JP6186840B2 - トリポード型等速ジョイント - Google Patents

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Description

本発明は、トリポード型等速ジョイントに関する。特に、車両のドライブシャフト等の動力伝達部に用いられるダブルローラタイプのトリポード型等速ジョイントに関する。
従来より、ダブルローラタイプのトリポード型等速ジョイント(以下、単に「等速ジョイント」と記載する場合もある)は、例えば車両の回転駆動力を車輪に伝達するドライブシャフトに装備されて用いられている。
図8は従来の一般的な等速ジョイント110を、動力伝達軸線に直交する断面で示したものである。等速ジョイント110は、外輪部材124と、ローラ部材140と、トリボート部材134とから構成される。等速ジョイント110が車輪に伝達するドライブシャフトに適用される場合、通常、外輪部材124に駆動軸が連結され、トリポート部材134に被駆動軸が連結される。
外輪部材124は、図8では、円周方向の一部分しか図示されていないが、一端が開口した有底の円筒形状に形成されており、円周方向の3箇所に等間隔に3本のローラ案内溝126が軸線方向に形成されている。駆動軸による外輪部材124の駆動回転は白抜き矢印方向(図8で見て時計廻り方向)に行なわれるようになっている。このため、ローラ案内溝126を形成する図8で見て左側面のローラ案内面126Aがトルク伝達を行なうローラ案内面126Aとなり、右側面のローラ案内面126Bがトルク伝達を行なわないローラ案内面126Bとなっている。これらローラ案内面126A、126Bの断面形状は径方向断面で見て円弧形状に形成されており、対向した位置状態として配置されている。そして、ローラ案内面126A、126Bの円弧形状は後述するローラ部材140の外ローラ142の外面円弧形状と対応した形状となっている。
ローラ部材140は、外ローラ142と、内ローラ144と、複数個のニードルローラと146が、上下に配置された2個のスナップリング148,148により組立てられて構成されている。相対的に見て外側位置に配置される概略形状が円筒形の外ローラ142の内周面と、内側位置に配置される概略形状が同様に円筒形状の内ローラ144の外周面との間に複数個のニードルローラ146が転動可能に配置されて、外ローラ142と内ローラ144は自由に相対回転可能に組立てられている。外ローラ142の外周面の図8で見て上下方向の断面形状は前述した外輪部材124のローラ案内面126A、126Bの円弧形状に対応した円弧形状とされている。内ローラ144の内周面は後述するトリポード部材134のトリポード軸部138の先端部の球形状部がスライド移動可能に直線状の円筒形状とされている。
トリポード部材134は、被駆動軸にスプライン嵌合等により駆動連結される基部材136の円周上の3箇所から3本のトリポード軸部138が放射状に突設形成されている。トリポード軸部138の配置関係は前述の外輪部材124に形成する3個のローラ案内溝126に対応して配置されるものであり、そのためローラ案内溝126と同様に円周上に等間隔に配置される。トリポード軸部138の内ローラ144の内周面と係合する係合部位は球形状に形成されており、トリポード部材134側の被駆動軸が外輪部材124側の駆動軸に対してジョイント角をとる際に、外ローラ142が外輪部材124のローラ案内溝126に沿って移動するときにおける外ローラ142のトリポード部材134に対する上下方向の相対移動を許容するようになっている。
等速ジョイント110は、上述のように構成されていることにより、駆動軸と被駆動軸とが所定のジョイント角をとる際においても、ローラ部材140の外ローラ142が外輪部材124のローラ案内面126A、126Bを転動移動しながら動力伝達が行われて、駆動軸の回転を被駆動軸に等速で伝達することができる。
特開2005−147270号公報
