JP2014063896A - ダイシング−ダイボンディングテープ及び粘接着剤層付き半導体チップの製造方法 - Google Patents

ダイシング−ダイボンディングテープ及び粘接着剤層付き半導体チップの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014063896A
JP2014063896A JP2012208470A JP2012208470A JP2014063896A JP 2014063896 A JP2014063896 A JP 2014063896A JP 2012208470 A JP2012208470 A JP 2012208470A JP 2012208470 A JP2012208470 A JP 2012208470A JP 2014063896 A JP2014063896 A JP 2014063896A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dicing
adhesive layer
base material
layer
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012208470A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Shinjo
隆 新城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2012208470A priority Critical patent/JP2014063896A/ja
Publication of JP2014063896A publication Critical patent/JP2014063896A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dicing (AREA)

Abstract

【課題】ダイシング後に半導体チップ間の間隔が狭くなるのを抑えることができ、ピックアップ性を高めることができるダイシング−ダイボンディングテープを提供する。
【解決手段】本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープ1は、粘接着剤層3と、
粘接着剤層3の一方の表面に積層されておりかつ非粘着性を有する非粘着層4と、非粘着層4の粘接着剤層3側とは反対の表面に積層されているダイシング層5とを備える。ダイシング層5は、第1の基材5Aと、第1の基材5Aの一方の表面上に配置されている第2の基材5Bと、第2の基材5Bの第1の基材5A側とは反対の表面に積層されている粘着部5Cとを有する。ダイシング層5は、粘着部5C側から非粘着層4の表面に積層されている。第1の基材5Aの式(1)より求められるD値が、第2の基材5Bの式(1)より求められるD値よりも小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、粘接着剤層付き半導体チップを得るために用いられ、該粘接着剤層付き半導体チップをダイボンディングするために用いられるダイシング−ダイボンディングテープに関する。また、本発明は、該ダイシング−ダイボンディングテープを用いた粘接着剤層付き半導体チップの製造方法に関する。
従来、半導体ウェーハから半導体チップを切り出して、半導体チップを得るために、ダイシングテープが用いられている。また、半導体チップを基板等にダイボンディングするために、ダイボンディング層である粘接着剤層を有するダイシングテープが用いられている。この粘接着剤層を有するダイシングテープは、ダイシング−ダイボンディングテープと呼ばれている。
下記の特許文献1には、上記ダイシング−ダイボンディングテープの一例が開示されている。図7に示すように、特許文献1に記載のダイシング−ダイボンディングテープ101は、基材シート102と、ダイアタッチフィルム103と、軽剥離フィルム104と、ダイシングフィルム105とがこの順で積層されて構成されている。ダイシングフィルム105は、基材層105aと粘着剤層105bとを有する。
基材シート102及びダイシングフィルム105は、ダイアタッチフィルム103及び軽剥離フィルム104の外周側面よりも側方に張り出している。この張り出している領域において、ダイシングフィルム105が粘着剤層105b側から、基材シート102上に貼り付けられている。
ダイシング−ダイボンディングテープ101を用いて半導体ウェーハをダイシングする際には、基材シート102を剥離して、ダイシングフィルム105の上記張り出している領域の粘着剤層105bと、ダイアタッチフィルム103とを露出させる。露出したダイアタッチフィルム103に半導体ウェーハを貼り付けて、かつ露出したダイシングフィルム105の粘着剤層105bにダイシングリングを貼り付ける。この貼り付けの際に、ダイシングフィルム105などに皺が生じないように、中心部から端部にかけてダイシングフィルム105に引張応力がかけられる。このため、貼り付けの後には、ダイシングフィルム105には、収縮力が作用している。従って、半導体ウェーハのダイシングの際にも、ダイシングフィルム105には、収縮力が作用している。
特開2007−149748号公報
従来のダイシング−ダイボンディングテープでは、ダイシングによって半導体ウェーハを半導体チップに分割する際に収縮力が緩和されて、本来ブレード幅に依存している半導体チップ間の間隔(カーフ幅)が狭くなることがある。半導体チップ間の間隔が狭くなりすぎると、半導体チップに余計な粘接着剤層が付着したり、半導体チップ同士が接触したりすることがある。このため、粘接着剤層付き半導体チップをピックアップできないことがある。
本発明の目的は、ダイシング後に半導体チップ間の間隔が狭くなりすぎるのを抑えることができ、ピックアップ性を高めることができるダイシング−ダイボンディングテープ、並びに該ダイシング−ダイボンディングテープを用いた粘接着剤層付き半導体チップの製造方法を提供することである。
