JP2008175373A - 摺動式トリポード形等速ジョイント - Google Patents

摺動式トリポード形等速ジョイント Download PDF

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Abstract

【課題】部品点数を削減しつつ、誘起スラスト力を低減できる摺動式トリポード形等速ジョイントを提供する。
【解決手段】ローラ30は、内周面が軸方向に同径の円筒状である。トリポード軸部22は、軸部本体23と複数の転動体24とを有する。軸部本体23は、ボス部21からシャフトの径方向外方に延在し、ローラ30の円筒部に挿入され、側面に全周に亘って転動溝23aが形成される。転動体24は、軸部本体23の側面から突出し、ローラ30に対して相対回転可能で、且つ、転動溝23aに沿って転動可能に転動溝23aに係合する。この転動体24は、軸部本体23の軸心X上の所定位置Aを中心としたローラ30の内径に等しい直径をもつ第一仮想球体B内に収まる。
【選択図】図1

Description

本発明は、摺動式トリポード形等速ジョイントに関するものである。
摺動式トリポード形等速ジョイントとしては、例えば、特開2000−256694号公報(特許文献1)に記載されたものがある。特許文献1に記載された摺動式トリポード形等速ジョイントは、トリポード軸部がシャフトの径方向に延びる円柱状をなしており、ローラの内周面が軸方向に同径の円筒状をなしている。この場合、ローラは、常にトリポード軸部に対して同軸上に位置している。そのため、ジョイント角が0度でない場合に、ローラがローラ溝を転動しようとする方向と、ローラ溝の延びる方向とが一致しない状態となる。このことにより、ローラとローラ溝との間に滑りが発生し、その結果、ジョイント軸方向に誘起スラスト力が発生する。この誘起スラスト力は、車体の振動や騒音の発生原因となり、車両のNVH性能に影響を与える。
そこで、誘起スラスト力を低減するために、例えば、特開平3−172619号公報(特許文献2)に記載されたものがある。特許文献2に記載された摺動式トリポード形等速ジョイントは、ローラが、内ローラと外ローラとを備える。そして、内ローラの内周面を軸方向に同径の円筒状とし、トリポード軸部の外周面形状を球面凸状にしている。これにより、ローラがトリポード軸部に対して揺動可能となり、外ローラがローラ溝を転動しようとする方向と、ローラ溝が延びる方向とが常に一致するようになる。従って、外ローラとローラ溝との間に滑りが発生しないとされている。
しかし、特許文献2に記載された摺動式トリポード形等速ジョイントは、ローラが内ローラ、外ローラ、止め輪、およびニードルローラ等を備えることから、部品点数が多くなる。さらに、ローラの部品点数が多い分、ローラ自体が大型化し、それに伴って、摺動式トリポード形等速ジョイントが大型化する問題がある。
そこで、ローラがトリポード軸部に対して揺動可能としつつ部品点数が削減できるものとして、例えば、実開昭63−125224号公報(特許文献3)に記載されたものがある。特許文献3に記載された摺動式トリポード形等速ジョイントは、ローラの内周面に球状案内面が形成され、トリポード軸部(ヨーク軸)に複列の転動溝が形成されている。この球状案内面と転動溝の間にそれぞれ複数の転動体が収容される。これにより、ローラがトリポード軸部に対して揺動可能となり、部品点数が削減できると考えられる。
特開2000−256694号公報 特開平3−172619号公報 実開昭63−125224号公報
しかしながら、特許文献3に記載された摺動式トリポード形等速ジョイントは、ローラの内周面が球面凹状になっている。このため、ローラがトリポード軸部に対して軸方向に摺動できない。一方、ローラ溝は互いに平行をなす平面とし、且つ、ローラの外周面を直線形状としている。これにより、ローラがローラ溝に対して外輪の径方向に摺動できるようにしている。
従って、トリポードが0度でないジョイント角をとって回転したとき、ローラがトリポード軸部の移動に伴って移動することになるため、ローラはローラ溝に対して外輪の径方向へ滑ることになる。さらに、ローラがローラ溝に対して外輪の径方向へ相対移動できる構成からなるため、ローラがトリポード軸部に対して揺動可能であるとしても、ジョイント角が0度でない場合に、ローラがローラ溝を転動しようとする方向と、ローラ溝の延びる方向とが一致しない状態となるおそれがある。このことからも、やはり、ローラとローラ溝との間に滑りが発生する。それらの結果、やはり、ジョイント軸方向に誘起スラスト力が発生する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、部品点数を削減しつつ、誘起スラスト力を低減できる摺動式トリポード形等速ジョイントを提供することを目的とする。
