JP2014058993A5 - - Google Patents
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Description
本発明では、回転軸および筒状回転部材のうちの一方(駆動側部材)が回転した際、かかる回転は、板状付勢部材と筒状回転部材との間の摩擦力、および環状部材と筒状回転部材との間の摩擦力によって、他方(従動側部材)に伝達されるので、他方が回転する。これに対して、従動側部材の側に過大な負荷が加わった際には、板状付勢部材と筒状回転部材との間、および環状部材と筒状回転部材との間に空回りが発生するので、動力の伝達が遮断される。このため、従動側部材の側に過大な負荷が加わったときでも、駆動側部材や駆動側部材より駆動側に設けられた歯車等の損傷を防止することができる。また、板状付勢部材は、連結軸部において板状付勢部材より一方側に位置する部分の全周を他方側に向けて塑性変形させた変形部分により内周部分が他方側に押圧され、その結果、径方向外側に位置する部分が筒状回転部材に弾性をもって接している。かかる構造を実現するにあたって、連結軸部は、外側面が軸線に対して回転対称であるため、塑性変形させる際の力が周方向で偏って印加されることを防止することができる。従って、塑性変形させる際の力によって回転軸に曲がることを防止することができるので、回転軸や筒状回転部材にブレ
が発生しにくい。また、板状付勢部材において連結軸部が嵌る穴の内周縁は、回り止め用の係合部が形成されているが、穴の内周縁は軸線に回転対称の形状を有している。このため、連結軸部の塑性変形による変形部分によって板状付勢部材の内周縁を押圧した際、周方向で均等な力が確実に加わるので、板状付勢部材が傾きにくい。
が発生しにくい。また、板状付勢部材において連結軸部が嵌る穴の内周縁は、回り止め用の係合部が形成されているが、穴の内周縁は軸線に回転対称の形状を有している。このため、連結軸部の塑性変形による変形部分によって板状付勢部材の内周縁を押圧した際、周方向で均等な力が確実に加わるので、板状付勢部材が傾きにくい。
この場合、前記板状付勢部材の前記穴は、丸穴であって、内周縁に前記係合凹部が形成されていることが好ましい。かかる構成によれば、連結軸部の塑性変形による変形部分によって板状付勢部材の内周縁を押圧した際、周方向で均等な力が加わるので、板状付勢部材が傾きにくい。それ故、板状付勢部材と筒状回転部材との間の摩擦力を適正なレベルに安定させることができる。この場合、前記係合凹部は、周方向の複数個所に等角度間隔に形成されている構成を採用することができる。
本発明において、前記係合凹部は、半円形状をもって前記穴の内周縁から径方向外側に凹んでいる態様を採用することができる。
この場合、前記係合凹部は、全体として、前記穴の内周縁の1/3に相当する角度範囲を占めるように複数形成されている態様を採用してもよい。
本発明において、前記係合凹部は、三角形状をもって前記穴の内周縁から径方向外側に凹んでいる態様を採用してもよい。
本発明において、前記穴および前記係合凹部は、多角形の穴を構成し、前記多角形の角によって前記係合凹部が形成されている態様を採用してもよい。この場合、前記多角形は正多角形であることが好ましい。
本発明において、前記変形部分のうち、前記係合凹部の内側に入り込んだ部分は、前記板状付勢部材の前記回転軸に対する回り止めとして機能していることが好ましい。
この場合、前記係合凹部は、全体として、前記穴の内周縁の1/3に相当する角度範囲を占めるように複数形成されている態様を採用してもよい。
本発明において、前記係合凹部は、三角形状をもって前記穴の内周縁から径方向外側に凹んでいる態様を採用してもよい。
本発明において、前記穴および前記係合凹部は、多角形の穴を構成し、前記多角形の角によって前記係合凹部が形成されている態様を採用してもよい。この場合、前記多角形は正多角形であることが好ましい。
本発明において、前記変形部分のうち、前記係合凹部の内側に入り込んだ部分は、前記板状付勢部材の前記回転軸に対する回り止めとして機能していることが好ましい。
本発明では、回転軸および筒状回転部材のうちの一方(駆動側部材)が回転した際、かかる回転は、板状付勢部材と筒状回転部材との間の摩擦力、および環状部材と筒状回転部材との間の摩擦力によって、他方(従動側部材)に伝達されるので、他方が回転する。これに対して、従動側部材の側に過大な負荷が加わった際には、板状付勢部材と筒状回転部材との間、および環状部材と筒状回転部材との間に空回りが発生するので、動力の伝達が遮断される。このため、従動側部材の側に過大な負荷が加わったときでも、駆動側部材や駆動側部材より駆動側に設けられた歯車等の損傷を防止することができる。また、板状付勢部材は、連結軸部において板状付勢部材より一方側に位置する部分の全周を他方側に向けて塑性変形させた変形部分により内周部分が他方側に押圧され、その結果、径方向外側に位置する部分が筒状回転部材に弾性をもって接している。かかる構造を実現するにあたって、連結軸部は、外側面が軸線に対して回転対称であるため、塑性変形させる際の力が