本発明の広い局面によれば、半導体ウェーハをダイシングし、半導体チップを得て、前記半導体チップをダイボンディングするために用いられるダイシング−ダイボンディングテープであって、粘接着剤層と、前記粘接着剤層の一方の表面に積層されておりかつ非粘着性を有する非粘着層と、前記非粘着層の前記粘接着剤層側とは反対の表面に積層されているダイシング層とを備え、前記ダイシング層が、第1の基材と、前記第1の基材の一方の表面上に配置されている第2の基材と、前記第2の基材の前記第1の基材側とは反対の表面に積層されている粘着部とを有し、前記ダイシング層は、前記粘着部側から前記非粘着層の表面に積層されており、前記第1の基材の下記式(1)より求められるD値が、前記第2の基材の下記式(1)より求められるD値よりも小さい、ダイシング−ダイボンディングテープが提供される。
D=(B−A)/(C−A)×100 ・・・式(1)
前記式(1)中、前記第1の基材又は前記第2の基材を、60℃、標線間25mm及び引張速度300mm/分の条件でMD方向に引っ張り、前記第1の基材又は前記第2の基材が10%伸長してから90秒後に前記第1の基材又は前記第2の基材を23℃及び湿度50%の環境下に移して、23℃及び湿度50%の環境下で30秒間放置するまでの荷重曲線の測定において、Aは、前記第1の基材又は前記第2の基材が10%伸長してから90秒付近に認められる荷重値の極小値を表し、Bは、23℃及び湿度50%の環境下で10秒後から30秒後まで放置する間の荷重値の最大値を表し、Cは、前記第1の基材又は前記第2の基材を10%伸張した直後の荷重値を表す。
本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープのある特定の局面では、前記ダイシング層の前記第1の基材と前記第2の基材との材料がそれぞれ、ポリオレフィン樹脂である。
本発明の広い局面によれば、上述したダイシング−ダイボンディングテープと、半導体ウェーハとを用いて、前記ダイシング−ダイボンディングテープの前記粘接着剤層を、前記半導体ウェーハに貼り付ける工程と、前記半導体ウェーハと前記粘接着剤層と前記ダイシング層における前記粘着部と前記第2の基材とを分断するようにダイシングする工程と、ダイシングの後に、半導体チップが貼り付けられた前記粘接着剤層を前記非粘着層から剥離し、前記半導体チップを前記粘接着剤層ごと取り出す工程とを備える、粘接着剤層付き半導体チップの製造方法が提供される。
本発明に係る粘接着剤層付き半導体チップの製造方法のある特定の局面では、前記ダイシングする工程において、前記第1の基材を分断しないようにかつ前記第1の基材に切り込みを形成するようにダイシングする。
本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープは、粘接着剤層と、該粘接着剤層の一方の表面に積層されておりかつ非粘着性を有する非粘着層と、該非粘着層の上記粘接着剤層側とは反対の表面に積層されているダイシング層とを備えており、該ダイシング層が、第1の基材と、該第1の基材の一方の表面上に配置されている第2の基材と、該第2の基材の上記第1の基材側とは反対の表面に積層されている粘着部とを有し、上記ダイシング層は、上記粘着部側から上記非粘着層の表面に積層されており、上記第1の基材の式(1)より求められるD値が、上記第2の基材の式(1)より求められるD値よりも小さいので、半導体チップ間の間隔(カーフ幅)が狭くなりすぎるのを抑えることができる。さらに、粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性を高めることができる。
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るダイシング−ダイボンディングテープを模式的に示す部分切欠平面図及び部分切欠正面断面図である。 図2(a)及び(b)は、図1に示すダイシング−ダイボンディングテープの変形例を模式的に示す部分切欠平面図及び部分切欠正面断面図である。 図3(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るダイシング−ダイボンディングテープを用いて、粘接着剤層付き半導体チップを製造する各工程の一例を説明するための平面図及び部分切欠正面断面図である。 図4(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るダイシング−ダイボンディングテープを用いて、粘接着剤層付き半導体チップを製造する各工程の一例を説明するための部分切欠正面断面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係るダイシング−ダイボンディングテープを用いて、粘接着剤層付き半導体チップを製造する各工程の一例を説明するための部分切欠正面断面図である。 図6は、荷重曲線の測定において、ダイシング層の第1の基材又は第2の基材が10%伸長した後の荷重と時間との関係の一例を示すグラフである。 図7は、従来のダイシング−ダイボンディングテープを説明するための部分切欠正面断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープは、粘接着剤層と、該粘接着剤層の一方の表面に積層されている非粘着層と、該非粘着層の上記粘接着剤層側とは反対の表面に積層されているダイシング層とを備える。上記非粘着層は、非粘着性を有する。上記ダイシング層は、第1の基材と、該第1の基材の一方の表面上に配置されている第2の基材と、該第2の基材の上記第1の基材側とは反対の表面に積層されている粘着部とを有する。上記ダイシング層は、上記粘着部側から上記非粘着層の表面に積層されている。上記第1の基材の下記式(1)より求められるD値は、上記第2の基材の下記式(1)より求められるD値よりも小さい。
D=(B−A)/(C−A)×100 ・・・式(1)
上記式(1)中、上記第1の基材又は上記第2の基材を、60℃、標線間25mm及び引張速度300mm/分の条件でMD方向に引っ張り、上記第1の基材又は上記第2の基材が10%伸長してから90秒後に上記第1の基材又は上記第2の基材を23℃及び湿度50%の環境下に移して、23℃及び湿度50%の環境下で30秒間放置するまでの荷重曲線の測定において、Aは、上記第1の基材又は上記第2の基材が10%伸長してから90秒付近に認められる荷重値の極小値を表し、Bは、23℃及び湿度50%の環境下で10秒後から30秒後まで放置する間の荷重値の最大値を表し、Cは、上記第1の基材又は上記第2の基材を10%伸張した直後の荷重値を表す。