本発明の摺動式トリポード形等速ジョイントは、筒状からなり、内周面にその軸方向に延びる3本のローラ溝が形成された外輪と、シャフトに連結されるボス部、および、ボス部からそれぞれシャフトの径方向外方に延在しそれぞれのローラ溝に挿入される3本のトリポード軸部を備えるトリポードと、環状からなり、トリポード軸部に対して回転且つ揺動可能であり、トリポード軸部の軸方向に摺動可能にトリポード軸部に支持されるとともに、ローラ溝に転動可能に嵌挿されるローラと、を備える。
そして、ローラは、内周面が軸方向に同径の円筒状である。トリポード軸部は、軸部本体と複数の転動体とを有する。軸部本体は、ボス部からシャフトの径方向外方に延在し、ローラの円筒部に挿入され、側面に全周に亘って転動溝が形成される。ローラの円筒部とは、ローラにおける円筒状の内周面に囲まれた部分(空間)である。転動体は、軸部本体の側面から突出するように、転動溝に沿って転動可能に転動溝に係合する。この転動体は、回転中心を含む断面形状のうち外面が円弧凸状からなり、円弧凸状からなる外面がローラに当接し、前記ローラに対して相対回転可能である。さらに、この転動体は、軸部本体の軸心上の所定位置を中心としたローラの内径に等しい直径をもつ第一仮想球体内に収まるように形成されている。
ここで、転動体は、軸部本体の側面から突出している。つまり、軸部本体の軸方向断面の外接円が、ローラの内径よりも小さくされている。従って、トリポード軸部のうち実質的に転動体が、ローラに当接することになる。なお、軸部本体の形状は、円柱でも角柱でもよい。また、軸部本体の側面とは、例えば、軸部本体が円柱状である場合における軸部本体の外周面を意味する。
そして、転動体は、上述したように、回転中心を含む断面形状のうち外面が円弧凸状からなり、第一仮想球体内に収まるように形成されている。ここで、回転中心とは、転動体が柱状の場合には柱延伸方向の軸心となり、転動体が球体の場合には球体中心点となる。また、第一仮想球体とは、軸部本体の軸心上の所定位置を中心とし、ローラの内径を直径とする球体である。また、転動体は、軸部本体の側面から突出しており、円弧凸状からなる外面がローラ内周面と当接する。つまり、ローラの内径とトリポード軸部(軸部本体と転動体を含む)の最大外径(転動体を含んだ径)とがほぼ等しく、もしくは、ローラの内径がトリポード軸部の最大外径よりも若干大きくなっている。従って、本発明の摺動式トリポード形等速ジョイントにおけるローラは、特開平3−172619号公報に記載された内ローラと同様に、トリポード軸部に対して揺動可能となる。
さらに、ローラの内周面が軸方向に同径の円筒状であるため、ローラがトリポード軸部に対して軸方向に摺動できる。従って、トリポードがジョイント角をとって回転しても、ローラがローラ溝に対して外輪の径方向へ滑ることはない。これにより、誘起スラスト力を低減できる。
さらに、上記したように、ローラがローラ溝に対して外輪の径方向へ滑ることはない。従って、外輪の径方向において、ローラのローラ溝に対する位置決めが可能となる。ここで、ローラは、ローラ溝に嵌挿されている。具体的には、ローラの軸心とローラ溝の延びる方向とが直交するように、ローラをローラ溝に嵌挿させる。このとき、例えば、ローラ溝の形状をローラ外周面に倣う形状などとする。つまり、外輪の径方向において、ローラは、ローラ溝に対して位置決めされている。このため、ローラは、ローラ溝に外輪径方向に係合し、常にローラ溝に沿って転動できる。すなわち、ローラがローラ溝を転動しようとする方向と、ローラ溝の延びる方向とが一致するようにできる。このことからも、誘起スラスト力を低減することができる。
さらに、本発明の摺動式トリポード形等速ジョイントによれば、特開平3−172619号公報に記載されたトリポード形等速ジョイントのように、止め輪、ニードルローラ(または内ローラ)等が必要なく、部品点数を削減することができる。また、ローラをローラ溝に嵌挿させることができるため、ローラ溝の深さ(ローラ溝の延びる方向に直交する長さ)に余分な遊びを設ける必要がなく、摺動式トリポード形等速ジョイントの小型化が可能になる。
