分間乾燥して接着剤層とした。こうして得られた工程フィルムと接着剤層とからなる積層体の接着剤層側の面に、ベース用フィルムの一方の面(上記の表面の算術平均粗さを有する面と反対側の面)を貼付して、接着シートを得た。次いで、接着シートに対してベース用フィルム側の面から、ベース用フィルムおよび塗膜が切断されるハーフカット(このハーフカットを「第1のハーフカット」ともいう。)を行い、平面視で直径210mmの円形をなす切断線(閉曲線)を、原反の長尺方向に100本作製した。これらの切断線により形作られる100個の円の中心をつないだ線は原反の長尺方向に平行とされ、最近位に配置される二つの円の中心間距離は278mmとされた。これらの切断線の内部にあるベース用フィルムおよび塗膜を除去して環内露出領域に対応する部分に工程フィルムが表出した接着シートを得た。
(5)DR積層体の作製
環内露出領域に対応する部分に工程フィルムが表出した接着シートから工程フィルムを除去して接着剤層側の面を表出させ、上記の第1の積層体の第1のシートを与える樹脂系フィルム側の面と、上記の第1のハーフカットおよび不要部分の除去が行われた接着シートの接着剤層側の面とを貼合し、DR積層体の原反を得た。
次に、DR積層体の原反に対して、ベース用フィルム側の面から、ベース用フィルムおよび接着剤層、ならびに剥離シート以外の第1の積層体(すなわち、第1のシートを与える樹脂系フィルムおよび粘着剤層)が切断されるハーフカットを行い、平面視で直径270mmの円形をなす切断線(閉曲線)を100本作製した。これらの切断線が形作る円の中心は、それぞれ、先に第1のハーフカットにより形作った平面視で直径210mmの円の中心と一致させた。そして、これらの平面視で直径270mmの円形をなす切断線の外側にある、ベース用フィルムおよび接着剤層、ならびに剥離シート以外の第1の積層体を除去した。
こうして、長尺の剥離シートの剥離面上に次の形状および配置を有するレーザーダイシングシートの100枚が長尺方向に並んで配置されてなるDR積層体を得た。
環内露出部分の平面視形状:直径210mmの円形
第2のシートの平面視形状:内径210mm、幅30mmの円環形状
レーザーダイシングシートの平面視形状:直径270mmの円形
最近位に配置される2のレーザーダイシングシート同士の長尺方向の間隔:8mm
このDR積層体を長尺方向に巻き取って、巻取体の形態とした。
〔実施例2〕
実施例1における第2のシートのベースフィルムを与える樹脂系フィルムを、厚さ25μmのポリブチレンテレフタレート(表面の算術平均粗さRa:0.02μm)に変更するとともに、環内露出部分の平面視形状が直径205mmの円形となり第2のシートの平面視形状が内径205mm、幅37.5mmの円環形状となるように第1のハーフカット方法を変更した以外は、実施例1の製造方法と同様の製造方法を実施して、DR積層体の巻取体を作製した。
〔実施例3〕
実施例1における第2のシートのベースフィルムを与える樹脂系フィルムを、厚さ25μmの低密度ポリエチレン(表面の算術平均粗さRa:0.7μm)に変更するとともに、環内露出部分の平面視形状が直径202mmの円形となり第2のシートの平面視形状が内径202mm、幅39mmの円環形状となるように第1のハーフカット方法を変更した以外は、実施例1の製造方法と同様の製造方法を実施して、DR積層体の巻取体を作製した。
〔実施例4〕
実施例1における第2のシートのベースフィルムを与える樹脂系フィルムを、厚さ25μmのポリプロピレン(表面の算術平均粗さRa:0.5μm)に変更した以外は、実施例1の製造方法と同様の製造方法を実施して、DR積層体の巻取体を作製した。
〔実施例5〕
実施例1における第1のシートを与える樹脂系フィルムを製造するために、まず、材料の一つであるウレタンアクリレートオリゴマーを合成した。ポリプロピレングリコール(PPG、Mw=400)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を4:5:2の重量比で準備し、PPGとIPDIを触媒存在下で反応させた。得られたウレタンオリゴマーの残存イソシアネート基にHEMAを結合させて、Mw=8000のウレタンアクリレートオリゴマーを得た。これを用いて次の配合の樹脂組成物を得た。
ウレタンアクリレートオリゴマー100質量部、
単官能モノマー(イソボルニルアクリレート)110質量部、および
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュア184」)2.2重量部