上記60℃に加熱するために、恒温槽を用いることができる。23℃及び湿度50%の環境下に移行させるために、恒温槽をはずすことができる。また、23℃及び湿度50%の環境下に移す前後の荷重曲線は連続して測定される。すなわち、上記第1の基材又は上記第2の基材が10%伸長してから120秒が経過するまで、荷重曲線は連続して測定される。
上記荷重曲線の測定において、上記第1の基材のD値を求める場合には、上記第1の基材が単独で用いられる。上記荷重曲線の測定において、上記第2の基材のD値を求める場合には、上記第2の基材が単独で用いられる。上記測定では、引張試験機(オリエンテック社製「テンシロン UTA−500」)等が用いられる。また、上記測定では、幅(TD方向)10mm、長さ方向(MD方向)120mmの第1,第2の基材が用いられ、この大きさの第1,第2の基材がMD方向に引っ張られる。
なお、図6に、荷重曲線の測定において、ダイシング層の第1の基材又は第2の基材が10%伸長した後の荷重と時間との関係の一例を示すグラフを示した。
本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープにおける上述した構成の採用により、半導体チップ間の間隔(カーフ幅)が狭くなるのを抑えることができる。半導体チップ間の間隔が狭くなりすぎないので、隣接する半導体チップに余計な粘接着剤層が付着し難くなり、半導体チップ同士が接触し難くなる。このため、粘接着剤層付き半導体チップのピックアップを高めることができる。
上記第1の基材の上記式(1)より求められるD値が、上記第2の基材の上記式(1)より求められるD値よりも小さいことで、半導体チップ間の間隔(カーフ幅)が狭くなりすぎるのを抑えることができる。さらに、粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性を高めることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
(ダイシング−ダイボンディングテープ)
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るダイシング−ダイボンディングテープを模式的に示す図である。図1(a)は部分切欠平面図であり、図1(b)は図1(a)中のI−I線に沿う部分切欠正面断面図である。なお、図1及び後述の図では、図示の便宜上、寸法及び大きさは、実際の寸法及び大きさから適宜変更している。
図1(a)及び(b)に示すように、ダイシング−ダイボンディングテープ1は、長尺状の離型層2を有する。離型層2の上面に、粘接着剤層3と、非粘着層4と、ダイシング層5とがこの順に積層されている。粘接着剤層3の一方の表面(第1の表面)に、非粘着層4が積層されている。粘接着剤層3の他方の表面(第2の表面)に離型層2が積層されている。非粘着層4の一方の表面(第1の表面)に粘接着剤層3が積層されている。非粘着層4の粘接着剤層3側とは反対の他方の表面(第2の表面)に、ダイシング層5が積層されている。
長尺状の離型層2の上面に、粘接着剤層3、非粘着層4、及びダイシング層5を有する複数の積層物が等間隔に配置されている。該積層物の側方において、離型層2の上面に保護シートが設けられていてもよい。
粘接着剤層3及び非粘着層4の平面形状は、略円形である。ダイシング層5の平面形状は略円形である。粘接着剤層3の径は、非粘着層4の径と同じであってもよく、異なってもよい。非粘着層4の径は、粘接着剤層3の径よりも大きいことが好ましい。非粘着層4の外周側面は、粘接着剤層3の外周側面よりも外側に張り出していることが好ましい。また、非粘着層4の外周側面は、粘接着剤層により覆われていないことが好ましい。粘接着剤層3と非粘着層4との大きさがこのような好ましい関係を満足すると、粘接着剤層3に半導体ウェーハを貼り付ける際に、粘接着剤層3の非粘着層4が積層されている部分に半導体ウェーハを正確に位置合わせできる。また、半導体ウェーハを粘接着剤層3に、より一層確実に貼り付けることができる。
ダイシング層5の径は、粘接着剤層3及び非粘着層4の径よりも大きい。ダイシング層5の外周側面は、粘接着剤層3及び非粘着層4の外周側面よりも外側に張り出している。ダイシング層5と粘接着剤層3及び非粘着層4との大きさがこのような好ましい関係を満足することによっても、粘接着剤層3に半導体ウェーハを貼り付ける際に、粘接着剤層3の非粘着層4が積層されている部分に、半導体ウェーハを正確に位置合わせできる。貼り付けの後には、半導体ウェーハが貼り付けられた粘接着剤層3の一方の表面上に非粘着層4を確実に配置できる。このため、非粘着層4からの粘接着剤層3の剥離性を高めることで、ダイシングの後に、粘接着剤層3付き半導体チップを、非粘着層4から容易に剥離できる。特に、非粘着層4が非粘着性を有することによって、粘接着剤層3付き半導体チップを、非粘着層4からより一層容易に剥離できる。このため、生産ロスを低減でき、歩止まりを向上できる。さらに、ダイシングリングと半導体ウェーハとを異なる層に貼り付けることができるので、粘接着剤層3と非粘着層4とダイシング層5とをそれぞれ最適な材料により構成できる。このため、切削性及びピックアップ性と、ダイボンディング後の接合信頼性とを高くすることができる。
離型層2は、例えば、離型フィルムである。離型層2は、粘接着剤層3の半導体ウェーハが貼り付けられる面を保護し、ロール状の製品形態で提供するために用いられる。なお、離型層2は、必ずしも用いられていなくてもよい。
離型層2を構成する材料としては、プラスチック樹脂が挙げられ、具体的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂や、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂等のポリオレフィン樹脂などが挙げられる。
離型層2の表面は離型処理されていてもよい。離型層は単層であってもよく、複数層であってもよい。離型層が複数層である場合には、各層は異なる樹脂により形成されていてもよい。
離型層2の取扱い性又は剥離性をより一層高める観点からは、離型層2の厚みは、好ましくは10μm以上、好ましくは100μm以下である。