周方向で偏って印加されることを防止することができる。従って、塑性変形させる際の力によって回転軸に曲がることを防止することができるので、回転軸や筒状回転部材にブレが発生しにくい。また、板状付勢部材において連結軸部が嵌る穴の内周縁は、回り止め用の係合部が形成されているが、穴の内周縁は軸線に回転対称の形状を有している。このため、連結軸部の塑性変形による変形部分によって板状付勢部材の内周縁を押圧した際、周方向で均等な力が確実に加わるので、板状付勢部材が傾きにくい。
周方向で偏って印加されることを防止することができる。従って、塑性変形させる際の力によって回転軸に曲がることを防止することができるので、回転軸や筒状回転部材にブレが発生しにくい。また、板状付勢部材において連結軸部が嵌る穴の内周縁は、回り止め用の係合部が形成されているが、穴の内周縁は軸線に回転対称の形状を有している。このため、連結軸部の塑性変形による変形部分によって板状付勢部材の内周縁を押圧した際、周方向で均等な力が確実に加わるので、板状付勢部材が傾きにくい。
本形態では、図2(e)および図3(b)に示すように、係合凹部50aが略半円形状をもって径方向外側に凹んでいるが、図3(a)に示すように、図3(b)に示す係合凹部50aより大の曲率半径をもつ円の約1/3に相当する円弧を有するように径方向外側に凹んだ係合凹部50aを採用してもよい。すなわち、径方向外側に凹んだ複数の係合凹部50aが全体として、丸穴からなる穴50の内周縁の1/3に相当する角度範囲を占めるように形成してもよい。また、図3(c)に示すように、略三角形をもって径方向外側に凹んだ係合凹部50aを採用してもよい。
図4(b)〜(d)から分かるように、本発明を適用したフリクションドライブ装置1では、板状付勢部材5の構成を図3(a)〜(c)に示す構造に変更した場合、図9および図10を参照して説明した参考例のフリクションドライブ装置1xに比して、回転軸2の先端の振れ量が小さいとともに、板状付勢部材5の反り量が変化しても、回転軸2の先端の振れ量が大きく変化せず、安定している。
図5(b)〜(d)から分かるように、板状付勢部材5の構成を図3(a)〜(c)に示す構造に変更しても、静フリクショントルクの上限値(例えば、2500gf−cm)を超えないことが確認できた。また、本発明を適用したフリクションドライブ装置1のうち、図3(a)に示す板状付勢部材5を用いた場合には、図3(b)、(c)に示す構成例に比して、板状付勢部材5の反り量が変化したときの静フリクショントルクの変化が小さく、安定していることが確認できた。また、図3(a)〜(c)に示す板状付勢部材5を用いた場合には、板状付勢部材5の反り量が小さい場合でも、1600gf−cm以上の静フリクショントルクを得ることができた。さらに、図3(b)、(c)に示す板状付勢部材5を用いた場合、図3(a)に示す板状付勢部材5に比して、板状付勢部材5の反り量が大きくなるにつれて静フリクショントルクが大きくなることが確認できた。
図6(b)〜(d)から分かるように、板状付勢部材5の構成を図3(a)〜(c)に示す構造に変更すれば、動フリクショントルクが下限値(例えば、1300gf−cm)を下回らないことが確認できた。また、本発明を適用したフリクションドライブ装置1のうち、図3(a)に示す板状付勢部材5を用いた場合には、図3(b)、(c)に示す構成例に比して、板状付勢部材5の反り量が変化したときの動フリクショントルクの変化が小さく、安定していることが確認できた。また、図3(a)〜(c)に示す板状付勢部材5を用いた場合、板状付勢部材5の反り量が小さい場合でも、1600gf−cm以上の動フリクショントルクを確保することができた。特に、図3(b)、(c)に示す板状付勢部材5を用いた場合には、図3(a)に示す板状付勢部材5に比して、板状付勢部材5の反り量が大きくなるにつれて動フリクショントルクが大きくなることが確認できた。
図7(a)、(b)から分かるように、板状付勢部材5の構成を図3(a)〜(c)に示す構造に変更しても、静フリクショントルクおよび動フリクショントルクの安定性(耐久性能)は、図9に示す参考例のフリクションドライブ装置1xと同等以上であることが確認できた。また、図3(a)〜(c)に示す構造を比較すると、係合凹部50aが小さい程、静フリクショントルクおよび動フリクショントルクの安定性(耐久性能)に優れている傾向にある。すなわち、図3(b)に示す係合凹部50aは、図3(a)に示す係合凹部50aより小さく、図3(b)に示す板状付勢部材5を用いた場合(実線L20で示す特性)は、図3(a)に示す板状付勢部材5を用いた場合(長い破線L10で示す特性)より、静フリクショントルクおよび動フリクショントルクの変化が小さく、静フリクショントルクおよび動フリクショントルクの安定性(耐久性能)に優れている傾向にある。また、図3(c)に示す係合凹部50aは、図3(a)、(b)に示す係合凹部50aより小さく、図3(c)に示す板状付勢部材5を用いた場合(長い短い破線L30で示す特性)は、図3(a)、(b)に示す板状付勢部材5を用いた場合(長い破線L10で示す特性および実線20で示す特性)より、静フリクショントルクおよび動フリクショントルクの変化が小さく、静フリクショントルクおよび動フリクショントルクの安定性(耐久性能)に優れている傾向にある。