上述した等速ジョイント110において、駆動軸から被駆動軸へのトルク伝達は、外輪部材124からローラ部材140、更に、トリポード部材134の順の経路で行なわれる。このとき、外輪部材124のローラ案内溝126におけるローラ案内面126A、126Bからローラ部材140のトルク伝達は、図8に図示されているように、左側面のローラ案内面126Aがトルク伝達面となりローラ部材140の外ローラ142の外周面との間は隙間のない接触状態とされ、反対側の右側面のローラ案内面126Bは非トルク伝達面となり外ローラ142の外周面との間には僅かな隙間間隔が形成された状態として行われる。
上記した等速ジョイント110のトルク伝達状態において、駆動軸と被駆動軸とのジョイント角が大きくなると、外輪部材124のトルク伝達面のローラ案内面126Aによりローラ部材140の外ローラ142が押されて転動していく際に、トリポード軸部138に支持されたローラ部材140の非トルク伝達面側の外ローラ142が、図8で見て、上下方向に揺動する。すなわち、図8で見て外ローラ142の右方側が上下方向に揺動する。この上下方向の揺動により非トルク伝達面のローラ案内面126Bと外ローラ142の外周面との間に隙間があっても、外ローラ142の外周面の円弧形状の上下部位が外輪部材124の非トルク伝達面のローラ案内面126Bの円弧形状の上下部位に当接して接触するようになりローラ部材140の転動における誘起スラスト力の強制力として作用するようになる。
この非トルク伝達面側の接触における誘起スラスト力の増加の対応のため、図8で見て、外ローラ142と非トルク伝達面のローラ案内面126Bの円弧形状における上部部位(外方部位)の接触を回避して誘起スラスト力である強制力の低減を図ることが行なわれている。その構成は、外ローラ142と非トルク伝達面のローラ案内面126Bのそれぞれの円弧形状の上部部位(外方部位)が接触する前に、外ローラ142の上端側面をローラ案内溝126の底面126Cに接触させる構成として、ローラ部材140が相対的に上部方向(外方方向)に揺動したとしても円弧形状の上部部位(外方部位)では当接しないようにするものである。すなわち、図8におけるbの位置で当接させて、a1の位置では当接させない構成としている。
しかしながら、ローラ部材140における相対的な下方向(内方向)への揺動は規制することはできなく、この揺動により外ローラ142と非トルク伝達面のローラ案内面126Bのそれぞれの円弧形状の下部部位(内方部位)の接触を回避することは困難なものである。すなわち、等速ジョイントの構成上、図8で見てa2の位置での当接は回避できない構成となっている。
誘起スラスト力である強制力は非トルク伝達面のローラ案内面126Bに外ローラ142が搖動時に接触することにより急激に増大するものであり、トルク伝達時に振動を生じさせる要因となると言う問題がある。図7は等速ジョイント110がとるジョイント角に対して生じる強制力の大きさを示すグラフである。図7におけるジョイント角Y1の位置が、従来の等速ジョイントにおいて非トルク伝達面に外ローラが当接し始める角度を示しており、Y1以上のジョイント角の強制力が従来の強制力の場合として破線で示されている。この線図から、Y1より小さいジョイント角では誘起スラスト力である強制力は比較的緩やかな増大線図であるのに対して、Y1を越えたジョイント角となると急激に誘起スラスト力である強制力が増大する線図となり、振動を発生する要因となることが分る。
而して、本発明は上述した点に鑑みて創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、ダブルローラタイプのトリポード型等速ジョイントがジョイント角をとる場合に生じるローラ部材の搖動による非トルク伝達側での接触ジョイント角度をより大きなジョイント角とすることにより、低強制力域(ジョイント角範囲)の拡大を図ることにある。
上記課題を解決するため、本発明に係るトリポード型等速ジョイントは次の手段をとる。