ポリエチレンテレフタレートフィルムを支持フィルムとし、厚さ38μmであって長尺の剥離シート(リンテック社製「SP−PET3811」)の剥離面上に、上記の調製した樹脂組成物を厚さ100μmとなるように塗布した。得られた塗膜に紫外線(1500mJ/cm)を照射してこれを重合させて、剥離シートおよびその剥離面上に積層されたポリウレタンアクリレートフィルムからなる積層体を得た。上記の剥離シートと同じ剥離シートをもう1枚用意し、この積層体のポリウレタンアクリレートフィルム側の面に、その剥離シートの剥離面を貼付して、剥離シート、ポリウレタンアクリレートフィルムおよび剥離シートからなる積層体を得た。この積層体を以下、中間積層体ともいう。
この中間積層体における、一方の剥離シートを剥離しながら、表出したポリウレタンアクリレートフィルムの面を、実施例1において作製した剥離シートと粘着剤層との積層体の粘着剤層側の面に貼付した。こうして得られた積層体におけるポリウレタンアクリレートフィルムからなる樹脂系フィルムに貼付している剥離シートを剥離して、第1の積層体を得た。
以下、環内露出部分の平面視形状が直径205mmの円形となり第2のシートの平面視形状が内径205mm、幅37.5mmの円環形状となるように第1のハーフカット方法を変更した以外は、実施例1の製造方法と同様の製造方法を実施して、DR積層体の巻取体を得た。
なお、上記の中間積層体を別途作製し、この積層体における双方の剥離シートを剥離して得られた厚さ100μmのポリウレタンアクリレートフィルムの特性は次のとおりであった。
表面の算術平均粗さRa:0.09μm
波長1064nmにおける直線透過率:92.5%
波長1064nmにおける位相差:0.8nm
ヤング率:380MPa
〔比較例1〕
実施例1における第1のシートを与える樹脂系フィルムを、下記の特性を有する厚さ80μmの低密度ポリエチレンフィルムに変更した以外は、実施例1の製造方法と同様の製造方法を実施して、DR積層体の巻取体を作製した。
表面の算術平均粗さRa:0.5μm
波長1064nmにおける直線透過率:87%
波長1064nmにおける位相差:425nm
ヤング率:100MPa
〔比較例2〕
実施例1における第2のシートのベースフィルムを与える樹脂系フィルムを、厚さ25μmのポリ塩化ビニルフィルム(、表面の算術平均粗さRa:0.05μm)に変更した以外は、実施例1の製造方法と同様の製造方法を実施して、DR積層体の巻取体を作製した。
〔比較例3〕
実施例1における第1のシートを与える樹脂系フィルムを、下記の特性を有する厚さ80μmのポリ塩化ビニルフィルムに変更した以外は、実施例1の製造方法と同様の製造方法を実施して、DR積層体の巻取体を作製した。
表面の算術平均粗さRa:0.6μm
波長1064nmにおける直線透過率:35.2%
波長1064nmにおける位相差:48nm
ヤング率:260MPa
〔比較例4〕
実施例1において、第2の積層体を作製せず、第1の積層体に対して、第1のシートを与える樹脂系フィルム側から、第1のシートを与える樹脂系フィルムおよび粘着剤層を切断するハーフカットを行い、平面視で直径270mmの円形をなす切断線を作製した。この切断線の外側にある第1の積層体を除去した。
こうして、剥離シートの剥離面上に、平面視形状が270mmの円形であって第2のシートを有さないレーザーダイシングシートがその粘着剤層を剥離シートとの接触面をなすように積層されたDR積層体の巻取体を得た。
〔試験例1〕ヤング率の測定
実施例および比較例において使用した第1のシートを与える樹脂系フィルムについて、万能引張試験機(オリエンテック社製テンシロンRTA−T−2M)を用いて、JIS K7161:1994に準拠して、23℃、相対湿度50%の環境下において引張速度200mm/分の条件で、ヤング率を測定した。その結果は前述のとおりである。
〔試験例2〕直線透過率の測定
実施例および比較例において使用した第1のシートを与える樹脂系フィルムについて、紫外・可視・近赤外分光光度計(島津製作所製「UV−3101PC」)を用い、波長200〜1200nmの範囲の直線透過率を測定し、1064nmの値を読み取った。その結果は前述のとおりである。
〔試験例3〕位相差の測定
実施例および比較例において使用した第1のシートを与える樹脂系フィルムについて、位相差フィルム検査装置(大塚電子社製「RETS−100」(検出器「MCPD−7700」))を使用して、800〜1100nmの範囲で位相差の測定を行い、波長1064nmの位相差の値を読み取った。その結果は前述のとおりである。
〔試験例4〕算術平均粗さRaの測定
実施例および比較例において使用した、第1のシートを与える樹脂系フィルムにおける第1のシートとした場合に第1のシートの背面となる面、および第2のシートのベースフィルムを与える樹脂系フィルムにおける第2のシートの一部とした場合に第2のシートの背面となる面について、接触式表面粗さ計(Mitsutoyo社製「SURFTEST SV−3000」)を用い、JIS B0601−2001に準拠して、算術平均粗さRaを面内で10点測定し、その平均値を算出した。なお、測定条件は次のとおりであった。
(Ra≦1.0の場合)