粘接着剤層3は、半導体チップのダイボンディングに用いられる層である。粘接着剤層3は、半導体チップを基板又は他の半導体チップ等に接合するために用いられる。
粘接着剤層3は、例えば適宜の硬化性樹脂などの硬化性化合物を含む硬化性樹脂組成物、又は熱可塑性樹脂等により形成される。硬化前の上記硬化性樹脂組成物は柔らかいので、外力により容易に変形する。粘接着剤層3付き半導体チップを得た後に、得られた粘接着剤層3付き半導体チップを粘接着剤層3側から基板等の被着体に積層する。その後、熱又は光のエネルギーを与えて、粘接着剤層3を硬化させることにより、粘接着剤層3を介して、被着体に半導体チップを強固に接合させることができる。
上記硬化性樹脂組成物を硬化させるために、硬化剤が用いられる。該硬化剤としては、例えば、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等の加熱硬化型酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤もしくはジシアンジアミド等の潜在性硬化剤、及びカチオン系触媒型硬化剤等が挙げられる。硬化速度又は硬化物の物性等を調整するために、上記硬化剤と硬化促進剤とを併用してもよい。
粘接着剤層3の厚みは特に限定されない。粘接着剤層3の厚みは、一般的には5μm以上、150μm以下である。半導体装置の設計寸法に応じて、適正な粘接着剤層の厚みが選定される。
非粘着層4は、非粘着性を有する。なお、「非粘着性」とは、表面が粘着性を有さないだけでなく、表面を指で触ったときにくっつかない程度の粘着性を有する場合も含まれることとする。具体的には、「非粘着」とは、非粘着層4をステンレス板に貼り付けて、非粘着層4を300mm/分の剥離速度で剥離したときに、粘着力が0.05N/25mm幅以下であることを意味する。
非粘着層4は、例えば、活性エネルギー線硬化型又は熱硬化型の組成物を用いて形成できる。非粘着層4は、アクリル系ポリマーを含む組成物や、ポリオレフィン樹脂により形成されていることが好ましい。非粘着層4の材料は、アクリル系ポリマーを含む組成物を架橋させた架橋体であることが好ましい。この場合には、非粘着層4の極性、貯蔵弾性率又は破断伸びを容易に制御及び設計できる。また、非粘着層4の材料が、アクリル系ポリマーを含む組成物を架橋させた架橋体であると、粘接着剤層3付き半導体チップのピックアップ性をより一層高めることができる。
上記アクリル系ポリマーは特に限定されない。上記アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーであることが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーとして、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーが好適に用いられる。炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマーの使用により、非粘着層4の極性が充分に低くなり、非粘着層4の表面エネルギーが低くなり、かつ粘接着剤層3の非粘着層4からの剥離性が高くなる。
上記組成物は、活性エネルギー線反応開始剤及び熱反応開始剤の内の少なくとも一方を含むことが好ましく、活性エネルギー線反応開始剤を含むことがより好ましい。活性エネルギー線反応開始剤は、光反応開始剤であることが好ましい。
上記活性エネルギー線には、紫外線、電子線、α線、β線、γ線、X線、赤外線及び可視光線が含まれる。これらの活性エネルギー線のなかでも、硬化性に優れ、かつ硬化物が劣化し難いため、紫外線又は電子線が好ましい。
上記光反応開始剤として、例えば、光ラジカル発生剤又は光カチオン発生剤等を使用できる。上記熱反応開始剤としては、熱ラジカル発生剤等が挙げられる。上記組成物には、粘着力を制御するためにイソシアネート系架橋剤を添加してもよい。
非粘着層4の厚みは特に限定されない。非粘着層4の厚みは、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、好ましくは80μm以下、より好ましくは50μm以下である。非粘着層4の厚みが上記下限以上であると、エクスパンド性がより一層高くなる。非粘着層4の厚みが上記上限以下であると、厚みがより一層均一になり、ダイシングの精度がよく一層高くなる。非粘着層4の厚みは、30μm以上、50μm以下であることが特に好ましい。非粘着層4の厚みが30μm以上、50μm以下であると、粘接着剤層3付き半導体チップのピックアップ性がより一層良好になる。
ダイシング層5は、第1の基材5Aと、第2の基材5Bと、粘着部5Cとを有する。第2の基材5Bは、第1の基材5Aの一方の表面(第1の表面)上に配置されている。粘着部5Cは、第2の基材5Bの第1の基材5A側とは反対の表面に積層されている。ダイシング層5は粘着部5C側から非粘着部4の表面に積層されている。粘着部5Cは粘着剤層であることが好ましい。非粘着層4の表面に、ダイシング層5が粘着部5C側から貼り付けられている。ダイシング層5は、非粘着層4を介して粘接着剤層3に間接的に貼り付けられている。第1の基材5A及び第2の基材5Bはそれぞれ、MD方向、TD方向を有することが好ましい。
第1の基材5Aの表面上に、第2の基材5Bが直接積層されていてもよい。第1の基材5Aの表面上に、接着剤を介して第2の基材5Bが間接に積層されていてもよい。すなわち、第1の基材5Aと第2の基材5Bとは接着剤を用いて貼り合わされていてもよい。上記ダイシング層における基材(粘着部を除く)は、上記D値が上述した関係を満足する第1の基材と第2の基材とを備える少なくとも2層以上の多層構造を有しており、3層以上の多層構造を有していてもよい。上記ダイシング層では、例えば、第1の基材5Aと第2の基材5Bとの間や、第1の基材5Aの第2の基材5B側とは反対の表面上に、他の基材が配置されていてもよい。
非粘着層4とダイシング層5との剥離力は、粘接着剤層3と非粘着層4との剥離力よりも大きいことが好ましい。このような剥離力を満足するように粘着部5Cが構成されていることが好ましい。
ダイシング層5は、粘接着剤層3及び非粘着層4の外周側面よりも外側に張り出している延長部5xを有する。ダイシング層5の延長部5xの片面が、粘着部5Cにより離型層2の上面に貼り付けられている。すなわち、粘接着剤層3及び非粘着層4の外周側面よりも外側の領域で、ダイシング層5が離型層2の上面に貼り付けられている。