先ず、本発明に係るトリポード型等速ジョイントの前提とする基本的構成は、筒形状に形成され、その内周面の軸方向に3本のローラ案内溝が形成され、該ローラ案内溝はトルク伝達作用時にトルク伝達を行なうローラ案内面となるトルク伝達面とトルク伝達を行なわないローラ案内面となる非トルク伝達面とが径方向断面で見て径方向に円弧形状に形成されて対向配置されて形成されている外輪部材と、前記外輪部材のローラ案内溝に嵌合して転動可能に配置され、外輪部材の径方向の断面で見て外面が前記ローラ案内面に対応した円弧形状で形成されているローラ部材と、前記ローラ部材を転動可能に支持し、前記外輪部材の軸線に対してトルク伝達角度が変更可能に配置構成されているトリポード部材とを有する構成である。かかる構成において、前記ローラ部材の外面と、前記外輪部材のローラ案内溝を形成する少なくとも非トルク伝達面との両者の円弧形状が接触可能とする円弧形状範囲における、外輪部材の径方向で見て、内方端側部位の両者間の隙間間隔は、前記ローラ部材と前記外輪部材の端側部位の形状が前記トルク伝達面および前記非トルク伝達面の円弧形状の延長形状で形成される場合の間隔幅より大きく形成されていることを特徴とする。
上記本発明によれば、それぞれ円弧形状で形成されるローラ案内溝における非トルク伝達面とローラ部材の外周面との内方端部位における隙間間隔は、ローラ部材と外輪部材の端側部位の形状がトルク伝達面および非トルク伝達面の円弧形状の延長形状で形成される場合の間隔幅よりより大きく形成されている。これにより、等速ジョイントがジョイント角をとってトルク伝達される際に生じるローラ部材の揺動によりローラ部材の外周面がローラ案内溝の非トルク伝達面に直接に当接するジョイント角は、他の部位の円弧形状を延長形成された場合の隙間間隔状態での直接当接するジョイント角より大きな角度となる。したがって、直接当接により生じる誘起スラスト力である強制力の急激な増大を大きなジョイント角度状態まで抑制することができて、低強制力域(ジョイント角範囲)の拡大を図ることができる。
なお、上記本発明における好ましい手段は、次のとおりである。
先ず、前記内方端側部位の両者の間隔は、前記ローラ部材と前記外輪部材の端側部位の形状が前記トルク伝達面および前記非トルク伝達面の円弧形状の延長形状で形成される場合の間隔幅より大きく形成する手段は、ローラ部材の内方端側部位の外面形状を他の部位の円弧形状の延長形状で形成される場合の形状を削り取った形態であるのが好ましい。
例えば、具体的な形態としては、ローラ部材の外面の内方端部位の形状を、トルク伝達面および非トルク伝達面の円弧形状よりも曲率の大きい凸形状とする場合や、外輪部材のローラ案内面の内方端側部位の形状を、トルク伝達面および非トルク伝達面の円弧形状よりも曲率の小さい凹形状とする場合である。
かかる場合には、内方端部位における間隔を大きくするための加工を研削等により容易に行なうことができる。
更には、前記ローラ部材の内方端側部位の外面形状は円弧形状であり、該円弧形状の中心点は、外輪部材の径方向で見て、前記ローラ部材の他の部位の円弧形状の中心点より外方であるであるのが好ましい。
かかる場合には、その研削等による加工をより容易に行うことができる。
本発明は、上記した手段としたことにより、トリポード型等速ジョイントがジョイント角をとる場合に生じるローラ部材の搖動による非トルク伝達側での接触を低減させ、ジョイント角をより大きなジョイント角とすることにより、低強制力域(ジョイント角範囲)の拡大を図ることができる。
本発明の実施形態のダブルローラタイプのトリポード型等速ジョイントの全体構成を示す分解斜視図である。 同実施形態の軸方向断面図である。 図2のIIIーIII線断面図である。 外輪部材のローラ案内溝にローラ部材が嵌合した状態のトルク伝達状態を示す断面図である。 ローラ部材の外ローラの拡大断面図である。 ローラ部材のトルク伝達時に生じる搖動状態を示す模式図である。 ジョイント角に対して生じる強制力の大きさを示すグラフである。 図4に対応する従来構成の断面図である。
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。