カットオフ値λc:0.25mm、評価長さLn:1.25mm
(Ra>1.0の場合)
カットオフ値λc:0.8mm、評価長さLn:4mm
測定結果は前述のとおりであり、表1にもまとめて示す。
〔試験例5〕剥離力の測定
実施例1から4および比較例1から3において作製した第2の積層体を別途用意して50mm×150mmの寸法に裁断し、試験用の積層体とした。また、比較例4におけるDR積層体については、第1のシートを与える樹脂系フィルムにおける、第1のシートとなったときに粘着剤層に対向する側の面に、第2のシートの接着剤層と同組成の接着剤層を積層して、得られた積層体も試験用積層体の一つとし、参考値とした。これらの試験用積層体のそれぞれにおける接着剤層側の面をSUS製平板の一方の面に貼付して、樹脂系フィルム、接着剤層およびSUS製平板がこの順で積層された積層体を得た。
この積層体を試験台の上に載置し、その樹脂系フィルム側の面に、DR積層体の剥離シートと同材料からなる試験用剥離シート(リンテック社製「SP−PET3811」)の剥離面と反対側の面(剥離シート裏面)を重ね、得られた重積体における剥離シートの剥離面側に2kgの重りを置いた。40℃、相対湿度80%の環境下にて、この状態を1時間維持した。さらに、重りを除去し、23℃、相対湿度50%の環境下にて無荷重の状態で1時間静置した。
この静置後の重積体の試験用剥離シートを23℃、相対湿度50%の環境下にて万能引張試験機(オリエンテック社製テンシロンRTA−T−2M)により180°の角度で300mm/分の速度で引き剥がし、剥離力とした。測定結果を表1に示す。
〔試験例6〕DR積層体供給性の評価
実施例および比較例のそれぞれに係るDR積層体の巻取体をウエハ貼合装置(リンテック社製「RAD−2500m/12」)にセットし、同装置を用いて、DR積層体における剥離シートからレーザーダイシングシートを剥離するとともに、その剥離したレーザーダイシングシートのそれぞれに、直径200mm、厚さ100μmのシリコンウエハおよび8インチウエハ用リングフレームを貼付した。
その結果、適切に剥離シートから剥離してシリコンウエハへの貼合が行われなかったレーザーダイシングシートが4枚以下であった場合を「良好」とし、その不適切な貼合となったレーザーダイシングシートが5枚以上であった場合を「不良」とした。評価結果を表2に示す。
〔試験例7〕エキスパンド性およびダイシング性の評価
実施例および比較例におけるDR積層体から剥離シートを剥離し、得られたレーザーダイシングシートを試験例6と同じ方法により、試験例6と同じシリコンウエハおよびリングフレームに貼付した。実施例1から4および比較例1から3に係るレーザーダイシングシートに貼付されたシリコンウエハは、平面視で、第1のシートの環内露出領域内に全体が位置していた。
レーザー照射装置(DISCO社製「DFL7360」、波長:1064nm)を用いて、シリコンウエハの粘着剤層に対向している面側からレーザーダイシングシート越しに、ウエハ内部で集光するレーザーを、2mm×2mmのチップ体が形成されるように設定された切断予定ラインに沿って走査させながら照射した。全ての切断予定ラインにレーザーを照射した後、エキスパンド装置(DISCO社製「DDS2010」)を用いて、速度300mm/分でレーザーダイシングシートを引き落とし、レーザーダイシングシートの粘着剤層側の面におけるシリコンウエハが貼付された領域を主面内外向き方向に15mm伸長させた。
その結果、レーザーダイシングシートが問題なく伸長した場合には、エキスパンド性が「良好」であると判定し、シリコンウエハの全ての切断予定ラインにてウエハが分割されてチップ体が形成された場合に得られるチップの数に対する、実際に個々のチップに分割されたチップの数の割合(チップの収率)が90%以上である場合には、ダイシング性が「良好」であると判定した。これに対し、レーザーダイシングシートがリングフレームから脱落したり、レーザーダイシングシートが裂けてしまったりした場合には、エキスパンド性が「不可」であったと判定した。また、シリコンウエハの分割におけるチップの収率が90%未満であった場合にはダイシング性が「不可」と判定した。評価結果を表2に示す。
Figure 2014063802
Figure 2014063802
表1および2から明らかなように、本発明の条件を満たす実施例のDR積層体は、プリカット性に優れ、DR積層体供給不良が生じにくかった。また、ダイシング性やエキスパンド性にも優れていた。
本発明に係るレーザーダイシングシート−剥離シート積層体は、ステルスダイシングなど、ダイシングシートを透過させるようにレーザーを照射する作業を含むダイシング工程において使用されるレーザーダイシングシートと剥離シートとの積層体として好適に用いられる。
100…DR積層体
10…レーザーダイシングシート
1…第1のシート
2…第2のシート
21…ベースフィルム