また、転動溝は、転動体の形状に倣った形状にするとよく、軸部本体を径方向に切断した断面が円形であることが好ましい。これにより、確実に、転動体が転動溝を転動することができる。
また、転動体の形状は、第一仮想球体内に収まる形状となっており、例えば、樽状、球状、および、卵状等である。ここで、樽状からなる転動体は、以下のようになる。すなわち、転動体は、柱状であり、柱延伸直交方向に切断した断面が円形からなり、柱延伸方向に切断した断面における外周面に相当する部分が円弧凸状からなり、柱延伸方向がローラの軸方向と平行となるように転動溝に係合する。
つまり、転動体を柱延伸方向に切断した断面の形状は、当該断面における外周面(側面)に相当する部分が、径方向外方へ膨らんだ円弧状になっている。例えば、転動体の形状は、この柱延伸直交方向に切断した断面の径が、柱延伸方向の中央から柱の両端面に向けて徐々に小さくなっている。つまり、円弧凸状の中央部分が最も転動体の径方向外方に位置する。そして、転動体は、柱延伸方向がローラの軸方向と平行となるように転動溝に係合する。
これにより、例えば、実開昭63−125224号公報に記載されているように、転動体が球体である場合と比較すると、シャフト回転時におけるローラの内周面と転動体との接触面積が大きくなる。従って、転動体とローラとの間に生じる面圧が小さくなる。これにより、転動体およびローラの耐久性が向上する。また、トリポード軸部にローラを取り付ける際、転動体が両端面を有するため、転動体を転動溝への係合状態を維持しやすくなり、組付け性が向上する。さらに、トリポード軸部の軸心とローラの軸心との傾斜角度が大きくなったとしても、転動体がローラから抜け落ちにくくなる。
さらに、転動体の外周面のうち、軸部本体の軸心直交方向外方の縁線は、軸部本体の軸心上の所定位置を中心とし第一仮想球体の直径以下の直径をもつ球体の球面に倣うように形成されることが好ましい。ここで、当該所定位置とは、上述した第一仮想球体の中心と同一である。つまり、トリポード軸部を軸方向に切断した断面において、転動体の軸心と軸部本体の軸心とを含む断面のうち、転動体における軸部本体の軸心から離れた側の形状が、所定位置を中心とした球体における同断面の形状に倣うように形成されている。これにより、トリポード軸部に対するローラの揺動がより滑らかになる。従って、ローラは、ローラ溝に沿って、ローラ溝の延びる方向によりスムーズに転動できる。さらに、ローラと転動体との間にて、滑らかにトルク伝達が行われる。なお、軸心直交方向外方とは、例えば、軸部本体が円柱状である場合における径方向外方を意味する。
一方、転動体は、球体であってもよい。一般に、種々の部材の形状の中で、球体が最も硬度を高くすることができる。例えば、転がり軸受等に使用される球体の転動体は、非常に硬度の高いものである。そして、本発明における転動体を球体とすることで、より転動体の硬度を高くすることができ、転動体自体の耐久性を向上することができる。さらに、球体からなる転動体は、転がり軸受等に使用される軸受鋼により成形された球体を、使用することができる。従って、非常に安価となる。
また、ローラは、内周面における軸方向の両端部に全周に亘って径方向内方に突起した突起部を有することが好ましい。これにより、転動体のローラ外への抜け落ちをより確実に防止することができる。
本発明の摺動式トリポード形等速ジョイントによれば、部品点数を削減しつつ、誘起スラスト力を低減することができる。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。ここで、本実施形態の摺動式トリポード形等速ジョイント(以下、単に「等速ジョイント」と称する)は、車両の動力伝達シャフトの連結に用いる場合を例に挙げて説明する。例えば、ディファレンシャルギヤに連結された軸部とドライブシャフトなどのシャフトとの連結部位に用いる場合である。
<第一実施形態>
第一実施形態の等速ジョイント1について、図1および図2を参照して説明する。図1は、等速ジョイント1を径方向に切断した断面の一部を示す部分断面図である。図2は、所定位置Aを含むトリポード軸部22を径方向に切断した断面図である。
等速ジョイント1は、図1に示すように、ディファレンシャルギヤ(図示せず)に連結される外輪10と、シャフト(図示せず)に連結されるトリポード20と、外輪10とトリポード20との間に介在するローラ30とから構成される。
外輪10は、筒状(例えば、有底筒状)に形成されており、一端側がディファレンシャルギヤに連結されている。そして、外輪10の筒状部分の内周面には、外輪10の軸方向(図1の前後方向)に延びるローラ溝11が、当該軸心の周方向に等間隔に3本形成されている。