図1〜図3は、本実施形態のダブルローラタイプのトリポード型等速ジョイント(以下、単に「等速ジョイント」と称する場合もある)10の全体構成を示すものである。図1は斜視図、図2は断面図、図3は図2のIII-III線断面図である。なお、図1では図2に示すブーツ12の記載が省略されている。なお、本実施形態の等速ジョイント10は車両の回転駆動力を車輪に伝達するドライブシャフトに装備した場合であり、ディファレンシャル装置と被駆動軸(中間シャフト)32との間に装備される。従って、等速ジョイント10はディファレンシャル装置の両側に配設される。
図1に示すように、等速ジョイント10は、回転駆動力の入力側である駆動部20と、回転駆動力の出力側である受動部30とにて構成されており、駆動部20の駆動軸22の軸線20Xに対して受動部30の被駆動軸32の軸線30Xが一致せずに所定角度で傾斜しても、駆動軸22と被駆動軸32とを常に等速で回転させて回転駆動力(トルク)を伝達することができる。この場合、本実施形態では、駆動軸22はディファレンシャル装置のサイドギアの出力軸と連結状態とされ、被駆動軸32がトリポード部材34およびアウトボード側等速ジョイントと連結状態とされている。
受動部30は、被駆動軸32と、当該被駆動軸32の一方端に固定されたトリポード部材34と、にて構成されている。
トリポード部材34は外輪部材24内に収容されるものであり、トリポード部材34の軸芯部の円環状の基部材36は、被駆動軸32の一方端に固定されている。トリポード部材34の基部材36には、外輪部材24の内周面に形成された3つのローラ案内溝26のそれぞれに向かって突出する3本の軸部であるトリポード軸部38が設けられている。そしてトリポード軸部38のそれぞれには、ローラ部材40が外嵌されている。そしてローラ部材40はローラ案内溝26内に配置されており、ローラ案内溝26の両側のローラ案内面26A,26Bに沿って軸線20X方向に転動するようになっている。
駆動部20は、外輪部材24と、当該外輪部材24に固定された駆動軸22と、にて構成されている。外輪部材24は一端が開口した有底の概略筒形状体に形成されている。有底部位に駆動軸22が固定されており、開口側からトリポード部材34が嵌合挿入されている。外輪部材24の筒形状体の内筒形状は、軸線20Xに並行に配置される3本のローラ案内溝26が形成される形状とされている。3本のローラ案内溝26は、図3に示すように、等間隔に配置されている。そして、ローラ案内溝26は周方向で見て両側位置となるローラ案内面26A,26Bと底面と26Cとで形成されている。
ローラ部材40は、トリポード軸部38に外嵌され、トリポード軸部38に対して回転可能であり、ローラ案内面26A,26Bに沿って回転しながらローラ案内溝26に沿って移動可能である。
また、図2に示すように、外輪部材24の開口部には、ブーツ12が取り付けられ、異物や水の浸入を防止するとともにグリースを内部に保持する。
また、図2に示すように、トリポード軸部38の先端部は球形状に形成されており、ローラ部材40は、トリポード軸部38に対し図2の上下方向の移動が可能である。そして、ローラ部材40は、トリポード軸部38に対し回転可能であり、揺動可能である。
以上の等速ジョイント10の基本的構成により、駆動軸22から回転駆動力が入力されると、回転方向に対向配置された関係となるローラ案内面26Aにローラ部材40が当接し、トリポード部材34及び被駆動軸32に回転駆動力を伝達する。
図4は外輪部材24からローラ部材40にトルク伝達される状態を示す断面図であり、図8に示す従来図と対比して図示したものである。図示状態は周方向の3本のローラ案内溝26のうち1本の部分を示したものである。基本的構成は図8と同じであるが、ローラ部材40の図4で見て下方側部位の形状が異なっている。