22…接着剤層
3…粘着剤層
11…剥離シート
100A…巻取体
11a…最外周の剥離シート
11b…最外周の剥離シートよりも一層内周側の剥離シート
C…芯材
100B…スタック体
50…SUS製平板
51…試験用第2のシート
511…試験用第2のシートのベースフィルム
512…試験用第2のシートの接着剤層
51a…試験用第2のシートの一方の面
52…試験用剥離シート
52a…試験用剥離シートの剥離面と反対側の面
53…重積体
61…板状部材
62…リングフレーム

Claims (9)

  1. 第1のシート、前記第1のシートの一方の面に積層された第2のシート、および前記第1のシートの他方の面に積層された粘着剤層を備えたレーザーダイシングシートと、前記レーザーダイシングシートの前記粘着剤層側の面にその剥離面が対向するように積層された剥離シートとを備えたレーザーダイシングシート−剥離シート積層体であって、
    前記第1のシートは、23℃におけるヤング率が30MPa以上600MPa以下であって、前記第1のシートの一方の面の算術平均粗さRaが0.1μm未満であり、
    前記第2のシートは平面視形状が環状であり、前記第1のシートの一方の面における平面視で前記第2のシートに囲まれ前記第2のシートが積層されていない環内露出領域は、前記レーザーダイシングシートの使用時にレーザーが照射される領域を含み、
    前記剥離シートの剥離面は、前記レーザーダイシングシートが積層されていない領域を有し、
    前記第2のシートの一方の面上に前記剥離シートの剥離面と反対側の面を載置して得られる重積体について、40℃、相対湿度80%の環境下にて前記試験用剥離シートの剥離面側から19.6Nの荷重を1時間印加し、
    さらに23℃、相対湿度50%の環境下にて無荷重の状態で1時間静置し、静置後の前記重積体の前記試験用剥離シートを180°引き剥がししたときに測定される剥離力が、50mN/50mm以下であること
    を特徴とする、レーザーダイシングシート−剥離シート積層体。
  2. 前記第1のシートは、少なくともレーザーダイシングシートの使用時にレーザーが照射される部分について、前記波長1064nmにおける直線透過率が80%以上であるとともに、波長1064nmにおける位相差が100nm以下である、請求項1に記載のレーザーダイシングシート−剥離シート積層体。
  3. 前記第2のシートにおける前記第1のシートに対向する側と反対側の面は、算術平均粗さRaが0.3μm以上である、請求項1または2に記載のレーザーダイシングシート−剥離シート積層体。
  4. 前記第2のシートにおける前記第1のシートに対向する側と反対側の面は、ポリエステル系フィルムの面からなる、請求項1から3のいずれか一項に記載のレーザーダイシングシート−剥離シート積層体。
  5. 前記剥離シートは、剥離剤を塗布したポリエステルフィルムである請求項1から4のいずれか一項に記載のレーザーダイシングシート−剥離シート積層体。
  6. 前記剥離シートは長尺体からなり、前記レーザーダイシングシートはその複数枚が前記剥離シートの長尺方向に互いに離間して配置され、長尺方向に巻き取られた巻取体の形態を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のレーザーダイシングシート−剥離シート積層体。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のレーザーダイシングシート−剥離シート積層体から前記剥離シートを剥離して得られるレーザーダイシングシートであって、
    前記粘着剤層の前記第1のシートに対向する側と反対側の面における前記第1のシートの前記環内露出領域と平面視で重複する領域は、前記レーザーダイシングシートの使用時に板状部材が貼付される領域を含むことを特徴とするレーザーダイシングシート。
  8. 前記第1のシートの前記環内露出領域の平面視での内接円の半径は、前記板状部材が貼付される領域の平面視での外接円の半径よりも2mm以上大きい、請求項7に記載のレーザーダイシングシート。
  9. 請求項7または8に記載されるレーザーダイシングシートの前記粘着剤層における前記第1のシートに対向する側と反対側の面の所定の領域に、前記板状部材を貼付し、
    前記レーザーダイシングシートの前記第1のシートの前記環内露出領域を入射面として前記第1のシートおよび前記粘着剤層を透過して前記板状部材へと至るように、レーザーを照射し、
    前記レーザーを照射した後の前記板状部材が貼付している前記レーザーダイシングシートを主面内方向に伸長させることにより、前記板状部材を個片化して、チップ体を得ること
    を特徴とするチップ体の製造方法。
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