トリポード20は、外輪10の筒状部分の内側に配置されている。このトリポード20は、ボス部21と、3本のトリポード軸部22とを備える。ボス部21は、円筒状からなり、内周側には内周スプライン(図示せず)が形成されている。この内周スプラインは、ドライブシャフト(図示せず)の端部の外周スプラインに嵌合連結される。それぞれのトリポード軸部22は、ボス部21の外周側に、シャフトの軸心(トリポード20の軸心)の径方向外方に向かって延在するように、且つ、ボス部21の周方向に等間隔(120度間隔)に形成されている。それぞれのトリポード軸部22の先端部は、外輪10のそれぞれのローラ溝11内に挿入されている。そして、それぞれのトリポード軸部22は、詳細には、軸部本体23と、複数の転動体24とから構成されている。軸部本体23および転動体24についての説明は、後述する。
ローラ30は、環状からなる。このローラの内周面は、軸方向に同径の円筒状になっている。ローラ30の外周面は、ローラ30の軸方向に切断した断面が円弧凸状となるように形成されている。このローラ30は、トリポード軸部22に対して回転且つ揺動可能であり、トリポード軸部22の軸方向に摺動可能に、トリポード軸部22に支持されている。さらに、ローラ30は、その軸心とローラ溝11の延びる方向(図1の前後方向)とが直交するように、ローラ溝11に転動可能に嵌挿されている。つまり、ローラ溝11の形状は、ローラ30の外周面に倣った形状となっている。そして、等速ジョイント1の動作時(回転時)、ローラ30の内周面は、後述する転動体24と当接する。
次に、トリポード軸部22を構成する軸部本体23および転動体24の詳細について、図1および図2を参照して説明する。図1および図2に示すように、軸部本体23は、円柱状からなり、ボス部21の外周側からシャフトの径方向外方(ボス部21の径方向外方)に延在し、ローラ30の内周面に囲まれた部分(本発明における「円筒部」に相当する)に挿入されるとともに、ローラ溝11に挿入されている。そして、軸部本体23は、その外周面(本発明における「側面」に相当する)に、全周に亘って転動溝23aが形成されている。
この転動溝23aの溝側面(図1の上下面)は、互いに平行な平面状に形成されている。転動溝23aの溝底は、図2に示すように、軸部本体23の径方向断面が円形となっている。さらに、転動溝23aの溝底は、図1に示すように、軸部本体23の軸方向断面が円弧凹状となっている。この円弧凹状とは、転動溝23aのうち軸部本体23の軸方向の中央部分における直径が最小となり、当該中央部分から両端部に向けて直径が緩やかに大きくなっている。
転動体24は、樽状からなる。そして、複数の転動体24は、軸部本体23の外周面から突出して、転動溝23aに沿って転動可能となるように転動溝23aに係合している。さらに、転動体24は、ローラ30に対して相対回転可能に、転動溝23aに配置されている。
ここで、以下に、転動体24の形状およびその配置の詳細について説明するが、まず、転動体24単体としての形状について説明し、後に、転動体24を転動溝23aへ配置する状態および転動溝23aに配置した状態における転動体24の形状について説明する。
転動体24は、柱状であり、柱延伸直交方向(図1の左右方向)に切断した断面が円形からなる。さらに、転動体24の柱延伸方向(図1の上下方向)に切断した断面(以下、「柱延伸方向断面」と称する)において、転動体24の外周面24aに相当する部分24b、24c(本発明における「回転中心を含む断面形状のうち外面」に相当する)が、円弧凸状となっている。
この円弧凸状とは、転動体24における柱延伸方向の中央部分が、転動体24の軸心から最も離れた位置になるような円弧である。つまり、転動体24の径方向断面における直径は、柱延伸方向の中央部分が最大となり、当該中央部分から両端面に向けて緩やかに小さくなっている。そして、転動溝23aの溝底形状は、転動体24の外周面24aに相当する部分24b、24cに倣う形状とされている。なお、転動体24の外周面24aに相当する部分24b、24cは、同形状である。
そして、転動体24の柱延伸方向の両端面は、その軸心に垂直な円形の平面からなっている。また、転動体24の柱延伸方向の長さは、転動溝23の対向する溝側面の離間距離より僅かに小さくされている。この転動体24の柱延伸方向の長さは、およそローラ30の軸方向の長さの半分となっている。