外輪部材24には、前述もしたように、内筒形状がローラ案内溝26形状として形成されており、ローラ案内溝26は周方向で見て両側のローラ案内面26A、26Bと底面26Cとで形成されている。外輪部材24は、図4で見て、白抜き矢印方向に回転してローラ部材40に回転伝達されるようになっているので、本実施形態の場合には、図4で見て、左側のローラ案内面26Aがトルク伝達を行なうトルク伝達面となっており、右側のローラ案内面26Bがトルク伝達を行なわない非トルク伝達面となっている。従って、トルク伝達を行なう左側のローラ案内面26Aは、後述するローラ部材40の外ローラ42の外周面と隙間のない当接した状態となり、トルク伝達を行なわない右側のローラ案内面26Bは、通常では外ローラ42の外周面とは非接触で隙間間隔のある状態となっている。
ローラ部材40は、外ローラ42と、内ローラ44と、複数個のニードルローラ46とが、上下に配置された2個のスナップリング48,48により組立てられて構成されている。相対的に見て外側位置に配置される概略形状が円筒形の外ローラ42の内周面と、内側位置に配置される概略形状が同様に円筒形状の内ローラ44の外周面との間に複数個のニードルローラ46が転動可能に配置されて、外ローラ42と内ローラ44は自由に相対回転可能に組立てられている。内ローラ44の内周面はトリポード部材34のトリポード軸38の先端部の球形状部が、当該内周面をスライド移動可能に直線状の円筒形状とされている。これによりトリポード部材34側の軸線30Xと外輪部材24側の軸線20Xとが所定のジョイント角をとる場合でもローラ部材40はローラ案内溝26に沿って転動移動ができるようになっている。
ローラ案内溝26を形成する両側のローラ案内面26A,26Bは対向して配置されており、外側に凸となる円弧形状で形成されている。このローラ案内面26A,26Bの円弧形状は1個の円弧形状で形成しても良く、又は、図6で示すようにいわゆるゴシック形状として形成しても良い。ゴシック形状とした場合には後述する外ローラ42の外周面との接触状態はアンギュラコンタクトとなる。
図5は外ローラ42の断面を拡大して示している。なお、断面箇所のハッチングは省略して図示されている。外ローラ42の内周面50は円筒形状に形成されており、円筒内周面50に沿ってニードルローラ46が配設される。そして、ニードルローラ46が配設される上下端位置にスナップリング48,48が嵌合する嵌合溝52、52が形成されており、この嵌合溝52,52にスナップリング48,48を嵌合させることにより、外ローラ42の内部にニードルローラ46と内ローラ44が保持された状態となり組立てられた状態となる。
外ローラ42の外周面54の基本形状は、ローラ案内溝26を形成するローラ案内面26A,26Bに対応する円弧形状に形成されている。図5で見て半径R1の円弧で形成されている。この円弧を形成する半径R1の中心点C1は、外ローラ42の回転軸方向の断面幅の2等分線上の位置にある。この外周面54において、図5で見て、下方部位は半径R1で描かれる円弧形状(図5に点線で示す形状)より僅か削り取った円弧形状として形成されている。その円弧形状は、例えば、中心点C2で半径R2の円弧形状で形成されている。半径R2の中心点C2は半径R1の中心点C1の位置より図5で見て上方位置となっている。これはローラ部材40を外輪部材24に組み込んだ状態で見てみると、外輪部材24の径方向で見て、中心点C2は中心点C1より外方位置となっている。これにより、半径R1で描かれる円弧形状と半径R2で描かれる円弧形状とは連続して形成することができて、半径R2で描かれる円弧形状部分は半径R1で描かれる場合に比べ外周面54が削り取られた状態となっている。実際の外周面の加工においても研削で半径R1の基本形状の円弧形状を加工した後で、下方部位箇所を半径R2とする研削加工を行い削り取った形態とするものである。