ダイシング層5が延長部5xを有するのは、粘接着剤層3の他方の表面に半導体ウェーハを貼り付ける際に、粘接着剤層3の外周側面よりも外側に位置する延長部5xの粘着部5Cに、ダイシングリングを貼り付けるためである。
ダイシング層5の第1,第2の基材5A,5Bを構成する各材料としては、プラスチック樹脂が挙げられ、具体的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂や、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂等のポリオレフィン樹脂や、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。なかでも、エクスパンド性に優れており、環境負荷が小さいため、ポリオレフィン樹脂が好適に用いられる。更に、本発明を設計しやすいため、ポリエチエン樹脂が好適に用いられる。
粘着部5Cは特に限定されない。粘着部5Cを構成する粘着剤の具体例として、アクリル系粘着剤、特殊合成ゴム系粘着剤、合成樹脂系粘着剤及びゴム系粘着剤等が挙げられる。なかでも、感圧タイプのアクリル系粘着剤が好ましい。感圧タイプのアクリル系粘着剤が用いられた場合、ダイシングリングを粘着部5Cからより一層容易に剥離できる。さらに、粘着部5Cのコストを低減できる。
第1の基材5A及び第2の基材5Bの厚みは特に限定されない。第1の基材5Aと第2の基材との合計の厚みは、好ましくは50μm以上、より好ましくは80μm以上、好ましくは200μm以下、より好ましくは160μm以下である。第1の基材5Aと第2の基材5Bとの合計の厚みの厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、半導体ウェーハをより一層精度よくダイシングでき、ピックアップ性をより一層高めることができる。さらに、離型層2の剥離性及びダイシング層5のエクスパンド性がより一層高くなる。
第1の基材5Aの厚みと第2の基材5Bの厚みとの比(第1の基材5Aの厚み:第2の基材5Bの厚み)は、好ましくは90:10〜30:70、より好ましくは80:20〜50:50である。上記比が上記範囲内であると、半導体ウェーハをより一層精度よくダイシングでき、ピックアップ性をより一層高めることができる。
粘着部5Cの厚みは特に限定されない。粘着部5Cの厚みは、好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下である。粘着部5Cの厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、非粘着層4とダイシング層5との剥離力を適度な範囲に制御することが容易になる。
図1(a)及び(b)に示すダイシング−ダイボンディングテープ1では、ダイシング層5は略円形である。図2(a)及び(b)に、ダイシング−ダイボンディングテープの変形例を示す。図1(a)及び(b)に示すダイシング−ダイボンディングテープ1と図2(a)及び(b)に示すダイシング−ダイボンディングテープ11とでは、ダイシング層の形状のみが異なる。ダイシング−ダイボンディングテープ1におけるダイシング層5及びダイシング−ダイボンディングテープ11におけるダイシング層12はともに略円形である。ダイシング−ダイボンディングテープ11におけるダイシング層12は貼付起点12Dを有する。より具体的には、ダイシング層12は、貼付起点12D部分を除いて円形である。ダイシング層12は、第1の基材12Aと第2の基材12Bと粘着部12Cとを有し、粘接着剤層3及び非粘着層4の外周側面よりも外側に張り出している延長部12xを有する。ダイシング層12の延長部12xの片面が、粘着部12Cにより離型層2の上面に貼り付けられている。
このように、ダイシング層の一部の領域に貼付起点が設けられていていることが好ましい。また、1つのダイシング層に複数の貼付起点が設けられていることが好ましく、少なくとも2つの貼付起点が設けられていることが好ましい。1つのダイシング層に複数の貼付起点が設けられている場合には、ダイシング層の一端側と該一端側とは反対の他端側とに、貼付起点が設けられていることが好ましい。この場合には、ダイシング−ダイボンディングテープの使用時の方向性をなくすことができる。また、例えば、一端側の貼付起点からダイシング層をうまく貼り付けられない場合などに、他端側の貼付起点からダイシング層を貼り付けることが可能である。より具体的には、一端側の貼付起点からダイシング層をうまく貼り付けられない場合などに、長尺状のダイシング−ダイボンディングテープを一旦巻き取った後に、再度巻き出すことにより、他端側の貼付起点からダイシング層を貼り付けることが可能である。
(粘接着剤層付き半導体チップの製造方法)
次に、図1(a),(b)に示すダイシング−ダイボンディングテープ1を用いた場合の粘接着剤層3付き半導体チップの製造方法の一例を以下説明する。
先ず、上述したダイシング−ダイボンディングテープ1と、図3(a)に示す半導体ウェーハ41とを用意する。
半導体ウェーハ41の平面形状は円形である。半導体ウェーハ41の表面には、マトリックス状にストリートによって区画された各領域に、個々の半導体チップを構成するための回路が形成されている。半導体ウェーハ41の厚みは、30μm以上であることが好ましい。半導体ウェーハ41の厚みが薄いと、研削時又はハンドリング時に、クラック等が発生し、半導体チップが破損しやすくなる。
図3(b)に示すように、半導体ウェーハ41を裏返して、裏返された半導体ウェーハ41を表面側からステージ25上に載せる。ステージ25上には、半導体ウェーハ41の外周側面から一定間隔を隔てられた位置に、円環状のダイシングリング26が設けられている。
次に、図4(a)に示すように、ダイシング−ダイボンディングテープ1の離型層2を剥離しながら、又は離型層2を剥離した後に、露出した粘接着剤層3の他方の面を、半導体ウェーハ41の裏面に貼り付ける。また、露出したダイシング層5の外周部分を、ダイシングリング26に貼り付ける。