Claims (14)
- 軸線方向の途中部分で当該軸線方向の一方側に向く支持面が設けられた回転軸と、
前記支持面より前記一方側で前記回転軸に回転可能に嵌められて前記支持面に接する筒状回転部材と、
前記回転軸において前記筒状回転部材より前記一方側に位置する連結軸部に嵌められた環状の板状付勢部材と、
を有し、
前記連結軸部は、外側面が軸線に対して回転対称であり、
前記板状付勢部材において前記連結軸部が嵌る穴の内周縁は、前記軸線に対して回転対称であり、当該穴の内周縁には回り止め用の係合部が形成されており、
前記板状付勢部材は、前記連結軸部において前記板状付勢部材より前記一方側に位置する部分の全周を前記他方側に向けて塑性変形させた変形部分により内周部分が前記他方側に押圧されて当該内周部分より径方向外側に位置する部分が前記筒状回転部材に弾性をもって接しているとともに、前記変形部分が前記内周縁および前記係合部にて前記回転軸と前記板状付勢部材とを固定していることを特徴とするフリクションドライブ装置。 - 前記連結軸部は、外周面が円形の丸棒状であって、
前記板状付勢部材において前記穴の内周縁には、前記係合部として、前記連結軸部の外周面からみて径方向外側に向けて凹んで前記変形部分が内側に入り込んだ係合凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフリクションドライブ装置。 - 前記板状付勢部材の前記穴は、丸穴であって、内周縁に前記係合凹部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のフリクションドライブ装置。
- 前記係合凹部は、周方向の複数箇所に等角度間隔に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のフリクションドライブ装置。
- 前記係合凹部は、半円形状をもって前記穴の内周縁から径方向外側に凹んでいることを特徴とする請求項3または4に記載のフリクションドライブ装置。
- 前記係合凹部は、全体として、前記穴の内周縁の1/3に相当する角度範囲を占めるように複数形成されていることを特徴とする請求項5に記載のフリクションドライブ装置。
- 前記係合凹部は、三角形状をもって前記穴の内周縁から径方向外側に凹んでいることを特徴とする請求項3または4に記載のフリクションドライブ装置。
- 前記穴および前記係合凹部は、多角形の穴を構成し、
前記多角形の角によって前記係合凹部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のフリクションドライブ装置。 - 前記多角形は正多角形であることを特徴とする請求項8に記載のフリクションドライブ装置。
- 前記変形部分のうち、前記係合凹部の内側に入り込んだ部分は、前記板状付勢部材の前記回転軸に対する回り止めとして機能していることを特徴とする請求項2乃至9の何れか一項に記載のフリクションドライブ装置。
- 前記筒状回転部材の前記一方側の面には、前記穴より径方向外側に前記板状付勢部材に接する一方側凸部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載のフリクションドライブ装置。
- 前記筒状回転部材には、前記他方側に向けて突出して前記支持面に接する他方側凸部が前記回転軸の周りに形成されていることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載のフリクションドライブ装置。
- 前記支持面は、前記回転軸に嵌められた環状部材の前記一方側に向く面からなることを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載のフリクションドライブ装置。
- 請求項1乃至13の何れか一項に記載のフリクションドライブ装置、モータ部、および歯車列を備えたギヤードモータであって、
前記回転軸は、前記モータ部のモータ軸、または前記歯車列において前記モータ軸の回転が伝達される歯車と一体に回転する回転軸のうちの何れかであることを特徴とするギヤードモータ。
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