上記した外周面54の基本形状の円弧形状の下方部位が削り取られた形態の外ローラ42を、図4に示す外輪部材24のローラ案内溝26に組み込んだ状態で見て見る。トルク伝達が行なわれる左側のローラ案内面26Aの円弧形状と、ローラ部材40の外ローラ42の外周面54の円弧形状とは、直接接触が可能とされる円弧形状の全範囲において直接接触された状態となる。正確には外ローラ42の下方部位の削り取られた部分には削り取られた量に対応する僅かな隙間がトルク伝達量の大きさによっては生じている。反対側の右側のトルク伝達が行なわれないローラ案内面26Bの円弧形状と、ローラ部材40の外ローラ42の外周面54の円弧形状とにおける直接接触が可能とされる範囲は、通常状態では全範囲にわたって両円弧形状間に隙間間隔が形成された状態となる。そして、この場合のおける隙間間隔は、図5で示す半径R1で形成される円弧形状箇所により生じるローラ案内面26Bとの間の隙間間隔S1より、半径R2で形成される円弧形状箇所により生じるローラ案内面26Bとの間の隙間間隔S2の方が大きくなっている。
なお、本実施形態では、図4で見て外ローラ42の上側面とローラ案内溝26の底面26Cとの間の隙間間隔S3は、前述の隙間間隔S1より小さく形成されるように構成されている。このため、ローラ部材40の図4で見て非トルク伝達側の右方部側が上方に揺動したとしても、外ローラ42の上側面がローラ案内溝26の底面26Cに当接して、外ローラ42の外周面54の上方部位がローラ案内溝26のトルク案内面26Bの円弧形状部に当接することがない。
なお、ローラ部材40の図4で見て右方部側が下方に揺動する場合も、下方部位の隙間間隔S2はその他の部位の間隔隙間S1より大きく形成されているため、隙間間隔S1が延長して形成される場合に当接する揺動角度より大きな揺動角度状態で当接することになる。
次に、上記本実施形態の等速ジョイント10における、トルク伝達作動状態の作用について説明する。
今、図4において、等速ジョイント10が白抜き矢印で示すように回転すると、回転駆動力は外輪部材24、ローラ部材40、トリポード部材34の順に伝達される。そして、図4に黒矢印で示すように駆動トルクはトルク伝達面となる左側のローラ案内面26Aによりローラ部材40の外ローラ42の外周面54が押されて伝達される。このトルク伝達作用において、駆動軸22の軸線20Xと被駆動軸32の軸線30Xとのジョイント角が大きくなると、外輪部材24のトルク伝達面のローラ案内面26Aに沿ってローラ部材40の外ローラ42転動していく際に、トリポード軸部38に支持されたローラ部材40の非トルク伝達面側の外ローラ42が、図4で見て、上下方向に揺動する。
この揺動により外輪部材24とローラ部材40との間には、ローラ部材40がローラ案内溝26内を転動移動する際に誘起スラスト力である強制力を生じ、等速ジョイント10に振動を発生される要因となる。この強制力は非トルク伝達面の右側のトルク案内面26Bにローラ部材40の外ローラ42の外周面54が直接に当接するようになると、急激に増大する。
図6はローラ部材40の外ローラ42の下方部位が非トルク伝達面のローラ案内面26Bに直接に当接した状態を示す模式図である。この図からも分かるように、ジョイント角が大きくなると、ローラ部材40の非トルク伝達側の上下揺動も大きくなり、所定の大きなジョイント角になると図6に示すようにa1点で直接に当節接触する状態となり、強制力が急激に増大する。なお、ローラ部材40の外ローラ42の上方部位とローラ案内面26Bとの直接の接触は、本実施形態の場合は回避される構成となっている。すなわち、本実施形態では、前述したように外ローラ42の上側面とローラ案内溝26の底面26Cとがb点で先に当接する構成となっており、上方位置のa1点での当接が回避される構成となっている。これはa1点の当接よりb点の当接の方が誘起スラスト力の発生が小さいためである。
図7は等速ジョイント10がとるジョイント角に対して生じる強制力の大きさを示すグラフである。このグラフにおいて、強制力が急激に増大するジョイント角は、非トルク伝達側においてローラ部材40の外ローラ42の内方部位が非トルク伝達面のローラ案内面26Bに直接に当接するようになったジョイント角である。図7のグラフにおいて実線が本実施形態により生じる強制力線図を示しており、破線が従来構成において生じる強制力線図を示している。この線図から分かるように、強制力が急激に増大するジョイント角が従来構成ではY1であったのが、本実施形態ではY2となり、ジョイント角が大きくなっている。これは、それだけ誘起スラスト力である強制力の小さい状態の低強制力域のジョイント角範囲を拡大したことを意味し、それだけ等速ジョイント10の振動の発生の抑制を図ることができるものである。