次に、図4(b)に示すように、粘接着剤層3が貼り付けられた半導体ウェーハ41をステージ25から移して、裏返す。このとき、ダイシングリング26をダイシング層5の粘着部5Cに貼り付けられた状態で取り出す。取り出した半導体ウェーハ41を表面が上方になるように裏返して、別のステージ27上に載せる。次に、半導体ウェーハ41を粘接着剤層3ごとダイシングし、個々の半導体チップに分割する。半導体ウェーハ41と、粘接着剤層3と、粘着部5Cと、第2の基材5Bとをそれぞれ、両面を貫通し、分断するようにダイシングする。
ダイシングの方法としては、ダイシングブレードが用いられる。ダイシング時には、高速回転するブレードを備えるダイシング装置等が用いられる。
ダイシングの後に、半導体ウェーハ41に切断部分41aが形成され、粘接着剤層3に切断部分3aが形成され、粘着部5Cに切断部分5Caが形成され、第2の基材5Bに切断部分5Baが形成される。ダイシングする工程において、第1の基材5Aを、分断しないようにかつ第1の基材5Aに切り込み5Aaを形成するようにダイシングすることが好ましい。第1の基材5Aを、両面を貫通しないようにかつ第1の基材5Aの第2の基材側5Bの表面に切り込み5Aaを形成するようにダイシングすることが好ましい。第1の基材5Aは切断(分断)されないことが好ましい。
次に、図5に示すように、ダイシング層5を引き延ばして、分割された個々の半導体チップの間隔を拡張する。その後、半導体チップを粘接着剤層3ごと非粘着層4から剥離して、取り出すことにより、粘接着剤層3付き半導体チップを得ることができる。
本実施形態では、ダイシング−ダイボンディングテープ1が上述した積層構成を有するため、特にダイシング層5が上述した積層構成を有し、ダイシング層5における第1,第2の基材5A,5BのD値が上記関係を満足するため、ダイシング後に半導体チップ間の間隔が狭くなるのを抑えることができ、ピックアップ性を高めることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
非粘着層を形成するための組成物を構成する材料として、以下の化合物を用意した。
(アクリル系ポリマー1)
2−エチルヘキシルアクリレート95重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5重量部、光ラジカル発生剤であるイルガキュア651(チバ・ジャパン社製、50%酢酸エチル溶液)0.2重量部、及びラウリルメルカプタン0.01重量部を酢酸エチルに溶解させて、溶液を得た。この溶液に紫外線を照射して重合を行い、ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。さらに、この溶液の固形分100重量部に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、カレンズMOI)3.5重量部を反応させて、アクリル共重合体(アクリル系ポリマー1)を得た。得られたアクリル系ポリマー1の重量平均分子量は70万であり、酸価は0.86(mgKOH/g)であった。
(光重合開始剤)
イルガキュア651(チバ・ジャパン社製)
(オリゴマー)
U324A:新中村化学工業社製、ウレタンアクリルオリゴマー(10官能のウレタンアクリルオリゴマー)、重量平均分子量:1,300
(実施例1)
実施例1では、図1(a),(b)に示すダイシング−ダイボンディングテープを形成した。
非粘着層の作製:
上記アクリル系ポリマー1を100重量部と、イルガキュア651を1重量部と、ウレタンアクリルオリゴマーであるU324Aを15重量部とを配合し、組成物を得た。得られた組成物を離型PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に塗工し、110℃で5分間乾燥し、溶媒を除去し、組成物層を形成した。
次に、得られた組成物層の全領域に、水銀灯を用いて、2000mJ/cmのエネルギーとなるように光を照射し、組成物層を硬化させた。このようにして、非粘着性を有する非粘着層(厚み50μm)を得た。
離型PETフィルム/粘接着剤層/非粘着層の積層体の作製:
G−2050M(日油社製、エポキシ含有アクリルポリマー、重量平均分子量Mw20万)15重量部と、HP−7200HH(DIC社製、ジシクロペンタジエン型エポキシ)70重量部と、HP−4032D(DIC社製、ナフタレン型エポキシ化合物)15重量部と、YH−309(三菱化学社製、酸無水物系硬化剤)38重量部と、2MAOK−PW(四国化成社製、イミダゾール化合物)8重量部と、KBM−403(信越化学工業社製、エポキシシラン)2重量部と、MT−10(トクヤマ社製、表面疎水化ヒュームドシリカ)10重量部とを配合し、配合物を得た。得られた配合物を溶剤であるメチルエチルケトン(MEK)に固形分60重量%となるように添加し、攪拌し、塗液を得た。
得られた塗液を離型PETフィルム上に厚み10μmになるように塗工し、110℃のオーブン内で2分間加熱乾燥した。このようにして、離型PETフィルム上に、粘接着剤層を形成した。その後、粘接着剤層を円形に切り抜いた。
次に、粘接着剤層の離型PETフィルム側とは反対の表面上に、得られた非粘着層を60℃でラミネートした。次に、非粘着層が粘接着剤層よりも大きく、非粘着層が粘接着剤層の外周側面よりも側方に張り出している領域を有するように、非粘着層を円形に切り抜いた。
ダイシング層の作製:
第1の基材として、ポリオレフィン系樹脂フィルム(F1)(JSRトレーディング社製「SPM80」、厚み80μm)を用意した。
第2の基材として、ポリオレフィン系樹脂フィルム(F2)(オージー社製「PL3070」、厚み80μm)を用意した。
粘着部を形成するための材料として、アクリル系粘着剤(綜研化学社製「SK ダイン 1495C」)100重量部と、イソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン工業社製「コロネートL−45」)0.5重量部とを配合して、固形分が27.3重量%となるように酢酸エチルを添加して、粘着剤組成物を得た。
三洋化成社製のウレタン系トライラミネート接着剤ユーノフレックスEを用いて、上記ポリオレフィン系樹脂フィルム(F1)と上記ポリオレフィン系樹脂フィルム(F2)とを貼り合わせた。
次に、ポリオレフィン系樹脂フィルム(F2)のポリオレフィン系樹脂フィルム(F1)側とは反対の表面上に、アプリケータを用いて、上記粘着剤組成物を塗布し、110℃で5分間乾燥して、厚み10μmの粘着部(粘着剤層)を形成した。