続いて、転動体24を転動溝23aへ配置する状態、および、転動溝23aに配置した状態における転動体24の形状について説明する。この転動体24は、上述したように、その柱延伸方向断面において外周面24aに相当する部分24b、24cが、円弧凸状となっている。ここで、以下、転動体24の外周面24aのうち、軸部本体23の径方向外方(本発明における「軸心直交方向外方」に相当する)の縁線24bを「外側縁線24b」と称し、軸部本体23の径方向内方の縁線24cを「内側縁線24c」と称する。
転動体24は、軸部本体23の軸心X上の所定位置Aを中心としたローラ30の内径に等しい直径をもつ第一仮想球体B内に収まっている。なお、第一実施形態において、所定位置Aは、ジョイント角が0度である状態(図1の状態)において、軸心X上におけるローラ30の軸方向の中央に相当する位置である。つまり、所定位置Aは、図1に示すように、軸心Xと、ローラ30における軸方向中央の径方向断面Y(図2に相当する)との交点である。
そして、第一仮想球体B内において、複数の転動体24のそれぞれは、柱延伸方向がローラ30の軸方向と平行となるように転動溝23aに配置されている。そして、転動体24の両端面が、転動溝23aの溝側面に対して、軸部本体23の軸方向に係合している。また、各転動体24は、軸部本体23の外周面から突出している。つまり、軸部本体23の軸方向断面の外接円が、ローラ30の内径よりも小さくなっている。従って、トリポード軸部22のうち実質的に転動体24が、ローラ30に当接することになる。そして、転動体24の円弧凸状からなる外周面24aが、ローラ30の内周面に当接する。
また、各転動体24は、ローラ30に対して相対回転可能で、且つ、転動溝11に沿って転動可能に転動溝11に係合している。図2に示すように、複数の転動体24は、転動溝23aに沿って、軸部本体23の周方向全周に亘って配置されている。
このように転動溝23aに配置した状態における転動体24の形状は、次のようになる。転動体24の外周面24aのうち外側縁線24bは、所定位置Aを中心とした第一仮想球体Bの直径以下の直径をもつ第二仮想球体Cの球面に倣うように形成されている。つまり、外側縁線24bは、第二仮想球体Cにおける中心(所定位置A)を含む軸部本体23の軸方向断面の縁形状(円形)に倣った円弧凸状となっている。
ここで、第一実施形態においては、図1に示すように、第二仮想球体Cの直径は、ローラ30の内径よりも僅かに小さくなっている。つまり、第二仮想球体Cは、所定位置Aを中心とし、第一仮想球体Bの直径よりも僅かに小さい直径をもち、第一仮想球体B内に収まっている。また、トリポード軸部22の最大外径(転動体24を含んだ径)は、ローラ30の内径よりも若干小さくなっている。すなわち、転動体24は、第一仮想球体B内に収まり、且つ、外側縁線24bが第二仮想球体Cの球面に倣う円弧凸状となっている。
そして、転動体24において、その軸心を含む柱延伸方向断面の形状は、軸心を中心とした周方向のどの当該断面も同形状となっている。
以上のような構成からなる等速ジョイント1によれば、ローラ30は、トリポード軸部22に対して揺動可能であり、さらに、軸心X方向に摺動可能である。従って、ローラ30は、ローラ溝11に嵌め込むように挿入され、常にローラ溝11に沿って転動できる。つまり、等速ジョイント1では、ローラ30がローラ溝11に対して外輪10の径方向へ滑ることもなく、ローラ30がローラ溝11を転動しようとする方向と、ローラ溝11の延びる方向とが一致するようにできる。従って、等速ジョイント1では、誘起スラスト力を低減できる。
さらに、等速ジョイント1の構成では、例えば、特開平3−172619号公報に記載されたような止め輪、およびニードルローラ(または内ローラ)等が必要なく、部品点数を削減することができる。また、部品点数の削減に加えて、ローラ30をローラ溝11に嵌挿させることができるため、ローラ溝11の深さ(図1の上下方向の長さ)に余分な遊びを設ける必要がなく、摺動式トリポード形等速ジョイントの小型化が可能になる。
また、転動体24が上記樽状であるため、例えば、実開昭63−125224号公報に記載されているように、転動体が球体である場合と比較すると、シャフト回転時におけるローラ30の内周面と転動体24との接触面積が大きくなる。従って、転動体24とローラ30との間に生じる面圧が小さくなる。これにより、転動体24およびローラ30の耐久性が向上する。さらに、トリポード軸部22にローラ30を取り付ける際、転動体24の両端面が転動溝23aの溝側面に係合するため、転動体24を転動溝23aへの係合状態を維持しやすくなり、組付け性が向上する。また、トリポード軸部22の軸心とローラ30の軸心との傾斜角度が大きくなったときであっても、転動体24がローラから抜け落ちにくくなる。