この非トルク伝達側において、直接当接するジョイント角が大きくなったのは、外ローラの外周面54の下方部位と非トルク伝達面のローラ案内面26Bとの円弧形状間の隙間間隔を他の部位の隙間間隔より大きく形成したことによる。すなわち、従来の他の部位の円弧形状の延長線上で形成される場合の隙間間隔より大きくなった分だけ、ローラ部材40の揺動時に生じる直接接触のジョイント角が大きくなり、誘起スラスト力の小さい低強制力域の範囲(ジョイント角範囲)を広げることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその他各種の形態で実施できるものである。
例えば、非トルク伝達側におけるローラ案内面とローラ部材と直接接触可能な下方部位の円弧形状間の隙間間隔を他の部位より大きく形成するのは、上記実施形態では、ローラ部材の下方部位を削っていたのを、反対側のローラ案内面側を削って形成してもよい。
なお、上記実施形態では、外輪部材24側が駆動部20の場合で、トリポード部材34側が受動部30の場合について説明したが、駆動部20と受動部30が逆であってもよい。
また、上記本実施形態では、等速ジョイントが適用されるのは車両のドライブシャフトであったが、各種の回転動力を伝達する軸に適用できるものである。
10 等速ジョイント
12 ブーツ
20 駆動部
20X 軸線
22 駆動軸
24 外輪部材
26 ローラ案内溝
26A ローラ案内面(トルク伝達面)
26B ローラ案内面(非トルク伝達面)
26C 底面
30 受動部
30X 軸線
32 被駆動軸
34 トリポード部材
36 基部材
38 トリポード軸部
40 ローラ部材
42 外ローラ
44 内ローラ
46 ニードルローラ
48 スナップリング
50 内周面
52 嵌合溝
54 外周面

Claims (1)

  1. 筒形状に形成され、その内周面の軸方向に3本のローラ案内溝が形成され、該ローラ案内溝はトルク伝達作用時にトルク伝達を行なうローラ案内面となるトルク伝達面とトルク伝達を行なわないローラ案内面となる非トルク伝達面とが径方向断面で見て径方向に円弧形状に形成されて対向配置されて形成されている外輪部材と、
    前記外輪部材のローラ案内溝に嵌合して転動可能に配置され、外輪部材の径方向の断面で見て外面が前記ローラ案内面に対応した円弧形状で形成されているローラ部材と、
    前記ローラ部材を転動可能に支持し、前記外輪部材の軸線に対してトルク伝達角度が変更可能に配置構成されているトリポード部材とを有するトリポード型等速ジョイントであって、
    前記ローラ部材の外面と、前記外輪部材のローラ案内溝を形成する少なくとも非トルク伝達面との両者の円弧形状が接触可能とする円弧形状範囲における、外輪部材の径方向で見て、内方端側部位の両者間の隙間間隔は、前記ローラ部材と前記外輪部材の端側部位の形状が前記トルク伝達面および前記非トルク伝達面の円弧形状の延長形状で形成される場合の間隔幅より大きく形成されており、
    前記内方端側部位の両者間の隙間間隔は、前記ローラ部材と前記外輪部材の端側部位の形状が前記トルク伝達面および前記非トルク伝達面の円弧形状の延長形状で形成される場合の間隔幅より大きく形成する手段は、ローラ部材の内方端側部位の外面形状を他の部位の円弧形状の延長形状で形成される場合の形状を削り取った形態であり、
    前記ローラ部材の内方端側部位の外面形状は円弧形状であり、該円弧形状の中心点は、外輪部材の径方向で見て、他の部位の円弧形状の中心点より外方であり、
    前記ローラ案内面は、ゴシック形状で形成されていることを特徴とするトリポード型等速ジョイント。
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