このようにして、ポリオレフィン系樹脂フィルム(F1)/ポリオレフィン系樹脂フィルム(F2)/粘着部の積層構造のダイシング層を得た。
ダイシング−ダイボンディングテープの作製
得られた離型PETフィルム/粘接着剤層/非粘着層の積層体における非粘着層の表面上に、ダイシング層を粘着部側から貼り付けた。
その後、ダイシング層を切り抜いた。このようにして、離型PETフィルム/粘接着剤層/非粘着層/ダイシング層(非粘着層側に粘着部)がこの順で積層された積層構造を有するダイシング−ダイボンディングテープを作製した。
(比較例1)
実施例1で用いたポリオレフィン系樹脂フィルム(F2)、及び粘着剤組成物を用意した。
三洋化成社製のウレタン系トライラミネート接着剤ユーノフレックスEを用いて、2つの上記ポリオレフィン系樹脂フィルム(F2)を貼り合わせた。
次に、一方のポリオレフィン系樹脂フィルム(F2)の表面上に、アプリケータを用いて、上記粘着剤組成物を塗布し、110℃で5分間乾燥して、厚み10μmの粘着部(粘着剤層)を形成した。
このようにして、ポリオレフィン系樹脂フィルム(F2)/ポリオレフィン系樹脂フィルム(F2)/粘着部の積層構造のダイシング層を得た。
得られたダイシング層を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ダイシング−ダイボンディングテープを得た。
(比較例2)
実施例1で用いたポリオレフィン系樹脂フィルム(F1),(F2)、及び粘着剤組成物を用意した。
三洋化成社製のウレタン系トライラミネート接着剤ユーノフレックスEを用いて、上記ポリオレフィン系樹脂フィルム(F1)と上記ポリオレフィン系樹脂フィルム(F2)とを貼り合わせた。
次に、ポリオレフィン系樹脂フィルム(F1)のポリオレフィン系樹脂フィルム(F2)側とは反対の表面上に、アプリケータを用いて、上記粘着剤組成物を塗布し、110℃で5分間乾燥して、厚み10μmの粘着部(粘着剤層)を形成した。
このようにして、ポリオレフィン系樹脂フィルム(F2)/ポリオレフィン系樹脂フィルム(F1)/粘着部の積層構造のダイシング層を得た。
得られたダイシング層を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ダイシング−ダイボンディングテープを得た。
(評価)
(1)荷重曲線の測定によるD値の評価
実施例及び比較例で用いたポリオレフィン系樹脂フィルム(F1),(F2)を幅(TD方向)10mm、長さ方向(MD方向)120mmの試験片を用意した。この試験片を用いて、荷重曲線を測定した。
試験片をそれぞれ、恒温槽内で、60℃、標線間25mm及び引張速度300mm/分の条件でMD方向に引っ張り、試験片が10%伸長してから90秒後に恒温槽をはずして試験片を23℃及び湿度50%の環境下に移して、23℃及び湿度50%の環境下で30秒間放置するまでの荷重曲線を測定した。10%伸長してから90秒付近に認められる荷重値の極小値であるAを評価した。23℃及び湿度50%の環境下で10秒後から30秒後まで放置する間の荷重値の最大値であるBを評価した。試験片を10%伸張した直後の荷重値であるCを評価した。得られたA値、B値及びC値から、上記式(1)によりD値を求めた。上記測定では、引張試験機(オリエンテック社製「テンシロン UTA−500」を用いた。
(2)耐カーフシュリンク性
得られたダイシング−ダイボンディングテープの離型層を粘接着剤層から剥離し、粘接着剤層を露出させた。露出した粘接着剤層を直径12inchのシリコンウェーハ(厚み80μm)の一方の面に60℃の温度でラミネートした。
次に、ダイシング装置DFD651(ディスコ社製)を用いて、送り速度50mm/秒で、評価サンプルを10mm×10mmのチップサイズにダイシングした。このとき、シリコンウェーハと粘接着剤層と非粘着剤層と粘着部と第2の基材とを、両面を貫通し、分断するようにダイシングした。また、第1の基材に深さ30μmの切り込みを入れた。
ダインシング後の評価サンプルの5か所(上、下、左、右、中央)のMD方向とTD方向のカーフ幅を測定した。耐カーフシュリンク性を下記の基準で判定した。カーフ幅が20μm未満であると、ピックアップ時に、半導体チップに余計な粘接着剤層が付着し難くなり、かつ半導体チップ同士が接触し難くなって粘接着剤層付き半導体チップのピックアップ性が高くなる。
[耐カーフシュリンク性の判定基準]
○:全ての測定箇所でカーフ幅が20μm以上
×:カーフ幅が20μm未満である測定箇所がある
(3)ピックアップ性
上記(2)の評価の後に、ダイボンダーbestem D−02(キャノンマシーナリー社製)を用いて、コレットサイズ9mm角、突き上げ速度5mm/秒、ピックアップニードル19ピン、温度23℃の条件で、20個の粘接着剤層付き半導体チップを連続してピックアップした。ピックアップ性を下記の基準で判定した。
[ピックアップ性の判定基準]
○:ピックアップできなかった粘接着剤層付き半導体チップがない
×:ピックアップできなかった粘接着剤層付き半導体チップがある
結果を下記の表1に示す。
1…ダイシング−ダイボンディングテープ
2…離型層
3…粘接着剤層
3a…切断部分
4…非粘着層
4a…切断部分
5…ダイシング層
5A…第1の基材
5Aa…切り込み
5B…第2の基材
5Ba…切断部分
5C…粘着部
5Ca…切断部分
5x…延長部
11…ダイシング−ダイボンディングテープ
12…ダイシング層
12A…第1の基材
12B…第2の基材
12C…粘着部
12D…貼付起点
12x…延長部
25…ステージ
26…ダイシングリング
27…ステージ
41…半導体ウェーハ
41a…切断部分

Claims (4)

  1. 半導体ウェーハをダイシングし、半導体チップを得て、前記半導体チップをダイボンディングするために用いられるダイシング−ダイボンディングテープであって、
    粘接着剤層と、
    前記粘接着剤層の一方の表面に積層されておりかつ非粘着性を有する非粘着層と、
    前記非粘着層の前記粘接着剤層側とは反対の表面に積層されているダイシング層とを備え、
    前記ダイシング層が、第1の基材と、前記第1の基材の一方の表面上に配置されている第2の基材と、前記第2の基材の前記第1の基材側とは反対の表面に積層されている粘着部とを有し、前記ダイシング層は、前記粘着部側から前記非粘着層の表面に積層されており、