さらに、転動体24の外周面が上記した形状であるため、ジョイント角をとる際、ローラ30が第二仮想球体Cの球面に沿って揺動するのと同等の効果を得ることができる。すなわち、トリポード軸部22に対するローラ30の揺動は、より滑らかになる。従って、ローラ30は、ローラ溝11に沿って、ローラ溝11の延びる方向によりスムーズに転動できる。さらに、ローラ30と転動体24との間にて、滑らかにトルク伝達が行われる。なお、第二仮想球体Cは、第一仮想球体B内に収まるものであればよく、例えば、第一仮想球体Bと同一の球体であってもよい。また、所定位置Aは、軸部本体23の軸心X上にあればよく、上記に限るものではない。
<第二実施形態>
次に、第二実施形態の等速ジョイント100について、図3を参照して説明する。図3は、等速ジョイント100の径方向断面の一部を示す部分断面図である。ここで、第二実施形態における等速ジョイント100は、上記第一実施形態の等速ジョイント1に対して、ローラ130およびトリポード軸部122の形状が相違する。そこで、ローラ130およびトリポード軸部122について説明し、その他の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
図3に示すように、ローラ130は、ローラ本体131と、突起部132、133とから構成されている。ローラ本体131は、第一実施形態のローラ30と同形状からなる。突起部132、133は、それぞれ、ローラ本体131の内周面における軸方向の両端部に、全周に亘って径方向内方に突起している。これらの突起部132、133は、環状であり、ローラ本体131の内周面に一体的に形成されている。そして、突起部132、133の内径は、ローラ本体131の内径よりも僅かに小さくなっている。
そして、ローラ130は、トリポード軸部222に対して回転且つ揺動可能であり、トリポード軸部222の軸方向に摺動可能に、トリポード軸部222に支持されている。さらに、ローラ130は、その軸心とローラ溝11の延びる方向(図3の前後方向)とが直交するように、ローラ溝11に転動可能に嵌挿されている。
トリポード軸部122は、軸部本体123および複数の転動体124から構成されている。軸部本体123は、第一実施形態の軸部本体23に対して、転動溝23aのみが相違する。すなわち、軸部本体123の転動溝123aは、軸部本体123の外周面に、全周に亘って形成されている。この転動溝123aは、軸部本体123の径方向断面が円形となっている。さらに、転動溝123aは、軸部本体123の軸方向断面が、円弧凹状となっている。この円弧凹状とは、およそ半円状である。つまり、転動溝123aは、後述する転動体124に倣った形状となっている。
転動体124は、球体からなっている。複数の転動体124は、転動溝123aに沿って、軸部本体123の周方向全周に亘って配置されている。そして、転動体124を含むトリポード軸部122の最大外径は、ローラ130の内径よりも若干小さくなっている。すなわち、転動体124は、第一実施形態同様、第一仮想球体B内に収まり、軸部本体123の側面から突出し、ローラ130に対して相対回転可能で、且つ、転動溝123aに沿って転動可能に転動溝123aに係合している。また、第二実施形態において、この転動体124の直径は、ローラ130の軸方向の長さの半分より僅かに小さくなっている。
なお、トリポード軸部122にローラ130を取り付ける際は、ローラ130をトリポード軸部122に対して同軸上にした状態でトリポード軸部122に圧入してもよく、トリポード軸部122の軸心とローラ130の軸心との傾斜角度を大きくして挿入してもよい。
以上のような構成からなる等速ジョイント100によれば、第一実施形態同様、ローラ130がローラ溝11に対して外輪10の径方向へ滑ることもなく、ローラ130がローラ溝11を転動しようとする方向と、ローラ溝11の延びる方向とが一致するようにできる。つまり、等速ジョイント100では、誘起スラスト力を低減できる。また、第一実施形態同様、部品点数の削減、および、小型化が可能である。