    前記第1の基材の下記式(1)より求められるD値が、前記第2の基材の下記式(1)より求められるD値よりも小さい、ダイシング−ダイボンディングテープ。
    D=(B−A)/(C−A)×100 ・・・式(1)
    前記式(1)中、前記第1の基材又は前記第2の基材を、60℃、標線間25mm及び引張速度300mm/分の条件でMD方向に引っ張り、前記第1の基材又は前記第2の基材が10%伸長してから90秒後に前記第1の基材又は前記第2の基材を23℃及び湿度50%の環境下に移して、23℃及び湿度50%の環境下で30秒間放置するまでの荷重曲線の測定において、Aは、前記第1の基材又は前記第2の基材が10%伸長してから90秒付近に認められる荷重値の極小値を表し、Bは、23℃及び湿度50%の環境下で10秒後から30秒後まで放置する間の荷重値の最大値を表し、Cは、前記第1の基材又は前記第2の基材を10%伸張した直後の荷重値を表す。
  2. 前記ダイシング層の前記第1の基材と前記第2の基材との材料がそれぞれ、ポリオレフィン樹脂である、請求項1に記載のダイシング−ダイボンディングテープ。
  3. 請求項1又は2に記載のダイシング−ダイボンディングテープと、半導体ウェーハとを用いて、
    前記ダイシング−ダイボンディングテープの前記粘接着剤層を、前記半導体ウェーハに貼り付ける工程と、
    前記半導体ウェーハと前記粘接着剤層と前記ダイシング層における前記粘着部と前記第2の基材とを分断するようにダイシングする工程と、
    ダイシングの後に、半導体チップが貼り付けられた前記粘接着剤層を前記非粘着層から剥離し、前記半導体チップを前記粘接着剤層ごと取り出す工程とを備える、粘接着剤層付き半導体チップの製造方法。
  4. 前記ダイシングする工程において、前記第1の基材を分断しないようにかつ前記第1の基材に切り込みを形成するようにダイシングする、請求項3に記載の粘接着剤層付き半導体チップの製造方法。
JP2012208470A 2012-09-21 2012-09-21 ダイシング−ダイボンディングテープ及び粘接着剤層付き半導体チップの製造方法 Pending JP2014063896A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012208470A JP2014063896A (ja) 2012-09-21 2012-09-21 ダイシング−ダイボンディングテープ及び粘接着剤層付き半導体チップの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012208470A JP2014063896A (ja) 2012-09-21 2012-09-21 ダイシング−ダイボンディングテープ及び粘接着剤層付き半導体チップの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014063896A true JP2014063896A (ja) 2014-04-10

Family

ID=50618864

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012208470A Pending JP2014063896A (ja) 2012-09-21 2012-09-21 ダイシング−ダイボンディングテープ及び粘接着剤層付き半導体チップの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014063896A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5823591B1 (ja) 半導体ウエハ表面保護用粘着テープおよび半導体ウエハの加工方法
TWI432547B (zh) Crystallization - Dependent Belt and Semiconductor Wafer Manufacturing Method
KR102378063B1 (ko) 보호막 형성용 복합 시트
JP5997477B2 (ja) 表面保護用シート
KR102544301B1 (ko) 수지막 형성용 시트 적층체
JP6306362B2 (ja) 伸長可能シートおよび積層チップの製造方法
JP2009164556A (ja) ウエハ加工用テープ
JP2009094127A (ja) 半導体ウエハ加工用フィルム
JP5414953B1 (ja) ダイシングシートおよびデバイスチップの製造方法
JP5580631B2 (ja) 硬化性組成物、ダイシング−ダイボンディングテープ、接続構造体及び粘接着剤層付き半導体チップの製造方法
JP5323779B2 (ja) ウエハ加工用テープ
KR101820964B1 (ko) 웨이퍼 가공용 테이프
KR102171423B1 (ko) 수지막 형성용 시트
JP5303330B2 (ja) ダイシングテープ及び半導体チップの製造方法
JP4902812B2 (ja) 粘接着剤層付き半導体チップの製造方法
JP5438522B2 (ja) ダイシング−ダイボンディングテープ及びその製造方法
JP2011199008A (ja) 粘接着シート、ダイシング−ダイボンディングテープ及び粘接着シート付き半導体チップの製造方法
JP2010225651A (ja) ダイシングテープ及び半導体チップの製造方法
JP5946650B2 (ja) ダイシング−ダイボンディングテープ及び粘接着剤層付き半導体チップの製造方法
JP2010287848A (ja) ダイシング−ダイボンディングテープ及び半導体チップの製造方法
JP2008091839A (ja) 半導体チップの製造方法
JP5651051B2 (ja) ダイシング−ダイボンディングテープ及び粘接着剤層付き半導体チップの製造方法
JP2014063896A (ja) ダイシング−ダイボンディングテープ及び粘接着剤層付き半導体チップの製造方法
JP2014060201A (ja) ダイシング−ダイボンディングテープ及び粘接着剤層付き半導体チップの製造方法
WO2015046069A1 (ja) ダイシング-ダイボンディングテープ及び粘接着剤層付き半導体チップの製造方法