さらに、転動体124を球体とすることで、より転動体124の硬度を高くすることができ、転動体124自体の耐久性を向上することができる。また、球体からなる転動体124は、転がり軸受等に使用される軸受鋼により成形された球体を、使用することができる。従って、非常に安価となり、コスト低減が可能となる。
さらに、ローラ130がローラ本体131の内周面に突起部132、133を有するため、転動体124のローラ130外への抜け落ちをより確実に防止することができる。なお、突起部132、133は、第一実施形態の等速ジョイント1にも適用することができ、この場合も上記と同様の効果を得ることができる。また、ローラ本体131の内周面のうちトリポード軸部122の先端側に形成される突起部132は、ローラ130と別体であってもよい。この場合、トリポード軸部122にローラ130を挿入した後に突起部132を取り付けることができる。つまり、転動体124およびローラ130を軸部本体123への組み付けが容易となる。
等速ジョイント1を径方向に切断した断面の一部を示す部分断面図である。 所定位置Aを含み、トリポード軸部22を径方向に切断した断面図である。 等速ジョイント100を径方向に切断した断面の一部を示す部分断面図である。
符号の説明
1、100:摺動式トリポード形等速ジョイント、
10:外輪、 11:ローラ溝、
20:トリポード、 21:ボス部、 22、122:トリポード軸部、
23、123:軸部本体、 23a、123a:転動溝、
24、124:転動体、 24a:外周面、 24b:外側縁線、 24c:内側縁線、
30、130:ローラ、 131:ローラ本体、 132、133:突起部、
A:所定位置、 B:第一仮想球体、 C:第二仮想球体

Claims (5)

  1. 筒状からなり、内周面にその軸方向に延びる3本のローラ溝が形成された外輪と、
    シャフトに連結されるボス部、および、前記ボス部からそれぞれ前記シャフトの径方向外方に延在しそれぞれの前記ローラ溝に挿入される3本のトリポード軸部を備えるトリポードと、
    環状からなり、前記トリポード軸部に対して回転且つ揺動可能であり前記トリポード軸部の軸方向に摺動可能に前記トリポード軸部に支持されるとともに、前記ローラ溝に転動可能に嵌挿されるローラと、
    を備える摺動式トリポード形等速ジョイントであって、
    前記ローラは、内周面が軸方向に同径の円筒状であり、
    前記トリポード軸部は、
    前記ボス部から前記シャフトの径方向外方に延在し、前記ローラの円筒部に挿入され、側面に全周に亘って転動溝が形成される軸部本体と、
    前記軸部本体の側面から突出するように前記転動溝に沿って転動可能に前記転動溝に係合し、回転中心を含む断面形状のうち外面が円弧凸状からなり、前記円弧凸状からなる前記外面が前記ローラに当接し、前記ローラに対して相対回転可能であるとともに、前記軸部本体の軸心上の所定位置を中心とした前記ローラの内径に等しい直径をもつ第一仮想球体内に収まるように形成された複数の転動体と、
    を有することを特徴とする摺動式トリポード形等速ジョイント。
  2. 前記転動体は、柱状であり、柱延伸直交方向に切断した断面が円形からなり、柱延伸方向に切断した断面における外周面に相当する部分が円弧凸状からなり、前記柱延伸方向が前記ローラの軸方向と平行となるように前記転動溝に係合する請求項1に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
  3. 前記転動体の外周面のうち前記軸部本体の軸心直交方向外方の縁線は、前記軸部本体の軸心上の前記所定位置を中心とし前記第一仮想球体の直径以下の直径をもつ第二仮想球体の球面に倣うように形成される請求項2に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
  4. 前記転動体は、球体である請求項1に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
  5. 前記ローラは、内周面における軸方向の両端部に全周に亘って径方向内方に突起した突起部を有する請求項1〜4の何れか一項に記載の摺動式トリポード形等速ジョイント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023168914A1 (zh) * 2022-03-11 2023-09-14 上海纳铁福传动系统有限公司 一种滚柱结构的三销轴式移动万向节

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